JP3425637B2 - 電界シールド用暗色系透明導電膜 - Google Patents

電界シールド用暗色系透明導電膜

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JP3425637B2 JP15358793A JP15358793A JP3425637B2 JP 3425637 B2 JP3425637 B2 JP 3425637B2 JP 15358793 A JP15358793 A JP 15358793A JP 15358793 A JP15358793 A JP 15358793A JP 3425637 B2 JP3425637 B2 JP 3425637B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、OA機器のディスプレ
イ,テレビジョンのブラウン管などの前面ガラスに形成
する透明導電膜に関する。
【0002】
【従来の技術】テレビジョンのブラウン管の表面には、
静電気帯電によるホコリが付着しやすく、また人体が接
触した時に放電して電気ショックを受けるため、帯電防
止の処理を施すことは古くから知られている。
【0003】殊に近年のオフィスオートメーション(O
A)化により、オフィスに多くのOA機器が導入され、
OA機器のディスプレイと向き合って終日作業を行うと
いう環境は珍しくない。コンピュータの陰極線管(CR
T)に接して仕事を行う場合に、CRTの前面ガラスに
要求される共通の要求項目としては、単に静電気による
CRT表面のホコリの付着,電撃ショックに止まらず、
表示画面が見やすく、画像の読み取りが容易であり、視
覚疲労を感じさせないことのほか、漏洩X線や漏洩電磁
界の人体への影響が安全基準をクリアすることが必要で
ある。
【0004】上記の要求項目のうち、X線の遮蔽は、そ
の発生箇所がシャドウマスク付近なので、CRTのガラ
スにPb,Ba,Srなどの重元素を添加して遮蔽効果
をもたせることで解決されている。静電気帯電に伴う問
題は、CRT表面に導電膜を付してアースすることによ
り解決され、表面抵抗で108Ω/□程度の導電性が要
求される。ここにおける導電膜は、画面の透明性や解像
度を損なうものであってはならない。すなわち膜中を通
過する光の拡散透過の量が極力少ないことが望ましく、
実用CRTに対しては、拡散透過光の直接光透過に対す
る百分率で定義されるヘイズ値が、おおよそ5%以下の
極力少ない値であることが要求される。ヘイズを減らす
には、膜中の光散乱源が少ないとともに、膜厚ができる
だけ薄いことが必要である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】一方、表示画面が見や
すく、画像の読み取りが容易であるという要求項目は、
OA機器のディスプレイと向き合って終日作業を行うと
いう環境の下では極めて重要な要求項目である。表示画
面が見やすく、画像の読み取りが容易であることは、C
RT画面が明るすぎないことであり、先の要求項目に加
えてこの条件をクリヤするものでなければならない。
【0006】ところが、CRT画面の材質によっては透
過率が高いために反って、前面での蛍光輝度が高くなり
すぎ、このため、ガラス表面に新たな膜を形成し、光線
透過率を1〜2割程度調整する必要を生ずる場合があ
る。この場合、均一に画面を暗くできることはもちろん
であるが、解像度を落さずに光線透過量を落すには、表
面形成膜による拡散散乱光が極力少なく、膜による光吸
収で透過率を落すことが望ましい。さらに、後の表面膜
形成やCRTガラスの封着などのために、300〜40
0℃の熱処理にも耐えるものでなければならない。この
場合、導電膜の形成に有機系の塗料を用いたのでは、一
般に耐熱性に問題が生ずるので、無機系の材料の使用が
望ましいが、このような条件を満たす無機系の材料は知
られていない。
【0007】電磁界は、電子銃と偏向ヨーク付近から発
生し、TVの大型化に伴って益々大きな電磁場が周囲に
洩れる傾向にある。磁界の漏洩は、回路の工夫で、逆磁
場を印加して防止でき、電界の漏洩に対する対応は、帯
電防止と同様に、CRTガラス表面に導電性の透明被膜
を形成することにより防止できる。しかし、電界シール
ドと帯電防止とでは、被膜に要求される導電性のレベル
には大きな差があり、帯電防止には106Ω/□程度で
十分とされているが、漏洩電界を防ぐためには少なくと
も105Ω/□以下、好ましくは103Ω/□台の低抵抗
の透明膜を形成する必要がある。
【0008】上記の要求に対応するための方法として、
従来よりいくつかの提案がなされている。その一つとし
て、真空蒸着及びCVDによりCRTの前面ガラス表面
に酸化錫や酸化インジウムなどの導電性酸化物の被膜を
形成する方法がある。この方法を用いて形成した膜は、
酸化錫や酸化インジウム単一の組成で構成されるため、
素材の導電性がそのまま現われて電界シールド効果に十
分な低い抵抗値が得られる。また膜厚を十分薄く、また
均一に制御しやすく、CRTの解像度を損なうことな
く、反射防止の処理もしやすい。しかしながら、各CR
T球毎に雰囲気を制御して処理しなければならず、被膜
形成に多大のコストがかかるため、実用CRT製造には
極めて不都合である。従って特殊な用途のCRTを除い
てはこれらの方法は行われておらず、より安価で迅速に
行える膜形成方法が望まれている。
【0009】低コストで低い表面抵抗を実現できるもの
として、アルキルシリケートの結合剤とN−メチル−2
−ピロリドンを主成分とする極性溶媒中に、錫を1〜1
0重量%含有した平均粒径50nm以下のインジウム錫
酸化物(ITO)粉末を1〜15重量%分散させた電界
シールド用処理液(特願平4−3071105号参照)
が提案されている。この処理液をCRT前面ガラスに塗
布・乾燥後、200℃以下の温度で焼成することによ
り、103〜104Ω/□の表面抵抗値が得られる。この
インクの塗布によれば、真空蒸着やスパッタ法などの他
の透明導電膜形成方法に比べてはるかに簡便であって製
造コストも低く、CRTの電界シールドへの対応として
は極めて有利な方法である。
【0010】しかし、この処理液は本質的に透過性を有
するITO粉を用いているので、輝度を調整できる暗色
系の低透過性を実現するものではない。
【0011】本発明の目的は、CRT前面の帯電防止及
び電界シールドに十分の導電性を与えて透過率を低減す
る暗色系の透明導電膜を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明による電界シールド用暗色系透明導電膜にお
いては、高導電性酸化物微粒子がシリケートガラスマク
リックス中に分散した構造を有し、ガラス基板上に焼付
けて成膜された電界シールド用暗色系透明導電膜であっ
て、比抵抗が10−3〜10−5Ω・cmの1種又は2種
以上の高導電性酸化物微粒子を体積比で20%以上含
み、高導電性酸化物微粒子は、すでに合成された酸化ル
テニウム,酸化イリジウム,酸化ロジウム,ルテニウム
系パイロクロア,イリジウム系パイロクロアから選ばれ
た黒色酸化物微粒子である。
【0013】また、高導電性酸化物微粒子は、さらにイ
ンジウム錫酸化物,アンチモン添加錫酸化物,アルミニ
ウム添加酸化亜鉛などの無色透明の導電性酸化物微粒子
の1種又は2種以上を含むものである。
【0014】
【0015】また、黒色酸化物微粒子は、可視光を吸収
して青又は緑を帯びた黒化に向かう黒体である。
【0016】また、黒色酸化物微粒子の平均粒径は50
nm以下である。
【0017】また、ガラス基板上に成膜された導電膜の
膜厚は0.05〜0.60μmである。
【0018】
【作用】本発明は、高導電性酸化物微粒子がシリケート
ガラスマトリックス中に分散した構造をもつ電界シール
ド用暗色系透明導電膜をCRTガラス前面に形成するも
のである。
【0019】上記のような暗色系透明導電膜は、次のよ
うにインク法によって簡便に製造することができる。す
なわち、まず高導電性黒色酸化物微粒子を分散用溶媒中
に均一に分散して酸化物分散インクとし、一方で結合剤
としてのアルキルシリケート溶液を調整し、両者を混合
して黒色酸化物分散シリケートインクとする。これをC
RT完成球表面、あるいは封着前のCRT用前面ガラス
表面に塗布・乾燥し、その後大気中で150〜500℃
で焼成することによって得られる。
【0020】本発明に用いる導電物は、酸化ルテニウム
としてはRuO2,酸化イリジウムとしてはIrO2,酸
化ロジウムとしてはRhO2,ルテニウム系パイロクロ
アとしてはBi2Ru27-x,Pb2Ru27-x,イリジ
ウム系パイロクロアとしてはPb2Ir27-x,Bi2
27などを、その代表的な例として挙げることができ
る。これら高導電性黒色酸化物微粒子を焼成することに
よって、膜内では、微粒子相互の接触した導電パスが膜
に導電性を付与する。酸化ルテニウム,酸化イリジウ
ム,酸化ロジウム,ルテニウム系パイロクロア,イリジ
ウム系パイロクロアなどの黒色酸化物の比抵抗は10-3
〜10-5Ω・cmのオーダであり、黒色酸化物微粒子の
圧粉抵抗としては、100kgf/cm2において10
-1〜10-3Ω・cmである。例えばRuO2超微粉で
は、50〜200kgf/cm2の圧力において5×1
-3〜2.5×10-3Ω・cmの圧粉抵抗をもつ。した
がって、これらの黒色酸化物微粒子を分散させた膜で
は、分散状態にも依存するが、体積比で20%以上含ま
れるときには、1.0μm以下の膜厚においても電界シ
ールドに必要な104Ω/□以下の表面抵抗値を得るこ
とが可能である。帯電防止に必要な108Ω/□程度の
表面抵抗は、はるかに少ない酸化物体積比で実現され
る。導電物量が多いほど表面抵抗は下がるが、通常は6
5%以上充填するのは困難であり、102Ω/□台の表
面抵抗が限度である。
【0021】酸化物微粒としては、上記の酸化物に加え
て、元来透明性の高い導電性酸化物として知られるIT
O,ATO,AZOなどの超微粒子が混合されてもよ
い。輝度低減のレベルが低い要求のものでは、ITO,
ATO,AZOなどを主体として、これに黒色酸化物が
混合されたものでもよい。
【0022】酸化ルテニウム,酸化イリジウム,酸化ロ
ジウム,ルテニウム系パイロクロア,イリジウム系パイ
ロクロアは可視光を吸収する黒体である。従ってこれら
の微粒子が分散する系では、添加量にしたがって透過光
量が減少するが、拡散散乱光は少ないのでヘイズを上げ
たり、解像度を損なうことは少ない。またこれらの黒色
酸化物は高温でも極めて安定であり、150〜500℃
の熱処理で変質することはない。さらに同じ黒色系であ
っても、酸化鉄などのように赤色や茶色方向に黒ずむの
はCRTが古ぼけた感覚になるため好まれないが、上記
の酸化物は青や緑を帯びた黒化に向かうので好都合であ
る。
【0023】酸化物微粒子の粒径は小さいほど好まし
く、例えば平均粒径が50nm以下であるときには、入
射可視光の散乱モードは、ほとんどがいわゆるRayl
eigh散乱又はMie散乱のモードとなり、物体の形
状による散乱は極めて少なくなる。このときヘイズに寄
与するのは数100nmサイズの粗大粒子や膜表面の粗
さであるが、粒子の平均粒径が例えば50nm以下であ
る場合には、一般的にヘイズを5%以下に下げることは
困難ではない。ヘイズは膜厚にほぼ比例する。
【0024】本発明の膜の膜厚は0.05〜0.60μ
m程度が好ましい。0.6μm以下である理由は、ヘイ
ズを5%以内に押さえるためである。逆に0.05μm
以上が好ましい理由は、インク法によってこれ以下の均
一膜を得るのは困難であることから制限されるもので、
実験によれば過度に薄い膜を製作すると、導電物粒子の
分布が島状になり、抵抗値が急上昇すると同時に表面に
凹凸を増し、ヘイズも増加する。
【0025】上記のような極微小サイズの黒色系及び透
明性酸化物粒子は、ITO粉を除いてすべて比較的容易
に製造でき、また酸化ルテニウムなどは市販されてい
る。ITO粉については平均粒径50nm以下の超微細
なものは製造が難しいが、平均粒径50nm以下のもの
は、住友金属鉱山(株)から販売・供給されている。
【0026】高導電性酸化物微粒子の分散用溶媒として
は、焼成温度以下の適当な沸点をもち、酸化物微粒子を
効率良く分散し得るものであればよく、例えばN−メチ
ル−2−ピロリドン(NMP),エタノール,4−ヒド
ロキシ4−メチル−2−ペンタノン(ジアセトンアルコ
ール),イソプロピルアルコール,N,N−ジメチルホ
ルムアミド(DMF),ジメチルアセトアミド,メチル
セロゾルプ,アセトン,テトラヒドロキシフランなどを
好ましい例として挙げることができる。
【0027】結合剤としてのアルキルシリケートは、高
導電性酸化物微粒子をガラス表面上に結合固定するため
のものであって、このようなアルキルシリケートとして
は、例えばオルトアルキルシリケートあるいはこれを加
水分解してある程度脱水縮重合を進行させた形のものな
どが使用される。オルトアルキルシリケートとしては、
例えばオルトメチルシリケートSi(OCH34,オル
トエチルシリケートSi(OC254,オルトプロピ
ルシリケートSi(OC374,オルトブチルシリケ
ートSi(OC494などを使用することができ、ま
た2種類以上のアルキル基を同一分子内に有するオルト
アルキルシリケートでも良い。また2種類以上のアルキ
ルオルトシリケートを混合して使用しても差し支えな
い。
【0028】オルトアルキルシリケートは、水分がある
と容易に加水分解を受けてアルコキシル基が水酸基とな
り、更に水酸基同士から水がとれて脱水縮重合を起こし
て重合していくが、このようにある程度脱水縮合が進ん
でいるものもアルキルシリケートとして使用することが
できる。要するに加熱により脱水縮重合が進行し、最終
的にシリケートの形で酸化物粉をガラス表面上に固定さ
せる能力を有すればよい。なお脱水縮重合反応を進行さ
せるために、少量の水分や反応促進剤として塩酸や硫酸
のような酸を共存させると良い。
【0029】上記の黒色酸化物分散インクのガラス上へ
の塗布方法は、スピンコート法やスプレーコート法な
ど、インクを平滑かつ薄く塗布できる方法であれば何で
もよい。
【0030】焼成は150〜500℃で行う。封着前の
CRT前面ガラスに成膜する場合は、ガラス軟化点直下
まで昇温可能であるが、CRT完成球の成膜に対しては
加熱温度が高いと爆発の危険性があるため200℃以下
に制限される。
【0031】焼成中にはシリケートの縮重合化と溶媒成
分の蒸発が起こり、塗布膜は収縮・乾燥・硬化する。シ
リケートの縮重合反応が完了するのは200℃〜250
℃であるために、200℃以下の焼成では未反応・未蒸
発のインク成分の残存は避けられない。従って焼成温度
は一般的に高い温度の方が好ましい。焼成温度が250
℃以上のときは、シリケートのゲル縮重合反応や乾燥化
は完了し、これが膜をさらに収縮させるため導電物微粒
子の充填密度が上がり、表面抵抗が下がる。また導電物
粒子間の接触状態も溶媒成分の蒸発に伴い改善されて、
抵抗値の安定性や経時変化を改善する。
【0032】
【実施例】以下、本発明の実施例を示す。
【0033】(実施例1)平均粒径35nmの、住友金
属鉱山(株)製RuO2超微粉を15g,N−メチル−
2−ピロリドン(NMP)を15g,N,N−ジメチル
フォルムアミド(DMF)を7g,及びエタノール75
gを混合し、RuO2分散溶液を作製した。一方平均重
合度で4〜5量体である多摩化学工業製エチルシリケー
ト40を1.5g,4−ヒドロキシ−4−メチル−2−
ペンタノン(ジアセトンアルコール)16g,蒸留水
1.5gの混合溶液を撹拌しながら、5%塩酸水溶液3
g,ジアセトンアルコール2g,蒸留水2.4gの混合
溶液を滴下して、エチルシリケート溶液を調整した。R
uO2分散溶液とエチルシリケート溶液の2液を混合
し、150rpmで回転する200×200×3mmの
板ガラス上にビーカから滴下した。同様の板ガラス3枚
にスピンコートを行い、大気中において焼成温度180
℃で30分焼成した。形成された膜の表面抵抗値,ヘイ
ズ,膜厚,透過率の測定結果を表1に示す。
【0034】得られた膜の膜厚は、膜の一部を削り取っ
て東京精密(株)製表面粗さ計SURFCOM750A
で測定したものである。表面抵抗は、三菱油化(株)製
表面抵抗計MCP−T200を用いて測定した。ヘイズ
と透過率は村上色彩技術研究所製ヘイズメータHR−2
00を用いて測定した。また導電製酸化物微粒子の粒径
は透過電子顕微鏡で評価した。
【0035】以下の実施例,比較例についても同じであ
る。表1には、併せて実施例2〜10,比較例1〜4で
得られた膜の特性を示す。
【0036】
【表1】
【0037】(実施例2)焼成条件を450℃/30分
とした他は全く実施例1と同様にして膜を形成し、特性
評価をした。
【0038】(実施例3)導電粉として平均粒径21n
mのIrO2超微粉を用いた他は全く実施例1と同様に
して膜を形成し、特性評価をした。
【0039】(実施例4)導電粉として平均粒径35n
mのRhO2超微粉を用いた他は全く実施例1と同様に
して膜を形成し、特性評価をした。
【0040】(実施例5)導電粉として平均粒径42n
mのPb2Ru27-x超微粉を用い、焼成条件を500
℃/30分とした他は全く実施例1と同様にして膜を形
成し、特性評価をした。
【0041】(実施例6)導電粉として平均粒径32n
mのBi2IrO7超微粉を用い、焼成条件を300℃/
30分とした他は全く実施例1と同様にして膜を形成
し、特性評価をした。
【0042】(実施例7)導電粉として平均粒径35n
mのRuO2超微粉と平均粒径25nmの住友金属鉱山
(株)製ITO超微粉(ITO−UFP)を体積比1:
1の割合で用いた他は全く実施例1と同様にして膜を形
成し、特性評価をした。
【0043】(実施例8)導電粉として平均粒径35n
mのRuO2超微粉と平均粒径25nmの住友金属鉱山
(株)製ITO超微粉(ITO−UFP)を体積比1:
1の割合で用い、焼成条件を300℃/30分とした他
は全く実施例1と同様にして膜を形成し、特性評価をし
た。
【0044】(実施例9)導電粉として平均粒径21n
mのIrO2超微粉と平均粒径12nmのATO超微粉
を体積比1:1の割合で用いた他は全く実施例1と同様
にして膜を形成し、特性評価をした。
【0045】(実施例10)導電粉として平均粒径35
nmのRuO2超微粉と、平均粒径40nmのAZO超
微粉を体積比1:1の割合で用いた他は全く実施例1と
同様にして膜を形成し、特性評価をした。
【0046】(比較例1)導電粉として平均粒径25n
mの住友金属鉱山(株)製ITO超微粉(ITO−UF
P)を用いた他は全く実施例1と同様にして膜を形成
し、特性評価をした。
【0047】(比較例2)導電粉として平均粒径12n
mのATO超微粉を用いた他は全く実施例1と同様にし
て膜を形成し、特性評価をした。
【0048】(比較例3)導電粉として平均粒径8nm
の高導電製カーボン粉末を用いた他は全く実施例1と同
様にして膜を形成し、特性評価をした。
【0049】(比較例4)膜厚が厚い膜を意図して、ビ
ーカからの滴下を乾燥時間10分を挾んで3回に分けて
行なった他は、実施例1と同様にして膜を形成し、特性
評価をした。
【0050】以上、実施例と比較例とを対比して明らか
なとおり、本発明によれば、ITO粉を用いた比較例1
や、ATO粉を用いた比較例2に比べてヘイズ値に遜色
がなく、表面抵抗値が103〜105Ω/□の導電膜が得
られ、透過率に関しては、比較例1,2と、カーボン,
RuO2を用いた比較例3,4の間の64〜88%の適
正な値が得られている。
【0051】また、各実施例に明らかなとおり、導電物
粒子の選定,膜厚,焼成温度を制御して導電膜の透過率
を調整できることが分かる。
【0052】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、高導電製
黒色酸化物微粒子をシリケートマトリックス中に分散し
た膜をガラス上に形成することにより、ヘイズを上げる
ことなく透過率が適度に抑制されて表示画面が見やす
く、画像の読み取りが容易であり、かつ電界シールドに
必要な導電膜を得ることができ、輝度調整の可能な電界
シールド膜として好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 東福 淳司 千葉県市川市中国分3−18−5 (72)発明者 折田 桂一 東京都品川区西五反田7丁目9番4号 東北化工株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−132341(JP,A) 特開 平5−124838(JP,A) 特開 昭62−273270(JP,A) 特開 平6−297629(JP,A) 特開 平5−320387(JP,A) 特開 平5−63320(JP,A) 特開 平5−151839(JP,A) 特開 平3−101101(JP,A) 特開 昭63−310751(JP,A) 特開 昭64−54712(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C03C 17/00 - 17/44 H01B 5/00 - 5/16 H01B 13/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高導電性酸化物微粒子がシリケートガラ
    スマクリックス中に分散した構造を有し、ガラス基板上
    に焼付けて成膜された電界シールド用暗色系透明導電膜
    であって、 比抵抗が10−3〜10−5Ω・cmの1種又は2種以上
    高導電性酸化物微粒子を体積比で20%以上含み、高導電性酸化物微粒子は、すでに合成された酸化ルテニ
    ウム,酸化イリジウム,酸化ロジウム,ルテニウム系パ
    イロクロア,イリジウム系パイロクロアから選ばれた黒
    色酸化物微粒子である ことを特徴とする電界シールド用
    暗色系透明導電膜。
  2. 【請求項2】 高導電性酸化物微粒子は、さらにインジ
    ウム錫酸化物,アンチモン添加錫酸化物,アルミニウム
    添加酸化亜鉛などの無色透明の導電性酸化物微粒子の1
    種又は2種以上を含むものであることを特徴とする請求
    項1に記載の電界シールド用暗色系透明導電膜。
  3. 【請求項3】 黒色酸化物微粒子は、可視光を吸収して
    青又は緑を帯びた黒化に向かう黒体であることを特徴と
    する請求項1又は2に記載の電界シールド用暗色系透明
    導電膜。
  4. 【請求項4】 黒色酸化物微粒子の平均粒径は50nm
    以下であることを特徴とする請求項1に記載の電界シー
    ルド用暗色系透明導電膜。
  5. 【請求項5】 ガラス基板上に成膜された導電膜の膜厚
    は0.05〜0.60μmである請求項1,2,又は3
    に記載の電界シールド用暗色系透明導電膜。
JP15358793A 1993-06-24 1993-06-24 電界シールド用暗色系透明導電膜 Expired - Fee Related JP3425637B2 (ja)

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