JPH0623244B2 - 重合体の単離方法 - Google Patents

重合体の単離方法

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JPH0623244B2
JPH0623244B2 JP63228801A JP22880188A JPH0623244B2 JP H0623244 B2 JPH0623244 B2 JP H0623244B2 JP 63228801 A JP63228801 A JP 63228801A JP 22880188 A JP22880188 A JP 22880188A JP H0623244 B2 JPH0623244 B2 JP H0623244B2
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bis
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は重合体の単離方法の改良に関するものである。
さらに詳しくいえば、本発明は、界面重合法によるポリ
カーボネートの製造工程において、重合反応後に得られ
るポリカーボネートを含有する有機相と水相とを含むエ
マルジョン混合液から、該有機相と水相とをなんら付帯
設備を必要とせずに、簡単な手段によって容易に分離
し、該ポリカーボネートを安定的に、かつ効率よく単離
する方法に関するものである。
[従来の技術] 近年、ポリカーボネートは、耐熱性、耐衝撃性、透明性
などに優れたエンジニアリングプラスチックとして、多
くの分野において幅広く用いられている。このポリカー
ボネートの製造方法については、従来種々研究が行わ
れ、その中で、芳香族ジヒドロキシ化合物、例えば2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフ
ェノールA)とホスゲンとを反応させる界面重合法(ホ
スゲン法)、及びビスフェノールAとビフェニルカーボ
ネートとを反応させるエステル交換法が代表的な製法と
して知られている。
前記界面重合法によるポリカーボネートの製造方法にお
いては、通常、まず芳香族ジヒドロキシ化合物の水酸化
アルカリ水溶液と有機溶媒との混合液にホスゲンを導入
して、ポリカーボネートのオリゴマーを生成させたの
ち、このポリカーボネートのオリゴマーを含む有機相と
芳香族ジヒドロキシ化合物の水酸化アルカリ水溶液とを
接触させて高分子量のポリカーボネートを生成させ、次
いで重合終了液に、アルカリ洗浄処理、酸洗浄処理、水
洗浄処理などの洗浄処理を順次施したのち、得られた有
機相からポリカーボネートを回収するといった方法が用
いられる。
次に、前記洗浄処理の具体例を添付図面に従って説明す
ると、第1図は界面重合法によるポリカーボネートの製
造における重合終了液の後処理プロセスの1例を示す工
程図であって、反応器Rを出た重合終了液はライン1を
通って分離槽S−1に導かれ、有機相と水相とに分離さ
れる。分離された有機相はライン2を通って、ライン3
から供給されるアルカリ水溶液とともにアルカリ洗浄工
程Aに送られてアルカリ洗浄され、アルカリ洗浄終了液
はライン4を通って分離槽S−2に供給され、有機相と
水相とに分離される。この分離された有機相はライン5
を通ってライン6から供給される酸水溶液とともに酸洗
浄工程Bに送られて酸洗浄され、酸洗浄終了液はライン
7を通って分離槽S−3に供給され、有機相と水相とに
分離される。この分離された有機相はライン8を通っ
て、ライン9から供給される洗浄水とともに水洗浄工程
Cに送られて水洗浄され、水洗浄終了液はライン10を
通って分離槽S−4に供給され、有機相と水相とに分離
される。この分離された有機相はライン11を通って、
ポリカーボネート回収工程へ導かれる。12、13、1
4及び15は、各分離槽で分離された水相排出ラインで
ある。
このように、界面重合法によるポリカーボネートの製造
においては、重合反応終了後及び各洗浄操作の後で、有
機相と水相とを含むエマルジョン混合液から、該有機相
と水相とを分離する操作が行われるが、この際中間層と
呼ばれる水相を多く含む不透明な層がしばしば発生す
る。この中間層に含まれる水相には、多くの不純物が含
まれているため、このような中間層が多量に残ると洗浄
効率の低下をもたらし、品質に大きな影響を及ぼすのを
免れない。また、原料条件や重合条件によっては、通常
の分離方法ではエマルジョンが全く分離しない現象が発
生し、プロセスの安定運転上、重大な影響を及ぼすこと
も多い。
このような分離不良の現象は、ある一つの原因で発生す
るものではなく、またその原因を特定することは困難で
ある。したがって、このような現象が発生した場合、そ
れに対処する有用な方法が必要である。また、通常の運
転時においても、洗浄の主目的であるモノマーの芳香族
ジヒドロキシ化合物、アルカリ金属イオン、触媒などの
洗浄除去は、有機相中の水分量が少ないほど、その効果
が高くなり、したがって、この点からも水相の分離性
は、プロセス上極めて重要なことである。
したがって、これまで、ポリカーボネートの製造工程に
おいて、ポリカーボネートを含有する有機相と水相とを
含むエマルジョン混合液から、該有機相と水相とを分離
する方法が種々提案されてきた。例えば、エマルジョン
を加熱する方法(特公昭53−2679号公報)、イオ
ン交換樹脂で処理する方法(特開昭60−238319
号公報)、ろ材に通過させる方法(特公昭59−296
03号公報)などが提案されている。しかしながら、こ
れらの方法においては、いずれも付帯設備を必要とする
上、イオン交換樹脂で処理する方法やろ材に通過させる
方法では、設備の定期的な交換を必要とし、かつ詰まり
が発生したりして実用的方法とはいえない。
また、分離促進を図る目的で種々の添加剤を使用する方
法、例えば低級脂肪族アルコールや有機又は無機酸を添
加する方法(特公昭53−2480号公報)、食塩を添
加する方法(特開昭54−97698号公報)などが提
案されている。しかしながら、前者の方法においては排
水中にこれらの添加剤が混入し、排水規制上問題となる
ことが多く、また、プロセス内で排水を再使用する場
合、その処理設備を必要とするなどの欠点がある。一
方、後者の方法においては、その効果を十分に発揮させ
るためには、エマルジョンに対し1〜15重量%といっ
た大量の食塩を使用しなければならないという問題があ
る。さらには、エマルジョン分離促進のために、アニオ
ン性又はカチオン性界面活性剤を添加する方法(特公昭
63−29690号公報)も試みられているが、この方
法においては、特に分離促進効果を必要とするアルカリ
性のエマルジョンや酸性のエマルジョンに適用した場合
には、添加したイオン性界面活性剤が分解するおそれが
あったり、あるいは水相側に多量に存在するイオンと塩
を形成したりして、分離促進効果の低下をもたらすとい
う欠点がある。
[発明が解決しようとする課題] 本発明は、このような界面重合法によるポリカーボネー
トの製造工程におけるエマルジョン分離に適用されてい
る従来の方法が有する欠点を克服し、ポリカーボネート
の重合反応後に得られるポリカーボネートを含有する有
機相と水相とを含むエマルジョン混合液から、該有機相
と水相とを、なんら付帯設備を必要とせずに、簡単な手
段によって容易に分離し、該ポリカーボネートを安定的
に、かつ効率よく単離する方法を提供することを目的と
してなされたものである。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは前記目的を達成するために鋭意研究を重ね
た結果、非イオン性界面活性剤がイオン性界面活性剤よ
りもエマルジョン分離促進効果に優れ、かつ従来用いら
れている種々の添加剤よりも少ない添加量で、その目的
を達成しうることを見い出し、この知見に基づいて本発
明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、界面重合法によりポリカーボネー
トを製造し、重合反応後に得られるポリカーボネートを
含有する有機相と水相とを含むエマルジョン混合液か
ら、該有機相と水相とを分離してポリカーボネートを単
離するに当たり、前記エマルジョン混合液に非イオン性
界面活性剤を含有させて有機相と水相とを分離した後、
有機相からポリカーボネートを単離することを特徴とす
る重合体の単離方法を提供するものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明方法におけるポリカーボネートは、ホスゲンを用
いる界面重合法によって製造されるものであり、原料モ
ノマーの芳香族ジヒドロキシ化合物としては、例えばビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)フェニルメタン、ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)ナフチルメタン、ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)−(4−イソプロピルフェニル)メタン、ジフ
ェニル−ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス
(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)メタ
ン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
エタン、1−ナフチル−1,1−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)エタン、1−フェニル−1,1−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)エタン、1,2−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、2−メチ
ル−1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロパン、1−エチル−1,1−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5
−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,
2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−メチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3
−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,
1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,4−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)ペンタン、4−メチル−2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,
1−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニ
ル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)ヘキサン、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)ヘプタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ノナン、1,10−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)デカン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
シクロドデカンなどのジヒドロキシアリールアルカン
類、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス
(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホ
ン、ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)スル
ホンなどのジヒドロキシアリールスルホン類、ビス(4
−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(3,5−ジメ
チル−4−ヒドロキシフェニル)エーテルなどのジヒド
ロキシアリールエーテル類、4,4′−ジヒドロキシベ
ンゾフェノン、3,3′,5,5′−テトラメチル−
4,4′−ジヒドロキシベンゾフェノンなどのジヒドロ
キシアリールケトン類、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)スルフィド、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)スルフィド、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)スルフィドなどのジヒドロキシアリ
ールスルフィド類、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ス
ルホキシドなどのジヒドロキシアリールスルホキシド
類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルなどのジヒドロ
キシジフェニル類、ヒドロキノン、レゾルシノール、メ
チルヒドロキノンなどのジヒドロキシベンゼン類、1,
5−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナ
フタレンなどのジヒドロキシナフタレン類などが挙げら
れるが、これらの中で特に2,2−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)プロパン(ビスフェノールA)が好適であ
る。また、これらの芳香族ジヒドロキシ化合物は1種用
いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明における界面重合の方法については特に制限はな
く、従来界面重合法によるポリカーボネートの製法にお
いて慣用されている方法を用いることができる。次に界
面重合法の好適な1例について説明すると、まずアルカ
リ金属水酸化物の水溶液に前記の芳香族ジヒドロキシ化
合物を溶解して芳香族ジヒドロキシ化合物の水酸化アル
カリ水溶液を調製したのち、この水溶液と有機溶媒との
混合液にホスゲンを導入してポリカーボネートオリゴマ
ーを生成させ、次いでこのポリカーボネートオリゴマー
を含有する有機相と芳香族ジヒドロキシ化合物の水酸化
アルカリ水溶液とを、所望に応じて用いられる触媒、分
子量調節剤、酸化防止剤などの存在下に接触させて、高
分子量のポリカーボネートを生成させる。
この際用いられる有機溶媒としては、例えばジクロロメ
タン、1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエタ
ン、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2−トリ
クロロエタン、1,1,1,2−テトラクロロエタン、
1,1,2,2−テトラクロロエタン、ペンタクロロエ
タン、ヘキサクロロエタン、クロロベンゼンなどの塩素
化炭化水素や、ジオキサン、テトラヒドロフラン、アセ
トフェノンなどが挙げられる。これらの溶媒はそれぞれ
単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いて
もよい。また、アルカリ金属水酸化物としては、例えば
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、
水酸化セシウムなどが挙げられるが、これらの中で水酸
化ナトリウム及び水酸化カリウムが好ましく、特に水酸
化ナトリウムが好適である。
さらに、所望に応じて用いられる触媒としては、例えば
第三級アミンや第四級アンモニウムのハロゲン塩など
が、分子量調節剤としては、例えばアルコール類、フェ
ノール類、ハロゲン化フェノール類などが、酸化防止剤
としては、例えばハイドロサルファイドナトリウムなど
が挙げられる。
前記界面重合法において、ホスゲンを反応させて得られ
るポリカーボネートオリゴマーは、分子の末端にヒドロ
キシル基とクロロギ酸エステル残基(−OCOC)を
有するオリゴマーであって、これらの2つの基の比率
は、ホスゲンの導入方法、芳香族ジヒドロキシ化合物の
水酸化アルカリ水溶液の濃度、反応温度などを適宜選ぶ
ことにより、任意に変えることができる。
さらに、反応形式については特に制限はなく、回分式で
行ってもよいし、連続式で行ってもよい。また反応装置
としては、回分式反応においては通常撹拌機を備えた槽
型反応器が用いられるが、連続式反応においては、該槽
型反応器を直列に複数個並べたものを用いてもよいし、
管型反応器を用いてもよい。
このようにして、重合反応を完結して得られた重合終了
液は、生成したポリカーボネートなどを含有する有機相
と、アルカリ金属水酸化物及び副生したアルカリ金属の
塩化物などを含有する水相とを含むエマルジョンから成
っている。該有機相中のポリカーボネートの濃度は1〜
35重量%、好ましくは5〜20重量%の範囲が有利で
ある。一般に、本発明で目的とするエマルジョンの分離
は、ポリマー濃度が低いほど、その効果が発揮されやす
いが、濃度が低すぎると溶媒回収の点でプロセス上不利
である。
前記のエマルジョンから成る重合終了液は、通常第1図
に示すプロセスに従って後処理が施される。すなわち、
まず、反応工程から得られた重合終了液は有機相と水相
とに分離されたのち、該有機相にアルカリ洗浄処理が施
され、次いでアルカリ洗浄を終えた混合液は有機相と水
相とに分離されたのち、該有機相に酸洗浄処理が施され
る。次に、酸洗浄を終えた混合液は有機相と水相とに分
離されたのち、該有機相に水洗浄処理が施され、さら
に、水洗浄を終えた混合液は有機相と水相とに分離され
たのち、該有機相はポリカーボネートの回収工程に供給
される。
前記の各洗浄工程における洗浄方法としては、公知の方
法、例えばオリフィスミキサーを使用する方法(特公昭
52−37038号公報)、ラインミキサーを使用する
方法(特開昭63−105028号公報)などを用いる
ことができる。
本発明方法においては、前記の各分離工程において、有
機相と水相とを含むエマルジョン混合液から、該有機相
と水相とを効果的に分離するために、非イオン性界面活
性剤が添加される。この非イオン性界面活性剤として
は、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリ
オキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシ
エチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレ
ングリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール
脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アミン、脂
肪酸モノグリセライド、ソルビタン脂肪酸エステル、ペ
ンタエリスリトール脂肪酸エステル、プロピレングリコ
ール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、脂肪酸ア
ルカノールアミド、アミンオキシドなどが挙げられる
が、これらの中で、特にHLB値が14以下、好ましく
は10以下の範囲にあるものが好適である。また、これ
らの非イオン性界面活性剤は1種用いてもよいし、2種
以上を組み合わせて用いてもよい。ここでHLB値と
は、親水性と親油性のバランスを示す数値であって、ア
トラス法によって測定されたものである。
前記非イオン性界面活性剤は、各分離操作の前に添加し
てもよいし、各洗浄操作の前に添加してもよい。また、
重合終了液の分離工程、アルカリ洗浄工程及びその分離
工程、酸洗浄工程及びその分離工程、水洗浄工程及びそ
の分離工程のいずれの工程に添加してもよいし、2つ以
上の工程に添加してもよい。特に、分離促進効果を発揮
するHLB値が14以下、特に好ましくは10以下の非
イオン性界面活性剤は、添加した量の大半が有機相側に
溶解するため、予め溶媒に溶解し、有機相側に混入させ
るのが有利である。
該非イオン性界面活性剤の添加量は、ポリカーボネート
を含有する有機相に対して、通常0.1〜10000重
量ppm、好ましくは10〜500重量ppmの範囲で選ばれ
る。添加した非イオン性界面活性剤の分散は、前記の各
洗浄器によって行ってもよいし、別に分散するための機
器を用いて行ってもよい。この分散するための機器につ
いては特に制限はなく、スタティックミキサーや遠心ポ
ンプなど、通常液の混合に用いられている機器の中から
任意のものを選び用いることができる。
このようにして、最終の分離工程で分離された有機相
は、従来公知の方法による溶媒除去処理を施すことによ
り、目的とするポリカーボネートを回収することができ
る。
[実施例] 次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、
本発明はこれらの例によってなんら限定されるものでは
ない。
比較例1 特公昭52−36554号公報で示される製造法によ
り、製造された濃度330g/のポリカーボネートオ
リゴマーのメチレンクロリド溶液(反応に関与するクロ
ロフォーメート基濃度0.69N)320ml、濃度1
3.28重量%のビスフェノールAナトリウム塩水溶液
180ml、メチレンクロリド210ml及び触媒としての
濃度1.0重量%のトリエチルアミン溶液2.7mlを、
1の分液ロートに投入し、シェイカー[大洋化学工業
(株)製、RECIPRO SHAKER SRII]を
使用して撹拌強度最大で振とうした。振とうを始めて1
分後に、さらに濃度25.88重量%の水酸化ナトリウ
ム水溶液13mlを添加したのち、再び撹拌強度最大で1
時間振とうした。この際得られたポリカーボネート溶液
エマルジョンは、有機相中のポリカーボネートの濃度が
約17重量%であり、かつ該ポリカーボネートの分子量
は30000程度であった。また、水相中には水酸化ナ
トリウムが0.3N、ビスフェノールAが25g/、
塩化ナトリウムが1.1N含まれていた。
このようにして得られたエマルジョンから成る重合終了
液60mlを200mlのメスシリンダーに取り、これにメ
チレンクロリド140mlを加え、ガラス棒にて5秒間撹
拌して希釈した。その後、これをそのまま静置分離し
て、分離速度を観察した。測定は5分、10分、30
分、60分で実施した。その結果を第1表に示す。
実施例1 比較例1と全く同様な反応操作で得られたエマルジョン
に、非イオン性界面活性剤として、以下に示す構造のソ
ルビタンオレイン酸エステル[日本油脂(株)製、ニッ
サンノニオンOP85R、HLB値1.8]を有機相に
対して200重量ppm添加し、そのまま分液ロートで1
分間振とうしたのち、比較例1と同様に水相分離速度を
測定した。その結果を第1表に示す。
ニッサンノニオンOP85R 実施例2 実施例1において、非イオン性界面活性剤として、ソル
ビタンオレイン酸エステルの代わりに以下に示す構造の
グリセリンステアリン酸エステル[理研ビタミン(株)
製、リケマールS100A、HLB値2.8〜3.2]
を用いた以外は、実施例1と全く同様な操作を実施し
た。その結果を第1表に示す。
実施例3 実施例1において、非イオン性界面活性剤として、ソル
ビタンオレイン酸エステルの代わりにグリセリンステア
リン酸エステル[理研ビタミン(株)製、リケマールS
100A、HLB値2.8〜3.2]を用い、かつその
添加量を有機相に対して400重量ppmとした以外は、
実施例1と全く同様な操作を実施した。その結果を第1
表に示す。
比較例2 実施例1において、ソルビタンオレイン酸エステルの代
わりに、以下に示す構造のアニオン性のドデシルベンゼ
ンスルホン酸ナトリウム[東京化成工業(株)製、DB
S]を用いた以外は、実施例1と全く同様な操作を実施
した。その結果を第1表に示す。
DBS 実施例4 実施例1において、非イオン性界面活性剤として、ソル
ビタンオレイン酸エステルの代わりにポリオキシエチレ
ンノニルフェニルエーテル[ライオン(株)製、リポノ
ックスNC−100、HLB値13.3]を用いた以外
は、実施例1と全く同様な操作を実施した。その結果を
第1表に示す。
実施例5 実施例1において、非イオン性界面活性剤として、ソル
ビタンオレイン酸エステルの代わりにポリオキシエチレ
ンノニルフェニルエーテル[ライオン(株)製、リポノ
ックスNC−38、HLB値8.8]を用いた以外は、
実施例1と全く同様な操作を実施した。その結果を第1
表に示す。
比較例3 比較例1と全く同様な反応操作で得られたエマルジョン
に、メチレンクロリド220mlを加え(ポリマー濃度約
12重量%)、分液ロートにて1分間振とうした。その
後、このエマルジョンを3時間静置して二相分離させ、
得られた有機相に対し、水酸化ナトリウム水溶液(pH
12.5以上)を水相比20容量%になるように加え
て、分液ロートにて10分間振とうした。これを再び2
時間静置分離し、得られた有機相に対し、塩酸溶液(p
H<1.0)を水相比20容量%になるように加え、分
液ロートで10分間振とうした。その後、ただちにこの
エマルジョンを200mlのメスシリンダーに取り、その
分離性を調べた。その結果を第2表に示す。
実施例6 比較例3の酸洗浄操作において、塩酸溶液を加えると同
時に、非イオン性界面活性剤としてソルビタンオレイン
酸エステル(ニッサンノニオンOP85R、HLB値
1.8)を有機相に対して200重量ppm添加し、その
まま分液ロートで10分間振とうしたのち、ただちにこ
のエマルジョンを200mlのメスシリンダーに取り、そ
の分離性を調べた。その結果を第2表に示す。
実施例7 実施例6において、非イオン性界面活性剤として、グリ
セリンステアリン酸エステル(リケマールS100A、
HLB値2.8〜3.2)を用いた以外は、実施例6と
全く同様な操作を実施した。その結果を第2表に示す。
実施例8 実施例6において、非イオン性界面活性剤として、グリ
セリンステアリン酸エステル(リケマールS100A、
HLB値2.8〜3.2)を用い、かつその添加量を4
00重量ppmとした以外は、実施例6と全く同様な操作
を実施した。その結果を第2表に示す。
比較例4 実施例6において、ソルビタンオレイン酸エステルの代
わりに、以下に示す構造のカチオン性のモノアルキルア
ンモニウムクロリド[ライオン(株)製、アーカードS
50]を用いた以外は、実施例6と全く同様な操作を実
施した。その結果を第2表に示す。
アーカードS50 R:大豆油成分 比較例5 比較例3の操作によって酸洗浄を実施したエマルジョン
を30分間静置分離後、分離した有機相に水相比20容
量%となるように純水を加え、分液ロートで10分間振
とうした。その後、ただちにこのエマルジョンを200
mlのメスシリンダーに取り、その分離性を調べた。その
結果を第3表に示す。
実施例9〜11 有機相として、比較例3の酸洗浄を実施例したものを用
いた以外は、それぞれ実施例6〜8と同様な条件で水洗
浄を実施し、その分離性を調べた。その結果を第3表に
示す。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明方法によると、界面重合法
によりポリカーボネートを製造する工程において、重合
反応後に得られるポリカーボネートを含有する有機相と
水相とを含むエマルジョン混合液に非イオン性界面活性
剤を少量含有させることにより、なんら付帯設備を必要
とせず、該エマルジョン混合液から有機相と水相とを極
めて容易に分離しうるので、生成したポリカーボネート
を安定的に、かつ効率よく単離することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は界面重合法によるポリカーボネートの製造にお
ける重合終了液の後処理の1例を示す工程図であって、
図中符号Rは反応器、Aはアルカリ洗浄工程、Bは酸洗
浄工程、Cは水洗浄工程、S−1、S−2、S−3及び
S−4は、それぞれ分離槽である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】界面重合法によりポリカーボネートを製造
    し、重合反応後に得られるポリカーボネートを含有する
    有機相と水相とを含むエマルジョン混合液から、該有機
    相と水相とを分離してポリカーボネートを単離するに当
    たり、前記エマルジョン混合液に非イオン性界面活性剤
    を含有させて有機相と水相とを分離した後、有機相から
    ポリカーボネートを単離することを特徴とする重合体の
    単離方法。
  2. 【請求項2】非イオン性界面活性剤のHLB値が14以
    下のものである請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】非イオン性界面活性剤の含有量がエマルジ
    ョン混合液の有機相に対して0.1〜10000重量ppmで
    ある請求項1又は2記載の方法。
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