JPH06234552A - 電界シールド用透明導電膜 - Google Patents
電界シールド用透明導電膜Info
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- JPH06234552A JPH06234552A JP4454893A JP4454893A JPH06234552A JP H06234552 A JPH06234552 A JP H06234552A JP 4454893 A JP4454893 A JP 4454893A JP 4454893 A JP4454893 A JP 4454893A JP H06234552 A JPH06234552 A JP H06234552A
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Abstract
優れた電界シールド用透明導電膜を提供する。 【構成】 2層の積層からなる電界シールド用透明導電
膜である。第1層は、ITO分散シリケート膜2であ
り、ガラス基板1上に成膜され、第2層は、第1層を覆
うオーバーコート4である。ITO分散シリケート膜2
は、インジウム錫酸化物(ITO)粒子3をシリケート
マトリックスに分散させた膜であり、粒径,含有量を特
定して透明性を改善し、導電性を調整している。オーバ
ーコート4は、シリケートガラス膜である。その膜厚を
規定し、膜強度,耐候性を改善するとともに反射防止の
効果を得る。
Description
イ,テレビジョンのブラウン管などの前面ガラスの表面
処理に用いる電界シールド用の透明導電膜に関する。
静電気帯電によるホコリが付着しやすく、また人体が接
触した時に放電して電気ショックを受けるため、帯電防
止の処理を施すことは古くから知られている。
A)化により、オフィスに多くのOA機器が導入され、
OA機器のディスプレイと向き合って終日作業を行うと
いう環境は珍しくない。コンピュータの陰極線管(CR
T)に接して仕事を行う場合にCRTは、単に静電気に
よるCRT表面のホコリの付着,電撃ショックの防止に
止まらず、表示画面が見やすく、画像の読み取りが容易
であり、視覚疲労を感じさせないことのほか、漏洩X線
や漏洩電磁界の人体への影響が安全基準をクリアするこ
とが要求される。
問題は、CRT表面に導電膜を付し、これをアースする
ことにより解決できる。この場合に導電膜は、表面抵抗
で108Ω/□程度の導電性が必要である。導電膜は、
画面の透明性や解像度を損なうものであってはならず、
膜中を通過する光の拡散透過の量が極力少ないことが望
ましい。実用上、CRTに対しては、拡散透過光の直接
透過光に対する百分率で定義されるヘイズ値が、おおよ
そ5%以下の極力少ない値であることが要求される。ヘ
イズを減らすには、膜中の光散乱源が少なく、膜厚がで
きるだけ薄いことが条件となる。
表面に防眩処理を施して画面の反射を押さえることが望
ましい。防眩処理に対しては、反射光が入射光に対して
破壊的干渉を生ずるように被膜の膜厚及び屈折率を制御
することによりその対応が可能である。
スク付近なので、CRTのガラスにPb,Ba,Srな
どの重元素を添加して遮蔽効果を持たせればよい。
生し、TVの大型化に伴って益々大きな電磁場が周囲に
洩れる傾向にある。磁界の漏洩は、逆磁場の印加により
防止でき、電界の漏洩に対する対応は、帯電防止と同様
に、CRTガラス表面に導電性の透明被膜を形成するこ
とにより防止できる。しかし、電界シールドと帯電防止
とでは、被膜に要求される導電性のレベルには大きな差
があり、帯電防止には表面抵抗で108Ω/□程度で十
分とされているが、漏洩電界を防ぐためには、少なくと
も105Ω/□以下、好ましくは103Ω/□台の低抵抗
の透明膜を形成する必要がある。
つかの提案がなされている。例えば、真空蒸着及びCV
DによりCRTの前面に酸化錫や酸化インジウム等の導
電性酸化物の被膜を形成する方法がある。この方法を用
いて形成した膜は、酸化錫や酸化インジウム単一組成で
構成されるため、素材の導電性がそのまま現われて電界
シールド効果に十分な低い抵抗値が得られる。また、膜
厚を十分薄く、且つ均一に制御しやすく、CRTの解像
度を損うことなく反射防止の処理もしやすい。
CRT表面を処理するためには、実質的に200℃以下
の温度で行う必要があるが、真空蒸着及びCVD法では
この点についても問題はない。しかしながら、この方法
によるときには、各ブラウン管毎に雰囲気を制御して処
理しなければならず、被膜形成に多大のコストがかかる
ため、CRT製造には実用上極めて不都合である。従っ
て特殊な用途のブラウン管を除いてはこの方法は適用さ
れておらず、より安価で迅速に行える膜形成方法が望ま
れている。
的で安価なコーティング方法として、導電性微粒子を含
有したインク組成物の吹き付け又は塗布による方法が特
開平1−299887号に開示されている。この方法
は、インクに微粒子酸化錫,シリカゾル及び有機溶媒を
用い、200℃以下の低温でも反応が可能なシリカゾル
の縮重合反応を利用して製膜するものである。
ケートのマトリックスに分散された膜となるので、上記
の酸化錫単一層のCVD膜に比べて導電性は103程度
も低下する。すなわちこの処理液を用いて形成した透明
導電膜の表面抵抗は、CRT画面の明るさや解像度を損
なわない膜厚において、最低でも107Ω/□であり、
漏洩電界シールドに必要な導電性にははるかに及ばな
い。またこのようにして形成された膜の強度は、膜体積
に対する酸化錫の体積率が低い時にはそこそこの表面硬
度があるが、CRT画面に要求される鉛筆硬度9H以上
の硬さまでは得られないと云う難点がある。
着して十分な膜強度や耐候性があり、画像の明るさや解
像度を損なうことはない透明性を有し、かつ陰極線管か
らの漏洩電界のシールドに十分な導電性を与える電界シ
ールド用透明導電膜を提供することにある。
めに、本発明による電界シールド用透明導電膜において
は、ITO分散シリケート膜とオーバーコートとの2層
積層からなり、ITO分散シリケート膜を第1層,オー
バーコートを第2層としてガラス基板上に形成する電界
シールド用透明導電膜であって、ITO分散シリケート
膜は、ITO粒子をシリケートマトリックスに分散させ
た膜であり、0.07〜0.60μmの膜厚を有し、I
TO粒子は、粒径が50nm以下の粒子を粒子体積分率
で50%以上含み、膜体積に対するITO粒子の体積
は、体積率で35〜95%であり、オーバーコートは、
0.08μm以上の厚みの透明なシリケートガラス層で
ある。
子としてITO超微粒子を用いる。膜内では、微粒子相
互の接触した導電パスが膜に導電性を付与するが、IT
O粒子は、本来酸化錫粒子よりも1桁以上低い体積抵抗
を有するために、ITOを分散させた膜では、酸化錫粒
子を分散させた膜に比べてはるかに抵抗が低くなる。電
界シールドに必要な105Ω/□以下の導電度を得るた
めには、分散度合いにも依存するが、通常、膜体積に対
するITO微粒子の体積が体積率として95%以下の範
囲で35%以上は必要である。また膜厚が0.07μm
未満では十分な導電性が得られない。
50nmを越えるために、粒径が50nmを超える粒子
が多くなり抵抗値は低くなっても要求される光学特性が
得られない。本発明においては、ITO微粒子の粒径
は、50nm以下という極小サイズのものが50%以上
を占めることを特徴としている。
系では、入射可視光の系内での散乱モードは、ほとんど
がいわゆるRayleigh散乱又はMie散乱のモー
ドとなり、物体の透明性は極めて高くなる。ヘイズに寄
与するのは粒径が70〜数100nmのITO粗大粒子
のシリケートとの界面及び膜表面の粗さである。
ても、50nm以下の微細粒子が50%以上を占める膜
では、分散度合いにもよるが、ヘイズを3%以下に下げ
ることは困難ではない。ヘイズはまた、膜厚にほぼ比例
しており、第1層目の膜厚を0.60μm未満にするの
はヘイズを5%以内に抑えるためである。
抗値が上がるという難点がある。CRTの置かれる環境
が高温高湿であった場合、第1層のみでは水分の侵入が
膜を高抵抗化・劣化させるという懸念がある。また、膜
強度に関しても、第1層目の膜自体の鉛筆硬度は、良好
な膜においても高々3〜4H程度の硬さであり、CRT
表面の硬さとして十分とはいえない。
ーバーコート(シリケート)膜であり、これが0.08
μm以上の厚さで均一に付着している場合は湿度劣化の
度合いは無視できるほど小さくなり、また表面の硬さは
9H以上の極めて強固なものとなる。シリケートの膜
は、第1層目の膜の構成成分であるシリケートマトリッ
クスと連続に接続するため、第1層と第2層との密着性
にも問題はない。
果として、CRTガラス表面の反射防止効果がある。上
に記載の構造を持つITO分散シリケート膜とオーバー
コート膜とは、波長550nmの可視光屈折率がそれぞ
れほぼ1.6〜2.0及び1.4となる。従って、膜厚
がそれぞれ69〜86nm及び97nmにおいて垂直入
射光の1次無反射条件を満足し、特にオーバーコート膜
については、第1層との屈折率差が十分あるため、反射
光の抑制効果が大きい。この理由から第2層の膜厚は、
97nm又はその奇数倍であることが望ましいが、製膜
技術に由来する膜の不均一性を考慮して、第2層の膜厚
を80nm以上とした。
電膜の断面TEM写真(倍率10,000倍)を示す。
写真は、試料の作製時にガラス基板1の界面から2層の
膜を分離した状況を示している。第1層のITO分散シ
リケート膜2中には、ITO粒子3が均一に、密に分散
し、その表面は、平滑な第2層のオーバーコート4で覆
われ、両膜は完全に密着して一つの膜を形成している。
ようにインク法により製造することができる。まず第1
層目の膜としては、ITO微粒子をシリカゾルと溶媒中
に分散したITO分散インクを、CRT表面に塗布し、
これを乾燥してシリカゾルの縮重合反応を利用して製膜
する。上記構造を得るためには、平均粒径40nm以下
のITO超微粉が必要であり、これを溶媒を用いて高分
散したITO分散インクを作製する必要がある。このよ
うな超微細なITO粉は、住友金属鉱山(株)から販売
・供給されている。
シリケートゾルゲル溶液の縮重合反応を利用して、20
0℃以下での低温形成が可能である。
スピンコート法やスプレーコート法など、インクを平
滑、かつ薄く塗布できる方法であれば何でもよい。第2
層目のシリケート膜は厚くてもよいのでスクリーン印刷
などによってもよい。スピンコートやスプレーコートを
実施する際は、ガラス表面は30〜80℃に予熱するこ
とが望ましい。これは、被膜製造の季節間差を取り除く
とともに、余熱によってインクの乾燥温度が最適値にな
り、特に光学特性を向上させるからである。
す。ITO超微粉としては、平均粒径の異なる4種類の
住友金属鉱山(株)製の粉(ITO−UFP)を用い
た。これを表1に示す。ここで粉末の平均粒径は、異な
る5視野の透過電子顕微鏡写真から測定した平均値を用
いた。透過電子顕微鏡観察は、日本電子製JEM−20
00EXで200kVの加速電圧で行った。
業所製エリプソメータで測定した。膜厚は、触針式表面
粗さ計でも評価したが、ほぼ同等の結果を与えた。エリ
プソメータの方法によると、第1層及び第2層目の膜厚
を非破壊で、レーザープローブを照射する2〜3mmの
領域について平均的に求められる。表面抵抗は、三菱油
化(株)製表面抵抗計MCP−T200を用いて測定し
た。ヘイズ値,全光線透過率、及び積分反射率は、村上
色彩技術研究所製ヘイズメータHR−200を用いて測
定した。鉛筆硬度は、東洋精機製作所製鉛筆引っ掻き塗
膜硬さ試験機を用いて荷重1kgで測定した。
15g,N−メチル−2−ピロリジノン(NMP)を2
0g,NN’ジメチルフォルムアミド(DMF)を7
g、及び4ヒドロキシ−メチル−2ペンタノン(ジアセ
トンアルコール)70gを混合し、この溶液を、直径5
mmのジルコニアボールを用いて36時間ボールミル混
合してITO分散溶液を作製した。一方、多摩化学工業
製エチルシリケート40を1.5g,ジアセトンアルコ
ール16g,蒸留水1.5gの混合溶液を撹拌しなが
ら、5%塩酸水溶液3g,ジアセトンアルコール2g,
蒸留水2.4gの混合溶液を滴下して、エチルシリケー
ト溶液を調整した。これらの2液を混合し、150rp
mで回転する200×200×3mmの板ガラス上にビ
ーカから滴下した。
してインクを広げる遠心力が十分にあり、かつ速すぎて
ブラウン管の管破裂や機能ダメージの危険を伴わない限
度として150rpmに設定した。板ガラスは、予め表
面をアセトン洗浄後50℃に予熱し、同インクを2枚の
板ガラスにスピンコートした。スピンコート終了後、そ
の1枚は170℃で10分乾燥し、膜厚を計測し、表面
抵抗を測定した。
50rpmで回転させながらオーバーコート用溶液を滴
下し、170℃で10分乾燥してオーバーコートガラス
付きのITO分散シリケート膜を製膜した。オーバーコ
ート用溶液は、予め、多摩化学工業製エチルシリケート
40を6.5g,ジアセトンアルコール80g,蒸留水
7gの混合溶液を撹拌しながら、5%塩酸水溶液15
g,ジアセトンアルコール10g,蒸留水12gの混合
溶液を滴下してエチルシリケート溶液を調整し、これを
エタノールでエチルシリケートが3%になるように希釈
して作製した。
を確認後、膜構造を評価した。結果を表2に示す。ま
た、表面抵抗値ほかの諸特性を測定して、表3に示すよ
うな良好な特性を得た。表面抵抗値は1層目が2.62
×104Ω/□であり、従来に比べてはるかに低い抵抗
値が実現された。2層目コート後に膜の抵抗は5.41
×107Ω/□に上がったが、もちろんこれは表面がシ
リケート膜で覆われたからである。実際にTVブラウン
管上に電界シールド処理を行う際には、第1層目から電
極を引き出してアースするので、表3中の第1層目の表
面抵抗値がシールド効果の目安となる。光学的特性もヘ
イズ値0.7%,積分反射率7.4%という良好な値が
得られた。
°入射の積分反射率であり、通常測定される垂直入射の
正反射率よりも値が大きくなることに留意したい。この
試料を低速精密カッターで切断し、さらに超ミクロトー
ムで薄くスライスして膜断面を観察面に持つ透過電子顕
微鏡(TEM)用試料を作製し、観察した結果、図1に
示すようになり、この写真から第1層目の膜中でのIT
O微粒子の体積率は58%、そのうち粒径が50nm以
下のITO微粒子の粒子体積分率は87%と見積もるこ
とができ、十分微細な粒子が大部分を占めている分布状
態が確認できた。
B又はCを用いる他は実施例1と全く同様にして2層構
造の膜を作製した。その電気・光学的評価結果は、表3
に示すように、粉Bを用いた膜では粉Aを凌ぐ高特性が
得られ、粉Cを用いた膜では粉Aの場合とほぼ同等の特
性が得られた。
15g,N−メチル−2−ピロリジノン(NMP)を1
0g,NN’ジメチルフォルムアミド(DMF)を3
g、及びジアセトンアルコール70gを混合し、この溶
液を、直径5mmのジルコニアホールを用いて36時間
ボールミル混合してITO分散溶液を作製した。
0を1.5g,ジアセトンアルコール16g,蒸留水
1.5gの混合溶液を撹拌しながら、5%塩酸水溶液3
g,ジアセトンアルコール2g,蒸留水2.4gの混合
溶液を滴下して、エチルシリケート溶液を調整した。
で溶液の固形分(ITOとシリケート成分)が3.0%
になるように希釈してスプレー用インクとし、これをス
プレーノズルから250×250×3mmの板ガラスに
往復吹き付けて製膜し、その後180℃で10分乾燥し
た。板ガラスはあらかじめ表面をアセトン洗浄後50℃
に予熱し、同インクを2枚の板ガラスにスプレコートし
た。
℃で10分乾燥し、膜厚を計測し、表面抵抗を測定し
た。表面を走査電子顕微鏡観察すると、数μmサイズの
クレーター状の模様が一面に観察された。もう1枚はそ
の上に実施例1で用いたものと同様のオーバーコート液
をスプレーし、180℃で10分乾燥した後、諸特性を
評価した。
分布は実施例1の場合とまったく変わらず、50nm以
下のITO微粒子の粒子体積分率が92%を占めてい
た。諸特性中では光学特性、特にヘイズ値はやや悪化し
たが、表面抵抗は103Ω/□台であった。ヘイズの悪
化は膜厚増加に加えて界面や表面がスプレー膜ではやや
不均一になるためであると考えられる。
15g,N−メチル−2−ピロリジノン(NMP)を2
0g,NN’ジメチルフォルムアミド(DMF)を7
g、及びジアセトンアルコール70gを混合し、この溶
液を、直径5mmのジルコニアホールを用いて36時間
ボールミル混合してITO分散溶液を作製した。
0を1.5g,ジアセトンアルコール16g,蒸留水
1.5gの混合溶液を撹拌しながら、5%塩酸水溶液3
g,ジアセトンアルコール2g,蒸留水2.4gの混合
溶液を滴下して、エチルシリケート溶液を調整した。
この液中に100×100×3mmの板ガラスを2枚デ
ィプして1層目を製膜した。180℃,10分で乾燥し
た後、1枚は膜厚と表面抵抗を評価し、もう1枚はさら
にオーバーコート溶液にディップしてから180℃,1
0分で乾燥し、諸評価を行った。この場合、膜がガラス
の両面にコートされるので全光線透過率やヘイズは悪化
した。また膜厚が厚く干渉縞も顕著に見られたが、抵抗
値は膜厚が薄い割に4.46×104と低く、問題はな
かった。
TO体積率が高く第1層目の膜厚が厚い方が膜の抵抗値
が低く、50nm以下の粒子体積分率が多い方がヘイズ
が低く、1層目の屈折率が高く2層目の膜厚が97nm
に近い方が反射率が低いという結果が得られた。また膜
の鉛筆硬度はすべて9H以上と十分硬く、また沸騰水中
に15分浸漬後の膜外観にも変化はなく、高温耐湿性に
優れていることが確認された。
山(株)製酸化錫超微粒子15.0g,エタノール14
0g,ジアセトンアルコール25g,蒸留水80gを混
合し、この溶液を、直径5mmのジルコニアボールを用
いて36時間ボールミル混合して酸化錫分散溶液を作製
した。
0を1.5g,ジアセトンアルコール16g,蒸留水
1.5gの混合溶液を撹拌しながら、5%塩酸水溶液3
g,ジアセトンアルコール2g,蒸留水2.4gの混合
溶液を滴下して、エチルシリケート溶液を調整した。こ
れら2液を混合し、あとは実施例1と同様にスピンコー
トで製膜し、180℃,10分乾燥した。
性は良かったが、抵抗値が7.09×107Ω/□と高
かった。さらに溶媒組成を様々に変えて酸化錫微粒子の
分散性向上を図ったが、抵抗値は決して107Ω/□台
より低くならず、電界シールドのようをなさないことが
わかった。さらに実施例1と同様にオーバーコート膜を
形成したが、抵抗値はさらに増加した。
目ともに10回にしたほかは実施例4とまったく同様の
手順でスプレー膜を作製した。この膜の1層目の膜厚は
0.71μmと厚く、抵抗値は1.79×103と十分
低かったが、ヘイズ値が16%を超えるなど光学特性に
難がみられた。
散液の成分としてNMPを用いる代わりに当量の水で置
き換え、後は全く同様にして製膜・乾燥して評価した。
この膜では1層目の膜中のITO微粒子の分散状態が悪
く、凝集傾向を示してITO体積率が34%と低く、1
層目抵抗値が3.72×106と高い上にヘイズや反射
率も高かった。
山(株)製ITO粉D(表1)を用いたほかは実施例1
とまったく同様にして板ガラス上に2層構造の透明膜を
得た。断面方向にスライスした試料をTEM観察する
と、50nm以下のITO粒子の粒子体積分率は30%
以下で、70〜80nmの粗大ITO粒子が主要体積を
占めていた。この膜は表3に示すように、表面抵抗が
1.20×105Ω/□となり電界シールド用としては
高すぎることに加えてヘイズ値も4.7%と高かった。
造の膜においては、電界シールドに必要とされる導電性
を始めとして、CRTガラス表面に要求される諸特性を
同時に満足することができない。各実施例及び比較例の
評価結果を表2,表3に示す。
ン管表面に、膜体積に対するITO粒子の体積率は35
〜95%であり、ITO微粒子の粒径が50nm以下の
粒子体積分率が50%以上で分布するような0.07〜
1.00μmの厚さを有するITO分散シリケート薄膜
及びこれをシリケートのオーバーコートを被膜した2層
膜を形成して電界シールド効果に十分な低抵抗の導電膜
が得られ、かつテレビジョン,ディスプレイの画面に要
求される透明性と低ヘイズを満足することができる。さ
らにこのような膜は、強度や耐候性にも優れ、表面反射
光の低減効果があり、またインクを用いて装置や工程の
簡単な製膜ができるので、コスト的にも極めて有利であ
る。
Claims (1)
- 【請求項1】 ITO分散シリケート膜とオーバーコー
トとの2層積層からなり、ITO分散シリケート膜を第
1層,オーバーコートを第2層としてガラス基板上に形
成する電界シールド用透明導電膜であって、 ITO分散シリケート膜は、ITO粒子をシリケートマ
トリックスに分散させた膜であり、0.07〜0.60
μmの膜厚を有し、 ITO粒子は、粒径が50nm以下の粒子を粒子体積分
率で50%以上含み、 膜体積に対するITO粒子の体積は、体積率で35〜9
5%であり、 オーバーコートは、0.08μm以上の厚みの透明なシ
リケートガラス層であることを特徴とする電界シールド
用透明導電膜。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5044548A JP2575273B2 (ja) | 1993-02-09 | 1993-02-09 | 電界シールド用透明導電膜 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5044548A JP2575273B2 (ja) | 1993-02-09 | 1993-02-09 | 電界シールド用透明導電膜 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06234552A true JPH06234552A (ja) | 1994-08-23 |
JP2575273B2 JP2575273B2 (ja) | 1997-01-22 |
Family
ID=12694559
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5044548A Expired - Fee Related JP2575273B2 (ja) | 1993-02-09 | 1993-02-09 | 電界シールド用透明導電膜 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2575273B2 (ja) |
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-
1993
- 1993-02-09 JP JP5044548A patent/JP2575273B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2575273B2 (ja) | 1997-01-22 |
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