JPH06231451A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH06231451A
JPH06231451A JP3924293A JP3924293A JPH06231451A JP H06231451 A JPH06231451 A JP H06231451A JP 3924293 A JP3924293 A JP 3924293A JP 3924293 A JP3924293 A JP 3924293A JP H06231451 A JPH06231451 A JP H06231451A
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JP
Japan
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layer
magnetic recording
protective layer
recording medium
ink
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JP3924293A
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English (en)
Inventor
Tadahide Sugimoto
忠英 杉本
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Kyodo Printing Co Ltd
Original Assignee
Kyodo Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 基材の一方の面に磁気記録層が設けられ、磁
気記録層を有する面の最上層に保護層が設けられた磁気
記録媒体において、保護層は、紫外線照射により硬化さ
れた紫外線硬化型インキで形成されており、前記紫外線
硬化型インキは、多官能オリゴマー、光重合開始剤、体
質顔料、およびワックスを含有するインキである磁気記
録媒体。 【効果】 耐摩耗性、耐擦傷性、耐スティッキング性お
よび印字適性を低下させることなく、高い硬度で耐熱性
および耐薬品性、刻印適性および筆記適性に優れた保護
層を形成することが可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁気記録媒体、特に一般
のプリペイドカード等の、媒体表面に印字記録が可能な
蒸着破壊型カードや感熱発色型カードとして用いる磁気
記録媒体に関し、さらに詳しくは耐摩耗性、耐擦傷性お
よび耐スティッキング性などの表面物性に優れ、かつ印
字適性、刻印適性および筆記適性も満足する磁気記録媒
体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、媒体の一部に磁気記録層を備
えた磁気記録媒体は広く知られており、種々の分野にお
いて利用されている。
【0003】この磁気記録媒体の代表的な例としては、
公衆電話サービスに用いられるプリペイドカードがあ
る。このプリペイドカードは一般に、基材の片側の面に
磁気記録層、隠蔽層、保護層をこの順に積層し、基材の
他方の面に印刷層、保護層をこの順に積層した構成を有
しており、この磁気記録層への情報の記録、消去および
情報の読み取りを磁気的手段によって行なうものであ
る。
【0004】また近年、このプリペイドカードが鉄道、
バスなどの乗車券や回数券、高速道路通行券、遊園地な
どの入場券あるいは物品の購入など種々の分野で広く用
いられるようになるに従って、このプリペイドカード表
面に利用者の目に見える形で使用記録や残高表示などを
印字記録したいという要求が生じてきた。
【0005】この要求に対応するために、従来の磁気記
録層に加えて、サーマルヘッドなどの加熱手段でプリペ
イドカードの表面に可視情報を印字記録することができ
る、感熱記録層を備えた磁気記録媒体が用いられるよう
になってきた。
【0006】この種の感熱記録層を備えた磁気記録媒体
は、媒体の一部に金属薄膜層を備え、この金属薄膜層を
サーマルヘッドの加熱により溶融破壊し、金属薄膜層の
下に設けられた層、例えば磁気記録層の色を顕現させる
ことにより印字記録する蒸着破壊型と、媒体の一部に感
熱発色層を備え、この感熱発色層をサーマルヘッドの加
熱により発色させることで印字記録する感熱発色型の2
種に大別することができる。
【0007】前者の蒸着破壊型の感熱記録層を備えた磁
気記録媒体は通常、基材の片側の面に磁気記録層、金属
薄膜層、および保護層をこの順に積層した構成を有して
おり、サーマルヘッドによってこの金属薄膜層を溶融破
壊することで可視情報を印字記録することができるもの
である。また印字記録特性向上および各層間の密着性向
上を目的として、金属薄膜層の上層または/および下層
にアンカー層を設けることもできる。
【0008】一般に、磁気記録層は黒色あるいは濃茶色
を有しており、一方、磁気記録層上に設けられる金属薄
膜層は、用いる金属材料によって多少異なるが、一般に
銀白色あるいは青白色を有している。この金属薄膜層を
保護層上からサーマルヘッドによって加熱すると、加熱
された箇所の金属薄膜層が溶融破壊され、金属薄膜層の
下に設けられた磁気記録層が顕れ、可視情報として印字
記録される。また印字記録の色調を磁気記録層の黒色あ
るいは濃茶色以外のものとする場合は、磁気記録層と金
属薄膜層の間に着色層を設けることで可能となる。
【0009】後者の感熱発色型の感熱記録層を備えた磁
気記録媒体は、顕色剤、およびこの顕色剤と加熱下で反
応するロイコ染料などの発色剤をバインダー中に含有さ
せた感熱発色材料を用いて、感熱発色層を形成したもの
で、通常は基材の片側の面に磁気記録層、隠蔽層、感熱
発色層および保護層をこの順に積層した構造を有してい
る。また、印字記録特性向上および各層間の密着性向上
を目的として感熱発色層の上層または/および下層にア
ンカー層を設けることもできる。この感熱発色層を保護
層上からサーマルヘッドによって加熱すると加熱された
箇所の感熱発色層において顕色剤と発色剤とが反応する
ことで発色し、可視情報として印字記録される。
【0010】これら種々の磁気記録媒体には、媒体の表
面や感熱記録層の保護を目的として、最上層に保護層が
設けられている。通常、サーマルヘッドによる印字記
録、刻印およびサイン等の筆記はこの保護層上に行われ
る。
【0011】この保護層は一般に、バインダーとしての
オリゴマーおよびモノマーに、光重合開始剤、ワック
ス、シリコーン、体質顔料を加えて保護層形成用インキ
を作製し、これをオフセット印刷方式で印刷し、次いで
紫外線照射により硬化させることで、磁気記録媒体の最
上層として形成される。形成された保護層は、紫外線照
射によりオリゴマー、モノマーおよび光重合開始剤が反
応して硬化したもので、比較的高い物理的強度を有す
る。
【0012】このうち、保護層形成用インキに加えられ
るシリコーンは保護層に滑性を付与し、磁気記録媒体表
面の耐摩耗性、耐擦傷性およびサーマルヘッドと保護層
の密着を防止する耐スティッキング性を向上させて印字
記録を円滑に行うことを目的で用いられるものである。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、一般に
シリコーンは離型性および撥水性に富んでおり、このシ
リコーンを加えたインキによって保護層を形成すると、
シリコーンが保護層上に浮き出てしまう。このため、保
護層上に刻印および筆記などをおこなおうとすると、保
護層とこれら刻印および筆記との密着が悪く、剥離して
しまうという問題点が生じた。
【0014】また一方、バインダー成分のうち、低官能
のオリゴマーおよびモノマーが作用して、紫外線照射後
の反応速度が遅れるため、未反応部分が若干残った保護
層が形成される。このため保護層としての高い硬度が得
られず、耐熱性や耐薬品性にも問題が生じた。
【0015】したがって本発明は、シリコーンを含有し
なくても、耐摩耗性、耐擦傷性および耐スティッキング
性を低下させることがなく、かつ耐熱性および耐薬品性
にも優れ、またサーマルヘッドによる印字適性、刻印適
性および筆記適性も満足させ得る保護層を有する磁気記
録媒体を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、基材の一方の
面に磁気記録層が設けられ、磁気記録層を有する面の最
上層に保護層が設けられた磁気記録媒体において、保護
層は、紫外線照射により硬化された紫外線硬化型インキ
で形成されており、前記紫外線硬化型インキは、多官能
オリゴマー、光重合開始剤、体質顔料、およびワックス
を含有するインキであることを特徴とする磁気記録媒体
を提供するものである。
【0017】本発明の好ましい態様において、体質顔料
は、平均粒径1μm以下の硫酸バリウム、ベンゾグアナ
ミンパウダーまたはアルミナのいずれかであり、かつ保
護層形成用インキの総量に占める割合が10〜50重量
%の範囲になるような割合で使用される。
【0018】保護層を上記のような構成とすることで、
耐摩耗性、耐擦傷性、耐スティッキング性、耐熱性およ
び耐薬品性などの表面物性に優れ、かつ印字適性、刻印
適性および筆記適性も満足させた保護層を形成すること
が可能となった。
【0019】
【作用】本発明において、保護層形成用インキは、シリ
コーンを含有していないため、シリコーンが存在するこ
とによって起こる前述のような問題点、すなわち刻印お
よび筆記に対する悪影響を排除することが可能となる。
【0020】また多官能オリゴマーのみをバインダーと
し、低官能のオリゴマーおよびモノマーを用いていない
ため、紫外線照射後の反応が促進されて保護層中に残存
する未反応部分を少なくすることでき、高い硬度で耐熱
性および耐薬品性に優れた保護層を形成することが可能
となる。
【0021】更に、保護層形成用インキに含有させる体
質顔料が平均粒径1μm以下の硫酸バリウム、ベンゾグ
アナミンパウダーおよびアルミナから選択し、かつその
配合割合を、保護層形成用インキに占める割合が10〜
50重量%の範囲にすれば、シリコーンを用いることな
く、保護層表面の滑性が低下を防止することができると
ともに、良好な耐摩耗性、耐擦傷性、耐スティッキング
性が保持される。
【0022】
【実施例】次に本発明の磁気記録媒体を図面を参照しな
がら詳細に説明する。
【0023】図1は本発明の磁気記録媒体の概略断面図
であり、磁気記録層のみを備えた磁気記録媒体の例であ
る。
【0024】この磁気記録媒体1は、基材11の一方の
面に磁気記録層12、隠蔽層13、および保護層14が
この順に積層され、基材11の他方の面に印刷層15お
よび保護層16がこの順に積層された構成を有してい
る。
【0025】基材11としては、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリビニルアセテート、ポリスチレン、ポリ塩
化ビニル、ポリカーボネート、ポリプロピレン等の合成
樹脂からなるシート状物、またはこれらの合成樹脂を含
む複合基材や合成紙を使用することができる。基材11
の厚さは磁気記録媒体の用途により適宜決めることがで
きる。
【0026】磁気記録層12は、従来の磁気記録媒体に
おいて磁気記録層として一般に用いられているものを使
用することができる。例えば、Ba−フェライト、Sr
−フェライト、Co被着γ−酸化鉄、γ−酸化鉄等の公
知の磁性材料をバインダー中に含有した磁性塗料を、グ
ラビアコーティング法などの公知の一般的なコーティン
グ方法によって基材11上に塗布することにより形成さ
れる。磁性塗料に使用されるバインダーとしては、ポリ
エステル系樹脂、アルキッド系樹脂、ビニル系樹脂もし
くはポリウレタン系樹脂またはそれらの混合樹脂を用い
ることができる。バインダー樹脂と磁性材料の混合比
は、基材との接着性、塗膜強度および磁気ヘッドによる
検出電圧などを考慮して適宜設定され、例えば重量比で
1:1〜1:10の範囲が可能であり、好ましくは1:
2〜1:8が適当な範囲である。このような磁気記録層
12の好ましい厚さは8〜12μm程度である。
【0027】隠蔽層13は、磁気記録層12の色彩を視
覚的に隠蔽するもので、金属粒子をバインダー中に含有
した隠蔽用塗料を、グラビア印刷法やシルクスクリーン
印刷法などの公知の印刷方法やグラビアコーティング法
などの公知のコーティング法によって磁気記録層12上
に印刷または塗布することにより形成される。隠蔽用塗
料に使用されるバインダーとしては、ポリアミド樹脂、
アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和
ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂などを用いること
ができる。また、金属粒子としてはアルミニウム粒子な
どの他にスズ、銅、銀、銅−亜鉛等の非磁性金属を用い
ることができる。このような隠蔽層13の好ましい厚さ
は1〜2μm程度である。
【0028】保護層14は、多官能オリゴマーをバイン
ダーとして、これに光重合開始剤、体質顔料およびワッ
クスを加えた保護層成形用インキを用いて、オフセット
印刷法もしくはシルクスクリーン印刷法により隠蔽層1
3上に印刷し、次いで紫外線照射により硬化させて形成
したものである。このような保護層の好ましい厚さは1
〜2μm程度である。
【0029】保護層形成用インキの主成分としてバイン
ダーに用いられる多官能オリゴマーは、紫外線照射によ
り光重合開始剤と反応して形成される保護層14の主体
となるものである。バインダーとして、低官能のオリゴ
マーおよびモノマーではなく、多官能オリゴマーのみを
用いることで、紫外線照射後の反応が促進され、保護層
中の未反応部分が減少し、高硬度で耐熱性および耐薬品
性に優れた保護層を形成することが可能となる。このよ
うな多官能オリゴマーとしては、ポリエステルアクリレ
ート、エポキシアクリレート、ポリウレタンアクリレー
ト、ポリオール等のオリゴマーの中より4官能以上、好
ましくは6官能以上のものを選択してバインダーとして
用いることができる。このような多官能オリゴマーの保
護層形成用インキに占める割合は、重量比で50〜60
%程度が好ましい。
【0030】光重合開始剤は、紫外線を吸収して重合反
応を開始される目的で保護層形成用インキに含有される
もので、ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル、ベン
ゾインイソプロピルエーテル、ベンゾフェノン等の公知
の紫外線硬化樹脂に用いられる光重合開始剤を用いるこ
とができる。この光重合開始剤の保護層形成用インキに
占める割合は、好ましくは重量比で5〜20%程度であ
る。
【0031】体質顔料は、保護層の耐摩耗性、耐擦傷性
および耐熱性を向上させる目的で保護層形成用インキに
含有される。
【0032】すなわち保護層は磁気記録媒体の最上層に
形成されているため、この保護層の耐摩耗性および耐擦
傷性を向上させるためには、保護層の滑性を向上させる
必要がある。このような良好な滑性を付与させる主体と
なるのはワックスであるが、体質顔料もある程度滑性に
影響を及ぼす。この滑性を向上させるためにはできるだ
け細かい粒子であり、かつ形状が球状である体質顔料を
用いることが適している。
【0033】また保護層の耐熱性が充分でないと、印字
記録時のサーマルヘッドの熱により、保護層中のバイン
ダー成分が軟化し、保護層とサーマルヘッドが密着する
スティッキング現象が起きる。このスティッキング現象
が起こると、軟化したバインダー成分がサーマルヘッド
側に移行し、サーマルヘッドと保護層の間に介在するこ
ととなり、したがってサーマルヘッドの熱が充分に磁気
記録媒体表面に伝わらず、印字記録に支障を来すことと
なる。本発明では、この保護層の耐熱性を向上させるた
め、耐熱性の高い体質顔料を用い、かつ保護層形成用イ
ンキに占める割合を増加させている。保護層形成用イン
キに占める割合を増加させることで、形成された保護層
表面における耐熱性の高い体質顔料の比率が高まり、ま
た体質顔料が軟化したバインダー成分を吸収することで
耐熱性、ひいては耐スティッキング性を向上させること
が可能となる。
【0034】好ましい体質顔料としては、平均粒径1μ
m以下の硫酸バリウム、ベンゾグアナミンパウダー、ア
ルミナのいずれかより選択することができる。体質顔料
の保護層形成用インキに占める割合は、好ましくは重量
比で10〜50%、さらに好ましくは20〜40%の範
囲に設定することで、滑性および耐熱性の高い保護層を
形成することが可能となる。
【0035】ワックスは、滑性の向上を目的として保護
層形成用インキに含有させるもので、耐熱性を考慮する
と融点100℃以上の合成ワックスが好ましい。このよ
うな合成ワックスとしてはフィッシャー・トロプシュワ
ックス、ポリエチレンワックス、12−ヒドロキシステ
アリン酸、ステアリン酸アミド、ポリ四フッ化エチレ
ン、ポリ四フッ化エチレンと他のワックスとの混合ワッ
クスなどが適しており、保護層形成用インキに占める割
合としては、重量比で5〜20%程度が適している。
【0036】印刷層15は、基材11の他の面に公知の
オフセット印刷法により所定の絵柄を印刷し、次いで紫
外線照射により硬化させて形成することができる。この
ような印刷層15の厚さは2〜3μm程度である。
【0037】保護層16は、印刷層15を保護すること
を目的として形成されるもので、保護層14に用いたも
のと同様の成分の保護層形成用インキを用い、オフセッ
ト印刷法により印刷層15上に印刷し、次いで紫外線照
射により硬化することで形成されるものである。このよ
うな保護層16の適当な厚さは1〜2μm程度である。
本発明の磁気記録媒体における保護層は、上記のよう
な一般的な磁気記録媒体であっても、また以下順次説明
する感熱発色型あるいは蒸着破壊型の感熱記録層を備え
た磁気記録媒体であっても同様の構成を用いることがで
きる。
【0038】次に本発明の他の実施例を示す図2につい
て説明する。この例の磁気記録媒体は、感熱記録層とし
て感熱発色層を備えている。
【0039】すなわち磁気記録媒体2は、基材21の一
方の面に磁気記録層22、隠蔽層23、感熱発色層24
および保護層25をこの順に積層された構成を有してい
る。このうち、基材21、磁気記録層22および隠蔽層
23は、図1の磁気記録媒体1における基材11、磁気
記録層12および隠蔽層13と同様の構成を採用するこ
とができる。
【0040】感熱発色層24は顕色剤としてのフェノー
ル性化合物と、このフェノール性化合物と加熱下で反応
して発色する発色剤としてのロイコ染料とをバインダー
中に含有する感熱記録インキを、グラビアコーティング
法などの公知の一般的なコーティング方法によって隠蔽
層23上に塗布することにより形成される。感熱記録イ
ンキにおけるロイコ染料としては、トリフェニルメタン
系、フルオラン系、オーラミン系、フェノチアジン系、
スピロピラン系等の、従来より感熱記録に使用されてい
る公知のロイコ染料を用いることができる。またフェノ
ール性化合物としては、o−フタル酸、没食子酸等の従
来より感熱記録に使用されている公知のフェノール性化
合物を1種または2種以上用いることができる。またバ
インダーとしては、アルキッド樹脂、塩化ビニル樹脂、
ウレタン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリメチル
メタクリレート樹脂等を用いることができる。このよう
な感熱記録インキの塗布によって形成される感熱発色層
24の厚さは5〜10μm程度である。
【0041】保護層25は前述の通り、図1の一般的な
磁気記録媒体1における保護層14と同様の構成を用い
て感熱発色層24上に形成することができる。
【0042】また図2には示していないが、隠蔽層23
と感熱発色層24との間、および(または)感熱発色層
24と保護層25との間に、各層間の密着性向上および
感熱発色層24の物理的、化学的保護を目的としてアン
カー層を設けることができる。このようなアンカー層
は、ポリエステル系、塩化ビニル−酢酸ビニル、ポリウ
レタン、アルキッド系、アクリル系、セルロース系等の
合成樹脂を用い、公知のコーティング方法により隠蔽層
23上または/および感熱発色層24上に塗布すること
で形成される。このようなアンカー層の好ましい厚さは
0.5〜3μm程度である。
【0043】図3に本発明の第3の実施例による磁気記
録媒体を示す。この例では、感熱記録層として金属薄膜
層を備えている。
【0044】すなわち磁気記録媒体3は、基材31の一
方の面に磁気記録層32、金属薄膜層33および保護層
34をこの順に積層した構成を有している。
【0045】このうち基材31および磁気記録層32
は、図1の一般的な磁気記録媒体1における基材11、
磁気記録層12と同様の構成を用いて形成することがで
きる。金属薄膜層33は可視情報の記録膜として用いら
れるもので、サーマルヘッドの加熱により溶融破壊さ
れ、下の磁気記録層32の地色が顕れることで可視情報
を形成するものである。この金属薄膜層33はたとえ
ば、錫、ビスマス、セレン、テルル、亜鉛、鉛、インジ
ウム、カドミウム等の低融点金属の単体および合金を用
いて、真空蒸着法、スパッタリング法などの公知の薄膜
形成手段により、磁気記録層32上に形成することがで
きる。このような金属薄膜層33の好ましい厚さは0.
03〜0.3μm程度である。
【0046】保護層34は前述の通り、図1の一般的な
磁気記録媒体1における保護層14と同様の構成を用い
て金属薄膜層33上に形成することができる。
【0047】また図3には示していないが、磁気記録層
32と金属薄膜層33との間、および(または)金属薄
膜層33と保護層34との間に、印字記録特性および各
層間の密着性向上を目的としてアンカー層を設けること
ができる。このアンカー層は、サーマルヘッドの加熱に
より軟化し、同様に加熱により溶融した金属薄膜層材料
を細粒化して分散受容するものである。このようなアン
カー層は、たとえばニトロセルロース系などの自己酸化
性の樹脂や溶剤可溶型のポリウレタン系、ポリエステル
系、塩化ビニル系、ポリスチレン系、アクリル系等の種
々の熱可塑性樹脂や水溶性のポリビニルアルコールをバ
インダーとして、これに必要に応じてワックス、硬化剤
および可塑剤等を加え、有機溶剤に溶解したものをアン
カー層形成用塗料とし、グラビアコーティング法などの
公知のコーティング方法により磁気記録層32上および
(または)金属薄膜層33上に塗布して形成することが
できる。このようなアンカー層の好ましい厚さは0.5
〜8μ程度である。
【0048】図3に示した本発明の蒸着破壊型の感熱記
録層を有する磁気記録媒体の具体的な層構成の一例を以
下に示す。
【0049】基材31として、幅410mm、長さ80
0mで厚さ188μmの白色ポリエチレンテレフタレー
トフィルム〔商品名:ルミラーE−24(東レ社製)〕
を用意し、この基材31の片面に、Ba−フェライト磁
性粉末を塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリウ
レタン樹脂およびイソシアネート系硬化剤からなるバイ
ンダー溶液中に分散させた磁性塗料をリバースロールコ
ーターで塗布し、乾燥させて厚さ10μmで抗磁力27
50エルステッド、角型比0.85、残留磁束密度約
1.4Mx/cmの磁気記録層32を形成した。
【0050】この磁気記録層32の上に真空蒸着法によ
り錫を真空蒸着し、厚さ0.1μmの金属薄膜層33を
形成した。
【0051】次に金属蒸着層33の上に下記の組成から
なる保護層形成用インキをオフセット印刷法により印刷
し、次いで30m/min、160W/cm、3灯の条
件で紫外線照射を行い、硬化させて厚さ1μmの保護層
34を形成し、図3に示すような磁気記録媒体3を作製
した。
【0052】 保護層形成用インキの組成 ポリオール系アクリルエステルオリゴマー(6官能性) 55重量部 光重合開始剤 15重量部 硫酸バリウム(平均粒径0.5μm) 〔商品名:TH(バライト工業社製)〕 20重量部 ポリエチレンワックス(融点140℃) 〔商品名:Ceridust3910(ヘキストジャパン社製)〕10重量部 比較例として、金属薄膜層33の上に下記の組成からな
る従来の保護層形成用インキをオフセット印刷法により
印刷し、次いで30m/min、160W/cm、3灯
の条件で紫外線照射を行い、硬化させて厚さ1μmの保
護層を形成させ、従来の保護層を有する磁気記録媒体を
作製した。
【0053】 従来の保護層形成用インキの組成 ポリオール系アクリルエステルオリゴマー(2官能性) 35重量部 ポリオール系アクリルエステルモノマー(2官能性) 35重量部 光重合開始剤 15重量部 炭酸カルシウム 5重量部 ポリエチレンワックス(融点50℃) 5重量部 シリコーン 5重量部 以上のように作製した本発明の実施例および比較例の磁
気記録媒体について、以下の評価を行った。
【0054】耐摩耗性 500g荷重の磁気ヘッドを往復1000回、保護層上
で接触させたところ、実施例および比較例ともにも変化
が見られなかった。
【0055】印字適性 サーマルプリンターで印字記録を行い、マクベス反射濃
度計(RD918)により濃度を測定したところ、実施
例および比較例ともに、発色濃度1.3で充分な発色が
みられた。また、実施例および比較例ともにスティッキ
ングは発生しなかった。
【0056】刻印適性 刻印機によって刻印を行い、刻印の定着具合を見たとこ
ろ、実施例では刻印が定着していたが、比較例では刻印
が定着していなかった。
【0057】筆記適性 油性ペンによってサインをおこない弾きの程度を見たと
ころ、実施例では弾きがなく良好な筆記適性が得られた
が、比較例では弾きがあり、筆記適性が劣っていた。
【0058】 したがって、本発明のような構成の保護層を有する磁気
記録媒体は、比較例で示した従来の磁気記録媒体に比
べ、耐摩耗性、耐擦傷性、耐スティッキング性および印
字適性を低下させることなく、刻印適性および筆記適性
を向上させることができた。
【0059】
【発明の効果】以上に説明したように本発明によれば、
磁気記録媒体は、多官能オリゴマー、光重合開始剤、体
質顔料、ワックスよりなる紫外線硬化型の保護層形成用
インキを使用し、このインキを紫外線で硬化させた保護
層を有しているので、耐摩耗性、耐擦傷性、耐スティッ
キング性および印字適性を低下させることなく、刻印適
性および筆記適性を向上させることができるという効果
が得られる。
【0060】体質顔料として、平均粒径1μm以下の硫
酸バリウム、ベンゾグアナミンパウダー、アルミナのい
ずれかを使用し、かつインキに占める割合を10〜50
重量%の範囲にした場合には、上記の効果がさらに向上
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による磁気記録媒体の部分縦
断面図。
【図2】本発明の第2の実施例による磁気記録媒体の部
分縦断面図。
【図3】本発明の第3の実施例による磁気記録媒体の部
分縦断面図。
【符号の説明】 1,2,3 磁気記録媒体 11,21,31 基材 12,22,32 磁気記録層 13,23 隠蔽層 14,16,25,34 保護層 15 印刷層 24 感熱発色層 33 金属薄膜層
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年10月15日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】更に、保護層形成用インキに含有させる体
質顔料が平均粒径1μm以下の硫酸バリウム、ベンゾグ
アナミンパウダーおよびアルミナから選択し、かつその
配合割合を、保護層形成用インキに占める割合が10〜
50重量%の範囲にすれば、シリコーンを用いることな
く、保護層表面の滑性低下を防止することができると
ともに、良好な耐摩耗性、耐擦傷性、耐スティッキング
性が保持される。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0053
【補正方法】変更
【補正内容】
【0053】 従来の保護層形成用インキの組成 ポリオール系アクリルエステルオリゴマー(2官能性) 35重量部 ポリオール系アクリルエステルモノマー(2官能性) 35重量部 光重合開始剤 15重量部 炭酸カルシウム 5重量部 ポリエチレンワックス(融点50℃) 5重量部 シリコーン 重量部 以上のように作製した本発明の実施例および比較例の磁
気記録媒体について、以下の評価を行った。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材の一方の面に磁気記録層が設けら
    れ、前記磁気記録層を有する面の最上層に保護層が設け
    られた磁気記録媒体において、前記保護層が、紫外線照
    射により硬化された紫外線硬化型インキで形成されてお
    り、前記紫外線硬化型インキは、多官能オリゴマー、光
    重合開始剤、体質顔料、およびワックスを含有するイン
    キであることを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記体質顔料が、平均粒径1μm以下の
    硫酸バリウム、ベンゾグアナミンまたはアルミナのいず
    れかであり、かつ前記紫外線硬化型インキの総量に占め
    る割合が10〜50重量%の範囲にあることを特徴とす
    る請求項1に記載の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記磁気記録層と前記保護層との間に感
    熱記録層が設けられていることを特徴とする請求項1に
    記載の磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 前記感熱記録層が金属薄膜層であること
    を特徴とする請求項3に記載の磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】 前記感熱記録層が感熱発色層であること
    を特徴とする請求項3に記載の磁気記録媒体。
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