JP3320136B2 - インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法 - Google Patents

インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法

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JP3320136B2
JP3320136B2 JP10275693A JP10275693A JP3320136B2 JP 3320136 B2 JP3320136 B2 JP 3320136B2 JP 10275693 A JP10275693 A JP 10275693A JP 10275693 A JP10275693 A JP 10275693A JP 3320136 B2 JP3320136 B2 JP 3320136B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はインクジェット記録装置
及びインクジェット記録方法に関するものであり、特に
濃度の高いインクと、濃度の低いインクを同時に用いた
カラー画像を良好に形成する発明に関する。
【0002】
【従来の技術】複写装置や、ワードプロセッサ、コンピ
ュータ等の情報処理機器、さらには通信機器の普及に伴
い、それらの機器の画像形成(記録)装置の一つとし
て、インクジェット方式による記録ヘッドを用いてデジ
タル画像記録を行うものが急速に普及している。このよ
うな記録装置においては、記録速度の向上のため、複数
の記録素子を集積配列してなる記録ヘッドとして、イン
ク吐出口および液路を複数集積したものを用いたものが
一般的である。
【0003】この種の記録方法では、一定サイズの記録
ドットにより単位面積当たりの記録ドット数を制御して
中間調を表現するドット密度制御法、あるいは記録ドッ
トのサイズを制御して中間調を表現するドット径制御法
により、中間調の記録制御を行っている。
【0004】ここで、後者のドット径制御法は、記録ド
ットのサイズを微妙に変更するための複雑な制御が必要
となるための制約があるため、一般的には前者のドット
密度制御法が用いられている。
【0005】また、インク吐出手段として、製造が容易
で高密度化が可能であるため高解像度化が可能は電気・
熱エネルギー変換体を用いた場合、圧力変化量を制御す
ることが困難であり、記録ドットの径を変調することが
できないため、ドット密度制御法で記録が行われてい
る。
【0006】このドット密度制御法に用いられる中間調
表現の2値化手法の代表的なもののひとつとして、組織
的ディザ法があるが、この方法は階調数がマトリクスサ
イズで制限されるという問題がある。すなわち、階調数
を多くするためにはマトリクスサイズを大きくする必要
があるが、マトリクスサイズを大きくすると1つのマト
リクスで構成される記録画像の1画素が大きくなって解
像力を損なうなどの問題があった。また、2値化手法の
もうひとつの代表的なものとして、誤差拡散法などの条
件付決定型ディザ法がある。これは前述した組織的ディ
ザ法が、入力画素に無関係なしきい値を用いて2値化す
る独立決定型ディザ法であるのに対し、入力画素の周辺
画素を考慮してしきい値を変化させる方法である。この
誤差拡散法に代表される条件付決定型ディザ法は、階調
性と解像力の両立性が良く、また原画像が印刷画像の場
合、記録画像にモアレパターンが発生することが極めて
少ないなどの長所がある反面、画像明部で粒状性が目立
ち易く、画質の評価が低くなるという問題があった。こ
の問題は、特に記録密度の低い記録装置において顕著で
あった。
【0007】そこで上述した粒状性を目立たなくするた
めに、従来のインクジェット記録装置では、色の薄いイ
ンクと濃いインクをそれぞれ吐出する2個の記録ヘッド
を設け、画像の明部から中間調部分は色の薄いインクで
記録ドットを形成し、中間調部分から暗部までは色の濃
いインクで記録ドットを形成するような記録方法が提案
されている。
【0008】図7は上記マルチヘッドで紙面上を印字し
ていく際のプリンタ部の構成を示したものである。ここ
では、カラー対応として4色分4個の上記記録ヘッドを
記録走査方向に備えたものとしている。この図におい
て、701はインクカートリッジである。これらは、4
色のカラーインク、ブラック、シアン、マゼンタ、イエ
ローがそれぞれ濃インク、淡インク別に詰め込まれたイ
ンクタンクと、記録ヘッド702より構成されている。
【0009】この記録ヘッド上に配列する吐出口の様子
をz方向から示したものが図2である。ここではブラッ
クヘッド上に濃インク吐出口列と淡インク吐出口列、こ
れに隣接するシアンヘッド上に濃インク吐出口列と淡イ
ンク吐出口列、と言う具合に全4色2列づつのインク吐
出口が配列した形となっている。ここでは濃淡吐出口を
含む各色のヘッドはそれぞれ独立である様に示したが、
例えば各色各濃度の吐出口が全て同一ヘッド上に配列し
ていたとしても、インク吐出口の配列自体が上記構成を
同等であれば、画像形成状態もこれと同等となる。
【0010】再び図7に戻る。703は紙送りローラで
704の補助ローラとともに印字紙707を抑えながら
図の矢印の方向に回転し、印字紙707をy方向に随時
送っていく。また705は給紙ローラであり印字紙の給
紙を行うとともに、703、704と同様、印字紙70
7を抑える役割も果たす。706は4つのインクカート
リッジを支持し、印字とともにこれらを移動させるキャ
リッジである。これは印字を行っていないとき、あるい
はマルチヘッドの回復作業などを行うときには図の点線
で示した位置のホームポジション(h)に待機するよう
になっている。
【0011】印字開始前、図の位置(ホームポジショ
ン)にあるキャリッジ706は、印字開始命令がくる
と、x方向に移動しながら、マルチヘッド702上のn
個のマルチノズルにより、紙面上に幅Dだけ記録する。
この記録は、エンコーダの読み取りタイミングに従い、
前述の記録素子を記録信号に基づいて駆動し、濃ブラッ
ク、淡ブラック、濃シアン、淡シアン、濃マゼンタ、淡
マゼンタ、濃イエロー、淡イエローの順に被記録材上に
インク液滴を吐出、付着させることで画像を形成してい
る。紙面端部までデータの印字が終了するとキャリッジ
は元のホームポジションに戻り、再びx方向(往走査方
向)への印字を行う。あるいは、往復印字であれば、-
x方向(復走査方向)に移動しながら印字を行ってしま
う。この最初の印字が終了してから2回目の印字が始ま
る前までに、紙送りローラ703が矢印方向へ回転する
ことにより幅Dだけy方向への紙送りを行う。この様に
してキャリッジ1スキャンごとにマルチヘッド幅Dだけ
の印字と紙送りを行う繰り返しにより、一紙面上のデー
タ印字が完成する。
【0012】しかし、この様な方法は同走査で8種類の
インクドロップを記録紙に着弾するので、レッド、グリ
ーン、ブルーの様な2色混合の記録画素では、濃インク
淡インクあわせて最高400%デューティーの記録が1
度に成されることもある。よって、各画素でのドットの
にじみ出しが大きくなるばかりか、異色同士の境界部で
のにじみも悪化し、異色境界部で直線性が失われ画像の
劣化した状態となりやすい。
【0013】そこで、同一記録走査で記録されるべき全
画素を複数のグループに分け、複数の記録走査で同一記
録領域を少しづつ乾かしながら記録するというマルチパ
ス印字方法が既に考案されている。この様なマルチパス
印字は、本発明に用いる濃インクと淡インクを両方持ち
合わせた構成のもとで無くとも、インクを乾かしながら
少しづつ記録するという点ではインクジェット記録装置
全般に効果的なものである。特に、インクの吸収の遅い
普通紙やOHP用紙への記録等では効果が大きい。
【0014】しかし、単純に2回に分割して記録したと
しても記録に関わるタイムコストは倍増し、記録装置と
してはこの様な状況はあまり好ましく無い。そこで、記
録時間を単純に短縮する方法として、キャリッジの往路
と復路の両方の走査で記録する両方印字が考えられてい
る。
【0015】この構成および効果は米国特許第4748
453号に既に開示されている。ここでは、第1と第2
(或いはそれ以上)に分割した記録走査で同記録領域に
水平垂直方向に交互に位置する画素への補完的な記録を
することで、OHP用紙等の媒体上でのインクのビーデ
ィング(隣接ドットの引き寄せ合い)を防止するととも
に、カラー画像を形成するときには、混色画素のインク
打ち込み順を第1走査と第2走査で逆転させることによ
り(往復記録)、カラーバンディング(色ムラ)を防止
することができる効果が記載されている。
【0016】一方、特開昭58−194541号公報に
おいては、複数本の記録素子列を並列配置し、前記記録
素子列に直行する方向に往復走行させてドット行列記録
の主走査を行うにあたり、前記主走査の往路において記
録ドット行列の各行および各列の少なくとも一方におけ
る記録すべき全ドットよりも少ない個数のドットを間欠
的に記録するとともに、前記主走査の復路において前記
各行および各列の少なくとも一方における残余のドット
を間欠的に記録することにより前記複数本の記録素子列
による重複記録ドットにおける記録の重複の順序を前記
主走査の往路と復路とにて互いに異ならせることを特徴
とする記録方法が開示されている。この場合も、カラー
インクの重複記録に基づく記録画像の色調ずれ(色ム
ラ)による画像劣化の防止を効果としている。また、カ
ラープリンタに限定していないが、特開昭55−113
573号公報においても、綾目状(千鳥、逆千鳥)パタ
ーンを用いて往復記録を行う構成が開示されている。こ
の件では隣接するドットを連続して印写しないように
し、それによって印写ドットが乾かないうちに隣接する
ドットを印写してドット歪が生じるのを防止することを
目的としている。
【0017】以上の発明で解決しようとしているカラー
バンディングや色調ずれとは、双方ともインク色の打ち
込み順に関わるものであり、図2に示すような各色のヘ
ッドが記録走査方向に順番に並んだ構成では避けられな
い問題点とされていたものである。以下にこれについて
説明する。
【0018】現在一般に使用されている記録インク、お
よびこれを印字する媒体(紙)の着弾状態を図3の断面
図に示す。ここでは異なる2色のインク(黒で塗りつぶ
したインク滴を斜線で示すインク滴)を時間差をおいて
記録媒体Pの殆ど隣接した位置に吸収(記録)させた場
合を示している。注意点は、2ドットの重なり部分にお
いて、先に記録されたドットよりも後の打たれたドット
の方が紙面深さ方向に沈む傾向にあることである。これ
は、吐出されたインク中の染料などの色素が記録媒体と
物理的かつ化学的に結合する段階で、記録媒体と色素の
結合が有限であるために、色素の種類によって結合力に
大きな差がない限りにおいては、先に吐出されたインク
色素と記録媒体の結合が優先されるために記録媒体表面
に多く残り、後から打たれたインク色素は記録媒体表面
では結合しにくく、紙面深さ方向に沈んで染着するもの
と考えられる。この場合、2種類のインクを同着弾点に
印字したとしても、2種類のインクの打ち込み順序によ
って優先色が異なり、結果的に人間の視覚特性に対し、
異なる2色を表現してしまっている。例えばある一定領
域にグリーン(シアン+イエロー)画像を形成する場合
に、各画素にシアン、イエローの順にインクを打ち込ん
だ時は、先に吸収されたシアンが優先色となり、シアン
の色味の強いグリーン画像となる。しかし、逆にイエロ
ー、シアンの順にインクを打ち込んだ時は、イエローの
色味の強いグリーン画像が得られるのである。
【0019】両方向で印字した場合、記録ヘッドが図7
に示す様に記録走査方向に固定されてしまっているの
で、往路で記録されるインクの打ち込み順と、復路で記
録されるインクの打ち込み順は逆転する。よって、往路
で記録されるドットの色味と復路で記録されるドットの
色味は異なったものとなる。この様な状態で1回の記録
走査毎にヘッド幅(D)づつの紙送りを行っていくと、
異なる2種類の色味や濃度がヘッド幅毎に交代に現れ、
全体的に大きなムラとなり画像を劣化させてしまってい
たのである。
【0020】しかし、上記従来の発明に依れば、1回の
記録走査で記録でき得る画像領域内の全記録画素を、往
路印字と復路印字で異なる色味のドットを織りまぜなが
ら記録させるので、上記の様な色の打ち込み順による、
弊害は取り除かれる。また、少しづつインクを乾かしな
がら記録することの効果も、通常の片方行印字と等しい
印字時間で達成することができるのである。
【0021】以上説明してきたインク打ち込み順により
ドット着弾状態が異なるという現象は、色ムラに限ら
ず、濃度の異なる2滴のインクにおいても同様のことが
言える。濃度の高いインクを先に記録した場合には、こ
のインクのドット形状が優先され、濃度の高いくっきり
とした画像が得られる。これに対し、濃度の低いインク
が打たれた後に、濃度の高いインクを記録した場合に
は、濃度の低いインクの周りに大きくにじみ込み、それ
ほど濃度の高くない滑らかで一様な画像が得られるので
ある。
【0022】よって、上述のマルチパス印字方法は、カ
ラー記録装置においても、あるいはブラックのみの単色
印字の場合で濃度の異なる複数種のインクを用いて記録
する場合にも、良好な効果が期待できる。
【0023】以上説明したマルチパス印字方法では、記
録ヘッドを複数回紙面上の同位置に走査させて画像を完
成させていくものであるが、このマルチパス印字方法を
更に発展させた形として分割記録法が上げられる。以下
にこれを説明する。
【0024】カラープリンタにおいては、キャラクタプ
リンタとして文字のみ印字するものと異なり、イメージ
画像を印字するに当たって、発色性、階調性、一様性な
ど様々な要素が必要となる。特に一様性に関しては、マ
ルチヘッド製作工程において生じるわずかなノズル単位
のばらつきが、印字したときに、各ノズルのインクの吐
出量や吐出方向の向きに影響を及ぼし、最終的には印字
画像の濃度ムラとして画像品位を劣化させる原因とな
る。
【0025】その具体例を図9、図10を用いて説明す
る。図9(a)において、91はマルチヘッドであり、
ここでは簡単のため、単色、単濃度の1種類のインクの
みを記録する8個のマルチノズルによって構成されてい
るものとする。93はマルチノズル92によって吐出さ
れたインクドロップレットであり、通常はこの図のよう
に揃った吐出量で、揃った方向にインクが吐出されるの
が理想である。もし、この様な吐出が行われれば、図9
(b)に示したように紙面上に揃った大きさのドットが
着弾され、図9(c)に示すように全体的にも濃度ムラ
の無い一様な画像が得られるのである。しかし、実際に
は先にも述べたようにノズル1つ1つにはそれぞれバラ
ツキがあり、そのまま同様に印字を行ってしまうと、図
10(a)に示したようにそれぞれのノズルより吐出さ
れるインクドロップの大きさ及び向きにバラツキが生
じ、紙面上においては図10(b)に示すように着弾さ
れる。この図10(b)によれば、ヘッド主走査方向に
対し、周期的にエリアファクター100%を満たせない
白紙の部分が存在したり、また逆に必要以上にドットが
重なり合ったり、あるいはこの図の中央に見られる様な
白筋が発生したりしていることがわかる。この様な状態
で着弾されたドットの集まりはノズル並び方向に対し、
図10(c)に示す濃度分布となり、結果的には、通常
人間の目でみた限りで、これらの現象が濃度ムラとして
感知される。
【0026】また、記録走査毎に繰り返される紙送り量
Dも、常に一定に制御することは難しい。一定量より多
く紙送りすれば、単部のドットとドットが規定量より離
れた位置に記録され、その部分は白スジとして目立って
くる。逆に一定量より少なく紙送りすれば、単部のドッ
トとドットは必要以上に重なり合い、黒スジとして目立
ってくる。この紙送り量の値は画素密度が高くなればな
る程、制御も厳しく、画像上のつなぎスジとして目立ち
易くなる。
【0027】そこで以上のような濃度ムラ、およびつな
ぎスジ対策として次のような分割記録方法が考えられ
る。図11および図12によりその方法を説明する。こ
の方法によると図9および図10で示した印字領域を完
成させるのにはマルチヘッド91を3回スキャンしてい
るが、図11によればその半分4画素単位の領域は2パ
スで完成している。この場合マルチヘッドの8ノズル
は、上4ノズルと、下4ノズルのグループに分けられ、
1ノズルが1回のスキャンで印字するドットは、規定の
画像データを、ある所定の画像データ配列に従い、約半
分に間引いたものである。そして2回目のスキャン時に
残りの半分の画像データのドットを埋め込み、4画素単
位領域の印字を完成させる。
【0028】この様な分割記録法を行えば、図10で用
いた記録ヘッドと等しいものを使用しても、各ノズル固
有の印字画像への影響が半減されるので、印字された画
像は図11(b)の様になり、図10(b)に示される
ような黒スジや白スジが余り目立たなくなる。従って濃
度ムラも図11(c)に示す様に図10の場合と比べ、
かなり緩和される。また、端部ノズル同士が隣接し合う
各走査毎のつなぎスジも、この分割記録法を行えば、ヘ
ッド端部のノズルとヘッド中央部のノズルで半数づつ記
録されるので、ここに現れる紙送り走査のバラツキも、
半減させることが出来る。
【0029】以上のような分割記録法或いは先に説明し
たマルチパス印字法を行う際、1スキャン目と2スキャ
ン目では、画像データをある決まった配列に従い互いに
埋め合わせる形で分割するが、通常この画像データ配列
(間引パターン)とは図12に示すように、縦横1画素
毎に、丁度千鳥格子になるようなものを用いるのが最も
一般的である。
【0030】従って、分割記録を行う際、単位印字領域
(ここでは4画素単位)に於いては千鳥格子を印字する
1スキャン目と、逆千鳥格子を印字する2スキャン目に
よって印字が完成されるものである。図12(a)、図
12(b)および図12(c)はそれぞれこの千鳥、逆
千鳥パターンを用いたときに一定領域の記録がどのよう
に完成されていくかを図9〜図11と同様、8ノズルを
持ったマルチヘッドを用いて説明したものである。まず
1スキャン目では、下4ノズルを用いて千鳥パターン○
の記録を行う(図12(a))。次に2スキャン目には
紙送りを4画素(ヘッド長の1/2)だけ行い、逆千鳥
パターン○の記録を行う(図12(b))。更に3スキ
ャン目には再び4画素(ヘッド長1/2)だけの紙送り
を行い、再び千鳥パターンの記録を行う(図12
(c))。この様にして順次4画素単位の紙送りと、千
鳥、逆千鳥パターンの記録を交互に行うことにより、4
画素単位の記録領域を1スキャン毎に完成させていく。
以上説明したように、同じ領域内に異なる2種類のノズ
ルにより印字が完成されていくことにより、濃度ムラの
無い高画質な画像を得ることが可能である。
【0031】この様な分割記録方法は、既に特開昭60
−107975号公報や米国特許第4967203号に
開示されているものであり、その濃度ムラやつなぎスジ
に対する効果も有力であることは述べられている。前者
については「各主走査の紙送りを該主走査の幅より少な
くし、隣接する2回の主走査を重複させて重複部分を形
成する手段と、該重複部分の印字ドットを2回の主走査
で重ならない様に配列する手段を備えたことを特徴とす
る」と開示している。本件によれば既に説明した様に、
間引きマスクを「1列おきに奇数段と偶数段を互い違い
に印写」としている場合もあるが、その他にも1回目の
主走査で奇数段、2回目の走査で偶数段を印写している
場合や、各走査でランダムに記録する場合もあり、間引
きマスクおよび紙送り幅は完全には限定していない。
【0032】これに対し後者の米国特許第496720
3号においては、 「a)第1のパスで第1の帯内の上半分のみ水平垂直方
向に隣接しない交番的なピクセル位置をプリントし、 b)第2のパスで第1の帯内の第1パスでプリントされ
なかったピクセルと、第1の帯内の下半分の水平垂直方
向に隣接しない交番的なピクセルにプリントし、 c)第3のパスで第1、第2のパスでプリントされなか
った第1の帯内のピクセルのプリントをすると同時に、
直後に引き続く帯に第1のパスを行う」と開示してい
る。この米国特許においては分割記録を行う間引きマス
クとして垂直水平方向に隣接しない交番的なピクセル配
列を限定している。
【0033】この米国特許において更に付け加える構成
として、階調表現やマルチカラー表現のために数画素ま
とめて疑似画素(スーパーピクセル)を形成し、疑似画
素(スーパーピクセル)単位で水平垂直方向に隣接しな
い交番的な間引きプリントを行う記録法が開示されてい
る。そしてこの方法によれば「上記方法を実現するため
のシステムをいったんプログラム・ソフトウエアかプリ
ンタ・フォームウエアのどちらか組み込んでしまえば、
プログラムはスーパーピクセルに関して指定された組み
合わせの色彩番号で読み出すことが出来るので、多数の
色彩を作り出すためのコンピュータ・プログラムを作成
する作業をむやみに複雑にすること無くこのプリントの
質が達成される。」と述べ、マルチカラー表現のための
プログラミングの単純化も効果として上げている。ま
た、各スーパーピクセルは単一の均質な色彩として知覚
されることを意図しているので、スーパーピクセル内で
のカラーのにじみは無害であるとも述べている。
【0034】以上説明したようにマルチパス印字法、或
いは分割記録法を両方行印字で行うことにより、カラー
記録装置においても、あるいはブラックのみの単色印字
の場合でも、濃度の異なる複数種のインクを用いて記録
する場合には良好な効果が期待できる。
【0035】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、イエロ
ー、マゼンタ、シアン、ブラックについて夫々濃淡のイ
ンク、すなわち計8種類のインクを同時に記録する構成
の場合では、1回の往復走査に分割するだけではインク
を十分に乾燥させるだけの時間には不足する場合が多
い。
【0036】そればかりか、1画素当たりのインク打ち
込み量が多くなると、他の画素領域へのにじみ出しも多
くなり、例えば図4に示すように全領域の50%しか記
録していない状態でも、殆ど全領域を覆い尽くしてしま
うことになる。この様な状態になると、反対方向の走査
できろくされるインクは既に図3を用いて説明した原理
により、殆ど紙面下側にもぐり込んでしまうので、紙表
面上では片寄った色味の画像となってしまうのである。
【0037】また、もし分割記録法を行っている場合に
は、往路走査で先に記録された後に復路走査で記録され
る領域と、復路走査で先に記録された後に往路走査で記
録される領域とがヘッド記録幅の半分のピッチで交互に
現れ、紙送り方向への著しい色ムラとなってしまう。
【0038】更に、単色印字の場合には上記のような色
ムラは現れないが、濃度の異なる2種類のインクを用い
て記録する場合に、両者のインクの紙面へのにじみ方に
違いがある場合が多く、即ち単色に於いても両者のイン
ク打ち込み順により紙送り方向に濃度ムラが現れる可能
性がある。
【0039】よって、さらに分割数を増やし、2往復、
4往復の記録走査で印字する方法が考えられるが、この
様にすると印字に関わる記録時間がますます多くなり、
両方向印字を行う効果が薄れてしまうという問題点があ
った。
【0040】本発明は、上記の課題に鑑みてなされたも
のであって、濃度ムラがなく、良好な画像を得ることが
できるインクジェット記録装置ならびにインクジェット
記録方法を提供することを目的とする。
【0041】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明は、複数のノズルを副走査方向へ沿って配列した記録
ヘッドを主走査方向へ沿ってキャリッジ上に複数配置
し、前記キャリッジを主走査方向へ沿って往復走査させ
ながら、複数の異なる色それぞれについて濃度が異なる
複数のインクを対応する前記記録ヘッドから吐出して記
録媒体に画像を形成するインクジェット記録装置であっ
て、前記キャリッジの往復走査の一方の走査において、
前記複数の異なる色それぞれについて濃度の高いインク
を吐出し、形成されるべき画像を間引いて形成するとと
もに、前記キャリッジの往復走査の他方の走査におい
て、前記複数の異なる色それぞれについて濃度の低いイ
ンクを吐出し、前記一方の走査の画像形成と同様に間引
いて画像を形成する記録制御手段と、前記記録制御手段
により濃度の高いインクと濃度の低いインクそれぞれに
よる画像を往復の走査で間引いて形成した後、前記複数
のノズルが配列される長さよりも短い量だけ記録媒体を
前記副走査方向に搬送する搬送制御手段と、を有し、前
記記録制御手段による往復走査の画像形成と、前記搬送
制御手段による記録媒体の搬送とを繰り返して画像を形
成するとともに、前記記録制御手段は、先の往復走査と
後の往復走査とが重複する領域に対して補完的に画像の
形成を行うことを特徴とする。
【0042】また、本発明は、複数のノズルを副走査方
向へ沿って配列した記録ヘッドを主走査方向へ沿ってキ
ャリッジ上に複数配置し、前記キャリッジを主走査方向
へ沿って往復走査させながら、複数の異なる色それぞれ
について濃度が異なる複数のインクを対応する前記記録
ヘッドから吐出して記録媒体に画像を形成するインクジ
ェット記録装置におけるインクジェット記録方法であっ
て、前記キャリッジの往復走査の一方の走査において、
前記複数の異なる色それぞれについて濃度の高いインク
を吐出し、形成されるべき画像を間引いて形成するとと
もに、前記キャリッジの往復走査の他方の走査におい
て、前記複数の異なる色それぞれについて濃度の低いイ
ンクを吐出し、前記一方の走査で形成した画像の位置に
対して画像を形成する画像形成工程と、前記複数のノズ
ルが配列される長さよりも短い量だけ記録媒体を前記副
走査方向に搬送する搬送工程と、前記画像形成工程と前
記搬送工程とを繰り返して記録媒体に対して画像を形成
するとともに、先に行われた前記画像形成工程の後に前
記搬送工程を隔てて行われる前記画像形成工程では、先
に行われた前記画像形成工程と重複して画像を形成する
領域に対して補完的に画像を形成することを特徴とす
る。
【0043】
【作用】本発明によれば、往復走査の一方の走査におい
て、複数の濃度のインクのうち、所望の濃度インクを吐
出して画像を形成し、前記往復走査の他方の走査におい
て、前記所望の濃度のインクを用いて形成した画像領域
に対し、前記複数の濃度のインクのうち、前記所望の濃
度とは異なる濃度のインクを吐出して画像を形成する。
【0044】また、他の発明によれば、往復走査におい
て、複数の濃度のインクのうち、所望の濃度のインクを
吐出して画像を形成し、前記往復走査後に行われる次の
往復走査において、前記所望の濃度のインクを用いて形
成した画像領域に対し、前記複数の濃度のインクのう
ち、前記所望の濃度とは異なる濃度のインクを吐出して
画像が形成される。
【0045】従って、濃インクと淡インクの打ち込み順
による濃度ムラがない良好な画像を得ることができる。
【0046】
【実施例】以下に本発明の実施例を図面を参照しながら
具体的に説明する。
【0047】(第1実施例)図5は本実施例に用いるイ
ンクジェットユニット(記録ヘッド)の構成についての
説明図である。
【0048】配線基盤200の一端は、ヒーターボード
100の配線部分と相互に接続され、さらに配線基盤2
00の他端部には、記録装置本体からの電気信号を受け
るための各電気・熱エネルギー変換体に対応した複数個
のパッドが設けられている。これにより記録装置本体か
らの電気信号は、それぞれの電気・熱エネルギー変換体
に供給されるようになる。
【0049】配線基盤200の裏面を平面で支持する金
属製の支持体300は、インクジェットユニットの底板
となる。押えばね500は溝天1310のインク吐出口
近傍の領域を線上に弾性的に押し圧を作用するために断
面略U字形状に折り曲げ形成した部分とベースプレート
に設けた逃げ穴を利用して引っかける爪と、バネに作用
する力をベースプレートで受ける一対の後脚を有してい
る。
【0050】このバネ力により配線基盤200と溝天1
310とを圧接している。
【0051】支持体に対する配線基盤200の取り付け
は、接着剤等による粘着で行われる。
【0052】インク供給管2200の端部にはフィルタ
ー700が設けられている。
【0053】インク供給部材600は、モールド成形で
作られ、溝天1310にはインクを各インク供給口へと
導く流路が形成されている。インク供給部材600の支
持体300に対する固定は、インク供給部材600の裏
面側の2本のピン(不図示)を支持体300の穴190
1、1902にそれぞれ貫通突出させ、これを熱融着す
ることにより簡単に行われる。
【0054】この際、オリフィスプレート部1300と
チップタンク600との隙間は均一に形成されている。
封止剤はインク供給部材600の上部封止剤注入口から
注入され、ワイヤーボンディングを封止すると同時にオ
リフィスプレート部1300とチップタンク600との
隙間を封止し、更に支持基盤300に設けられた溝31
0を通り、オリフィスプレート部1300と支持基盤3
00前端部との隙間を完全に封止する。
【0055】図6は、本実施例に用いるヘッドユニット
の溝天1310をヒーターボード100側から見たとき
の斜視図である。液室は2つ設けられており、各液室は
壁20aで仕切られている。各液室にはインクが供給さ
れるための供給口20b、20cが設けられている。
【0056】この各液室を仕切る壁20aのヒーターボ
ード100との圧接面に溝20dが設けられている。こ
の溝は、溝天1310の外周部と連通している。溝天1
310をヒーターボードに圧接し密着させた後、外周部
は、前述したように封止剤で封止される。この際、上記
溝に沿って、封止剤が浸透していき、溝天1310とヒ
ーターボード100の隙間を埋めていく。このように、
従来ヘッドで用いられていた技術的工程で、液室を完全
に分離することができる。この溝の構造は封止剤の物性
により異なり、それぞれに対応した形状にする必要があ
る。
【0057】このように、液室を複数室に分離すること
により、各インク吐出口に異なったインクを供給するこ
とができる。
【0058】図13は本実施例におけるカラーインクジ
ェット記録装置の構成を示すブロック図である。
【0059】図において、161はCCD等による原稿
画像を光学的に読み取るあるいはホストコンピュータや
ビデオ機器等から画像輝度信号(RGB)を入力する画
像入力部を示し、162は各種パラメータの設定および
印字開始を支持する各種キーを備えている操作部を示し
ている。163はROM中の各種プログラムに従って本
記録装置全体を制御し、インク吐出制御手段を構成する
CPUを示している。164は制御プログラム・エラー
処理プログラムに従って本記録装置を動作させるための
プログラム等を格納しているROMを示している。この
ROMにおいて、164aは後述する入力ガンマ変換回
路の処理で参照するための入力ガンマ変換テーブル、1
64bは後述の色補正(マスキング)回路の処理で参照
するマスキング係数、164cは後述の黒生成およびU
CR回路の処理で参照する黒生成およびUCRテーブ
ル、164dは後述の濃淡振り分け回路の処理で参照す
るための濃淡振り分けテーブル、164eは上述の各種
プログラムを格納しているプログラム群をそれぞれ示し
ている。165はROM中の各種プログラムのワークエ
リアおよびエラー処理時の一時退避エリアとして用いる
RAMを示している。そして166は後述する画像信号
処理を行う処理部を示し、167は記録時に画像信号処
理部で処理した画像信号に基づいてドット画像を形成す
るプリンタ部を示している。168は本装置内のアドレ
ス信号、データ、制御信号等を伝送するバスラインを示
している。
【0060】次に、画像信号処理部について説明する。
図8に本実施例におけるカラーインクジェット記録装置
における画像信号処理回路の一例を示す。
【0061】レッドの画像輝度信号R、グリーンの画像
輝度信号G、ブルーの画像輝度信号Bを入力ガンマ補正
回路でシアンの画像濃度信号C、マゼンタの画像濃度信
号M、イエローの画像濃度信号Yに変換される。
【0062】色補正(マスキング)回路、黒生成・UC
R(下色除去)回路で色処理を施した後、シアン、マゼ
ンタ、イエロー、ブラックの新たな画像濃度信号C、
M、Y、Kに変換する。出力ガンマ補正回路でガンマ補
正が行われたシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの
画像濃度信号C、M、Y、Kは濃淡振り分け回路で染料
濃度が高い濃シアン、濃マゼンタ、濃イエロー、濃ブラ
ックの画像濃度信号Ck、Mk、Yk、Kkと染料濃度
が低い、淡シアン、淡マゼンタ、淡イエロー、淡ブラッ
クの画像濃度信号Cu、Mu、Yu、Kuに振り分けら
れる。
【0063】図14は濃度振り分け回路における濃淡振
り分けテーブルの一例を説明する図である。
【0064】このテーブルは、画像濃度信号値と記録後
の画像の光学反射濃度値とが比例線形関係を示すように
設定されている。この濃淡振り分けテーブルに基づき画
像濃度信号C、M、Y、Kは濃淡振り分け回路により濃
淡信号に振り分けられる。濃淡それぞれに振り分けられ
た各画像濃度信号は2値化回路で2値化され、各インク
ジェットユニットに入力され、対応するインク吐出口列
より信号値に応じてインクが吐出されてカラー画像が形
成される。
【0065】以下に本実施例の印字状態を示す。本実施
例では従来例で説明したような分割記録法は行わず、常
に往路走査で濃インクの100%記録を終了してから、
紙送り走査をすること無しに復路走査で淡インクの10
0%記録を行う。全ての画像領域で濃インクのブラック
→シアン→マゼンタ→イエローが往路走査で印字された
後に、復路走査で淡インクのイエロー→マゼンタ→シア
ン→ブラックの順に印字が完成されるので、全ての色、
濃度に於いてインク打ち込み順による濃度ムラは原理的
に現れない。
【0066】この様な状態で一様なグリーン画像を記録
する状態を図1に示す。ここで言う一様なグリーン画像
とは、シアン、イエローともに濃インクと淡インクの両
方を記録する画像のことで、図14(b)に於いては入
力画像濃度信号が128から255の間のデューティー
を指す。但し、本実施例を含む以下の詳細に於いて、説
明の都合上あらゆる画素に上記4種のインクが記録され
る状態を設定した。
【0067】以下、図1において各記録走査毎に簡単に
説明していく。第1記録走査は往路走査であり、図2の
記録ヘッド内の4色濃インクヘッドのみ全8ノズルで、
ヘッド幅(8画素幅)領域を全て印字する。このとき、
この領域にはシアン、イエローの順に濃度の高いインク
が着弾され、シアンの色味の強いグリーン画像が得られ
る。次の第2記録走査は復路走査であり、既に第1記録
走査で濃インクが記録されている上に淡インクのみでイ
エロー、シアンの順に記録する。
【0068】以上の往復走査によりヘッド幅(8画素
幅)の画像領域の記録が終了し、この画像領域には濃イ
ンクシアン、濃インクイエロー、淡インクイエロー、淡
インクシアンの順にインクが着弾され、結果的には最初
に記録された濃インクシアンの優先色となった一様な画
像が得られる。
【0069】上記1組の往復記録走査終了後、記録紙は
ヘッド幅(8画素幅)だけ矢印の方向に送られる。その
後、再び上記第1画像領域に隣接する第2が像領域に対
し、第1画像領域と等しい順番で濃インクシアン、濃イ
ンクイエロー、淡インクイエロー、淡インクシアンの順
にインクが着弾され、やはり濃インクシアンのが最も優
先色となった第1画像領域と等しい色味の一様な画像が
得られることとなる。
【0070】以下同様にして、1組の往復記録走査によ
り各画像領域の記録と、8ノズル幅の紙送り繰り返され
ることにより、前記録領域に対し、色ムラ、濃度ムラの
無い一様なグリーン画像が得られる。
【0071】なお、本実施例に依れば常に往路走査で濃
インク、復路走査で淡インクとして説明してきたが、各
インクの打ち込み順を揃えるという意味では、往路走査
で淡インク、復路走査で濃インクを記録する方法を取っ
ても同様の効果が得られることとなる。この場合にはイ
ンク打ち込み順として淡インクシアン、淡インクイエロ
ー、濃インクイエロー、濃インクシアンの順に各画像領
域に同様に記録され、全画像領域に一様なグリーン画像
が得られることは既に説明した往路走査で濃インクを記
録する場合と同様である。ただし、この場合には淡イン
クを先に記録させているので、全体的には淡インクシア
ンが最も優先色となった粒状感の少ない淡く、より滑ら
かな画像が得られることになる。
【0072】上記2種類の印字方法においてはどちらが
良好であるかというわけではなく、全体的に文字品位等
を重要視し、シャープな解像度を得たい場合には往路印
字で濃インクを、全体的により滑らかな画像を得たい場
合には往路印字で淡インクを記録させることにより、そ
れぞれの目的に合った画像が得られることとなる。
【0073】更に本実施例では、一様なグリーン画像を
形成する場合を例に説明を加えてきたが、例えばブラッ
クのみの濃インクと淡インクを用いて画像を形成する単
色印字に於いても本実施例の効果は同様に得られるもの
である。
【0074】以上説明してきた本実施例によれば、ヘッ
ド幅(ここでは8画素幅)づつ連なる全画像領域に、色
と濃度の異なる計8種類(単色ならば2種類)のインク
の打ち込み順を一定に揃えることにより、従来例のよう
な色ムラや濃淡ムラが現われることなく、良好で一様な
画像を得ることが出来ているのである。
【0075】(第2実施例)次に本発明第2実施例を説
明する。本実施例では往復で濃インクと淡インクの打ち
込みを規定するとともに、分割記録法を用い、この効果
も同時に得ることを目的としたものである。
【0076】本実施例のヘッド構成も図2と同様であ
る。本実施例も第1実施例と同様、8ノズルを1列に配
列するヘッドを用いるが、ここでは分割記録法を用いる
ため、各記録走査毎の紙送り量は第1実施例の半分即ち
4画素幅となっている。
【0077】図15に、本実施例で記録したときの印字
状態を示す。ここでも第1実施例と同様に、シアンとイ
エローで一様なグリーン画像を記録する状態を例に取っ
ている。
【0078】第1記録走査は、往路方向の記録走査であ
り、8ノズル内の4ノズルのみ用い全記録画素の50%
のみ記録する。この時記録される画像領域を第1画像領
域とする。これらの画素は図に示すように1×2画素を
1つに固めた画素群を丁度互い違いに配列したものであ
る。この様にすると、図4で示した1画素単位を互い違
いにする配置よりも、各記録走査での記録画素以外への
にじみ出しを減少させることが出来るので、既に説明し
た打ち込み順による色ムラが起こりにくくなるのであ
る。
【0079】第2記録走査では紙送りを行わず、再び第
1画像領域に対し4ノズルで淡インクを復路印字する。
その時記録する画素は既に復路で濃インクが記録された
のと等しい画素であり、ここに淡インクイエロー、淡イ
ンクシアンの順にインクを着弾する。以上第1、第2の
往復走査で記録された第1画像領域の画素は、濃インク
シアン→濃インクイエロー→淡インクイエロー→淡イン
クシアンの順にインクが着弾され、画像領域全体として
は50%の濃インクシアンが優先色となったものとな
る。
【0080】次の第3記録走査の前には、ヘッド1/2
幅の(4画素幅)の紙送り走査が入る。そして再び往路
方向に濃インクシアン、濃インクイエローの順に、今度
は8ノズルを用いて第1画像領域と第2画像領域に同時
に50%の記録をする。この時第1及び第2記録走査で
既に50%の記録が終了している第1画像領域では、ま
だ記録されていない残りの50%画素に対し、第1記録
走査で記録に用いたのとは異なるノズルで記録する。
【0081】次の第4記録走査では紙送り走査を行わ
ず、再び復路方向に淡インクイエロー、淡インクシアン
の順に、往路で既に濃インクを記録してある画素に対し
て記録する。
【0082】この第4記録走査が終了した時点で第1画
像領域の記録は全て終了する。第1画像領域に於いて第
1から第4記録走査でのインクの記録順番を再び見直し
てみると、全ての画素において濃インクシアン→濃イン
クイエロー→淡インクイエロー→淡インクシアン→濃イ
ンクシアン→濃インクイエロー→淡インクイエロー→淡
インクシアンという順番でインクドロップが紙面上に打
ち込まれたことになる。従って往復印字で分割記録を行
った状態でも、本実施例では往路では濃インクのみ、復
路では淡インクのみと規定しているので、全ての画素に
対し等しいインク打ち込み順でインクが着弾され、最初
に記録されるインク色である濃インクシアンを優先色と
したシアンの色味の強いグリーン画像を画像領域全体で
得ているのである。
【0083】次の第5記録走査及び第6記録走査におい
ても第3及び第4記録走査と同様な記録が第2画像領域
及び第3画像領域に対し行われ、第2画像領域も第1画
像領域と等しく濃インクシアンが優先色となったグリー
ン画像が得られる。
【0084】この様に次々に成される記録走査によって
画像領域が完成される段階に於いて、全ての画像領域が
等しいインク打ち込み順で記録され、濃インクシアンが
優先色となり、画像全体としても一様で滑らかなものが
得られる。
【0085】更に本実施例では分割記録法を用いている
ので、ノズルばらつきのムラや紙送り量のムラも改善さ
れる効果も得ている。
【0086】以上説明してきたように本実施例に依れ
ば、濃淡インクヘッドを持ったカラーインクジェット記
録装置に於いて、濃インクを往路走査時に、淡インクを
復路走査時それぞれ記録させながらも分割記録法を用い
ることにより、色ムラ、濃淡ムラ及びノズルばらつきや
紙送り量ばらつきによる濃度ムラの無い滑らかで一様な
画像が得られることとなる。
【0087】尚、本実施例に於いても往路印字時と復路
印字時の濃インクと淡インクの記録順番を逆転させても
良い。第1実施例と同様、濃インクを往路で記録してか
ら復路で淡インク記録する場合、或いは往路で淡インク
を記録してから復路で濃インクを記録する場合でそれぞ
れ特徴的な画像を得ることが可能となるのである。
【0088】(第3実施例)以下に第3実施例を述べ
る。第2実施例が濃インクを記録する走査と、淡インク
を記録する走査を往路と復路で完全に切り分けながら分
割記録法を用いていたのに対し、本実施例では分割記録
法を行いながらも、各画像領域に於いて濃インク(或い
は淡インク)の記録が100%完全に終了してから淡イ
ンク(或いは濃インク)を記録させる方法である。図1
6に本実施例に用いる記録ヘッドの構成を示す。
【0089】本実施例ではブラック(Bk)、シアン
(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各4色の独
立したヘッドはそれぞれ濃インク吐出用の8ノズルと、
淡インク吐出用の8ノズル、計16ノズルを持ってい
る。この時、それぞれの矢印で示す方向にヘッドの記録
走査と紙送りがなされ、紙送りについては各記録走査毎
に4ノズル幅で行われる。
【0090】本実施例の構成に依れば、淡インク印字領
域から濃インク印字領域に向かって記録紙が送られるの
で、記録は常に淡インク画像が完了した後に濃インク画
像を記録する。この様に紙送り方向に濃淡インク1列に
並べる構成にすれば、両方向印字の往路と復路で濃淡の
インク打ち込み順が逆転することがないので、インクの
打ち込み順による濃淡ムラは事前に防ぐことが出来るの
である。
【0091】以下、図17において前実施例と同様に各
記録走査毎の記録を簡単に説明していく。第1記録走査
では記録ヘッド内の全16ノズルの内、淡インク部分の
下半分4ノズルを使う。この時印字する画素配列は、第
2実施例と同様に1×2画素を互い違いにしたもので、
上記ノズルが記録できる全画素の半分を記録する。第1
記録走査では記録ヘッドが往路方向に走査しながら印字
するので、一様なグリーン画像を記録する場合は各記録
画素へシアン、イエローの順にインクが打ち込まれてい
く。従って第1記録走査で印字された画素では、シアン
の色味の強いグリーン画像が得られることとなる。第1
記録走査終了後、記録紙は4画素幅だけ矢印の方向に送
られる。
【0092】次の第2記録走査では復路方向に淡インク
の全8ノズルを使って印字される。この時記録される画
素は、第1記録走査で記録されなかった4画素幅の領域
と、これに続く4画素幅の画像領域の内、やはり1×2
画素を互い違いにした配列の部分である。第2記録走査
では、復路方向に印字されるので、記録画素へのインク
着弾はイエロー、シアンの順になる。従って、第2記録
走査で印字される画素ではイエローの色味の強いグリー
ン画像となる。しかし、第1及び第2記録走査で記録す
るインクは元々濃度の薄いものであるので、インク打ち
込み順による色味の差はさほど大きく現われるものでは
無い。
【0093】再び4画素幅の紙送りの後、往路方向で第
3記録走査が行われる。ここで使用されるノズルは、淡
インク全8ノズルと、濃インクノズルの内、下半分の4
ノズルである。この記録走査は再び往路方向の記録なの
で、第2及び第3画像領域の淡インク領域では、シア
ン、イエローの順のインク打ち込み順で、シアンの色味
の強いグリーン画素が得られることとなる。これに対
し、第1画像領域では既に、淡インクによる印字が成さ
れ、既に優先色が淡インクにより決定されてしまってい
るので、濃インクがシアン、イエローの順に打ち込まれ
ても、これによる優先色の決定は無く全体的にグリーン
の濃度が高くなるのみである。
【0094】次の第4記録走査で、初めて記録ヘッド全
ノズルが使用される。この記録走査は再び復路走査であ
るので、イエロー、シアンの順にインクが打ち込まれ
る。第3記録走査で説明したように、第1画像領域及び
第2画像領域では既に淡インクが着弾されている上への
記録であるので、濃インクのインク打ち込み順は殆ど画
像に影響せず、両面像領域ともグリーンの濃度が全体的
に高くなるのみである。そしてこの記録走査により、第
1画像領域への記録は全て完了する。第3及び第4画像
領域についてはこれまでの記録走査と同様に、インクの
打ち込み順によって記録画素での優先色が決定されてい
る。
【0095】以下同様にして、各記録走査では、全16
ノズルを用いて、4ノズル幅の紙送り走査と往復印字を
順次繰り返して行く。
【0096】以上説明してきた方法によれば、4画素幅
づつ連なる全画像領域に、最初の2走査で淡インク画像
を完成させてしまってから、続く2走査で濃インク画像
を完成させている。従って先に説明した濃淡ムラについ
ては、本実施例では初めから完全に現れない構成になっ
ている。また、インクの打ち込み順によるもう一つの弊
害である色ムラについては、往路と復路で異なる色味の
ドットを記録してしまう構成になっているが、本実施例
では分割印字を行いながら、同時に記録する画素を1×
2単位としているので、従来例で説明した図4よりもさ
らに他領域へのにじみ出しを抑えることが出来ている。
よって、往路で印字したドットの占める面積の割合と、
復路で印字したドットの占める面積の割合を各画像領域
でほぼ等しく、更に良好な画像が得られるようになって
いる。
【0097】この様な考えに基づけば、本実施例及び第
2実施例において1×2の大きさにしている画素配列を
さらに拡大することで、色ムラや濃淡ムラがさらに解決
されることが予想出来る。実際この様にすれば、確かに
各画像領域内の全体的な色味は均等になり得る。しかし
その一方で、画素配列の単位が大きすぎると、今度はそ
れ自体が視覚的に感知されるようになり、画像上にザラ
ツキ感が現れ、滑らかさの欠けたものとなってしまうの
である。従ってこの画素配列の大きさは、1画素自体の
大きさおよび1画素に対するインク打ち込み量に応じて
適切な値を用いるのがよい。
【0098】本実施例は、両方行印字を行う際に起こり
得る濃淡ムラと色ムラという2つの弊害を、前者につい
てはヘッド構成により異なる走査で記録することで、後
者については印字制御でそれぞれ対処し、解決させてい
る。
【0099】また、これまでの説明では先に淡インクを
印字した後に濃インクを記録させるヘッド構成をとって
いるが、濃淡インクの打ち込み順自体は、前述の実施例
と同様にこれに限ったものではない。即ち、淡インクノ
ズルと濃インクノズルの位置を逆転させる様な構成を取
っても本発明及び本実施例については有効である。
【0100】本発明は、特にインクジェット記録方式の
中でも熱エネルギーを利用して飛翔的液滴を形成し、記
録を行うインクジェット方式の記録ヘッド、記録装置に
おいて優れた効果をもたらすものである。
【0101】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式はいわゆるオンデマンド
型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能である
が、特にオンデマンド型の場合には、液体(インク)が
保持されているシートや液路に対応して配置されている
電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越え
る急速な温度上昇を与える少なくとも一つの駆動信号を
印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギーを
発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせ
て、結果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(イ
ンク)内の気泡を形成できるので有効である。この気泡
の成長、収縮により吐出用開口を介して液体(インク)
を吐出させて、少なくとも一つの滴を形成する。この駆
動信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収
縮が行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)
の吐出が達成でき、より好ましい。
【0102】このパルス形状の駆動信号としては、米国
特許第4463359号明細書、同第4345262号
明細書に記載されているようなものが適している。尚、
上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第4
313124号明細書に記載されている条件を採用する
と、さらに優れた記録を行うことができる。
【0103】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体
の組み合わせ構成(直線状液流路または直角液流路)の
他に熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開
示する米国特許第4558333号明細書、米国特許第
4459600号明細書を用いた構成も本発明に含まれ
るものである。
【0104】加えて、複数の電気熱変換体に対して、共
通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開
示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギー
の圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開
示する特開昭59−138461号公報に基づいた構成
としても本発明は有効である。
【0105】加えて、装置本体に装着されることで、装
置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給
が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あ
るいは記録ヘッド自体に一体的にインクタンクが設けら
れたカートリッジタイプの記録ヘッドを用いた場合にも
本発明は有効である。
【0106】また、記録ヘッドに対しての回復手段、予
備的な補助手段等を付加することは本発明の効果を一層
安定できるので好ましいものである。これらを具体的に
挙げれば、記録ヘッドに対してのキャッピング手段、ク
リーニング手段、加圧あるいは吸引手段、電気熱変換体
あるいはこれとは別の加熱素子あるいはこれらの組み合
わせによる予備加熱手段、記録とは別の吐出を行う予備
吐出モードを行うことも安定した記録を行うために有効
である。
【0107】以上説明した本発明実施例においては、イ
ンクを液体として説明しているが、室温やそれ以下で固
化するインクであって、室温で軟化するもの、もしくは
液体であるもの、あるいは上述のインクジェット方式で
はインク自体を30℃以上70℃以下の範囲内で温度調
整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあるように温
度制御するものが一般的であるから、使用記録信号付与
時にインクが液状をなすものであればよい。
【0108】加えて、積極的に熱エネルギーによる昇温
をインクの固形状態から液体状態への状態変化のエネル
ギーとして使用せしめることで防止するか、またはイン
ク蒸発防止を目的として放置状態で固化するインクを用
いるかして、いずれにしても熱エネルギーの記録信号に
応じた付与によってインクが液化し、液状インクとして
吐出するものや記録媒体に到達する時点では既に固化し
始めるもの等のような、熱エネルギーによって初めて液
化する性質のインクの使用も本発明には適用可能であ
る。このような場合、インクは特開昭54−5687号
公報あるいは特開昭60−71260号公報に記載され
るような、多孔質シート凹部または貫通孔に液状または
固形物として保持された状態で、電気熱変換体に対して
対向するような形態としてもよい。本発明においては、
上述した各インクに対して最も有効なものは、上述した
膜沸騰方式を実行するものである。
【0109】さらに加えて、本発明に係る記録装置の形
態としては、上述のようなワードプロセッサやコンピュ
ータ等の情報処理機器の画像出力端末として一体または
別体に設けられるものの他、リーダ等と組み合わせた複
写装置、さらには送受信機能を有するファクシミリ装置
の形態を採るものであっても良い。
【0110】図18は本発明のインクジェット記録装置
をワードプロセッサ、パーソナルコンピュータ、ファク
シミリ装置、複写装置としての機能を有する情報処理装
置に適用した場合の概略構成を示すブロック図である。
図中、1201は装置全体の制御を行う制御部で、マイ
クロプロセッサ等のCPUや各種I/Oポートを備え、
各部に制御信号やデータ信号等を出力したり、各部より
の制御信号やデータ信号を入力して制御を行っている。
1202はディスプレイ部で、この表示画面には各種メ
ニューや文書情報及びイメージリーダ1207で読み取
ったイメージデータ等が表示される。1203はディス
プレイ部1202上に設けられた透明な感圧式のタッチ
パネルで、指等によりその表面を押圧することにより、
ディスプレイ部1202上での項目入力や座標位置入力
等を行うことでできる。
【0111】1204はFM(Frequency M
odulation)音源部で、音楽エディタ等で作成
された音楽情報をメモリ部1210や外部記憶装置12
12にデジタルデータとして記憶しておき、それらメモ
リ等から読み出してFM変調を行うものである。FM音
源部1204からの電気信号はスピーカ部1205によ
り可聴音に変換される。プリンタ部1206はワードプ
ロセッサ、パーソナルコンピュータ、ファクシミリ装
置、複写装置の出力端末として、本発明に係る記録装置
が適用されたものである。
【0112】1207は原稿データを光電的に読み取っ
て入力するイメージリーダ部で、原稿の搬送経路途中に
設けられており、ファクシミリ原稿や複写原稿の他、各
種原稿の読み取りを行う。1208はイメージリーダ部
や1207で読み取った原稿データのファクシミリ送信
や、送られてきたファクシミリ信号を受信して復号する
ファクシミリ送受信部であり、外部とのインターフェー
ス機能を有する。1209は通常の電話機能や留守番電
話機能等の各種電話機能を有する電話部である。121
0はシステムプログラムやマネージャプログラム及びそ
の他のアプリケーションプログラム等や文字フォント及
び辞書等を記憶するROMや、外部記憶装置1212か
らロードされたアプリケーションプログラムや文字情報
を記憶するためのRAM、さらにはビデオRAM等を含
むメモリ部である。
【0113】1211は文書情報や各種コマンド等を入
力するキーボード部である。1212はフロッピィディ
スクやハードディスク等を記憶媒体とする外部記録装置
で、この外部記録装置1212には文字情報や音楽ある
いは音声情報、ユーザのアプリケーションプログラム等
が格納される。
【0114】図19は図18に示す情報処理装置の外観
図である。図中、1301は液晶等を利用したフラット
パネルディスプレイで、各種メニューや図形情報及び文
書情報等を表示する。このディスプレイ1301上には
タッチパネルが設置されており、このタッチパネルの表
面を指等で押圧することにより座標入力や項目指定入力
を行うことができる。1302は装置が電話機として機
能するときに使用されるハンドセットである。
【0115】キーボード1303は本体と脱着可能にコ
ードを介して接続されており、各種文字情報や各種デー
タ入力を行うことができる。また、このキーボード13
03には各種機能キー1304等が設けられている。1
305はフロッピィディスクの挿入口である。
【0116】1307はイメージリーダ部1207で読
み取られる原稿を載置する用紙載置部で、読み取られた
原稿は装置後部より排出される。またファクシミリ受信
等に於いては、インクジェットプリンタ1307により
記録される。
【0117】尚、上記ディスプレイ1301はCRTで
もよいが、強誘電性液晶を利用した液晶ディスプレイ等
のフラットパネルが望ましい。小型、薄型化に加え軽量
化が図れるからである。上記情報処理装置をパーソナル
コンピュータやワードプロセッサとして機能する場合、
図18においてキーボード部1211から入力された各
種情報が制御部1201により所定のプログラムに従っ
て処理され、プリンタ部1206に画像として出力され
る。ファクシミリ装置の受信機として機能する場合、通
信回路を介してファクシミリ送受信部1208から入力
したファクシミリ情報が制御部1201により所定のプ
ログラムに従って受信処理され、プリンタ部1206に
受信画像として出力される。
【0118】また、複写装置として機能する場合、イメ
ージリーダ部1207によって原稿を読み取り、読み取
られた原稿データが制御部1201を介してプリンタ部
1206に複写画像として出力される。尚、ファクシミ
リ装置の送信機として機能する場合、イメージリーダ部
1207によって読み取られた原稿データは、制御部1
201により所定のプログラムに従って送信処理された
後、ファクシミリ送受信部1208を介して通信回路に
送信される。尚、上述した情報処理装置は図20に示す
ようにインクジェットプリンタを本体に内蔵した一体型
としてもよく、この場合はよりポータブル性を高めるこ
とが可能となる。同図において、図19と同一機能を有
する部分には、対応する符号を付した。
【0119】以上説明した多機能型情報処理装置に本発
明の記録装置を適用することによって、高品位の記録画
像を得ることができるため、上記情報処理装置の機能を
さらに向上させることが可能となる。
【0120】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
濃インクと淡インクの打ち込み順による濃度ムラがない
良好な画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明第1実施例の記録状態を表す図。
【図2】第1実施例のヘッド構成を表す図。
【図3】インク着弾順による紙面への浸透状態を表す
図。
【図4】分割記録を行ったときのドットのにじみ出し状
態を表す図。
【図5】本発明のインクジェットユニットを表す図。
【図6】本発明インクジェットヘッドの溝点の斜視図。
【図7】本発明に用いるインクジェットプリンタの図。
【図8】本発明に用いるブロック図。
【図9】インクジェットプリンタの理想的な印字状態の
図。
【図10】濃度ムラのあるインクジェットプリンタの印
字状態を表す図。
【図11】本発明に利用する分割印字を表す図。
【図12】本発明に利用する分割印字を表す図。
【図13】本発明に用いる画像処理回路図。
【図14】本発明に用いる濃インク淡インク振り分けテ
ーブル。
【図15】本発明第2実施例記録状態を表す図。
【図16】本発明第3実施例に用いるヘッド構成を表す
図。
【図17】本発明第3実施例記録状態を表す図。
【図18】本発明の記録装置と情報処理装置に適用した
場合の概略構成を示すブロック図。
【図19】情報処理装置の外観図。
【図20】情報処理装置の他の例を示す外観図。
【符号の説明】
161 画像入力部 162 操作部 163 CPU 164 ROM 165 RAM 166 画像信号処理部 167 プリンタ部 168 バスライン 702 記録ヘッド
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−119856(JP,A) 特開 平1−264852(JP,A) 特開 平3−244550(JP,A) 特開 平4−259566(JP,A) 特開 昭58−179655(JP,A) 特開 昭55−113573(JP,A) 特開 昭63−254050(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/205 B41J 2/05 B41J 2/21

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のノズルを副走査方向へ沿って配列
    した記録ヘッドを主走査方向へ沿ってキャリッジ上に複
    数配置し、前記キャリッジを主走査方向へ沿って往復走
    査させながら、複数の異なる色それぞれについて濃度が
    異なる複数のインクを対応する前記記録ヘッドから吐出
    して記録媒体に画像を形成するインクジェット記録装置
    であって、前記キャリッジの 往復走査の一方の走査において、前記
    複数の異なる色それぞれについて濃度の高いインクを吐
    出し、形成されるべき画像を間引いて形成するととも
    に、前記キャリッジの往復走査の他方の走査において、
    前記複数の異なる色それぞれについて濃度の低いインク
    を吐出し、前記一方の走査の画像形成と同様に間引いて
    画像を形成する記録制御手段と、 前記記録制御手段により濃度の高いインクと濃度の低い
    インクそれぞれによる画像を往復の走査で間引いて形成
    した後、前記複数のノズルが配列される長さよりも短い
    量だけ記録媒体を前記副走査方向に搬送する搬送制御手
    段と、 を有し、前記記録制御手段による往復走査の画像形成
    と、前記搬送制御手段による記録媒体の搬送とを繰り返
    して画像を形成するとともに、前記記録制御手段は、先
    の往復走査と後の往復走査とが重複する領域に対して補
    完的に画像の形成を行う ことを特徴とするインクジェッ
    ト記録装置。
  2. 【請求項2】 前記記録ヘッドは、熱エネルギーを利用
    してインクを吐出する記録ヘッドであって、インクに与
    える熱エネルギーを発生するための熱エネルギー変換体
    を備えている請求項1に記載のインクジェット記録装
    置。
  3. 【請求項3】 前記記録ヘッドは、前記熱エネルギー変
    換体によって印加される熱エネルギーによりインクに状
    態変化を生起させ、該状態変化に基づいて吐出口よりイ
    ンクを吐出させるものである請求項2に記載のインクジ
    ェット記録装置。
  4. 【請求項4】 原稿画像の読み取りを行う原稿画像読み
    取り手段をうさらに備えることを特徴とする請求項1乃
    至3のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  5. 【請求項5】 画像情報の送信及び/または受信手段を
    備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記
    載のインクジェット記録装置。
  6. 【請求項6】 原稿画像の読み取りを行う原稿画像読み
    取り手段をさらに備えることを特徴とする請求項5に
    載のインクジェット記録装置。
  7. 【請求項7】 記録信号入力手段をさらに備えることを
    特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のインクジ
    ェット記録装置
  8. 【請求項8】 前記記録信号入力手段がキーボードであ
    ることを特徴とする請求項7に記載のインクジェット記
    録装置。
  9. 【請求項9】 複数のノズルを副走査方向へ沿って配列
    した記録ヘッドを主走査方向へ沿ってキャリッジ上に複
    数配置し、前記キャリッジを主走査方向へ沿って往復走
    査させながら、複数の異なる色それぞれについて濃度が
    異なる複数のインクを対応する前記記録ヘッドから吐出
    して記録媒体に画像を形成するインクジェット記録装置
    におけるインクジェット記録方法であって、 前記キャリッジの往復走査の一方の走査において、前記
    複数の異なる色それぞれについて濃度の高いインクを吐
    出し、形成されるべき画像を間引いて形成するととも
    に、前記キャリッジの往復走査の他方の走査において、
    前記複数の異なる色それぞれについて濃度の低いインク
    を吐出し、前記一方の走査で形成した画像の位置に対し
    て画像を形成する画像形成工程と、 前記複数のノズルが配列される長さよりも短い量だけ記
    録媒体を前記副走査方向に搬送する搬送工程と、 前記画像形成工程と前記搬送工程とを繰り返して記録媒
    体に対して画像を形成するとともに、先に行われた前記
    画像形成工程の後に前記搬送工程を隔てて行われる前記
    画像形成工程では、先に行われた前記画像形成工程と重
    複して画像を形成する領域に対して補完的に画像を形成
    することを特徴とするインクジェット記録方法。
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