JP3237992B2 - 写真用支持体の製造方法 - Google Patents

写真用支持体の製造方法

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JP3237992B2 JP05585194A JP5585194A JP3237992B2 JP 3237992 B2 JP3237992 B2 JP 3237992B2 JP 05585194 A JP05585194 A JP 05585194A JP 5585194 A JP5585194 A JP 5585194A JP 3237992 B2 JP3237992 B2 JP 3237992B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、写真印画紙用樹脂被覆
紙である写真用支持体の製造方法に関するものであり、
更に詳しくはポリオレフィン樹脂と導電性原紙の接着性
と高速加工性を改良した製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近の写真印画紙は、原紙の両面にポリ
オレフィン樹脂を被覆した耐水性の写真用支持体上に、
ハロゲン化銀写真乳剤層を塗布したタイプの写真印画紙
が使われるようになってきた。このような耐水性支持体
を製造するには、原紙上に溶融したポリオレフィン樹脂
をダイスを用いて、押出被覆することが一般的であり、
走行する原紙の両面には、ポリオレフィン樹脂の融点よ
りもかなり高い300℃前後の温度で溶融した樹脂を塗
布し、クーリングロールとニップロールで連続的に冷却
固化される。溶融した樹脂と原紙との接着は、一般的に
塗布直前の原紙面の前処理と、溶融樹脂温度により変わ
ることが知られている。
【0003】原紙上に、ポリオレフィン樹脂で被覆耐水
性化することは、写真印画紙の現像、定着、水洗処理等
の時間が短縮できる。現在では、現像処理時間の必須要
件となっている。一方、ポリオレフィン樹脂で被覆した
写真用支持体は、静電気の帯電のため、乳剤塗布時に発
生する静電カブリ防止策も必要である。そのため、裏面
に導電剤を塗布したり、樹脂中に導電剤を添加すること
も考えられるが、写真乳剤には直接接触しない原紙に付
与することが効果的である。
【0004】しかしながら、原紙に導電剤を付与するこ
とは、コロナ処理性が劣り、接着性が悪くなるという問
題がある。また、最近の写真用支持体としては、表面を
高平滑化した支持体が要望され、原紙面も高平滑化した
ものが必要とされ、接着性については低下の方向にあ
る。さらに、生産コストの点からは、高速加工が必要と
されるため、ポリオレフィン樹脂と原紙との接着性を悪
化させる原因となっている。
【0005】一方、写真乳剤塗布時や写真印画紙の裁断
処理時においても、高速化が実施されており、従来より
更に帯電防止性も要望されている。このため、原紙面上
にアンカーコート層を設け、接着性を改良することが提
案されている。アンカーコートとしては、例えば、特開
昭55−4027号公報にはアイオノマー、特開昭59
−13342号公報には、カルボシル変性SBRラテッ
クス、特公昭59−12167号公報には、コロイド状
アルミナ、あるいは、特開昭61−230142号公報
には、エチレン/アクリル酸コポリマーのアンカーコー
トを設け、接着性を改良させる方法が提案されている。
【0006】また、特開昭61−42254号公報に
は、溶融樹脂フィルムにオゾンガスで表面処理等を施
し、接着性を改良させる方法も提案されている。しかし
ながら、接着性に問題がなければ、アンカーコートやオ
ゾン処理は、工程増とコストアップがあり、また、写真
乳剤適性からも問題が多く、あまり良い方法とは言えな
い。また、プラズマ処理や、フレーム処理では原紙の水
分変化が起こり写真用支持体には適さない。
【0007】なお、このような耐水性支持体に乳剤を塗
布する方法として、特開昭48−5043号公報にスパ
ークギャップ型のコロナ発生機による処理方法が提案さ
れている。また、特開昭51−131576号公報には
ロール電極を使用した、コロナ処理が有効であると提案
されている。さらに、特公昭58−43731号公報に
は、原紙面の両面にコロナ処理した後、ポリエチレンを
溶融押出塗布することが記載されている。
【0008】また、原紙面の前処理としてのコロナ処理
法が、新ラミネート加工便覧(加工技術研究会編:昭和
58年11月30日発行)に記載されている。その内容
は、コロナ発生機としては、スパークギャップ方式や、
真空管方式、トランジスタ方式、サイリスタ方式等につ
いて長所と短所が記載されている。しかしながら、これ
らの発生機を使用して、高速で溶融ポリオレフィン樹脂
と原紙の接着を確保するためには、能力不足であり、効
率の良いコロナ発生機が必要とされている。
【0009】また、処理電極についてはL型のバー電極
や、ナイフエッジタイプ、シュータイプ、ロール電極等
の電極で処理することが記載されている。写真乳剤を塗
布するための樹脂表面の処理については、特開昭58−
222118号公報と特公昭60−22343号公報に
は、バー電極を使用した処理が記載されている。特公昭
60−251962号公報にはナイフエッジ電極が、ま
た特公昭48−25071号公報および特公昭51−1
31576号公報には、ロール電極を使用した処理方法
が記載されている。しかしながら、これらの電極を使用
して原紙面をコロナ処理すると処理不足となり高速で加
工するためには2台〜3台設置する必要があった。
【0010】写真用支持体に用いる好ましい原紙と、ポ
リオレフィン樹脂との接着性を確保して高速で加工する
ことが困難であった。また、樹脂温度を高くして、接着
性を維持することは、樹脂の酸化劣化による樹脂ゲルの
発生や、写真乳剤への悪影響を起こし、写真用支持体と
しての品質に問題があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の課題
を解決すべくなされたものであり、原紙の両面に、ポリ
オレフィン樹脂を主成分とする樹脂被覆層を形成する溶
融押出塗工に於いて、樹脂層と原紙の接着性を改良した
コロナ処理システムの開発により、アンカーコートやオ
ゾン処理等を併用せず、コロナ処理のみで接着性を維持
して、写真用支持体を製造することである。また、写真
用支持体用として優れている導電性原紙を使用できるコ
ロナ処理方法を用いて、写真用支持体を製造することで
ある。
【0012】したがって、本発明の目的は、写真用支持
体の製造方法において、溶融ポリオレフィン樹脂と導電
性原紙との接着性を改良し、さらに、生産性の低下する
ことなしに、高速加工性を改良し、かつ写真印画紙とし
ての性質を損なうことのない写真用支持体の製造方法を
提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、6.0%〜8.
0%の水分を有し、かつ導電剤を含む原紙の表面抵抗
が、1×107Ω/cm〜1×1010Ω/cmであって
、高速スイッチング素子型コロナ発生機と、マルチバ
ー電極を使用してコロナ処理することにより、該原紙表
面の純水による接触角を、80度〜100度とした当該
原紙の両面に、ポリオレフィン樹脂を主成分とする樹脂
で溶融押出被覆する写真用支持体の製造方法を提供する
ものである。
【0014】また、本発明は、6.0%〜8.0%の水分
を有し、かつ導電剤を含む原紙の表面抵抗が、1×10
7Ω/cm〜1×1010Ω/cmであって 、高速スイッ
チング素子型コロナ発生機と、マルチバー電極を使用
し、該マルチバー電極とアースロール間の放電電圧が2
5kv〜40kvで、コロナ処理することにより、該原
紙表面の純水による接触角を、80度〜100度とした
当該原紙の両面に、ポリオレフィン樹脂を主成分とする
樹脂で溶融押出被覆する写真用支持体の製造方法を提供
するものである。
【0015】以下に本発明を詳細に説明する。まず始め
に、IGBT型コロナ発生機について詳細に説明する。
本発明は、従来のコロナ発生機に比較して効率の良い、
高速スイッチング素子(Insulated Gate Bipolar Tra
nsister)を使用したコロナ発生機(以下 、IGBT型発
生機と省略する。)と、マルチバー電極を使用して 、原
紙面上にコロナ処理を施すものである。
【0016】本発明の高速スイッチング素子 (Insula
ted Gate Bipolar Transistor)を使用した発生機と
は、スパークギャップ方式や、真空管方式、トランジス
タ方式、サイリスタ方式の発生機に比較して効率がよ
く、電極における放電電圧も高圧で処理することが可能
であり、高速加工に適している。また、IGBT型発生
機は、高速大電力素子の特性から、従来タイプの発生機
より高電圧で効率の良い処理が可能である。さらに、コ
ロナ処理電極を従来のL型バー電極や、シュータイプ電
極からマルチバー電極にすることにより、電極とアース
ロール間の放電電圧と周波数を適宜調節することによ
り、コロナ処理を実施することで接着性が効果的に向上
することができる。
【0017】本発明のコロナ処理された原紙表面の純水
による接触角は、80度〜100度であり、原紙面にコ
ゲもなく、均一に接着する。コロナ処理した原紙表面の
純水による接触角が、80度未満になると、原紙表面に
ピンホールが発生したり、最悪の場合には原紙表面が焼
けてコゲが発生し、面質が悪化することが非常に多くな
るので、実用性に問題がある。また、100度を超える
と、コロナ処理効果が低下して、原紙表面の活性が少な
くなり、ポリオレフィン樹脂と原紙との接着性が低下し
てしまう。
【0018】本発明における原紙の好ましい水分は、6
%〜8%であって、原紙中に含まれる導電剤と相まっ
て、写真用支持体としての導電性を保持されるので、静
電カブリを防止することができる。また、写真印画紙の
品質として、現像処理時のプロセッサー内の通紙性が必
須の条件となるため、剛度を保持することは重要であ
る。6%未満の水分では、原紙の導電性を保持すること
が困難となり、また、剛度も強すぎて、写真印画紙とし
てのしなやかさがなくなり、現像処理時の通紙性も問題
となる。また、8%を超える水分では、原紙の導電性が
過剰になり、また、剛度も低下して印画紙としての品質
が低下する。
【0019】本発明における導電剤を含む原紙の表面抵
抗は 、1×107Ω/cm〜1×1010Ω/cmであ
る。原紙の表面抵抗が、1×1010Ω/cmを超える
と、乳剤塗布時、印画紙の裁断時に、静電カブリ発生の
原因となる。また 、表面抵抗が1×107Ω/cm未満
となると、コロナ処理時の放電電圧低下のため、コロナ
処理効果の低下と部分的放電によりコロナ焼けによる品
質故障の発生、あるいは、接着の悪化を招く結果とな
る。
【0020】本発明に用いられる導電剤としては、無機
塩、有機酸塩、高分子電解質から、適宜選択される。そ
して、原紙の水分が、6.0%〜8.0%であって、かつ
原紙の表面抵抗が 、1×107Ω/cm〜1×1010Ω
/cmの範囲に制御されなくてはならない。
【0021】無機塩としては、アルカリ金属およびアル
カリ土類金属の塩等が用いられる。例えば、塩化ナトリ
ウム、塩化リチウム、アルミン酸ナトリウム、リン酸ナ
トリウム、塩化カリウムなどが挙げられる。また、有機
塩としては、ギ酸カリウム、シュウ酸ナトリム等が挙げ
られる。さらに、有機高分子電解質としては、ポリアク
リル酸塩、ポリメタクリル酸塩、エチレン−マレイン酸
コポリマー塩、ポリスチレンスルホン酸等が挙げられ
る。
【0022】さらに、本発明では、マルチバー電極とア
ースロール間の放電電圧を1:1000の電圧プローグ
を使用してオシロスコープで測定し、25kv(P−P
電圧)〜40kvになるようマルチバーの本数と面積を
適宜制御を行い、かつ周波数が25kHz〜45kHz
でコロナ処理を実施することにより、導電性原紙とポリ
オレフィン樹脂との接着性を向上させ、高速で加工でき
る。放電電圧が25kv未満では、導電性原紙に対して
接着性の効果が低くなり、また、逆に40kvを超える
と、原紙表面に、コロナ処理により、焼けが発生するた
め、接着性が低下する。また、周波数については、放電
電圧の保持と処理効果に影響し、25kHz〜45kH
zであることが好ましい。25KHz未満ではコロナ焼
けが発生しやすくなり、45KHzを超えると処理効果
が低下するため、接着性が低下する。
【0023】本発明に用いられる原紙としては、広葉樹
パルプ、針葉樹パルプ、広葉樹針葉樹混合パルプ等の、
クラフトパルプ、サルファイトパルプ、ソーダパルプ等
通常使用されているパルプから成る原紙を使用できる。
また、必要によっては合成繊維からなる合成紙又はそれ
らの混抄紙を使用できる。これらの原紙は、通常の紙用
各種添加剤、例えば乾燥紙力増強剤(カチオン化澱粉、
カチオン化ポリアクリルアミド、アニオン性ポリアクリ
ルアミド等)、サイズ剤(脂肪酸塩、ロジン、カチオン
化サイズ剤)、湿潤紙力増強剤(メラミン樹脂、エポキ
シ化ポリアミド樹脂など)などの1種以上を含んでいて
もよい。また原紙は水溶性高分子添加剤、サイズ剤、無
機電解質、などの1種以上を含む処理液でタブサイズ、
又はサイズプレスされたものであっても良く、室内が2
0℃、65%RHにおいて、原紙の水分が、6%〜8%
で 、原紙表面抵抗が1×107Ω/cm〜1×1010
Ω/cmであれば良い。
【0024】本発明に用いられるポリオレフィン樹脂
は、エチレン、αーオレフィン類、例えば、プロピレン
などの単独重合体、前記ポリオレフィンの少なくとも2
種の共重合体、及び、これら各種重合体の少なくとも2
種の混合物などから選ぶことができる。特に、好ましい
ポリオレフィン樹脂は、低密度ポリエチレン、高密度ポ
リエチレン、直鎖型低密度ポリエチレン、およびこれら
の混合物である。
【0025】ポリオレフィン樹脂層には二酸化チタン、
又は二酸化チタンと他の白色顔料もしくは充填剤を混合
してもよい。必要によっては有色顔料、染料蛍光増白剤
又は他の公知の添加剤の小量は含有されていてもよい。
この支持紙は 、60g/m2〜300g/m2(特に 、
70g/m2〜200g/m2)の単位面積当りの重量を
有することができる。
【0026】本発明に於ける写真用支持体は、通常走行
する原紙(紙または合成紙等)上に、加熱溶融したポリオ
レフィン樹脂をスリットダイからフィルム状に溶融押出
し、冷却ロールとプレスロール間で冷却接着して製造さ
れる。通常溶融押出し温度は、300℃前後で280℃
ないし320℃であることが好ましく、また、ポリオレ
フィン樹脂を原紙上に押出塗工する前に、本発明のコロ
ナ放電処理を実施する。ポリオレフィン樹脂層の厚さと
して特に制限はないが、5μmないし50μm程度の厚
さに押出塗工したものが一般的である。
【0027】本発明に利用される写真用支持体には、各
種のハロゲン化銀写真乳剤層を設けることができる。例
えば塩化銀、臭化銀、塩臭化銀、沃臭化銀、塩沃臭化銀
乳剤層を設けることができる。また、ハロゲン化銀乳剤
層にカラーカプラーを含有せしめて、多層ハロゲン化銀
写真構成層を設けることができる。これらのハロゲン化
銀乳剤層の結合剤としては、通常のゼラチンの他にポリ
ビニルアルコール、多糖類の硫酸エステル化合物などの
親水性高分子物質を用いることができる。また上記のハ
ロゲン化銀乳剤層には増感色素、化学増感剤、カブリ防
止剤、硬膜剤、塗布助剤、汚染防止剤、現像促進剤、紫
外線吸収剤、蛍光増白剤、鮮鋭度向上剤、帯電防止剤な
どの各種添加剤を含有せしめることができる。また発明
の写真用支持体の裏面に目的に応じた裏塗層を設けても
よく、また表面にも目的に応じた下引層を設けても良
い。
【0028】
【実施例】以下に、本発明を実施例にて詳細に説明す
る。実施例1〜および比較例1〜11 [原紙] 広葉樹材晒クラフトパルプ(LBKP)と針葉樹材晒サ
ルファイトパルプ(NBSP)の2:1混合物をカナデ
ィアンスタンダードフリーネスで300mlになるまで
叩解し、パルプスラリーを作成した。これにサイズ剤と
してアルキルケテンダイマー(DHC社製、アコーペル
24)を対パルプに0.5重量% 、強度剤としてポリア
クリルアミド(星光化学社製:スターガムAー15)を
対パルプに1.0重量% 、カチオン化澱粉(王子ナショ
ナル社製:ケイト−F)を対パルプに2.0重量% 、ポ
リアミドエピクロロヒドリン(DHC社製:エピノック
スP−1301)を対パルプに0.5重量%添加し 、水
で希釈後1%スラリーとした。 これらのスラリーを長
網抄紙機で坪量170g/m2になるように抄造し、タ
ブサイズ用として3. 0%のポリビニルアルコール溶液
に導電剤として添加量を1〜5重量%になるように、そ
れぞれ変更して添加溶解した液でタブサイズを実施し、
原紙水分を実施例1〜7および比較例1〜11のように
それぞれ調節して抄造し、これらの原紙水分および表面
抵抗の結果を表1に示す。
【0029】[押出塗工]こうして抄造した原紙に密度
0.918g/cm3の低密度ポリエチレン40重量部と
密度0.962g/cm3高密度ポリエチレン20重量部
と低密度ポリエチレンに30重量%の二酸化チタンを練
り込んだマスターバッチ40重量部からなる樹脂組成物
にフェノール系酸化防止剤(ペンタエリスリチル−テト
ラキス等)を100ppm添加して、押出機を用いて、
300℃で溶融し塗布巾を1500mmとし厚さ30μ
mになるように150m/min,200m/min,
250m/minの加工速度でそれぞれ押出コーティン
グし、実施例1〜9および比較例1〜8の結果を表1に
示す。また 、もう一方の面には密度0.962g/cm
3の高密度ポリエチレン50重量部と密度0.918g/
cm3 の低密度ポリエチレン50重量部よりなる樹脂組
成物を同様な方法で押出塗工して写真印画紙用支持体を
得た。
【0030】[コロナ処理] (実施例1〜7及び比較例1〜6) 押出塗工の直前にIGBT型コロナ発生機(春日電機製)
を接続したマルチバー電極処理ステーションを設置し
て、電極とアースロールの放電電圧を調節し、コロナ処
理を実施した。放電電圧が25kv未満では導電性原紙
に対して接着性の効果が低く、40kvを超えると原紙
表面にコロナ焼けが発生するため、接着性が低下する。
周波数については、放電電圧の保持と処理効果に影響
し、25kHzから45kHzであることが好ましい。
25KHz未満ではコロナ焼けが発生しやすくなり、4
5KHzを超えると処理効果が低下するため、接着性が
低下する。 (比較例〜11) 従来型の真空管式コロナ発生機(大成産業製12KW2
基)でL型バー電極2組付きのステーションにそれぞれ
接続して使用した。これらの結果を表1に示す。
【0031】[評価方法] (原紙面の接触角)コロナ処理による原紙面の接触角測定
用として、コロナ処理をして押出塗工する直前にPET
(ポリエチレンテレフタレート)フィルムを挟みこんで樹
脂をPETフィルムとともに剥して、コロナ処理した原
紙面の純水による接触角を測定するサンプルとした。原
紙面の接着性は、協和科学製接触角測定器を用いて、純
水の液滴により20℃、65%RHにおける原紙処理面
の瞬間接触角値を測定した。 80度未満 :原紙面がコゲが発生し、面質が悪化
し、接着性も悪くなる。 80〜100度:原紙面にコゲもなく、均一に接着す
る。 100度超 :表面の活性が少ないため、接着性が悪
くなる。 これらを表1に示す。
【0032】(接着性)この支持体の原紙と樹脂の接着性
は印画紙となる乳剤の塗布、乾燥と現像処理後の乾燥を
考慮し50℃3時間の加温処理して、支持体のポリオレ
フィン樹脂層を50mm巾で180°方向に剥離して、
原紙の表面の毛羽立ち状態を観察した。原紙面の毛羽立
ち面積が、 ○:100%。接着が完璧で、全く問題なし。 △:90%〜100%。若干接着性が甘いが、実用上問
題なし。 ×:90%未満。未接着部分が多くなり、実用上不可。 これらを表1に示す。
【0033】(静電カブリ)印画紙としての静電カブリ発
生の有無については代表サンプルを選んで写真用乳剤塗
布を実施して、82mm巾にスリットして印画紙巻取で
通紙テストをして静電カブリ発生の有無を確認した。静
電カブリの発生ないものを○、発生あるものを×とす
る。これらの結果を表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】本発明の実施例1〜7のように、原紙の水
分が、6.0%〜8.0%であって、かつ導電剤を含む
前記原紙の表面抵抗が 、1×107Ω/cm〜1×10
10Ω/cmである原紙を、高速スイッチング素子型コロ
ナ発生機と、マルチバー電極とアースロール間の放電電
圧が25kv〜40kvであるマルチバー電極を使用し
てコロナ処理することにより、前記原紙表面の純水によ
る接触角が、80度〜100度である原紙の両面に、ポ
リオレフィン樹脂を主成分とする樹脂で溶融押出被覆す
る写真用支持体は、表1から明らかなように、接着性が
良く、静電カブリも発生しなく、高速化加工性に適して
いる。
【0036】これに対して、比較例1〜3では、接着性
が良好であるが、写真印画紙として最も重要である静電
カブリが発生して、その故障点により製品とはならず、
実用性はない。また、比較例4〜6では、逆に、静電カ
ブリは発生しないものの、原紙表面に焼けが発生して、
表面が荒れてしまうか、また、接着性が不十分なので、
製品とはならない、実用的レベルのものではない。さら
に、比較例7〜11は、現行の真空管を使用したコロナ
発生機での結果であるが、これも接着性と静電カブリを
同時に満たすものはなく、接着性は悪いか、あるいはコ
ロナ処理により、原紙表面に焼けを発生させる欠点を有
するか、静電カブリを発生する欠点を有し、製品として
実用的ではない。
【0037】
【発明の効果】実施例からも明らかなように、IGBT
コロナ発生機を使用し、マルチバー電極でコロナ処理を
実施することにより、原紙水分が6%〜8%でかつ表面
抵抗1×107 〜1×1010Ω/cmである導電性原紙
とポリオレフィン樹脂の接着性が改良され高速加工が可
能である写真用支持体の製造ができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03C 1/775 C08J 7/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 6.0%〜8.0%の水分を有し、かつ導
    電剤を含む原紙の表面抵抗が 、1×107Ω/cm〜1
    ×1010Ω/cmであって、高速スイッチング素子型コ
    ロナ発生機と、マルチバー電極を使用してコロナ処理す
    ることにより、該原紙表面の純水による接触角を、80
    度〜100度とした当該原紙の両面に、ポリオレフィン
    樹脂を主成分とする樹脂で溶融押出被覆することを特徴
    とする写真用支持体の製造方法。
  2. 【請求項2】 マルチバー電極とアースロール間の放電
    電圧が25kv〜40kvであることを特徴とする請求
    項1の写真用支持体の製造方法。
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