JPH06226954A - 輪転印刷機の版胴上へ撓み易い印刷プレートを張設するための方法並びに装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 輪転印刷機の版胴上へ撓み易い印刷プレート
を張設するための方法並びに装置において、プレートを
補助エネルギによって張設し、該補助エネルギは張設工
程の間だけ必要であるようにする。 【構成】 互いに向い合って予め負荷された２つの張設
条片（１１，１２）の間で圧力媒体の負荷されたホース
（２６）が放圧される。それによって印刷プレート
（６，７）が版胴外周部上に不動に載置される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、版胴の周表面で軸方向
に延びる溝を備え、該溝の内方に張設条片が配置されて
いる輪転印刷機の版胴上へ、撓み易い印刷プレートを張
設するための方法並びに装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】ドイツ国特許第１１４４２９４号明細書
によれば、輪転印刷機の版胴上へ撓み易い印刷プレート
を張設するための、冒頭で述べた形式の装置が公知であ
る。版胴は軸線平行な張設通路を有し、該張設通路に
は、折り曲げられた印刷プレートの端部を捕捉するため
の、その内方に配置された張設ジョーと、張設ジョーの
間に位置する膨らませ可能なホースとが位置している。
ホースは膨らまされた状態では、張設ジョーと、張設ジ
ョーの内方で軸線平行な方向に配置されたスライド可能
な中間部材との両者を押圧しており、その際既に折れ曲
げられた印刷プレート端部の更に折り曲げられたフラン
ジが、張着ジョーと中間部材との間で不動に締付け可能
である。その際張設ジョーはほぼその中心点を中心にし
て旋回可能に配置されている。膨らませ可能なホース
は、版胴の回転軸線の方向に位置する、断面がほぼＨ状
に形成された張設ジョーの端部を押圧している。

【０００３】この装置は、一方では補助エネルギが故障
した場合に張設装置が作動しないという欠点と、他方で
は運転中に圧力損失があった場合印刷プレートが自動的
に版胴から離れるという欠点を有している。また両方の
プレート端部を装置を用いて引張るため周方向見当合せ
の正確な調節が不可能である。摩耗部材として版胴の張
設通路から空気ホースを取り換えることは、中間部材が
存在しているため版胴の端面においてだけ可能であり、
場合によっては版胴の組み込まれた状態でのみ可能であ
る。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、輪転
印刷機の版胴上へ撓み易い印刷プレートを見当合せ正し
く張設するための方法並びに装置において、該装置を手
動及び補助エネルギで作動する容易にアクセス可能な装
置にすると共に、補助エネルギが載置プロセスの間だけ
必要であるようにすることにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明では、印刷プレー
トの折り曲げられた第１端部を胴に固定された２つの掛
止突起部の一方に選択的に掛止せしめ、続いて該印刷プ
レートを版胴の周面上に当て付け、次にその折り曲げら
れた第２端部を互いに向い合って予め負荷された２つの
張設条片の一方に選択的に挿入し、最後に補助エネルギ
の遮断によって印刷プレートを張設せしめる方法と、張
設条片が、その自由端部に掛止突起部が設けられてほぼ
Ｕ字状の輪郭から成っている挿入条片内に、旋回可能に
配置されており、また張設条片はばね力によって互いに
向き合って予め負荷可能であり、更に張設条片は、両張
設条片の間に配置された圧力媒体負荷可能なホースによ
って、又は機械的に作動可能な張設レバーによって、互
いに引き離されうるように運動可能である装置とによっ
て、上記課題を解決することができた。

【０００６】

【発明の効果】本発明によって次のような利点が達成さ
れる。つまり張設条片を、圧力媒体負荷可能なホースと
張設レバーとの両者に接続することによって、張設装置
の手動又は自動的な運動を実現することができる。

【０００７】例へば圧縮空気である補助エネルギは、載
置プロセスの間だけ必要である。補助エネルギの故障の
際印刷プレートが版胴から自動的に分離する危険性は全
く存在しない。空気ホースは摩耗部材として出費なし
で、張設フラップの開放の際半径方向で版胴の挿入条片
から取り出すことができる。印刷プレートの折れ曲った
端部を固定するためシリンダに不動の２つの掛止突部の
夫々１つを利用することによって、見当合せの正しい張
設が可能である。また版胴の回転方向を逆にした場合も
同じことが可能である。このことは、新聞印刷の際ウエ
ブ案内の数を高めるのに特に重要である。装置の張設条
片は、ばねの組付容積が小さい場合でも特に高い張設力
を発揮する。各張設条片の間を連続的に接触するホース
によって、張設条片の張設力を掛止突起部の近くで印刷
プレートに反対に作用せしめるのに充分な大きさの対応
力が発生せしめられる。

【０００８】

【実施例】次に本発明を実施例に基いて詳細に説明す
る。

【０００９】版胴１の周表面の軸線平行な溝内に、ほぼ
Ｕ字状の輪郭を備えた挿入条片２が摩擦接続状及び形状
接続状に配置されている。挿入条片２は版胴１の周表面
側のその上方の自由な端部に、横断面でみて突起状の縁
を有する、印刷プレート６，７のための掛止突起部３，
４を有している。

【００１０】挿入条片２の夫々の端面には軸受ブロック
８，９が設けられており、該ブロック８，９の内方には
互いに平行に延びて運動可能な２つの張設条片１１，１
２が配置されている。軸受ブロック８，９は、孔付きね
じ１０を用いて挿入条片２の夫々の端面に固定されてい
る。張設条片１１，１２は、軸受ブロック８の反対側の
対称平面（図２の断面線ＩＩＩ−ＩＩＩ）に対する回転
方向に、横断面でみてその円筒形の第１端部１７，１８
において、回転ロッドばね１４，１６を介して予め負荷
されている（図４）。張設条片１１，１２は爪状に形成
された第２端部１９，２１を有している。この端部１
９，２１は、図４の図面では静止位置に位置している。
端面側に配置された軸受ブロック８には、夫々１つの半
径方向に延びた、張設条片１１，１２を手動で操作する
ための張設レバー２２，２３が、回転ロッドばね１４，
１６に形状接続状に結合されている。張設条片１１，１
２は、工具２４を用いてそのバイアスモーメントに抗し
てこれを開放することができる（図２）。

【００１１】張設条片１１，１２の間には、例へば圧縮
空気によって圧力媒体負荷可能なホース２６が、張設条
片１１，１２に平行に延びて配置されている。ホース２
６は軸受ブロック８，９の近くの夫々の端部の両側部に
おいて、ホース端部を受容する、長手方向にスリットの
付いた管状の案内装置２７，２８によって保持されてお
り、該案内装置２７，２８は夫々挿入条片２の孔内に保
持されている（図３）。つまりホース２６は、張設条片
１１，１２の間で規定された位置を占めている。このホ
ース２６はその下面側のほぼ中央部に、例へば孔付きの
ねじピンである接続管２９を有しており、該接続管２９
は、ホース２６のための固定条片３１を貫いて案内され
かつ引続いて摩擦接続状にスリーブ３２に結合されてお
り、該スリーブ３２は、その外周部に互いに離れて位置
するシールリング３３を有している。このスリーブ３２
は、挿入条片２の下方部分に配置されたフランジ３４に
結合されており、該フランジ３４は、挿入条片２の下面
の溝内を延びる圧気ホース３６に結合されている。その
際シールリング３３を備えたスリーブ３２は、フランジ
３４に対する気密性の迅速結合部として役立っている。
圧気ホース３６（図２）は、例へばドイツ国特許第３９
４３１１９号明細書に基く公知の回転導入装置である公
知の空気供給装置を介して、版胴１の軸ピンによって版
胴１に接続されており、また図示なしの弁に接続されて
いる。固定条片３１はナット３８によって挿入条片２の
下方部分に固定されている。接続管２９はナット３８に
よってホース２６に固定されている。フランジ３４はね
じ３９によって挿入条片２の下方部分に固定されてい
る。静止状態では張設条片１１，１２は図４に図示の位
置を占める。この位置において印刷プレート６は、その
折り曲げられた端部と共に係止突起部３に掛止される
（図５）。印刷プレートの載設乃至取外しのためホース
２６は、（図５の矢印方向Ｂで）ほぼ６バール乃至８バ
ールの圧力の圧縮空気によって充填される。圧気力に伴
って張設条片１１，１２は、回転ロッドばね１４，１６
のバイアスモーメントに抗して旋回せしめられ、その結
果印刷プレート７の折り曲げられた端部が、図５に図示
のように、張設条片１２の第２端部２１上に自由載置さ
れる。張設条片１１，１２のこの位置において印刷プレ
ートは、取り出されるか又は弁を介してのホース２６の
脱気によって張設されるかのどちらかを行うことができ
る。圧気は図５の矢印方向Ｂの反対方向に漏れ出す。

【００１２】本発明の装置によって、個々の印刷プレー
ト６，７を版胴１の外周面に取り付けることも、また実
用上通常的に行われているように、２つのプレート６，
７を周方向に取り付けることも共に可能である。この目
的のために２つの挿入条片２を設けることも可能であ
る。通常版胴１の軸方向には４つの印刷プレート６，７
が並列状に取り付けられる。その場合は対応した数の挿
入条片２が版胴１上に設けられる。挿入条片２の下面の
別の溝内に配置された圧気ホース４１は、圧気供給部を
形成するため、別の軸方向の溝内の版胴１上に配置され
た挿入条片２にも設けられている。符号４２で、挿入条
片２を版胴１の溝に固定するための孔が示されている。

【００１３】版胴１の回転方向が逆の場合には、図５の
図面とは変って印刷プレート７の折曲り部が掛止突起部
４に掛止し、かつ印刷プレート６の折曲り部は張設条片
１１の第２端部によって後方で係止せしめられる。

【００１４】ホース２６を作動させるための補助エネル
ギとして有利には６バールから８バールまでの圧力を備
えた圧縮空気が使用され、該圧縮空気は圧縮空気装置か
ら供給される。ホース２６は流体を備えた液圧装置によ
って負荷せしめることも可能であろう。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の装置の斜視図である。

【図２】手動操作用の工具を備えた図１の端面図であ
る。

【図３】図２の線ＩＩＩ−ＩＩＩに沿った断面図であ
る。

【図４】ホースに圧力が負荷されていない静止状態にお
ける、図１の線ＩＶ−ＩＶに沿った断面図である。

【図５】圧力の負荷されたホースと張設のために備えら
れた印刷プレートとを有する、図４に類似の図である。

【符号の説明】 １ 版胴 ２ 挿入条片 ３，４ 掛止突起部 ６，７ 印刷プレート ８，９ 軸受ブロック １０ 孔付きねじ １１，１２ 張設条片 １４，１６ 回転ロッドばね １７，１８ 第１端部 １９，２１ 第２端部 ２２，２３ 張設レバー ２４ 工具 ２６ ホース ２７，２８ 案内装置 ２９ 接続管 ３１ 固定条片 ３２ スリーブ ３３ シールリング ３４ フランジ ３６ 圧気ホース ３７ ねじ ３８ ナット ３９ ねじ ４１ 圧気ホース ４２ 孔 Ｂ 空気供給部

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 版胴の周表面で軸方向に延びる溝を備
   え、該溝の内方に張設条片が配置されている輪転印刷機
   の版胴上へ、撓み易い印刷プレートを張設するための方
   法において、 印刷プレート（６，７）の折り曲げられた第１端部を胴
   に固定された２つの掛止突起部（３，４）の一方に選択
   的に掛止せしめ、続いて該印刷プレート（６，７）を版
   胴（１）の周面上に当て付け、次にその折り曲げられた
   第２端部を互いに向い合って予め負荷された２つの張設
   条片（１１，１２）の一方に選択的に挿入し、最後に補
   助エネルギの遮断によって印刷プレート（６，７）を張
   設せしめることを特徴とする、輪転印刷機の版胴上へ撓
   み易い印刷プレートを張設するための方法。
2. 【請求項２】 補助エネルギとして圧縮空気を使用し、
   該圧縮空気によって膨らませ可能なホース（２６）を張
   設条片（１１，１２）の間で作動せしめることを特徴と
   する、請求項１記載の方法。
3. 【請求項３】 版胴の周表面で軸方向に延びる溝を備
   え、該溝の内方に張設条片が配置されている輪転印刷機
   の版胴上へ、撓み易い印刷プレートを張設するための装
   置において、 張設条片（１１，１２）が、その自由端部に掛止突起部
   （３，４）が設けられてほぼＵ字状の輪郭から成ってい
   る挿入条片（２）内に、旋回可能に配置されており、ま
   た張設条片（１１，１２）はばね力によって互いに向き
   合って予め負荷可能であり、更に張設条片（１１，１
   ２）は、両張設条片（１１，１２）の間に配置された圧
   力媒体負荷可能なホース（２６）によって、又は機械的
   に作動可能な張設レバー（２２，２３）によって、互い
   に引き離されうるように運動可能であることを特徴とす
   る、輪転印刷機の版胴上へ撓み易い印刷プレートを張設
   するための装置。
4. 【請求項４】 張設条片（１１，１２）は輪郭からみて
   夫々１アーム状のレバーから成り、該アームはその第１
   終端部（１７，１８）によって軸受ブロック（８，９）
   上に旋回可能に支承されており、また張設条片（１１，
   １２）は、その第２終端部（１９，２１）において印刷
   プレート（６，７）の折れ曲った縁部を後方から係止す
   るために爪状に形成されていることを特徴とする、請求
   項３記載の装置。
5. 【請求項５】 張設条片（１１，１２）が軸受ブロック
   （８，９）内で摩擦接続状及び形状接続状に張架された
   回転ロッドばね（１４，１６）によって予め負荷されて
   いることを特徴とする、請求項３又は４記載の装置。
6. 【請求項６】 張設条片（１１，１２）が、形状接続状
   かつ摩擦接続状に張設レバー（２２，２３）に結合され
   ていることを特徴とする、請求項３から５までのいづれ
   か１項記載の装置。