JPH0623728Y2 - エンジンの始動操作装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、エンジンの始動操作を確実容易に行なえるよ
うにしたエンジンの始動操作装置に関する。

［従来の技術］ 従来は、ピストン式のスロットルバルブと開閉式のチョ
ークバルブを配備したエンジンにおいて、前記スロット
ルバルブとチョークバルブはそれぞれが単独に操作され
るような構造になっていた。

なお、実開昭６２−１７９３４１号公報に見られるもの
は、スロットルバルブ用の第一ワイヤとピストンバルブ
用の第二ワイヤとを、その第二ワイヤの先端部とピスト
ンバルブ箇所との間にクリアランスがあるようにして連
動連繋したものであり、エンジンの加速応答性を向上さ
せることができるように構成されたものである。

［考案が解決しようとする課題］ したがって、従来では、スロットルバルブとチョークバ
ルブをそれぞれ別個に操作しなければならないので、エ
ンジン始動時の操作が難しく、操作手順を誤ったりする
と始動不良となって、操作性が悪い、といった不具合を
呈していた。

［課題を解決するための手段］ 本考案は、そのような不具合を解決し、簡単な構造にし
て始動性を向上させることができるようにしたものであ
り、そのため、スロットルバルブを全閉から全開に操作
できるようスロットルワイヤーを介して操作レバーに連
動連繋し、チョークバルブを全開から全閉に操作するチ
ョークワイヤーを、前記スロットルバルブが全閉位置か
ら全開の開始位置まで移動するストロークに等しい遊び
をもたせて前記スロットルワイヤーの途中もしくは前記
操作レバーに連動連繋し、エンジン始動時にはスロット
ルバルブが全開になってからチョークバルブが全閉状態
となるように構成したものである。

［作用］ したがって、エンジンの始動時に、操作レバーを操作す
るだけで、まず、チョークバルブが全開のまま、スロッ
トルバルブを全閉から全開に操作することになり、次い
で、スロットルバルブが全開してそのまま全開の状態で
操作されると、チョークバルブが全開から全閉に操作さ
れて、エンジンを始動性良く始動させることができるこ
とになる。

［実施例］ 次に、図面を示す実施例について説明する。

気化器(1)、フロートチャンバ(2)、エアクリーナー(3)
などを装備した小形エンジンにおいて、前記気化器(1)
には、ニードル(15)を有したピストン式のスロットルバ
ルブ(14)を、圧縮スプリング(16)により全閉側（低速
側）に弾圧して内装し、その上方のキャップ(17)より延
設した連結金具(18)より操作ケース(25)にアウタワイヤ
ー(21)を延設し、前記スロットルバルブ(14)に連繋した
スロットルワイヤー(19)を前記キャップ(17)の内方から
前記連結金具(18)およびアウタワイヤー(21)の内部を通
して延設するとともに、前記操作ケース(25)内に軸架し
た回動自在の操作レバー(22)の基部に前記スロットルワ
イヤー(19)の先端を連繋して構成する。

前記エアクリーナー(3)と気化器(1)の間に形成した吸気
通路(23)には中央に小孔(4a)を有するチョークバルブ
(4)を開閉自在に被着するが、該チョークバルブ(4)の基
部側に嵌合して枢支する角軸(6)には、外側方に延出す
るチョークレバー(5)の一端側を嵌合するとともにワッ
シャー(7)およびナット(8)を介して締付け固定し、前記
チョークレバー(5)の他端側とその下方の固定アーム(1
2)との間には、前記チョークバルブ(4)が吸気通路(23)
を全開させて上方のストッパー(24)に衝合するよう弾圧
付勢する引張りスプリング(11)を連繋して構成する。

前記チョークレバー(5)の他端側に挿着した連結リンク
(9)にはチョークワイヤー(13)の一端側を挿入して固定
ボルト(10)により係止し、前記連結金具(18)に形成した
開口(18a)から前記チョークワイヤー(13)を挿入して前
記アウタワイヤー(21)内のスロットルワイヤー(19)の途
中部位に他端側を加締め部(20)で加締めて連繋するが、
第２図に示すようにチョークバルブ(4)が全開の状態で
開口(18a)から連結リンク(9)にわたるチョークワイヤー
(13)の部分が、前記スロットルバルブ(14)が全閉位置
（低速位置であってＡで示す）から全開の開始位置（高
速開始位置であってＢで示す）まで移動するストローク
(S)に等しい遊びを有するよう、すなわち、第２図に実
線で示すように開口(18a)から連結リンク(9)にわたる間
でたるむように装設して構成する。

なお、そのように遊びをもたせて、前記チョークワイヤ
ー(13)を前記アウタワイヤー(21)内に通して他端側を前
記操作レバー(22)に直接に連結して構成することもでき
る。

したがって、エンジン始動時に、操作レバー(22)を全閉
位置（Ａで示す）から全開の開始位置（Ｂで示す）まで
矢印（イ）で示すように回動させると、圧縮スプリング
(16)に抗張してスロットルワイヤー(19)により引きなが
らスロットルバルブ(14)を全閉位置（Ａで示す低速位
置）から全開の開始位置（Ｂで示す高速の開始位置）ま
で移動させることになり、同時に、スロットルワイヤー
(19)とともにチョークワイヤー(13)を引くこことになる
が、その状態では、それまで遊びを有していたチョーク
ワイヤー(13)が仮想線（ロ）で示すように直線方向に張
り、チョークバルブ(4)は第２図に示すように全開位置
（Ａ・Ｂで示す）に位置して全開したままの状態にな
る。

次いで、操作レバー(22)を全開の開始位置（Ｂで示す）
から全開位置（Ｃで示す）まで矢印（ハ）で示すように
回動させると、スロットルバルブ(14)を全開位置（Ｃで
示す）に移動させて高速に操作できることになるが、同
時に、チョークワイヤー(13)を引きながら、引張りスプ
リング(11)に抗張してチョークバルブ(4)を全閉位置
（Ｃで示す）に回動させてチョーク操作を行なうことが
できることになり、操作レバー(22)によりエンジンの始
動を始動性良く容易に行なうことができることになる。

［考案の効果］ このように本考案は、単一の操作レバー(22)による操作
のみで、スロットルバルブ(14)とチョークバルブ(4)と
を始動性良く連動させて操作できることになり、従来形
のように操作手順を誤ったりすることなく、しかも、始
動性を向上させて容易に始動操作ができることになり、
確実に作動させることができる簡単な構造にして好適に
実施できる特長を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例である要部を一部破断して示
し、第２図は第１図の一部の右側面図を示し、第３図は
第１図の一部の縦断面図を示す。 (14)…スロットルバルブ (4)…チョークバルブ (19)…スロットルワイヤー (22)…操作レバー (13)…チョークワイヤー (S)…ストローク

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ピストン式のスロットルバルブ(14)と開閉
   式のチョークバルブ(4)を配備したエンジンにおいて、
   前記スロットルバルブ(14)を全閉から全開に操作できる
   ようにスロットルワイヤー(19)を介して操作レバー(22)
   に連動連繋し、前記チョークバルブ(4)を全開から全閉
   に操作するチョークワイヤー(13)を、前記スロットルバ
   ルブ(14)が全閉位置から全開の開始位置まで移動するス
   トローク(S)に等しい遊びをもたせて前記スロットルワ
   イヤー(19)の途中もしくは前記操作レバー(22)に連動連
   繋し、エンジン始動時にはスロットルバルブ(14)が全開
   になってからチョークバルブ(4)が全閉状態となるよう
   に構成したことを特徴とする始動操作装置。