JPH06226998A - インクジェット記録装置およびインクジェット記録ヘッド - Google Patents

インクジェット記録装置およびインクジェット記録ヘッド

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JPH06226998A
JPH06226998A JP1866293A JP1866293A JPH06226998A JP H06226998 A JPH06226998 A JP H06226998A JP 1866293 A JP1866293 A JP 1866293A JP 1866293 A JP1866293 A JP 1866293A JP H06226998 A JPH06226998 A JP H06226998A
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recording head
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勇治 秋山
Fumihiro Gotou
史博 後藤
Hidehiko Kanda
英彦 神田
Hiromitsu Hirabayashi
弘光 平林
Hitoshi Sugimoto
仁 杉本
Miyuki Matsubara
美由紀 松原
Toshio Kashino
俊雄 樫野
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 同一インク色について濃度の異なる複数のイ
ンクを用いて記録を行うカラーインクジェット記録装置
において、装置の小型化を可能とする。 【構成】 濃インクおよび淡インクを吐出するそれぞれ
の記録ヘッドユニット40kおよび40u内に、イエロ
ー(Y),マゼンタ(M),シアン(C)およびブラッ
ク(K)の各インクを吐出する吐出口群70Yk,70
Mk,70Ck,70Kkおよび71Yu,71Mu,
71Cu,71Kuをそれぞれ一体に設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はインクジェット記録ヘッ
ドおよびインクジェット記録装置の記録に関し、特に、
同系色について濃度の異なるインクを用いて画像を記録
するためのインクジェット記録ヘッドおよびインクジェ
ット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】複写装置や、ワードプロセッサ、コンピ
ュータ等の情報処理機器、さらには通信機器の普及に伴
い、それらの機器における情報出力手段としての画像形
成装置(以下、記録装置ともいう)の一つとして、イン
クジェット方式による記録ヘッドを用いてデジタル画像
記録を行うものが急速に普及している。このような記録
装置においては、記録速度の向上のため、記録素子とし
てインク吐出口およびこれに連通する液路等を複数集積
したいわゆるマルチノズルヘッドを使用したものが一般
的である。
【0003】この方式の記録装置において中間調を表現
する方式としては、一定サイズの記録ドットにより単位
面積当りの記録ドット数を制御して中間調を表現するド
ット密度制御方式や記録ドットのサイズを制御して中間
調を表現するドット径制御方式が多く用いられる。
【0004】ここで、後者のドット径制御方式は、一般
に、記録ドットのサイズを微妙に変更するための複雑な
制御が必要となる等の制約があるため、用いられること
が少なく、特に、インク吐出に利用されるエネルギーを
発生するエネルギー発生手段として電気熱変換素子を用
いた場合、この素子を用いた記録ヘッドは、製造が比較
的容易であり、また、吐出口等を高密度に配することが
できるため高解像度の記録が可能である等の利点を有す
るものであるが、吐出の際にインクに及ぼす圧力を変化
させることが困難であり、従って、記録ドットの径を変
調することが困難であるためドット径制御方式を用いる
ことは少ない。以上の理由からインクジェット方式の記
録ヘッドを用いた場合、ドット密度制御方式に用いるこ
とが多い。
【0005】一方、ドット密度制御法に用いられる中間
調表現の2値化手法の代表的なもののひとつとして、組
織的ディザ法があるが、この方法は階調数がディザマト
リクスのサイズによって制限されるという問題がある。
即ち、階調数を多くするためにはマトリクスサイズを大
きくする必要があるが、マトリクスサイズを大きくする
と1つのマトリクスで構成される記録画像の1画素が大
きくなって解像力を損なうなどの問題がある。
【0006】これに対して、2値化手法のもうひとつの
代表的なものとして、誤差拡散法などの条件付決定型デ
ィザ法がある。これは、前述した組織的ディザ法が、入
力画素に無関係なしきい値を用いて2値化する独立決定
型ディザ法であるのに対し、入力画素の周辺画素を考慮
してしきい値を変化させる方法である。この誤差拡散法
に代表される条件付決定型ディザ法は、階調性と解像力
の両立性が良く、また原画像が印刷画像の場合、記録画
像にモアレパターンが発生することが極めて少ないなど
の長所がある。
【0007】しかし、その反面、記録画像の明部で粒状
性が目立ち易く、画質が低下するという問題があり、ま
た、この問題は、特に記録密度の低い記録画像において
顕著となる。
【0008】上述のような粒状性の問題を解決するもの
として、従来より、同一色のインクについて濃度の異な
るインクをそれぞれ吐出する複数の記録ヘッドを設け、
画像の明部から中間調部分は濃度の低いインク(淡イン
ク)で記録ドットを形成し、中間調部分から暗部までは
濃度の高いインク(濃インク)で記録ドットを形成する
ような記録方法が提案されている。
【0009】図1は、上記記録方法にかかる濃淡インク
を用いたシリアルプリント方式による従来例のカラーイ
ンクジェット記録装置の要部を示す斜視図である。
【0010】ブラックの濃インクを吐出する記録ヘッド
Kk、ブラックの淡インクを吐出する記録ヘッドKu、
シアンの濃インクを吐出する記録ヘッドCk、シアンの
淡インクを吐出する記録ヘッドCu、マゼンタの濃イン
クを吐出する記録ヘッドMk、マゼンタの淡インクを吐
出する記録ヘッドMu、イエローの濃インクを吐出する
記録ヘッドYk、イエローの淡インクを吐出する記録ヘ
ッドYuは、それぞれキャリッジ241に所定距離をお
いて配設されている。キャリッジ241は、ガイドシャ
フト243により摺動自在に案内支持され駆動ベルト2
44を介したキャリッジモータ245の駆動により上記
ガイドシャフト243に沿って往復移動させられる。
【0011】各記録ヘッドのインク吐出口に連通する液
路にはインク吐出に用られる熱エネルギーを発生する発
熱素子(電気熱変換素子)が設けられている。
【0012】各記録ヘッドで用いられるインクはそれぞ
れの色に対応して設けられたインクカートリッジ248
に貯留され、個々のインク供給経路を介して供給され
る。また、装置制御部から記録ヘッドへの制御信号や駆
動信号の転送は、フレキシブルケーブル249を介して
行われる。
【0013】記録用紙やプラスチック薄板等から成る被
記録材は不図示の搬送モータを駆動源とする搬送ローラ
(不図示)および排紙ローラ242により、図中矢印方
向に搬送され、この間に各記録ヘッドの移動に伴なって
対向する面に記録がなされて行く。すなわち、キャリッ
ジ241の移動位置を検出するエンコーダ(不図示)の
読み取りタイミングに従い、上記発熱素子を記録信号に
基いて駆動し、ブラックの濃,淡、シアンの濃,淡、マ
ゼンタの濃,淡、イエローの濃,淡の各インクの順に被
記録材上にインク液滴を吐出、付着させることで画像を
記録することができる。
【0014】キャリッジ241の移動による記録領域外
に設定されたホームポジションには、キャップ部247
をもつ回復ユニット246が配設され、この回復ユニッ
トによる吐出回復処理によって各記録ヘッドのインク吐
出特性の安定化を行う。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】以上説明した、従来の
濃淡インクを用いるインクジェット記録装置は、記録画
像における粒状性の問題を比較的良く解決するものであ
り、画質向上のための有効な手法の1つではあるが、以
下に示すような、大別して2つの問題点がある。
【0016】1)第1に、従来の濃淡インクを用いたイ
ンクジェット記録装置は、使用するインク毎に記録ヘッ
ドおよびインクカートリッジを設けていたため、記録ヘ
ッドの数およびインクカートリッジの数が増し、記録装
置が大型化するという問題がある。
【0017】また、記録ヘッドおよびキャリッジの重量
も増すことになり、キャリッジ移動時のランプアップダ
ウンの距離が長くなり、同様に装置が大型化する。ま
た、上記重量増大によりキャリッジを駆動させるため負
荷が増大し、トルクの大きな駆動モータを用いる必要
や、記録ヘッドの数に応じて多数個設けられるキャップ
のキャッピング性能維持のための複雑な機構の必要を生
じ、そのためのコストが増すという問題がある。
【0018】さらに、記録ヘッドの数が多くなることか
ら、各色記録ヘッドのレジストレーションをより精度良
く行う必要があり、そのために部品精度を高くした高価
な部品を用いたり、複雑な位置合せ調整や補正制御を行
う必要があった。
【0019】加えて、濃淡インクを用いて記録を行うと
きに、濃淡インク間のドット濃度の差が大きい場合、記
録画像における淡インクと濃インクの切り換え部分で階
調の再現が線形にならず、疑似輪郭が生じ易くなってい
た。また、記録された画像の粒状性の変化や色調の変化
が、上記インク切り換え部分で発生して不自然な画像と
なる問題もあった。このような問題を解決するために、
低濃度インク、中濃度インク、高濃度インクを用いるな
ど、濃度の段階を増して記録を行う方法があるが、上述
のサイズに関する問題をより助長することは明らかであ
る。
【0020】2)第2に、カラー記録を行う場合の複数
色のインクそれぞれについて濃度の異なるインクを用い
る場合において、各色インクの重なりの順序および同一
色で濃度の異なるインクの重なりの順序にそれぞれに起
因した記録画像におけるむら等を容易に解消できないと
いう問題がある。
【0021】上記むら等を解消する従来の手法として
は、濃度むらを解消するのと同様のものを用いることが
できることが知られている。これについて以下に説明す
る。
【0022】例えばカラープリンタにおいては、キャラ
クタプリンタ等の文字のみ記録するものと異なり、イメ
ージ画像を記録するにあたって、発色性、階調性、一様
性など様々な条件が必要となる。特に、一様性に関し
て、マルチノズルヘッドの製作工程で生じるわずかな吐
出口毎のばらつきは、記録の際の各吐出口のインクの吐
出量や吐出方向の向きに影響を及ぼし、結果として記録
画像の濃度むらとして画像品位を劣化させる原因とな
る。
【0023】その具体例を図2,図3を用いて説明す
る。
【0024】図2(A)において、91はいわゆるマル
チノズルヘッドであり、簡単のため単色、単濃度の1種
類のインクのみを吐出する8個の吐出口92によって構
成されているものとする。93は各吐出口92から吐出
されたインクドロップレットであり、同図のようにイン
クドロップレット93は同一の吐出量で、同一の方向に
吐出されるのが理想である。そして、このような吐出が
行われれば、図2(B)に示すように、紙面上に等しい
大きさのドットが記録され、全体的にも濃度むらの無い
一様な画像が得られる(図2(C)参照)。
【0025】しかし、実際には先にも述べたように、吐
出口毎にそれぞればらつきがあることが多く、図3
(A)に示すように、それぞれの吐出口より吐出される
インクドロップの量および方向にばらつきが生じ、図3
(B)に示すような記録ドットの大きさや着弾位置のば
らつきが生じる。この結果、記録ヘッドの主走査方向に
沿ってエリアファクター100%を満たせない白紙の部
分が存在したり、また、逆に必要以上にドットが重なり
合ったり、あるいはこの図3(B)の中央に見られるよ
うな白筋が発生する。この場合、濃度分布は図3(C)
に示すものとなり、結果的には、通常人間の目でみた限
りで、濃度むらとして感知される。
【0026】また、1回の記録走査毎に繰り返される紙
送りの量が一定に制御されない場合にも、同様の濃度む
ら等を生じる。例えば、一定量より多く紙送りがなされ
る場合、各走査領域の端部のドットとドットが規定量よ
り離れた位置に記録され、その部分は白スジとして目立
つことになる。逆に、一定量より少なく紙送りがなされ
る場合、端部のドットとドットは必要以上に重なり合
い、黒スジとして目立つことになる。この紙送り量の値
は画素密度が高くなればなる程、厳密な制御が要求さ
れ、これが満たされない場合には、記録画像上につなぎ
スジが発生することになる。
【0027】以上のような濃度むらやスジの発生を防止
するため次のような方法が提案されている。
【0028】図4,図5によりその方法を説明する。こ
れら図に示すように、この方法によれば、図2および図
3で示した記録領域を完成させるのに記録ヘッド91を
3回走査させる必要があるが、その領域の半分、すなわ
ち記録ヘッドの吐出口配列の半分に相当する領域は2回
の走査で完成する。すなわち、この場合、記録ヘッドの
8個の吐出口は、上4吐出口と、下4吐出口の2グルー
プに分けられ、1回目の走査では下4吐出口を用いてそ
れぞれ4つの画素列のドットを記録し、4吐出口分の紙
送りをした後、2回目の走査では上4吐出口を用いて上
記4つの画素列のドットが記録されていない部分にドッ
トを記録する。このとき、2回の各走査では、2回の走
査で記録すべきドットが約半分に間引かれており、各走
査で記録されるドットは相補的な関係にある。このよう
な記録法を、以下では分割記録法と称す。
【0029】このような分割記録法を行えば、図3で示
したような吐出口毎に吐出特性のばらつきのある記録ヘ
ッドを使用しても、各吐出口毎の記録画像への影響が半
減されるので、記録された画像は図4(B)に示すよう
になり、図3(B)に見るような黒スジや白スジがそれ
程目立たなくなる。従って、濃度むらも図4(C)に示
すように図3(C)の場合と比較して、かなり緩和され
る。また、各走査領域の境界に生じるつなぎスジも、こ
の分割記録法を行えば、記録ヘッド端部の吐出口と記録
ヘッド中央部の吐出口によって1つ画素列のドットが記
録されるので、半減させることができる。
【0030】このような記録を行う際、1スキャン目と
2スキャン目では、画像データを、ドットがある決まっ
た配列に従い互いに埋め合わせるように(相補的に)分
割するが、通常、この画像データ分割(以下、間引きパ
ターンともいう)は、図5に示すように、ドットが縦横
1画素毎に、丁度千鳥格子になるようなものを用いるの
が最も一般的である。従って、単位記録領域(ここでは
4画素単位)においては千鳥格子を記録する1スキャン
目と、逆千鳥格子を記録する2スキャン目によって記録
が完成される。
【0031】図5(A),(B)および(C)はそれぞ
れこの千鳥、逆千鳥パターンを用いたときに一定領域の
記録がどのように完成されて行くかを説明したものであ
る。まず1スキャン目では、下4ノズルを用いて千鳥パ
ターンを形成するドット51の記録を行う(図5
(A))。次に、紙送りを4画素分(ヘッド長の1/
2)だけ行った後、2スキャン目では逆千鳥パターンの
ドット52の記録を行う(図5(B))。さらに3スキ
ャン目には、再び4画素(ヘッド長の1/2)だけの紙
送りを行った後、再び千鳥パターンのドット53の記録
を行う(図5(C))。このようにして順次4画素単位
の紙送りと、千鳥、逆千鳥パターンの記録を交互に行う
ことにより、4画素単位の記録領域を1スキャン毎に完
成させていく。以上説明したように、同じ画素列のドッ
トが異なる2種類の吐出口により記録されていくことに
より、吐出口毎の吐出特性のばらつきの影響を平均化し
濃度むらの少ない高画質な画像を得ることが可能とな
る。
【0032】このような記録方法は、例えば特開昭60
−107975号公報やUSP4967203号公報に
既に開示されているものであり、濃度むらやつなぎスジ
に対して有効であることがそれぞれに述べられている。
前者においては「各主走査の紙送りを該主走査の幅より
少なくし、隣接する2回の主走査を重複させて重複部分
を形成する手段と、該重複部分の印字ドットを2回の主
走査で重ならないように配列する手段を備えたことを特
徴とする」と開示されている。本公報では、間引きマス
クを「1列おきに奇数段と偶数段を互い違いに印写」と
している場合もあるが、その他にも1回目の主走査で奇
数段、2回目の走査で偶数段を印写している場合や、各
走査でランダムに記録する場合もあり、間引きマスクお
よび紙送り幅は完全には限定していない。
【0033】これに対し後者のUSP4967203号
公報においては、 「a)第1のパスで第1の帯内の上半分のみ水平垂直方
向に隣接しない交番的なピクセル位置をプリントし、 b)第2のパスで第1の帯内の第1のパスでプリントさ
れなかったピクセルと、第1の帯内の下半分の水平垂直
方向に隣接しない交番的なピクセルにプリントし、 c)第3のパスで第1、第2のパスでプリントされなか
った第1の帯内のピクセルのプリントをすると同時に、
直後に引き続く帯に第1のパスを行う」 と開示されている。このように本公報においては、分割
記録を行う間引きマスクとして垂直水平方向に隣接しな
い交番的なピクセル配列を限定している。
【0034】本公報においてさらに付け加える構成とし
て、階調表現やマルチカラー表現のために数画素まとめ
て疑似画素(スーパーピクセル)を形成し、疑似画素
(スーパーピクセル)単位で水平垂直方向に隣接しない
交番的な間引きプリントを行う記録法が開示されてい
る。そして、この方法によれば「上記方法を実現するた
めのシステムをいったんプログラム・ソフトウエアかプ
リンタ・フォームウエアのどちらか組み込んでしまえ
ば、プログラムはスーパーピクセルに関して指定された
組み合わせの色彩番号で呼び出す事ができるので、多数
の色彩を作り出すためのコンピュータ・プログラムを作
成する作業をむやみに複雑にすること無くこのプリント
の質が達成される。」と述べ、マルチカラー表現の為の
プログラミングの単純化も効果として上げている。ま
た、各スーパーピクセルは単一の均質な色彩として知覚
されることを意図しているので、スーパーピクセル内で
のカラーのにじみは無害であるとも述べている。
【0035】ところで、記録走査方向に複数色の記録ヘ
ッドを並べる構成の従来のプリンタにおいて記録速度を
向上させるために両方向記録を行う場合、上記分割記録
法を用いない場合には、上述したむらの発生と同時に色
むら等も発生することがある。以下、その理由を述べ
る。
【0036】現在一般に使用されている記録インクの被
記録媒体(紙)への着弾状態を図6の断面図に示す。こ
こでは異なる2色のインク(ドット)を時間差をおいて
殆ど隣接した位置に吸収(記録)させた場合を示してい
る。注意点は、2ドット重なり部分において、先に記録
されたドットよりも後に打たれたドットの方が紙面の深
さ方向に沈む傾向にあることである。これは、吐出され
たインク中の染料などの色素が被記録媒体と物理的かつ
化学的に結合する段階で、被記録媒体と色素の結合が有
限であるために、色素の種類によって結合力に大きな差
がない限りにおいては、先に吐出されたインクの色素と
被記録媒体との結合が優先されるためにその色素が被記
録媒体表面に多く残り、後から打たれたインクの色素は
被記録媒体表面では結合しにくく、紙面深さ方向に沈ん
で結合するものと考えられるからである。
【0037】この場合、2種類のインクを同着弾点に記
録した場合も、同様に2種類のインクの打ち込み順序に
よって優先色が異なることとなるため、結果的に人間の
視覚特性に対し、打ち込み順序によって異なる2色を表
現してしまうことになる。例えば、ある一定領域にグリ
ーン(シアン+イエロー)画像を形成する場合に、各画
素にシアン、イエローの順にインクを打ち込んだ時は、
先に吸収されたシアンが優先色となり、シアンの発色の
強いグリーン画像となる。逆に、イエロー、シアンの順
にインクを打ち込んだ時は、イエローの発色の強いグリ
ーン画像が得られることになる。
【0038】ここで、両方向記録を行う場合を考える
と、例えば図1に示すように各色の記録ヘッドが記録走
査方向に配列されているので、往路で記録されるインク
の打ち込み順と、復路で記録されるインクの打ち込み順
は逆転する。従って、往路で記録されるドットの発色と
復路で記録されるドットの発色は異なったものとなる。
このような状態で、通常行われる1回の記録走査毎の吐
出口配列の長さ分の紙送りを行っていくと、異なる2種
類の色調や濃度が1走査ライン毎に交互に現れ、記録画
像全体では大きな色むらとなり画質を劣化させることに
なる。
【0039】しかし、このような弊害も前述した分割記
録法を用いることにより克服することができる。すなわ
ち、分割記録を行うことにより、図5で説明したよう
に、往路(図5(A),(C))で記録されるドットの
発色と、復路(図5(B))で記録されるドットの発色
が、一定領域内にほぼ半数づつ混在させることができる
ので、全体的には双方のドットの発色性の差が平均化さ
れ、丁度中間の発色がどの記録領域でも同様に得られ
る。
【0040】発色性に関する上述の構成および効果は、
例えばUSP4748453号公報に既に開示されてい
る。ここでは紙送り量の限定はないが、第1と第2(あ
るいはそれ以上)に分割した記録走査でそれぞれの記録
領域に水平垂直方向に交互に位置する画素への補完的な
記録をすることにより、トランスペアレンシーフィルム
等の被記録媒体上でのインクのビーディングを防止する
際の、カラー画像を形成するときには、混色画素のイン
ク打ち込み順を第1走査と第2走査で逆転させることに
より(往復記録)、カラーバンディング(色むら)を防
止することができる効果を述べている。この公報におい
ては主な目的が各画素間のビーディングの防止であるの
で、1回の走査で記録される画素同士は、水平垂直方向
において互いに隣接しないことが特徴づけられている。
【0041】一方、本願人による特開昭58−1945
41号公報においては、「複数本の記録素子列を並列配
置し、前記記録素子列に直行する方向に往復走行させ
て、ドット行列記録の主走査を行うにあたり、前記主走
査の往路において記録ドット行列の各行および各列の少
なくとも一方における記録すべき全ドットよりも少ない
個数のドットを間欠的に記録するとともに、前記主走査
の復路において前記各行および各列の少なくとも一方に
おける残余のドットを間欠的に記録することにより前記
複数本の記録素子列による重複記録ドットにおける記録
の重複の順序を前記主走査の往路と復路とにて互いに異
ならせることを特徴とする記録方法」と開示している。
この公報においても先に説明した分割記録のように紙送
り量を記録素子列の長さ分より少なくするような制限は
なく、その効果をカラーインクの重複記録(重ね記録)
に基づく記録画像の色調ずれ(色むら)による画像劣化
の防止としている。この公報においては、この色調ずれ
の防止が主な目的であるので、各走査で記録するドット
位置の特別な制限は無く、実施例においては市松模様
(千鳥、逆千鳥)に加え、縦方向にのみ交互に記録する
横間引き、横方向にのみ交互に繰り返す縦間引きが記載
されている。
【0042】また、カラープリンタに限定していない
が、特開昭55−113573号公報においても、綾目
状(千鳥、逆千鳥)パターンを用いて往復記録を行う構
成を開示している。この公報では隣接するドットを連続
して印写しないようにし、それによって印写ドットが乾
かないうちに隣接するドットを印写してドット歪が生じ
るのを防止することを目的としている。従って、ここで
は上記USP4748453号公報と同様に、間引きマ
スクが綾目状に限定されている。
【0043】ところで、上記3件の公報は全て、往復記
録時の色むらやビーディングの防止を目的としている。
従って、本願で開示する分割記録法のように、吐出口の
ばらつきに起因する濃度むら防止を目的の1つとして
「各走査間の紙送り量を吐出口配列の長さ以下にする」
という構成はとっていない。また、濃度の異なる2種類
以上のインクを用いて記録する場合についても何も開示
するものではない。
【0044】以上説明したように、往復記録において分
割記録を行えば、インク色の打ち込み順が互いに逆であ
る2種類の記録画素を記録領域内に均等に配することが
できるので、吐出口のばらつきに起因した濃度むら解消
と同時に色むらの解消も可能となる。
【0045】しかしながら、インク打ち込み順によりド
ット定着状態が異なるという現象は、上述した色むらに
限らず、濃度の異なるインクを重ねて打ち込む場合にお
いても同様のことが言える。すなわち、濃度の高いイン
クのドットを先に記録した場合には、こののドットの濃
度が優先的となり、濃度の高いくっきりとした画像が得
られる。これに対し、濃度の低いインクが打たれた後
に、濃度の高いインクを記録した場合には、そのインク
が濃度の低いインクの周りに大きく滲み込み、それほど
濃度の高くない滑らかで一様な画像が得られる。
【0046】以上説明したように、複数種のインクを用
いてカラー記録を行う場合において、記録画像における
粒状性を考慮して複数種の各インクについてさらに濃度
の異なる複数のインクを用いると、各種インク間の重な
り順序に起因した色むらに加え、濃淡インク間の重なり
順序に起因した濃淡むらも生じ、これら色むら,濃淡む
らの現れ方がより多様となる。
【0047】さらに詳しく説明すれば、図1に示したイ
ンクジェット記録装置において、上述のようなカラー記
録を行う場合に用いられる従来の記録ヘッドKk〜Yu
は図7に示すような配列である。このため、カラー記録
を行う際の走査によって可能となる濃,淡を含めた各種
インクの重なり方の組合せは濃,淡インクを用いない場
合と比較してより多様なものとなる。
【0048】このため、上述のように単に上記分割記録
法を用いることによって色むら,濃淡むらを平均化しよ
うとしても、十分でない場合がある。また、後述される
ように各画素に打ちこまれるインクの滲む面積に起因し
て色むら等を解消しきれないこともある。
【0049】本発明は、上述した濃,淡インクを用いる
場合に生じる第1および第2の問題を解決し、小型でそ
の記録画像におけるむらが抑制されたインクジェット記
録装置を提供することを目的とする。
【0050】
【課題を解決するための手段】そのために本発明では、
インクを吐出するための記録ヘッドを用い、該記録ヘッ
ドを主走査方向に移動させながら当該記録ヘッドから被
記録媒体にインクを吐出して記録を行うインクジェット
記録装置において、前記記録ヘッドは、インクを吐出す
る吐出口を前記主走査方向とは異なる方向に配列してな
る吐出口列であって、それぞれが異なる種類のンクを吐
出する複数の吐出口列を前記主走査方向とは異なる方向
に一体に備えたことを特徴とする。
【0051】また、インクを吐出するための記録ヘッド
を用い、該記録ヘッドを主走査方向に移動させながら当
該記録ヘッドから被記録媒体にインクを吐出して記録を
行うインクジェット記録装置において、前記記録ヘッド
は、インクを吐出する吐出口を前記主走査方向とは異な
る方向に配列してなる吐出口列であって、それぞれが異
なる種類のインクを吐出する複数の吐出口列を前記主走
査方向とは異なる方向に備え、前記記録ヘッドと前記被
記録媒体とを、前記主走査方向とは異なる方向に、前記
複数の吐出口列が延在する幅より少ない幅だけ相対移動
を行い、該移動毎に、前記記録ヘッドの前記主走査方向
の1回の移動で記録可能な画素の一部を、前記1回の移
動で記録し、前記記録可能な画素の残余を他の前記1回
の移動で記録する、ことを特徴とする。
【0052】さらに、インクを吐出する吐出口を、当該
使用時の移動方向とは異なる方向に配列してなる吐出口
列であってそれぞれが異なる種類のインクを吐出する複
数の吐出口列を前記移動方向とは異なる方向に一体に備
えたことを特徴とする。
【0053】
【作用】以上の構成によれば、濃度や色等、種類がそれ
ぞれ異なるインクを吐出する複数の吐出口列を、その記
録ヘッドの移動方向とは異なる方向に一体に設けること
ができるので記録ヘッドそのものや、これを移動させる
ための機構の小型化が可能となる。
【0054】また、1回の移動で記録可能な領域を分割
し、かつこの分割領域の画素を複数回の移動によって分
割して記録する場合には、記録ヘッドにおける上記複数
の吐出口列の配置によって、記録ヘッドの上記複数の種
類の異なるインクの重なる順序を常に等しくすることが
できる。
【0055】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。
【0056】実施例1 (記録装置構成)図8は本発明の一実施例におけるカラ
ーインクジェット記録装置の制御構成を示すブロック図
である。
【0057】図において、符号1はCCD等による原稿
画像を光学的に読み取り。あるいはホストコンピュータ
やビデオ機器等から画像輝度信号(RGB)を入力する
画像入力部を示し、符号2は各種パラメータの設定およ
び記録開始を指示する各種キーを備えている操作部を示
す。符号3は後述のROM中の各種プログラムに従って
本記録装置全体を制御するCPUを示す。符号4は制御
プログラム,エラー処理プログラムに従って本記録装置
を動作させるためのプログラム等を格納するROMを示
す。このROM4において、符号4aは後述する入出力
ガンマ変換回路の処理で参照するための入出力ガンマ変
換テーブル、符号4bは後述の色補正(マスキング)回
路の処理で参照するマスキング係数、符号4cは後述の
黒生成およびUCR回路の処理で参照する黒生成および
UCRテーブル、符号4dは後述の濃淡振り分け回路の
処理で参照するための濃淡振り分けテーブル、符号4e
は上述の各種プログラムを格納しているプログラム群を
それぞれ示している。
【0058】また、符号5はROM4中の各種プログラ
ム実行の際のワークエリアおよびエラー処理時の一時退
避エリアとして用いるRAMを示す。そして符号6は後
述する画像信号処理を行う処理部を示し、符号7は記録
時に画像信号処理部6で処理した画像信号に基いてドッ
ト画像を形成するプリンタ部を示している。さらに、符
号8は本装置内のアドレス信号、データ、制御信号等を
伝送するバスラインを示す。
【0059】(画像信号処理部)次に、図8に示した画
像信号処理部6の詳細について説明する。
【0060】図9は本実施例の画像信号処理部6を構成
する回路の一例を示すブロック図である。
【0061】ホスト装置等から転送されるレッド,グリ
ーン,ブルーそれぞれの画像輝度信号R,G,Bは入力
ガンマ補正回路11に入力し、ここでシアン,マゼン
タ,イエローそれぞれの画像濃度信号21C,21M,
21Yに変換される。これら信号は、色補正(マスキン
グ)回路12、黒生成・UCR(下色除去)回路13で
色処理が施されて、シアン,マゼンタ,イエロー,ブラ
ックの新たな画像濃度信号23C,23M,23Y,2
3Kに変換される。
【0062】これらの画像濃度信号は、出力ガンマ補正
回路14でガンマ補正が行われた後、濃淡振り分け回路
15で染料濃度が高い濃シアン,濃マゼンタ,濃イエロ
ー,濃ブラックの各インクに対応した画像濃度信号25
Ck,25Mk,25Yk,25Kkおよび染料濃度が
低い、淡シアン,淡マゼンタ,淡イエロー,淡ブラック
の各インクに対応した画像濃度信号25Cu、25M
u、25Yu、25Kuに振り分けられる。
【0063】図10(A),(B)および(C)はそれ
ぞれ濃淡振り分けテーブルの例を説明する線図である。
【0064】例えば、本例のように、濃淡2種の濃度の
インクを用いた場合には、図10(B)の変換テーブル
が用いられる。
【0065】このテーブルは、画像濃度信号値と記録後
の画像の光学反射濃度値とが比例線形関係を示すように
設定されている。画像濃度信号は、この濃淡振り分けテ
ーブルをもとに濃淡振り分け回路で濃および淡信号に変
換される。濃,淡それぞれに振り分けられた各画像濃度
信号は2値化回路6で2値化される。プリンタ部7では
この2値データを各記録ヘッドの吐出信号とし、各記録
ヘッドから信号値に応じて対応するインク吐出口よりイ
ンクが吐出されてカラー画像が記録される。
【0066】(プリンタ部)図11は本発明の実施例に
おけるカラーインクジェット記録装置の要部構成を示す
斜視図である。
【0067】ブラック,シアン,マゼンタ,イエローそ
れぞれの淡インクを別個に吐出する各吐出口列を有する
淡インク用インクジェットユニット40uと、ブラッ
ク,シアン,マゼンタ,イエローそれぞれの濃インクを
吐出する各吐出口列を有する濃インク用インクジェット
ユニット40kとがキャリッジ41に互いに所定距離を
おいて設置される。キャリッジ41は、ガイドシャフト
43により摺動自在に案内指示され、駆動ベルト44を
介したキャリッジモータ45の駆動により上記ガイドシ
ャフト43に沿って往復移動させられる。
【0068】インクジェットユニット40u,40kの
各記録ヘッドのインク吐出口に連通する液路にはインク
吐出に用いられる熱エネルギーを発生する発熱素子(電
気熱変換素子)が設けられている。
【0069】各インクジェットユニット40u,40k
の対応吐出口列へのインク供給はそれぞれのインクカー
トリッジ48u,48kから所定の供給路を介して行わ
れる。このインクカートリッジ48u,48kは内部が
壁により分割されており、イエロー,マゼンタ,シア
ン,ブラックのそれぞれの濃度のインクを貯留する。ま
たインクジェトユニット40u,40kへの制御信号等
は、フレキシブルケーブル49を介して送られる。
【0070】記録用紙やプラスチック薄板等から成る被
記録材は不図示の搬送モータを駆動源とする搬送ローラ
(不図示)および排紙ローラ42により、矢印方向に搬
送され、この間に各インクジェットユニットの移動に伴
なって対向する面に記録がなされて行く。すなわち、キ
ャリッジ41の移動位置を検出するエンコーダの読み取
りタイミングに従い、上記発熱素子を記録信号に基づい
て駆動し、各色の濃インク色,淡インク色の順に被記録
材上にインク液滴を吐出、付着させることで画像を記録
することができる。
【0071】キャリッジ41の移動による記録領域外に
設定されたキャリッジ41のホームポジションには、キ
ャップ部47をもつ回復ユニット46が配設されてい
る。記録を行わない時には、キャリッジ41をホームポ
ジションへ移動させてキャップ部47の各キャップによ
り対応するインクジェットユニット40u,40kのイ
ンク吐出口形成面を密閉し、インク溶剤蒸発に起因する
インクの固着あるいは塵埃等の異物の付着等による目詰
まりを防止する。
【0072】また、上記キャップ部47は、記録頻度の
低いインク吐出口の吐出不良や目詰まりを解消するため
キャップ部内へインクを吐出させる空吐出モードを行う
ときやインク吐出口からインクを吸引し、吐出不良を起
こしたインク吐出口の吐出回復を行う際に利用される。
またキャップ部隣接位置にブレードを配設することによ
り、インクジェットユニットのインク吐出口形成面をク
リーニングすることも可能である。
【0073】なお、キャップ47の上下方向における各
境界に仕切りを設けることにより上側で吸引等されたイ
ンクが下側へ移行するのを防ぎ、これにより混色による
画質劣化等を防止することができる。
【0074】(インクジェットユニット)図12は本実
施例に用いるインクジェットユニット40uまたは40
kの構成を示す分解斜視図である。
【0075】配線基盤50の一端はヒーターボード51
の配線部分と相互に接続され、さらに配線基盤50の他
端部には、本装置制御部からの制御信号,吐出信号等を
受けるための複数個のパッドが設けられている。これに
より本体装置制御部からの電気信号は、それぞれの電気
熱変換素子に供給されるようになる。
【0076】配線基盤50の裏面を平面で支持する金属
製の支持板52は、インクジェットユニットの底板をも
なす。押えばね53は溝付天板54のインク吐出口近傍
の領域を線状でかつ弾性的に押圧するものであり、その
ために断面が略U字形状の折り曲げ形成した部分と、ベ
ースプレートに設けた逃げ穴を利用して引っかける爪
と、バネに作用する力をベースプレートで受ける一対の
後脚を有している。このバネ力により配線基盤50と溝
付天板54とを圧接している。また、支持体に対する配
線基盤50の取付けは、接着剤等による貼着で行われ
る。
【0077】インク供給管55は、イエロー,マゼン
タ,シアン,ブラックの各インクに対応して4つ設けら
れている。インク供給管55の端部にはフィルター56
が設けられている。インク供給部材57は、モールド成
形で製造され、供給管55から溝付天板54の各インク
供給口へと導く流路が形成されている。インク供給部材
57の支持板52に対する固定は、インク供給部材57
の裏面側の2本のピン(不図示)を支持体52の穴5
8,59にそれぞれ貫通突出させ、これを熱融着するこ
とにより簡単に行われる。
【0078】この際、オリフィスプレート部580と供
給部材57との隙間は均一に形成される。封止剤はイン
ク供給部材57の上部封止剤注入口から注入され、ワイ
ヤーボンディングを封止すると同時にオリフィスプレー
ト部580とインク供給部材57との隙間を封止し、さ
らに支持板52に設けられた溝を通り、オリフィスプレ
ート部580と支持板52前端部との隙間を完全に封止
する。
【0079】図13は、上述した溝付天板54をヒータ
ーボード51側から見た斜視図である。
【0080】共通液室用溝が、イエロー,マゼンタ,シ
アン,ブラックの各インク用に4個設けられており、各
共通液室は壁60a〜60cで仕切られ、各共通液室に
はインク供給のための供給口61a〜61dが設けられ
ている。
【0081】これら各共通液室を仕切る壁60a〜60
cにおけるヒーターボード51との圧接面には溝62a
〜62cを設けてある。この溝は、溝付天板54の外周
部と連通している。溝天54をヒーターボードに圧接し
密着させた後、外周部は、前述したように封止剤で封止
される。この際、上記溝に沿って、封止剤が浸透してい
き、溝天とヒーターボードの隙間を埋めていく。このよ
うに、従来の記録ヘッドで用いられていたのと同様の工
程で、共通液室を完全に分離することができる。この溝
の構造は封止剤の物性により異なり、それぞれに対応し
た形状にする必要がある。
【0082】このように、共通液室を複数に分離するこ
とにより、各インク吐出口に異なったインクを供給する
ことが可能となる。
【0083】図14(A)は、インクジェットユニット
40u,40kのインク吐出口列を被記録材側から見た
模式図である。
【0084】本例では、上述したように、イエロー,マ
ゼンタ,シアン,ブラックの各インク吐出口列を一体に
有したそれぞれ濃インク用,淡インク用、2つのインク
ジェットユニット40u,40kを用いる。
【0085】インクジェットユニット40kの、70Y
k,70Mk,70Ck,70Kkはイエロー,マゼン
タ,シアン,ブラックそれぞれの濃インクを吐出する吐
出口列を示す。
【0086】インクジェットユニット40uの、71Y
u,71Mu,71Cu,71Kuはイエロー,マゼン
タ,シアン,ブラックそれぞれの淡インクを吐出する吐
出口列を示す。各色の吐出口列は1インチあたり360
ドット(360dpi)のピッチで32個の吐出口を有
し、これら吐出口列の各色間は共通液室間の壁により8
ドット分のスペースがある。
【0087】図15は、図14(A)に示すインクジェ
ットユニットを用いた画像形成過程を示す模式図であ
る。
【0088】以下の説明では各色間のスペースは無いも
のとして説明する。
【0089】第N+1行に着目すると、第1走査で濃ブ
ラックKk,淡ブラックKuによる記録が行われた後、
所定量の被記録材の搬送動作(ラインフィード、以下L
Fと略す)が行われ、第2走査で濃シアンCk,淡シア
ンCuによる記録とLFが行われ、第3走査で濃マゼン
タMk,淡マゼンタMuによる記録とLFが行われ、第
4走査で濃イエローYk,淡イエローYuによる記録と
LFが行われ、第N+1行の記録が完成する。各走査記
録後のLF量は各色の吐出口列の32個の吐出口配列長
さ分(実際はスペース分を加えた長さ)であり4回の走
査記録により32吐出口分の画像が記録される。
【0090】図14(B)は、インクジェットユニット
40u,40kの他の例を示す図である。
【0091】本例では同一インクジェットユニット内に
濃マゼンタ,濃シアン,濃ブラックの各インク吐出口列
を有するものと淡マゼンタ,淡シアン,濃イエローの各
インク吐出口列を有するものを用いる。
【0092】図14(B)においてインクジェットユニ
ット40kの、72Kk,72Mk,72Ckは、ブラ
ック,マゼンタ,シアンそれぞれの濃インクを吐出する
吐出口列を示す。また。インクジェットユニット40u
の、73Yk,73Mk,73Cuは、イエロー,マゼ
ンタ,シアンそれぞれの淡インクを吐出する吐出口列を
示す。
【0093】この構成では、明度が高いため画像明部で
それ程ドットの粒状性が目立たないイエローインクや、
画像の高濃度部でのみ使用されるため粒状性がそれ程目
立たないブラックインクは濃インクのみ使用するように
する。
【0094】本構成の場合、濃淡振り分けテーブルは、
イエロー,ブラックは図10(A)、マゼンタ,シアン
は図10(B)を使用する。また、72Kk,73Yk
の吐出口数は他色の吐出口数の倍有してる。各色の吐出
口列は1インチあたり360ドット(360dpi)の
ピッチで濃,淡マゼンタ、濃,淡シアン用は32個の吐
出口を有し、濃ブラック,濃イエロー用は64個の吐出
口を有している。また、各色間は液室の壁により8吐出
口分のスペースがある。
【0095】図16は、図14(B)に示す本構成の記
録ヘッドを用いた場合の画像形成過程を示す模式図であ
る。
【0096】第N+1行に着目すると、第2走査で濃ブ
ラックKkと濃イエローYkによる記録とLFが行わ
れ、第3走査で濃シアンCk,淡シアンCuによる記録
とLFが行われ、第4走査で濃マゼンタMk,淡マゼン
タMuによる記録とLFが行われ、第N+1行の記録が
完成する。各走査記録後のLF量は32吐出口列幅分で
あり3回の走査記録により32吐出口列分の画像記録が
行われる。
【0097】なお、濃イエローと濃ブラックの記録は1
走査おきに行われ、マゼンタ,シアンに比べ倍の64吐
出口分の記録を1度に行う。
【0098】本構成のようにすることで、黒文字、モノ
クロ記録を行う場合LF量を64ドット幅分に可変とす
ることで記録速度を速くすることが出来る利点がある。
【0099】図14(C)は、インクジェットユニット
のさらに他の構成例を示す図である。
【0100】本例では、同一インクジェットユニット内
にイエロー,マゼンタ,シアン,ブラックの各インク吐
出口列を有したものを濃インク用,淡インク用、2つの
インクジェットユニットを使用している。ただしイエロ
ー,ブラックは両インクジェットユニットとも濃インク
を使用している。
【0101】図14(C)において、インクジェットユ
ニット40kの、74Yk,74Kk,74Mk,74
Ckは、イエロー,ブラック,マゼンタ,シアンそれぞ
れの濃インクを吐出する吐出口列である。
【0102】インクジェットユニット40uの、75M
k,75Ckはマゼンタ,シアンそれぞれの淡インクを
吐出する吐出口列75Kk,75Ykはブラック,イエ
ローそれぞれの濃インクを吐出する吐出口列である。
【0103】先に述べた構成と同様に、明度が高いため
画像明部でドットの粒状性が目立たないイエローインク
や画像の高濃度部でのみ使用されるため粒状性が目立た
ないブラックインクは濃インクのみ使用する。
【0104】本構成では、濃淡振り分けテーブルとし
て、イエロー,ブラックについては図10(A)、マゼ
ンタ,シアンは図10(B)を用いる。
【0105】各色の吐出口列は1インチあたり360ド
ット(360dpi)のピッチで32個の吐出口を有し
各色間は液室の壁により8ドット分のスペースがある。
ブラック、イエロー用の吐出口列は2つのインクジェッ
トユニットを用いることで他色の吐出口数の倍有してお
り、64ドット分の記録を同時に行うことができる。ま
た、イエロー,ブラック間はブランクが生じないように
吐出口列がずらして形成されている。
【0106】図17は図14(C)に示す構成のインク
ジェットユニットを用いた場合の画像形成過程を示す模
式図である。
【0107】第N+1行に着目すると、第2走査目で濃
ブラックKkと濃イエローYkによる記録とLFが行わ
れ、第3走査目で濃シアンCk,淡シアンCuによる記
録とLFが行われ、第4走査目で濃マゼンタMk,淡マ
ゼンタMuによる記録とLFが行われ、3回の走査記録
により画像が完成する。各走査記録後のLF量は32吐
出口列幅分であり3回の走査記録により32吐出口列幅
分の画像が記録される。
【0108】濃イエローと濃ブラックの記録は、図に示
す例では、第2走査と第4走査の1走査おきに行われ、
マゼンタ、シアンにくらべ2つのインクジェットユニッ
トの吐出口列を用いることで倍の64ドット分の記録を
1度に行うことができる。
【0109】本構成のようにすることで、先の構成と同
様に黒文字、モノクロ印字を行う場合、LF量を64ド
ット幅分に可変することで記録速度を速くすることが可
能である。
【0110】上記いずれの構成例においても、記録過程
において一度に全色の記録を行わないため、滲み等によ
る画像劣化も少なく良好な画像が得られる。さらに、実
際のインクジェットユニットにおいては、各色間にスペ
ースがあるため、各色の記録走査のつなぎ位置は本図説
明のように各色で一致せず、異なった位置となり結果と
して記録走査のつなぎ筋の発生を緩和させる効果も得ら
れる。
【0111】本実施例のように液室を分割し、同一吐出
口形成面に異なる色のインクを吐出するインク吐出口を
備えたインクジェットユニットを用いることで、インク
ジェットユニット(記録ヘッド)の数、インクカートリ
ッジの数を減らすことができ、装置の小型化が可能とな
る。
【0112】また、本実施例に用いたインクジェットユ
ニットは同一吐出口面に異なる色の吐出口列を精度良く
かつ廉価に製造することができるため従来装置のような
高い精度や複雑な補正制御が不要となり低価格化も可能
となる。
【0113】なお、本実施例のインクジェットユニット
はインク吐出タイミング補正の低減化から各色吐出口列
が同一直線上に配列した方が好ましいが、本実施例に限
定されることなく各色吐出口列を横並びに配列したり、
千鳥状に配列したりしても良い。
【0114】また、本実施例で説明したように、必要に
応じて吐出口の数を色毎に変えることで、記録速度の向
上も可能となる。
【0115】さらに、本実施例のインクカートリッジは
インクジェットユニットと同様にキャリッジ上に搭載さ
れているが、インクジェットユニットと一体化しても良
く、またキャリッジ上には搭載せずにインク供給キュー
ブを介してインクジェットユニットにインクを供給する
ようにしても良い。また本実施例のように内部を分割し
て複数色のインクを有するカートリッジを用いた方が装
置小型化の面で好ましいが、内部を分割せずに単一色の
インクカートリッジを用いるようにしても良い。
【0116】実施例1の変形例1 (プリンタ部)図18は上記実施例1の変形例1におけ
るカラーインクジェット記録装置の要部構成を示す斜視
図である。図11に示した要素と同様の要素には、同一
の符号を付してその説明を省略する。以下で示す図1
9,図20においても同様とする。
【0117】本例の場合、濃ブラックインクを吐出する
吐出口列、淡ブラックインクを吐出する吐出口列を有す
るブラックインク用インクジェットユニット110K
と、濃シアンインクを吐出する吐出口列、淡シアンイン
クを吐出する吐出口列を有するシアンインク用インクジ
ェットユニット110Cと、濃マゼンタインクを吐出す
る吐出口列、淡マゼンタインクを吐出する吐出口列を有
するマゼンタインク用インクジェットユニット110M
と、濃イエローインクを吐出する吐出口列、淡イエロー
インクを吐出する吐出口列を有するイエローインク用イ
ンクジェットユニット110Yとはキャリッジ41に所
定距離をおいて記録走査方向に設置される。
【0118】(インクジェットユニット)図19は本例
に用いるインクジェットユニット110K,110C,
110M,110Yの構成を示す分解斜視図であり、溝
付天板54以外、図12に示す構成とほぼ同様である。
【0119】図20は、本例に用いるインクジェットユ
ニットの溝付天板54をヒーターボード121側から見
た斜視図である。本実施例の共通液室は濃インク用、淡
インク用に2個設けられており、各液室は壁60で仕切
られている。各共通液室にはインクが供給されるための
供給口61a,61bが設けられている。
【0120】図21は、上記インクジェットユニットの
インク吐出口列を被記録材側から見た図である。本例で
は同一インクジェットユニット内に濃インク用,淡イン
ク用の各インク吐出口列を有し、イエロー,マゼンタ,
シアン,ブラックのインクに対応してそれぞれインクジ
ェットユニットを用いる。
【0121】図21において、143Yu,142M
u,141Cu,140Kuは淡インクを吐出する吐出
口列、143Yk,142Mk,141Ck,140K
kは濃インクを吐出する吐出口列である。
【0122】各濃淡インクに対応した吐出口列は1イン
チあたり360ドット(360dpi)のピッチで64
個の吐出口を有し各色間は共通液室の壁により8吐出口
分のスペースがある。
【0123】図25は図21に示すインクジェットユニ
ットを用いた場合の画像形成過程を示す模式図である。
【0124】第N+1行に着目すると、第1走査で濃ブ
ラック,濃シアン,濃マゼンタ,濃イエローによる記録
とLFが行われ、第2走査で淡ブラック,淡シアン,淡
マゼンタ,淡イエローによる記録とLFが行われ、2回
の走査記録により第N+1行の記録が完成する。各走査
記録後のLF量は64吐出口列分であり、2回の走査記
録により64吐出口列分の画像が記録される。
【0125】図22は、インクジェットユニットの他の
構成例を示す模式図である。
【0126】本例では同一インクジェットユニット内に
濃インク用,中濃度インク用,淡インク用の各インク吐
出口列を有し、イエロー,マゼンタ,シアン,ブラック
の各インクに対応してそれぞれのインクジェットユニッ
トを用いている。本構成の場合、濃淡振り分けテーブル
は図10(C)に示すものを用いる。
【0127】図22において、それぞれ153Yu,1
52Mu,151Cu,150Kuは淡インクを吐出す
る吐出口列、153Ym,152Mm,151Cm,1
50Kmは中濃度インクを吐出する吐出口列、153Y
k,152Mk,151Ck,150Kkは濃インクを
吐出する吐出口列である。
【0128】各濃,中,淡インクに対応した吐出口列は
1インチあたり360ドット(360dpi)のピッチ
で64個の吐出口を有し各色間は共通液室の壁により8
ドット分のスペースがある。
【0129】本例の場合は、第1走査で濃ブラック,濃
シアン,濃マゼンタ,濃イエローによる記録とLFが行
われ、第2走査で中ブラック,中シアン,中マゼンタ,
中イエローによる記録とLFが行われ、第3走査で淡ブ
ラック,淡シアン,淡マゼンタ,淡イエローによる記録
とLFが行われ、3回の走査記録により画像が完成す
る。各記録走査後のLF量は32吐出口列分であり、3
回の走査記録により32吐出口列分の画像が記録され
る。
【0130】本構成のように濃淡インクに加え、中濃度
インクを用いることで全階調領域で粒状感が目立たなく
なり、さらに各濃度インクの切り替えをスムーズに行う
ことができ、疑似輪郭の発生も防止でき、さらに滑らか
な階調再現が可能となる。
【0131】図23は、インクジェットユニットのさら
に他の構成例を示す模式図である。
【0132】本例では同一インクジェットユニット内に
濃インク用,淡インク用の各インク吐出口列を有したも
のと、単一色のインク吐出口を有したものを組み合わせ
て使用している。
【0133】図23において、それぞれ162Mu,1
61Cuは淡インクを吐出する吐出口列、163Yk,
162Mk,161Ck,160Kkは濃インクを吐出
する吐出口列である。吐出口列160Kk,163Yk
の吐出口数は他色の吐出口列の吐出口数の倍である。
【0134】明度が高いため画像明部でもドットの粒状
性が目立たないイエローインクや、画像の濃度部でのみ
使用されるため粒状性が目立たないブラックインクにつ
いては濃インクのみ使用する。本構成の場合、濃淡振り
分けテーブルはイエロー,ブラックについては図10
(A)、マゼンタ,シアンについては図10(B)に示
すものを用いる。
【0135】図26は図23に示すインクジェットユニ
ットを用いた場合の画像形成過程を示す模式図である。
【0136】同図において、第N+2行に着目すると、
第2走査で濃ブラック,濃シアン,濃マゼンタ,濃イエ
ローによる記録とLFが行われ、第3走査で淡シアン,
淡マゼンタによる記録とLFが行われ、2回の走査記録
により画像が完成する。各走査記録後のLF量は64吐
出口列分であり2回の走査記録により64吐出口列分の
画像記録を行うことができる。
【0137】濃イエローと濃ブラックの記録は図中、第
2走査のみで、1走査おきに行われ、マゼンタ,シアン
と比較して倍の128吐出口列分の記録を1度に行う。
【0138】本構成のようにすることで、前述の実施例
同様に黒文字,モノクロ印字を行う場合LF量を128
ドット幅分に可変とすることで記録速度を向上させるこ
とができる。
【0139】図24は、インクジェットユニットのさら
に他の構成例を示す模式図である。
【0140】本例では同一インクジェットユニット内に
濃インク用、淡インク用の各インク吐出口列を有しか
つ、インク吐出量が異なる吐出口列を有するユニットを
用いている。
【0141】図24において、173Yus,172M
us,171Cus,170Kusは、それぞれの色の
淡インクの小液滴を吐出する吐出口列、173Yul,
172Mul,171Cul,170Kulは、それぞ
れの色の淡インクの大液滴を吐出する吐出口列である。
【0142】173Yks,172Mks,171Ck
s,170Kksは、それぞれの色の濃インクの小液滴
を吐出する吐出口列、173Ykl,172Mkl,1
71Ckl,170Kklは、それぞれの色の濃インク
の大液滴を吐出する吐出口列である。
【0143】小液滴のインク液滴量は約20plであ
り、大液滴のインク液滴量は約40plである。
【0144】図27は、図24に示すインクジェットユ
ニットを用いた場合の画像形成過程を示す模式図であ
る。
【0145】第N+1行に着目すると、第1走査で濃ブ
ラック,濃シアン,濃マゼンタ,濃イエローの小液滴に
よる記録とLFが行われ、第2走査で濃ブラック,濃シ
アン,濃マゼンタ,濃イエローの大液滴による記録とL
Fが行われ、第3走査で淡ブラック,淡シアン,淡マゼ
ンタ,淡イエローの小液滴による記録とLFが行われ、
第4走査で淡ブラック,淡シアン,淡マゼンタ,淡イエ
ローの大液滴による記録とLFが行われ、4回の走査記
録により第N+1行の記録が完成する。各走査記録後の
LF量は32吐出口列分であり、4回の記録走査で32
吐出口列分の画像記録が行える。
【0146】本構成のように濃,淡インクに加え、ドッ
ト径が大小異なるものを組み合わせて記録を行うこと
で、全階調領域で粒状感を目立たなくなり、さらに各濃
度インクの切り替えがスムーズに行うことができえ、疑
似輪郭の発生も防止でき、さらに滑らかな階調再現が可
能となる。
【0147】上記いずれの構成においても、前述の実施
例同様、一度に全色の記録を行わないため、滲み等によ
る画像劣化も少なく良好な画像が得られる。さらに、実
際のインクジェットユニットにおいては、各色の吐出口
列間にスペースがあるため、各色の記録走査のつなぎ位
置は本図説明のように各色一致せず、異なった位置とな
り結果として記録走査のつなぎ筋の発生を緩和させる効
果も得られる。
【0148】また本変形例で説明した構成によれば同色
系のインクは一つのインクジェットユニット内にまとめ
ることができ、インクカートリッジの共有化、吐出回復
動作時に発生しやすい混色の緩和にも効果がある。特に
濃度の低いインク(淡インク)の吐出口列を上側に濃度
の高いインク(濃インク)を下側に配列することで吐出
回復動作での吸引動作でインク垂れ込みが生じても、イ
ンク混色を防止できる。
【0149】本変形例も先の実施例同様に、共通液室を
分割し、同一吐出口形成面に異なる色のインクを吐出す
るインク吐出口を一体に備えたインクジェットユニット
を用いることで、インクジェットユニット(記録ヘッ
ド)の数、インクカートリッジの数を減らすことがで
き、装置の小型化が可能となる。また本実施例に用いた
インクジェットユニットも、同一吐出口面に異なる色の
吐出口列を精度良くかつ廉価に形成することができるた
め従来装置のような高い精度や複雑な補正制御が不要と
なり低価格化も可能となる。
【0150】なお、本実施例のインクジェットユニット
においても、インク吐出タイミング補正の低減化から各
色吐出口列が同一直線上に配列した方が好ましいが、本
実施例に限定されることなく各色吐出口列を横並びに配
列したり、千鳥状に配列したりしても良い。
【0151】また、本変形例で説明したように、必要に
応じて吐出口の数を色毎に変えることで、記録速度の向
上も可能となる。
【0152】さらに、本変形例のインクカートリッジは
インクジェットユニットと同様にキャリッジ上に搭載さ
れているが、インクジェットユニットと一体化しても良
く、またキャリッジ上には搭載せずにインク供給チュー
ブを介してインクジェットユニットにインクを供給する
ようにしても良い。また本実施例のように内部を分割し
て複数色のインクを有するカートリッジを用いた方が装
置小型化の面で好ましいが、内部を分割せずに単一色の
インクカートリッジを用いるようにしても良い。
【0153】実施例1の変形例2 図28は、実施例1の他の変形例にかかるインクジェッ
トユニットを被記録材側から見た模式図である。
【0154】本例のインクジェットユニットは記録に使
用する全インク色に対応するインク吐出口列をすべて同
一インクジェットユニット内に一体に設ける。インクジ
ェットユニット210において、210Yuは淡イエロ
ーの色インクを吐出する吐出口列、210Muは淡マゼ
ンタの色インクを吐出する吐出口列、210Cuは淡シ
アンの色インクを吐出する吐出口列、210Kuは淡ブ
ラックの色インクを吐出する吐出口列、210Ykは濃
イエローの色インクを吐出する吐出口列、210Mkは
濃マゼンタの色インクを吐出する吐出口列、210Ck
は濃シアンの色インクを吐出する吐出口列、210Kk
は濃ブラックの色インクを吐出する吐出口列である。各
色インク吐出口列は1インチあたり360ドット(36
0dpi)のピッチで32個の吐出口をもち各色の吐出
口列間は共通液室の壁により8ドット分のスペースがあ
る。
【0155】第1走査で濃ブラックによる記録とLFが
行われ、第2走査で淡ブラックによる記録とLFが行わ
れ、第3走査で濃シアンによる記録とLFが行われ、第
4走査で淡シアンによる記録とLFが行われ、第5走査
で濃マゼンタによる記録とLFが行われ、第6走査で淡
マゼンタによる記録とLFが行われ、第7走査で濃イエ
ローによる記録とLFが行われ、第8走査で淡イエロー
による記録とLFが行われ、8回の走査記録により各行
の記録が完成する。各走査記録後のLF量は32吐出口
列分であり8回の記録走査により32吐出口列分の画像
記録を行うことができる。
【0156】本構成においても、先の実施例同様、一度
に全色の記録を行わないため滲み等による画像劣化も少
なく良好な画像が得られる。さらに、実際のインクジェ
ットユニットにおいては、各色間にスペースがあるた
め、各色の記録走査のつなぎ位置は本図説明のように各
色一致せず、異なった位置となり結果として記録走査の
つなぎ筋の発生を緩和させる効果も得られる。
【0157】本実施例のインクジェットユニットは全色
のインク吐出口列が同一吐出口形成面に精度良くつくる
ことが可能であり、各色間のレジストレーションずれの
問題がない。
【0158】また、各色間の吐出タイミングを補正する
必要がないため本実施例のように全色同一直線上に配列
した方が好ましいが、本実施例に限定されることなく各
色吐出列を横並びに配置したり、千鳥状に配列しても良
い。
【0159】また必要に応じて吐出口の数を色毎に変え
ることで、記録速度の向上も可能となる。
【0160】本実施例も先の各実施例同様に、共通液室
を分割し、同一吐出口形成面に異なる色のインクを吐出
するインク吐出口を備えたインクジェットユニットを用
いることで、インクジェットユニット(記録ヘッド)の
数、インクカートリッジの数を減らすことができ、装置
の小型化が可能となる。また従来装置のような高度な装
置精度や複雑な補正制御が不要となり低価格化も可能で
ある。
【0161】さらインクカートリッジはインクジェット
ユニットと同様にキャリッジ上に搭載することが好まし
いが、インクジェットユニットと一体化しても良く、ま
たキャリッジ上には搭載せずにインク供給チューブを介
してインクジェットユニットにインクを供給するように
しても良い。また内部を分割して複数色のインクを有す
るカートリッジを用いた方が装置小型化の面で好ましい
が、内部を分割せずに単一色のインクカートリッジを用
いるようにしても良い。
【0162】実施例1の変形例3 図29はイエロー,マゼンタ,シアン,ブラック各4色
のインクジェットユニット224をフレーム220によ
り一体的に組み立てた一体型インクジェットカートリッ
ジの構造を示している。
【0163】インクジェットユニット224の構成は先
の実施例で詳細に説明しているのでここでは説明を省略
する。
【0164】4つのインクジェットユニット224はフ
レーム220内に所定の間隔で取り付けられ、しかも吐
出口列方向のレジストレーションも調整された状態で固
定される。221はフレームのカバーであり、222は
4つのインクジェットユニット224の配線基盤120
に設けられたパッドと本体装置からの電気信号をつなぐ
ためのコネクタである。配線基盤120とコネクタ22
2は電極223により接続されている。
【0165】図30は上記一体型インクジェットカート
リッジ222をキャリッジに搭載したときの様子を示し
たものである。
【0166】インクタンク118は仕切り230により
上下2つの部屋に仕切られており、上の部屋に淡インク
を下の部屋には濃インクを充填してある。そしてキャリ
ッジ上でインクジェットカートリッジ222とイエロ
ー,マゼンタ,シアン,ブラックの4つのインクタンク
118とが圧接結合されインクタンク118より対応す
るインク吐出口列へインクが供給される。
【0167】本構成のインクジェットユニットにおいて
も、先の各実施例同様、一度に全色の記録を行わないた
め滲み等による画像劣化も少なく良好な画像が得られ
る。さらに、実際のインクジェットユニットにおいて
は、各色吐出口列間にスペースがあるため、各色の記録
走査のつなぎ位置は各色一致せず、異なった位置となり
結果として記録走査のつなぎ筋の発生を緩和させる効果
も得られる。
【0168】本実施例の一体インクジェットカートリッ
ジは複数のインク吐出口列が同一吐出口形成面に精度良
くつくられたインクジェットユニットを、精度良く並べ
一体カートリッジに組上げることが可能であり、各イン
クジェットユニット間のレジストレーションずれの問題
が解決でき、補正制御の負荷が低減する。また各インク
ジェットユニットの電気接点部を共通化することが可能
であり装置本体との接点数を減らすことができる。
【0169】それぞれインクジェットユニット内の各吐
出口列は各色間の吐出タイミングを補正する必要がない
ため全色同一直線上に配列した方が好ましいが、本実施
例に限定されることなく各色吐出列を横並びに配置した
り、千鳥状に配列しても良い。
【0170】また、必要に応じて吐出口の数を色毎に変
えることで、記録速度の向上も可能となる。
【0171】さらに、インクカートリッジはインクジェ
ットカートリッジと同様にキャリッジ上に搭載すること
が好ましいが、インクジェットカートリッジと一体化し
ても良く、またキャリッジ上には搭載せずにインク供給
キューブを介してインクジェットカートリッジにインク
を供給するようにしても良い。また内部を分割して複数
色のインクを有するカートリッジを用いた方が装置小型
化の面で好ましいが、内部を分割せずに単一色のインク
カートリッジを用いるようにしても良い。
【0172】加えて、本実施例も先の実施例同様に、装
置の小型化が可能であり、また従来装置のような高度な
装置精度や複雑な補正制御が不要となり低価格化も可能
である。
【0173】実施例1の変形例4 本例では、各記録走査で記録される画素位置を縦1×横
2画素の画素郡を互い違いになる様に配置する。
【0174】以下、図31を参照して本例の記録を説明
する。第1記録走査ではインク吐出口列の全16個の吐
出口の内、淡インク部分の下半分4つの吐出口を使う。
この時、記録する画素配列は、1×2画素を互い違いに
したもので上記吐出口が記録できる全画素の半分を記録
する(画素を半分に間引いて記録する)。第1記録走査
終了後、記録紙は4画素幅だけ矢印方向に送られるとと
もに、記録ヘッドユニットは、その復動作で記録開始位
置に戻される。
【0175】次の第2記録走査では淡インクの全8個の
吐出口を使って記録が行われる。この時、記録される画
素は、第1記録走査で記録されなかった4画素幅の領域
と、これに続く4画素幅の画像領域の内、同様に1×2
画素を互い違いに配列した部分である(第1記録走査時
と逆の間引きを行う)。
【0176】再び4画素幅の紙送りを行い、記録ヘッド
を記録開始位置へ戻した後、第3記録走査が行われる。
ここで使用される吐出口は、淡インク全8個の吐出口
と、濃インク吐出口列の内、下半分4つの吐出口であ
る。この時記録される画素配列は、第1記録走査時と同
様な1×2画素を互い違いにしたもので上記吐出口が記
録できる全画素の半分を記録する(画素を半分に間引い
て記録する)。
【0177】次の第4記録走査ではじめて記録ヘッドユ
ニットの全吐出口が使用される。第3記録走査と逆の間
引きで1×2画素を互い違いに配列した画素の記録を行
う。
【0178】そして、この記録走査により第1画素記録
への記録はすべて完了する。
【0179】以下、同様にして記録を繰返すことで画像
を完成させる。
【0180】上述のような分割記録方法を用いることで
吐出特性のばらつきによる濃度むらや記録媒体搬送むら
による黒すじ、白すじを緩和させることができ良好な画
像を提供できる。
【0181】上述実施例では、1×2画素を互い違いに
した間引きパターンを用いたがこれに限定されることな
く千鳥状の間引きパターンを用いても良い。
【0182】さらに、記録ヘッドユニットの構成は本例
に限られず、上記、各実施例で説明したあらゆる構成の
ものに応用できる。
【0183】なお、上記すべての実施例はカラー画像記
録のみならずグレースケール記録のような単色画像に対
しても有効な手段である。
【0184】以上説明した実施例1およびその変形例に
よれば上述した種々の効果に加え、以下のような効果を
得ることもできる。
【0185】上記各実施例で示したように、同一のイン
クジェットユニット内に、異なる種類のインク、すなわ
ち、Y,M,C,Kのインクを吐出する吐出口、あるい
は同種インクについて濃,淡インクをそれぞれ吐出する
吐出口を設けることができるので、各色の記録ドット間
または各濃淡の記録ドット間でのレジ合せが容易にな
る。
【0186】また、上述したような濃,淡各インクを吐
出する吐出口を同一のインクジェットユニット内に設け
る構成にあっては、これら同一系色の濃淡インクの使用
頻度はほぼ等しいので、インクタンクを一体としたイン
クジェットユニットの交換を、インクをそれ程無駄にす
ることなく行うことができる。
【0187】以下に示す実施例2およびその変形例は、
実施例1およびその変形例で示した各インクの吐出口配
列の関係を利用して、カラー記録の際の色むら,濃淡む
ら,スジ等を十分に低減するものである。
【0188】従って、以下の実施例では、実施例1およ
びその変形例による、各インクの吐出口列の一体化によ
る効果を奏するインクジェットユニットを用いることも
できるし、あるいは、各インクの吐出口配列の関係のみ
が実施例1等と同様で、各吐出口列が一体化されない構
成も用いることができる。
【0189】なお、以下で示す実施例では、装置構成お
よび制御構成は、実施例1あるいはその変形例で示した
ものとすることができる。
【0190】実施例2 図32は本発明の実施例2に用いるインクジェットユニ
ット(以下では、記録ヘッドともいう)の構成を示す模
式図である。
【0191】本実施例ではブラック(K),シアン
(C),マゼンタ(M),イエロー(Y)の各4色の独
立した記録ヘッドはそれぞれ濃インク吐出用の8吐出口
と淡インク吐出用の8吐出口の計16吐出口を有してい
る。この記録ヘッドの各インクの吐出口配置は、図21
に示す吐出口配置と同様であり、各吐出口列を一体とす
ることもできる。
【0192】図中矢印で示す方向に記録ヘッドの記録走
査と紙送りがなされ、紙送りについては各記録走査毎に
4吐出口分の幅で行われる。本実施例の構成によれば、
淡インク記録領域から濃インク記録領域に向かって記録
紙が送られるので、記録は常に淡インク画像が完了した
後に濃インク画像が記録される。このように、紙送り方
向に濃,淡各インクの吐出口列を1列に並べる構成にす
れば、両方向記録の往路と復路で濃,淡各インクの打ち
込み順が逆転することがないので、インクの打ち込み順
に起因した濃淡むらを予め防ぐことができる。
【0193】本実施例においては、色の異なる複数種類
のインクのそれぞれについてさらに濃度の異なるインク
を吐出する記録ヘッドを用いて分割記録することを特徴
としているので、図7に示したような全種類のインクの
吐出口列が記録走査方向に配列している構成において
も、分割記録の効果は発揮できる。ただし、このような
構成では未だ完全には色むら弊害は解決されないことが
多い。
【0194】この理由を図33(A)および(B)を用
いて以下に説明する。
【0195】通常インクドロップレットの量は、紙面上
の各画素に与えられた面積よりも多少大きく広がるよう
に設計されている。これは印字率100%の領域に対
し、白紙の部分が見えないようにするためである。従っ
て分割記録法を行った時も、記録画素の数の約50%し
か記録されていないが、被記録媒体(記録紙)は図32
(A)に示すように、50%以上の領域が覆われている
ことになる。これに加えて、濃インクと淡インクが、さ
らには混色記録のために2色以上の、濃インクと淡イン
クが同一画素に記録されると、1画素当たりに打ち込ま
れるインク量は4倍に増え、滲み出し領域は殆ど100
%に近い状態になってしまう(図32(B))。このた
め、間引かれた画素にインクドットを記録しても、その
部分は最初のドットが既に占めているので後のインクの
色の濃度はそれほど高くならない。従って、両方行記録
を分割記録で行った場合でも、最初に紙面に記録される
時の走査方向の色調,濃度が記録領域全体で優先色とな
り、往路記録が最初の記録となる画像領域と、復路印字
が最初の記録となる画像領域が交互に色むらとなって現
れ、これが画像を著しく劣化させてしまうことが多い。
【0196】本実施例において、一様なグリーン画像を
記録する状態を図34に示す。
【0197】ここで言う一様なグリーン画像とは、シア
ン,イエローともに濃インクと淡インクの両方を記録す
る画像のことで、図10(B)に示す振り分けテーブル
においては入力画像濃度信号が128から255の間の
デューティーを指す。ただし、本実施例を含む以下の詳
細において、説明の都合上あらゆる画素に上記4種のイ
ンクが記録される状態を設定した。
【0198】本実施例では各記録走査で記録される画素
位置は縦1×横2画素の画素群を互い違いになるように
配置してある。このようにすることにより、図33で示
した1画素単位を互い違いにする配置よりも、各記録走
査での記録画素以外への滲み出しを減少させることがで
きるので、既に説明した打ち込み順による色むらが起こ
り難くなる。
【0199】以下、図34において各記録走査毎に簡単
に説明していく。
【0200】第1記録走査では記録ヘッド内の全16吐
出口の内、淡インク部分の下半分の4吐出口を用いる。
この時記録する画素配列は、1×2画素を互い違いにし
たもので、上記吐出口が記録できる全画素の半分を記録
する。第1記録走査では記録ヘッドが往路方向に走査し
ながら記録するので、一様なグリーン画像を記録する場
合は、各記録画素へシアン,イエローの順にインクが打
ち込まれていく。従って第1記録走査で記録された画素
では、シアンの発色が強いグリーン画像が得られること
となる。第1記録走査終了後、記録紙は4画素幅だけ図
中矢印の方向に送られる。
【0201】次の第2記録走査では、復路方向に淡イン
クの全8吐出口を用いて記録される。この時記録される
画素は、第1記録走査で記録されなかった4画素幅の領
域と、これに続く4画素幅の画像領域の内、同様に1×
2画素を互い違いにした配列の部分である。第2記録走
査では、復路方向で記録されるので、記録画素へのイン
ク着弾はイエロー,シアンの順になる。従って、第2記
録走査で記録される画素ではイエローの発色が強いグリ
ーン画像となる。しかし、第1および第2記録走査で記
録するインクは元々濃度の薄いものであるので、インク
打ち込み順による発色性の差はさほど大きく現れるもの
では無い。
【0202】再び、4画素幅の紙送りの後、往路方向で
第3記録走査が行われる。ここで使用される吐出口は、
淡インク全8吐出口および、濃インク吐出口の内、下半
分の4吐出口である。この記録走査は再び往路方向の記
録なので、第2および第3画像領域の淡インク領域で
は、シアン,イエローの順のインク打ち込み順で、シア
ンの発色が強いグリーン画素が得られることとなる。こ
れに対し、第1画像領域では既に、淡インクによる印字
が成され、既に優先色が淡インクにより決定されてしま
っているので、濃インクがシアン、イエローの順に打ち
込まれても、これによる優先色の決定は無く全体的にグ
リーンの濃度が高くなるのみである。
【0203】次の、第4記録走査で、第1画像領域に対
して初めて記録ヘッドの全吐出口が使用される。この記
録走査は再び復路走査であるので、イエロー,シアンの
順にインクが打ち込まれる。第3記録走査で説明したよ
うに、第1画像領域、および第2画像領域では既に淡イ
ンクが着弾されている上への記録であるので、濃インク
のインク打ち込み順は殆ど画像に影響せず、両画像領域
ともグリーンの濃度が全体的に高くなるのみである。そ
してこの記録走査により、第1画像領域への記録は全て
完了する。第3、および第4画像領域についてはこれま
での記録走査と同様に、インクの打ち込み順によって記
録画素での優先色が決定されている。
【0204】以下同様にして、各記録走査では、全16
吐出口を用いて、4吐出口列の紙送り走査と往復記録を
順次繰り返して行く。
【0205】以上説明してきた方法によれば、図32に
示すような記録ヘッドを用いることにより、4画素幅づ
つ連なる全画像領域に、最初の2走査で淡インク画像を
完成させてしまってから、続く2走査で濃インク画像を
完成させている。従って、濃淡インクを用いて記録する
方法でも、従来例のような濃淡むらが現れる要因自体
が、本実施例では既に取り除かれることになる。
【0206】一方、インク打ち込み順によるもう一つの
弊害の色むらについては、往路と復路で異なる色調のド
ットを記録してしまう構成になっている。しかし、本実
施例では分割記録を行い、かつ同時に記録する画素を1
×2単位としているので、従来例で説明した図33の場
合よりもさらに他領域への滲み出しを抑えることが出来
ている。よって、往路で記録したドットの占める面積の
割合と、復路で記録したドットの占める面積の割合を各
画像領域でほぼ等しく、さらに良好な画像が得られるよ
うになっている。
【0207】このような考えに基づけば、今1×2の大
きさにしている画素配列を、さらに拡大することで、従
来例(図7)のような構成の記録ヘッドでも色むらと濃
淡むらを同時に解決されることが予想できる。実際、こ
のようにすれば、確かに各画像領域内の全体的な色調は
均等になり得る。しかし、その一方で、画素配列の単位
が大きすぎると、今度はそれ自体が視覚的に感知される
ようになり、画像上にザラツキ感が現れ、滑らかさの欠
けたものとなってしまう。また、同時に同画素へ、最高
400%以上のインクを打ち込むことになるので、記録
密度の高い領域などでは、異色同士の境界部で滲みが生
じ、好ましくないものとなり易い。
【0208】本実施例は、両方向記録を行う際に起こり
得る濃淡むらと色むらという2つの弊害を、前者につい
ては各インク色の吐出口配列構成で、後者については分
割記録および画素構成によって対処し、解決させてい
る。そして、特にこれまでの説明では先に淡インクを記
録した後に濃インクを記録させるヘッド構成をとってい
る。しかし、濃淡インクの打ち込み順自体は、これに限
ったものでない。すなわち、淡インクノズルと濃インク
ノズルの位置を逆転させる様な構成を取っても本発明の
効果を有効に得ることができる。
【0209】ここで、これまで説明をしてきた図32で
示す記録ヘッド構成と、この構成と濃淡を逆転させた構
成の場合とでの画像比較を簡単に説明する。
【0210】淡インクを先に記録した場合には、その後
に着弾される濃インクは既に記録されている淡インクの
下側に回り込み、各画素では濃度の低い大きなドットが
得られる。これに対し、濃インクを先に記録した場合に
は、1番最初の記録走査方向で決まる優先色のドットが
高い濃度で着弾され、優先色をかなり強く決定づける。
この場合、色むらについては淡インクを先に完成させる
構成の方が、濃インクを先に記録する構成より現れにく
い。これは、淡インクでのインク打ち込み順による発色
性の差の方が濃インクでのそれよりも少ないからとも言
える。さらに、各ドットが大きく一様に広がるので、全
体的には滑らかな画像を得ることができる。従って、本
実施例の中でも、淡インクを先に記録する配列を有した
記録ヘッドの方がカラーイメージ画像にに対し、より適
した構成といえる。
【0211】一方、濃インクを先に記録した場合は、確
かに色むらは目立ち易いが、濃インクがその後に記録さ
れる淡インクによってぼかされることがないので、各画
素自体の濃度および解像度が高く、くっきりとした高解
像の画像が得られる。よって、濃インクを先に記録する
ヘッドの方が濃度の高い黒文字画像等により適した構成
といえる。
【0212】さらに本実施例では、各色は濃インクと淡
インクの2種類の濃度インクで説明してきたが、さらに
画像を良好にするために濃度のレベルを3種類以上にし
てもよい。この場合、濃度の異なるインクの吐出口列を
紙送り方向に図35に示すように配列させれば良い。
【0213】以上説明してきたように、本実施例によれ
ば濃淡インクを吐出する記録ヘッドを持ったカラーイン
クジェット記録装置において、各色インクをヘッド記録
走査方向に、濃淡インク吐出口を紙送り方向に配列させ
ることによって、両方向記録の際のインク打ち込み順に
起因する色むらおよび濃淡むらを無くし、良好な画像を
得ることができる。
【0214】実施例2の変形例1 次に、上記実施例2の変形例についてを説明する。上記
実施例2が濃淡むらをヘッド構成、すなわち吐出口配列
構成で、色むらを分割記録法で解決していたのに対し、
本実施例では濃淡むらを分割記録法で、色むらをヘッド
構成で解消するものである。
【0215】本変形例の記録ヘッド構成を図36に示
す。本変形例も上記実施例2と同様、16個の吐出口を
1列に配列する記録ヘッドを用いるが、ここでは濃イン
クヘッドと淡インクヘッドを独立させ、記録走査方向に
並列させている。それぞれの吐出口列は、紙送り方向に
向かって各色を4吐出口づつ配列させている。
【0216】本例では記録の色順をブラック,シアン,
マゼンタ,イエローとしているが、実施例2と同様に紙
送り方向の配列順は1通りに限るものではない。また、
本例では各色,各濃度につき4吐出口しか吐出口を持ち
合わせていないので、分割記録を行うために各記録走査
毎の紙送り量は2画素幅となる。
【0217】図37は、本例により記録したときの記録
状態を示す。ここでも実施例2と同様に、シアンとイエ
ローで一様なグリーン画像を記録する場合を例に取って
いる。
【0218】記録の初めにおいて、ブラックデータが存
在する場合には用紙の先端はブラック吐出口位置に設定
されるが、本例で説明するグリーン画像ではブラックイ
ンクを記録する必要がないので、記録用紙は、同図に示
すようにシアンの吐出口位置まで移動される。この時シ
アン吐出口は全部で4吐出口存在するが、分割記録を行
うために、第1記録走査ではシアン吐出口の下半分の2
吐出口の位置に記録用紙が設定される。
【0219】第1記録走査は往路記録であるので、記録
画素へは、濃インクのシアン,淡インクのシアンの順番
に着弾される。濃インクが先に着弾されるのでここに記
録される画素では濃度の高くドット輪郭のはっきりした
シアンの周りを、濃度の薄い大きなシアンドットが薄く
囲む形になる。その後、2画素幅の紙送りが行われ、次
の第2記録走査へと続く。なお、本例でも上記実施例2
と同様に、各記録走査で同時に記録される画素配列は1
×2の画素群が互い違いになったものを用いている。
【0220】第2記録走査は、復路走査であり、淡イン
クのシアン,濃インクのシアンの順に各画素へインクが
着弾される。淡インクが既に着弾された後に記録される
濃インクのドットは淡インクのドットの周りに大きく滲
み込み、往路走査で得られるドットよりも濃度の低い一
様なものとなる。ここまでの2回の記録走査でシアンの
記録が完成する第1画像領域では濃度の高いシアンドッ
トと濃度の低いシアンドットが約半数づつ混在すること
となる。また、この第1画像領域に続く第2画像領域で
は、この時の復路記録で、シアンドットの半分が記録さ
れている。
【0221】次の第3および第4記録走査では、第1画
像領域はマゼンタ吐出口部に対応して位置するので、実
際の記録は行われない。しかし、これに続く第2画像領
域以下ではシアン吐出口部に位置する各画像領域で順次
シアンドットの記録がなされていく。
【0222】シアンドットの記録がなされた第1画像領
域が次に記録されるのは、この領域がイエロー吐出口部
に対応して位置する第5記録走査である。イエローイン
クは既にシアンインクが記録されている上から、濃イン
ク,淡インクの順に着弾される。もし、白紙上にこの順
番にインクが打たれれば、記録画素は濃度の高いイエロ
ー画素となるが、既にシアンインクが吸収されている上
に記録されるので、イエローインクはシアンインクの周
りや下側に大きく回り込み、ドット形状や濃淡の差異は
ここでは現れない。
【0223】以上のように順次記録走査を往復で繰り返
していくとき、各画像領域ではシアン吐出口部に位置し
た時と、2走査後のイエロー吐出口部に位置した時のみ
記録が成されている。ここでは、全ての画像領域におい
てシアンの記録が完了された後にイエローが記録される
ので、従来例で説明した往復記録時の色むら弊害は本例
の記録ヘッド構成によって解決される。
【0224】以上説明してきたように本変形例によれ
ば、濃淡インクヘッドを持ったカラーインクジェット記
録装置において、濃淡インクの吐出口を記録走査方向
に、また、各色インク吐出口を紙送り方向に配列させる
ことによって、両方向記録の際のインク打ち込み順に起
因する色むらおよび濃淡むらを無くし、良好な画像を得
ることができる。
【0225】なお、本例においても、紙送り方向に配列
するインク色の順番は1通りに限ったものではない。ど
の様な配列でも本発明において同様な効果を得ることが
できる。本例で特にブラックインクを先頭に持ってきた
ことは、4色の中でブラックインクの濃度および解像度
を最も高くしようと意図したものであり、ブラックイン
クの濃度、および解像度が高いことは、鮮明な黒文字画
像を得ることにつながる。
【0226】実施例2の変形例2 次に、実施例2の他の変形例について説明する。
【0227】上述した実施例2およびその変形例1で
は、複数の記録ヘッドを用い、色または濃度によってそ
れぞれ1ヘッドづつ対応させたものであった。これに対
し、本例に用いる記録ヘッドは1つのみである。すなわ
ち、実施例1等に示したように、全ての濃度および色に
対応したインク吐出口をこの記録ヘッド内に予め配列っ
せ、これらを一体に構成する。
【0228】図38は、本実施例に用いる記録ヘッドの
構成を示す模式図である。
【0229】各色インクについてそれぞれ濃インクの吐
出口を8個、淡インクの吐出口を8個有し、計16個の
吐出口で1色の記録を完成させていく。各色の吐出口群
は紙送り方向にブラック(K),シアン(C),マゼン
タ(M),イエロー(Y)の順に配列されているが、こ
の時隣合う各色の吐出口群は互いに1吐出口分重なりあ
っている。
【0230】図38において、ヘッド上に実線で示した
横線は、紙送り状態を示したものであり、記録紙の先頭
画素が4画素幅の紙送り走査で、順次どの位置送られる
かを示したものでもある。この図に見るように本実施例
のような吐出口配列構成を採ると、この先頭画素は各色
配列する8吐出口の色毎に異なる部分に位置していくこ
とになる。すなわち、この先頭画素はブラックにおいて
は分割記録のつなぎ部となり得るが、シアン,マゼン
タ,イエローにおいてはつなぎ部とはならない。
【0231】図39に示す実施例による記録状態を、上
記各実施例と同様に一様なグリーン画像を記録する状態
として示している。本例も、異なる色のインク吐出口が
紙送り方向に配列していることは上記変形例1と同様で
あるので、各記録走査の往復記録では、シアン、あるい
はイエローの吐出口位置にきた画像領域のみが記録され
ることとなる。ここで言う画像領域とは各色記録ヘッド
が同時に記録する4画素幅の領域のことを指し、すなわ
ち各色のつなぎ部とつなぎ部の間の領域のことを言う。
従って、本例ではこれまでの実施例の画像領域とは異な
り、各色でそれぞれ相互なる画像領域を構成しているこ
とになる。
【0232】図40は、図39における第6記録走査後
の記録画像と各色のつなぎ部(画像領域)を示したもの
である。ここでは各色がそれぞれ1画素ずつずれた位置
にそれぞれのつなぎ部(画像領域)が現れていることを
示している。このように、色毎につなぎ部を異なった位
置に現れるようにすることにより、これまで上記実施例
2および変形例1で述べてきた本発明の効果以外にも、
各記録走査毎に行われる紙送り量のむらをさらに改善す
ることができる。
【0233】ところで、本例では、色毎につなぎ位置を
異ならせるために記録ヘッド内の吐出口位置を各色1吐
出口ずつ重ねるように構成したが、つなぎ位置を異なら
せるための吐出口配列構成はこの配列に限ったものでは
ない。例えば、逆に1画素づつ離して各色を配列させて
も同様な効果は得られ、この場合は両方向記録による色
むらの要素を完全に省くことができる。
【0234】また、記録ヘッド内の各共通液室間の仕切
り部分を確実なものとするためにも、ある程度の距離を
おいて吐出口列を配列することは記録ヘッド作成工程に
おいても好ましいことである。
【0235】さらに、記録に関与する吐出口の数が増
し、紙送り量も大きくなれば様々な位置に各色のつなぎ
部を現れるようにすることもできる。
【0236】さらに、本例においても上記変形例1と同
様に、紙送り方向に配列するインク色の順番は1通りに
限ったものではない。どのような配列でも同様な効果を
得ることができる。
【0237】以上説明した実施例2および変形例1,2
においては、全て2分割記録による画像形成を例にとり
を説明したが、本発明の効果をさらに有効なものにする
ための手段として、より分割数の多い分割記録も可能で
ある。記録分割数を多くすることは1つの画像領域に対
しさらに多くの吐出口を適用することになり、また、1
回の記録走査で同画像領域内に打ち込まれるインクの絶
対量も減る。よって、画像をより滑らかにすることがで
きる一方で、これまで説明してきた滲み出しによる色む
らや濃淡むらヘの効果も期待できる。
【0238】図41は本発明を適用したインクジェット
記録装置のインク吸引動作を示すための図であり、図1
8に示したキャップ部分を模式的に示す断面図である。
【0239】図41において、各キャッピング17の内
部には多孔質のインク吸収体20が設けられている。こ
のインク吸収体20は、図41(A)に示されるよう
に、キャッピング時に吐出口形成面21の近傍に位置す
るように配設されている。なお、図41中の高密度の斜
線部分30は吐出口から吸い出された(吸引された)イ
ンクを示す。
【0240】図41(A)は、キャップ117を吐出口
面21に密着させて吸引ポンプを動作させ、チューブ2
7を通してキャップ17内に負圧を発生させることによ
り各吐出口からインクを吸引した後吸引ポンプの動作を
停止した時の状態を示す。この状態では、ある量のイン
クが吸引されることにより吸引ポンプ内の負圧がほとん
ど解消されている。すなわち、各吐出口のメニスカスが
破壊させない程度に負圧が減少している。負圧が強い状
態のままキャップ117を吐出口面21から引き離す
と、キャップ15内に瞬時に大気圧がかかり、この急激
な圧力変動により吐出口内のメニスカスが破れ、吐出口
内に空気が入り込んで吐出不良を起こす場合がある。
【0241】また、図43に示すように、吐出口形成面
とインクとの界面ではインクの付着力や吐出口内の負圧
によりインクを吸い上げようとする力が作用し、さらに
キャップ103内インクにはインク自身が凝集しようと
する表面張力が作用するため、インク104の間にくび
れ105が生じ、キャップが離れるに従い、インク10
4の各くびれ105部分の断面積が小さくなってそこが
一番弱くなってしまい、ついには各くびれ105の部分
でインク間のつながりが切れ、吐出口形成面上にインク
滴が残ることがある。
【0242】図41(A)の状態では、キャップ117
内はほとんどインクで充満しており、インク吸収体20
も飽和して吸収能力がほとんど無い状態にある。もし、
このままの状態でキャップを引き離すと、上述した図4
3の場合と同様に吐出口形成面21に多量のインクが残
ってしまう結果となる。そこで本実施例においては、キ
ャリッジを図中の右方向へ微少移動させることにより、
キャップ117と吐出口との間に隙間31を生じさせ
る。この時のキャリッジの微少移動量は、キャップ11
7による密閉が可能な範囲以上の適当量に設定される。
【0243】図42はキャリッジの上記微少移動の状態
を示す模式図であり、図42(A)は移動前の状態を、
図42(B)は移動後の状態を示す。また、図41
(B)は、図41(A)の状態からキャリッジを上記微
少移動させた直後のキャップ内部の状態を示す。図41
(B)および図42(B)に示すように、隙間31を生
じさせたところで、再び吸引ポンプを動作させる。この
時のキャップ内部の状態を図41(C)に示す。すなわ
ち、図41(B)の状態にして吸引ポンプを再び作動さ
せると、キャップがリーク(開放)状態になっているた
め、図41(C)に示すように、チューブ27を通して
キャップ15内のインクのみが吸引され、キャップ11
7内に設けられた多孔質のインク吸収体20は再びイン
ク吸収可能な状態に回復する。また、図41(C)の状
態では、多孔質のインク吸収体20は吐出口面21に近
接しているので、吐出口形成面21上のほとんど全ての
インクがインク吸収体20に吸収される。こうしてイン
ク吸収体20に吸収されたインクもチューブ27を通し
て吸引される。
【0244】そして、この時、キャリッジをもう一度元
の位置、すなわち図41(A)および図42(A)の位
置に戻して、インク吸収性能を十分に回復したインク吸
収体20が吐出口形成面21の全領域に対して近接する
状態にする。こうすることにより、吐出口形成面21上
のインク残りをさらに減少させることができる。
【0245】吐出口形成面上のインク残りが減少するた
め回復動作により混色発生を防止できる。
【0246】隙間31を生じさせるため、上記実施例で
はキャリッジを主走査方向に移動させたが、副走査方向
に移動させても良い。さらに、キャリッジではなく、キ
ャップ側を上下、左右、前後、斜めなどに移動させる構
成しても良い。
【0247】以上により、大気開放弁を設けることなく
吐出口形成面上のインク残りをなくすことができる。
【0248】図44は吸引動作の他の例を示すためのキ
ャップ部分の模式的断面図である。
【0249】図44において、各キャップ117の内部
には多孔質のインク吸収体52が設けられている。この
インク吸収体52の容量は、吸引ポンプの吸引量(一動
作によるインクの強制排出量)よりも大きい値、または
インクジェットユニットのインク流路の内容積よりも大
きい値に設定されている。そして、前述インク吸収体5
2は、図44(A)に示すように、キャッピング時に吐
出口形成面81の近傍に位置するように配設されてい
る。なお、図44中の斜線部分53は吐出口から吸い出
された(吸引された)インクを示す。
【0250】図44(A)は、キャップ117を吐出口
形成面81に密着させて吸引ポンプを動作させ、チュー
ブ19を通してキャップ117内に負圧を発生させるこ
とにより各吐出口からインク52が吸引される状態を示
す。その後、所定のタイミングで、図44(B)に示す
ように、記録ヘッドとキャップ117とを分離し、その
間に隙間54を形成する。この記録ヘッドとキャップ1
17を分離するタイミングとしては、吸引ポンプの動作
を停止させて所定量のインクが吸引されることにより吸
引ポンプ内の負圧がほとんど解消された時点、もしく
は、キャップ117内に負圧が作用している状態であっ
ても所定量のインクを吸引した時点などが選定される。
なお、吸引ポンプにより記録ヘッドから吸引されるイン
クは、チューブあるいはインク流路等を通して不図示の
廃インクタンクへ送出される。この廃インクタンクは廃
インクを吸収保持する多孔質のインク吸収体で構成して
も良い。
【0251】図44において、多孔質のインク吸収体5
2の容量は、前述のごとく、吸引ポンプの吸引量(一動
作によるインクの強制排出量)よりも大きい値、または
記録ヘッドのインク流路の内容積よりも大きい値に設定
されている。そのため、吐出口形成面81とキャップ1
17の間にあるインク53は、図44(C)に示すよう
に、インク吸収体52の吸引力により該インク吸収体5
2側へ持って行かれる。その結果、図44(D)に示す
ように、記録ヘッドの吐出口形成面81にインクを残さ
ない状態で吸引回復動作を終了することができる。こう
して吐出口形成面81にインクが残らない状態で吸引回
復動作が終了するので、異色インクの混色を防止でき
る。
【0252】また、キャップ内に多孔質のインク吸収体
52を充填することにより、吸引時のキャップ117内
のインク流れに方向性(吐出口面81から吸引ポンプ側
へ向かう方向)を持たせることができ、吐出口形成面8
1に付着した異色インクが吐出口内に侵入するという混
色を防止することが可能になる。
【0253】(その他)なお、本発明は、特にインクジ
ェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために
利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する手段
(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エ
ネルギによりインクの状態変化を生起させる方式の記録
ヘッド、記録装置において優れた効果をもたらすもので
ある。かかる方式によれば記録の高密度化,高精細化が
達成できるからである。
【0254】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書,同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型,
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結
果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)
内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成
長,収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐
出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信
号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が
行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐
出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信
号としては、米国特許第4463359号明細書,同第
4345262号明細書に記載されているようなものが
適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する
発明の米国特許第4313124号明細書に記載されて
いる条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことが
できる。
【0255】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口,液路,電気熱変換体
の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に
熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示す
る米国特許第4558333号明細書,米国特許第44
59600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるも
のである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通
するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示
する特開昭59−123670号公報や熱エネルギの圧
力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示す
る特開昭59−138461号公報に基いた構成として
も本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッドの
形態がどのようなものであっても、本発明によれば記録
を確実に効率よく行うことができるようになるからであ
る。
【0256】加えて、上例のようなシリアルタイプのも
のでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装
置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や
装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチ
ップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一
体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの
記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0257】また、本発明の記録装置の構成として、記
録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加す
ることは本発明の効果を一層安定できるので、好ましい
ものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに
対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧或
は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或
はこれらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手
段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出手段を挙げるこ
とができる。
【0258】また、搭載される記録ヘッドの種類ないし
個数についても、例えば単色のインクに対応して1個の
みが設けられたものの他、記録色や濃度を異にする複数
のインクに対応して複数個数設けられるものであっても
よい。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては
黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘ
ッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによるか
いずれでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色
によるフルカラーの各記録モードの少なくとも一つを備
えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0259】さらに加えて、以上説明した本発明実施例
においては、インクを液体として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もし
くは液化するものを用いてもよく、あるいはインクジェ
ット方式ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲
内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあ
るように温度制御するものが一般的であるから、使用記
録信号付与時にインクが液状をなすものを用いてもよ
い。加えて、熱エネルギによる昇温を、インクの固形状
態から液体状態への状態変化のエネルギとして使用せし
めることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発
を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化す
るインクを用いてもよい。いずれにしても熱エネルギの
記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状イ
ンクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では
すでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギの付与
によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も
本発明は適用可能である。このような場合のインクは、
特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−7
1260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部
または貫通孔に液状又は固形物として保持された状態
で、電気熱変換体に対して対向するような形態としても
よい。本発明においては、上述した各インクに対して最
も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するもので
ある。
【0260】さらに加えて、本発明インクジェット記録
装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の
画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組
合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシ
ミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
【0261】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば濃度や色等、種類がそれぞれ異なるインクを吐
出する複数の吐出口列を、その記録ヘッドの移動方向と
は異なる方向に一体に分割して設けることができるので
記録ヘッドそのものや、これを移動させるための機構の
小型化が可能となる。
【0262】また、1回の移動で記録可能な領域を分割
し、かつこの分割領域の画素を複数回の移動によって分
割して記録する場合には、記録ヘッドにおける上記複数
の吐出口列の配置によって、記録ヘッドの上記複数の種
類の異なるインクの重なる順序を常に等しくすることが
できる。
【0263】この結果、装置の小型化等が可能となると
ともに、カラー記録の際の色むらや濃淡むらの低減され
が画像を記録することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の濃淡インクを用いたカラーインクジェッ
ト記録装置の要部構成を示す斜視図である。
【図2】濃度むらの発生を説明するための説明図であ
る。
【図3】濃度むらの発生を説明するための説明図であ
る。
【図4】濃度むらの緩和を説明するための説明図であ
る。
【図5】分割記録法を説明するための吐出口配置および
それによる記録ドット配置を示す模式図である。
【図6】記録画像における色むら発生の原因を説明する
ための説明図である。
【図7】従来例の記録ヘッドの模式的正面図である。
【図8】本発明の実施例1におけるカラーインクジェッ
ト記録装置の制御構成を示すブロック図である。
【図9】図8に示す画像信号処理回路の一例を示すブロ
ック図である。
【図10】図8に示す濃淡振り分けテーブルの模式図で
ある。
【図11】本発明の一実施例におけるカラーインクジェ
ット記録装置の要部構成を示す斜視図である。
【図12】本発明の一実施例におけるインクジェットユ
ニットの構成を示す分解斜視図である。
【図13】上記インクジェットユニットを構成する溝付
天板を示す斜視図である。
【図14】本発明の実施例にかかるインクジェットユニ
ットのインク吐出口配列を示す模式図である。
【図15】図14(A)に示す吐出口配列のインクジェ
ットユニットを用いた場合の画像形成過程を示す説明図
である。
【図16】図14(B)に示すインク吐出口配列のイン
クジェットユニットを用いた場合の画像形成過程を示す
説明図である。
【図17】図14(C)に示すインク吐出口配列のイン
クジェットユニットを用いた場合の画像形成過程を示す
説明図である。
【図18】本発明の他の実施例におけるカラーインクジ
ェット記録装置の要部構成を示す斜視図である。
【図19】上記他の実施例におけるインクジェットユニ
ットの構成を示す分解斜視図である。
【図20】上記他の実施例にかかるインクジェットユニ
ットの溝付天板を示す斜視図である。
【図21】上記他の実施例に関し、同一インクジェット
ユニット内に濃インク用、淡インク用の吐出口列を有す
るインクジェットユニットを示す模式図である。
【図22】上記他の実施例に関し、同一インクジェット
ユニット内に濃インク用、中濃度インク用、淡インク用
の吐出口列を有するインクジェットユニットを示す模式
図である。
【図23】上記他の実施例に関し、同一インクジェット
ユニット内に濃インク用、淡インク用の吐出口列を有す
るインクジェットユニットを示す模式図である。
【図24】上記他の実施例に関し、同一インクジェット
ユニット内に濃インク用、淡インク用の吐出口列および
インク吐出量が異なる吐出口列を有するインクジェット
ユニットを示す模式図である。
【図25】図21に示すインク吐出口配列のインクジェ
ットユニットを用いた場合の画像形成過程を示す説明図
である。
【図26】図23に示すインク吐出口配列のインクジェ
ットユニットを用いた場合の画像形成過程を示す説明図
である。
【図27】図24に示すインク吐出口配列のインクジェ
ットユニットを用いた場合の画像形成過程を示す説明図
である。
【図28】本発明のさらに他の実施例に関し、記録に使
用する全インク色に対応するインク吐出口列を同一イン
クジェットユニット内に有するインクジェットユニット
を示す図である。
【図29】本発明の実施例に関し、複数のインクジェッ
トユニットを一体的に組み上げた一体インクジェットカ
ートリッジの構造を示す分解斜視図である。
【図30】本発明の実施例に関し、一体型インクジェッ
トカートリッジをキャリッジに搭載したときの様子を示
す図である。
【図31】本発明のさらに他の実施例による記録状態を
説明するための説明図である。
【図32】本発明の実施例2にかかる記録ヘッド構成を
示す模式的正面図である。
【図33】分割記録を行った際のインクドットの滲み出
し状態を説明するための模式図である。
【図34】上記実施例2によるの記録状態を説明するた
めの説明図である。
【図35】上記実施例2の変形例にかかる記録ヘッドの
模式的正面図である。
【図36】上記実施例2の変形例にかかる記録ヘッドを
示す模式的正面図である。
【図37】図35に示した変形例による記録状態を説明
するための説明図である。
【図38】上記実施例2のさらに他の変形例にかかる記
録ヘッドを示す模式的正面図である。
【図39】図37に示した記録ヘッドによる記録状態を
説明するための説明図である。
【図40】図38に示す記録における各色つなぎ位置を
説明するための説明図である。
【図41】本発明の実施例におけるキャップ離脱動作を
説明する説明図である。
【図42】本発明の実施例におけるキャップ離脱動作を
説明する説明図である。
【図43】従来例にかかるキャップ離脱動作を説明する
説明図である。
【図44】上記キャップ離脱動作の他の例を説明する説
明図である。
【符号の説明】
1 画像入力部 2 操作部 3 CPU 4 ROM 4a 入出力ガンマ補正テーブル 4b マスキングテーブル 4c 黒生成およびUCRテーブル 4d 濃淡振り分けテーブル 4e プログラム群 5 RAM 6 画像信号処理部 7 プリンタ部 8 バスライン 11 入力ガンマ補正回路 12 色補正(マスキング)回路 13 黒生成およびUCR回路 14 出力ガンマ補正回路 15 濃淡振り分け回路 16 2値化処理回路 40,110,240 インクジェットユニット 41,241 キャリッジ 42,242 排紙ローラ 43,243 ガイドシャフト 44,244 駆動ベルト 45,245 キャリッジモータ 46,246 回復ユニット 47,117,247 キャップ部 50 配線基板 51 ヒーターボード 52 支持体 53 押えばね 54 溝付天板 55 インク供給管 56 フィルタ 57 インク供給部材 58,59 勘合用穴 60 仕切り壁 61 インク供給口 62 溝 220 フレーム 221 カバー 222 コネクター 223 電極 224 インクジェットユニット 230 インクカートリッジ 231 接点
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B41J 2/485 9012−2C B41J 3/04 103 B 8703−2C 3/12 M (72)発明者 平林 弘光 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 杉本 仁 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 松原 美由紀 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 樫野 俊雄 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクを吐出するための記録ヘッドを用
    い、該記録ヘッドを主走査方向に移動させながら当該記
    録ヘッドから被記録媒体にインクを吐出して記録を行う
    インクジェット記録装置において、 前記記録ヘッドは、それぞれが異なる濃度のインクを吐
    出するための複数の吐出口列を前記主走査方向とは異な
    る方向に一体に備えたことを特徴とするインクジェット
    記録装置。
  2. 【請求項2】 前記記録ヘッドは、前記異なる濃度のイ
    ンクを吐出するための複数の吐出口列を、異なる色のイ
    ンク毎に備えたことを特徴とする請求項1に記載のイン
    クジェット記録装置。
  3. 【請求項3】 前記記録ヘッドは、前記異なる色のイン
    ク毎に備えられる複数の吐出口列を、前記主走査方向と
    は異なる方向に一体に備えたことを特徴とする請求項2
    に記載のインクジェット記録装置。
  4. 【請求項4】 前記記録ヘッドは、前記異なる色のイン
    ク毎に備えられる複数の吐出口列を、前記主走査方向に
    一体に備えたことを特徴とする請求項2に記載のインク
    ジェット記録装置。
  5. 【請求項5】 インクを吐出するための記録ヘッドを用
    い、該記録ヘッドを主走査方向に移動させながら当該記
    録ヘッドから被記録媒体にインクを吐出して記録を行う
    インクジェット記録装置において、 前記記録ヘッドは、前記主走査方向とは異なる方向に配
    列しそれぞれが異なる色のインクを吐出するための複数
    の吐出口列を、インクの濃度毎に前記主走査方向に配列
    して一体に備えたことを特徴とするインクジェット記録
    装置。
  6. 【請求項6】 前記異なる濃度または前記異なる色のイ
    ンクを吐出する複数の吐出口列のそれぞれは、当該主走
    査方向とは異なる方向において当該吐出口列の一部が他
    の吐出口列の一部と重複するように配置されることを特
    徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のインクジ
    ェット記録装置。
  7. 【請求項7】 前記異なる濃度または前記異なる色のイ
    ンクを吐出する複数の吐出口列のそれぞれは、当該主走
    査方向とは異なる方向において他の吐出口列と所定間隔
    をおいて配置されることを特徴とする請求項1ないし5
    のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  8. 【請求項8】 前記インクジェット記録装置は、前記記
    録ヘッドの複数の吐出口を覆ってインク吸引を行うため
    のキャップを有し、前記インク吸引時には前記記録ヘッ
    ドと前記キャップとの相対移動を行って当該記録ヘッド
    とキャップとの間に隙間を生じさせる動作を行うことを
    特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載のインク
    ジェット記録装置。
  9. 【請求項9】 インクを吐出するための記録ヘッドを用
    い、該記録ヘッドを主走査方向に移動させながら当該記
    録ヘッドから被記録媒体にインクを吐出して記録を行う
    インクジェット記録装置において、 前記記録ヘッドは、インクを吐出するための複数の吐出
    口を前記主走査方向とは異なる方向に配列してなる吐出
    口列であって、前記主走査方向とは異なる方向に配列し
    それぞれが異なる濃度のインクを吐出する複数の吐出口
    列を、当該インクの色毎に前記主走査方向に配列して備
    え、 前記記録ヘッドの1回の主走査で記録可能な領域の全画
    素を、互いに補完の関係にある複数の間引き配列パター
    ンに従って間引き、間引かれた画像を前記記録ヘッドの
    複数回の主走査および該主走査とは異なる方向の前記記
    録ヘッドと前記被記録媒体との複数回の相対移動を行っ
    て記録することを特徴とするインクジェット記録装置。
  10. 【請求項10】 インクを吐出するための記録ヘッドを
    用い、該記録ヘッドを主走査方向に移動させながら当該
    記録ヘッドから被記録媒体にインクを吐出して記録を行
    うインクジェット記録装置において、 前記記録ヘッドは、インクを吐出するための複数の吐出
    口を前記主走査方向とは異なる方向に配列してなる吐出
    口列であって、前記主走査方向とは異なる方向に配列し
    それぞれが異なる色のインクを吐出する複数の吐出口列
    を、当該インクの濃度毎に前記主走査方向に配列して備
    え、 前記記録ヘッドの1回の主走査で記録可能な領域の全画
    素を、互いに補完の関係にある複数の間引き配列パター
    ンに従って間引き、間引かれた画像を前記記録ヘッドの
    複数回の主走査および該主走査とは異なる方向の前記記
    録ヘッドと前記被記録媒体との複数回の相対移動を行っ
    て記録することを特徴とするインクジェット記録装置。
  11. 【請求項11】 前記記録ヘッドは、熱エネルギーを利
    用してインクに気泡を生じさせ、該気泡の生成に基づい
    てインクを吐出することを特徴とする請求項1ないし1
    0のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  12. 【請求項12】 インクジェット記録に使用されるイン
    クジェット記録ヘッドにおいて、 インクを吐出する吐出口を、それぞれが異なる濃度のイ
    ンクを吐出する複数の吐出口を当該インクジェット記録
    ヘッドの使用時の移動方向とは異なる方向に配列して一
    体に備えたことを特徴とするインクジェット記録ヘッ
    ド。
  13. 【請求項13】 前記記録ヘッドは、熱エネルギーを利
    用してインクに気泡を生じさせ、該気泡の生成に基づい
    てインクを吐出することを特徴とする請求項12に記載
    のインクジェット記録ヘッド。
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