JPH0622744Y2 - 中空パネルの取付金物 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、主として建築物の外壁等の仕上材であるサイ
ディング等に用いられる中空パネルを躯体にとりつける
ための取付金物に関する。

〔従来の技術〕

建築物の外壁材として従来使用されているサイディング
材の施工手段としては、木質下地または軽量鉄骨下地に
直接、釘、ビス等で取付ける場合が多く、中空品の場合
は一部の中空孔に溝形等の鋼材を通し、これに取付金物
をタッピングビス等で取付け、それを利用して躯体に留
付ける等の手段が取られている。

タイル等の小寸法の部材では、モルタル等の接着を主と
しており、金物を併用する場合、溝を切込み金物をはめ
込む加工が必要となり、これを避ける場合は表面に金物
が露出することになる。また、裏面を溝形の形状とし
て、ステンレス製金物に引掛固定する方式もあるが、小
さな寸法のものにしか適用できない。

〔考案が解決しようとする課題〕 従来のサイディング材では、釘打ちの場合は、隣接する
次の板で覆われる部分にしか打てないため、他端の取付
強度に不安がある、また、裏面から金物で留めつける場
合も、仮押え、仮留め等が必要で、簡便な施工構造では
ない。

タイル等のモルタルによる接着は剥落の危険が大きく、
金物併用の場合、溝加工等をすることは強度上問題があ
り、金物が表面に露出したものは見苦しい。また、引掛
けて固定する手段は、大板では無理がある。

本考案の目的は中空パネル背面の取付金物を工夫するこ
とにより、長尺パネルでも簡易に下地に取付けることが
できる取付金物を提供するものである。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、 （１）中空パネルの背面板に設けた孔またはスリットの
一方の縁に挟着し、取付部を外延した第１の取付片と、 （２）前記一方の縁に対向する他方の縁に挟着する第２
の取付片と、 （３）前記第１、第２の取付片の間に介在して該第１、
第２の取付片をぞれぞれの縁に押しつけ保持する断面
『コ』の字状の第３の取付片から成り、前記第１、第２
の取付片は第３の取付片の『コ』の字状の上下辺端をそ
れぞれ挿入する隙間を有し、かつ第１、第２の取付片の
いずれかに第３の取付片の脱落防止手段を具備したこと
を特徴とする中空パネルの取付金物である。

〔作用〕

長手方向に連続した中空部をもつ中空パネルの背面板
に、貫通孔、またはスリットを設け、これに取付金物を
はめ込み固定する。この取付金物は３つの部品に分割さ
れており、その第１、第２の取付片を孔またはスリット
の対向する縁に背面板の肉厚分を挟み込むようにはめ込
み、第３の取付片をその間に介入して固定し、金物が動
かず、外れないようにすることにより、簡単且つ確実に
中空パネルに取付けることができる、この取付金物は下
地に取りつけた係止具に係止するかまたはボルトナット
その他の固着手段にて固定することができる。

〔実施例〕

第１図に本考案の実施例を示す。

実施例の取付金物は次の３つの取付片から成る。

（イ）第１の取付片１。

この取付片は中空パネルの背面板に挟着するフォーク状
の挟着部１ａ、壁体下地に取りつける取付部１ｂ（また
は１ｆ）、第３の取付片２１が嵌入する細隙１ｃ、第３
の取付片２１の抜け防止のためのスプリング片１ｄを備
えている。

（ロ）第２の取付片１１。

中空パネルの背面板に挟着する挟着部１１ａ、第３の取
付片２１が嵌入する細隙１１ｂを備えている。

（ハ）第３の取付片２１。

断面『コ』の字状をなし、その『コ』の字の上下辺は上
記嵌入部１ｃ、１１ｂに嵌入される。

以上の３つの取付片１、１１、２１は第２図に示すよう
に中空パネル２の背面板２ａに取りつけられ組立てられ
る。この組立に当っては、第１図のような３つの取付片
からなる取付金物を製作し、第２図に示すように第１、
第２の取付片１、１１を中空パネルに挟み込み、第１の
取付片１のスプリング部（１ｄ）を反対側に押付けてお
いて第３の取付片２１をはめ込み、スプリング部をもと
の位置に戻して固定する。第３図は、第１の取付片を１
枚の板から製作した実施例の（ａ）正面側から見た斜視
図、（ｂ）背面側から見た斜視図である。第４図は第２
図の取付片１１を１枚の板から製作した実施例で、
（ａ）は正面側から見た斜視図、（ｂ）はその背面側か
ら見た斜視図である。第５図は第３の取付片２１の他の
実施例を示し、（ａ）は上面側から見た斜視図、（ｂ）
はそれを天地を逆にして見た斜視図である。この例では
断面が『コ』の字状をなすのは中央部のみで、この部分
が第１、第２の取付片の細隙に嵌入する。

第６図は中空パネルの背面から見た部分斜視図で、
（ａ）は本考案の取付金具を取りつける部位がスリット
３である例である。この場合、中空部材２はスリット３
をも含めて押出成形により一度に製造できる利点があ
る。第６図（ｂ）は中空パネル２の背面板２ａに貫通孔
４を穿設したもので、貫通孔４は中空パネル２の押出工
程とは別に加工する必要があるが、中空パネルの強度に
影響を与えないので適切である。

第７図、第８図は本考案の取付金物を装着した中空パネ
ル２を壁体下地５に取りつけた例を示す壁部断面図であ
る。第７図では本考案の取付金物を中空パネル２を落し
込む方向にのみ取りつけたもので、幅狭の中空パネルの
取付に適している。

第８図では本考案の取付金物を上下両方向にむけて取り
つけており、幅広の中空パネルの取付に適している。第
９図は、第１の取付片１に長孔１ｇをあけ、これを利用
して躯体に取付けるようにしたものでその他は第１図と
同様である。第１０図は第９図の実施例の取付状況を示
す。

なお本考案の取付金物の壁下地への取付は以上の例に限
定されるものではなく、例えば中空パネルを型枠として
その背面にコンクリートを打込んで使用する場合のシャ
ーコネクタとして使用することも可能である。

〔考案の効果〕

本考案の取付金物は３つの取付片から成り、それぞれ簡
単な鈑金加工によって製作することができ、かつ中空パ
ネルへの組込み取付が容易で脱落のおそれがなく、壁体
下地に中空パネルを簡単な操作で確実に取り付けること
ができ、施工能率及び信頼性の向上に寄与する優れた効
果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の取付金具の３つの取付片のそれぞれの
斜視図、第２図はこれらを中空パネルに取付けた状態を
示す断面図、第３図〜第５図はそれぞれ実施例の取付片
の斜視図、第６図は中空パネルを背面から見た斜視図、
第７図、第８図は本考案の中空パネル取付金物を示す建
築物の垂直断面図、第９図は別の実施例の斜視図、第１
０図は実施例の別の固定状態を示した断面図である。 １……第１の取付片 ２……中空パネル ３……スリット ４……貫通孔 ５……下地 １１……第２の取付片 ２１……第３の取付片

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】中空パネルの背面板に設けた孔またはスリ
   ットの一方の縁に挟着し、取付部を外延した第１の取付
   片と、前記一方の縁に対向する他方の縁に挟着する第２
   の取付片と、前記第１、第２の取付片の間に介在して該
   第１、第２の取付片をぞれぞれの縁に押しつけ保持する
   断面『コ』の字状の第３の取付片とから成り、前記第
   １、第２の取付片は第３の取付片の『コ』の字の上下辺
   端をそれぞれ挿入する隙間を有し、かつ第１、第２の取
   付片のいずれかに第３の取付片の脱落防止手段を具備し
   たことを特徴とする中空パネルの取付金物。