JP2605092B2 - パネル写真用写真印画紙用支持体 - Google Patents

パネル写真用写真印画紙用支持体

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JP2605092B2 JP63078649A JP7864988A JP2605092B2 JP 2605092 B2 JP2605092 B2 JP 2605092B2 JP 63078649 A JP63078649 A JP 63078649A JP 7864988 A JP7864988 A JP 7864988A JP 2605092 B2 JP2605092 B2 JP 2605092B2
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    • G03C1/00Photosensitive materials
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Description

【発明の詳細な説明】 《産業上の利用分野》 本発明は、写真印画紙用支持体に関し、更に詳しく
は、パネル貼りに適した写真印画紙用支持体に関する。
《従来の技術》 近年、写真印画紙の迅速現像処理を目的として、紙の
両面をポリエチレン等のポリオレフィンにより被覆した
耐水性写真印画紙用支持体が好んで用いられる。中で
も、おもて面、即ち、写真乳剤が塗布される側のポリオ
レフィン被覆層の表面形状が平滑な光沢面写真印画紙が
好んで用いられている。
又、ポリオレフィン被覆耐水性支持体の基材である原
紙の表面強度を上げる等の表面サイズ処理のために、原
紙表面に各種皮膜形成ポリマーを塗布することが行われ
ているが、この皮膜形成ポリマーとして、例えば澱粉等
を使用した場合にはポリオレフィン押出しコーティング
時に原紙表面の層間剥離による点状フクレが生じ易い
上、現現像処理時に切り口断面からの現像液のシミ込み
が多く、優れた写真印画紙が得られないために、皮膜性
に優れたポリビニルアルコール及びその変性物等が多く
使用されている。このようにポリビニルアルコール及び
その変性物を使用した場合には表面サイズ処理性能が良
好で、且つ光沢性、平滑性に優れた写真印画紙用支持体
が得られることが知られている。
《発明が解決しようとする問題点》 この様な、原紙の両面にポリビニルアルコール又はそ
の変性物を塗布した後ポリオレフィン被覆層を積層し、
特におもて面のポリオレフィン被覆層に白色顔料を含有
せしめた写真印画紙用支持体の表面に写真乳剤を塗布し
て得られた写真印画紙は、表面サイズ処理性能に優れ、
迅速現像処理により光沢と平滑性の良い写真を得るのに
好適である。しかしながら、このような印画紙を使用し
て得られた写真をパネル貼りする場合、写真印画紙の裏
面に糊付けしてパネルボードに貼着する時のポリオレフ
ィン被覆層への糊ののりが悪く、貼着直後或いは経時に
よって剥離が生じるという問題があった。従って、裏面
のポリオレフィン被覆層を剥離して露出した原紙に水及
び糊付けしてパネルボードに貼着することが従来行われ
ているが、この場合、ポリオレフィン被覆層が剥離しに
くいので、ポリオレフィン被覆層を剥離する際に原紙が
引き裂かれて原紙の露出面が凸凹となるので、この面に
水及び糊付けしてパネルボードに貼着すると写真面に原
紙の凹凸に沿ったパターン状の影が生じる等の問題が生
じ良好なパネルが得られないという欠点があった。
本発明者等は、従来の係る欠点を解決すべく鋭意検討
した結果、原紙裏面に塗布するポリビニルアルコール又
はその変性物の量を調節することにより、裏面のポリオ
レフィン被覆層の剥離をパネルボード貼着に好都合に行
うことができることを見いだし本発明に到達した。
従って、本発明の目的は、良好なパネル写真の作製を
可能とする写真印画紙用支持体を提供することにある。
《問題点を解決するための手段》 本発明の上記の目的は、原紙の両面にポリビニルアル
コール又はその変性物が塗布された上にポリオレフィン
被覆層が積層され、且つおもて面のポリオレフィン被覆
層が白色顔料を含む写真印画紙用支持体において、原紙
のおもて面に対する前記ポリビニルアルコール又はその
変性物の平均浸透深さが、裏面に対するそれらの平均浸
透深さよりも深く、且つ、原紙裏面における前記ポリビ
ニルアルコール又はその変性物の原紙内部への平均浸透
深さが5〜25μであることを特徴とする、写真裏面のポ
リオレフィン被覆層を剥離して、露出した原紙面をパネ
ルボードに貼着するパネル写真用写真印画紙用支持体に
よって達成された。
以下、本発明を更に詳しく説明する。
本発明に係る写真印画紙用支持体に使用する原紙は写
真印画紙に一般的に用いられる材料から選ばれる。即
ち、針葉樹、広葉樹等から選ばれる天然パルプを主原料
とし、必要に応じ、クレー、タルク、炭酸カルシウム、
尿素樹脂微粒子の填料、ロジン、アルキルケテンダイマ
ー、高級脂肪酸、パラフィンワックス、アルケニルコハ
ク酸等のサイズ剤、ポリアクリルアミド等の紙力増強
剤、硫酸バンド、カチオン性ポリマー等の定着剤等を添
加したものが用いられる。更に、上記の天然パルプに代
えて合成パルプを使用したものでも良く、天然パルプと
合成パルプを任意の比率に混合したものでも良い。
本発明の写真印画紙用支持体には、原紙の両面にポリ
ビニルアルコール又はその変性物が塗布されたものが用
いられる。又、この場合のポリビニルアルコール変性物
としては、カルボキシル基変性物、シラノール変性物や
アクリルアミドとの共重合物等が挙げられる。
本発明の写真印画紙用支持体は、原紙裏面のポリビニ
ルアルコール又はその変性物の原紙内部への平均浸透深
さを5〜25μとするものであるが、特に5μ〜20μとす
ることが好ましい。
《作用》 上記原紙裏面に塗布したポリビニルアルコール又はそ
の変性物の原紙内部への平均浸透深さが5μ未満の場合
には、現像処理時の切口断面からの現像液のシミ込みが
多い等の問題があり好ましくなく、又、25μを越える場
合には、前記した問題を生じて良好なパネルが得られ
ず、本発明の目的を達成することができない。
これに対し、ポリビニルアルコール又はその変性物の
原紙内部への平均浸透深さが5〜25μの範囲の場合に
は、ポリビニルアルコール又はその変性物と接して、そ
の作用が及ぶ原紙パルプの量が僅かであるので写真印画
紙用支持体裏面のポリオレフィン被覆層を簡単に剥離す
ることができ、ポリオレフィン被覆層がポリビニルアル
コール又はその変性物、及びこれに作用される原紙裏面
の少量の原紙層を伴って剥離する。従って、写真印画紙
用支持体の裏面には、パネル作製後の写真の美観を損な
う程の凹凸が生じることなく、又、原紙のパルプ繊維が
露出しているので水及び糊ののりも良く、裏面のポリオ
レフィン被覆層を剥離して糊付けすることにより良好な
パネル作製が可能となる。
ここで、原紙の両面に塗布するポリビニルアルコール
又はその変性物の原紙への平均浸透深さが、おもて面の
浸透深さが裏面の浸透深さと同程度、或いはそれ以下の
場合には、原紙表面に近い原紙層間の強度向上効果が少
なくなり、ポリオレフィン押出しコーティング時に原紙
表面の層間剥離による点状フクレが生じたり耐水性支持
体表面の平滑性が低下し、光沢面印画紙として商品価値
がなくなる問題がある。このような不都合を回避するた
め、おもて面側浸透深さ/裏面側浸透深さの比が1.5/1
以上になるようにすることが好ましく、これにより平滑
性に優れた光沢面印画紙で且つ上記パネル作製に好適
な、凹凸が少なく、且つ水及び糊ののりが良い裏面をよ
り確実に形成することができる。
ポリビニルアルコール又はその変性物は、水、或いは
メタノール、エタノール等のアルコール類等の溶媒から
選ばれる1種又は2種の混合溶媒に溶解し、更に必要に
応じて帯電防止剤、蛍光増白剤、顔料、消泡剤等を添加
して得られた溶液をゲートローラー、ブレードコータ、
バーコーター、ブレードサイズプレス、スプレー等の各
種塗布方式により原紙の両面に順次、或いは同時に塗布
することができ、次いで乾燥して脱溶媒する間に原紙内
部に浸透する。
尚、表面サイズプレスにて塗布する場合には原紙両面
にポリビニルアルコール又はその変性物等の原紙内部へ
の浸透深さをそれぞれ変えて塗布することは難しく、ポ
リビニルアルコール又はその変性物が原紙裏面に比して
おもて面より多く浸透した、本発明の好適な写真印画紙
用支持体を得ることができない。
ポリビニルアルコール又はその変性物の浸透深さは、
これ等を含む溶液中の溶媒の割合、溶液粘度、塗布時の
ニップ圧等の塗布条件及び乾燥速度等により変化させる
ことが可能である。
又、原紙は、上述したパルプ及び必要に応じて添加し
た填料、サイズ剤、紙力補強剤、定着剤等の添加剤を含
有したパルプスラリーを長網抄紙機等の抄紙機により抄
紙し、乾燥し、巻取って製造される。この乾燥の前後の
いずれかにおいて前記ポリビニルアルコール又はその変
性物の塗布乾燥が行われ、又、乾燥後から巻取りの間に
カレンダー処理が行われ、最終的に坪量80〜200g/m2
厚さ80〜230μmに調整される。
本発明の写真印画紙用支持体は、上記原紙の両面にポ
リオレフィンを被覆し、且つ、おもて面、即ち写真乳剤
が塗布される側のポリオレフィン被覆層に白色顔料を含
有したものである。
このポリオレフィン樹脂としては例えば、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン等のα−オレフィンの単独重合体及
びこれら各種の重合体の混合物を挙げることができる。
特に好ましいポリオレフィンは、高密度ポリエチレン、
低密度ポリエチレン及びそれらの混合物である。これら
のポリオレフィンは押出しコーティングすることが可能
である限りその分子量に特別の制限はないが、通常は分
子量が20,000〜200,000の範囲にあるポリオレフィンが
用いられる。
ポリオレフィン被覆層の厚さについては特に制限はな
く、従来の印画紙支持体用のポリオレフィン被覆層の厚
さに準じて決めることができるが、通常15〜50μmが好
適である。
おもて面、即ち、写真乳剤を塗布する側のポリオレフ
ィン被覆層には白色顔料が含有されるが、この白色顔料
の種類、配合量等については、酸化チタン顔料5〜20重
量%含有等の公知の技術の中から適宜選択して採用さ
れ、更に蛍光増白剤、酸化防止剤等の公知の添加剤を添
加することも可能である。又、裏面のポリオレフィン被
覆層は、前記ポリオレフィン樹脂のみによって構成する
こともでき、更に着色顔料、或いは白色顔料、更に前記
おもて面のポリオレフィン被覆層と同様の添加剤を添加
した構成とすることもできる。
尚、ポリオレフィンを押出しコーティングする際の押
出コーティングの設備としては、通常のポリオレフィン
用押出機とラミネーターが使用される。
《発明の効果》 以上、詳述した如く、本発明によれば、裏面のポリオ
レフィン被覆層を写真印画紙から簡単に剥離することが
でき、且つ、裏面のポリオレフィン被覆層を剥離する際
に、原紙裏面の少量の原紙層を伴ってポリオレフィン被
覆層を剥離することができるのでパネル作製後の写真の
美観を損なう程の凹凸が生じることがない。又、原紙の
パルプ繊維が露出しているので水及び糊ののりが良い、
写真パネル貼りに適した写真印画紙用支持体を提供する
ことができ、従って、裏面のポリオレフィン被覆層を剥
離して水及び糊付けすることにより良好な写真パネルの
作製が可能となる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、
本発明はこれらの実施例によって制限されるものではな
い。
〔実施例1〜3、比較例1〕 80%のLBKPと20%のLBSPからなる木材パルプをディス
クリファイナーを用いて叩解し、カナディアンフリーネ
ス250ccに調整し、次いでこのパルプスラリー中にステ
アリン酸ナトリウム、アニオン性ポリアクリルアミド、
及び硫酸アルミニウムを対絶乾パルプ重量当たり夫々1.
5%、0.5%、1.0%添加し、長網抄紙機で抄紙、乾燥、
カレンダー処理を行った。原紙の坪量は170g/m2で抄造
し、厚さ165μmの原紙を得た。
尚、抄紙機と乾燥ゾーンの中間にて、原紙の両面にPV
A−110(クラレ社製ポリビニルアルコール)が原紙内部
に夫々第1表に示す深さに浸透するように、濃度及びゲ
ートローラーニップ圧、回転速度を調節してゲートロー
ラーにて塗布した。
しかる後、この原紙を毎分50mで走行させ、該原紙の
裏面に、溶融押出機を用いて高密度ポリエチレン(密度
0.960g/cm3、MI=13g/10分)を、樹脂厚30μmで溶融押
出塗布してマット面から成る樹脂層を形成した。
尚、このポリビニルアルコールの原紙内部への平均浸
透深さは、原紙中のPVAをヨウ素・ホウ酸溶液で呈色
し、顕微鏡にて倍率100倍に拡大して得られた原紙試料
の断面写真を計測することにより求めた。
次に、原紙のおもて面に溶融押出機を用いてアナター
ゼ型二酸化チタンを10重量%含有した低密度ポリエチレ
ン(密度0.923g/cm3、MI=7g/10分)を樹脂厚30μmで
溶融押出塗布して光沢面から成る樹脂層を形成し、実施
例1〜3、及び比較例1の写真印画紙用支持体を製造し
た。
得られた各々の写真印画紙用支持体を用いて、通常の
ゼラチン、ハロゲン化銀写真乳剤を塗布し露光、現像処
理した印画紙を作製し、その光沢面及び写真印画紙の画
面の平滑性を視覚的に評価した。又、該写真印画紙裏面
のポリオレフィン被覆層を剥離し、剥離の具合、剥離強
度及び剥離時の裏面ポリオレフィン被覆層に付着して剥
がれる原紙裏面層の厚み変化量を測定すると共に写真印
画紙をパネルボードに貼着した後のパネル写真の外観と
して表面の凹凸状態を観察した。
その結果、前記光沢面写真印画紙の平滑性とパネル写
真作製時の裏面ポリオレフィン被覆層の剥離性及びパネ
ル写真の外観に差異が見られ、第1表に併記する結果と
なった。
尚、上記第1表の剥離性の評価は、以下の評価基準に
て行った。
○・・・常に、裏面のポリオレフィン被覆層を、わずか
な原紙付着状態で剥離性良く剥離することができる。
△・・・裏面のポリオレフィン被覆層を、わずかな原紙
付着状態で剥離することができる場合と出来ない場合が
ある。
×・・・裏面のポリオレフィン被覆層を、わずかな原紙
付着状態で剥離することが困難であり剥離する際強い力
が必要である。
又、パネル写真の外観評価は、以下の評価基準にて行
った。
○・・・裏面剥離による凸凹が生ずることなく、パネル
写真面が平滑で美麗である。
△・・・パネル写真に裏面剥離による多少の凸凹はある
ものの、距離をへだててて観察した場合には目立たず許
容できる。
×・・・裏面剥離によるパネル写真の凸凹が距離を隔て
ても目立ち、外観に劣り商品価値がない。
更に、光沢面写真印画紙の平滑性の評価は以下の評価
基準で行った。
○・・・表面の微細な凸凹が浅く、鏡面に近い平滑な面
状である。
△・・・表面の凸凹が深くマット面状であり、光沢面印
画紙として商品価値が低い。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原紙の両面にポリビニルアルコール又はそ
    の変性物が塗布された上にポリオレフィン被覆層が積層
    され、且つおもて面のポリオレフィン被覆層が白色顔料
    を含む写真印画紙用支持体において、原紙のおもて面に
    対する前記ポリビニルアルコール又はその変性物の平均
    浸透深さが、裏面に対するそれらの平均浸透深さよりも
    深く、且つ、原紙裏面における前記ポリビニルアルコー
    ル又はその変性物の原紙内部への平均浸透深さが5〜25
    μであることを特徴とする、写真裏面のポリオレフィン
    被覆層を剥離して露出した原紙面をパネルボードに貼着
    するパネル写真用写真印画紙用支持体。
  2. 【請求項2】ポリビニルアルコール又はその変性物の平
    均浸透深さが、おもて面側浸透深さ/裏面側浸透深さ=
    1.5/1の比率以上である、請求項1に記載されたパネル
    写真用写真印画紙用支持体。
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