JPH0623251B2 - 架橋ポリイミドシロキサンの製造方法 - Google Patents
架橋ポリイミドシロキサンの製造方法Info
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- JPH0623251B2 JPH0623251B2 JP2179286A JP2179286A JPH0623251B2 JP H0623251 B2 JPH0623251 B2 JP H0623251B2 JP 2179286 A JP2179286 A JP 2179286A JP 2179286 A JP2179286 A JP 2179286A JP H0623251 B2 JPH0623251 B2 JP H0623251B2
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- Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)
- Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)
- Silicon Polymers (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は架橋ポリイミドシロキサンの製造方法に関す
る。
る。
従来、ポリイミド樹脂は電子機器分野における保護材
料、絶縁材料、接着剤として、或はフイルム、構造材と
して主に耐熱性の面から広く用いられている。その利用
方法は多くの場合、架橋した重合体となる前の前駆体の
まま対象物に塗布してから焼成してイミド化を完成させ
ると共に架橋させる方法によつており、焼成後の上記の
如き種々な用途における作用、効果を向上させるための
様々な提案がなされている。しかしながら、このような
従来の技術は現在の如く多様化、個性化及び高級化した
ニーズを必ずしも充分に満足させるものとは言えない。
料、絶縁材料、接着剤として、或はフイルム、構造材と
して主に耐熱性の面から広く用いられている。その利用
方法は多くの場合、架橋した重合体となる前の前駆体の
まま対象物に塗布してから焼成してイミド化を完成させ
ると共に架橋させる方法によつており、焼成後の上記の
如き種々な用途における作用、効果を向上させるための
様々な提案がなされている。しかしながら、このような
従来の技術は現在の如く多様化、個性化及び高級化した
ニーズを必ずしも充分に満足させるものとは言えない。
例えば、電子材料用のポリイミド前駆体として従来使用
されているポリアミド酸は、その溶液を基材に塗布した
後焼成してイミド化させて硬化させるが、使用上次のよ
うな種々は欠点、すなわちその塗布用溶液が非常に粘度
が高くて作業性が劣ること、また焼成時の温度が300
〜400℃と高温を要するため基材の耐熱温度を越える
ことがあること、更に塗布対象のシリコンウエハーやガ
ラスとの接着性が不充分であること、等の問題点があつ
た。
されているポリアミド酸は、その溶液を基材に塗布した
後焼成してイミド化させて硬化させるが、使用上次のよ
うな種々は欠点、すなわちその塗布用溶液が非常に粘度
が高くて作業性が劣ること、また焼成時の温度が300
〜400℃と高温を要するため基材の耐熱温度を越える
ことがあること、更に塗布対象のシリコンウエハーやガ
ラスとの接着性が不充分であること、等の問題点があつ
た。
上記問題点のうち接着性を改善するものとしてシリコン
化合物との共重合体が多く提案されている。例えば特開
昭57−143328号、特開昭58−7473号、及
び特開昭58−13631号には、原料であるジアミン
成分の一部を、ジアミンで両末端を停止したポリシロキ
サンで置き換えて得られるポリイミド前駆体を使用して
ポリイミド−シロキサン共重合体とする技術が提案され
ている。しかしながらこの場合、或る程度の接着性の改
善は見られるのに引き換え、共重合体中のシロキサン含
量の増加と共に耐熱性が低下し、かつ重合度が小さくな
つて塗膜形成能が低下すると言う問題点があつた。ま
た、特公昭58−32162号及び特公昭58−321
63号には、テトラカルボン酸二無水物等の適当なカル
ボン酸誘導体とジアミンとを反応させて酸無水物等の末
端基を有するポリアミドカルボン酸を生成せしめた後、
このポリアミドカルボン酸とアミノシリコン化合物とを
−20℃ないし+50℃で反応させることによつてけい
素を含有するポリアミドカルボン酸プレポリマーを得、
このプレポリマーをイミド化しないままかイミド化する
にしても脱水剤の存在下の穏和な条件下(低温好ましく
は50℃以下、とりわけ−20℃ないし+25℃)で化
学的に環化(イミド化)して有機けい素変性ポリイミド
前駆体を得、この前駆体を溶液状態でシランジオールま
たはシロキサンジオールの存在下または不存在下で加熱
してイミド化の完成と共に架橋せしめてポリイミドシロ
キサンとする技術が開示されている。しかしながら、こ
のポリイミドシロキサン前駆体は、従来のポリアミドカ
ルボン酸を主成分とするポリイミド前駆体と同様にイミ
ド化するために約200℃以上最高350℃に達する高
温での焼成を必要とし、得られた環化物はけい素含量が
大きいと塗膜形成能が劣り、けい素含量が小さいとシリ
コンウエハーやガラスとの接着性が劣り、また予めイミ
ド化したポリイミドシロキサン前駆体を製造する場合は
脱水剤存在下の低温処理による環化では長時間を要して
実際的でなく、逆に加熱により環化を促進させると溶液
全体がゲル化し流動性を失う、等の種々な問題を有して
いる。
化合物との共重合体が多く提案されている。例えば特開
昭57−143328号、特開昭58−7473号、及
び特開昭58−13631号には、原料であるジアミン
成分の一部を、ジアミンで両末端を停止したポリシロキ
サンで置き換えて得られるポリイミド前駆体を使用して
ポリイミド−シロキサン共重合体とする技術が提案され
ている。しかしながらこの場合、或る程度の接着性の改
善は見られるのに引き換え、共重合体中のシロキサン含
量の増加と共に耐熱性が低下し、かつ重合度が小さくな
つて塗膜形成能が低下すると言う問題点があつた。ま
た、特公昭58−32162号及び特公昭58−321
63号には、テトラカルボン酸二無水物等の適当なカル
ボン酸誘導体とジアミンとを反応させて酸無水物等の末
端基を有するポリアミドカルボン酸を生成せしめた後、
このポリアミドカルボン酸とアミノシリコン化合物とを
−20℃ないし+50℃で反応させることによつてけい
素を含有するポリアミドカルボン酸プレポリマーを得、
このプレポリマーをイミド化しないままかイミド化する
にしても脱水剤の存在下の穏和な条件下(低温好ましく
は50℃以下、とりわけ−20℃ないし+25℃)で化
学的に環化(イミド化)して有機けい素変性ポリイミド
前駆体を得、この前駆体を溶液状態でシランジオールま
たはシロキサンジオールの存在下または不存在下で加熱
してイミド化の完成と共に架橋せしめてポリイミドシロ
キサンとする技術が開示されている。しかしながら、こ
のポリイミドシロキサン前駆体は、従来のポリアミドカ
ルボン酸を主成分とするポリイミド前駆体と同様にイミ
ド化するために約200℃以上最高350℃に達する高
温での焼成を必要とし、得られた環化物はけい素含量が
大きいと塗膜形成能が劣り、けい素含量が小さいとシリ
コンウエハーやガラスとの接着性が劣り、また予めイミ
ド化したポリイミドシロキサン前駆体を製造する場合は
脱水剤存在下の低温処理による環化では長時間を要して
実際的でなく、逆に加熱により環化を促進させると溶液
全体がゲル化し流動性を失う、等の種々な問題を有して
いる。
上記の如く従来の技術には種々な問題点があり、従つて
半導体の表面保護や多層配線層間絶縁膜などに適するよ
うに、適当な溶媒に可溶であり、溶液状態では粘度が適
度で良好な作業性を与え、比較的低温且つ短時間で焼成
硬化させることができ、良好な塗膜形成能を有するポリ
イミド前駆体、そしてこのような前駆体から得られるシ
リコンウエハーやガラス等との接着性の良いポリイミド
樹脂の開発が要望されていた。
半導体の表面保護や多層配線層間絶縁膜などに適するよ
うに、適当な溶媒に可溶であり、溶液状態では粘度が適
度で良好な作業性を与え、比較的低温且つ短時間で焼成
硬化させることができ、良好な塗膜形成能を有するポリ
イミド前駆体、そしてこのような前駆体から得られるシ
リコンウエハーやガラス等との接着性の良いポリイミド
樹脂の開発が要望されていた。
本発明は、上記従来技術の問題点を解決して要望を満た
すための手段であつて、下記の式(1) 〔ここに(n+1)個の各(I)は独立に下記の式(2)、(3)
及び(4) のいずれかの構成単位を表わし、かつR1は4価の炭素
環式芳香族基を表わし、R2は炭素数2〜12個の脂肪
族基、炭素数4〜30個の脂環式基、炭素数6〜30個
の芳香脂肪族基、または炭素数6〜30個の炭素環式芳
香族基を表わし、R3は (ただしsは1〜4の整数を示す)を表わす。nはn≦
18の値をとる〕 で表わされるイミド・アミド酸連鎖部が下記の式(5) −SiR4 3-mY1 m-1−O−SiR4 3-mY1 m-1− ・・・(5) 〔ここに各R4は独立に炭素数1〜6のアルキル基、フ
エニル基または炭素数7〜12個のアルキル置換フエニ
ル基を表わし、各Y1は独立にアルコキシ基、アセトキ
シ基、ハロゲン、水酸基、 または下記の式(6) R5R6R7Si−O− ・・・(6) {ここにR5、R6及びR7は独立に炭素数1〜6のアルキ
ル基、フエニル基または炭素数7〜12個のアルキル置
換フエニル基を表わす。} で表わされる基を表わし、mは1≦m≦3の値をと
る。〕 で表わされる結合構造により結合されていて、下記の式
(7) Y2 mR4 3-mSi− ・・・(7) 〔ここに各Y2は独立にアルコキシ基、アセトキシ基、
ハロゲン、水酸基または前記式(6)で表わされる基を表
わし、各R4及びmは式(5)の場合と同じである。〕 で表わされる基が末端基として存しており、かつ分子全
体として下記の式(8) 〔ここにa:イミド化率 W:式(2)で表わされる構成単位の総数 P:式(3)で表わされる構成単位の総数 Q:式(4)で表わされる構成単位の総数 を表わす。〕 で定義されるイミド化率aが50〜100%であり、か
つR2の総数B1とR3の総数D1とが下記の式(9) で表わされる関数にあり、下記式(100) (H)h(J)j(S)s ・・・(100) [ただし、ここに(H)、(J)及び(S)は各々前記
式(1)、(5)及び(7)で示される構造を表し、
h、j及びsは各々(H)、(J)及び(S)の総数を
表し、rを前記式(6)で示される構造の総数を表す
と、h、j、s及びrの間には下記式(15−1)及び
(16−1)の関係が存する。
すための手段であつて、下記の式(1) 〔ここに(n+1)個の各(I)は独立に下記の式(2)、(3)
及び(4) のいずれかの構成単位を表わし、かつR1は4価の炭素
環式芳香族基を表わし、R2は炭素数2〜12個の脂肪
族基、炭素数4〜30個の脂環式基、炭素数6〜30個
の芳香脂肪族基、または炭素数6〜30個の炭素環式芳
香族基を表わし、R3は (ただしsは1〜4の整数を示す)を表わす。nはn≦
18の値をとる〕 で表わされるイミド・アミド酸連鎖部が下記の式(5) −SiR4 3-mY1 m-1−O−SiR4 3-mY1 m-1− ・・・(5) 〔ここに各R4は独立に炭素数1〜6のアルキル基、フ
エニル基または炭素数7〜12個のアルキル置換フエニ
ル基を表わし、各Y1は独立にアルコキシ基、アセトキ
シ基、ハロゲン、水酸基、 または下記の式(6) R5R6R7Si−O− ・・・(6) {ここにR5、R6及びR7は独立に炭素数1〜6のアルキ
ル基、フエニル基または炭素数7〜12個のアルキル置
換フエニル基を表わす。} で表わされる基を表わし、mは1≦m≦3の値をと
る。〕 で表わされる結合構造により結合されていて、下記の式
(7) Y2 mR4 3-mSi− ・・・(7) 〔ここに各Y2は独立にアルコキシ基、アセトキシ基、
ハロゲン、水酸基または前記式(6)で表わされる基を表
わし、各R4及びmは式(5)の場合と同じである。〕 で表わされる基が末端基として存しており、かつ分子全
体として下記の式(8) 〔ここにa:イミド化率 W:式(2)で表わされる構成単位の総数 P:式(3)で表わされる構成単位の総数 Q:式(4)で表わされる構成単位の総数 を表わす。〕 で定義されるイミド化率aが50〜100%であり、か
つR2の総数B1とR3の総数D1とが下記の式(9) で表わされる関数にあり、下記式(100) (H)h(J)j(S)s ・・・(100) [ただし、ここに(H)、(J)及び(S)は各々前記
式(1)、(5)及び(7)で示される構造を表し、
h、j及びsは各々(H)、(J)及び(S)の総数を
表し、rを前記式(6)で示される構造の総数を表す
と、h、j、s及びrの間には下記式(15−1)及び
(16−1)の関係が存する。
で表される構造を主成分として、かつN−メチル−2−
ポロリドン中、温度30±0.01℃、濃度0.5g/dで
測定された対数粘度数が0.05〜5d/gである可溶性
ポリイミドシロキサン前駆体を含む溶液を50〜450
℃に加熱することにより溶媒を蒸発させるとともに該前
駆体を架橋させる架橋ポリイミドシロキサンの製造法に
関するものである。
ポロリドン中、温度30±0.01℃、濃度0.5g/dで
測定された対数粘度数が0.05〜5d/gである可溶性
ポリイミドシロキサン前駆体を含む溶液を50〜450
℃に加熱することにより溶媒を蒸発させるとともに該前
駆体を架橋させる架橋ポリイミドシロキサンの製造法に
関するものである。
前記可溶性ポリイミドシロキサン前駆体は以下の方法で
製造することができる。すなわち、下記の式(10)で表わ
されるテトラカルボン酸二無水物Aモルと式(11)で表わ
されるジアミンB2モルと式(12)で表わされるアミノシ
リコン化合物D2モルとをA、B2およびD2間に式(14)
及びほぼ式(15)の関係を存在せしめて溶媒の存在下で0
℃以上60℃未満の温度で0.2〜6時間反応させる第1
段階の反応を行なわせて均一な反応生成液を得、次いで
式(16)で示される範囲にあるEモルの式(13)で表わされ
るシリル化剤の存在下に60℃以上200℃未満の温度
で0.5〜30時間加熱してイミド化反応を行ない、その
結果発生する水及び必要に応じて他からの水により式(1
2)で表わされるアミノシリコン化合物中に示されたX1
及び式(13)で表わされるシリル化剤中のX2の加水分解
反応を行なわせ、更にはシロキサン縮合反応をさせる第
2段階の反応を行なわせて式(17)で定義されるイミド化
率aを50〜100%にすると共に下記式(100) (H)h(J)j(S)s ・・・(100) [ただし、ここに(H)、(J)及び(S)は各々前記
式(1)、(5)及び(7)で示される構造を表し、
h、j及びsは各々(H)、(J)及び(S)の総数を
表し、rを前記式(6)で示される構造の総数を表す
と、h、j、s及びrの間には下記式(15−1)及び
(16−1)の関係が存する。
製造することができる。すなわち、下記の式(10)で表わ
されるテトラカルボン酸二無水物Aモルと式(11)で表わ
されるジアミンB2モルと式(12)で表わされるアミノシ
リコン化合物D2モルとをA、B2およびD2間に式(14)
及びほぼ式(15)の関係を存在せしめて溶媒の存在下で0
℃以上60℃未満の温度で0.2〜6時間反応させる第1
段階の反応を行なわせて均一な反応生成液を得、次いで
式(16)で示される範囲にあるEモルの式(13)で表わされ
るシリル化剤の存在下に60℃以上200℃未満の温度
で0.5〜30時間加熱してイミド化反応を行ない、その
結果発生する水及び必要に応じて他からの水により式(1
2)で表わされるアミノシリコン化合物中に示されたX1
及び式(13)で表わされるシリル化剤中のX2の加水分解
反応を行なわせ、更にはシロキサン縮合反応をさせる第
2段階の反応を行なわせて式(17)で定義されるイミド化
率aを50〜100%にすると共に下記式(100) (H)h(J)j(S)s ・・・(100) [ただし、ここに(H)、(J)及び(S)は各々前記
式(1)、(5)及び(7)で示される構造を表し、
h、j及びsは各々(H)、(J)及び(S)の総数を
表し、rを前記式(6)で示される構造の総数を表す
と、h、j、s及びrの間には下記式(15−1)及び
(16−1)の関係が存する。
で表される構造を主成分として、N−メチル−2−ピロ
リドン中、温度30±0.01℃、濃度0.5g/dで測定
された対数粘度数を0.05〜5d/gとするものであ
る。
リドン中、温度30±0.01℃、濃度0.5g/dで測定
された対数粘度数を0.05〜5d/gとするものであ
る。
H2N-R2-NH2 ・・・(11) H2N-R3-SiR4 3-mX1 m・・・(12) R5R6R7SiX2 ・・・(13) 2A=2B2+D2 ・・・(15) 0.01≦E/(D2×m)≦1 ・・・(16) (ここに、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びm
は前記の場合と同じく定義され、X1はアルコキシ基、
アセトキシ基またはハロゲンを表わし、X2はアルコキ
シ基、アセトキシ基、ハロゲンまたは水酸基を表わ
す。) (ここにW、P及びQはテトラカルボン酸二無水物とジ
アミン及び/またはアミノシリコン化合物とが化合し、
更に脱水することあつて生成する下記の3種の構成単位
それぞれの分子中における総数を表わす。
は前記の場合と同じく定義され、X1はアルコキシ基、
アセトキシ基またはハロゲンを表わし、X2はアルコキ
シ基、アセトキシ基、ハロゲンまたは水酸基を表わ
す。) (ここにW、P及びQはテトラカルボン酸二無水物とジ
アミン及び/またはアミノシリコン化合物とが化合し、
更に脱水することあつて生成する下記の3種の構成単位
それぞれの分子中における総数を表わす。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に使用する可溶性ポリイミドシロキサン前駆体
は、式(1)で表わされるイミド・アミド酸連鎖部(以
下、イミド・アミド酸連鎖部(1)の如く呼称することが
ある。他の式により示されるものについても同様に呼称
することがある。)が結合構造(5)による結合により架
橋または延長されていて、基(7)が末端基として存在し
て骨格が形成されているオリゴマーないしはポリマーで
ある。イミド・アミド酸連鎖部(1)の構成要素であるR1
は好ましくは少なくとも1個の六員環を有する。R1は
特に単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、または数個
の縮合環もしくは非縮合環(これらの環は直接または橋
かけ基を通して互に結合する。)を有する多環式芳香族
基である。上記橋かけ基としては−O−、−CO−、−
SO2−等が示される。R1の例としては次のものを挙げ
ることができる。
は、式(1)で表わされるイミド・アミド酸連鎖部(以
下、イミド・アミド酸連鎖部(1)の如く呼称することが
ある。他の式により示されるものについても同様に呼称
することがある。)が結合構造(5)による結合により架
橋または延長されていて、基(7)が末端基として存在し
て骨格が形成されているオリゴマーないしはポリマーで
ある。イミド・アミド酸連鎖部(1)の構成要素であるR1
は好ましくは少なくとも1個の六員環を有する。R1は
特に単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、または数個
の縮合環もしくは非縮合環(これらの環は直接または橋
かけ基を通して互に結合する。)を有する多環式芳香族
基である。上記橋かけ基としては−O−、−CO−、−
SO2−等が示される。R1の例としては次のものを挙げ
ることができる。
〔ただし、ここにR8は−O−、−CO−又は−SO2−
を表わし、芳香環が2つ以上ある場合(縮合環を含む)
の各環の結合手は互にオルトの位置にある。〕 またR2の例としては次のものを挙げることができる。
を表わし、芳香環が2つ以上ある場合(縮合環を含む)
の各環の結合手は互にオルトの位置にある。〕 またR2の例としては次のものを挙げることができる。
(ここにR9は炭素数1〜4のアルキル基を表わす。) (ここにR10は−O−、−S−、−SO2−、−CO
−、−CH2−又は を表わす。)、 (ここにpは2〜12の整数を表わす。)、 前記可溶性ポリイミドシロキサン前駆体の分子量の適量
範囲は一定条件下での固有粘度測定値として0.05〜5d
/gと規定されており、適当な溶媒に可溶である。
−、−CH2−又は を表わす。)、 (ここにpは2〜12の整数を表わす。)、 前記可溶性ポリイミドシロキサン前駆体の分子量の適量
範囲は一定条件下での固有粘度測定値として0.05〜5d
/gと規定されており、適当な溶媒に可溶である。
本発明において対数粘度数(ηinh)とは、前記測定条
件により定義された通りのものであるが、更に詳述すれ
ば、 〔ここにηは、ウベローデ粘度計を使用し溶媒N−メチ
ル−2−ピロリドン中の濃度0.5g/dのものを温度
30±0.01℃で測定した値であり、η0はウベローデ粘
度計を使用し同温度における同溶媒の測定であり、Cは
濃度0.5g/dである。〕 で示される。
件により定義された通りのものであるが、更に詳述すれ
ば、 〔ここにηは、ウベローデ粘度計を使用し溶媒N−メチ
ル−2−ピロリドン中の濃度0.5g/dのものを温度
30±0.01℃で測定した値であり、η0はウベローデ粘
度計を使用し同温度における同溶媒の測定であり、Cは
濃度0.5g/dである。〕 で示される。
イミド・アミド酸連鎖部(1)中のR2及びR3の分子中の
総数をそれぞれB1及びD1とすると、これらの合計数
(B1+D1)に対するD1の比の好適な範囲は式(9)に規
定されている。この範囲が0.1未満の範囲となる程にR3
が少ないと、R3に結合している結合構造(5)、基(6)ま
たは末端基(7)が少なく従つてSiの総数が少なくなつ
て、例えば接着性が低下して好ましくない。
総数をそれぞれB1及びD1とすると、これらの合計数
(B1+D1)に対するD1の比の好適な範囲は式(9)に規
定されている。この範囲が0.1未満の範囲となる程にR3
が少ないと、R3に結合している結合構造(5)、基(6)ま
たは末端基(7)が少なく従つてSiの総数が少なくなつ
て、例えば接着性が低下して好ましくない。
また、イミド・アミド酸連鎖部(1)中の各(I)は構成単位
(2)、(3)または(4)のいずれかを独立に表わしている
が、分子全体としては式(8)で定義されるイミド化率a
が50〜100%の範囲にあつて前駆体でありながらイ
ミド化率の進んだものとなつている。このため例えば焼
成によるイミド化の完成が比較的低温且つ短時間で可能
である。イミド化率aを知る上で必要なイミド基の定量
は既知の赤外線吸収スペクトル法によることができる。
(2)、(3)または(4)のいずれかを独立に表わしている
が、分子全体としては式(8)で定義されるイミド化率a
が50〜100%の範囲にあつて前駆体でありながらイ
ミド化率の進んだものとなつている。このため例えば焼
成によるイミド化の完成が比較的低温且つ短時間で可能
である。イミド化率aを知る上で必要なイミド基の定量
は既知の赤外線吸収スペクトル法によることができる。
以上の如く、可溶性ポリイミドシロキサン前駆体は構成
されている。
されている。
本発明の原料について説明する。
式(10)で表わされるテトラカルボン酸二無水物として次
の化合物を挙げることができる。
の化合物を挙げることができる。
ピロメリツト酸二無水物、3,3′,4,4′−ビフエ
ニルテトラカルボン酸二無水物、2,2′,3,3′−
ビフエニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3′,
4′−ビフエニルテトラカルボン酸二無水物、3,
3′,4,4′−ベンゾフエノンテトラカルボン酸二無
水物、2,3,3′,4′−ベンゾフエノンテトラカル
ボン酸二無水物、2,2′,3,3′−ベンゾフエノン
テトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキ
シフエニル)−エーテル二無水物、ビス(3,4−ジカ
ルボキシフエニル)−スルホン二無水物、1,2,5,
6−ナフタリンテトラカルボン酸二無水物、2,3,
6,7−ナフタリンテトラカルボン酸二無水物等。
ニルテトラカルボン酸二無水物、2,2′,3,3′−
ビフエニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3′,
4′−ビフエニルテトラカルボン酸二無水物、3,
3′,4,4′−ベンゾフエノンテトラカルボン酸二無
水物、2,3,3′,4′−ベンゾフエノンテトラカル
ボン酸二無水物、2,2′,3,3′−ベンゾフエノン
テトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキ
シフエニル)−エーテル二無水物、ビス(3,4−ジカ
ルボキシフエニル)−スルホン二無水物、1,2,5,
6−ナフタリンテトラカルボン酸二無水物、2,3,
6,7−ナフタリンテトラカルボン酸二無水物等。
また、式(11)で表わされるジアミンとしては次の化合物
を挙げることができる。
を挙げることができる。
4,4′−ジアミノジフエニルエーテル、4,4′−ジ
アミノジフエニルメタン、4,4′−ジアミノジフエニ
ルスルホン、4,4′−ジアミノジフエニルスルフイ
ド、4,4′−ジアミノジフエニルチオエーテル、4,
4′−ジ(メタ−アミノフエノキシ)ジフエニルスルホ
ン、4,4′−ジ(パラ−アミノフエノキシ)ジフエニ
ルスルホン、オルト−フエニレンジアミン、メタ−フエ
ニレンジアミン、パラ−フエニレンジアミン、ベンジジ
ン、2,2′−ジアミノベンゾフエノン、4,4′−ジ
アミノベンゾフエノン、4,4′−ジアミノジフエニル
−2,2−プロパン等の芳香族ジアミン、トリメチレン
ジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジ
アミン、4,4−ジメチルヘプタメチレンジアミン、
2,11−ドデカンジアミン等の脂肪族ジアミン、ビス
(p−アミノフエノキシ)ジメチルシラン、1,3−ビ
ス−(3−アミノプロピル)−1,1,3,3−テトラ
メチルジシロキサン、1,4−ビス(3−アミノプロピ
ルジメチルシリル)ベンゼン等のシリコン系ジアミン、
1,4−ジアミノシクロヘキサン等の脂環式ジアミン、
o−キシリレンジアミン、m−キシリレンジアミン等の
アミノアルキル置換芳香族化合物等。
アミノジフエニルメタン、4,4′−ジアミノジフエニ
ルスルホン、4,4′−ジアミノジフエニルスルフイ
ド、4,4′−ジアミノジフエニルチオエーテル、4,
4′−ジ(メタ−アミノフエノキシ)ジフエニルスルホ
ン、4,4′−ジ(パラ−アミノフエノキシ)ジフエニ
ルスルホン、オルト−フエニレンジアミン、メタ−フエ
ニレンジアミン、パラ−フエニレンジアミン、ベンジジ
ン、2,2′−ジアミノベンゾフエノン、4,4′−ジ
アミノベンゾフエノン、4,4′−ジアミノジフエニル
−2,2−プロパン等の芳香族ジアミン、トリメチレン
ジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジ
アミン、4,4−ジメチルヘプタメチレンジアミン、
2,11−ドデカンジアミン等の脂肪族ジアミン、ビス
(p−アミノフエノキシ)ジメチルシラン、1,3−ビ
ス−(3−アミノプロピル)−1,1,3,3−テトラ
メチルジシロキサン、1,4−ビス(3−アミノプロピ
ルジメチルシリル)ベンゼン等のシリコン系ジアミン、
1,4−ジアミノシクロヘキサン等の脂環式ジアミン、
o−キシリレンジアミン、m−キシリレンジアミン等の
アミノアルキル置換芳香族化合物等。
次に式(12)で表わされるアミノシリコン化合物としては
次の化合物を挙げることができる。
次の化合物を挙げることができる。
NH2-(CH2)3-Si(OCH3)3、 NH2-(CH2)3-Si(OC2H5)3、 NH2-(CH2)3-Si(CH3)(OCH3)2、 NH2-(CH2)3-Si(CH3)(OC2H5)2、 NH2-(CH2)3-Si(C2H5)(On-C3H7)2、 NH2-(CH2)4-Si(OCH3)3、 NH2-(CH2)4-Si(OC2H5)3、 NH2-(CH2)4-Si(CH3)(OC2H5)2、 等。
また式(13)で表わされるシリル化剤としては次の化合物
を挙げることができる。
を挙げることができる。
(CH3)3Si(OCH3)、(CH3)3Si(OC2H5)、 (CH3)3Si(On-C3H7)、 (CH3)2(C2H5)Si(OCH3)、 (CH3)2(C2H5)Si(OC2H5)、 (CH3)3SiOH、(CH3)3Si(OCOCH3)、 等。
本発明方法において上記の原料化合物を溶媒中で反応さ
せるための好ましい溶媒(以下反応溶媒と言うことがあ
る)としてN−メチルピロリドン、ジメチルアセトアミ
ド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テ
トラメチル尿素、ピリジン、ジメチルスルホン、ヘキサ
メチルスルホンアミド、メチルホルムアミド、N−アセ
チル−2−ピロリドン、トルエン、キシレン、エチレン
グリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモ
ノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエー
テル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエ
チレングリコールジメチルエーテル等の1種又は2種以
上を使用でき、また上記溶媒を30重量%以上含有する
他の溶媒との混合溶媒としても用いることができる。
せるための好ましい溶媒(以下反応溶媒と言うことがあ
る)としてN−メチルピロリドン、ジメチルアセトアミ
ド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テ
トラメチル尿素、ピリジン、ジメチルスルホン、ヘキサ
メチルスルホンアミド、メチルホルムアミド、N−アセ
チル−2−ピロリドン、トルエン、キシレン、エチレン
グリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモ
ノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエー
テル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエ
チレングリコールジメチルエーテル等の1種又は2種以
上を使用でき、また上記溶媒を30重量%以上含有する
他の溶媒との混合溶媒としても用いることができる。
次に本発明における可溶性ポリイミドシロキサン前駆体
の生成反応方法について説明する。式(10)で示されるテ
トラカルボン酸二無水物Aモルは式(11)で示されるジア
ミンB2モル及び式(12)で示されるアミノシリコン化合
物D2モルと反応溶媒中で反応させる。このときA、B2
及びD2はそれらの間に式(14)及びほぼ式(15)の関係が
存在するように定める。式(14)はアミノシリコン化合物
の使用量がジアミンとの合計モル数の10%以上である
ことを示しているが、この使用量が10%未満の場合は
得られる可溶性ポリイミドシロキサン前駆体が半導体用
の表面保護膜等として使用したときシリコンウエハーや
ガラス等との接着性が劣つたものとなる。
の生成反応方法について説明する。式(10)で示されるテ
トラカルボン酸二無水物Aモルは式(11)で示されるジア
ミンB2モル及び式(12)で示されるアミノシリコン化合
物D2モルと反応溶媒中で反応させる。このときA、B2
及びD2はそれらの間に式(14)及びほぼ式(15)の関係が
存在するように定める。式(14)はアミノシリコン化合物
の使用量がジアミンとの合計モル数の10%以上である
ことを示しているが、この使用量が10%未満の場合は
得られる可溶性ポリイミドシロキサン前駆体が半導体用
の表面保護膜等として使用したときシリコンウエハーや
ガラス等との接着性が劣つたものとなる。
式(15)はジアミン及びアミノシリコン化合物中の全アミ
ノ基とテトラカルボン酸二無水物中の の全部とを当量で反応させる場合の関係式であるが、必
ずしも正確に当量できなくても良く、例えばAについて
式(15)で定められるモル数の±10%の範囲ならば本発
明における可溶性ポリイミドシロキサン前駆体は充分に
得られる。「ほぼ式(15)の関係を存在せしめて」とはこ
の意味を表わす。
ノ基とテトラカルボン酸二無水物中の の全部とを当量で反応させる場合の関係式であるが、必
ずしも正確に当量できなくても良く、例えばAについて
式(15)で定められるモル数の±10%の範囲ならば本発
明における可溶性ポリイミドシロキサン前駆体は充分に
得られる。「ほぼ式(15)の関係を存在せしめて」とはこ
の意味を表わす。
本発明方法においては溶媒中における各原料の反応の実
施は、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとアミノシ
リコン化合物との反応を比較的低温で行なう第1段階の
反応と、第1段階の反応終了後その反応生成液(以下、
第1段階反応終了液と言うことがある)をシリル化剤の
存在下に比較的高温で加熱して少なくともそのとき発生
する水と共に反応させる第2段階の反応とにより行な
う。反応溶媒の使用量を上記各段階の反応の時点で反応
溶媒とこれに添加した原料との合計量基準で60重量%
以上とすると攪拌操作を容易にするので好ましいが、9
8重量%以上は必要でない。第1段階の反応の当初から
全原料の使用量を考慮した反応溶媒量とするのが溶媒の
追加操作を必要としないので好ましい。
施は、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとアミノシ
リコン化合物との反応を比較的低温で行なう第1段階の
反応と、第1段階の反応終了後その反応生成液(以下、
第1段階反応終了液と言うことがある)をシリル化剤の
存在下に比較的高温で加熱して少なくともそのとき発生
する水と共に反応させる第2段階の反応とにより行な
う。反応溶媒の使用量を上記各段階の反応の時点で反応
溶媒とこれに添加した原料との合計量基準で60重量%
以上とすると攪拌操作を容易にするので好ましいが、9
8重量%以上は必要でない。第1段階の反応の当初から
全原料の使用量を考慮した反応溶媒量とするのが溶媒の
追加操作を必要としないので好ましい。
第1段階の反応は上記の反応溶媒の存在下で0℃以上6
0℃未満、好ましくは3℃以上30℃未満の温度で0.2
〜6時間反応せしめる。具体的には、テトラカルボン酸
二無水物とジアミンとアミノシリコン化合物との全部を
同時に反応溶媒に加えて反応させても良いが、上記3つ
の原料のうち2つを先に上記温度範囲内でも低温例えば
0〜10℃で反応を開始し、段階的にまたは連続的に温
度を上記温度範囲内で高めながら残りの原料を加えて反
応せしめても良い。この場合、上記3つの原料の添加順
には特に制限はないが、ジアミンの添加を最後にしない
方がより高分子量のポリマーが得られ易い。この第1段
階の反応では上記3つの原料は溶媒に溶解して反応は比
較的速やかに進行し、均一で透明な反応液が生成すると
反応はほぼ終了しているが、なお暫らくは続行して反応
の完了を確実にするのが好ましい。その主な反応は後記
する如く両端にアミノシリコン化合物を結合したポリア
ミドカルボン酸(以下中間体Fと言うことがある)の生
成である。
0℃未満、好ましくは3℃以上30℃未満の温度で0.2
〜6時間反応せしめる。具体的には、テトラカルボン酸
二無水物とジアミンとアミノシリコン化合物との全部を
同時に反応溶媒に加えて反応させても良いが、上記3つ
の原料のうち2つを先に上記温度範囲内でも低温例えば
0〜10℃で反応を開始し、段階的にまたは連続的に温
度を上記温度範囲内で高めながら残りの原料を加えて反
応せしめても良い。この場合、上記3つの原料の添加順
には特に制限はないが、ジアミンの添加を最後にしない
方がより高分子量のポリマーが得られ易い。この第1段
階の反応では上記3つの原料は溶媒に溶解して反応は比
較的速やかに進行し、均一で透明な反応液が生成すると
反応はほぼ終了しているが、なお暫らくは続行して反応
の完了を確実にするのが好ましい。その主な反応は後記
する如く両端にアミノシリコン化合物を結合したポリア
ミドカルボン酸(以下中間体Fと言うことがある)の生
成である。
第2段階の反応は、上記第1段階の反応終了後式(16)で
示される範囲にあるEモルの式(13)で表わされるシリル
化剤の存在下に第1段階の反応温度から更に上昇せしめ
て60℃以上200℃未満、好ましくは60℃以上11
0℃未満の温度で0.5〜30時間加熱してイミド化反応
を行ないその時に発生する水及び必要により他からの水
により中間体Fの末端にあるアミノシリコン化合物のX
1及びシリル化剤のX2の加水分解反応を行なわせ、更に
はシロキサン縮合反応させる反応である。シリル化剤は
第2段階の反応の開始に当たつて添加しても良いが、第
1段階の反応の開始前に他の原料と共に予め添加してお
いても良く、この場合第1段階の反応に対する実質的な
影響はなくて第1段階から第2段階へ反応を移す操作が
容易となるので好ましい。第2段階の反応における主な
反応は、後記する如く第1段階の反応で生成した中間体
Fのアミド・カルボン酸の部分を環化してイミド化する
と共に、中間体Fの末端を成しているアミノシリコン化
合物のX1及び遊離のシリル化剤のX2が加水分解性基す
なわちアルコキシ基、アセトキシ基またはハロゲンであ
るときの半数以上が加水分解されて水酸基に変換(X2
が当初から−OHである場合もある)され、少なくとも
一部において中間体F同士、中間体Fとシリル化剤との
間、またはシリル化剤同士でSiに結合した水酸基同士或
は水酸基と加水分解性基とが縮合反応を起してシロキサ
ン結合が生成、すなわちシロキサン縮合反応が行なわれ
ることである。
示される範囲にあるEモルの式(13)で表わされるシリル
化剤の存在下に第1段階の反応温度から更に上昇せしめ
て60℃以上200℃未満、好ましくは60℃以上11
0℃未満の温度で0.5〜30時間加熱してイミド化反応
を行ないその時に発生する水及び必要により他からの水
により中間体Fの末端にあるアミノシリコン化合物のX
1及びシリル化剤のX2の加水分解反応を行なわせ、更に
はシロキサン縮合反応させる反応である。シリル化剤は
第2段階の反応の開始に当たつて添加しても良いが、第
1段階の反応の開始前に他の原料と共に予め添加してお
いても良く、この場合第1段階の反応に対する実質的な
影響はなくて第1段階から第2段階へ反応を移す操作が
容易となるので好ましい。第2段階の反応における主な
反応は、後記する如く第1段階の反応で生成した中間体
Fのアミド・カルボン酸の部分を環化してイミド化する
と共に、中間体Fの末端を成しているアミノシリコン化
合物のX1及び遊離のシリル化剤のX2が加水分解性基す
なわちアルコキシ基、アセトキシ基またはハロゲンであ
るときの半数以上が加水分解されて水酸基に変換(X2
が当初から−OHである場合もある)され、少なくとも
一部において中間体F同士、中間体Fとシリル化剤との
間、またはシリル化剤同士でSiに結合した水酸基同士或
は水酸基と加水分解性基とが縮合反応を起してシロキサ
ン結合が生成、すなわちシロキサン縮合反応が行なわれ
ることである。
上記のシリル化剤同士のシロキサン結合はシリル化剤が
単に不活性化合物となつて反応溶媒中に溶存するだけで
あるが、その他のシロキサン結合は網状組織を構成し或
は高分子中のSi含量を多くするので、得られるポリイミ
ドシロキサン前駆体において相当量のシロキサン結合が
X1及びX2の位置に生成しているばかりでなく、この前
駆体を焼成したときに最終的にシロキサン結合をすべて
のまたはそれに近いSiのX1及びX2の位置に生成させる
ことが好ましく、従つてX1及びX2の1/2ないし全部を
加水分解して−OHを生成せしめることが好ましい。従
つてこのような加水分解に有効な水の最大量すなわちX
1及びX2の全部を加水分解するために消費される水量は
(D2×m+E)モルであり、X1及びX2の1/2を加水分
解するために消費される水量は(D2×m+E)×1/2モ
ルである(X2が水酸基であるときはその分の水量を減
量する)。
単に不活性化合物となつて反応溶媒中に溶存するだけで
あるが、その他のシロキサン結合は網状組織を構成し或
は高分子中のSi含量を多くするので、得られるポリイミ
ドシロキサン前駆体において相当量のシロキサン結合が
X1及びX2の位置に生成しているばかりでなく、この前
駆体を焼成したときに最終的にシロキサン結合をすべて
のまたはそれに近いSiのX1及びX2の位置に生成させる
ことが好ましく、従つてX1及びX2の1/2ないし全部を
加水分解して−OHを生成せしめることが好ましい。従
つてこのような加水分解に有効な水の最大量すなわちX
1及びX2の全部を加水分解するために消費される水量は
(D2×m+E)モルであり、X1及びX2の1/2を加水分
解するために消費される水量は(D2×m+E)×1/2モ
ルである(X2が水酸基であるときはその分の水量を減
量する)。
上記加水分解で消費される水の少なくとも一部はポリア
ミド酸がイミド化するときに発生する水でまかなわれ
る。その発生水量はイミド化率をaとすれば2A×a×
1/100モルである。従つて第2段階の反応に際して
第1段階反応終了液に添加する水量は〔{(D2×m+
E)×1/2〜(D2×m+E)}−2A×a×1/10
0〕モルとなるが、更に使用する反応溶媒に含有される
水分も無視できないときはこの水分量も考慮する必要が
ある。このように第2段階の反応に当つて添加を要する
水分量はイミド化により発生する水量、反応溶媒が含有
する水分量、更にはシロキサン結合量によつて変わり、
イミド化により発生する水や溶媒含有水分量によつては
水の添加を必要としない場合もある。シリル化剤は後記
するように中間体F同士がその末端でシロキサン結合し
て無限に高分子化することを避けるための分子量制御に
使用される。式(16)はシリル化剤の使用量EモルがE/
(D2×m)として0.01以上であることを示しており、
これが0.01未満のときは中間体Fの両末端で縮合反応が
進行してシロキサン結合によりポリマーが三次元化して
分子量が巨大になり、溶液が流動性を失つていわゆるゲ
ル化を起すので好ましくない。
ミド酸がイミド化するときに発生する水でまかなわれ
る。その発生水量はイミド化率をaとすれば2A×a×
1/100モルである。従つて第2段階の反応に際して
第1段階反応終了液に添加する水量は〔{(D2×m+
E)×1/2〜(D2×m+E)}−2A×a×1/10
0〕モルとなるが、更に使用する反応溶媒に含有される
水分も無視できないときはこの水分量も考慮する必要が
ある。このように第2段階の反応に当つて添加を要する
水分量はイミド化により発生する水量、反応溶媒が含有
する水分量、更にはシロキサン結合量によつて変わり、
イミド化により発生する水や溶媒含有水分量によつては
水の添加を必要としない場合もある。シリル化剤は後記
するように中間体F同士がその末端でシロキサン結合し
て無限に高分子化することを避けるための分子量制御に
使用される。式(16)はシリル化剤の使用量EモルがE/
(D2×m)として0.01以上であることを示しており、
これが0.01未満のときは中間体Fの両末端で縮合反応が
進行してシロキサン結合によりポリマーが三次元化して
分子量が巨大になり、溶液が流動性を失つていわゆるゲ
ル化を起すので好ましくない。
またE/(D2×m)が1を超えてシリル化剤を添加す
る必要は特にない。
る必要は特にない。
第2段階の反応温度が60℃未満では反応が遅くて実際
的でなく、本発明では60℃以上でも何ら異常な反応を
招来することなく実施できるのであり、200℃以上は
必要でない。第2段階の反応の実施に当たり、第三級ア
ミンのようなイミド化反応促進剤を添加することもでき
るが、本発明においてはイミド化で発生する水は直ちに
加水分解に消費されて反応の方向をイミド化に向け、イ
ミド化反応は速やかに進行するので、イミド化反応促進
剤の添加は必要でない。加水分解反応を促進させるため
の酸触媒等は添加することも可能であるが、後に残存す
る場合の悪影響を考慮して添加しない方が好ましい。
的でなく、本発明では60℃以上でも何ら異常な反応を
招来することなく実施できるのであり、200℃以上は
必要でない。第2段階の反応の実施に当たり、第三級ア
ミンのようなイミド化反応促進剤を添加することもでき
るが、本発明においてはイミド化で発生する水は直ちに
加水分解に消費されて反応の方向をイミド化に向け、イ
ミド化反応は速やかに進行するので、イミド化反応促進
剤の添加は必要でない。加水分解反応を促進させるため
の酸触媒等は添加することも可能であるが、後に残存す
る場合の悪影響を考慮して添加しない方が好ましい。
第2段階の反応においてはシリル化剤を反応させること
により反応液をゲル化させることなくイミド化反応及び
シロキサン縮合反応を円滑に進行せしめ、そしてシリル
化剤の使用量及び反応条件をそれぞれ前記の範囲内で変
えることにより反応液の粘度すなわち前駆体の分子量を
自由にコントロールすることができる。このようにし
て、0.05〜5d/gと言う適度な対数粘度数従つて適
度な分子量を有して溶媒に可溶性であつてしかもイミド
化率が50%以上に達するオリゴマーないしはポリマー
の可溶性ポリイミドシロキサン前駆体が得られる。対数
粘度数が0.05d/g未満の場合は塗布液の塗布状態が
良好でなく、従つてまた塗膜形成が充分でなく、5d
/gを超える場合は溶解困難又は不溶性となつて実用に
供し得ない。
により反応液をゲル化させることなくイミド化反応及び
シロキサン縮合反応を円滑に進行せしめ、そしてシリル
化剤の使用量及び反応条件をそれぞれ前記の範囲内で変
えることにより反応液の粘度すなわち前駆体の分子量を
自由にコントロールすることができる。このようにし
て、0.05〜5d/gと言う適度な対数粘度数従つて適
度な分子量を有して溶媒に可溶性であつてしかもイミド
化率が50%以上に達するオリゴマーないしはポリマー
の可溶性ポリイミドシロキサン前駆体が得られる。対数
粘度数が0.05d/g未満の場合は塗布液の塗布状態が
良好でなく、従つてまた塗膜形成が充分でなく、5d
/gを超える場合は溶解困難又は不溶性となつて実用に
供し得ない。
以上の如く第1段階の反応に次いで第2段階の反応を行
なうことによりイミド化率50%以上で且つ固有粘度が
0.05〜5d/gの可溶性ポリイミドシロキサン前駆体
を得ることができる。
なうことによりイミド化率50%以上で且つ固有粘度が
0.05〜5d/gの可溶性ポリイミドシロキサン前駆体
を得ることができる。
上記反応方法によれば、第1段階の反応においてテトラ
カルボン酸二無水物とジアミンとアミノシリコン化合物
とから低温で得られた両末端にアミノシリコン化合物を
結合したポリアミドカルボン酸(中間体F)を第2段階
の反応においてシリル化剤の存在下に加熱してイミド化
すると共に加水分解及びシロキサン縮合反応を行なつて
も、反応液がゲル化を起すことなく反応は円滑に進行す
る。これはシリル化剤が反応に関与してシロキサン縮合
することにより、中間体F間のSi活性点を不活性化して
中間体F間の無限のシロキサン縮合を停止させるからで
ある。この点を一例の反応式を用いて説明すると以下の
如くである。以下の例では記述を簡単にするためアミノ
シリコン化合物としてH2N-R3-Si(OEt)3(ここにOEtは
エトキシ基を表わす)を使用し、イミド化率を100%
とし、シリル化剤として(CH3)3Si(OC2H5)を使用する。
テトラカルボン酸二無水物とジアミンとは の如く反応するが、この生成物の両末端にH2N-R3-Si(OE
t)3の1分子ずつが反応して下記式(19)で示す中間体F
が生成する。
カルボン酸二無水物とジアミンとアミノシリコン化合物
とから低温で得られた両末端にアミノシリコン化合物を
結合したポリアミドカルボン酸(中間体F)を第2段階
の反応においてシリル化剤の存在下に加熱してイミド化
すると共に加水分解及びシロキサン縮合反応を行なつて
も、反応液がゲル化を起すことなく反応は円滑に進行す
る。これはシリル化剤が反応に関与してシロキサン縮合
することにより、中間体F間のSi活性点を不活性化して
中間体F間の無限のシロキサン縮合を停止させるからで
ある。この点を一例の反応式を用いて説明すると以下の
如くである。以下の例では記述を簡単にするためアミノ
シリコン化合物としてH2N-R3-Si(OEt)3(ここにOEtは
エトキシ基を表わす)を使用し、イミド化率を100%
とし、シリル化剤として(CH3)3Si(OC2H5)を使用する。
テトラカルボン酸二無水物とジアミンとは の如く反応するが、この生成物の両末端にH2N-R3-Si(OE
t)3の1分子ずつが反応して下記式(19)で示す中間体F
が生成する。
この中間体Fは加熱により次式(20)に示す如くイミド化
すると共に水を放出する。
すると共に水を放出する。
(以下式(20)中破線で囲んだ部分をGと表わす)ここに
生成した水を含めて反応液中に存在せしめられた水は、
直ちに式(20)に示す新たな中間体の末端のSi(OEt)3の一
部または全部と反応して次式(21)に示す中間体Jを生成
せしめる。
生成した水を含めて反応液中に存在せしめられた水は、
直ちに式(20)に示す新たな中間体の末端のSi(OEt)3の一
部または全部と反応して次式(21)に示す中間体Jを生成
せしめる。
(OEt)3-y(OH)ySiR3-G-R3-Si(OH)x(OEt)3-x (中間体J) ・・・(21) ここに生成した中間体J中の は他の中間体Jの と次式 または の如くシロキサン縮合反応を容易に起こす。従つて中間
体Jは両末端に3個づつ合計6個(本例の場合)の活性
点を有するモノマーとして考えることができる。従つて
若しシリル化剤を存在せしめないで中間体Jを加熱する
と、一部の活性点には未反応で残るものはありながらも
他の活性点において例えば次式の如く次々にシロキサン
縮合反応が起こつて架橋構造を形成すると共に分子量は
巨大になる。
体Jは両末端に3個づつ合計6個(本例の場合)の活性
点を有するモノマーとして考えることができる。従つて
若しシリル化剤を存在せしめないで中間体Jを加熱する
と、一部の活性点には未反応で残るものはありながらも
他の活性点において例えば次式の如く次々にシロキサン
縮合反応が起こつて架橋構造を形成すると共に分子量は
巨大になる。
そしてこの反応は急激に起こり制御は不可能であるか
ら、反応液はたちまちゲル化してしまうのである。従つ
て前記した如く従来技術においてはイミド化をしないか
するにしても水の存在を極力なくすように例えば脱水剤
等を使用して低温でイミド化を行なつていたのである。
ら、反応液はたちまちゲル化してしまうのである。従つ
て前記した如く従来技術においてはイミド化をしないか
するにしても水の存在を極力なくすように例えば脱水剤
等を使用して低温でイミド化を行なつていたのである。
しかしながら本発明方法では第2段階の反応においてシ
リル化剤を存在せしめることにより、例えば次式(24)に
示す如くSiの活性点の1部を不活性化するのである。
リル化剤を存在せしめることにより、例えば次式(24)に
示す如くSiの活性点の1部を不活性化するのである。
このようにシリル化剤とシロキサン縮合反応を起した活
性点は不活性化されて以後のシロキサン縮合反応は停止
される。従つて生成する架橋数は制限されると共に分子
量の巨大化も防止されて反応液はゲル化することもなく
反応は円滑に進行するのである。そしてシリル化剤の使
用量や反応条件を調整して上記の反応で得られたポリイ
ミドシロキサン前駆体は既にイミド化が50%以上に進
行していると共に分子量も対数粘度数で示して0.05〜5
d/gのものであつて溶媒に可溶であり、またSi含量
が多くなつているのである。
性点は不活性化されて以後のシロキサン縮合反応は停止
される。従つて生成する架橋数は制限されると共に分子
量の巨大化も防止されて反応液はゲル化することもなく
反応は円滑に進行するのである。そしてシリル化剤の使
用量や反応条件を調整して上記の反応で得られたポリイ
ミドシロキサン前駆体は既にイミド化が50%以上に進
行していると共に分子量も対数粘度数で示して0.05〜5
d/gのものであつて溶媒に可溶であり、またSi含量
が多くなつているのである。
本発明におけるポリイミドシロキサン前駆体(以下、単
に前駆体と略称することがある)は電子機器分野におけ
る保護材料、絶縁材料、接着剤、フイルム、構造材等を
与える架橋ポリイミドシロキサンの前駆体として広く使
用することができる。殆んどの場合、ワニス等の如く溶
媒に溶解した溶液の状態で使用されるから、前記方法で
得られた溶液を濃縮または溶媒で希釈して(以下、この
ような溶液を前駆体溶液と言うことがある)使用するの
が良い。溶媒としては反応溶媒と同じものを使用するこ
とができる。例えば電子材料保護材用として使用する場
合、前駆体溶液を必要に応じて固体の吸着剤等を使用し
てイオン性物質を除去し、さらに1μm以下のフイルタ
ーにより微小な固体不純物を除去して塗布液として使用
することができる。この塗布液の濃度は必要とする塗膜
の厚さにより決められるが、40重量%以下が好まし
く、特に0.3〜25重量%の範囲が実際に使用する上で
好ましい場合が多い。塗布液は常法に従いスピンナー等
でシリコンウエハー、ガラス等に均一に塗布し焼成す
る。焼成条件は使用する溶媒、塗膜の厚さ等により多少
異なるが、50〜450℃、好ましくは100〜300
℃で0.5〜1.5時間位の比較的短時間焼成することで充分
である。このような焼成により、イミド化率が100%
未満の前駆体は100%になり、分子量が未だそれ程大
きくなく溶媒に可溶性の前駆体がシロキサン結合による
架橋が増加して溶媒不溶性の無限網状組織となり、本発
明に系る架橋ポリイミドシロキサンとなり、前駆体溶液
が呈していた透明な淡黄色が例えば透明な茶色(厚さ数
μm以下のウス物では淡黄色〜無色)となつて非常に硬
くて高耐熱性の皮膜を形成するのである。
に前駆体と略称することがある)は電子機器分野におけ
る保護材料、絶縁材料、接着剤、フイルム、構造材等を
与える架橋ポリイミドシロキサンの前駆体として広く使
用することができる。殆んどの場合、ワニス等の如く溶
媒に溶解した溶液の状態で使用されるから、前記方法で
得られた溶液を濃縮または溶媒で希釈して(以下、この
ような溶液を前駆体溶液と言うことがある)使用するの
が良い。溶媒としては反応溶媒と同じものを使用するこ
とができる。例えば電子材料保護材用として使用する場
合、前駆体溶液を必要に応じて固体の吸着剤等を使用し
てイオン性物質を除去し、さらに1μm以下のフイルタ
ーにより微小な固体不純物を除去して塗布液として使用
することができる。この塗布液の濃度は必要とする塗膜
の厚さにより決められるが、40重量%以下が好まし
く、特に0.3〜25重量%の範囲が実際に使用する上で
好ましい場合が多い。塗布液は常法に従いスピンナー等
でシリコンウエハー、ガラス等に均一に塗布し焼成す
る。焼成条件は使用する溶媒、塗膜の厚さ等により多少
異なるが、50〜450℃、好ましくは100〜300
℃で0.5〜1.5時間位の比較的短時間焼成することで充分
である。このような焼成により、イミド化率が100%
未満の前駆体は100%になり、分子量が未だそれ程大
きくなく溶媒に可溶性の前駆体がシロキサン結合による
架橋が増加して溶媒不溶性の無限網状組織となり、本発
明に系る架橋ポリイミドシロキサンとなり、前駆体溶液
が呈していた透明な淡黄色が例えば透明な茶色(厚さ数
μm以下のウス物では淡黄色〜無色)となつて非常に硬
くて高耐熱性の皮膜を形成するのである。
本発明方法により得られる架橋ポリイミドシロキサンは
液晶配向剤としても良い結果を示す。すなわち、ガラス
板に液晶を塗り、その上に前駆体を塗つて焼成後ラツビ
ング(rubbing)することにより、液晶を一定方向に配向
させることができる。
液晶配向剤としても良い結果を示す。すなわち、ガラス
板に液晶を塗り、その上に前駆体を塗つて焼成後ラツビ
ング(rubbing)することにより、液晶を一定方向に配向
させることができる。
電子材料用途以外の用途としては、例えば、耐熱性接着
剤、各種フイルム、繊維、圧縮成形品、積層材料等であ
る。前駆体溶液に安定剤、添加剤あるいは充填剤等を添
加し成形することも当然可能である。焼成温度としては
大部分の用途に於いて50〜250℃の比較的低温で行
なうことができるが、厚手の成形品の焼成あるいは焼成
時間の短縮のため、より高い温度、例えば250〜45
0℃での焼成も可能である。焼成により溶媒は飛散する
とともに前駆体中に残存するアミド酸のイミドへの転換
及びシロキサン縮合反応の進行により架橋、硬化し本発
明の架橋ポリイミドシロキサンが得られる。
剤、各種フイルム、繊維、圧縮成形品、積層材料等であ
る。前駆体溶液に安定剤、添加剤あるいは充填剤等を添
加し成形することも当然可能である。焼成温度としては
大部分の用途に於いて50〜250℃の比較的低温で行
なうことができるが、厚手の成形品の焼成あるいは焼成
時間の短縮のため、より高い温度、例えば250〜45
0℃での焼成も可能である。焼成により溶媒は飛散する
とともに前駆体中に残存するアミド酸のイミドへの転換
及びシロキサン縮合反応の進行により架橋、硬化し本発
明の架橋ポリイミドシロキサンが得られる。
以下、実施例によつて本発明を更に具体的に説明する。
参考例1 攪拌装置、滴下ロート、温度計、コンデンサーおよび窒
素置換装置を付した1のフラスコを冷水中に固定し
た。フラスコ内を窒素ガスにより置換した後、脱水精製
した500mのN−メチル−2−ピロリドン、16.236
g(0.0733モル)の3−アミノプロピルトリエトキシシ
ラン、22.025g(0.110モル)の4,4′−ジアミノジ
フエニルエーテル及び4.3338g(0.0367モル)のトリメ
チルエトキシシランを投入しかくはんを続け溶解させ
た。この溶液に31.990g(0.147モル)の粉末状ピロメ
リツト酸二無水物を滴下ロートから徐々に30分間かけ
て前記フラスコ内に投入し、反応を続けた。この間反応
温度は3〜8℃であつた。さらにこの温度で2時間反応
を続けた。その後昇温し25〜30℃で1時間反応させ
た。以上の第1段階の反応により25℃での回転粘度が
23センチポイズである淡黄色の透明液が得られた。こ
こで回転粘度とはE型粘度計(株式会社東京計器製VISC
ONIC EMD)を使用して温度25℃で測定した粘度である
(以下同じ)。次いで第2段階の反応としてこの反応液
を更に昇温し、100℃で9時間反応させた。この結
果、25℃での回転粘度が130センチポイズの淡褐色
の透明液である可溶性ポリイミドシロキサン前駆体溶液
が得られた。この前駆体溶液の1部をとり常温減圧下に
乾燥して淡褐色の固形物状の前駆体を得、そのイミド化
率を赤外線吸収スペクトルから定量したところ81%で
あり、また対数粘度数は0.51であつた。第1図は本例で
得た前駆体の赤外線吸収スペクトル図である。第1図に
はイミド基の吸収スペクトル(5.63μm及び13.85μ
m)が明瞭に存在し、アミド酸の吸収スペクトル(N−
Hバンド3.08μm)は消失しているのが見られる。
素置換装置を付した1のフラスコを冷水中に固定し
た。フラスコ内を窒素ガスにより置換した後、脱水精製
した500mのN−メチル−2−ピロリドン、16.236
g(0.0733モル)の3−アミノプロピルトリエトキシシ
ラン、22.025g(0.110モル)の4,4′−ジアミノジ
フエニルエーテル及び4.3338g(0.0367モル)のトリメ
チルエトキシシランを投入しかくはんを続け溶解させ
た。この溶液に31.990g(0.147モル)の粉末状ピロメ
リツト酸二無水物を滴下ロートから徐々に30分間かけ
て前記フラスコ内に投入し、反応を続けた。この間反応
温度は3〜8℃であつた。さらにこの温度で2時間反応
を続けた。その後昇温し25〜30℃で1時間反応させ
た。以上の第1段階の反応により25℃での回転粘度が
23センチポイズである淡黄色の透明液が得られた。こ
こで回転粘度とはE型粘度計(株式会社東京計器製VISC
ONIC EMD)を使用して温度25℃で測定した粘度である
(以下同じ)。次いで第2段階の反応としてこの反応液
を更に昇温し、100℃で9時間反応させた。この結
果、25℃での回転粘度が130センチポイズの淡褐色
の透明液である可溶性ポリイミドシロキサン前駆体溶液
が得られた。この前駆体溶液の1部をとり常温減圧下に
乾燥して淡褐色の固形物状の前駆体を得、そのイミド化
率を赤外線吸収スペクトルから定量したところ81%で
あり、また対数粘度数は0.51であつた。第1図は本例で
得た前駆体の赤外線吸収スペクトル図である。第1図に
はイミド基の吸収スペクトル(5.63μm及び13.85μ
m)が明瞭に存在し、アミド酸の吸収スペクトル(N−
Hバンド3.08μm)は消失しているのが見られる。
比較参考例1 参考例1においてトリメチルエトキシシランを添加しな
い以外は同様の装置及び方法で第1段階の反応を行な
い、さらに100℃に昇温したところ50分で反応液は
ゲル化した。
い以外は同様の装置及び方法で第1段階の反応を行な
い、さらに100℃に昇温したところ50分で反応液は
ゲル化した。
比較参考例2 参考例1と同様にして得られた第1段階反応終了液(回
転粘度23センチポイズ)の1部(200m)を採取
し、あらかじめ窒素置換していた参考例1と同様のフラ
スコ中で40℃で9時間反応させた。この結果25℃で
の回転粘度が19センチポイズの淡黄色透明のワニスが
得られた。このポリマーのイミド化率は5%以下であつ
た。
転粘度23センチポイズ)の1部(200m)を採取
し、あらかじめ窒素置換していた参考例1と同様のフラ
スコ中で40℃で9時間反応させた。この結果25℃で
の回転粘度が19センチポイズの淡黄色透明のワニスが
得られた。このポリマーのイミド化率は5%以下であつ
た。
比較参考例3 参考例1と同様の装置及び方法で18.779g(0.0938モ
ル)の4,4′−ジアミノジフエニルエーテル、20.764
g(0.0938モル)の3−アミノプロピルトリエトキシシ
ラン及び5.548g(0.0469モル)のトリメチルエトキシ
シランを500mのN−メチル−2−ピロリドン中に
溶解させ、これに30.685g(0.141モル)のピロメリツ
ト酸二無水物を反応液を5〜10℃に保ちながら30分
間で添加し、この温度で1時間さらに40〜45℃で1
時間反応させ均一液を得た。この反応液に30.627g(0.
300モル)の無水酢酸を投入し、100℃で5時間反応
させた。
ル)の4,4′−ジアミノジフエニルエーテル、20.764
g(0.0938モル)の3−アミノプロピルトリエトキシシ
ラン及び5.548g(0.0469モル)のトリメチルエトキシ
シランを500mのN−メチル−2−ピロリドン中に
溶解させ、これに30.685g(0.141モル)のピロメリツ
ト酸二無水物を反応液を5〜10℃に保ちながら30分
間で添加し、この温度で1時間さらに40〜45℃で1
時間反応させ均一液を得た。この反応液に30.627g(0.
300モル)の無水酢酸を投入し、100℃で5時間反応
させた。
この結果、25℃での回転粘度が11センチポイズであ
る淡褐色の透明液が得られた。このポリマーの対数粘度
数は0.03でありイミド化率は100%であつた。
る淡褐色の透明液が得られた。このポリマーの対数粘度
数は0.03でありイミド化率は100%であつた。
比較参考例4 参考例1と同様の装置及び方法で31.261g(0.156モ
ル)の4,4′−ジアミノジフエニルエーテル及び3.29
2g(0.0149モル)の3−アミノプロピルトリエトキシ
シランを500mのN−メチル−2−ピロリドン中に
溶解させ、この溶液を3〜8℃に保ちながらこれに35.6
76g(0.164モル)の二無水ピロメリツト酸を1時間で
添加し、この温度で2時間さらに40〜45℃で1時間
反応させ淡黄色の透明液を得た。
ル)の4,4′−ジアミノジフエニルエーテル及び3.29
2g(0.0149モル)の3−アミノプロピルトリエトキシ
シランを500mのN−メチル−2−ピロリドン中に
溶解させ、この溶液を3〜8℃に保ちながらこれに35.6
76g(0.164モル)の二無水ピロメリツト酸を1時間で
添加し、この温度で2時間さらに40〜45℃で1時間
反応させ淡黄色の透明液を得た。
このワニスの25℃での回転粘度は380センチポイズ
であり、このポリマーは対数粘度数が0.66でイミド化率
は5%以下であつた。
であり、このポリマーは対数粘度数が0.66でイミド化率
は5%以下であつた。
参考例2 参考例1と同様の装置及び方法で41.572g(0.208モ
ル)の4,4′−ジアミノジフエニルエーテル、88.571
g(0.415モル)のp−アミノフエニルトリメトキシシ
ラン及び98.189g(0.830モル)のトリメチルエトキシ
シランを500mのN−メチル−2−ピロリドン中に
溶解させ、この溶液を3〜8℃に保ちながらこれに90.5
73g(0.415モル)のピロメリツト酸二無水物を30分
間で添加し、この温度で2時間、さらに45〜50℃で
1時間反応させて均一液を得た。この第1段階反応終了
液をさらに昇温させ120℃で5時間さらに3.744g
(0.208モル)の水を添加して3時間第2段階の反応を
行なつた。この結果、25℃での回転粘度が61センチ
ポイズである淡褐色の透明なポリイミドシロキサン前駆
体の溶液が得られた。この前駆体の対数粘度数は0.063
でありイミド化率は95%であつた。
ル)の4,4′−ジアミノジフエニルエーテル、88.571
g(0.415モル)のp−アミノフエニルトリメトキシシ
ラン及び98.189g(0.830モル)のトリメチルエトキシ
シランを500mのN−メチル−2−ピロリドン中に
溶解させ、この溶液を3〜8℃に保ちながらこれに90.5
73g(0.415モル)のピロメリツト酸二無水物を30分
間で添加し、この温度で2時間、さらに45〜50℃で
1時間反応させて均一液を得た。この第1段階反応終了
液をさらに昇温させ120℃で5時間さらに3.744g
(0.208モル)の水を添加して3時間第2段階の反応を
行なつた。この結果、25℃での回転粘度が61センチ
ポイズである淡褐色の透明なポリイミドシロキサン前駆
体の溶液が得られた。この前駆体の対数粘度数は0.063
でありイミド化率は95%であつた。
参考例3 参考例1と同様の装置及び方法で16.576g(0.0828モ
ル)の4,4′−ジアミノジフエニルエーテル、12.219
g(0.0552モル)の3−アミノプロピルトリエトキシシ
ラン及び2.876g(0.0276モル)のトリメチルメトキシ
シランを500mのN,N−ジメチルホルムアミド中
に溶解させ、この溶液を5〜10℃に保ちながらこれに
35.568g(0.110モル)の3,3′,4,4′−ベンゾ
フエノンテトラカルボン酸二無水物を30分間で添加
し、この温度で1時間、さらに40〜45℃で1時間反
応させて均一液を得た。この第1段階反応終了液を昇温
させ90℃で22時間第2段階の反応を行なつた。この
結果、25℃での回転粘度が97センチポイズである淡
褐色の透明なポリイミドシロキサン前駆体の溶液が得ら
れた。この前駆体の対数粘度数は0.46であり、イミド化
率は68%であつた。
ル)の4,4′−ジアミノジフエニルエーテル、12.219
g(0.0552モル)の3−アミノプロピルトリエトキシシ
ラン及び2.876g(0.0276モル)のトリメチルメトキシ
シランを500mのN,N−ジメチルホルムアミド中
に溶解させ、この溶液を5〜10℃に保ちながらこれに
35.568g(0.110モル)の3,3′,4,4′−ベンゾ
フエノンテトラカルボン酸二無水物を30分間で添加
し、この温度で1時間、さらに40〜45℃で1時間反
応させて均一液を得た。この第1段階反応終了液を昇温
させ90℃で22時間第2段階の反応を行なつた。この
結果、25℃での回転粘度が97センチポイズである淡
褐色の透明なポリイミドシロキサン前駆体の溶液が得ら
れた。この前駆体の対数粘度数は0.46であり、イミド化
率は68%であつた。
参考例4 参考例1と同様の装置及び方法で26.350g(0.132モ
ル)の4,4′−ジアミノジフエニルエーテル、9.433
g(0.0526モル)の3−アミノプロピルトリメトキシシ
ラン及び3.477g(0.0263モル)のトリメチルアセトキ
シシランを500mのN−メチル−2−ピロリドン中
に溶解させ、この溶液を5〜10℃に保ちながらこれに
34.445g(0.158モル)のピロメリツト酸二無水物を3
0分間で添加し、この温度で3時間、さらに45〜50
℃で30分間反応させて均一液を得た。この第1段階反
応終了液をさらに昇温させ100℃で10時間第2段階
の反応を行なつた。この結果、25℃での回転粘度が4
30センチポイズである淡褐色の透明なポリイミドシロ
キサン前駆体の溶液が得られた。この前駆体の対数粘度
数は0.72でありイミド化率は57%であつた。
ル)の4,4′−ジアミノジフエニルエーテル、9.433
g(0.0526モル)の3−アミノプロピルトリメトキシシ
ラン及び3.477g(0.0263モル)のトリメチルアセトキ
シシランを500mのN−メチル−2−ピロリドン中
に溶解させ、この溶液を5〜10℃に保ちながらこれに
34.445g(0.158モル)のピロメリツト酸二無水物を3
0分間で添加し、この温度で3時間、さらに45〜50
℃で30分間反応させて均一液を得た。この第1段階反
応終了液をさらに昇温させ100℃で10時間第2段階
の反応を行なつた。この結果、25℃での回転粘度が4
30センチポイズである淡褐色の透明なポリイミドシロ
キサン前駆体の溶液が得られた。この前駆体の対数粘度
数は0.72でありイミド化率は57%であつた。
参考例5 参考例1と同様の装置及び方法で10.603g(0.0780モ
ル)のm−キシリレンジアミン、11.507g(0.0520モ
ル)の3−アミノプロピルトリエトキシシラン及び1.53
8g(0.0130モル)のトリメチルエトキシシランを50
0mのN−メチル−2−ピロリドン中に溶解させ、こ
の溶液を5〜10℃に保ちながらこれに22.673g(0.10
4モル)のピロメリツト酸二無水物を30分間で添加
し、この温度で1時間、さらに30〜35℃で1時間反
応させて均一液を得た。この第1段階反応終了液を昇温
させて100℃で7時間第2段階の反応を行なつた。こ
の結果、25℃での回転粘度が41センチポイズである
淡褐色の透明なポリイミドシロキサン前駆体の溶液が得
られた。この前駆体の対数粘度数は0.56でありイミド化
率は84%であつた。
ル)のm−キシリレンジアミン、11.507g(0.0520モ
ル)の3−アミノプロピルトリエトキシシラン及び1.53
8g(0.0130モル)のトリメチルエトキシシランを50
0mのN−メチル−2−ピロリドン中に溶解させ、こ
の溶液を5〜10℃に保ちながらこれに22.673g(0.10
4モル)のピロメリツト酸二無水物を30分間で添加
し、この温度で1時間、さらに30〜35℃で1時間反
応させて均一液を得た。この第1段階反応終了液を昇温
させて100℃で7時間第2段階の反応を行なつた。こ
の結果、25℃での回転粘度が41センチポイズである
淡褐色の透明なポリイミドシロキサン前駆体の溶液が得
られた。この前駆体の対数粘度数は0.56でありイミド化
率は84%であつた。
参考例6 参考例1と同様の装置で24.567g(0.123モル)の4,
4′−ジアミノジフエニルエーテル及び26.171g(0.12
3モル)のp−アミノフエニルトリメトキシシランを5
00mのN−メチル−2−ピロリドン中に溶解させ、
この溶液を5〜10℃に保ちながらこれに40.144g(0.
184モル)のピロメリツト酸二無水物を40分間で添加
し、この温度で2時間、さらに45〜50℃で1時間反
応させて均一液を得た。この第1段階反応終了液に3.63
8g(0.0308モル)のトリメチルエトキシシランを添加
した後昇温させ、100℃で5時間第2段階の反応を行
なつた。この結果、25℃での回転粘度が110センチ
ポイズである淡褐色の透明なポリイミドシロキサン前駆
体の溶液が得られた。
4′−ジアミノジフエニルエーテル及び26.171g(0.12
3モル)のp−アミノフエニルトリメトキシシランを5
00mのN−メチル−2−ピロリドン中に溶解させ、
この溶液を5〜10℃に保ちながらこれに40.144g(0.
184モル)のピロメリツト酸二無水物を40分間で添加
し、この温度で2時間、さらに45〜50℃で1時間反
応させて均一液を得た。この第1段階反応終了液に3.63
8g(0.0308モル)のトリメチルエトキシシランを添加
した後昇温させ、100℃で5時間第2段階の反応を行
なつた。この結果、25℃での回転粘度が110センチ
ポイズである淡褐色の透明なポリイミドシロキサン前駆
体の溶液が得られた。
この前駆体の対数粘度数は0.33でありイミド化率は78
%であつた。
%であつた。
参考例7 参考例1と同様の装置及び方法で27.889g(0.139モ
ル)の4,4′−ジアミノジフエニルエーテル、7.617
g(0.0398モル)の3−アミノプロピルメチルジエトキ
シシラン及び1.177g(0.0099モル)のトリメチルエト
キシシランを500mのN−メチル−2−ピロリドン
中に溶解させ、この溶液を5〜10℃に保ちながらこれ
に34.721g(0.159モル)のピロメリツト酸二無水物を
30分間で添加し、この温度で2.5時間、さらに30〜
35℃で2時間反応させて均一液を得た。この第1段階
反応終了液を昇温させ100℃で12時間第2段階の反
応を行なつた。この結果、25℃での回転粘度が2,170
センチポイズの淡褐色の透明なポリイミドシロキサン前
駆体の溶液が得られた。この前駆体の対数粘度数は1.56
でありイミド化率は52%であつた。
ル)の4,4′−ジアミノジフエニルエーテル、7.617
g(0.0398モル)の3−アミノプロピルメチルジエトキ
シシラン及び1.177g(0.0099モル)のトリメチルエト
キシシランを500mのN−メチル−2−ピロリドン
中に溶解させ、この溶液を5〜10℃に保ちながらこれ
に34.721g(0.159モル)のピロメリツト酸二無水物を
30分間で添加し、この温度で2.5時間、さらに30〜
35℃で2時間反応させて均一液を得た。この第1段階
反応終了液を昇温させ100℃で12時間第2段階の反
応を行なつた。この結果、25℃での回転粘度が2,170
センチポイズの淡褐色の透明なポリイミドシロキサン前
駆体の溶液が得られた。この前駆体の対数粘度数は1.56
でありイミド化率は52%であつた。
参考例8 参考例1と同様の装置及び方法で30.575g(0.195モ
ル)の4,4′−ジアミノジフエニルメタン、10.769g
(0.0486モル)の3−アミノプロピルトリエトキシシラ
ン、7.846g(0.0486モル)の3−アミノプロピルジメ
チルエトキシシラン及び4.312g(0.0365モル)のトリ
メチルエトキシシランを500mのN−メチル−2−
ピロリドン中に溶解させ、この溶液を5〜10℃に保ち
ながらこれに71.553g(0.243モル)3,3′、4,
4′−ビフエニルテトラカルボン酸二無水物を30分間
で添加し、この温度で1時間、さらに50〜55℃で2
時間反応させ均一液を得た。
ル)の4,4′−ジアミノジフエニルメタン、10.769g
(0.0486モル)の3−アミノプロピルトリエトキシシラ
ン、7.846g(0.0486モル)の3−アミノプロピルジメ
チルエトキシシラン及び4.312g(0.0365モル)のトリ
メチルエトキシシランを500mのN−メチル−2−
ピロリドン中に溶解させ、この溶液を5〜10℃に保ち
ながらこれに71.553g(0.243モル)3,3′、4,
4′−ビフエニルテトラカルボン酸二無水物を30分間
で添加し、この温度で1時間、さらに50〜55℃で2
時間反応させ均一液を得た。
その後この第1段階反応終了液をさらに昇温させ、10
0℃で6時間第2段階の反応を行なつた。
0℃で6時間第2段階の反応を行なつた。
この結果、25℃での回転粘度が3,200センチポイズで
ある淡褐色の透明なポリイミドシロキサン前駆体の溶液
が得られた。この前駆体の対数粘度数は1.21であり、イ
ミド化率は73%であつた。
ある淡褐色の透明なポリイミドシロキサン前駆体の溶液
が得られた。この前駆体の対数粘度数は1.21であり、イ
ミド化率は73%であつた。
参考例9 参考例1と同様の装置及び方法で35.350g(0.167モ
ル)の4,4′−ジアミノベンゾフエノン、11.938g
(0.0666モル)の3−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン及び5.909g(0.0500モル)のトリメチルn−プロポ
キシシランを500mのN−メチル−2−ピロリドン
中に溶解させ、この溶液を5〜10℃に保ちながらこれ
に43.592g(0.200モル)のピロメリツト酸二無水物を
30分間で添加し、この温度で2時間さらに40〜45
℃で1時間反応させ均一液を得た。その後この第1段階
反応終了液をさらに昇温させ100℃で7時間第2段階
の反応を行なつた。この結果、25℃での回転粘度が6
80センチポイズである淡褐色の透明なポリイミドシロ
キサン前駆体の溶液が得られた。この前駆体の対数粘度
数は0.69であり、イミド化率は67%であつた。
ル)の4,4′−ジアミノベンゾフエノン、11.938g
(0.0666モル)の3−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン及び5.909g(0.0500モル)のトリメチルn−プロポ
キシシランを500mのN−メチル−2−ピロリドン
中に溶解させ、この溶液を5〜10℃に保ちながらこれ
に43.592g(0.200モル)のピロメリツト酸二無水物を
30分間で添加し、この温度で2時間さらに40〜45
℃で1時間反応させ均一液を得た。その後この第1段階
反応終了液をさらに昇温させ100℃で7時間第2段階
の反応を行なつた。この結果、25℃での回転粘度が6
80センチポイズである淡褐色の透明なポリイミドシロ
キサン前駆体の溶液が得られた。この前駆体の対数粘度
数は0.69であり、イミド化率は67%であつた。
実施例1 次のような塗布焼成試験を行なつた。
各参考例で得られたポリイミドシロキサン前駆体の溶液
及び比較参考例2〜4で得られた最終の反応生成液を塗
布液として用い、これらを1μmのフイルターで過し
た後、スピンナーによりガラス板上に塗布し、さらに1
00℃、200℃または300℃で1時間焼成し、塗膜
の状況を観察した結果を第1表に示す。なお各参考例で
得られた第1段階反応終了液(イミド化前の溶液)を参
考比較例として該当する参考例と同一の番号で示し、こ
れらを用いて上記と同様に行なつた塗布・焼成試験結果
も併わせて示す。
及び比較参考例2〜4で得られた最終の反応生成液を塗
布液として用い、これらを1μmのフイルターで過し
た後、スピンナーによりガラス板上に塗布し、さらに1
00℃、200℃または300℃で1時間焼成し、塗膜
の状況を観察した結果を第1表に示す。なお各参考例で
得られた第1段階反応終了液(イミド化前の溶液)を参
考比較例として該当する参考例と同一の番号で示し、こ
れらを用いて上記と同様に行なつた塗布・焼成試験結果
も併わせて示す。
実施例2 次のような接着性試験を行なつた。
スライドガラスの表面に第2表に示す各種塗布液をスピ
ンナーにより塗布し、各々を100℃、200℃または
300℃で1時間焼成し、1〜2μmの塗膜を形成せし
めた。その後90℃、相対湿度95%に保たれた恒温恒
湿室中で4時間処理した後、得られた塗膜に切目を入れ
て一辺2mmの正方形の小片に細分し、その表面にセロハ
ンテープをはり付け直ちにはがした。そのときセロハン
テープとともにはがれた塗膜小片の数をはがす前の10
0個当たりの数で表わした。
ンナーにより塗布し、各々を100℃、200℃または
300℃で1時間焼成し、1〜2μmの塗膜を形成せし
めた。その後90℃、相対湿度95%に保たれた恒温恒
湿室中で4時間処理した後、得られた塗膜に切目を入れ
て一辺2mmの正方形の小片に細分し、その表面にセロハ
ンテープをはり付け直ちにはがした。そのときセロハン
テープとともにはがれた塗膜小片の数をはがす前の10
0個当たりの数で表わした。
結果を第2表に示す。
第1表及び第2表の結果から、本発明に係る前駆体は、
その溶液を塗布して後に行なう焼成の条件が低温(10
0〜200℃)かつ短時間(1時間程度)であつても充
分に強度と接着力のある塗膜を形成することが判る。
その溶液を塗布して後に行なう焼成の条件が低温(10
0〜200℃)かつ短時間(1時間程度)であつても充
分に強度と接着力のある塗膜を形成することが判る。
第1図は参考例1で得られた本発明における可溶性ポリ
イミドシロキサン前駆体の赤外線吸収スペクトル図であ
る。
イミドシロキサン前駆体の赤外線吸収スペクトル図であ
る。
Claims (1)
- 【請求項1】下記の式(1) −R3−(I)−[R2−(I)−]nR3− ・・・(1) [ここに(n+1)個の各(I)は独立に下記の式
(2)、(3)及び(4) のいずれかの構成単位を表し、かつR1は4価の炭素環
式芳香族基を表し、R2は炭素数2〜12個の脂肪族
基、炭素数4〜30個の脂環式基、炭素数6〜30個の
芳香脂肪族基、または炭素数6〜30個の炭素環式芳香
族基を表し、 R3は−(CH2)S−、 または (ただしsは1〜4の整数を示す)を表す。nはn≦1
8の値をとる。] で表されるイミド・アミド酸連鎖部が下記の式(5)−
SiR4 3-mY1 m-1−O−SiR4 3-mY1 m-1− ・・・(5) [ここに各R4は独立に炭素数1〜6のアルキル基、フ
ェニル基又は炭素数7〜12個のアルキル置換フェニル
基を表し、各Y1独立にアルコキシ基、アセトキシ基、
ハロゲン、水酸基、−(O)1/2−または下記の式
(6) R5R6R7Si−O− ・・・(6) {ここにR5、R6およびR7は独立に炭素数1〜6の
アルキル基、フェニル基又は炭素数7〜12個のアルキ
ル置換フェニル基を表す。} で表される基を表し、mは1≦m≦3の値をとる。] で表される結合構造により結合されていて、下記の式
(7) Y2 mR4 3-mSi− ・・・(7) [ここに各Y2は独立にアルコキシ基、アセトキシ基、
ハロゲン、水酸基又は前記式(6)で表される基を表
し、各R4及びmは式(5)の場合と同じである] で表される基が末端基として存しており、後記前駆体分
子全体としてY1又はY2の内少なくとも1つが式
(6)で表される基であり、かつ分子全体として下記の
式(8) [ここにa:イミド化率 W:式(2)で表される構成単位の総数 P:式(3)で表される構成単位の総数 Q:式(4)で表される構成単位の総数 を表す。] で定義されるイミド化率aが50〜100%であり、か
つR2の総数B1とR3の総数D1とが下記の式(9) で表される関係にあり、下記式(100) (H)h(J)j(S)s ・・・(100) [ただし、ここに(H)、(J)及び(S)は各々前記
式(1)、(5)及び(7)で示される構造を表し、
h、j及びsは各々(H)、(J)及び(S)の総数を
表し、rを前記式(6)で示される構造の総数を表す
と、h、j、s及びrの間には下記式(15−1)及び
(16−1)の関係が存する。 で表される構造を主成分として、 かつN−メチル−2−ピロリドン中、 温度30±0.01℃、濃度0.5g/dlで測定された
対数粘度数が0.05〜5dl/gである可溶性ポリイミ
ドシロキサン前駆体を含む溶液を 50〜450℃で焼成することにより溶媒を蒸発させる
とともに該前駆体を架橋させることを特徴とする架橋ポ
リイミドシロキサンの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2179286A JPH0623251B2 (ja) | 1986-02-03 | 1986-02-03 | 架橋ポリイミドシロキサンの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2179286A JPH0623251B2 (ja) | 1986-02-03 | 1986-02-03 | 架橋ポリイミドシロキサンの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62179529A JPS62179529A (ja) | 1987-08-06 |
JPH0623251B2 true JPH0623251B2 (ja) | 1994-03-30 |
Family
ID=12064906
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2179286A Expired - Lifetime JPH0623251B2 (ja) | 1986-02-03 | 1986-02-03 | 架橋ポリイミドシロキサンの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0623251B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2606402B2 (ja) * | 1990-03-23 | 1997-05-07 | 信越化学工業株式会社 | 硬化性樹脂及びその製造方法 |
-
1986
- 1986-02-03 JP JP2179286A patent/JPH0623251B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS62179529A (ja) | 1987-08-06 |
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