JPH06230540A - 写真用製品及びその形成法並びに該写真用製品を使用する写真法 - Google Patents

写真用製品及びその形成法並びに該写真用製品を使用する写真法

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JPH06230540A
JPH06230540A JP4189618A JP18961892A JPH06230540A JP H06230540 A JPH06230540 A JP H06230540A JP 4189618 A JP4189618 A JP 4189618A JP 18961892 A JP18961892 A JP 18961892A JP H06230540 A JPH06230540 A JP H06230540A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 遊離ヒドロキノンのマイグレーションやその
酸化による画像の変色等の問題が軽減又は克服されたイ
ンスタントフィルムを提供する。 【構成】 インスタントカラーフィルムにおける感光性
要素1のスペーサー層38に2−フェニル−5−t−ブ
チルヒドロキノンとビス−N,N−ジエチルテレフタル
アミドとの錯体含めることによって、感光性要素の光露
光が行われるべき透明な受像性要素5及びその受像性要
素と重ね合わせ関係にある感光性要素1を含んで成り、
それら感光性要素1と受像性要素5との間に処理用組成
物を剥離自在に保持する破壊性ポッド3が配置されてい
るインスタントカラーフィルムを作成する。上記錯体は
ヒドロキノン成分とテレフタルアミド成分とをミルによ
り粉砕、混合することによって調製する。

Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
【0001】本発明はヒドロキノン類を含有する写真材
料において使用するための方法と組成物に関する。本発
明の方法と組成物は通常「自己現像性」フィルム又は
「インスタント」フィルムと称される拡散転写用フィル
ムにおいて主として使用せんとされるものである。
【0002】本明細書において「ヒドロキノン」なる用
語は、単一のフェニル環が互いにパラの位置にある2個
のヒドロキシル基を有する任意の芳香族系を総称的に指
すべく用いられている。しかして、本明細書において用
いられているこの用語は、フェニル環が置換されている
ヒドロキノン自体の誘導体、例えば2−フェニル−5−
メチルヒドロキノンだけでなく、ヒドロキシル基を有す
るフェニル環が1個又は2個以上の他の芳香環に融合さ
れている化合物、例えば1,4−ジヒドロキシナフタレ
ンも包含する。
【0003】
【従来の技術】ヒドロキノン類には、通常(湿式処理)
タイプ及びインスタントタイプの両タイプの写真系にお
ける現像剤として広く認められた用途がある。例えば、
マクミラン社(Macmillan)〔ニューヨーク
(New York)〕の刊行にかかる(1977
年)、ジェームス,T.H(James,T.H.)
編、リー,W.E.(Lee,W.E.)及びブラウ
ン,E.R.(Brown,E.R.)著、第11章
「写真法の理論(The theory of the
photograpic process)」を参照
されたい。多くのインスタントフィルム〔例えば、NY
州、ニューヨークのバン ノストランド レインホール
ド社(Van Nostrand Reinhold)
の刊行にかかる、スタージ,J(Sturge,J)、
ワルウォース,V.K.(Walworth,V.
K.)及びシェップ,A(Shepp,A.)〕編「画
像形成性材料及び方法(Imaging materi
als and process)−ネブレットの(N
eblette’s)第8版」における、ワルウォー
ス,V.K.及びマービス,S.H.(Marbis,
S.H.)著「インスタント フォトグラフィー及び関
連リプログラフ法(Instant photogra
phy and related reprograp
hic process)」並びにその中で引用されて
いる文献、特に米国特許第2,983,606号及び同
第4,740,448号明細書に記載されるもの〕は感
光性要素、受像性要素及びその感光性要素をアルカリ性
の現像用組成物と接触させるためのディバイス〔通常、
破壊可能な(disruptible)ポッド〕を含ん
で成る。感光性要素は、各層に色素現像剤、即ちハロゲ
ン化銀を現像する部分と色素の発色団とを同時に含有す
る化合物が一体に組み込まれている1層又は2層以上の
ハロゲン化銀乳剤層を有する。感光性要素を露光し、そ
してアルカリ性の現像用組成物をその露光された感光性
要素と接触させると、未露光領域において色素現像剤は
受像性要素に拡散する。しかし、露光領域では色素現像
剤は酸化及び不動態化され、そのため色素現像剤の受像
性要素への転染は起こらない。しかして、受像性要素に
ポジ画像が形成される。
【0004】色素現像剤は露光されたハロゲン化銀を自
ら現像することができるが、実際には、色素現像剤は、
時には「副現像剤」、「メッセンジャー現像剤」又は
「電子転写剤」と称される無色の現像剤と共に用いられ
る。副現像剤自体は露光領域の露光されたハロゲン化銀
を現像し、そのようにして生成した酸化された副現像剤
は色素現像剤との酸化還元反応で沈澱し、それによって
色素現像剤を酸化及び不動態化する。副現像剤は通常ヒ
ドロキノンである。
【0005】インスタントフィルムの感光性要素も、拡
散性の画像色素をある特定の硫黄−窒素含有化合物、例
えばチアゾリジン類の、銀により開始される開裂反応に
よって不動態性前駆体から放出させるプロセスを使用す
ることができる。例えば前記の米国特許第4,740,
448号明細書に記載されるように、この種チアゾリジ
ン類は、通常はヒドロキノンである無色の現像剤、即ち
「主現像剤」と共に使用される。
【0006】しかして、大部分のインスタントフィルム
の感光性要素は少なくとも1種のヒドロキノンを含有
し、またインスタントカラーフィルムは1種より多いヒ
ドロキノンを含有することができる。例えば、前記米国
特許第4,740,448号明細書の実施例2及び3に
記載される感光性要素は各々、各層が4′−メチルフェ
ニルヒドロキノン(MPHQ)を含有する2層の個別の
層と2−フェニル−5−t−ブチルヒドロキノンを含有
する第3の層を含んでいる。
【0007】ヒドロキノン類は、残念ながら、インスタ
ントフィルムの感光性要素に用いられる高分子の媒体中
で、特に高度にアルカリ性のpHにおいて移動する傾向
が極めて高く、そのヒドロキノンの移動で種々の問題が
引き起こされる可能性がある。第一に、現像中にヒドロ
キノンは色素を有する受像性要素に移動する傾向があ
る。受像性層中にヒドロキノンが存在しても画像形成に
は影響はないけれども、長期にわたり貯蔵するとヒドロ
キノンは大気酸素により酸化されて画像の白色領域中に
望ましくない黄色又はわら色を生む対応するキノンにな
る傾向がある。第二に、複数のヒドロキノン含有層を含
むカラーフィルムでは、1種の色素と共に使用せんとさ
れたヒドロキノンが露光前の貯蔵中か現像中に、別の色
素と共に使用せんとされたヒドロキノンを含有する層に
拡散するだろう。層にこの「不適当な」ヒドロキノンが
存在すると、例えば米国特許第4,293,641号明
細書において考察されているように、色の混合が起こ
る。これらの拡散問題は、妥当な現像時間内に高解像度
の画像を与えるためにインスタントフィルムの個々の層
を非常に薄く(1μmのオーダー)保つ必要によって悪
化される。
【0008】ヒドロキノンを常用の塗被法でインスタン
トフィルム単位の感光性要素に組み込むことも色々な困
難をもたらす。ある種のヒドロキノンは水に分散させる
ことができず、そのためそれらヒドロキノンは非水性媒
体から塗被しなければならないが、この非水性媒体は環
境及び廃棄物処理の問題並びにコストの問題をもたら
す。例えば、前記米国特許第4,740,448号明細
書ではt−ブチルヒドロキノンをジエチルドデカンアミ
ド中溶液から塗被している。ヒドロキノンを水性分散液
から塗被することができる場合でも、ヒドロキノンは塗
被中に往々にして大気の酸化作用を受け易く、感光性要
素中におけるキノンの存在はヒドロキノンの一部を事実
上無駄にするだけでなく、感光性要素の非露光領域にも
キノンによる色素現像剤の酸化及び不動態化によって引
き起こされる色のひずみ問題をもたらすだろう。
【0009】ヒドロキノン類がある種の窒素含有有機化
合物と水素結合による錯体を形成することは知られてお
り、そのような錯体を画像形成系に使用しようとする試
みが色々となされてきた。例えば、米国特許第4,09
7,288号明細書には、普通は無色のラクトン類又は
スピロピラン化合物をフェノール化合物とアミン又はア
ミドとの、解離温度が50〜220℃の範囲である水素
結合による分子錯体と組み合わせて含有する感熱性の記
録用組成物が記載される。この組成物は、フェノール化
合物が錯体を形成しない組成物と比較して圧力に対する
感受性が小さく、かつバックグラウンド汚染、画像フラ
ッディング(flooding)、感湿性、臭気、レー
ルローディング(railroading)及び焼き切
りの問題の受け易さの度合いが少ないと言われる。開示
される特定の錯体にヒドロキノンとアセトアミド及びホ
ルムアミドとの錯体がある。
【0010】前記米国特許第4,293,641号明細
書には、露光後にハロゲン化銀用現像剤の存在下でアル
カリ性処理液で処理すると銀画像を形成することができ
る少なくとも2層のハロゲン化銀写真乳剤層とそれら乳
剤層間に配置された中間層とを有する支持体を含んで成
る写真感光性材料が記載される。この中間層は、上記写
真感光性材料の処理に際して使用されるハロゲン化銀用
現像剤とは異なる、凝固点が100℃以下であるヒドロ
キノン誘導体類とペンダントの複数のラクタム環を有す
るホモポリマー又はコポリマーとの混合物から形成され
る錯体を含有している。この中間層は色の混合を実質的
に防止すると言われる。しかし、色の混合問題に対する
この提案された解決法は感光性要素中に追加の層を設け
ることを必要とする。この追加層はハロゲン化銀乳剤層
を現像するのに用いられるヒドロキノンとは異なるヒド
ロキノンを含んでいなければならない。この解決法はま
たその中間層のポリマーを製造することも必要とする。
この米国特許には、ヒドロキノンの受像性要素への拡散
により引き起こされる画像の変色問題を取り扱う方法は
何ら示唆されていない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】かくして、インスタン
トフィルムの感光性要素の現像の際に、その中に含まれ
るヒドロキノンの受像性要素への移動によってもたらさ
れる、フィルムの長期貯蔵中のヒドロキノンのキノンへ
の酸化とそれによる白色領域の変色の問題、或いは複数
のヒドロキノン含有層を含むカラーフィルムにおける、
その貯蔵中又は現像中のヒドロキノンのヒドロキノン含
有層間での拡散とそれによる色の混合の問題を解決する
良好な方法が求められる。
【0012】
【課題を解決するための手段】インスタントフィルムに
おいてヒドロキノン類とある種の単純なモノマー性ジア
ミド類との錯体をヒドロキノン類自体に代えて使用する
とそのようなフィルムにおけるヒドロキノン類の使用と
関連した諸問題の幾つかを軽減又は克服可能であること
がここに判明した。加えて、これらジアミドを、現像中
又は現像後にヒドロキノンがジアミドと錯体を形成する
ことができるフィルム内の色々な場所に与えると、その
ようなフィルムにおけるヒドロキノンの使用と関連した
他の問題が軽減又は克服される。
【0013】1つの態様において、本発明は次の:画像
色素提供用物質が一体に組み込まれている少なくとも1
層の感光性ハロゲン化銀乳剤層を含み、かつ少なくとも
1種のヒドロキノンを更に含んで成る、光に露光され、
そしてアルカリ性の現像用組成物と接触すると画像色素
が未露光領域から放出される感光性要素;及び
【0014】前記感光性要素から放出された画像色素を
受容し、それによって画像を形成するように前記感光性
要素と重ね合わせ関係にある、又はそのような関係で配
置されるようになっている受像性要素;
【0015】を含んで成る拡散転写画像を形成するため
の写真用製品を提供する。本発明のこの写真用製品は前
記の感光性要素と受像性要素との少なくとも一方が芳香
族ジカルボン酸のジアミドを含んで成り、その芳香族ジ
カルボン酸中の2個のカルボキシル基は同じフェニル環
上において互いにパラ位に配置されており、そのジアミ
ドはN,N,N′,N′−テトラ置換ジアミドであり、
そのジアミド中のアミド窒素原子上の置換基は各々独立
にアルキル基、シクロアルキル基又はアリール基である
ことを特徴とするものである。これらのジアミドを以下
においては「テトラ置換パラ−ジアミド」と称するもの
とする。
【0016】本発明はまた、画像色素提供用物質が一体
に組み込まれている少なくとも1層の感光性ハロゲン化
銀乳剤層を含み、かつ少なくとも1種のヒドロキノンを
更に含んで成る感光性要素、及び受像性要素を有する写
真用製品を化学線に像様露光し;そして
【0017】露光された感光性ハロゲン化銀乳剤層をア
ルカリ性の現像用組成物と接触させることによってその
露光された感光性ハロゲン化銀乳剤層の現像、その乳剤
層の未露光領域からの画像色素の放出、及び放出された
その色素とヒドロキノンの一部との受像性要素への移動
を達成し、それによって画像を形成する;
【0018】工程を含んで成る写真法を提供する。本発
明のこの方法はその写真用製品が本発明の製品であり、
そのジアミドが受像性要素に移動されるヒドロキノンの
量を減少させるのに役立つことを特徴とするものであ
る。
【0019】本発明はまた、少なくとも1層のハロゲン
化銀乳剤層と少なくとも1種のヒドロキノンを支持体に
付着させ、その際そのヒドロキノンをヒドロキノン水性
分散液から付着させる工程を含んで成る写真用製品の形
成法を提供する。この方法はヒドロキノンの水性分散液
が芳香族ジカルボン酸のジアミドを更に含み、その芳香
族ジカルボン酸中の2個のカルボキシル基は同じフェニ
ル環上において互いにパラ位に配置されており、そのジ
アミドはN,N,N′,N′−テトラ置換ジアミドであ
り、そのジアミド中のアミド窒素原子上の置換基は各々
独立にアルキル基、シクロアルキル基又はアリール基で
あり、その結果本発明の写真用製品が形成されることを
特徴とするものである。
【0020】最後に、本発明はヒドロキノンとテトラ置
換パラ−ジアミドとの水素結合による錯体を提供する。
【0021】既に述べたように、本発明は感光性要素と
受像性要素の少なくとも一方がテトラ置換パラ−ジアミ
ドを含んで成る拡散転写写真用製品を提供するものであ
る。このパラ−ジアミドはそのような写真用製品におい
て幾つかの異なる目的を果たし、パラ−ジアミドが組み
込まれる正確な場所又は複数の場所はそのパラ−ジアミ
ドで果たせんとする目的に依存する。
【0022】第一に、テトラ置換パラ−ジアミドは、ヒ
ドロキノンが画像形成中に受像性要素に到達しないよう
にするか、又は受像性要素に到達するヒドロキノンを全
て錯化することによって錯化されていないヒドロキノン
を実質的に含まない露光した受像性要素を提供するのに
役立つ。いずれの場合も、パラ−ジアミドは受像性要素
中のヒドロキノンの対応するキノンへの酸化を防ぎ、か
くして通常のインスタントフィルムの貯蔵時に時に経験
することがある黄変問題が回避される。(ヒドロキノン
のテトラ置換パラ−ジアミド錯体は遊離のヒドロキノン
よりも酸化を極めて受け難く、そのため貯蔵中にその錯
体が受像性要素中に存在してもヒドロキノンの酸化及び
画像の黄変が除かれるか、少なくとも実質的に減少され
る。)この目的のために、パラ−ジアミドは受像性要素
の中に、又はその受像性要素と、感光性要素の唯一のヒ
ドロキノン含有層(又は複数のそのヒドロキノン含有層
の全て)との間にある感光性要素の1層の中に存在する
ことができる。市販のインスタントフィルムの受像性要
素は、多くの場合、ペンダントのピリジン環及び/又は
ペンダントの置換四級アンモニウム基を有するポリマー
を含んで成り、そしてそのような窒素含有ポリマーはテ
トラ置換パラ−ジアミドとは高度に相容性である。
【0023】第二に、テトラ置換パラ−ジアミドは感光
性要素の少なくとも1層のヒドロキノン含有層中に存在
することができ、そのためパラ−ジアミドはこの層中で
ヒドロキノンと錯体を形成する。この位置で、パラ−ジ
アミドはヒドロキノンが露光前の貯蔵中に又は露光中に
その適正な層から拡散するのを妨げるのに役立つ。パラ
−ジアミドの存在はヒドロキノンの現像作用を妨害しな
い。それは、強度にアルカリ性の現像用組成物が現像中
にそのヒドロキノン含有層に到達したときヒドロキノン
が脱プロトン化され、そしてその錯体が分解されて後に
遊離ヒドロキノンを残してその現像作用を遂行するから
である。
【0024】テトラ置換パラ−ジアミドは、勿論、その
ジアミドがヒドロキノンの水性媒体への分散を助長する
ために塗被に先立ってヒドロキノンに添加される結果と
して、写真用製品の1層又は2層以上のヒドロキノン含
有層中に存在していてもよい。ここで留意すべきこと
は、ヒドロキノンの分散をこのようにして助長するのに
パラ−ジアミドを使用する場合、ヒドロキノンを水性媒
体に分散させるには極く少量のパラ−ジアミド、典型的
にはヒドロキノンのモル当たり約0.03〜約0.5モ
ルのパラ−ジアミドで足りるので、分散させるべきヒド
ロキノンの全てを錯化するのに十分な量のパラ−ジアミ
ドは添加する必要がないことである。例えば、遊離の2
−フェニル−5−メチルヒドロキノンはそれを水に分散
させることはできないが、そのヒドロキノンのモル当た
り0.05モルのN,N,N′,N′−テトラエチルテ
レフタルアミドはそのヒドロキノンを容易に水に分散可
能とする。
【0025】第三に、感光性要素が少なくとも2層のヒ
ドロキノン含有層を含んで成る場合、テトラ置換パラ−
ジアミドはその2層のヒドロキノン含有層間に配置され
る層中に存在することができ、しかして1層のヒドロキ
ノン含有層中のヒドロキノンが他のヒドロキノン含有層
に拡散することが防がれる。
【0026】本発明で用いられるテトラ置換パラ−ジア
ミド類にはそれら自体に対して水素結合する傾向は本質
的になく、従ってヒドロキノンと錯体を形成する代わり
にそのテトラ置換パラ−ジアミドが自動錯化する危険は
本質的にない。パラ−ジアミドはテレフタル酸のジアミ
ド、望ましくはテレフタル酸のN,N,N′,N′−テ
トラアルキルジアミドであるのが好ましい。テレフタル
酸ジアミド〔これは公知の化合物である;例えばバイル
シュタイン,ハンドブッフ デア オルガニッシェ ヘ
ミー(Beilstein,Handbuch der
Organische Chemie)、E IV
9、第3321頁、Syst−Nr.978/H845
及びEIII、第4253頁を参照されたい〕は安価
で、かつ容易に入手可能なテレフタロイルクロリドと適
切なアミンとから容易に製造することができる。テレフ
タル酸ジアミドはまた低分子量の化合物であって、所定
量の全てのヒドロキノンを錯化すべく写真用製品に組み
込まなければならないパラ−ジアミドの量を減少させ
る。本発明において使用するための特に好ましい2種の
パラ−ジアミドはN,N,N′,N′−テトラエチル−
及びN,N,N′,N′−テトラエチル−テレフタルア
ミドである。
【0027】本発明において使用されるヒドロキノンは
写真用媒体において現像剤として常用されるもののいず
れであってもよく、これには、例えば前記の米国特許第
2,983,606号及び同第4,740,448号明
細書に記載されるもの全てが包含される。好ましいヒド
ロキノンを挙げると、t−ブチルヒドロキノン、2−フ
ェニル−5−t−ブチルヒドロキノン、2−(4′−メ
チル)フェニル−5−t−ブチルヒドロキノン、4′−
メチルフェニルヒドロキノン、2−フェニル−5−メチ
ルヒドロキノン及び2−ヘキシル−5−t−ブチルヒド
ロキノンがある。前記のように、2−フェニル−5−メ
チルヒドロキノンを写真用製品への組み込みに先立って
錯化することが、そのような錯化は、その遊離のヒドロ
キノンは水性媒体に分散させることができないにもかか
わらず、そのヒドロキノンを水性分散液から塗被するの
を可能とする点で特に有利である。
【0028】ヒドロキノン/パラ−ジアミド錯体は、ヒ
ドロキノンとテトラ置換パラ−ジアミドとを一緒に固体
状態で粉砕することによってそれら成分から容易に形成
することができる。錯体の実験室規模での製造について
は、ヒドロキノンとパラ−ジアミドとの混合物を単に攪
拌するか、又はそのような混合物を常用の実験室用ミル
で微粉砕することによって良好な結果が得られる。
【0029】添付図面の図1は前記米国特許第4,74
0,448号明細書に開示されるタイプの、インテグラ
ル・ネガ−ポジ反射プリントを与えることができるよう
なっており、そしてシアン色とマゼンタ色を形成する画
像色素としてのシアン色素現像剤とマゼンタ色素現像剤
並びに黄色画像色素放出性チアゾリジンが使用されてい
る拡散転写フィルム単位を図示、説明するものである。
【0030】図1は感光性要素の光露光が行われるべき
透明な受像性(「ポジ」)成分即ち要素5と重ね合わせ
関係で示される感光性成分即ち要素1を含んで成る。処
理用組成物を剥離自在に保持する破壊性容器即ちポッド
3が感光性要素1と受像性要素5との間に配置されてい
る。感光性要素1は不透明な支持体10を含み、その支
持体10は高分子酸の中和用層12、層14にしてそれ
に対する処理用組成物の拡散を所定時間の間防ぐことに
よって高分子酸の有効時間をコントロールできるように
なっているその層14、シアン色素現像剤層16、スペ
ーサー層18、赤感性ハロゲン化銀乳剤層20、スペー
サー層22、マゼンタ色素現像剤層24、スペーサー層
26、緑感性ハロゲン化銀乳剤層28、銀イオン掃去剤
を含有するスペーサー層30、黄色フィルター色素層3
2、黄色画像色素放出性チアゾリジンの層34、無色の
ハロゲン化銀用現像剤を含有するスペーサー層36、青
感性ハロゲン化銀乳剤層38及びトップコート即ち抗摩
耗性層40を順に担持している。受像性要素即ち成分5
は透明な支持体50を含み、その支持体50は受像性層
52及びクリアリングコート54を順に担持している。
光露光は透明支持体50とその支持体の上に担持される
同様に透明な層を通して行われ、そのフィルム単位はカ
メラの中にカメラの露出又はレンズ系によって許容され
る光が透明支持体40の外表面即ち露光表面に入射する
ように配置される。露光後、フィルム単位を適当な圧力
印加部材又はローラー(図示せず)の間に進め、ポッド
3を破壊することによって、米国特許第3,647,3
47号明細書に教示されるように二酸化チタンとpH感
性光学フィルター剤又は色素を含有する不透明な処理用
組成物の層を放出、分布させると、それによって感光性
要素1と受像性要素5との積層体にして、それらそれぞ
れの支持体が積層体の外側層をなしているそのような積
層体が形成される。処理用組成物はフィルム形成性で、
かつ粘性を与えるポリマーを含有し、かつまたその中に
含まれる光学フィルター剤を着色させる初期pHを有す
る。光学フィルター剤は感光性要素に対して化学線作用
のある外囲光の波長範囲にわたって適切な吸光度、即ち
光学濃度を示すように選択される。その結果、透明支持
体50の表面に入射した波長範囲内の、そして露光され
たハロゲン化銀乳剤の方向にその透明支持体とその上に
担持された透明な諸層を通して横断透過した外囲光即ち
周囲の光が吸収され、それによって光露光された現像用
ハロゲン化銀乳剤が更に露光されるのが防がれる。露光
された青感性ハロゲン化銀はスペーサー層36に最初に
存在した無色のハロゲン化銀現像剤により現像される。
未露光の青感性ハロゲン化銀は処理用組成物中に初めに
存在した銀用溶剤で溶解され、黄色画像色素放出性チア
ゾリジンを含有する層34に移動せしめられる。錯化さ
れた銀との反応は、例えば米国特許第3,719,48
9号及び同第4,098,783号明細書に記載される
ように、チアゾリジン環の開裂と拡散性の黄色画像色素
の放出とを開始させる。
【0031】露光した緑感性及び赤感性ハロゲン化銀
の、好ましくはメッセンジャー現像剤、例えば4′−メ
チルフェニルヒドロキノンによる現像によってマゼンタ
色素現像剤及びシアン色素現像剤がそれぞれ像様に不動
態化される。緑−及び赤−感性ハロゲン化銀乳剤の未露
光領域の未酸化マゼンタ色素現像剤及びシアン色素現像
剤は拡散性のままであって、現像された青感性ハロゲン
化銀乳剤層38を通して受像層52に移動する。像様に
放出された黄色画像色素並びに像様未酸化のマゼンタ及
びシアン色素現像剤の受像層への移動は所望とされる多
色転写画像を与えるのに効果的である。
【0032】アルカリ性処理用組成物の、タイミング層
14を介しての中和用(高分子酸)層12への透過は、
このプロセスのpHが必要な現像と画像転写を達成し、
光学フィルター剤を処理用組成物層内及びその層のハロ
ゲン化銀乳剤側に有色形態で保持すべく十分に高い水準
に保つようにコントロールされ、その後アルカリの高分
子酸層への透過の結果として達成されるpHの低下は、
光学フィルター剤を無色の形態に変化させる水準までそ
のpHを低下させるのに効果的である。処理用組成物の
適用された層からの水の吸収はフィルム形成性ポリマー
とその中に分散された白色顔料とから構成される凝固し
たフィルムをもたらし、かくして感光性成分1と受像性
成分5を一緒に積層して最終の一体的画像を与えるのに
も役立つ光反射性層が得られる。受像性層54に存在す
るポジの転写画像は、色素画像に対して本質的に白色の
バックグラウンドを与え、かつまた現像された感光性要
素1が見えないように効果的に遮蔽する光反射性層に対
する透明支持体50を通して見える。
【0033】図1に示されるフィルム単位は普通3層の
別個のヒドロキノン含有層を含み、1層が3層のハロゲ
ン化銀乳剤層の各々と合体されている。ヒドロキノンは
ハロゲン化銀乳剤層自体、色素現像剤若しくは色素放出
性物質を含有する層、又は色素現像剤若しくは色素放出
性物質を含有する層とハロゲン化銀乳剤層との間のスペ
ーサー層に存在していてもよい。例えば、前記の米国特
許第4,740,448号明細書の実施例3では、シア
ン色素現像剤層16と緑感性ハロゲン化銀乳剤層28と
にMPHQを存在させ、スペーサー層38に2−フェニ
ル−5−t−ブチルヒドロキノンを存在させている。
【0034】パラ−ジアミドは、克服することが望まれ
る問題又は問題の組み合わせに依存して図1に示される
フィルム単位の色々な層に組み込むことができる。受像
性層52に遊離のヒドロキノンが存在するのを避けたい
場合は、パラ−ジアミドを受像性層52自体か、又はこ
の受像性層とヒドロキノン含有層の1層若しくは2層以
上との間にある任意の層の中に含めることができる。し
かして、例えばパラ−ジアミドは受像性層52、クリア
リングコート54、抗摩耗性層40又は抗摩耗性層40
とスペーサー層38との間に配置された追加のジアミド
層60の中に含めることができる。しかし、既に述べた
ように、パラ−ジアミドは殆どの市販受像性層に用いら
れている窒素含有ポリマーとは極めて相容性であるの
で、受像性層52にパラ−ジアミドを含めるのが通常最
も都合がよい。
【0035】ヒドロキノンを安定させたい場合、又はパ
ラ−ジアミドを用いてヒドロキノンの塗被を助長する場
合は、パラ−ジアミドをヒドロキノン含有層自体の中に
含める。従って、図1においては、パラ−ジアミドはシ
アン色素現像剤層16、緑感性ハロゲン化銀乳剤層28
及びスペーサー層38の任意の1層又は2層以上の中に
含めることが可能である。
【0036】最後に、1種のヒドロキノンが別のヒドロ
キノンを含有する層にマイグレーションするのを防ぐの
にパラ−ジアミドを使用したい場合、パラ−ジアミドは
2層のヒドロキノン含有層間に配置された任意の層の中
に、例えば図1の層18、20、22、24、26、3
0、32、34及び36の内の任意の1層又は2層以上
の中に入れることができる。
【0037】本発明に従って写真用製品にパラ−ジアミ
ドを使用すると、ヒドロキノン類をこのような写真用製
品に組み込む際の種々の困難、貯蔵中の製品内における
ヒドロキノン類のマイグレーション及び画像中に遊離の
及び酸化可能なヒドロキノンが存在することによって引
き起こされる貯蔵中の画像の変色を含めて、ヒドロキノ
ンの製造とそれらヒドロキノンの写真用製品における使
用と通常結び付いている諸問題の多くが軽減されるか、
或いは除かれる。
【0038】以上、1つの特定のインテグラルタイプ
(即ち、前記米国特許第4,740,448号明細書で
使用されているタイプ)の拡散転写写真用フィルム単位
を参照して本発明を説明したが、本発明に従ってのパラ
−ジアミドの使用はまたその他のインテグラルフィルム
単位及び米国特許第2,627,460号、同第2,9
83,606号及び同第3,362,819号明細書に
おいて例証されるもののような「剥離」フィルム単位に
おいても実施することができる。
【0039】
【実施例】本発明の写真用製品を形成しそして本発明の
方法を実施し、またヒドロキノン/パラ−ジアミド錯体
を製造するのに際して使用される特に好ましい試剤、材
料、条件及び技術の細部を示すために次の実施例を示す
が、これら実施例は単に例示説明のために与えられるも
のである。
【0040】実施例1:ヒドロキノンとN,N,N′,
N′−テトラエチル−及びN,N,N′,N′−テトラ
エチル−テレフタルアミドとの錯体の製造と構造
【0041】パート1:錯体の形成とその性質 テレフタロイルクロリドとジエチルアミン及びジメチル
アミンとをそれぞれ縮合させることによりN,N,
N′,N′−テトラエチル−及びN,N,N′,N′−
テトラメチル−テレフタルアミドを製造した。生成物を
エタノールからの再結晶によって精製し、それらの純度
をバイルシュタイン ハンドブッフ デアオルガニッシ
ェ ヘミー、E IV9、第3321頁、Syst−N
r.978/H845及びEIII、第4253頁に示
される融点と比較することによって確認した。
【0042】これら2種のパラ−ジアミドとヒドロキノ
ンとのモル比3:1、2:1、1:1、1:2及び1:
3の混合物を、これら両物質をベル−アート プロダク
ツマイクロミル(Bel−Art Products
MicroMill)なるミル機〔PA州19101−
8711、フィラデルフィア(Philadelphi
a)、私書箱13645のVWR サイエンティフィッ
ク社(VWR Sientific)が販売〕を用いて
一緒に4時間粉砕するか、又は2グラム未満の混合物を
ポリテトラフルオロエチレンで被覆された攪拌棒を備え
たプラスチック製容器中でボルテックス(Vorte
x)攪拌機(VWR サイエンティフィック社が販売)
で4時間振盪することによって調製した。
【0043】このようにして調製した混合物を次に純粋
なパラ−ジアミド及びヒドロキノンと共にデュポン(d
uPont)9900及びパーキン−エルマー(Per
kin−Elmer)DSC4示差走査熱量計を使用す
る示差走査測熱法で試験した。1〜3mgの各物質から
の試料をアルミニウム製試料皿に秤取し、次いで窒素雰
囲気下において窒素パージ速度30mL/分を用いて1
0℃/分で加熱した。
【0044】全試料についてまた、ブルカー 200M
Hz フォーリアー トランスフォーム(Bruker
200MHz Fourier Transfor
m)NMR分光計を使用する13C干渉偏波マジック ア
ングル スピニング(cross−polarized
magic angle spinning)(CP
/MAS)核磁気共鳴分光分析法で分析した。
【0045】ヒドロキノン/テトラエチルジアミド混合
物にいてのNMRスペクトルを以下の表1に示す。この
表において、H1 はヒドロキノン中のヒドロキシル基に
結合している環炭素原子の共鳴を示し、H2,3 はヒドロ
キシル基中の非置換環炭素の共鳴を示し、Tc=o はジア
ミドのカルボニル炭素の共鳴を示し、T1 はジアミド中
のアミド基に結合している環炭素原子の共鳴を示し、T
2,3 はジアミド中の非置換環炭素の共鳴を示し、そして
Et1 及びEt2 はそれぞれジアミド中のエチル基のα
−炭素原子及びβ−炭素原子の共鳴を示す。
【0046】
【表1】
【0047】DSC分析の結果を図2の相図に要約して
示す。NMRとDSCの両分析はヒドロキノンとジアミ
ドとの1:1(モル比)の単一錯体の存在を示し、この
1:1錯体と純成分との間の中間組成は1:1錯体と過
剰のヒドロキノン又はジアミドとの単純混合物について
予想される結果示している。
【0048】具体的に説明すると、純ヒドロキノンにお
いてはヒドロキシル基を有する環炭素は148.1pp
mに3重項共鳴(H1 )を示すが、これに対して1:1
混合物ではこの共鳴は149.2ppmにおいて1重項
に単純化される。過剰のヒドロキノンは存在しないが、
過剰のジアミドが存在する場合のHT2 とHT3 の混合
物では148.1ppmに3重項は観察されない。更
に、ジアミドの非置換環炭素の化学シフトは遊離のジア
ミドを含有するこのような混合物の特性共鳴として役立
つ。純ジアミドでは、これらの炭素は124.0ppm
に2重項を示す。1:1混合物は126.0ppmに2
重項を示し、一方中間混合物は1:1錯体の形成につい
て予想される過剰のジアミドに対応して124.0pp
mと126.0ppmの2つの2重項を示す。遊離ジア
ミドを含有しないH3 T及びH2 T混合物では、12
6.0の2重項しか観察されない。その他の炭素の共鳴
は各々類似の挙動を示す。
【0049】化学者には直ちに明らかになるように、図
2の相図は1:1錯体を形成する2成分について予想さ
れる典型的な形態を示している;ニュー ジャージー州
(New Jersy)のプレンティス ホール社(P
rentice−Hall)刊行(1972年)のムー
アー,W.J.(Moor,W.J.)著、「物理化学
(Physical Chemistry)」、第7章
における類似のフェノール/アニリン系についての考察
を参照されたい。
【0050】ヒドロキノン/テトラメチルジアミド混合
物についてのNMRスペクトルを以下の表2に示す。各
種共鳴の表示は、Meがジアミドのメチル炭素の共鳴を
示すものであることを除けば上記の表1の表示と同じで
ある。
【0051】
【表2】 表 2 モル比 c=O 1 1 2,3 2,3 Me H - 149.5 - - 119.4 - 148.1 118.0 146.6 116.6 115.6 H3 T (171) 149.5 137.2 126 119.4 38.5 169.4 148.1 124 117.9 34.8 146.6 115.6 H2 T (171) 148.9 137.1 126.0 116.2 38.5 169.4 148 124.8 115.2 34.6 HT (171) 151.0 138.0 129.0 116.0 37.6 169.7 135.8 124.9 33.7 HT2 (172) 151.0 138.2 129.0 116.0 37.7 169.8 135.9 126.7 33.7 125.0 HT3 (172) 150.9 138.3 129.0 116.0 38.7 169.9 135.8 126.7 33.5 125.0 T (171.9) - 138.4 126.7 - (40.5) 170.0 38.7 (35.2) 33.4
【0052】DSC分析の結果を図3の相図に要約して
示す。以下において説明される理由から、この相図には
組成H3 2 及びH2 3 を有する追加の混合物も含ま
れる。H2 T混合物は198℃においてシャープな吸熱
転移を示し、HT混合物は169℃においてシャープな
吸熱転移を示した。
【0053】これらDSC及びNMRの分析結果の解釈
は上記で考察したテトラエチルジアミド系の場合より複
雑であるが、ヒドロキノンと1:1及び1:2の両錯体
を形成するジアミドとは完全に一致する。即ち、その相
図はこれら2種の錯体の形成について予想されるタイプ
のものであることが分かる。(この相図のH2 T混合物
とHT2 混合物との間の領域は元の点だけで解釈するの
は非常に困難で、そのため図3に示される2種の追加の
中間混合物をDSC分析して図示される追加のデーター
を得た。)
【0054】具体的に説明すると、純ヒドロキノンでは
ヒドロキシル基を有する環炭素は148.1ppmに3
重項共鳴(H1 )を示すが、これに対してH2 T混合物
ではこの共鳴は148.5ppmの非常にきっちりした
3重項であり、一方HT混合物ではその共鳴は151.
0ppmの1重項である。H3 Tについて観察された共
鳴はH2 Tと純ヒドロキノンとの混合物であるそれと一
致し、一方HT2 混合物とHT3 混合物の両混合物の共
鳴はHTと純ジアミドとの混合物であるそれらと一致す
る。同様のパターンがジアミドの非置換環炭素について
の共鳴にも観察される。即ち、純ジアミドにおける12
6.7ppmの1重項はHT混合物における129.0
ppmと124.9ppmの両ピークとH2 T混合物に
おける125.4ppmのきっちりした2重項との非対
称の対になる。
【0055】パートB:X−線による結晶構造 上記パートAで達成された結果に鑑みて、ヒドロキノン
とテトラエチルジアミドとの1:1錯体及びヒドロキノ
ンとテトラメチルジアミドとの2:1錯体をエタノール
から結晶化させ、それらの構造をX−線結晶学法で決定
した。構造は次の通りであることが判明した:
【0056】ヒドロキノンとテトラエチルジアミドとの1:1錯体
【0057】
【表3】 c=10.035Å、α=71.23°、β=89.6
4°、γ=81.58°
【0058】
【表4】原子の位置原子 C1 0.05276 0.55528 0.11019 C2 0.05761 0.37070 0.12895 H2 0.09273 0.27024 0.22343 C3 0.00466 0.31489 0.01852 H3 0.00706 0.16949 0.03946 O4 0.09913 0.61987 0.21640 H4 0.15460 0.51260 0.30100 C5 0.11901 0.10625 0.53092 C6 −0.06604 0.16450 0.52238 H6 −0.11684 0.28537 0.54402 C7 0.18503 −0.05791 0.50742 H7 0.32757 −0.09464 0.50057 C8 0.24789 0.22808 0.55375 O9 0.26118 0.37426 0.45912 N10 0.34694 0.17393 0.67451 C11 0.30846 0.02507 0.79977 H11A 0.18009 −0.00660 0.78233 H11B 0.28079 0.08810 0.88503 C12 0.45948 −0.13455 0.84522 H12A 0.41585 −0.23939 0.93513 原子 H12B 0.58915 −0.10199 0.85983 H12C 0.49865 −0.18099 0.75133 C13 0.47993 0.28926 0.69338 H13A 0.53296 0.34698 0.59454 H13B 0.58016 0.20028 0.75814 C14 0.39889 0.43373 0.75608 H14A 0.28676 0.51504 0.69742 H14B 0.49256 0.48614 0.77662 H14C 0.33726 0.39334 0.84122 C1A −0.05276 0.44472 −0.11019 C2A −0.05761 0.62930 −0.12895 H2A −0.09272 0.72976 −0.22343 C3A −0.00466 0.68511 −0.01852 H3A −0.00705 0.83051 −0.03946 O4A −0.09913 0.38013 −0.21640 H4A −0.15460 0.48741 −0.30100 C5A −0.11901 −0.10624 0.46908 C6A 0.06604 −0.16450 0.47762 H6A 0.11684 −0.28537 0.45598 C7A −0.18503 0.05791 0.49258 H7A −0.32757 0.09464 0.49943 C8A −0.24789 −0.22808 0.44625 O9A −0.26118 −0.37426 0.54088 N10A −0.34694 −0.17393 0.32550 C11A −0.30846 −0.02507 0.20024 H11C −0.18009 0.00660 0.21767 H11D −0.28079 −0.08809 0.11497 C12A −0.45948 0.13455 0.15478 原子 H12D −0.41585 0.23939 0.06488 H12E −0.58915 0.10199 0.14017 H12F −0.49865 0.18099 0.24868 C13A −0.47993 −0.28926 0.30662 H13C −0.53296 −0.34697 0.40546 H13D −0.58016 −0.20028 0.24186 C14A −0.39889 −0.43373 0.24392 H14D −0.28676 −0.51503 0.30258 H14E −0.49256 −0.48613 0.22338 H14F −0.33726 −0.39334 0.15879
【0059】添付図面の図4はその結晶の単位セルを示
し、一方図5はその単位セルの一部の拡大図であって、
ヒドロキノンの酸素とパラ−ジアミドの酸素との間の水
素結合を更に精密に示すものである。この水素結合の結
合距離と結合角は次の通りである:
【0060】
【表5】 H(4)−O(9)=1.98Å O(4)−O(9)=2.73Å O(4)−H(4)−O(9)=160.7Å
【0061】図4及び5から、両ケース共、ヒドロキノ
ンのヒドロキシル基とジアミドのカルボニル酸素との間
の水素結合は、ヒドロキノンとジアミドとを一緒に無限
の交互鎖の中に結合し、その際1本の鎖の中のジアミド
のフェニル環と隣接する鎖の中のヒドロキノンのフェニ
ル環との間でπ−積重ねが起きていることが分かる。
【0062】ヒドロキノンとテトラメチルジアミドとの2:1錯体
【0063】
【表6】 c=10.916Å、α=74.72°、β=86.7
4°、γ=88.34°
【0064】
【表7】原子の位置: 原子 C1 0.45099 0.12432 −0.10899 C2 0.59592 0.00132 −0.11791 C3 0.35527 0.12364 0.00689 C4 0.40987 0.26588 −0.22711 O5 0.52884 0.38194 −0.26773 N6 0.24672 0.26081 −0.28523 C7 0.09978 0.12317 −0.24301 C8 0.20829 0.40425 −0.40118 C9 0.33537 0.07090 0.43708 C10 0.50477 0.16694 0.41723 C11 0.67259 0.09617 0.48098 O12 0.16795 0.13426 0.37616 C13 0.08668 −0.51222 0.11339 C14 0.91816 −0.60586 0.11388 C15 0.16903 −0.40627 0.00153 O16 0.16887 −0.53085 0.22889 C1A 0.54901 −0.12432 0.10900 C2A 0.40408 −0.00132 0.11791 C3A 0.64473 −0.12364 −0.00689 C4A 0.59014 −0.26588 0.22711 原子 O5A 0.47116 −0.38194 0.26773 N6A 0.75328 −0.26081 0.28523 C7A 0.90023 −0.12317 0.24301 C8A 0.79171 −0.40425 0.40118 C9A 0.66463 −0.07090 0.56292 C10A 0.49523 −0.16694 0.58277 C11A 0.32740 −0.09617 0.51902 O12A 0.83204 −0.13426 0.62384 C13A 0.91332 −0.48777 −0.11339 C14A 0.08184 −0.39414 −0.11388 C15A 0.83097 −0.59373 −0.00153 O16A 0.83113 −0.46914 −0.22889
【0065】添付図面の図6はその結晶の単位セルを示
し、一方図7はその単位セルの一部の拡大図であって、
ヒドロキノンの酸素とパラ−ジアミドの酸素との間及び
このヒドロキノン酸素とヒドロキノンの第二分子上の酸
素との間の水素結合を更に精密に示すものである。これ
らの水素結合の結合距離と結合角は次の通りである:
【0066】
【表8】 H(12)−O(16)=1.85Å O(12)−O(16)=2.74Å O(12)−H(12)−O(16)=165.6Å H(16)−O(5)=1.56Å O(16)−O(5)=2.60Å O(16)−H(16)−O(5)=165.2Å
【0067】図6及び7から、ヒドロキノンのヒドロキ
シル基とジアミドのカルボニル酸素との間の水素結合は
ヒドロキノンとジアミドとを一緒に無限の交互鎖の中に
結合し、この場合も1本の鎖の中のジアミドのフェニル
環と隣接する鎖の中のヒドロキノンのフェニル環との間
でπ−積重ねが起きていることが分かる。テトラメチル
ジアミドがヒドロキノンと1:2の錯体を形成するこの
能力は充填現象であると思われる。即ち、メチル置換基
が存在するときはヒドロキノンの第二分子は格子に嵌入
することができるが、エチル置換基が存在するときは
「余分」のヒドロキノンは収容され得ないと思われる。
【0068】実施例2:水性分散液の調製 このパートは本発明の錯体の形成による易被酸化製ヒド
ロキノンの水性分散液の安定化を例証するものである。
【0069】N,N,N′,N′−テトラエチル−フタ
ルアミド(BETP)と2−フェニル−5−メチルヒド
ロキノンとを一緒に実施例1と同様に粉砕することによ
ってを両成分の1:1錯体を製造した。この錯体1重量
部、水2.92重量部、タモール(Tamol)731
界面活性剤0.05重量部及びアスコルビルパルミテー
ト0.03重量部をウルトラソニファイアー(ultr
asonifier)を用いて混合することによって上
記錯体の水性分散液を調製した。得られた分散液は安定
で、外囲温度では空気酸化されなかった。これに対し
て、遊離ヒドロキノンの同様の分散液は外囲温度におい
て空気酸化された。
【0070】N,N,N′,N′−テトラエチル−フタ
ルアミドと2−フェニル−5−t−ブチルヒドロキノン
(PtBHQ)とを一緒に同様に粉砕することによって
両成分の1:1錯体を製造した。色々な量のこの錯体、
得られる水性分散液100重量部につき合計で20重量
部のPtBHQを与えるに十分な未錯化PtBHQ、タ
ーモル731界面活性剤1重量部、アスコルビルパルミ
テート0.6重量部、2−フェニル−5−t−ブチルベ
ンゾキノン(PtBBHQ)3重量部、ゼラチン3重量
部及びセルロース硫酸ナトリウム0.2重量部をウルト
ラソニファイアーを用いて混合することによって水性分
散液を調製した。これらの分散液を42.5℃のオーブ
ンに入れ、この温度で1028時間保持した。その保持
時間中に試料を気−液クロマトグラフィーによりPtB
HQ、PtBBQ及びBETPについて分析した。Pt
BHQの酸化速度の数値量を得るためにPtBHQの初
期濃度に対する濃度を時間に対してプロットし、0時間
から91時間までの貯蔵で得られたデーターからそれに
合った直線の勾配を計算した。
【0071】以下の表はPtBHQ、PtBBQ及びB
ETPの分散液中初期濃度、PtBHQ/BETPの初
期比、上記勾配並びに貯蔵1028時間後のPtBHQ
の酸化割合を示すものである。
【0072】
【表9】
【0073】上記のことから、パラ−ジアミドBETP
のヒドロキノンに対する付加は使用貯蔵条件下でヒドロ
キノンの酸化を実質的に減少させ、その場合ヒドロキノ
ン1.7モル当たり1モルのBETPの付加がヒドロキ
ノンの酸化を約50%減少させたことが分かる。
【0074】実施例3:写真用製品の製造 この実施例は斯かる製品において用いられる遊離ヒドロ
キノンを本発明に従って同じヒドロキノンのパラ−ジア
ミド錯体で置き換えることによって達成することができ
る写真用製品の改良された安定性を例証するものであ
る。
【0075】添付図面の図1及び前記米国特許第4,7
40,448号明細書に従って対照フィルム単位(フィ
ルムA)を作成した。これらのフィルムはスペーサー層
38に2−フェニル−5−t−ブチルヒドロキノンを含
有していた。遊離の2−フェニル−5−t−ブチルヒド
ロキノンをこのヒドロキノンとビス−N,N−ジブチル
テレフタルアミドとの錯体(フィルムB)又は同ヒドロ
キノンとビス−N,N−ジエチルテレフタルアミドとの
錯体(フィルムC)で置き換えたことを除いて同様に本
発明のフィルム単位を作成した。各タイプのフィルム単
位の試料を外囲温度で6日間貯蔵し、一方各タイプのフ
ィルム単位の他の試料を49℃(120°F)で同じ期
間貯蔵した。次に、これらのフィルム単位を用いて標準
的なターゲットに画像を形成し、次いで全フィルムの青
と緑の両色における最大光学濃度(Dmax )と(光学濃
度0.75におけるlogE単位での)スピードを自動
読み取り式濃度計を用いて測定した。(パラ−ジアミド
錯体は青感性乳剤に隣接するスペーサー層に用いただけ
であったが、この錯体の存在は、2−フェニル−5−t
−ブチルヒドロキノンが貯蔵時にフィルムを通してマイ
グレーションする傾向の故にフィルムの緑スピードに影
響を及ぼす。)最大光学濃度とスピードの両試験の結果
を以下の表10に、高温で貯蔵したフィルムについての
値及びその高温貯蔵フィルムと外囲温度で貯蔵したフィ
ルムとの間の差(Δ)として示す。
【0076】
【表10】
【0077】表10のデーターから、2−フェニル−5
−t−ブチルヒドロキノンの、各パラ−ジアミドとの錯
体の形態での配合が高温貯蔵時のヒドロキノンの安定性
を実質的に改良したことが分かる。特に、貯蔵後の青の
最大光学濃度における変化は約半分であり、青と緑の両
スピードの変化も約半分であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はテトラ置換パラ−ジアミド又はテトラ置
換パラ−ジアミドとヒドロキノンとの錯体を本発明に従
って使用することができる場所を示す、前記米国特許第
4,740,448号明細書に記載されるタイプのイン
スタントカラーフィルムの模式断面図である。
【図2】図2はヒドロキノン/N,N,N′,N′−テ
トラエチルテレフタルアミド系の相図である。
【図3】図3はヒドロキノン/N,N,N′,N′−テ
トラメチルテレフタルアミド系の相図である。
【図4】図4はヒドロキノン/N,N,N′,N′−テ
トラエチルテレフタルアミドとによって形成されたそれ
らの1:1錯体のX−線結晶学法で測定された単位セル
を示す。
【図5】図5は図3に示される単位セルの構造における
水素結合を更に詳細に示す、該単位セルの一部拡大図で
ある。
【図6】図6はヒドロキノンとN,N,N′,N′−テ
トラメチルテレフタルアミドとによって形成されたそれ
らの2:1錯体のX−線結晶学法で測定された単位セル
を示す。
【図7】図7は図6に示される単位セルの構造における
水素結合を更に詳細に示す、該単位セルの一部拡大図で
ある。
【符号の簡単な説明】
1 感光性要素 3 破壊性ポッド 5 透明受像性要素 10 支持体 12 高分子酸の中和用層 14 タイミング層 16 シアン色素現像剤層 18、22、26 スペーサー層 20 赤感性ハロゲン化銀乳剤層 24 マゼンタ色素現像剤層 28 緑感性ハロゲン化銀乳剤層 30 銀イオン掃去剤含有スペーサー層 32 黄色フィルター色素層 34 黄色画像色素放出性チアゾリジンの層 36 無色のハロゲン化銀用現像剤含有スペーサー層 38 青感性ハロゲン化銀乳剤層 40 トップコート 50 透明支持体 52 受像性層 54 クリアリングコート

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の:画像色素提供用物質が一体に組み
    込まれている少なくとも1層の感光性ハロゲン化銀乳剤
    層を含み、かつ少なくとも1種のヒドロキノンを更に含
    んで成る、光に露光され、そしてアルカリ性の現像用組
    成物と接触すると画像色素が未露光領域から放出される
    感光性要素;及び該感光性要素から放出された画像色素
    を受容し、それによって画像を形成するように該感光性
    要素と重ね合わせ関係にある、又はそのような関係で配
    置されるようになっている受像性要素;を含んで成る拡
    散転写画像を形成するための写真用製品において、該感
    光性要素と受像性要素との少なくとも一方が芳香族ジカ
    ルボン酸のジアミドを含んで成り、該芳香族ジカルボン
    酸中の2個のカルボキシル基は同じフェニル環上におい
    て互いにパラ位に配置されており、該ジアミドはN,
    N,N′,N′−テトラ置換ジアミドであり、該ジアミ
    ド中のアミド窒素原子上の置換基は各々独立にアルキル
    基、シクロアルキル基又はアリール基であることを特徴
    とする前記写真用製品。
  2. 【請求項2】 ジアミドがテレフタル酸のジアミドであ
    る、請求項1に記載の写真用製品。
  3. 【請求項3】 ジアミドがN,N,N′,N′−テトラ
    アルキルテレフタルアミドである、請求項2に記載の写
    真用製品。
  4. 【請求項4】 ジアミドが受像性要素中に存在するか、
    又は該受像性要素と、感光性要素の唯一のヒドロキノン
    含有層又は複数のヒドロキノン含有層の全てとの間に置
    かれている該感光性要素の1つの層の中に存在してい
    る、請求項1〜3項のいずれか1項に記載の写真用製
    品。
  5. 【請求項5】 ヒドロキノンがt−ブチルヒドロキノ
    ン、2−フェニル−5−t−ブチルヒドロキノン、2−
    (4′−メチル)フェニル−5−t−ブチルヒドロキノ
    ン、4′−メチルフェニルヒドロキノン、2−フェニル
    −5−メチルヒドロキノン及び2−ヘキシル−5−t−
    ブチルヒドロキノンの内の任意の1種又は2種以上から
    成る、請求項1に記載の写真用製品。
  6. 【請求項6】 画像色素提供用物質が一体に組み込まれ
    ている少なくとも1層の感光性ハロゲン化銀乳剤層を含
    み、かつ少なくとも1種のヒドロキノンを更に含んで成
    る感光性要素、及び受像性要素を有する写真用製品を化
    学線に像様露光し;そして露光された該感光性ハロゲン
    化銀乳剤層をアルカリ性の現像用組成物と接触させるこ
    とによって、露光された該感光性ハロゲン化銀乳剤層の
    現像、該乳剤層の未露光領域からの画像色素の放出、及
    び放出された該色素と該ヒドロキノンの一部との受像性
    要素への移動を達成し、それによって画像を形成する;
    工程を含んで成る写真法において、該写真用製品が請求
    項1〜5項のいずれか1項に記載の製品であり、そのジ
    アミドが受像用要素に移動されるヒドロキノンの量を減
    少させるのに役立つことを特徴とする前記写真法。
  7. 【請求項7】 少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層と
    少なくとも1種のヒドロキノンを支持体に付着させ、そ
    の際該ヒドロキノンをヒドロキノン水性分散液から付着
    させる工程を含んで成る写真用製品の形成法において、
    該ヒドロキノンの水性分散液が芳香族ジカルボン酸のジ
    アミドを更に含み、該芳香族ジカルボン酸中の2個のカ
    ルボキシル基は同じフェニル環上において互いにパラ位
    に配置されており、該ジアミドはN,N,N′,N′−
    テトラ置換ジアミドであり、該ジアミド中のアミド窒素
    原子上の置換基は各々独立にアルキル基、シクロアルキ
    ル基又はアリール基であり、それによって請求項1〜5
    項のいずれか1項に記載の写真用製品を形成することを
    特徴とする前記方法。
  8. 【請求項8】 水性分散液中に該分散液中のヒドロキノ
    ンのモル当たり約0.03〜約0.5モルのジアミドが
    存在している、請求項7に記載の方法。
  9. 【請求項9】 ヒドロキノンと、芳香族ジカルボン酸の
    ジアミドとの水素結合した錯体にして、該芳香族ジカル
    ボン酸中の2個のカルボキシル基は同じフェニル環上に
    おいて互いにパラ位に配置されており、該ジアミドは
    N,N,N′,N′−テトラ置換ジアミドであり、該ジ
    アミド中のアミド窒素原子上の置換基は各々独立にアル
    キル基、シクロアルキル基又はアリール基である、前記
    錯体。
  10. 【請求項10】 ジアミドが請求項2又は3において定
    義される通りのものであり、及び/又はヒドロキノンが
    請求項5において定義される通りのものである、請求項
    9に記載の錯体。
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