JPH0517639A - 軟質ポリプロピレン系組成物 - Google Patents

軟質ポリプロピレン系組成物

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JPH0517639A
JPH0517639A JP16707091A JP16707091A JPH0517639A JP H0517639 A JPH0517639 A JP H0517639A JP 16707091 A JP16707091 A JP 16707091A JP 16707091 A JP16707091 A JP 16707091A JP H0517639 A JPH0517639 A JP H0517639A
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JP16707091A
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Inventor
Shigeo Kuno
茂男 久野
Yoji Tamano
洋二 玉野
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Tokuyama Corp
Original Assignee
Tokuyama Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】柔軟性、耐熱性、透明性に優れ、しかも延伸性
が良好で、例えば医療用部品としてのチューブおよび輸
液容器などの医療用分野に有用な軟質ポリプロピレン系
樹脂組成物を提供する。 【要約】 結晶性プロピレン系重合体(a)が50〜95重量%、
結晶性α−オレフィン系共重合体(b)または非晶性α
−オレフィン系共重合体(c)が5〜40重量%、およ
びペンタエリスリトール・水素化ビスフェノールA・ト
リフェニルホスファイト重縮合物(d)が0.01〜1
0重量%よりなる軟質ポリプロピレン系組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、軟質ポリプロピレン系
樹脂組成物に関するものである。さらに詳しくは、柔軟
性、耐熱性、透明性に優れ、しかも延伸性が良好なた
め、医療用部品としてのチューブおよび輸液容器などの
医療用分野に有用な軟質ポリプロピレン系樹脂組成物に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリプロピレンは優れた機械的性質を有
し、射出成形品や押出し成形品などの広い分野に有効に
用いられている。しかし近年、医療用分野、特に医療用
部品等に用途展開がなされるにしたがって、要求される
性能も多様になって来た。例えば、輸液容器材について
は、成形性はもとより、耐熱性、柔軟性、透明性が優れ
ていること、またチューブについても同様で、さらに加
温延伸性も要求されている。
【0003】このような要求に対し、輸液容器などに使
用されるポリプロピレンは、柔軟性、透明性および耐衝
撃性を向上させる目的で、重合段階でα−オレフィンと
プロピレンとの共重合体を製造する方法と、ペレット成
形時にα−オレフィンとプロピレンとの共重合体にさら
にα−オレフィン系重合体を混練する方法が行われてい
るが、全ての要求について対応することは困難である。
【0004】例えば、特開昭52−95759号では、
ポリプロピレン(PP)に低密度ポリエチレン(LDP
E)と直鎖状低密度ポリエチレン(L−LDPE)との
組成物、特開昭56−45935号、特開昭62−11
2644号、特開昭59−140244号では、PPと
EPRと直鎖状低密度ポリエチレン(L−LDPE)と
の組成物が提案されているが、成形品の柔軟性、透明性
および耐衝撃性の改良に過ぎず、耐熱性と柔軟性のバラ
ンスが不満足であり、延伸性に劣るという欠点を有して
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記した柔軟性などを
改良したポリプロピレン系樹脂は、成形品の透明性、耐
衝撃性は大幅に改良されるが、耐熱性と延伸性が劣ると
いう欠点を有している。即ち、延伸性が劣ると製品加工
時の成形にトラブルを生じ、耐熱性が劣ると成形品の医
療用部品としての使用に支障を生じる問題がある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、柔軟性を
改良したポリプロピレン系樹脂組成物の上述したような
問題および欠点を解決するために鋭意検討した結果、ポ
リプロピレン系樹脂に特定の化合物を配合することを見
い出し、本発明を提案するに至った。
【0007】即ち、本発明は、結晶性プロピレン系重合
体(a)が50〜95重量%,結晶性α−オレフィン系
共重合体(b)または非晶性α−オレフィン系共重合体
(c)が5〜40重量%およびペンタエリスリト−ル・
水素化ビスフェノ−ルA・トリフェニルホスファイト重
縮合物(d)が0.01〜10重量%よりなる軟質ポリ
プロピレン系樹脂組成物である。
【0008】本発明に用いるポリプロピレン(a)は、
高度の結晶性を有するアイソタクチックおよびシンジオ
タクチックのPPであり、特にプロピレンと他の少量の
α−オレフィン(エチレン、ブテン−1、ヘキセン−
1、4−メチルペンテン−1等)との共重合体(以下
「PP」という)が好ましい。このようなPP中のα−
オレフィンの含有量は1〜10重量%の範囲が望まし
い。即ち、α−オレフィンの含有量が1重量%以下のP
Pでは、本発明の組成物として柔軟性、透明性が不充分
になる場合があり、これが10重量%以上では成形性、
耐熱性が劣る場合がある。また、使用するPPのメルト
フロ−レ−ト(以下「MFR」という)は、0.5〜5
0g/10分のものが好ましい。即ち、MFRが0.5
g/10分以下のPPを使用すると、本発明の組成物と
して成形性が悪くなり外観の劣ったものになる場合があ
り、50g/10分以上のPPを使用すると、延伸性が
劣ったものになる場合がある。
【0009】本発明の組成物では、このようなPPを5
0〜95重量%、好ましくは60〜90重量%で使用す
る。即ち、PPが50重量%以下では本発明の組成物と
して耐熱性等が不充分であり、95重量%以上では柔軟
性、透明性等が劣ったものになる。
【0010】本発明に用いる結晶性α−オレフィン共重
合体(b)は、上記のPPを除くもので代表例は直鎖状
低密度ポリエチレンであり、エチレンとα−オレフィン
(プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1,4−メチル
ペンテン−1等)との共重合体が好ましい。このような
エチレン−α−オレフィン共重合体中のα−オレフィン
の含有量は2〜40mol%、好ましくは5〜30mo
l%である。これらの共重合体は、低圧法または高圧法
でつくられる。また、使用する直鎖状低密度ポリエチレ
ンの密度は0.860g/cm3 〜0.940g/cm
3 程度、MFR(190℃)は、1〜30g/10分の
範囲のものが好ましい。このMFRが1g/10分以下
のものを使用すると、本発明の組成物として成形性が悪
くなり外観の劣ったものになる場合があり、30g/1
0分以上のものを使用すると耐衝撃性が劣ったものにな
る場合がある。
【0011】また、本発明に用いる非晶性α−オレフィ
ン共重合体(c)の代表例はエチレン−プロピレンゴム
(以下「EPR」という)であり、その他エチレン−ブ
テン−1共重合体ゴム(例えば、三井石油化学「タフマ
−A」)やプロピレン−ブテン−1共重合体ゴム等が挙
げられる。これらの共重合体の多くは、密度が0.86
0g/cm3 〜0.880g/cm3 程度、MFR(1
90℃)は、1〜20g/10分の範囲のものが好まし
い。このMFRが1g/10分以下のものを使用する
と、本発明の組成物として成形性が悪くなり外観の劣っ
たものになる場合があり、20g/10分以上のものを
使用すると耐衝撃性が劣ったものになる場合がある。
【0012】本発明の組成物では、これらの結晶性α−
オレフィン共重合体(b)または非晶性α−オレフィン
共重合体(c)を5〜40重量%、好ましくは8〜30
重量%使用する。これが5重量%以下であると、本発明
の組成物として柔軟性、透明性、および延伸性が劣った
ものとなり、50重量%を越えると耐熱性、および成形
性が劣ったものとなり、また成形物がべた付いて実用上
で不都合なものになる。 本発明に用いるペンタエリス
リトール・水素化ビスフェノールA・トリフェニルホス
ファイト重縮合物(d)は、例えばペンタエリスリトー
ル1molと水素化ビスフェノールA(2,2−ビス
(4’−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン)1mo
lおよびトリフェニルホスファイト2molの重縮合物
より得られる分子量約10000程度のもの等が挙げら
れるが、中でも式
【0013】
【化1】
【0014】( 式中、1≦n<1000)で示される
ものが好ましく用いられる。
【0015】本発明の組成物では、これらの重縮合物を
0.01〜10重量%、好ましくは0.05〜5重量%
使用する。即ち、これらの縮合物が0.01重量%以下
であると、本発明の組成物として柔軟性、延伸性が劣っ
たものとなり、10重量%を越えると、透明性が劣りさ
らに成形物がべた付いて実用上不都合なものになる。
【0016】本発明の組成物においては、本発明の目的
を損なわない限り、例えば酸化防止剤、帯電防止剤、滑
剤、分散剤、光安定剤、紫外線吸収剤、核剤、透明化剤
などの添加剤を配合することもできる。
【0017】本発明の組成物は、常法により混練、成形
することにより所望の成形品を得ることができ、特に限
定されない。また、このような本発明の組成物を混練す
る際、3成分を同時に混練することも、2成分を予め混
練した後に残りの成分を混練することもできる。
【0018】
【効果】本発明の組成物は、成形法、柔軟性、透明性お
よび延伸性ばかりでなく、蒸気滅菌時の耐熱性にも優れ
た性能を有する。したがって、本発明の組成物は耐熱
性、延伸性、柔軟性、透明性を有する熱可塑性樹脂とし
て、従来のポリエチレン、軟質ポリ塩化ビニルが使用さ
れていた分野に好適に用いられるばかりでなく、従来の
ポリエチレンでは問題点を有していた医療用の輸液容器
材の分野などにも好適に使用できるものである。例えば
ポリエチレンの輸液容器では蒸気滅菌を滅菌基準の12
1℃で行うことが不可能であり、100℃〜110℃の
温度範囲で滅菌時間を長くして行っている。これに対し
て、本発明の組成物の輸液容器では、蒸気滅菌を滅菌基
準の121℃で行うことが可能である。また、チューブ
に使用されているポリ塩化ビニルはゴム弾性を与える手
段として可塑剤を添加する方法が行われており、可塑剤
の移行等が問題となり使用に対して制限されている。す
なわち、輸液容器、チューブなどの医療容器材は、柔軟
性、透明性、延伸性ばかりでなく、蒸気滅菌時の耐熱性
が優れた材料が求められているが、本発明の組成物はこ
れらの点を全て満足せしめる優れた材料を提供するもの
である。
【0019】
【実施例】以下、本発明を詳細に説明するために実施例
および比較例により透明性、柔軟性、および耐熱性につ
いて示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。尚、以下の実施例および比較例において使用
した原材料を次に示す。
【0020】原材料 (a)結晶性プロピレン系重合体 いずれも、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリ
ス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジ
ル)ベンゼン;Irganox1330(チバガイギ
ー)0.03重量%、乳酸カルシウム;(武蔵野化学)
0.03重量%を配合
【0021】
【表1】
【0022】(b)結晶性α−オレフィン系共重合体
【0023】
【表2】
【0024】(C)非晶性α−オレフィン系共重合体
【0025】
【表3】
【0026】(d)ペンタエリスリトール・水素化ビス
フェノールA・トリフェニルホスファイト重縮合物
【0027】
【表4】
【0028】ポリプロピレン系組成物の調整、試験用試
料の作成並びに効果試験方法は、以下のようにして行っ
た。その結果を表5および表6に示す。
【0029】実施例 1〜10 上記の原材料を用い、表5に示した割合で配合し、ヘン
シェルミキサーで十分混合した。得られた混合物を50
m/mφ押出機を用いて樹脂温度210℃でペレット化
した。次に得られたペレットを用いて射出成形機によ
り、樹脂温度200℃で試験用成形品を作成した。この
成形品を用いて物性評価に供した。また、蒸気滅菌(滅
菌温度121℃、滅菌時間30分)を行い、耐熱性の物
性評価に供した。その結果を表5に示す。
【0030】比較例 1〜10 前記の原材料を表6に示した割合で配合した以外は、実
施例1〜10と全く同様に行った。その結果を一括して
表6に示した。
【0031】測定法 (1)透明性 JIS K7105に準じて、1mmtの射出成形板で
ヘイズ(%)を測定した。
【0032】(2)柔軟性 JIS K7203に準じて、曲げ試験片で曲げ弾性率
を測定した。
【0033】(3)耐熱性 1mm厚の射出成形板にて、蒸気滅菌を行い成形品の変
形の有無を測定した。
【0034】(4)延伸性 射出成形板(12mm×5mm×1mmt)を、80℃
の湯浴中にて両サイドを異方向に引っ張り、延伸性の評
価をした。
【0035】延伸性が良好な場合は○、不良な場合は×
とした。
【0036】
【表5】
【0037】
【表6】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】結晶性プロピレン系重合体(a)が50〜
    95重量%、結晶性α−オレフィン系共重合体(b)ま
    たは非晶性α−オレフィン系共重合体(c)が5〜40
    重量%、およびペンタエリスリトール・水素化ビスフェ
    ノールA・トリフェニルホスファイト重縮合物(d)が
    0.01〜10重量%よりなる軟質ポリプロピレン系組
    成物。
JP16707091A 1991-07-08 1991-07-08 軟質ポリプロピレン系組成物 Pending JPH0517639A (ja)

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