JPH06234170A - ポリエチレン系樹脂被覆紙の製造方法 - Google Patents
ポリエチレン系樹脂被覆紙の製造方法Info
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Abstract
基紙との接着性が良好であり、さらに、樹脂層中のゲル
発生を防止する押出溶融被覆方法を提供することを目的
とする。 【構成】 特定の物性を有するポリエチレン樹脂混合物
を、特定のスクリュ−回転数以上で押出溶融被覆するポ
リエチレン系樹脂被覆紙の製造方法
Description
う)の片面にポリエチレン系樹脂を被覆した樹脂被覆紙
の製造方法に関するものであり、さらに、詳しくは、基
紙に溶融したポリエチレン系樹脂を押出被覆する際、樹
脂層のゲル発生を防止して、押出被覆する方法の改良に
関するものである。
ム形成能のある樹脂を溶融して押出し、被覆することは
広く行なわれており、これを用いた食品用容器、包装材
料、剥離紙、印刷用紙、写真用支持体等の樹脂被覆紙は
よく知られている。
して被覆する場合は、ポリエチレン系樹脂の融点よりも
かなり高い温度で行なわれている。例えば、低密度ポリ
エチレンの融点は105℃〜110℃付近であり、高密
度ポリエチレンの融点は120℃〜130℃付近にある
のに対し、Tダイ法による溶融押出し温度は、薄膜塗布
を行なうために300℃付近で行なう必要がある。一般
にポリエチレン分子中には、エチレンモノマ−の重合体
としての直鎖状の炭素の他に炭素炭素二重結合のような
不飽和結合や、メチル基、あるいは、それ以上の炭素骨
格を結合した側鎖状の炭素を含むことが知られている。
ポリエチレンに対し、300℃付近での温度は加工適性
面からは適度な温度であるが、分子レベルでは活性化を
促進させる範囲であり、実際長時間操業では溶融ポリエ
チレン系樹脂の流動変化等の要因により、分子中の不飽
和結合や側鎖状の炭素付近でラジカルが発生しやすい状
態になり、ラジカルが連鎖反応して橋かけ反応を起し、
フィルムとなって押出された時にゲル状の欠陥となって
現れることがしばしばある。このゲルは樹脂被覆紙表面
の突起となり外観を損ない機能的にも色々障害となる。
存在すると、その部分の印刷不良や基紙との接着不良に
よる剥離等が起こり問題である。剥離紙ではゲルの存在
が樹脂層上へのシリコ−ン等の離型剤塗布工程での品質
不良を招く場合が多い。特に、写真用支持体の場合にお
いてはゲルの存在そのものが写真画像としての質を低下
させたり、乳剤塗布時の障害により正常な写真画像を形
成できない場合は、写真印画紙としての商品価値を失っ
てしまうことが多い。このため、十分なゲル防止対策が
講じられなくてはならない。
て、押出し加工温度を下げて操業する方法があるが、そ
の場合ポリエチレン系樹脂と紙との接着性が低下するた
め、必要な程度の接着性を維持するためには加工速度が
制限され、生産性が低下してしまう。
なうことは効果あるものの生産性の低下は避けられな
い。
において、このゲルを防止するために酸化防止剤を添加
することにより効果をあげている場合がある。しかし、
基紙上にポリエチレン系樹脂を押出し被覆する場合に
は、ゲル防止のために酸化防止剤を添加することは基体
とポリエチレン系樹脂の接着を悪化させるため一般的に
はあまり行なわれていない。
が要求される剥離紙等では樹脂層に融点が高い高密度ポ
リエチレンを用いているが、該樹脂被覆紙を製造する
際、サ−ジングあるいはドロ−レゾナンスの程度による
流動の不安定性、ネックイン、ドロ−ダウン性による膜
切れ等の成形加工性がまだ不十分である。特に、基紙の
走行速度が150m/分以上である高速条件で生産した
場合には、これらの問題点に加え、樹脂層と基紙との接
着性が悪化し樹脂層が剥離する傾向となって問題があっ
た。
被覆紙の製造の際、樹脂層中のゲル発生防止を効果的に
行なう押出被覆する有効な方法は見いだされていない。
題を解決すべくなされたものであり、押出溶融被覆法に
よって、ポリエチレン系樹脂被覆紙を製造するにあた
り、生産性を低下させることなく、樹脂層の成形加工
性、樹脂層と基紙との接着性が良好で、樹脂層中のゲル
発生を防止する押出溶融被覆方法を提供することであ
る。
前述の問題点を解決のために、鋭意検討した結果、基紙
の片面にポリエチレン系樹脂を押出被覆して樹脂被覆紙
を製造するに方法において、ポリエチレン系樹脂を押出
機から溶融押出する際、押出機のスクリュ−回転数が臨
界回転数(Nc)以上の回転数でポリエチレン系樹脂を
溶融押出することにより、本発明の目的が達成されるこ
とが判明した。
コ−ン・プレ−ト型回転式粘度計(レオメトリック社製
レオメトリックメカニカルスペクトロメ−タ−、コ−ン
・プレ−ト直径:25mm、角度:0.1rad)を用
い、240℃にて測定した剪断応力と第一法線応力差が
等しくなる点における剪断速度のことをいう。
法により求める。
採用する押出機のスクリュ−回転数は押出被覆に用いる
原料ポリエチレン系樹脂の臨界剪断速度を測定すること
により容易に求めることができる。
記(1)式による臨界回転数以上を満足しない場合には
樹脂層中のゲル発生防止が不十分となるので好ましくな
い。
を広くするには、臨界回転数が小さいほうが好ましい。
臨界回転数を小さくする方法としては、本発明の許す範
囲においてできるだけ臨界剪断速度が低い樹脂を使用す
る方法、バレル内径を大きくする方法、溝の浅いスクリ
ュ−を使用する方法等が挙げられるが、これらの方法を
単独に、あるいは2つ以上組み合わせて用いることがで
きる。
エチレン系樹脂を基紙に押出被覆するには、基紙に直接
押出被覆してもよいし、また、基紙とポリエチレン系樹
脂との接着力を高めるためにあらかじめ基紙の接着面に
コロナ放電処理、火炎処理、アンカ−コ−ト処理等の公
知の表面活性化処理を施したのちに、押出被覆してもよ
い。
行なうことができ、例えば、ポリエチレン系樹脂を押出
機のダイから樹脂温度280〜340℃で押出して溶融
薄膜となし、該溶融薄膜を圧着ロ−ルに導き、一方接着
面を未処理或いは上記した表面活性化処理を施され同じ
く圧着ロ−ルに導かれた基紙と圧着ロ−ルと冷却ロ−ル
を介して押出被覆することにより行なわれる。
特に制限はないが、通常5〜50μ程度の厚み範囲であ
る。
リエチレン系樹脂としては、高密度ポリエチレン、低密
度ポリエチレン又は、中密度ポリエチレンが使用され
る。
ポリエチレン樹脂としては、そのメルトフロ−レ−ト
(JIS K 6760)(以下、単に、MFRと言
う)が10.0g/10分〜40.0g/10分のもの
であり、密度が0.950g/cm3 以上の範囲のもの
であれば、各種のMFR、密度、分子量、分子量分布の
ものを単独にあるいは混合して使用でき、通常の高密度
ポリエチレン樹脂、エチレンとプロピレン、ブチレン等
のα−オレフィンとの共重合体及びこれらの混合物等各
種のものを使用できる。上記MFRが上記未満では基紙
と樹脂層との接着性や成形加工性が低下し、また上記よ
り大きいと樹脂の混合性や成形加工性が低下してくるの
で望ましくない。さらに、密度が上記未満では裁断性等
の二次加工性が低下するので望ましくない。
は中密度ポリエチレン樹脂としては、MFRが0.2g
/10分〜4.0g/10分のものであり、密度が0.
935g/cm3 以下、分子量50万以上の分率が8重
量%以上、臨界剪断速度が20.0(1/秒)以下の範
囲のものであれば、各種のMFR、密度、分子量、分子
量分布のものを単独にあるいは混合して使用でき、例え
ば、高圧法低密度ポリエチレン樹脂(オ−トクレ−ブ法
低密度ポリエチレン樹脂、チュ−ブラ−法低密度ポリエ
チレン樹脂等)、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂、中密
度ポリエチレン樹脂、エチレンとプロピレン、ブチレン
等のα−オレフィンとの共重合体、カルボキシ変性ポリ
エチレン樹脂及びこれらの混合物等各種のものを使用で
きる。上記MFRが上記未満では樹脂の混合性、基紙と
本樹脂層との接着性、成形加工性等が低下し、また上記
より大きいと成形加工性が低下するので望ましくない。
また密度が上記より大きいと基紙と樹脂層との接着性、
成形加工性等が低下するので望ましくない。また、該樹
脂の分子量50万以上の分率としては、8重量%以上で
あり、好ましくは10重量%以上、より好ましくは12
重量%以上である。該樹脂の分子量50万以上の分率が
8重量%より少ないと成形加工性、特にネックインが大
きくなって問題である。ここで、分子量の測定はウォ−
タ−ズ社製150−C(カラム:東ソ−社製GMH−X
L HT 8mmφ×30cm×3本、溶媒:1,2,
4−トリクロロベンゼン、温度:135℃、流量:1m
/min)を用いるGPC法により行なった。次に、該
樹脂の臨界剪断速度としては、20.0(1/秒)以下
であり、好ましくは10.0(1/秒)以下である。臨
界剪断速度が20.0(1/秒)より大きいと成形加工
性、ゲル発生等で問題である。ここで、臨界剪断速度の
測定は、コ−ン・プレ−ト型回転式粘度計(レオメトリ
ック社製レオメトリックメカニカルスペクトロメ−タ
−、コ−ン・プレ−ト直径:25mm、角度:0.1r
ad、温度:240℃)を用いて行ない、図1におい
て、剪断応力と第一法線応力差が等しくなる点における
剪断速度を臨界剪断速度とした。
リエチレン樹脂及び低密度ポリエチレン樹脂あるいは中
密度ポリエチレン樹脂の使用比率、MFR、密度および
臨界剪断速度は、ポリエチレン系樹脂被覆紙を製造する
際の樹脂の混合性、成形加工性やポリエチレン系樹脂被
覆紙の基紙と樹脂組成物層との接着性、ゲル発生防止効
果、樹脂被覆紙の裁断性や取り扱い易さ等の二次加工性
などについて、試行錯誤の実験の結果、総合的な見地か
ら決定され、本願の発明に到ったものである。特に、高
密度ポリエチレン樹脂の使用量としては、95重量部〜
50重量部であり、好ましくは85重量部〜65重量部
の範囲である。該樹脂の使用量が50重量部より少ない
と樹脂層の剛性が低下し、樹脂被覆紙の裁断性等の二次
加工性等が悪くなって問題であるし、95重量部より多
いと樹脂の混合性、成形加工性、基紙と樹脂層との接着
性等が悪くなって問題である。
チレン系樹脂は予め溶融混合して調整したコンパウンド
樹脂として用いられる。高密度ポリエチレン樹脂と低密
度ポリエチレン樹脂あるいは中密度ポリエチレン樹脂と
を予め溶融混合してコンパウン樹脂を調製する方法とし
ては、単純溶融混合法、多段溶融混合法等用いることが
できる。例えば、バンバリ−ミキサ−、加圧ニ−ダ−、
加熱ロ−ル練り機、押出機、二軸押出機等を使用でき
る。ポリエチレン系樹脂をコンパウンド樹脂として用い
ないで乾燥混合のままの状態で溶融被覆用押出機に直接
投入し、押出被覆した場合には、基紙と樹脂層との接着
性、樹脂の混合性、成形加工性等が悪くなって問題であ
る。
脂の範囲内において、押出溶融被覆時に経時的に発生す
る滞留ゲルを防止するために該樹脂の臨界剪断速度は特
に制限はないが、通常30(1/秒)以下のもの、好ま
しくは15(1/秒)以下のものが用いられる。臨界剪
断速度が30(1/秒)より大きいとゲルが発生を防止
するスクリュ−回転数、すなわち臨界回転数が大きくな
り、低回転数での溶融押出被覆が実用上困難となる場合
が生じることがある。本発明によるゲル発生の防止は、
溶融押出被覆時の高い樹脂温度下における樹脂の粘弾性
的性質に起因していると考えられ、臨界剪断速度にて樹
脂の性質が粘性的から弾性的になることによって、ゲル
化の機会減少、ゲルの粉砕及び混練向上等により発現さ
れたと考えられる。
は、単層、二層以上の多層のいずれであっても良い。こ
の場合にも本発明のポリエチレン系樹脂を用いることが
できる。また、多層の各層を互いに異なる組成とするこ
とも同一の組成とすることもできる。多層からなる樹脂
層を形成する方法としては、共押出溶融被覆法、逐次押
出溶融被覆法のいずれを採用しても良い。
の各々の樹脂層中には、本発明の効果を損なわない範囲
で、二酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、炭酸カルシウム
等の白色顔料、ステアリン酸アミド、アラキジン酸アミ
ド等の脂肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸
カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸
マグネシウム、パルミチン酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛、
パルミチン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩、ヒンダ−ド
アミン、リン系、硫黄系等の各種酸化防止剤、コバルト
ブル−、グンジョウ、セリアンブル−、フタロシアニン
ブル−等のブル−系の顔料や染料、コバルトバイオレッ
ト、ファストバイオレット、マンガンバイオレット等の
マゼンタ系の顔料や染料、螢光増白剤、紫外線吸収剤、
帯電防止剤、滑剤等の各種添加剤を適宜含有せしめるこ
とができる。これらの添加剤は使用する高密度ポリエチ
レン樹脂と低密度ポリエチレン樹脂あるいは中密度ポリ
エチレン樹脂に予め加えるか、あるいは、溶融混合時に
加えるか、または、該樹脂に高濃度に添加した所謂マス
タ−バッチを予め作成し、このマスタ−バッチを溶融押
出被覆時に該樹脂に加えてもかまわない。
天然パルプを主成分とする天然パルプ紙(以下、天然パ
ルプ紙を主成分とする基紙のことを単に原紙と略す。)
が好ましい。また、天然パルプと合成パルプ、合成繊維
とからなる混抄紙、合成パルプ、合成繊維あるいは合成
樹脂フィルムからなる所謂合成紙でも良い。また、基紙
の厚みに関しては特に制限はないが、その坪量は40g
/m2 〜250g/m 2 のものが好ましい。
構成するパルプとしては、特開昭58-37642号、特開昭60
-67940号、特開昭60-69649号、特開昭61-35442号等に記
載もしくは例示してあるような適切に選択された天然パ
ルプを用いるのが有利である。天然パルプは塩素、次亜
塩素酸塩、二酸化塩素漂白の通常の漂白処理ならびにア
ルカリ抽出もしくはアルカリ処理および必要に応じて過
酸化水素、酸素等による酸化漂白処理等、及びそれらの
組合せ処理を施した針葉樹パルプ、広葉樹パルプ、針葉
樹広葉樹混合パルプの木材パルプが有利に用いられ、ま
た、クラフトパルプ、サルファイトパルプ、ソ−ダパル
プ等の各種のものを用いることができる。
には、紙料スラリ−調整時に各種の添加剤を含有せしめ
ることができる。サイズ剤として、脂肪酸金属塩、脂肪
酸、特公昭62-7534 号に記載もしくは例示のアルキルケ
テンダイマ−乳化物あるいはエポキシ化高級脂肪酸アミ
ド、アルケニルまたはアルキルコハク酸無水物乳化物、
ロジン誘導体等、乾燥紙力増強剤として、アニオン性、
カチオン性あるいは両性のポリアクリルアミド、ポリビ
ニルアルコ−ル、カチオン化澱粉、植物性ガラクトマン
ナン等、湿潤紙力増強剤としてポリアミンポリアミドエ
ピクロルヒドリン樹脂等、填料として、クレ−、カオリ
ン、炭酸カルシウム、酸化チタン等、定着剤として、塩
化アルミニウム、硫酸バン土等の水溶性アルミニウム塩
等、pH調整剤として、苛性ソ−ダ、炭酸ソ−ダ、硫酸
等、その他特開昭63-204251 号、特開平1-266537号等に
記載もしくは例示の着色顔料、着色染料、螢光増白剤な
どを適宜組み合わせて含有せしめることが有利である。
原紙中には、各種の水溶性ポリマ−、帯電防止剤、添加
剤をスプレ−あるいはタブサイズプレスによって含有せ
しめることができる。水溶性ポリマ−として、特開平1-
266537号に記載もしくは例示の澱粉系ポリマ−、ポリビ
ニルアルコ−ル系ポリマ−、ゼラチン系ポリマ−、ポリ
アクリルアミド系ポリマ−、セルロ−ズ系ポリマ−、ゼ
ラチン系ポリマ−等、帯電防止剤として、塩化ナトリウ
ム、塩化カリウム等のアルカリ金属塩、塩化カルシウ
ム、塩化バリウム等のアルカリ土類金属塩、コロイド状
シリカ等のコロイド状金属酸化物、ポリスチレンスルホ
ン酸塩等の有機帯電防止剤等、エマルジョン、ラテック
ス、石油樹脂エマルジョン等、顔料として、クレ−、カ
オリン、タルク、硫酸バリウム、酸化チタン等、pH調
節剤として、塩酸、リン酸、クエン酸、苛性ソ−ダ等、
そのほか前記した着色顔料、着色染料、螢光増白剤等の
添加剤を適宜組み合わせて含有せしめるのが有利であ
る。
抄造には、長網抄紙機、丸網抄紙機等通常用いられる抄
紙機を用いることができる。
が、本発明はこれに限定されるものではない。
m3 の高密度ポリエチレン70重量部とMFR0.6g
/10min、密度0.924g/cm3 、分子量50
万以上の分率が15重量%、臨界剪断速度が0.06
(1/秒)の低密度ポリエチレン30重量部とを予め溶
融混合し、これを樹脂温度320℃で押出機より坪量1
70g/m2 の平滑性の高い紙に厚さ25μmとなるよ
う押出塗工して作成した。
方法としては、樹脂被覆部分の横方向の長さを測定して
ネックインの程度を評価すると共に、溶融樹脂膜のスジ
の発生の程度、ドロ−ダウン性の程度による膜切れの発
生の有無、サ−ジングあるいはドロ−レゾナンスによる
流動の不安定性等の成形加工性について総合的に評価し
た。評価基準としては、○;良好、△;やや悪いが実用
上問題がない程度、×;悪く実用上問題がある程度、を
表す。
との接着性の評価方法としては、試料を基紙層とポリエ
チレン層とに剥離し、剥離したポリエチレン層に付着し
た基紙層の面積率を測定することにより、基紙と樹脂層
との接着性を評価した。評価基準としては、○;面積率
が100%で良好、△;面積率が100%未満で80%
以上であり、接着性がやや悪いが実用上問題がない程
度、×;面積率が80%未満であり、接着性が悪く実用
上問題がある程度、を表す。
は、設定温度320℃、1時間あたり2.5Kgとなる
条件下で8時間フィルム状に押出した後の0.01m2
のフィルム中における0.1mm以上のゲルの個数を測
定し初期の値と比較することにより、ゲルを評価した。
評価基準としては、○;8時間後のゲルの個数が初期値
と変わらない。×;8時間後のゲルの個数が初期値より
増加した程度、を表す。
評価方法としては、試料を市販のギロチンカッタ−にて
裁断した切り口の状態の毛羽立ちの程度による裁断性の
評価、樹脂被覆紙の樹脂層面をお互いに重ね擦り合わせ
た場合の樹脂層表面の傷の程度による耐擦性、樹脂被覆
紙の腰等の二次加工性について総合的に評価した。評価
基準としては、○;良好、△;やや悪いが実用上問題が
ない程度、×;悪く実用上問題がある程度、を表す。
た以外は、実施例1と同様に行なった。
回転数が臨界回転数以上の溶融押出条件にて被覆したポ
リエチレン系樹脂被覆紙(実施例1〜6)は、ゲルの発
生がなく、成形加工性、樹脂層と基紙との接着性が良好
である優れたポリエチレン系樹脂被覆紙であることがよ
くわかる。
それぞれ、問題点を有していることがわかる。高密度ポ
リエチレンのMFRが10g/10分より小さい場合
(比較例1)には、二次加工性が悪く問題である。押出
機のスクリュ−回転数が臨界回転数より小さい場合(比
較例2〜4)には、ゲルが悪くて問題である。また、高
密度ポリエチレンの含有量が95重量部より多い場合
(比較例4)には、ゲル、基紙と樹脂層との接着性、成
形加工性が悪くて問題である。
良好で、樹脂層と基紙との接着性が良好であり、さら
に、樹脂層のゲルを防止できる、優れたポリエチレン系
樹脂被覆紙を供給できる。
関係を表わす図表であり、縦軸は剪断応力及び第一法線
応力差を示し、横軸は剪断速度を示す。
Claims (2)
- 【請求項1】 紙基体の片面にポリエチレン系樹脂を押
出溶融被覆してポリエチレン系樹脂被覆紙を製造する方
法において、ポリエチレン系樹脂を押出機から溶融押出
する際、押出機のスクリュ−回転数が臨界回転数以上の
回転数でポリエチレン系樹脂を溶融押出することを特徴
とするポリエチレン系樹脂被覆紙の製造方法。ここでい
う臨界回転数とは溶融押出時のスクリュ−回転による剪
断速度と樹脂の臨界剪断速度が等しくなるスクリュ−回
転数であり、また樹脂の臨界剪断速度とは、コ−ン・プ
レ−ト型回転式粘度計を用いて240℃において測定さ
れた剪断応力と第一法線応力差とが等しくなる剪断速度
である。 - 【請求項2】該ポリエチレン系樹脂が、メルトフロ−レ
−トが10.0g/10分〜40.0g/10分、密度
が0.950g/cm3 以上である高密度ポリエチレン
樹脂95重量部〜50重量部に、メルトフロ−レ−トが
0.2g/10分〜4g/10分、密度が0.935g
/cm3 以下、分子量50万以上の分率が8重量%以
上、臨界剪断速度が20.0(1/秒)以下である低密
度ポリエチレン樹脂または中密度ポリエチレン樹脂を5
重量部〜50重量部配合してなるポリエチレン系樹脂組
成物を溶融混合した樹脂である請求項1記載のポリエチ
レン系樹脂被覆紙の製造方法
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