JPH06232560A - 多層回路基板及びその製造方法 - Google Patents

多層回路基板及びその製造方法

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JPH06232560A
JPH06232560A JP9620893A JP9620893A JPH06232560A JP H06232560 A JPH06232560 A JP H06232560A JP 9620893 A JP9620893 A JP 9620893A JP 9620893 A JP9620893 A JP 9620893A JP H06232560 A JPH06232560 A JP H06232560A
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layer
circuit board
circuit pattern
hole
pattern
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JP9620893A
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English (en)
Inventor
Junichi Ito
順一 伊藤
Toshiji Shimamoto
敏次 島本
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Tokuyama Corp
Original Assignee
Tokuyama Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】積層された各回路パターン間の電気的接続の信
頼性を確保する。 【構成】絶縁基板1の両面に形成された第1層回路パタ
ーン2、2′を有し、且つ該絶縁基板を貫通する貫通孔
3に導電性物質4を充填し、該充填物の端面が第1層回
路パターン2、2′の表面とほぼ同一平面になるように
加工して形成されたスルーホール部Aを有する、表面が
平坦な両面回路基板5を含む両面回路基板5の表裏両面
に、絶縁層6を介してメッキ層からなる第2層回路パタ
ーン7、7′が形成され、また、連続したメッキ層10
によって、第2回路パターン7、7′とスルーホール部
Aとの間の電気的接続及び、第1層回路パターンと第2
層回路パターンとの間の電気的接続が達成された多層回
路基板である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、絶縁基板上に、絶縁層
を介して複数の回路パターンが形成された、プリント配
線板として使用される、多層回路基板及びその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】絶縁基板上に回路パターンを形成した回
路基板において、1つの回路基板あたりの配線の密度を
高くし、多機能化或いはコンパクト化を図る目的で、イ
ンターステイシャルバイアホールを有する多層回路基板
や、絶縁基板上に、絶縁層を介して複数の回路パターン
が積層された多層回路基板が種々開発され、提案されて
いる。
【0003】従来より知られている代表的な多層回路基
板としては、例えば、次の様なものがある。なお、以下
の説明において「両面回路基板」とは、基板の表裏両面
に各1層の回路パターンが設けられた回路基板を意味す
る。
【0004】(1)PRINTED CIRCUITS
HANDBOOK(第3版;1988年発行)のah
efiters33.2〜33.8には、図2に示すよ
うに、両面に回路パターン104を有し、且つ貫通孔を
メッキすることにより形成されたスルーホール103を
有する両面回路基板105及び105′が接着性樹脂よ
りなるプリプレグ101を介して積層され且つ全層を貫
通するスルーホール102を形成することにより積層さ
れた両面回路基板の回路パターン相互の接続を行った多
層回路基板が記載されている。
【0005】(2)電子材料(1991年4月号)の1
03〜108頁には、図3に示すように、絶縁基板10
6上に第1層回路パターン108が形成され、該回路パ
ターン上に絶縁層107及び107′を介してメッキ層
から形成した第2層回路パターン109及び第3層回路
パターン109′が順次形成され、更に第4層又はそれ
以上の回路パターンが形成され、且つ全層を貫通するス
ルーホール102を形成して最外層に電源層110を接
続した多層回路基板が記載されている。
【0006】(3)日本公開実用新案公報16482/
1988には、図4に示すように、絶縁基板106上に
メッキ層が形成した第1層の回路パターン108が形成
され、該第1層の回路パターン上に絶縁層107及び1
07′を介してメッキ層から形成した回路パターン10
9及び109′が順次形成され、回路パターン間の絶縁
層には、導電ペーストが絶縁体層と同一表面となるよう
に充填されたインターステイシャルバイアホール111
が設けられ、これにより回路パターン間の電気的接続が
成された回路基板が提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記の内、(1)に示
す多層回路基板は、現在実用化されているポピュラーな
ものであるが、かかる多層基板においては、別個に製造
された複数の両面回路基板105及び105′をプリプ
レグ101を介して積層するため、回路基板間の位置合
わせに極めて高い精度を要求される。即ち、複数の回路
基板を積層後、全層を貫通して設けるスルーホール10
2が、各層の回路パターンにおいて確実に所定の箇所を
貫通していることが必要であり、かかる積層の位置が狂
うと直ちに不良が発生する。そのため、各回路パターン
において、該貫通部をある程度余裕を持たせて確保する
必要があり、配線の高密度化に障害となっていた。ま
た、全層を貫通するスルーホール102によってこのス
ルーホールと中間層に位置する回路パターンとの間の導
通を行なう場合には、両端の接触面積が小さく、電気的
接続の信頼性において問題があった。また、導通を必要
としない回路パターンにもスルーホールが設けられるた
め、配線の自由度が制限され、このことによっても配線
の高密度化が阻害されていた。
【0008】更に、上記多層回路基板は、単位回路基板
の製造工程において最低2回のメッキを必要とするのみ
ならず、単位回路基板の積層工程、積層後の孔明け、メ
ッキ等を必要とし、製造上においても、極めて複雑であ
った。
【0009】(2)に示す多層回路基板も、全層を貫通
してスルーホール102を設けるものであり、上記
(1)の多層回路基板と同様、配線密度の高度化に障害
となっていた。また、回路パターンは絶縁基板の片面の
みに積層されるものであり、回路パターンの層数の増加
に伴う回路パターン間の電気的接続端子の数の増加の程
度が大きくこれによっても配線の高密度化が阻害されて
いた。
【0010】更に、上記多層回路基板の製造において
は、回路パターンを1層形成するために絶縁層の形成及
びメッキをそれぞれ1回行う必要があり、また、全回路
パターンを形成後も、孔明け、メッキ等を必要とし、製
造上においても改善の余地があった。
【0011】(3)に示す多層回路基板は、絶縁層を介
して積層された複数の回路パターンを、該絶縁層に設け
られた開口に導電ペーストを充填することにより接続す
るものである。ところが、該開口は貫通孔とは異なり、
穴の底が塞がっているため、これに充填されて硬化され
た導電ペーストは、硬化時の収縮によって接触する回路
パターン面との間に空隙ができ易く、かかる部分の電気
的接続の信頼性において改良の余地がある。また、上記
(2)と同様、回路パターンは絶縁基板の片面のみに積
層されるものであり、回路パターンの層数の増加に対す
る回路パターン間の電気的接続端子の数の増加の程度が
大きく、これによって配線の高密度化が阻害されいた。
【0012】更に、上記多層回路基板の製造において
は、絶縁層及び開口に充填された導電ペーストの硬化を
各層毎に別々に行うことが必要であり、回路パターン間
を1回接続する毎に2回もの熱履歴を受け、製造工程が
複雑化するばかりでなく、基板自体の熱による劣化の問
題が生じる。
【0013】また、上記(2)、(3)の多層回路基板
においては、電子部品の実装も片面に限られるため、実
装密度の低下をも招いていた。
【0014】従って、本発明の目的は、上述した従来の
問題点を解消し、積層された各回路パターン間の電気的
接続の信頼性が高く、配線の高密度化が達成され、且つ
部品の実装密度の高密度化が可能な多層回路基板及びそ
の製造方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記した
目的を達成すべく鋭意研究を重ねた。その結果、絶縁基
板の両面に第1層の回路パターンを形成すると共に、該
絶縁基板を貫通する貫通孔に導電性物質を充填してスル
ーホール部を形成することにより作成した表面が平坦化
された両面回路基板を使用することにより、該両面回路
基板上に絶縁層の形成及びメッキ層からの回路パターン
の形成が極めて高精度で行えること、また、該両面回路
基板の両面に絶縁層を介してメッキ層を形成し、このメ
ッキ層により、回路パターンの形成、および回路パター
ン間或いは回路パターンとスルーホール部の電気的接続
を行うことにより、全層に貫通するスルーホール部を別
途設けることなく、自由度の高い回路パターンを形成す
ることができるため、配線の高密度化が図れること、更
には、両面回路基板の両面に回路パターンを積層するた
め、電子部品を両面に実装できることを見い出した。ま
た、製造工程においては、両面回路基板の両面に回路パ
ターンを積層することができるため、絶縁層の形成、メ
ッキ層の形成、該メッキ層から回路パターン形成のため
の処理を両面同時に行うことができ、製造工程の効率化
を図ることができることを見い出した。
【0016】即ち、本発明は、絶縁基板の両面に設けら
れた第1層回路パターンを有し、且つ絶縁基板を貫通す
る貫通孔に導電性物質を充填し、該充填物の端面が該第
1層回路パターンの表面とほぼ同一平面になるように形
成されたスルーホール部を有する、表面が平坦な両面回
路基板、及び該両面回路基板の少なくとも一方の表面に
絶縁層を介して設けられたメッキ層からなる第2層回路
パターンを含む多層回路基板であって、該第2層回路パ
ターンと該スルーホール部との間の電気的接続は、該ス
ルーホール部の端面の少なくとも一部が露出するよう
に、該絶縁層に開口を形成し、該開口の内壁及び前記ス
ルーホール部の端面の露出部を、第2層回路パターンの
メッキ層を連続するメッキ層で被覆することにより成さ
れた多層回路基板を提供する。
【0017】更に、本発明は上記多層回路基板の製造方
法として、絶縁基板の両面に設けられた第1層回路パタ
ーンを有し、且つ絶縁基板を貫通する貫通孔に導電性物
質を充填し、該充填物の端面が該第1層回路パターンの
表面とほぼ同一平面になるように形成されたスルーホー
ル部を有する表面が平坦な両面回路基板を作製し、該両
面回路基板の少なくとも一方の表面上に、該スルーホー
ル部の端面の少なくとも一部が露出するように、開口が
形成された絶縁層を設け、該絶縁層の外表面、該開口の
内壁及び前記スルーホール部の端面の露出部を連続する
メッキ層で被覆し、該メッキ層の所定箇所をエッチング
して第2層回路パターンを形成する方法を含む多層回路
基板の製造方法をも提供する。
【0018】本発明の代表的な態様の多層回路基板の断
面図を図1および図5に示す。
【0019】上記の図面に示すように、本発明の多層回
路基板は、絶縁基板1の両面に形成された第1層回路パ
ターン2、2′を有し、且つ該絶縁基板を貫通する貫通
孔3に導電性物質4を充填し、該充填物の端面が第1層
回路パターン2、2′の表面とほぼ同一平面になるよう
に加工して形成されたスルーホール部Aを有する、表面
が平坦な両面回路基板5を含む。両面回路基板5の表裏
両面に、絶縁層6を介してメッキ層からなる第2層回路
パターン7、7′が形成されている。絶縁層6には、ス
ルーホール部Aの端面の一部を露出するように開口8が
設けられており、また絶縁層6には、第1層回路パター
ン2の端子部9の一部を露出するように別の開口8′も
設けられている。絶縁層6の外側面、開口8及び8′の
内壁、スルーホール部の露出面及び端子部9の露出面に
わたって連続したメッキ層を被覆し、そして絶縁層6上
のメッキ層の所要箇所をエッチングすることにより第2
層回路パターン7、7′が形成される。また上記連続し
たメッキ層によって、第2回路パターン7、7′とスル
ーホール部Aとの間の電気的接続及び、第1層回路パタ
ーンと第2層回路パターンとの間の電気的接続が達成さ
れる。
【0020】上記絶縁基板1として、公知の材質、構造
を有するものが制限なく使用される。代表的なものを例
示すれば、紙基材−フェノール樹脂積層基板、紙基材−
エポキシ樹脂積層基板、紙基材−ポリエステル樹脂積層
基板、ガラス基材−エポキシ樹脂積層基板、紙基材−テ
フロン樹脂積層基板、ガラス基材−ポリイミド樹脂積層
基板、ガラス基材−BT(ビスマレイミド−トリアジ
ン)レジン樹脂積層基板、コンポジット樹脂基板等の合
成樹脂基板や、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂等の
フレキシブル基板や、貫通孔を設けたアルミニウム、
鉄、ステンレス等の金属板をエポキシ樹脂等で覆って絶
縁処理した金属系絶縁基板、あるいはセラミックス基板
等が挙げられる。
【0021】また、絶縁基板1の両面に形成される第1
層の回路パターン2、2′の材質は、導電性を有する公
知の材質が特に制限なく使用できる。代表的な材質を例
示すれば、銅、ニッケル、アルミニウム等が挙げられ
る。そのうち、銅が最も好適に使用される。また、上記
回路パターンの厚みについても特に制限されないが、一
般には5〜70μmが適当である。
【0022】上記両面回路基板において、スルーホール
部Aは、絶縁基板の所定の箇所に絶縁基板を貫通して設
けられた貫通孔3に導電性を有する充填物4をその端面
が平滑で且つ両面回路基板の両表面とほぼ同一平面をな
すように充填して形成される。かかる導電性を有する充
填物は、公知の材質が特に制限なく使用される。例え
ば、導電性を有する硬化体を与える硬化性導電物質の硬
化体が代表的である。該硬化性導電物質として、金、
銀、銅、ニッケル、鉛、カーボン等の導電材料とエポキ
シ樹脂、フェノール樹脂等の公知の架橋性の熱硬化性樹
脂とを必要により有機溶剤と共に混合してペースト状と
した公知の硬化性導電物質を使用することができる。
【0023】また、上記硬化性導電物質は、良好な導電
性を有するスルーホール部を形成するために、硬化後の
電気抵抗が、1×10-2Ω・cm以下となように、導電
材料の選択、及び各成分の使用量を調節することが好ま
しい。
【0024】更に、スルーホール部の径は、特に制限さ
れるものではなく、任意に設定することができる。一般
には、前記硬化性導電物質を充填することが可能な程度
の孔径以上であればよく、具体的には、0.2mm以
上、好ましくは、0.3〜2mmの範囲である。
【0025】上記のスルーホール部の形成において、貫
通孔3に充填する導電性を有する充填物の最外層をメッ
キ層によって形成すると、スルーホール部の電気的信頼
性を一層高めることができる。
【0026】また、上記両面回路基板の第1層回路パタ
ーン2、2′とスルーホール部Aとの電気的接続は、該
第1層回路パターンにおいて該スルーホール部Aの周囲
にランド部11を設けることによって行うのが好適であ
る。この場合、ランド部とスルーホール部との電気的接
続をより向上させるために、ランド部とスルーホール部
の端面を連続したメッキ層12によって被覆することが
好ましい。かかるメッキ層12は、図1に示すように独
立して設けても良いし、図5に示すように積層された回
路パターン7、7′を構成するためのメッキ層を利用し
ても良い。
【0027】本発明において、上記両面回路基板5の少
なくとも一方の表面には、絶縁層6を介して形成される
メッキ層よりなる回路パータン7、7′が1層以上形成
される。
【0028】上記絶縁層6としては、公知の材質よりな
るものがとくに制限なく使用される。例えば、感光性絶
縁レジストとして知られている公知の硬化性絶縁樹脂、
例えば、プロピマー52(商品名:チバガイギー社
製)、プロピコート5000(商品名:日本ペイント社
製)等が好適である。また、絶縁層の厚みは、その両面
に存在する回路パターン間の絶縁性を維持し得る程度で
あればよく、一般には、20〜100μmの厚みが適当
である。
【0029】上記絶縁層表面は、表面に形成されるメッ
キ層の密着性を向上させるため、粗面化処理を施すこと
が好ましい。粗面化処理の方法は、バフ、ブラシ等で物
理的に研磨する方法、アルカリ性過マンガン酸カリウム
溶液、クロム酸溶液に浸漬することにより化学的に粗面
化する方法などの公知の方法が特に制限なく採用され
る。
【0030】また、回路パターンを構成するメッキ層も
公知の材質がとくに制限なく使用される。例えば、銅、
ニッケル等が挙げられる。そのうち、銅が最も好適に使
用される。上記メッキ層の厚みは、導電性を発揮し得る
程度の厚みが確保されればよく、通常50μm以下の厚
み、好ましくは5μm〜35μm程度の厚みが好適であ
る。
【0031】本発明において、絶縁層6には、形成され
た回路パターン間または回路パターンとスルーホール部
を接続するための開口8が存在する。かかる開口は、回
路パターンの端子部、或いはスルーホール部の端面の少
なくとも一部を露出するように設けられる。回路パター
ン同志を接続する場合には、両面回路基板に近い側の回
路パターンの端子部を露出するように開口8が形成され
る。かかる露出面積は、後で述べるメッキ層10の被覆
により電気的接続が達成される程度でよい。一般には、
絶縁層より露出する部分の面積は、相当径50μmφ以
上の面積で露出すればよい。更にまた、開口の形状は特
に限定されず、円形、楕円形、長方形、正方形等、回路
パターンの設計に適した形状を適宜採用すればよい。
【0032】尚、図5に示すように、該スルーホール部
Aの周囲に第1層回路パターンのランド部11を設ける
がこれらの表面にメッキ層が形成されていない場合は、
スルーホール部の端面の金属面を露出させ、更に該ラン
ド部を含む面積まで露出させることが望ましい。そし
て、該開口の内壁と該開口によって露出した第1層回路
パターンのランド部及びスルーホール部とを、積層され
た回路パターンのメッキ層と連続するメッキ層によって
被覆する。例えば、図5においては、開口8によって露
出した第1層回路パターン2′のランド部11とスルー
ホール部Aの端面とを、回路パターン7′を構成するメ
ッキ層と連続するメッキ層12′によって被覆する構造
が示されている。
【0033】また、第1層回路パターン2′とスルーホ
ール部Aの端面との電気的接続は、上記回路態様以外
に、例えば、スルーホール部の端面の一部と第1層配線
パターンの端子部とが露出するように絶縁層に開口を形
成し、該露出部及びその間の絶縁層を連続するメッキ層
により被覆する態様によって行うことも可能である。
【0034】本発明の多層回路基板の他の構造として公
知の多層基板の構造がとくに制限なく採用される。例え
ば、図には示されていないが、最外層の必要所望の箇所
に、ソルダーレジストによる耐性の良好な層を設けるこ
とが好ましい。
【0035】図1および図5に示した態様の多層回路基
板は、両面回路基板の両面に存在する第1層回路パター
ン上にそれぞれ絶縁層を介して1層の回路パターンを形
成した4層回路基板の例を示したが、本発明はこれに限
定されるものではなく、該回路パターン上に絶縁層を介
して更に回路基板を積層した構造も可能である。このよ
うな例は図11(1)〜(4)に示されている。
【0036】即ち、図11は、第2層回路パターン
7′、7の表面に絶縁層18を介して、メッキ層よりな
る第3層回路パターン19、19′が形成されたいくつ
かの実施態様を示す。図11の(1)は、図5に示す態
様の多層回路基板の第2の回路パターン上に第3層回路
パターンを形成した態様である。また、図11の(2)
は、図1に示す態様の多層回路基板の第2の回路パター
ン上に第3層回路パターンを形成した態様である。更
に、(3)、(4)に示す態様は、スルーホール部の位
置に、該スルーホール部と順次接続する第2層回路パタ
ーン、第3層回路パターンが存在する態様、或いはスル
ーホール部に第3層回路パターンを第2層回路パターン
を介することなく直接接続した態様を示す。
【0037】これらの態様において、絶縁層18および
第3層回路パターンの形成及び他層或いはスルーホール
部との電気的接続は、前記絶縁層6および第2層回路パ
ターンの形成方法に準じて行われる。
【0038】例えば、第3層回路パターンの形成は、所
定の箇所に開口を形成する絶縁層を形成した後、メッキ
層を形成し、所定の箇所をエッチングする事によって行
われる。また、第3層回路パターンと他の回路パター
ン、スルーホール部との電気的接続は、第1層回路パタ
ーンの端子部9、第2層回路パターンの端子部20また
はスルーホール部Aの端面の少なくとも一部が露出する
ように絶縁層18に開口21を設け、第3層回路パター
ン19、19′を形成するメッキ層と連続するメッキ層
によって、該開口の側面と該露出部とを被覆することに
よって第3層回路パターンと第2層回路パターン、第1
層回路パターン若しくはスルーホール部とを接続するこ
とができる。
【0039】尚、上記接続において、第3層回路パター
ンと第1層回路パターン或いはスルーホール部とを直接
接続する場合は、(4)に示すように絶縁層6及び絶縁
層18に順次開口を設け、前記メッキ層による被覆を行
えば良い。
【0040】本発明の多層回路基板の代表的な製造方法
を例示すれば、以下の方法が挙げられる。
【0041】即ち、図6は、多層回路基板を製造する工
程を断面図で示したものである。かかる図に示すよう
に、(1)絶縁基板1の両面に第1層回路パターン2、
2′を有し、且つ該絶縁基板を貫通する貫通孔3を有
し、該貫通孔に導電性を有する充填物4を充填してスル
ーホール部Aが形成された表面が平坦な両面回路基板5
の少なくとも一方の表面に、(2)上記の第1層回路パ
ターン上に形成される第2層回路パターンと接続が必要
な第1層回路パターンの端子部13とスルーホール部A
とを露出させる開口8を形成するように絶縁層6で被覆
した後、(6)該露出部及び開口8の内壁及び絶縁層表
面をメッキ層14で被覆し、(4)該メッキ層の所定箇
所をエッチングして回路パターンを形成することによ
り、第2層以上の回路パターン7、7′および該回路パ
ターンに連続する導通用のメッキ層10を形成する。
【0042】上記絶縁層6の形成方法は、特に限定され
ず、公知の方法が制限なく採用される。一般には、ドラ
イフィルム、液状レジスト、ドライフィルム・液体レジ
スト併用等の種々の形態の光或いは熱により硬化する硬
化性絶縁樹脂を使用することができる。該絶縁層の形成
方法としては、上記硬化性絶縁樹脂を使用し、印刷法、
写真法等の方法をファイン度に従って適宜選択して採用
すればよい。例えば、光の照射により硬化する液状レジ
スト、ドライフィルム等の硬化性絶縁樹脂層を両面回路
基板の全面に積層し、開口の形成が必要な箇所を除いて
光を照射後、未硬化部分を現像により除去することによ
って絶縁層を形成することができる。
【0043】上記の方法で、絶縁層の形成に光により硬
化するドライフィルムを用いると、絶縁樹脂層の厚み精
度もよく、表・裏面同時に形成することもできるため、
より効率的に且つ高精度で絶縁層を形成することができ
る。
【0044】また、図6に示す態様において、上記絶縁
層6の開口8の大きさは、メッキ層により電気的接続が
得られる前記範囲の大きさとすることが好ましい。
【0045】図7は図6に示す態様に対して、メッキ層
12を形成していない両面回路基板を使用する態様を示
すものである。この場合、第1層回路パターン2′と電
気的接続の必要なスルーホール部Aとの導通を確実にす
るため、絶縁層6に設ける開口8は、該スルーホール部
Aの端面の全面積とその周囲の回路パターンのランド部
11とが露出するように設けられる。このようにするこ
とにより、続くメッキ層14の形成により露出部分が同
時にメッキされ、該部分の電気的接続を確実に行うこと
ができる。
【0046】また、上記図7に示す工程によると、図6
に示す工程よりメッキ工程を1工程減らすことも可能で
ある。
【0047】前記方法において、メッキ層14の形成す
る方法は特に制限されないが、一般には、金属の無電解
メッキ法が好適である。
【0048】また、メッキ層から回路パターンを形成す
るためには、前記第1層回路パターンの形成と同様な方
法を適用することができる。一般的にエッチング法が好
適である。
【0049】また、本発明においては、第2層の回路パ
ターン上に同様にして、更に、絶縁層及び回路パターン
を順次積層することも可能である。
【0050】上記の積層される回路パターンは、信号
線、電源線、グラウンド線、電磁波シールド層に特に制
限されずに用いられる。
【0051】尚、図6では両面回路基板のスルーホール
部Aの端面が予めメッキ層12によって被覆された態様
を示したが、かかるメッキ層は必須のものではない。
【0052】また、該メッキ層を形成しない場合は、図
7に示すように第2層回路パターンの形成時に、この回
路パターンのメッキ層に連続するようにメッキ層を設け
て形成しても良い。即ち、図7においては、第1層回路
パターンと接続する必要のあるスルーホール部Aの端面
及びその周囲に形成された第1層回路パターンのランド
部11とが絶縁層6の開口により露出するように該絶縁
層を形成し、続くメッキ層14の形成時に該露出部分を
同時にメッキを行う態様を示す。
【0053】上記製造方法において、両面回路基板の具
体的な製造方法は、とくに制限されるものではなく、得
られる多層回路基板の構造に応じて適宜決定すれば良
い。かかる両面回路基板の製造方法を例示すれば、例え
ば前記図6に示す製造工程に使用する両面回路基板は、
図8に示す方法が、また、前記図7に示す製造工程に使
用する両面回路基板は、図9に示す方法が代表的な方法
として挙げられる。
【0054】即ち、図8においては、両面に導電層15
を有する絶縁基板1にスルーホール用の貫通孔3を設
け、該貫通孔に導電性を有する硬化体4を与える硬化性
導電物質を、硬化後に該硬化体が貫通孔から突出するよ
うに充填して硬化させ、該導電層及び硬化体によって構
成される表面がほぼ同一平面になるように平滑に研磨し
て前記導電層面にスルーホール部Aを形成した後、該平
滑化された表面にメッキ層16を設け、該導電層及びメ
ッキ層よりなる導電体層の所定箇所をエッチングして第
1層回路パターン2、2′を形成することにより両面回
路基板を得る態様が示されている。図9においては、両
面に導電層15を有する絶縁基板1にスルーホール用貫
通孔3を設け、該貫通孔に導電性を有する硬化体4を与
える硬化性導電物質を、硬化後に該硬化体が貫通孔より
突出するように充填して硬化させ、該導電層及び硬化体
によって構成される面がほぼ同一平面になるように平滑
に研磨して前記導電層間にスルーホール部Aを形成した
後、上記導電層の所定箇所をエッチングして第1層回路
パターン2、2′を形成することにより両面回路基板を
得る態様が示される。
【0055】以下、上記工程を更に詳細に説明する。
【0056】絶縁基板1の両面に導電層を設けた原料基
板は、絶縁基板上に銅等の金属層をメッキによって形成
したもの、銅等の金属箔を接着により張り合わせたもの
など公知のものがとくに制限なく使用される。
【0057】両面に導電層を有する絶縁基板には、先ず
スルーホール部形成のための貫通孔3が設けられる。上
記貫通孔の径は、目的とするスルーホール部の径に対応
する径を選択すれば良い。上記貫通孔3の形成方法とし
ては、ドリリング加工、パンチング加工、レーザー加工
等の通常の回路基板の製造と同様の公知の手段が特に限
定されずに用いられる。この場合、貫通孔3に充填され
る硬化性導電物質の硬化体と導電層との電気的接続の信
頼性を向上させるため、該貫通孔の周辺部に位置する導
電層に傾斜面を存在させ、該硬化体との接触面積を増大
させてもよい。上記の貫通孔における導電層の周辺部の
少なくとも一部に傾斜面を存在させる方法は、両面に導
電層を有する絶縁基板にスルーホール用の貫通孔を形成
した後に、ソフトエッチング液によりソフトエッチング
を行い該傾斜面を形成する方法、或いは、貫通孔を形成
した後に、貫通孔よりも径の若干大きなドリルにより、
導電層及び絶縁層をテーパ上に研削する方法、貫通孔よ
りも少し大きな径を持つエッチングレジストを貫通孔周
辺に形成し、エッチングを行い形成する方法等が特に限
定されずに用いることができる。
【0058】両面回路基板のスルーホール部Aに存在す
る導電性を有する充填物は、上記硬化性導電物質を絶縁
基板の貫通孔3に充填・硬化することによって形成する
ことが好ましい。
【0059】硬化性導電物質の貫通孔への充填は、該硬
化性導電物質が貫通孔の全空間を満たし、且つ導電層の
両表面より若干、具体的には、0.05mm以上、好ま
しくは、0.1〜2mm突出する程度に充填する方法が
推奨される。かかる硬化性導電物質の代表的な充填法を
例示すれば、印刷法によって1回或いは複数回の塗布を
行う方法、絶縁基板の表裏両面側から表裏一対のスキー
ジで圧入する方法、ロールコーター或いはカーテンコー
ターによって充填し、余分の塗料をスキージで掻き取る
方法等の手段が好適に用いられる。
【0060】また、貫通孔に充填された硬化性導電物質
の硬化は、熱風炉、赤外線炉、遠赤外線炉、紫外線硬化
炉、電子線硬化炉等の公知の硬化方法より、硬化性導電
物質の硬化に適するものを適宜選んで硬化させれば良
い。
【0061】硬化性導電物質を硬化後、導電層の表面と
硬化性導電物質の硬化体によって構成される表面とがほ
ぼ同一表面になるように、両表面を平滑に研磨すること
が重要である。即ち、かかる研磨により、後工程である
配線パターンの形成において、エッチングレジストによ
るパターンの形成、及びエッチングを精度良く行うこと
ができ、更に該配線パターン上への絶縁層をも信頼性よ
く形成することが可能となる。
【0062】導電層及び硬化性導電物質によって構成さ
れる表面を上述のように平滑に研磨する方法としては、
スラリー研磨、バフ研磨、スクラブ研磨等の通常の研磨
に用いられる方法が一般に用いられる。
【0063】図8においては、スルーホール部Aを含む
導電層15の平滑化された面上に、メッキ層16を形成
する態様を示す。かかるメッキ層を形成し、且つ続くエ
ッチングで該スルーホール部周辺にランド部11を形成
するように導電層を残すことにより、第1層回路パター
ンを形成する前に、スルーホール部と回路パターンのラ
ンド部とを共通のメッキ層で被覆することができる。か
かるメッキ層の形成によりスルーホール部による電気的
信頼性が向上する。もちろん、上記メッキ層によるスル
ーホール部と回路パターンのランド部との被覆を、図7
に関して説明したように、絶縁層を介して第2層回路パ
ターンを積層する際に行うことも可能である。
【0064】上記メッキ層16の形成方法は、化学メッ
キ法或いは、電気メッキ法で行うことができる。該メッ
キ層の材質は、公知の導電性金属が特に制限されずに用
いられるが、一般には、前記導電性を有する硬化体を与
える硬化性導電物質の材質として使用される銅等の導電
性金属と同じ材質を選択するのが好ましい。また、メッ
キ層の厚みは、特に制限はされないが、通常50μm以
下の厚みで、好ましくは5μm〜35μm程度で行うの
がよい。
【0065】上記のように、スルーホール部分と導電層
或いは導電層とメッキ層との平滑化された面には、図8
及び図9の(5)から(7)の工程に示すように第1層
回路パターンが形成される。
【0066】即ち、第1層回路パターンの形成方法は、
エッチングレジスト17によりエッチングパターンを形
成し、エッチングを行う方法が一般的である。ここで用
いられるエッチングレジストはドライフィルム、レジス
トインク等が特に制限無く使用され、パターンのファイ
ン度によって適宜選択して使用すればよい。また、エッ
チングレジストパターンはエッチング法によってポジパ
ターン或いはネガパターンを適宜採用すればよい。例え
ば、テンティング法に代表されるエッチング法ではポジ
パターンを、半田剥離法、SES法に代表されるエッチ
ング法ではネガパターンを採用すればよい。
【0067】
【発明の効果】以上の説明より理解されるように、本発
明によれば、絶縁基板の両面に第1層の回路パターンを
形成すると共に、該絶縁基板を貫通する貫通孔に導電性
物質を充填してスルーホール部を形成して構成された、
表面が平坦化された両面回路基板を用い、該両面回路基
板上に絶縁層の形成及びメッキ層による第2層回路パタ
ーンの形成を行うことにより、該積層される第2層回路
パターンの形成を極めて高精度で行うことができる。ま
た、該両面回路基板の両面に絶縁層の形成とそれに続く
メッキ層の形成により、回路パターンの形成と回路パタ
ーン間或いは回路パターンとスルーホール部の電気的接
続とを行うことにより、全層に貫通するスルーホール部
を別途設けることなく、高い自由度で回路パターンを形
成することができるため、配線の高密度化を図ることが
可能である。
【0068】更に、製造工程においては、両面回路基板
の両面に回路パターンを積層することができるため、絶
縁層の形成、メッキ層の形成、該メッキ層から回路パタ
ーン形成のための処理を両面同時に行うことができ、製
造工程の効率化を図ることができる。
【0069】更にまた、両面に回路パターンが形成され
ているため、電子部品を両面に実装することができる。
【0070】
【実施例】以下、本発明を具体的に説明するために実施
例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。
【0071】実施例1 図8に示す工程に従って両面回路基板を製造し、該両面
回路基板を使用して図6に示す工程に従って多層回路基
板を製造した。
【0072】即ち、図8に示すように(1)両面に導電
層15を有する絶縁基板1として、厚さ1.6mmのガ
ラス基材エポキシ樹脂銅張り積層板を使用して、(2)
直径0.4mmの貫通孔3をドリル加工により設けた。
(3)該貫通孔3に硬化性導電物質4として、市販の熱
硬化性銀ペースト(徳力化研(株)社製、PS−652
(商品名))を、その硬化体が貫通孔3より若干突出す
るようにスクリーン印刷法により充填した。該銀ペース
トを熱風乾燥炉で80℃で4時間、150℃で2時間の
条件で乾燥硬化して導電性を有する充填物4を構成し
た。(4)次に320番及び600番のバフを順次使用
して、硬化した銀ペーストの硬化体が突出した面を研削
し、該硬化体を含む導電層表面を平滑化した。次いで、
(4′)スルーホール部Aを含む平滑化された導電層表
面に、電気メッキを施した。メッキ浴は日本シェーリン
グ(株)社製のカパラシドGS(商品名)を使用し、電
流密度2A/dm2 の条件で厚み10μmの銅メッキ層
16を形成した。
【0073】次いで、(5)平滑化された導電層表面
に、エッチングレジスト17としてドライフィルム(ハ
ーキュレス(株)社製「アクアマーCF」1.5mi
l)をラミネートし、露光、現像してレジストパターン
を形成した。その後、(6)塩化第2銅エッチング液で
エッチングを行い、(7)エッチングレジストを剥離す
ることによって、ランド部11を有する第1層配線パタ
ーン2、2′を有する両面回路基板5を得た。
【0074】次いで、図6に示すように、(1)上記両
面回路基板5を使用して(2)スルーホール部Aを含む
第1層配線パターン上に、絶縁層を形成するため、感光
性絶縁レジスト(プロピコート5000:商品名、日本
ペイント社製)を塗布、乾燥し、露光、現像を行った後
熱硬化し、電気的接続を必要とする部分に絶縁層6の開
口8を有するパターンを形成した。次に、(3)上記絶
縁層表面を粗面化処理をした後、その両面に無電解メッ
キ、電解メッキを施し、厚み10μmの銅メッキ層14
を形成した。次いで、(4)銅メッキ層14表面に、前
記(5)で使用したエッチングレジスト17をラミネー
トし、露光、現像してレジストパターンを形成し、塩化
第2鉄エッチング液でエッチングを行った後、エッチン
グレジストを剥離することによって、配線パターン7、
7′を形成して4層の回路パターンを有する多層回路基
板を得た。
【0075】得られた多層回路基板の表裏に位置し、且
つ共通するスルーホールに接続する配線パターン7、
7′間の抵抗を測定した結果、31mΩであった。ま
た、図10に示すような、多層回路基板の表裏に位置す
る該配線パターン7、7′間を含むテストパターンを使
用したJIS C−5012の熱衝撃試験(−65℃×
30分←→125℃×30分)(図10において(1)
−(1)、(2)−(2)及び(3)−(3)間の抵抗
測定)において、サイクル数500回を過ぎても、上記
の多層回路基板の表裏に位置する該配線パターン7、
7′間を含むテストパターンの導通があり、また、その
後の電気的抵抗の上昇もほとんどなかった。
【0076】実施例2 図9に示す工程に従って両面回路基板を製造し、該両面
回路基板を使用して図7に示す工程に従って多層回路基
板を製造した。
【0077】即ち、図9に示すように(1)両面に導電
層15を有する絶縁基板1として、厚さ1.6mmのガ
ラス基材エポキシ樹脂銅張り積層板を使用して、(2)
直径0.4mmの貫通孔3をドリル加工により設けた。
(3)該貫通孔3に硬化性導電物質4として、市販の熱
硬化性銀ペースト(徳力化研(株)社製、PS−652
(商品名))を、その硬化体が貫通孔3より若干突出す
るようにスクリーン印刷法により充填した。該銀ペース
トを熱風乾燥炉で80℃で4時間、150℃で2時間の
条件で乾燥硬化して導電性を有する充填物4を構成し
た。(4)次に320番及び600番のバフを順次使用
して、硬化した銀ペーストの硬化体が突出した面を研削
し、該硬化体を含む導電層表面を平滑化した。
【0078】次いで、(5)平滑化された導電層表面
に、エッチングレジスト17としてドライフィルム(ハ
ーキュレス(株)社製「アクアマーCF」1.5mi
l)をラミネートし、露光、現像してレジストパターン
を形成した。その後、(6)塩化第2鉄エッチング液で
エッチングを行い、(7)エッチングレジストを剥離す
ることによって、ランド部11を有する第1層配線パタ
ーン2、2′を有する両面回路基板5を得た。
【0079】次いで、図7に示すように、(1)上記両
面回路基板5を使用して(2)スルーホール部Aを含む
第1層配線パターン上に、絶縁層を形成するため、感光
性絶縁レジスト(プロピコート5000:商品名、日本
ペイント社製)を塗布、乾燥し、露光、現像を行った後
熱硬化し、電気的接続を必要とする部分に絶縁層6の開
口8を有するパターンを形成した。尚、本実施例は、ス
ルーホール部と第1層回路パターン2′が接続する部分
において、スルーホール部Aとその周囲のランド部11
が露出するように絶縁層6を形成した態様を示す(図7
において左側のスルーホールAの下側部分)。
【0080】次に、(3)上記絶縁層の表面を粗面化処
理した後、その両面に無電解メッキ、電解メッキを施
し、厚み10μmの銅メッキ層14を形成した。次い
で、(4)銅メッキ層14表面に、前記(5)で使用し
たエッチングレジスト17をラミネートし、露光、現像
してレジストパターンを形成し、塩化第2銅エッチング
液でエッチングを行った後、エッチングレジストを剥離
することによって、配線パターン7、7′を形成して4
層の回路パターンを有する多層回路基板を得た。
【0081】得られた多層回路基板について、その表裏
に位置し、且つ共通するスルーホールに接続する配線パ
ターン7、7′間の抵抗を測定した結果、33mΩであ
った。また、図10に示すような、多層回路基板の表裏
に位置する該配線パターン7、7′間を含むテストパタ
ーンを使用したJIS C−5012の熱衝撃試験(−
65℃×30分←→125℃30分のサイクル)におい
て、サイクル数500回過ぎても、上記の回路パターン
7、7′間を含むテストパターンの導通はあり、また、
その後の電気的抵抗の上昇もほとんどなかった。
【0082】実施例3 以下の方法により、銅ペーストよりなる硬化性導電物質
を調製した。即ち、平均粒径6.8μm、タップ密度
2.99g/cm3 、比表面積4200cm2 /gの樹
枝状電解銅粉に、リノール酸を銅粉表面に対し、0.2
5×10-5mmol/cm2 の割合で配合し、窒素雰囲
気下で15分間、乳鉢により予備混合した。このように
して得た前処理銅粉を、ネオペンチルグリコールグリシ
ジルエーテル(エポキシ当量=150)/ノボラック型
フェノール樹脂(ヒドロキシ当量=105)=74/2
6(重量比)のバインダー100重量部に対し、456
重量部添加し、更に、2−エチル−4−メチルイミダゾ
ールを、バインダー100重量部に対し、2.8重量部
添加した後、3本ロールミルで30分間混練してペース
ト状とした。
【0083】実施例1の方法において、上記銅ペースト
を銀ペーストに代えて使用した以外は同様にして多層回
路基板の製造を実施した。
【0084】得られた多層回路基板の表裏に位置し、且
つ共通するスルーホールに接続する配線パターン7、
7′間の抵抗を測定した結果、39mΩであった。ま
た、図10に示すような、多層回路基板の表裏に位置す
る該配線パターン7、7′間を含むテストパターンを使
用したJIS C−5012の熱衝撃試験(−65℃×
30分←→125℃30分のサイクル)において、サイ
クル数500回を過ぎても、上記の回路パターン7、
7′間を含むテストパターンの導通はあり、その後の電
気的抵抗の上昇もほとんどなかった。
【0085】実施例4 実施例1において、スルーホール部を含む平滑化された
導電層表面に、図8の(4′)に示す銅メッキ層16を
形成しなかった以外は同様にして回路基板を製造した。
【0086】得られた多層回路基板の表裏に位置し、且
つ共通するスルーホールに接続する配線パターン7、
7′間の抵抗を測定した結果、37mΩであった。ま
た、図10に示すような、多層回路基板の表裏に位置す
る該配線パターン7、7′間を含むテストパターンを使
用したJIS C−5012の熱衝撃試験(−65℃×
30分←→125℃30分のサイクル)において、サイ
クル数300回まで上記の多層回路基板の表裏に位置す
る回路パターン7、7′間を含むテストパターンの導通
があったが、その後電気的抵抗の若干の上昇が見られ始
めた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多層回路基板の1つの例を示す断面図
である。
【図2】多層回路基板の1つの従来例を示す断面図であ
る。
【図3】多層回路基板の今1つの従来例を示す断面図で
ある。
【図4】多層回路基板の更に今1つの従来例を示す断面
図である。
【図5】本発明の多層回路基板の今1つの例を示す断面
図である。
【図6】本発明の多層回路基板の製造工程の1例を示す
一連の断面図である。
【図7】本発明の多層回路基板の製造工程の今1つの例
を示す一連の断面図である。
【図8】図6の製造工程に使用した両面回路基板の製造
工程を示す一連の断面図である。
【図9】図7の製造工程に使用した両面回路基板の製造
工程を示す一連の断面図である。
【図10】本発明の多層回路基板に対するJIS C−
5012に従う熱衝撃試験用のパターンを示す図であ
る。
【図11】片面に3層の回路パターンを有する本発明の
多層回路基板を例示する断面図である。
【符号の説明】
1 絶縁基板 2 第1層回路パターン 2’第1層回路パターン 4 導電性物質 5 両面回路基板 6 絶縁層 7 第2層回路パターン 7’第2層回路パターン 8 開口 8’開口 9 パターンの端子部 10 メッキ層 11 ランド部 12 メッキ層 12’メッキ層 13 端子部 14 メッキ層 15 導電層 16 メッキ層 17 エッチングレジスト 101 プリプレグ 102 共通スルーホール 103 スルーホール 104 回路パターン 105 両面回路基板 105’両面回路基板 106 絶縁基板 107 絶縁層 108 第1層回路パターン 109 第2層回路パターン 109’第3層回路パターン
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年8月2日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多層回路基板の1つの例を示す断面図
である。
【図2】多層回路基板の1つの従来例を示す断面図であ
る。
【図3】多層回路基板の今1つの従来例を示す断面図で
ある。
【図4】多層回路基板の更に今1つの従来例を示す断面
図である。
【図5】本発明の多層回路基板の今1つの例を示す断面
図である。
【図6】本発明の多層回路基板の製造工程の1例を示す
一連の断面図である。
【図7】本発明の多層回路基板の製造工程の今1つの例
を示す一連の断面図である。
【図8】図6の製造工程に使用した両面回路基板の製造
工程を示す一連の断面図である。
【図9】図7の製造工程に使用した両面回路基板の製造
工程を示す一連の断面図である。
【図10】本発明の多層回路基板に対するJIS C−
5012に従う熱衝撃試験用のパターンを示す図であ
る。
【図11】片面に3層の回路パターンを有する本発明の
多層回路基板を例示する断面図である。
【図12】本発明の多層回路基板に対するJIS C−
5012に従う熱衝撃試験用のパターンを示す図であ
る。
【図13】片面に3層の回路パターンを有する本発明の
多層回路基板を例示する断面図である。
【符号の説明】 1 絶縁基板 2 第1層回路パターン 2’第1層回路パターン 4 導電性物質 5 両面回路基板 6 絶縁層 7 第2層回路パターン 7’第2層回路パターン 8 開口 8’開口 9 パターンの端子部 10 メッキ層 11 ランド部 12 メッキ層 12’メッキ層 13 端子部 14 メッキ層 15 導電層 16 メッキ層 17 エッチングレジスト 101 プリプレグ 102 共通スルーホール 103 スルーホール 104 回路パターン 105 両面回路基板 105’両面回路基板 106 絶縁基板 107 絶縁層 108 第1層回路パターン 109 第2層回路パターン 109’第3層回路パターン
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図8
【補正方法】変更
【補正内容】
【図8】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図9
【補正方法】変更
【補正内容】
【図9】
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図10
【補正方法】変更
【補正内容】
【図10】
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図11
【補正方法】変更
【補正内容】
【図11】
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図12
【補正方法】変更
【補正内容】
【図12】
【手続補正7】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図13
【補正方法】変更
【補正内容】
【図13】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】絶縁基板の両面に設けられた第1層回路パ
    ターンを有し、且つ絶縁基板を貫通する貫通孔に導電性
    物質を充填し、該充填物の端面が該第1層回路パターン
    の表面とほぼ同一平面になるように形成されたスルーホ
    ール部を有する、表面が平坦な両面回路基板及び該両面
    回路基板の少なくとも一方の表面に絶縁層を介して設け
    られたメッキ層からなる第2層回路パターンを含む多層
    回路基板であって、該第2層回路パターンと該スルーホ
    ール部との間の電気的接続は、該スルーホール部の端面
    の少なくとも一部が露出するように、該絶縁層に開口を
    形成し、該開口の内壁及び前記スルーホール部の端面の
    露出部を、第2層回路パターンのメッキ層と連続するメ
    ッキ層で被覆することにより成された多層回路基板。
  2. 【請求項2】絶縁基板の両面に設けられた第1層回路パ
    ターンを有し、且つ絶縁基板を貫通する貫通孔に導電性
    物質を充填し、該充填物の端面が該第1層回路パターン
    の表面とほぼ同一平面になるように形成されたスルーホ
    ール部を有する表面が平坦な両面回路基板を作製し、該
    両面回路基板の少なくとも一方の表面上に、該スルーホ
    ール部の端面の少なくとも一部が露出するように開口が
    形成された絶縁層を設け、該絶縁層の外表面、該開口の
    内壁及び前記スルーホール等の端面の露出部を連続する
    メッキ層で被覆し、該メッキ層の所定箇所をエッチング
    して第2層回路パターンを形成することからなる多層回
    路基板の製造方法。
JP9620893A 1992-04-27 1993-04-22 多層回路基板及びその製造方法 Pending JPH06232560A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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