JPH0623630A - ボルトまたはナット等の供給締付け装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 部品受取り位置が供給ロッドと同軸上の位置
であると、部品の受け止めと同軸上への位置合わせとを
一時に成立させなければならないので、高精度の部品取
扱いが必要で、場合によっては部品が正しい位置に停止
しないことが生じたりして、正常な供給ができないこと
になる。また、部品を供給ロッドの係合孔に嵌入させる
ときには、できるだけ高精度の部品移動をさせなければ
ならない。さらに、部品が供給ロッドに合体するときに
は、部品が供給ロッドと共回りしてはならない。本発明
は、以上の問題点を解決することを目的にしている。 【構成】 ボルトまたはナット等の部品の保持部材に容
器を組み合わせ、容器を供給ロッドの係合孔に向かって
移動させる駆動手段を設け、容器内の部品に制動力を付
与する押圧手段を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、ボルトまたはナット
等の部品の保持部材が部品受取り位置から移動して、部
品が回転式の供給ロッドと同軸になってから部品が供給
ロッドの係合孔に嵌め込まれる形式のものに関し、部品
を供給ロッドに正確に到達させる分野において利用され
るものである。

【０００２】

【従来の技術】この発明に正確に対応する先行技術は、
発明者の知る範囲では発見されていないが、強いていう
ならば、特開昭６０−１３１１６７号公報（油谷鉄工）
があげられる。ここに開示されていることは、進入して
きたボルトをマグネット付きの一時係止部材で吸着して
供給ロッドと同軸の状態で受け止め、ついで一時係止部
材全体をボルトと共に移動させて、ボルトの頭部を供給
ロッドの係合孔に嵌め込むものである。

【０００３】

【発明が解決しようとする問題点】上述のような従来技
術であると、進入してきた部品を一時係止部材で受け止
めることと、それが供給ロッドと同軸上でなければなら
ないことの２要件を同時に成立させなければならない。
したがって、部品の受け止め位置が極めて正確でなけれ
ばならず、信頼性の高い作動を得るのには困難である。
さらに重要な点は、一時係止部材全体を移動させて部品
を供給ロッドに嵌め込む形式であるから、一時係止部材
全体の移動が高精度の下に達成されないという問題があ
ると共に、上述の問題点よりもさらに重要な最も注意し
なければならない点は、供給ロッドの係合孔に部品が嵌
入されるときに部品が供給ロッドと共回りをしないよう
にしなければならないことである。

【０００４】

【問題を解決する手段とその作用】本発明は、以上のよ
うな問題点に注目して提供されたものであり、ボルトま
たはナット等の部品の保持部材が部品受取り位置から移
動して、部品が回転式の供給ロッドと同軸になってから
部品が供給ロッドの係合孔に嵌め込まれる形式のものに
おいて、部品を受け入れる容器を保持部材に組付け、容
器内の部品に制動力を付与する押圧手段を設置し、容器
を前記係合孔の方へ移動させるための駆動手段が保持部
材に取り付けられていることを特徴とするもので、容器
内に入った部品は押圧手段によって制動力が付与され、
保持部材全体が供給ロッドと同軸の位置まで移動してか
ら駆動手段により容器が係合孔の方へ移動すると、回転
している係合孔内にボルトまたはナットが嵌入されるの
である。

【０００５】

【実施例】先ず、部品がナット１である場合の実施例を
図１〜図３にしたがって説明すると、ナット１は６角形
の鉄製であって、円形のフランジ２を一体に有してお
り、パーツフィーダ（図示していない）から伸びている
供給通路管３を通って一時係止手段４に保持されてい
る。一時係止手段としては、挟持爪で弾力的にナットを
挟みつけるようないわゆるチャック構造のものなど色々
な方法が考えられるが、ここではマグネットによる形式
を例示した。すなわち、ガイド筒５の開口部６の近くに
マグネット（永久磁石）７を埋設し、表面をカバー板８
で覆ってある。ガイド筒５には供給通路管３が開口して
おり、ナット１を後述の保持部材へ移動させるための移
送ロッド９が進退自在な状態で設置してある。この移送
ロッド９はエアシリンダ（図示していない）の出力で作
動するようになっている。

【０００６】保持部材１０は、図１のように断面がＬ字
型で円弧上のガイド板１１が起立しており、少なくとも
フランジ２を収容する深さの容器１２が保持部材１０に
組み合わせてある。容器１２はカップ状の形をしてお
り、その底部にはマグネット（永久磁石）１３、１３が
埋設してある。保持部材１０は直線的に往復運動をする
もので、そのためにエアシリンダ１４のピストンロッド
１５が保持部材１０に結合されている。なお、供給通路
管３に固定板１６を溶接し、これにエアシリンダ１４が
取付けてある。容器１２内においてナット１に制動力を
付与するために押圧手段１７が設置してある。この押圧
手段１７を実現する方法としては電磁ソレノイドやエア
シリンダのごとく色々なものが採用できるが、ここでは
エアシリンダ１８の場合を例示した。エアシリンダ１８
は容器１２の横側面に固定されており、そのピストンロ
ッド１９が容器１２を貫通してフランジ２を押圧するよ
うになっている。保持部材１０の下面にブラケット２
０、２０を介してエアシリンダ２１が固定されていて、
そのピストンロッド２２が容器１２の下面に結合されて
いる。このような駆動手段は前述のエアシリンダ２１で
実現することもできるが、他の方法として、電磁ソレノ
イドを使用することも可能である。この駆動手段は、供
給ロッド２３と同軸上にあるナット１を供給ロッド２３
の係合孔２４内に挿入させることができるように、すな
わち、容器１２を係合孔２４の方へ移動させる役割を果
たしている。

【０００７】静止部材２５には基板２６がしっかりと取
付けてあり、これに図示のごとく供給通路管３、ガイド
筒５や後述のガイドパイプ２７などが溶接されて、各部
分の相対位置が設定されている。ガイドパイプ２７には
供給ロッド２３が貫通させてある。この実施例における
供給ロッド２３は、ナット１を保持して目的箇所のボル
ト２８に締付けを行うナットランナーの役割を果たして
いる。したがって、供給ロッド２３の下端には前述の係
合孔２４が明けられ、下向きに開口している。係合孔２
４は、６角形のナット１に適合させるために、６角形よ
りも１２角形または１８角形にする方がスムーズな係合
となる。係合孔２４の奥部にはマグネット（永久磁石）
２９が埋設してある。保持部材１０が２点鎖線図示のよ
うに進出すると、そこに保持されているナット１が供給
ロッド２３と同軸となるようにエアシリンダ１４のスト
ロークが設定されている。

【０００８】なお、供給ロッド２３は図示していない
が、回転モータに結合され、さらにこのモータ自体がエ
アシリンダのピストンロッドに取付けてあり、こうする
ことによって供給ロッドは進退ストロークと回転とが同
時にできるのである。また、各エアシリンダに接続され
るエアホースは、図示を省略してあり、さらに、後述の
作動の順序は通常の制御回路や電磁式空気制御弁などを
使用することによって、容易に実施することが可能であ
る。ボルト２８は部品３０に溶接されている。

【０００９】以上の実施例の作動について説明すると、
図１は、保持部材１０が待機位置にあって一時係止手段
の近傍に位置している状態である。供給通路管３を通っ
てきたナット１はマグネット７に吸着されて図示のよう
に一時係止されている。ここで移送ロッド９が進出する
と、ナット１は移送ロッド９の下端面によって押し下げ
られ、容器１２内に嵌まり込みここでマグネット１３、
１３に吸着されて保持部材１０への保持が完了する。ナ
ット１が容器１２内に嵌まり込むと、エアシリンダ１８
が作動してピストンロッド１９が進出して、フランジ２
の外周面にピストンロッド１９の先端が押し付けられ、
ナット１に対する回り止めの制動力が付与される。

【００１０】次に、エアシリンダ１４が作動して保持部
材１０が２点鎖線図示のように右方に進出して、ナット
１が供給ロッド２３と同軸になる位置で停止し、その
後、エアシリンダ２１の作動でピストンロッド２２が上
昇すると、ナット１は容器１２内に収容されたまま係合
孔２４の方へ移動し、回転している供給ロッド２３の係
合孔２４内に嵌入する。すると、ピストンロッド１９が
後退してフランジ２に対する制動力が解除され、ナット
１はマグネット２９に吸着されて、ピストンロッド２２
が後退するときには、マグネット１３、１３からナット
１が強制的に引き離されて、供給ロッド２３の係合孔２
４内に残留する。その後、エアシリンダ１４により保持
部材１０が実線図示の位置に復帰する。ナット１は、供
給ロッド２３の先端にマグネット２９で吸引保持がなさ
れたままその場に残り、供給ロッド２３が進出してナッ
ト１がボルト２８の所へ送給され、ここでボルト２８へ
のナット締付けがなされるのである。

【００１１】以上の実施例は、保持部材１０が直線的に
往復運動をする場合であるが、図３の実施例は円弧的な
往復運動をさせる場合である。先の実施例と同じ機能を
果たす部材には同じ符号を表示して詳細な説明は省略し
てある。静止部材２５にブラケット３１を介して回転モ
ータ３２を固定し、その出力軸３３に回動アーム３４を
固定し、これに保持部材１０を結合したものである。回
動アーム３４の回動によって容器１２の中心部が円弧を
描くがその円弧上にボルト２８が配置されている。この
実施例の作動は先のものから容易に理解することができ
るので、その説明は省略した。

【００１２】図４の実施例は、軸部３５と頭部３６から
なるボルト３７の場合であり、先の実施例と同じ機能を
果たす部材には、同符号を表示して詳細な説明は省略し
てある。供給通路管３は容器１２の真上に開口してい
て、パーツフィーダ（図示していない）から伸びてきて
いる。この実施例の作動は先のものから容易に理解する
ことができるので、詳細な説明は省略してある。

【００１３】なお、マグネット２９の吸引力をより強く
作用させるために、供給ロッド２３やガイドパイプ２７
などは非磁性体であるステンレス鋼で製作するのが適当
である。

【００１４】

【効果】本発明によれば、部品を部品受取り位置におい
て保持部材で一旦受け止め、その後、保持部材が供給ロ
ッドと同軸位置に移動する方式であるから、前述のよう
に部品の同軸位置決めと部品の受け止めを一時に成立さ
せる必要がなく、したがって、供給ロッドの係合孔に対
して正確に高い信頼性の下で作動させることが実現す
る。さらに重要なことは、保持部材が供給ロッドと同軸
位置に移動させられてから駆動手段が作動して、容器だ
けが係合孔に向かって送出されるものであるから、保持
部材全体が移動するようなことがなく、高精度の下でボ
ルトまたはナット等の供給締付けが可能となるものであ
る。特に、本発明で最も重要な効果は、容器内のナット
やボルトに制動力が付与されるものであるから、部品が
供給ロッドと共回りをするようなことがなく、係合孔内
への嵌入が円滑にしかも確実に達成される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例を示す縦断側面図である。

【図２】保持部材の平面図である。

【図３】他の実施例を示す平面図である。

【図４】他の実施例を示す縦断側面図である。

【符号の説明】

３７ ボルト １ ナット １０ 保持部材 ２３ 供給ロッド ２４ 係合孔 １２ 容器 １８、１９ 押圧手段 ２１、２２ 駆動手段

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ボルトまたはナット等の部品の保持部材
   が部品受取り位置から移動して、部品が回転式の供給ロ
   ッドと同軸になってから部品が供給ロッドの係合孔に嵌
   め込まれる形式のものにおいて、部品を受け入れる容器
   を保持部材に組付け、容器内の部品に制動力を付与する
   押圧手段を設置し、容器を前記係合孔の方へ移動させる
   ための駆動手段が保持部材に取り付けられていることを
   特徴とするボルトまたはナット等の供給締付け装置。