JPH06279755A - 電界シールド用処理液 - Google Patents

電界シールド用処理液

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JPH06279755A
JPH06279755A JP28697293A JP28697293A JPH06279755A JP H06279755 A JPH06279755 A JP H06279755A JP 28697293 A JP28697293 A JP 28697293A JP 28697293 A JP28697293 A JP 28697293A JP H06279755 A JPH06279755 A JP H06279755A
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film
electric field
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fluid
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JP28697293A
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English (en)
Inventor
Atsushi Yamanaka
厚志 山中
Junji Tofuku
淳司 東福
Naoto Menrai
直人 面来
Keiichi Orita
桂一 折田
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Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Tohoku Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Tohoku Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 透明性,成膜性に優れた電界シールド用処理
液を提供する。 【構成】 インジウム錫酸化物粉末を、結合剤とともに
極性溶媒に分散させたものであり、インジウム錫酸化物
粉末は、平均粒径が50nm以下の粉末である。結合剤
は、アルキルシリケートであり、極性溶媒にはN−メチ
ル−2ピロリジノンおよびエタノールを用いる。インジ
ウム錫酸化物粉末の含有量1〜15重量%に設定して得
られた処理液をガラス表面に塗布,スプレー,スピンコ
ートして表面抵抗が小さく、ヘイズ値が小さい電界シー
ルド膜を成膜できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、OA機器のディスプレ
イ,テレビジョンのブラウン管などの電界シールドに用
いる電界シールド用処理液、特に、塗布又はスプレー,
スピンコート法による電界シールドに好適な電界シール
ド用処理液に関する。
【0002】
【従来の技術】テレビジョンのブラウン管の表面には、
静電気帯電によるホコリが吸着しやすく、また、人体が
接触したときに放電して電気ショックを受けるため、電
界シールド対策を施すことは古くから知られている。
【0003】殊に、近年のオフィスオートメーション
(OA)化により、オフィスに多くのOA機器が導入さ
れ、OA機器のディスプレイと向き合って終日作業を行
うという環境は珍しいことではない。コンピュータの陰
極線管(CRT)に接して仕事を行う場合には、単に静
電気によるCRT表面のホコリの付着,電撃ショックに
止まらず、表示画面が見易く、画像の読み取りが容易で
あり、視覚疲労を感じさせないことのほか、漏洩X線,
漏洩電磁界の人体への影響が安全基準をクリヤするもの
でなければならない。
【0004】上記要求項目のうち、静電気帯電に伴う問
題は、CRT表面に導電膜を付してアースすることによ
り解決されるが、CRTは、透過画像の表面のため、導
電膜は、透明性に優れたものであることが好ましい。画
面を見やすくするためには防眩処理により画面の反射を
抑えることにより達成され、画像を読み取りやすくする
には、発光色の選定が重要な要素である。
【0005】X線の遮蔽は、その発生箇所がシャドウマ
スク付近なので、陰極線管のガラスにPb,Ba,Sr
などの重元素を添加して遮蔽効果をもたせればよい。電
磁界は、電子銃周辺から発生し、TVの大型化に伴って
益々大きな電磁場が周囲に洩れる傾向にある。磁界の漏
洩は、逆磁場の印加により防止でき、電界の漏洩に対す
る対応は帯電防止と同様に、CRTガラス表面に導電性
の透明被膜を形成することにより防止できる。しかし、
電界シールドと帯電防止とでは、被膜に要求される導電
性のレベルには大きな差があり、帯電防止には、表面抵
抗で1011Ω/□程度で十分とされているが、漏洩電界
を防ぐためには105Ω/□未満の低抵抗の透明膜を形
成する必要がある。
【0006】防眩処理に対しては、反射光が入射光に対
して破壊的干渉を生ずるように被膜の膜厚および屈折率
を制御すればよい。従って、抵抗値と光学特性が満たさ
れる膜ができるならば、反射率の問題は、膜形成時の条
件を調節することにより解決されるべき問題である。
【0007】上記の要求に対応するため、従来より種々
の提案がなされている。陰極線管内部は、105Pa程
度の高真空になっているので、ガラスの肉厚を増した
り、曲面形状にして大気の圧力に耐えられるよう設計さ
れている。この状態の陰極線管を高温度に加熱すること
はできないので、表面被膜の形成は、実質的に200℃
以下の温度で行わなくてはならない。このような低温度
で成膜可能な方法として例えば、真空蒸着およびCVD
によりCRTの前面に酸化錫や酸化インジウム等の導電
性酸化物の被膜を形成する方法がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この方法では
電界シールド効果に十分な低い抵抗値が得られるもの
の、被膜形成に多大のコストがかかるため実用的CRT
製造には極めて不都合であり、より安価なコーティング
方法が望まれている。
【0009】安価なコーティング方法として、インク組
成物の吹き付け又は塗布による方法が特開平1−299
887号に開示されている。この例では、インクは微粒
子酸化錫,シリカゾルおよび有機溶媒からなり、200
℃以下の低温でも可能なシリカゾルの重合反応を利用し
て成膜するものである。しかしながら、これでは帯電防
止機能を満たす導電性しか得られない。すなわち、この
処理液を用いて形成した透明導電膜の表面抵抗は、最低
で約107Ω/□であり、漏洩電界をシールドするのに
必要な導電性には遥かに及ばない。
【0010】本発明の目的は、透明性,コート性に優
れ、特に陰極線管の漏洩電界のシールドに十分な導電性
を与える電界シールド用処理液を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明による電界シールド用処理液においては、イ
ンジウム錫酸化物粉末と結合剤とを極性溶媒に分散させ
た電界シールド用処理液であって、インジウム錫酸化物
粉末は、錫含有量が1〜10重量%,平均粒径50nm
以下であり、1〜15重量%含有し、結合剤は、アルキ
ル基がメチル,エチル,プロピル,ブチルのアルキルシ
リケートであり、アルキルシリケートの含有量は0.1
〜6重量%であり、極性溶媒は、N−メチル−2ピロリ
ジノンと、エタノール,アセトン,テトラヒドロキシフ
ラン,イソプロピルアルコール,ジアセトンアルコー
ル,ジメチルフォルムアミドの内の1以上とを含有する
ものである。
【0012】また、インジウム錫酸化物粉末とアルキル
シリケートとの混合比は、重量比で0.1〜0.6であ
る。
【0013】また、極性溶媒は、N−メチル−2ピロリ
ジノンとエタノールとを含むものであり、N−メチル−
2ピロリジノンの含有量は、1〜20重量%、エタノー
ルの含有量は、25〜90重量%である。
【0014】
【作用】導電性物質に、錫含有量が1〜10重量%,直
径50nm以下のインジウム錫酸化物粉末(ITO粉
末)を選定し、アルキルシリケートを結合剤に用い、N
−メチル−2ピロリジノンおよびエタノールを含む極性
溶媒にこれを分散させることにより、成膜時の透明性が
改善され、また、ITO粒子は、本来、酸化錫粒子に比
べて低い抵抗を有するため、低い抵抗値の導電膜が得ら
れる。ITO粒子の分散性は、ITO粒子3.25〜1
2.75重量%,アルキルシリケート0.75〜5.2
5重量%,N−メチル−2ピロリジノン3.0〜13.
5重量%およびエタノール25〜75重量%の混合割合
いの下で最も分散性に優れ、導電パスに偏りがなくなっ
て導電性が向上するほか、電磁波伝搬の揺乱要素が分散
して光の透過率やヘイズ値などに優れた光学的特性が得
られる。
【0015】ITO微粒子中の錫の含有量は、ITOの
導電性を考慮すれば、1〜10重量%、特に1〜6重量
%の範囲であることが望ましい。ITO微粒子の含有量
は、1〜15重量%であり、特に3.25〜12.75
重量%が好ましい。3.25重量%未満では、含有量が
少なくなる程膜厚が薄くなり、乾燥後のITO微粒子の
連結性が低下するため、成膜状態が悪くなり、また必要
とされる導電性を得ることができない。また含有量が1
2.75重量%を超えると、含有量が増えるに従って膜
表面からクラックなどが生じて抵抗値にバラツキが生ず
る。
【0016】アルキルシリケートの含有量は、0.1〜
6重量%、特に0.75〜5.25重量%が好ましい。
これは0.75重量%より少ないと、その程度に応じて
成膜性及び膜強度が低下し、5.25重量%を超えるに
したがい、表面抵抗が要求値を上回る傾向になるためで
ある。
【0017】ITO微粒子とアルキルシリケートとの混
合比は重量比で0.1〜0.6であることが望ましく、
この比が0.1未満では成膜性が悪くなり、膜強度が弱
くなる。さらに、光学特性であるヘイズ値が高くなる。
0.6を超えると光学特性及び膜強度は十分であるが表
面抵抗が高くなりすぎ、電界シールド用としては適さな
い。
【0018】アルキルシリケートは、ブラウン管などの
ガラス表面に対する結合剤であり、テトラメトキシシラ
ン,エトラエトキシシラン,テトラプロポキシシラン,
テトラブトキシシランなど、アルキル基がメチル,エチ
ル,プロピル,ブチルの中で何れでも良く、また2種類
以上を混合して用いても問題はない。
【0019】極性溶媒中のN−メチル−2ピロリジノン
の含有量は、1〜20重量%、特に3.0〜13.5重
量%が、またエタノール,アセトン,テトラヒドロキシ
フランにおいては、25〜90重量%、特に25〜75
重量%が好ましく、この範囲を超えると、ITO微粒子
が凝縮・沈降する傾向を現わし、分散性が悪くなる。こ
こに、ITO粒子表面は溶媒中で電荷を帯びており、溶
媒と電気的二重層を形成しているため、ITO粒子表面
近傍における溶媒分子(あるいはイオン)の吸着等によ
る静電気的斥力が、粒子同士の分散・凝集に影響を及ぼ
す一つの要因となっている。特にNMPが1重量%未満
では、電気的二重層における拡散層部分の電位差(ゼー
タ電位)の絶対値が小さく、ITO粒子同士の反発に十
分な斥力を与えないため、分散系が安定させず、20重
量%を越えると、電界シールド用処理液全体での成膜性
が低下すると共に、膜強度も低下するため、好ましくな
い。また、NMPにITO微粒子を前もって分散・混合
することにより、電界シールド用処理液における微粒子
の分散性を大幅に向上させることができる。ITOの分
散性が悪い場合、光学特性に著しい特性低下がもたらさ
れるほか、導電性も低下する。この他の溶媒としては、
上記溶媒と相溶性であれば良く、例えばイソプロピルア
ルコール,ジアセトンアルコール(4ヒドロキシ−4メ
チル−2ペンタノン),ジメチルフォルムアミド等が用
いられ、シリケートの重合反応の触媒として、水,希塩
酸又は希硝酸などが使用される。
【0020】本発明の処理液は、塗布,スプレー,スピ
ンコートによりCRTのガラス表面に成膜が可能であ
る。
【0021】陰極線管ガラス表面のスピンコートに当た
っては、ガラス表面は、30〜80℃に予熱することが
望ましい。これは被膜製造の季節間差を取り除くと共
に、予熱によってインクの乾燥速度が最適値になり、特
に光学特性を向上させるからである。スピンコーターの
回転数は、100〜200rpmの範囲が適当である。
100rpm以下では溶媒粘性に対してインクを広げる
遠心力が不十分で均一な膜が得られず、200rpm以
上ではブラウン管の機能にダメージを与えるので好まし
くない。
【0022】
【実施例】以下に本発明の実施例を示す。まず、処理液
調製用のアルキルシリケート溶液は次のようにして得
た。オルトアルキルシリケート(多摩化学工業製)74
g,ジアセトンアルコール85g,蒸留水7.5gの混
合溶液を撹拌しながら、5%塩酸水溶液15gおよびジ
アセトンアルコール30gの混合溶液を滴下した。この
ようにしてシリケート溶液を調製した。
【0023】次にITO微粒子(住友金属鉱山製)をN
−メチル−2−ピロリジノン(NMP)およびエタノー
ルの混合溶液と共にボールミルを12時間かけることに
よりITO溶液を得た。なおボールには、直径5mmの
ジルコニアボールを用いた。
【0024】以上のようにして得られた2つの溶液に、
乾燥時の膜の割れを防ぐジメチルホルムアミド(DM
F)および希釈溶剤であるアルコール(エタノール,イ
ソプロピルアルコール(IPA),ジアセトンアルコー
ル)を加え、所定の濃度に調製した。用いたITO微粉
末平均粒径およびSn含有量を表1に示す。A〜D粉末
共にX線回折により酸化錫回折線が観察されないことか
らSnの固溶が確認されている。
【0025】また、電子顕微鏡で観察した結果は凝集体
がない粒子であった。得られた処理液を、評価のために
以下のようにガラス基板上に成膜した。ガラス基板(2
0×10cm,厚さ3mm)をアセトン洗浄後、30〜
60℃に保持した乾燥器に入れ、所定の温度に加熱を行
う。加熱したガラス基板をスピンコーターにセットし、
溶液をビーカーより供給し成膜を行う。乾燥後、120
から200℃に30分間保持し焼成した。得られた透明
導電膜の評価を表面抵抗,透過率,ヘイズおよび膜強度
について行った。表面抵抗の測定には、三菱油化(株)
製表面抵抗計MCP−T200を用いた。また透過率お
よびヘイズ値は、(株)村上色彩技術研究所製HR−1
00を用いて行った。膜強度は、(株)東洋精機製作所
製引っかき塗膜硬さ試験機により評価を行った。
【0026】
【表1】ITO微粉末 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 試料 Sn含有量(重量%) 平均粒径(nm) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ A 1.3 18 B 4.3 15 C 9.1 25 D 3.3 70 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【0027】(実施例1〜8)表1に示したITO微粉
末Bを、またシリケートとしてオルトエトキシシリケー
トを用いて表2に示す処理液を調整した。評価のために
ガラス基板温度45℃,スピンコートの回転数を180
rpmとして成膜を行った。
【0028】
【表2】
【0029】評価の結果を表3に示す。またITO含有
量と表面抵抗およびヘイズ値との関係を図1に示す。
【0030】
【表3】 透明導電膜の評価結果 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 実施例 表面抵抗 透過率 ヘイズ値 膜強度(剥がれ) (kΩ/□) (%) (%) (鉛筆値) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 1 47.2 96.7 1.5 4H 2 7.62 96.2 5.4 3H 3 13.5 95.2 3.2 6H 4 1.15 93.5 5.2 3H 5 1.0 93.4 5.6 3H 6 9.7 95.1 3.3 4H 7 1.23 93.8 5.1 4H 8 4.6 94.4 4.5 6H ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【0031】図1の実用的範囲Rxにおいては、表面抵
抗5×104Ω/□以下,ヘイズ値6%以下であり、電
界シールド用の透明導電膜としての特性を満足している
ことがわかる。また膜強度は、さらに保護コート層を付
すことにより向上が図れるため、3H程度でも十分であ
る。請求項1は、前記実用的範囲RxのITO微粉末含
有量を特定したものである。
【0032】(実施例9)表1におけるITO微粉末A
を、またシリケートとしてオルトメトキシシリケートを
用いて実施例6に示す組成の処理液を調製した。成膜条
件は、基板温度36℃,回転数120rpmで行った。
膜の特性として表面抵抗1.05×104Ω/□ヘイズ
値3.4%を得た。
【0033】(実施例10)表1におけるITO微粉末
Cを、またシリケートとしてオルトメトキシシリケート
およびオルトブトキシシリケート(メトキシとブトキシ
の比率は1:1)を用いて実施例6に示す組成の処理液
を調製した。成膜条件は、基板温度56℃,回転数15
0rpmで行った。膜特性として表面抵抗9.4×10
3Ω/□ヘイズ値3.6%を得た。
【0034】(実施例11)表1におけるITO微粉末
Cを、またシリケートとしてオルトプロポキシシリケー
トを用いて実施例6に示す組成の処理液を調製した。成
膜条件は、基板温度55℃,回転数150rpmで行っ
た。膜の特性として表面抵抗9.7×103Ω/□,ヘ
イズ値3.8%を得た。
【0035】以上実施例9〜11よりITO微粉末A〜
Cを使用してもまたシリケートとしてメトキシ,エトキ
シ,プロポキシおよびブトキシのいずれを使用しても請
求の範囲に記載した条件を満たす限り、電界シールド用
の透明導電膜としての要求項目を満たすものであること
が分かる。
【0036】(比較例1)表1におけるITO微粉末D
を、またシリケートとしてオルトメトキシシリケートを
用いて実施例6に示す組成の処理液を調製した。成膜条
件は、基板温度50℃,回転数150rpmで行った。
膜特性として表面抵抗9.8×103Ω/□ヘイズ値2
0.8%を得た。形成された膜は、ヘイズ値が高いた
め、陰極線管のコーティング膜としては不適切である。
ITO微粉末Dによる処理液は、陰極線管のコーティン
グ用としては使用できない。
【0037】(比較例2〜7)表1に示したITO微粉
末Bを、またシリケートとしてオルトメトキシシリケー
トを用いて表4に示す処理液を調製した。
【0038】(比較例8)表1に示したITO微粉末B
を、またシリケートとしてオルトメトキシシリケートを
用いて表4に示す処理液を調製した。ただし、調製方法
として、NMPはボールミルをかける際の分散溶液とし
ては使用せず、エタノールのみでITO溶液を作製した
後、実施例6と同一組成になるように、アルコール類と
共に希釈溶液として添加した。
【0039】なお、比較例の評価のためにガラス基板温
度40℃,スピンコートの回転数を160rpmに統一
して成膜を行った。
【0040】
【表4】
【0041】評価の結果を表5に示す。
【0042】
【表5】 透明導電膜の評価結果 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 比較例 表面抵抗 透過率 ヘイズ値 膜強度(剥がれ) (kΩ/□) (%) (%) (鉛筆値) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2 4.7×109 99 0.8 3H 3 7.52 93.2 12.2 一部に割れあり 4 14.5 95.1 4.5 HB未満(成膜せず) 5 4.5×108 95.2 4.7 9H 6 23.5 93.1 12.1 3H 7 8.3 95.2 3.0 HB未満(膜ムラあり) 8 20.2 93.0 11.5 2H ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【0043】比較例2ではITO濃度が低いため、膜厚
が薄く、また均一な膜が得られなかった。また形成した
膜の表面抵抗が高いため電界シールド膜として効果が得
られない。比較例3ではITO濃度が高い例を示してい
る。比較例3の処理液を用いて形成した膜は、厚くなり
一部において割れが発生した。また膜の均一性において
も問題がある。比較例4は、ITOに対するシリケート
の比が小さい例を示している。シリケートの含有率が低
いとほとんど成膜せず、表面抵抗を計る際、その測定用
プローブで膜が損傷をうけてしまう。比較例5では、シ
リケートのITO粉末に対する含有率が大きい場合の例
を示している。この場合には、得られた膜の表面抵抗が
高く、電界シールド効果がないことがわかる。
【0044】比較例6,7,8は、実施例6に対する比
較対象となるものである。比較例6では、NMP含有率
が1重量%未満の例を示している。この場合には、IT
O微粒子の分散性が悪く、ヘイズが高いことがわかる。
比較例7では、NMP含有率が20重量%以上の例を示
している。この場合には、成膜性が悪く、膜強度が低い
ことがわかる。比較例8では、表2の実施例6に示す処
理液と同一組成ではあるが、処理液の調製方法(ITO
粒子の分散方法)を変えた場合の例である。この場合に
は、ITO粒子の分散性が悪く、ヘイズが高いことがわ
かる。
【0045】
【発明の効果】以上のように本発明によるときには、導
電性粒子に、錫含有量1〜10重量%,平均粒径が50
nm以下のインジウム錫酸化物粒子(ITO)を用い、
結合剤にアルキルシリケート、極性溶媒にN−メチル−
2ピロジノン及びエタノール,アセトン,テトラヒドロ
キノンなどを選定使用して、低温焼成により、表面抵抗
が小さく、塗布,スプレー,スピンコートによる成膜が
可能な電界シールド用処理液が得られる。特に、アルキ
ルシリケートの含有量0.1〜6重量%、さらに、IT
O粒子と、アルキルシリケートとの混合比を重量比で
0.1〜0.6に選定してヘイズ値,表面抵抗値が適正
な透明導電膜が得られ、陰極線管の表面処理に適用して
漏洩電界による障害を有効に阻止できる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】ITO含有量と表面抵抗およびヘイズ値との関
係を示す図である。
フロントページの続き (72)発明者 折田 桂一 東京都品川区西五反田7丁目9番4号 東 北化工株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インジウム錫酸化物粉末と結合剤とを極
    性溶媒に分散させた電界シールド用処理液であって、 インジウム錫酸化物粉末は、錫含有量が1〜10重量
    %,平均粒径50nm以下であり、1〜15重量%含有
    し、 結合剤は、アルキル基がメチル,エチル,プロピル,ブ
    チルのアルキルシリケートであり、アルキルシリケート
    の含有量は0.1〜6重量%であり、 極性溶媒は、N−メチル−2ピロリジノンと、エタノー
    ル,アセトン,テトラヒドロキシフラン,イソプロピル
    アルコール,ジアセトンアルコール,ジメチルフォルム
    アミドの内の1以上とを含有するものであることを特徴
    とする電界シールド用処理液。
  2. 【請求項2】 インジウム錫酸化物粉末とアルキルシリ
    ケートとの混合比は、重量比で0.1〜0.6である請
    求項1に記載の電界シールド用処理液。
  3. 【請求項3】 極性溶媒は、N−メチル−2ピロリジノ
    ンとエタノールとを含むものであり、N−メチル−2ピ
    ロリジノンの含有量は、1〜20重量%、エタノールの
    含有量は、25〜90重量%であることを特徴とする請
    求項1に記載の電界シールド用処理液。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0803551A2 (en) * 1996-04-22 1997-10-29 Sumitomo Metal Mining Company Limited Process for the preparation of a coating for forming a tranparent and electrically conductive film and it use
US6180030B1 (en) 1996-09-26 2001-01-30 Catalysts & Chemicals Industries Co., Ltd. Substrate with transparent conductive coating and display device
JPWO2006046431A1 (ja) * 2004-10-26 2008-05-22 旭硝子株式会社 無機塗料組成物、導電性塗膜及び導電性塗膜の形成方法

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