JPH06228382A - 熱可塑性樹脂組成物及びそれを用いたフィルム又はシート - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物及びそれを用いたフィルム又はシート

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JPH06228382A
JPH06228382A JP5013645A JP1364593A JPH06228382A JP H06228382 A JPH06228382 A JP H06228382A JP 5013645 A JP5013645 A JP 5013645A JP 1364593 A JP1364593 A JP 1364593A JP H06228382 A JPH06228382 A JP H06228382A
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Kazuyoshi Fukada
和義 深田
Takashi Saeki
孝 佐伯
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 透明性、耐衝撃性、剛性及び成形性に優れ、
フィルムやシートの基材として好適な熱可塑性樹脂組成
物。 【構成】 (A)(イ)極限粘度〔η〕P が2.0〜5.0
dl/g、アイソタクチックペンタッド分率が92.0%
以上のプロピレン単独重合体部60〜95重量%と、
(ロ)極限粘度〔η〕EPが、〔η〕P +0.5≧〔η〕EP
≧0.5の関係を満たす範囲にあり、かつエチレン単位含
有量が10〜80重量%のエチレンプロピレンランダム
共重合体部40〜5重量%とからなるMIが0.1〜2の
プロピレン共重合体80〜98重量部、(B)MIが0.
1〜10のHDPE1〜10重量部及び(C)MIが1.
0〜18のLDPE又はL−LDPE1〜10重量部を
含有し、或は更に(D)MIが0.1〜10のプロピレン
単独重合体0〜75重量部を含有してなる熱可塑性樹脂
組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な熱可塑性樹脂組成
物及びそれを用いたフィルム又はシートに関し、さらに
詳しくは、透明性、耐衝撃性、剛性及び成形性などに優
れ、フィルムやシートの基材として好適なプロピレン系
樹脂を主体とする熱可塑性樹脂組成物、及び該組成物を
成形してなるフィルム又はシートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、フィルムやシートの成形材料とし
て用いられるプロピレンの単独重合体は、透明性に優れ
るものの、耐衝撃性に劣るという欠点を有している。ま
た、エチレンを共重合成分として含有するプロピレンラ
ンダム共重合体も知られているが、このものは耐衝撃性
は若干改善されているものの、耐熱性に劣るという欠点
を有している。さらに、プロピレンとエチレンとのラン
ダム共重合体においては、不透明であって、その用途が
制限されるのを免れないという問題がある。透明性、衝
撃特性及び剛性を改良したものとして、プロピレン単独
重合体部の極限粘度〔η〕P と、エチレン−プロピレン
ランダム共重合体部の極限粘度〔η〕EPとが、式 〔η〕P +0.5≧〔η〕EP≧0.5 の関係を満たすプロピレン共重合体(透明ブロックポリ
プロピレン)が開示されている(特開平1−22564
8号公報、特開平1−225649号公報)。しかしな
がら、このものは透明性及び衝撃特性については、まだ
充分とはいえない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、フィルムや
シートに成形した場合、ゲルの生成がなく、外観が良好
である上、400μmの厚さのシートにおいて、(1)
透明性については、NAS値が45%以下、好ましくは
35%以下で、かつヘイズ値が45%以下、好ましくは
35%以下、(2)耐衝撃性については、デュポン衝撃
値(−20℃)が2.0J以上、好ましくは2.5J以上、
及び(3)剛性については、引張弾性率が1300MP
a以上、好ましくは1400MPa以上(各物性の測定
法は後で示す。)であるような透明性、耐衝撃性及び剛
性に優れ、かつ良好な成形性を有し、フィルムやシート
の基材として好適なプロピレン系樹脂を主体とする熱可
塑性樹脂組成物、及びそれを用いたフィルム又はシート
を提供することを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために、鋭意研究を重ねた結果、それぞれ所
定のメルトインデックスを有する(A)特定のプロピレ
ン共重合体、(B)高密度ポリエチレン、(C)低密度
ポリエチレン又は直鎖状低密度ポリエチレン及び場合に
より用いられる(D)プロピレン単独重合体を所定の割
合で含有する組成物により、その目的を達成しうること
を見出した。本発明はかかる知見に基づいて完成したも
のである。すなわち、本発明は、(A)(イ)極限粘度
〔η〕P が2.0〜5.0デシリットル/gであり、かつア
イソタクチックペンタッド分率が92.0%以上のプロピ
レン単独重合体部60〜95重量%と、(ロ)極限粘度
〔η〕EPが、式 〔η〕P +0.5≧〔η〕EP≧0.5 の関係を満たす範囲にあり、かつエチレン単位含有量が
10〜80重量%であるエチレン−プロピレンランダム
共重合体部40〜5重量%とからなるメルトインデック
スが0.1〜2g/10分のプロピレン共重合体80〜9
8重量部、(B)メルトインデックスが0.1〜10g/
10分の高密度ポリエチレン1〜10重量部、及び
(C)メルトインデックスが1.0〜18g/10分の低
密度ポリエチレン又は直鎖状低密度ポリエチレン1〜1
0重量部を、全量が100重量部となるように含有して
なる熱可塑性樹脂組成物、及び上記(A)成分20〜9
8重量部、(B)成分1〜10重量部、(C)成分1〜
10重量部、及び(D)メルトインデックスが0.1〜1
0g/10分のプロピレン単独重合体0〜75重量部
を、全量が100重量部となるように含有してなる熱可
塑性樹脂組成物、並びに該組成物を成形してなるフィル
ム又はシートを提供するものである。
【0005】本発明においては、配合組成〔1〕の熱可
塑性樹脂組成物として、上記(A)成分、(B)成分及
び(C)成分を含有するものが、また配合組成〔2〕の
熱可塑性樹脂組成物として、(A)成分、(B)成分、
(C)成分及び(D)成分を含有するものが提供され
る。本発明の組成物における(A)成分のプロピレン共
重合体としては、(イ)極限粘度〔η〕P が2.0〜5.0
デシリットル/gであり、かつアイソタクチックペンタ
ッド分率が92.0%以上のプロピレン単独重合体部(ホ
モ部)60〜95重量%と、(ロ)極限粘度〔η〕
EPが、式 〔η〕P +0.5≧〔η〕EP≧0.5 の関係を満たす範囲にあり、かつエチレン単位含有量が
10〜80重量%であるエチレン−プロピレンランダム
共重合体部(共重合部)40〜5重量%とからなるメル
トインデックス(以下、MIと略記する)が0.1〜2g
/10分の範囲にあるものが用いられる。なお、ここで
いうアイソタクチックペンタッド分率とは、「マクロモ
レキュルズ(Macromolecules)」第6巻、第925ペー
ジ(1973年)に発表された方法、すなわち、同位体
炭素による該磁気共鳴(13C−NMR)スペクトルを使
用する方法で測定されるポリプロピレン分子鎖中のペン
タッド単位でのアイソタクチック分率である。換言すれ
ば、アイソタクチックペンタッド分率は、プロピレンモ
ノマー単位が5個連続してメソ結合(m)した連鎖の中
心にあるプロピレンモノマー単位の分率である。ただ
し、ピークの帰属に関しては、「マクロモレキュルズ
(Macromolecules)」第8巻、第687ページ(197
5年)に記載の方法に従って行った。具体的には、13
−NMRスペクトルのメチル炭素領域の全吸収ピーク中
のmmmmピークの強度分率としてアイソタクチックペ
ンタッド単位を測定したものである。
【0006】また、該ホモ部及び共重合部の極限粘度、
共重合部の含有量は次に示す結晶化分別法により求めた
値である。すなわち、プロピレン共重合体のキシレン溶
液を徐冷して、析出した結晶性成分(ホモ部)と析出し
ない非結晶性成分(共重合部)を分割し、各部の量及び
極限粘度を求める。ここで、極限粘度はテトラリンを溶
媒とし、温度135℃で測定する。この(A)成分のプ
ロピレン共重合体が、上記の規定された条件を逸脱する
ものでは、透明性、耐衝撃性、剛性及び成形性に優れる
熱可塑性樹脂組成物が得られない。また、本発明の組成
物における(B)成分の高密度ポリエチレン(HDP
E)としては、MIが0.1〜10g/10分の範囲にあ
るものが用いられる。このMIが0.1g/10分未満で
はフィルムやシートに成形した場合ゲルが生成しやすい
し、10g/10分を超えると耐衝撃性の改良効果が低
下する。一方、(C)成分としては、低密度ポリエチレ
ン(LDPE)を用いてもよいし、又は直鎖状低密度ポ
リエチレン(L−LDPE)を用いてもよい。該LDP
E又はL−LDPEのMIは1.0〜18g/10分の範
囲にあることが必要である。このMIが1.0g/10分
未満ではフィルムやシートに成形した場合ゲルが生成し
やすいし、18g/10分を超えると耐衝撃性の改良効
果が低下する。さらに、所望により用いられる(D)成
分のプロピレン単独重合体としては、MIが0.1〜10
g/10分の範囲にあるものが使用される。このMIが
0.1g/10分未満では肌荒れが発生し、シートの外観
が不良となる。また10g/10分を超えると加工時の
成形性が悪化し、例えば、熱成形時のドローダウンが大
きくなる等の不都合が生ずる。
【0007】配合組成〔1〕の組成物においては、各成
分の合計量が100重量部となるように、該(A)成分
のプロピレン共重合体を80〜98重量部、(B)成分
のHDPEを1〜10重量部及び(C)成分のLDPE
又はL−LDPEを1〜10重量部の割合で含有するこ
とが必要である。該(A)成分の含有量が80重量部未
満では耐衝撃性が不充分である。また、(B)成分の含
有量が1重量部未満では透明性及び耐衝撃性の向上効果
が充分に発揮されないし、10重量部を超えると透明性
が低下する。さらに、(C)成分の含有量が1重量部未
満では透明性及び耐衝撃性の向上効果が充分に発揮され
ないし、10重量部を超えると剛性及び透明性が低下す
る。このような配合組成の熱可塑性樹脂組成物は、特開
平1−225648号公報及び特開平1−225649
号公報記載のプロピレン共重合体より、優れた透明性、
耐衝撃性及び剛性を有している。一方、配合組成〔2〕
の組成物においては、各成分の含有量が100重量部と
なるように、該(A)成分のプロピレン共重合体を20
〜98重量部、(B)成分のHDPEを1〜10重量
部、(C)成分のLDPE又はL−LDPEを1〜10
重量部及び(D)成分のプロピレン単独重合体を0〜7
5重量部の割合で含有することが必要である。該(D)
成分の含有量が0重量部で上記の配合組成〔1〕とな
り、75重量部を超えると耐衝撃性が低下する。また、
(B)成分や(C)成分が前記範囲を逸脱すると配合組
成〔1〕で説明したのと同様な好ましくない事態を招来
する。このような配合組成の熱可塑性樹脂組成物は、特
開平1−225648号公報及び特開平1−22564
9号公報記載のプロピレン共重合体より、優れた透明
性、耐衝撃性及び剛性を有しており、また、上記配合組
成〔1〕の組成物に比べて、さらに透明性が良好であ
る。
【0008】本発明の熱可塑性樹脂組成物には、本発明
の目的が損なわれない範囲で、従来フィルムやシート用
熱可塑性樹脂組成物に慣用されている各種添加成分、例
えば酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、帯電防止剤、
無機充填剤、滑剤、耐ブロッキング剤、着色剤などを配
合することができる。本発明の熱可塑性樹脂組成物は、
例えば上記(A)成分、(B)成分、(C)成分及び必
要に応じて用いられる各種添加成分、又は(A)成分、
(B)成分、(C)成分、(D)成分及び必要に応じて
用いられる各種添加成分をそれぞれ所定の割合で用い、
リボンブレンダー、バンバリミキサー、ヘンシェルミキ
サー、スーパーミキサー、単軸又は二軸押出機、ロール
などの配合機や混練機を用いて均質に配合する方法など
により、調製することができる。このようにして得られ
た組成物は、従来プロピレン系樹脂フィルムの製造にお
いて慣用されている方法、例えばTダイ法やインフレー
ション法などの押出成形法、カレンダー法、流延法など
によって、フィルムやシートに成形することができる。
【0009】
【実施例】次に実施例により本発明をさらに詳細に説明
するが、本発明はこれらの例によってなんら限定される
ものではない。なお、使用したプロピレン共重合体の性
状を第1表に示す。ホモ部の極限粘度〔η〕P 、共重合
部の極限粘度〔η〕EP及びその含有量は結晶化分別法
(前出)により求めた。
【0010】
【表1】
【0011】(注)ブロックPP−Aは特開平1−22
5648号公報及び特開平1−225649号公報記載
の請求範囲外のプロピレン共重合体であり、ブロックP
P−B、ブロックPP−C及びブロックPP−Dは、該
公報記載の請求範囲内のプロピレン共重合体である。ま
た、シートの物性は次の方法により求めた。 (1)NAS値 視覚透明度試験機により測定した。 NAS値:τ×100 τ=−log10(I/Io) I:入射光強度、Io:平行透過光強度 (2)ヘイズ値 JIS K−7105に準拠して求めた(シート厚み4
00μm)。 (3)引っ張り弾性率 JIS K−7113に準拠して求めた。 (4)デュポン衝撃値 JIS K−7211に準拠して求めた。
【0012】実施例1〜18、比較例1〜22 各成分をドライブレンドし、35φシート押出機によ
り、押出量:10kg/hr、成形温度;C1:230
℃、C2:260℃、C3:270℃、D:280℃、
ロール温度:80℃の条件にてシート成形し、物性を評
価した。その結果を第2表及び第3表に示す。なお、得
られたシートの厚みはすべて400μmである。
【0013】
【表2】
【0014】
【表3】
【0015】
【表4】
【0016】
【表5】
【0017】
【表6】
【0018】
【表7】
【0019】
【表8】
【0020】
【表9】
【0021】第2表及び第3表から次のことが分かる。
すなわち、比較例2は特開平1−225648号公報及
び特開平1−225649号公報記載の請求範囲内のブ
ロック共重合体単品のシート物性であり、該請求範囲外
のブロック共重合体単品(比較例1)のシート物性に比
べて透明性の点で優れている。この比較的透明性の良い
ブロックPP(比較例2)の物性向上を図るために、プ
ロピレン単独重合体(ホモPP)、HDPE、LDP
E、L−LDPEをそれぞれ単独ブレンドした場合(比
較例3〜6)、ホモPPについては、剛性(引っ張り弾
性率)は向上するものの、耐衝撃性が低下し、また透明
性の効果はほとんどない。HDPEについては、剛性及
び耐衝撃性は向上するものの、透明性の改良効果がな
い。さらに、LDPE、L−LDPEについては、耐衝
撃性は向上するものの、剛性は若干低下し、かつ透明性
については改良されない。〔η〕P +0.5≧〔η〕EP
0.5であるプロピレン共重合体に、HDPEとLDPE
又はHDPEとL−LDPEを併用して添加することに
より、特開平1−225648号公報及び特開平1−2
25649号公報に示された〔η〕P +0.5≧〔η〕EP
≧0.5であるプロピレン共重合体よりも、透明性、耐衝
撃性の点で優れた熱可塑性樹脂組成物となる。剛性に関
しては同等以上である(実施例1〜18)。配合するH
DPEについては、MIが0.1g/10分未満ではシー
ト中にゲルが発生し、10g/10分より大きいと耐衝
撃性の改良効果がない。また、配合量が1重量部未満で
は透明性の向上効果がなく、10重量部より多いと透明
性が悪くなる(実施例7〜10と比較例11〜14との
比較)。配合するLDPEについては、MIが1g/1
0分未満ではシート中にゲルが発生し、18g/10分
より大きいと耐衝撃性の改良効果がない。また配合量が
1重量部未満では透明性の向上効果がなく、10重量部
より多いと剛性及び透明性が低下する(実施例11〜1
4と比較例15〜18との比較)。さらに、配合するL
−LDPEについては、上記LDPEの場合と同様であ
る(実施例15〜18と比較例19〜22との比較)。
【0022】実施例19〜29、比較例23〜30 各成分をドライブレンドし、35φシート押出機によ
り、押出量:10kg/hr、成形温度;C1:230
℃、C2:260℃、C3:270℃、D:280℃、
ロール温度:80℃の条件にてシート成形し、物性を評
価した。その結果を第4表及び第5表に示す。なお、得
られたシートの厚みはすべて400μmである。
【0023】
【表10】
【0024】
【表11】
【0025】
【表12】
【0026】
【表13】
【0027】第4表及び第5表から次のことが分かる。
すなわち、〔η〕P +0.5≧〔η〕 EP≧0.5であるプロ
ピレン共重合体に、プロピレン単独重合体とHDPEと
LDPE、又はプロピレン単独重合体とHDPEとL−
LDPEを添加することにより、特開平1−22564
8号公報及び特開平1−225649号公報に示された
プロピレン共重合体より、透明性、剛性及び耐衝撃性の
優れた熱可塑性樹脂組成物となる(実施例19〜2
7)。実施例19は、〔η〕P +0.5≧〔η〕EP≧0.5
であるプロピレン共重合体に、プロピレン単独重合体と
HDPEとLDPEを配合したものであって、比較例2
3に示した特開平1−225648号公報及び特開平1
−225649号公報記載の請求範囲内にあるプロピレ
ン共重合体より、透明性及び剛性の点で著しく向上して
いる。この向上効果は、実施例28、29に示した前述
の配合組成〔1〕のものより、さらに大きい。耐衝撃性
については同等レベルである。また、組成物中の共重合
部含有量が約5.9wt%である実施例19、20におけ
る物性については、これと、共重合部含有量及びその極
限粘度がほぼ同一である比較例24に示したプロピレン
共重合体単独成形品に比べ、はるかに耐衝撃性及び透明
性が優れている。
【0028】HDPEとL−LDPEを配合した場合
の、組成物中の各共重合部含有量における耐衝撃性の向
上効果及び透明性の向上効果を図1〜図3に示す。この
図に示したように、これらの向上効果は極めて大きい。
また、剛性については図4に示す。プロピレン単独重合
体の量が0の場合は前述の配合組成〔1〕となり、その
物性については、実施例28、29に示すとおりであ
る。プロピレン単独重合体の配合量が75重量部を超え
ると、比較例25、26に示すように急激に耐衝撃性が
低下する。
【0029】
【発明の効果】本発明によると、フィルムやシートに成
形した場合、ゲルの生成がなく、外観が良好である上、
400μmの厚さのシートにおいて、(1)NAS値が
45%以下、好ましくは35%以下で、かつヘイズ値が
45%以下、好ましくは35%以下、(2)耐衝撃性に
ついてはデュポン衝撃値(−20℃)が2.0J以上、好
ましくは2.5J、及び(3)剛性については、引っ張り
弾性率が1300MPa以上、好ましくは1400MP
a以上であるような透明性、耐衝撃性及び剛性に優れ、
かつ良好な成形性を有し、フィルムやシートの基材とし
て好適なプロピレン系樹脂を主体とする熱可塑性樹脂組
成物が得られる。
【0030】
【図面の簡単な説明】
【図1】樹脂組成物又はプロピレン共重合体単品中の共
重合部含有量とデュポン衝撃値との関係を示すグラフで
ある。
【図2】樹脂組成物又はプロピレン共重合体単品中の共
重合部含有量とNAS値との関係を示すグラフである。
【図3】樹脂組成物又はプロピレン共重合体単品中の共
重合部含有量とヘイズ値との関係を示すグラフである。
【図4】樹脂組成物又はプロピレン共重合体単品中の共
重合部含有量と引っ張り弾性率との関係を示すグラフで
ある。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)(イ)極限粘度〔η〕P が2.0〜
    5.0デシリットル/gであり、かつアイソタクチックペ
    ンタッド分率が92.0%以上のプロピレン単独重合体部
    60〜95重量%と、(ロ)極限粘度〔η〕EPが、式 〔η〕P +0.5≧〔η〕EP≧0.5 の関係を満たす範囲にあり、かつエチレン単位含有量が
    10〜80重量%であるエチレン−プロピレンランダム
    共重合体部40〜5重量%とからなるメルトインデック
    スが0.1〜2g/10分のプロピレン共重合体80〜9
    8重量部、(B)メルトインデックスが0.1〜10g/
    10分の高密度ポリエチレン1〜10重量部、及び
    (C)メルトインデックスが1.0〜18g/10分の低
    密度ポリエチレン又は直鎖状低密度ポリエチレン1〜1
    0重量部を、全量が100重量部となるように含有して
    なる熱可塑性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (A)(イ)極限粘度〔η〕P が2.0〜
    5.0デシリットル/gであり、かつアイソタクチックペ
    ンタッド分率が92.0%以上のプロピレン単独重合体部
    60〜95重量%と、(ロ)極限粘度〔η〕EPが、式 〔η〕P +0.5≧〔η〕EP≧0.5 の関係を満たす範囲にあり、かつエチレン単位含有量が
    10〜80重量%であるエチレン−プロピレンランダム
    共重合体部40〜5重量%とからなるメルトインデック
    スが0.1〜2g/10分のプロピレン共重合体20〜9
    8重量部、(B)メルトインデックスが0.1〜10g/
    10分の高密度ポリエチレン1〜10重量部、(C)メ
    ルトインデックスが1.0〜18g/10分の低密度ポリ
    エチレン又は直鎖状低密度ポリエチレン1〜10重量
    部、及び(D)メルトインデックスが0.1〜10g/1
    0分のプロピレン単独重合体0〜75重量部を、全量が
    100重量部となるように含有してなる熱可塑性樹脂組
    成物。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物を成
    形してなるフィルム又はシート。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の熱可塑性樹脂組成物を成
    形してなるフィルム又はシート。
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