JPH06224042A - 平面インダクターとその製造方法 - Google Patents
平面インダクターとその製造方法Info
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- JPH06224042A JPH06224042A JP1167093A JP1167093A JPH06224042A JP H06224042 A JPH06224042 A JP H06224042A JP 1167093 A JP1167093 A JP 1167093A JP 1167093 A JP1167093 A JP 1167093A JP H06224042 A JPH06224042 A JP H06224042A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 周波数特性に優れたインダクタンスと高い品
質係数値を有し、しかも耐環境性に優れた平面インダク
ターを量産性良く安定に製造する。 【構成】 絶縁体である第1の磁性体基板1のコイルパ
ターンの溝6に導線2を形成した絶縁体である前記第1
の磁性体基板に、絶縁体である第2の磁性体基板4を前
記絶縁体である第1の磁性体基板のコイルパターンの溝
6のみに形成した導線2を覆うように、ガラス材3を用
いて貼り付け固定する。
質係数値を有し、しかも耐環境性に優れた平面インダク
ターを量産性良く安定に製造する。 【構成】 絶縁体である第1の磁性体基板1のコイルパ
ターンの溝6に導線2を形成した絶縁体である前記第1
の磁性体基板に、絶縁体である第2の磁性体基板4を前
記絶縁体である第1の磁性体基板のコイルパターンの溝
6のみに形成した導線2を覆うように、ガラス材3を用
いて貼り付け固定する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は周波数特性に優れ、高い
品質係数値を有した平面インダクターおよびその製造方
法に関するものである。
品質係数値を有した平面インダクターおよびその製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子機器の小型化の急速な進展に伴い、
電子部品の小型化,集積化が要求されてきている。イン
ダクター素子も、ノイズフィルターや発信回路として数
多く用いられており、小型高周波数化の検討が進められ
ている。近年、インダクター素子として平面インダクタ
ーの検討がなされている。従来のインダクター素子は磁
性体、あるいは空芯にコイルを巻き付けた構造となって
いるが、これを平面化、すなわち薄型化しようとする試
みがある。
電子部品の小型化,集積化が要求されてきている。イン
ダクター素子も、ノイズフィルターや発信回路として数
多く用いられており、小型高周波数化の検討が進められ
ている。近年、インダクター素子として平面インダクタ
ーの検討がなされている。従来のインダクター素子は磁
性体、あるいは空芯にコイルを巻き付けた構造となって
いるが、これを平面化、すなわち薄型化しようとする試
みがある。
【0003】しかしながら、従来の平面インダクター
は、図8の平面図(1)およびそのA−A′断面図(2)に示
すような形状が一般的で、薄型化が可能であり、そのた
め小型集積化に適した構造となっている。
は、図8の平面図(1)およびそのA−A′断面図(2)に示
すような形状が一般的で、薄型化が可能であり、そのた
め小型集積化に適した構造となっている。
【0004】この平面インダクターは、絶縁体である第
1の磁性体基板のNiZnフェライト基板1,Cuよりな
る導線2、空隙を確保するための樹脂接着剤9で貼り付
け固定したポリイミドフィルム8、絶縁体である第2の
磁性体基板のNiZnフェライト基板4、および電極5よ
りなる。
1の磁性体基板のNiZnフェライト基板1,Cuよりな
る導線2、空隙を確保するための樹脂接着剤9で貼り付
け固定したポリイミドフィルム8、絶縁体である第2の
磁性体基板のNiZnフェライト基板4、および電極5よ
りなる。
【0005】導線2は絶縁体である第1の磁性体基板の
NiZnフェライト基板1に形成したコイルパターンの溝
6に形成し、導線2を形成した絶縁体である第1の磁性
体基板のNiZnフェライト基板1の表面に、絶縁体であ
る第2の磁性体基板のNiZnフェライト基板4を空隙の
ためのポリイミドフィルム8を介して、絶縁体である第
1の磁性体基板のNiZnフェライト基板1に形成したコ
イルパターンを被うように貼り付け固定した構造となっ
ている。
NiZnフェライト基板1に形成したコイルパターンの溝
6に形成し、導線2を形成した絶縁体である第1の磁性
体基板のNiZnフェライト基板1の表面に、絶縁体であ
る第2の磁性体基板のNiZnフェライト基板4を空隙の
ためのポリイミドフィルム8を介して、絶縁体である第
1の磁性体基板のNiZnフェライト基板1に形成したコ
イルパターンを被うように貼り付け固定した構造となっ
ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図8に
示す以外の従来の平面インダクターでは、周波数の増加
によるインダクタンスLの急速な劣化や品質係数値Qも
小さいという問題点を有し、実用レベルには達していな
かった。この問題点について種々の検討がなされた結
果、品質係数値Qの向上のために図8に示すような第1
の磁性体基板1と第2の磁性体基板4との間に空隙を設
ければ有効であることがわかり、第1の磁性体基板1と
第2の磁性体基板4との間にポリイミドフィルム8を空
隙として用いている。
示す以外の従来の平面インダクターでは、周波数の増加
によるインダクタンスLの急速な劣化や品質係数値Qも
小さいという問題点を有し、実用レベルには達していな
かった。この問題点について種々の検討がなされた結
果、品質係数値Qの向上のために図8に示すような第1
の磁性体基板1と第2の磁性体基板4との間に空隙を設
ければ有効であることがわかり、第1の磁性体基板1と
第2の磁性体基板4との間にポリイミドフィルム8を空
隙として用いている。
【0007】しかし、図8に示す第1の磁性体基板1と
第2の磁性体基板4との間にポリイミドフィルム8を空
隙として用いた平面インダクターは、ポリイミドフィル
ムと接着剤が樹脂であるために精度良く空隙を確保でき
ないため、インダクタンスLや品質係数値Q等のインダ
クター特性が不安定であり、また耐環境性に対しても不
安定であった。
第2の磁性体基板4との間にポリイミドフィルム8を空
隙として用いた平面インダクターは、ポリイミドフィル
ムと接着剤が樹脂であるために精度良く空隙を確保でき
ないため、インダクタンスLや品質係数値Q等のインダ
クター特性が不安定であり、また耐環境性に対しても不
安定であった。
【0008】本発明は、上述した小型薄型化に適した平
面インダクターの特性が不安定であるという問題点を解
決するものであり、安定した特性と優れた耐環境性とを
有する平面インダクターを量産性良く提供することを目
的とする。
面インダクターの特性が不安定であるという問題点を解
決するものであり、安定した特性と優れた耐環境性とを
有する平面インダクターを量産性良く提供することを目
的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の課題を解
決するために、絶縁体である第1または第2の磁性体基
板のコイルパターンの溝に形成した導線を覆うようにし
て貼り付け固定するための絶縁体である第2または第1
の磁性体基板との接着剤にガラス材を用い接着してなる
ことを特徴とする。
決するために、絶縁体である第1または第2の磁性体基
板のコイルパターンの溝に形成した導線を覆うようにし
て貼り付け固定するための絶縁体である第2または第1
の磁性体基板との接着剤にガラス材を用い接着してなる
ことを特徴とする。
【0010】
【作用】本発明によれば、接着剤にガラス材を用いたこ
とにより、インダクタンスと品質係数値等のインダクタ
ー特性が安定で、しかも耐環境性にも優れた平面インダ
クターを量産性良く製造することができる。
とにより、インダクタンスと品質係数値等のインダクタ
ー特性が安定で、しかも耐環境性にも優れた平面インダ
クターを量産性良く製造することができる。
【0011】
(実施例1)次に本発明の第1の平面インダクターとその
製造方法について説明する。
製造方法について説明する。
【0012】図1は本発明の第1の実施例の平面インダ
クターの平面図(1)およびそのA−A′断面図(2)を示
す。平面インダクターは絶縁体である第1の磁性体基板
のNiZnフェライト基板1,Cuよりなる導線2、空隙
を確保するためのガラス材3、絶縁体である第2の磁性
体基板のNiZnフェライト基板4、および電極5よりな
る。
クターの平面図(1)およびそのA−A′断面図(2)を示
す。平面インダクターは絶縁体である第1の磁性体基板
のNiZnフェライト基板1,Cuよりなる導線2、空隙
を確保するためのガラス材3、絶縁体である第2の磁性
体基板のNiZnフェライト基板4、および電極5よりな
る。
【0013】導線2は絶縁体である第1の磁性体基板の
NiZnフェライト基板1に形成したコイルパターンの溝
6に形成し、導線2を形成した絶縁体である第1の磁性
体基板のNiZnフェライト基板1の表面に、絶縁体であ
る第2の磁性体基板のNiZnフェライト基板4を空隙確
保のためのガラス材3を介して、絶縁体である第1の磁
性体基板のNiZnフェライト基板1に形成したコイルパ
ターンを覆うように貼り付け固定した構造となってい
る。
NiZnフェライト基板1に形成したコイルパターンの溝
6に形成し、導線2を形成した絶縁体である第1の磁性
体基板のNiZnフェライト基板1の表面に、絶縁体であ
る第2の磁性体基板のNiZnフェライト基板4を空隙確
保のためのガラス材3を介して、絶縁体である第1の磁
性体基板のNiZnフェライト基板1に形成したコイルパ
ターンを覆うように貼り付け固定した構造となってい
る。
【0014】次に、図2を用いて図1の平面インダクタ
ーの製造工程を説明する。
ーの製造工程を説明する。
【0015】図2(a)に示す第1の磁性体基板にはNiZ
nフェライトのインゴットから切り出し薄板状に加工し
たNiZnフェライト基板1を用いた。NiZnフェライト
は抵抗率が高く絶縁体であるために、基板に絶縁体を用
いることなく直接導線を形成することができる。また基
板はNiZnフェライトのインゴットから切り出したもの
であり、その磁気特性は基板全体にわたり均質である。
nフェライトのインゴットから切り出し薄板状に加工し
たNiZnフェライト基板1を用いた。NiZnフェライト
は抵抗率が高く絶縁体であるために、基板に絶縁体を用
いることなく直接導線を形成することができる。また基
板はNiZnフェライトのインゴットから切り出したもの
であり、その磁気特性は基板全体にわたり均質である。
【0016】絶縁体である第1の磁性体基板のNiZnフ
ェライト基板1の表面に、図2(b)に示したような導線
を埋め込むためのコイルパターンの溝6を形成する。コ
イルパターンは複雑な形状でも容易に作製できるフォト
リソグラフィを用いた。コイルパターンの形状は、図1
に示した破線で示す通りである。
ェライト基板1の表面に、図2(b)に示したような導線
を埋め込むためのコイルパターンの溝6を形成する。コ
イルパターンは複雑な形状でも容易に作製できるフォト
リソグラフィを用いた。コイルパターンの形状は、図1
に示した破線で示す通りである。
【0017】鏡面に加工した絶縁体である第1の磁性体
基板のNiZnフェライト基板1の表面に、フォトレジス
トを所定の厚さにスピンコートにより均一に塗布する。
仮ベークを行ってフォトレジストを固着した後に、予め
作製したコイルパターンマスクのコイルパターンを転写
する。このコイルパターンが転写されたフォトレジスト
を有する絶縁体である第1の磁性体基板のNiZnフェラ
イト基板1を、イオンミーリング装置にセットして、基
板表面にArイオンを照射することにより基板表面のエ
ッチングを行う。エッチングの終了した絶縁体である第
1の磁性体基板の断面は、図2(b)に示したようにな
る。こうして絶縁体である第1の磁性体基板のNiZnフ
ェライト基板1の表面にコイルパターンの溝6が形成さ
れる。
基板のNiZnフェライト基板1の表面に、フォトレジス
トを所定の厚さにスピンコートにより均一に塗布する。
仮ベークを行ってフォトレジストを固着した後に、予め
作製したコイルパターンマスクのコイルパターンを転写
する。このコイルパターンが転写されたフォトレジスト
を有する絶縁体である第1の磁性体基板のNiZnフェラ
イト基板1を、イオンミーリング装置にセットして、基
板表面にArイオンを照射することにより基板表面のエ
ッチングを行う。エッチングの終了した絶縁体である第
1の磁性体基板の断面は、図2(b)に示したようにな
る。こうして絶縁体である第1の磁性体基板のNiZnフ
ェライト基板1の表面にコイルパターンの溝6が形成さ
れる。
【0018】次に、このコイルパターンの溝6に導線を
形成する。図2(c)に示したように、コイルパターンの
溝6が形成された絶縁体である第1の磁性体基板のNi
Znフェライト基板1の表面に導体膜としてのCu膜7を
スパッタリング法により形成した後に、表面を研磨して
コイルパターンの溝6以外の部分に付着した余分のCu
膜7を除去し、図2(d)に示したように平面インダクタ
ーのコイルパターンの溝6だけに導線2としてのCu膜
7を残す。こうして絶縁体である第1の磁性体基板のN
iZnフェライト基板1の表面に形成したコイルパターン
の溝6にCuの導線2を形成する。
形成する。図2(c)に示したように、コイルパターンの
溝6が形成された絶縁体である第1の磁性体基板のNi
Znフェライト基板1の表面に導体膜としてのCu膜7を
スパッタリング法により形成した後に、表面を研磨して
コイルパターンの溝6以外の部分に付着した余分のCu
膜7を除去し、図2(d)に示したように平面インダクタ
ーのコイルパターンの溝6だけに導線2としてのCu膜
7を残す。こうして絶縁体である第1の磁性体基板のN
iZnフェライト基板1の表面に形成したコイルパターン
の溝6にCuの導線2を形成する。
【0019】次に、図2(e)に示すように絶縁体である
第2の磁性体基板のNiZnフェライト基板4の表面に、
ガラス材3を形成する結晶化ガラス膜(以下、結晶化ガ
ラス膜3という)を形成する。この結晶化ガラス膜3は
第1の磁性体基板1と第2の磁性体基板4との空隙にな
ると同時に接着剤としての役割もある。したがって、結
晶化ガラス膜3の膜の厚みは精度良く、また再現性良く
制御されなければならない。さらに、磁性体基板と結晶
化ガラス膜3との付着強度も十分強いものでなければな
らない。
第2の磁性体基板のNiZnフェライト基板4の表面に、
ガラス材3を形成する結晶化ガラス膜(以下、結晶化ガ
ラス膜3という)を形成する。この結晶化ガラス膜3は
第1の磁性体基板1と第2の磁性体基板4との空隙にな
ると同時に接着剤としての役割もある。したがって、結
晶化ガラス膜3の膜の厚みは精度良く、また再現性良く
制御されなければならない。さらに、磁性体基板と結晶
化ガラス膜3との付着強度も十分強いものでなければな
らない。
【0020】したがって、結晶化ガラス膜3は極めて清
浄な基板表面に、膜の厚みを精度良く、また再現性良く
成膜することができる真空装置を用いた成膜方法で成膜
する必要がある。真空装置を用いた成膜方法には、スパ
ッタリング法,イオンプレーティング法,CVD法など
があるが、本実施例ではスパッタリング法によりガラス
膜を形成した。
浄な基板表面に、膜の厚みを精度良く、また再現性良く
成膜することができる真空装置を用いた成膜方法で成膜
する必要がある。真空装置を用いた成膜方法には、スパ
ッタリング法,イオンプレーティング法,CVD法など
があるが、本実施例ではスパッタリング法によりガラス
膜を形成した。
【0021】まず、絶縁体である第2の磁性体基板のN
iZnフェライト基板4は、NiZnフェライトのインゴッ
トから切り出し薄板状に加工し、さらに基板表面を鏡面
に加工する。この基板を洗浄乾燥後、スパッタリング装
置にセットする。真空引きを始め所定の真空度に達した
ら、アルゴンガスを所定の圧力となるように導入する。
絶縁体である第2の磁性体基板のNiZnフェライト基板
4と結晶化ガラス膜3との付着力を高めるために、高周
波電力により基板表面のエッチングを行う。エッチング
を行い、極めて清浄な表面となった基板に融点が低い結
晶化ガラス材をターゲットにして、高周波スパッタリン
グ法により結晶化ガラス膜3を所定の厚さに形成する。
iZnフェライト基板4は、NiZnフェライトのインゴッ
トから切り出し薄板状に加工し、さらに基板表面を鏡面
に加工する。この基板を洗浄乾燥後、スパッタリング装
置にセットする。真空引きを始め所定の真空度に達した
ら、アルゴンガスを所定の圧力となるように導入する。
絶縁体である第2の磁性体基板のNiZnフェライト基板
4と結晶化ガラス膜3との付着力を高めるために、高周
波電力により基板表面のエッチングを行う。エッチング
を行い、極めて清浄な表面となった基板に融点が低い結
晶化ガラス材をターゲットにして、高周波スパッタリン
グ法により結晶化ガラス膜3を所定の厚さに形成する。
【0022】ここで、結晶化ガラス材を用いたのは、結
晶化ガラスの融点が通常のガラス材と較べて低いため
に、以下に示す第1の磁性体基板のNiZnフェライト基
板1と第2の磁性体基板のNiZnフェライト基板4との
貼り合わせ固定を行う際に、比較的低温で行うことがで
きるため、温度の制御が行いやすく量産性に適している
ためである。
晶化ガラスの融点が通常のガラス材と較べて低いため
に、以下に示す第1の磁性体基板のNiZnフェライト基
板1と第2の磁性体基板のNiZnフェライト基板4との
貼り合わせ固定を行う際に、比較的低温で行うことがで
きるため、温度の制御が行いやすく量産性に適している
ためである。
【0023】次に、図2(f)に示すように、コイルパタ
ーンの溝6にCuの導線2を形成した絶縁体である第1
の磁性体基板のNiZnフェライト基板1と、結晶化ガラ
ス膜3を形成した第2の磁性体基板のNiZnフェライト
基板4とを貼り合わせ固定する。
ーンの溝6にCuの導線2を形成した絶縁体である第1
の磁性体基板のNiZnフェライト基板1と、結晶化ガラ
ス膜3を形成した第2の磁性体基板のNiZnフェライト
基板4とを貼り合わせ固定する。
【0024】コイルパターンの溝6にCuの導線2を形
成した絶縁体である第1の磁性体基板のNiZnフェライ
ト基板1と、結晶化ガラス膜3を形成した第2の磁性体
基板のNiZnフェライト基板4とを、第1の磁性体基板
のNiZnフェライト基板に形成した導線2と第2の磁性
体基板に形成した結晶化ガラス膜3とが接するように貼
り合わせ、所定の押圧を加えて固定する。これを電気炉
に入れ所定の温度、例えば500℃で加熱保持することに
より、第2の磁性体基板のNiZnフェライト基板4に形
成した結晶化ガラス膜3の結晶化ガラスが、第1の磁性
体基板のNiZnフェライト基板1と融着し、コイルパタ
ーンの溝6にCuの導線2を形成した絶縁体である第1
の磁性体基板のNiZnフェライト基板1と、結晶化ガラ
ス膜3を形成した第2の磁性体基板のNiZnフェライト
基板4とが固定される。
成した絶縁体である第1の磁性体基板のNiZnフェライ
ト基板1と、結晶化ガラス膜3を形成した第2の磁性体
基板のNiZnフェライト基板4とを、第1の磁性体基板
のNiZnフェライト基板に形成した導線2と第2の磁性
体基板に形成した結晶化ガラス膜3とが接するように貼
り合わせ、所定の押圧を加えて固定する。これを電気炉
に入れ所定の温度、例えば500℃で加熱保持することに
より、第2の磁性体基板のNiZnフェライト基板4に形
成した結晶化ガラス膜3の結晶化ガラスが、第1の磁性
体基板のNiZnフェライト基板1と融着し、コイルパタ
ーンの溝6にCuの導線2を形成した絶縁体である第1
の磁性体基板のNiZnフェライト基板1と、結晶化ガラ
ス膜3を形成した第2の磁性体基板のNiZnフェライト
基板4とが固定される。
【0025】次に、比較例の平面インダクターとして従
来の図8に例示した平面インダクターを作成した。
来の図8に例示した平面インダクターを作成した。
【0026】次に、本実施例1と比較例の各平面インダ
クターのインダクタンスLと、品質係数値Qの特性の分
布図をそれぞれ図3(1),(2)に示す。この図3から明ら
かなように、実施例1(実線図示)の平面インダクターの
インダクタンスL、および品質係数値Qのばらつきは比
較例(破線図示)に較べて非常に小さく、安定したインダ
クター特性が得られていることが判る。
クターのインダクタンスLと、品質係数値Qの特性の分
布図をそれぞれ図3(1),(2)に示す。この図3から明ら
かなように、実施例1(実線図示)の平面インダクターの
インダクタンスL、および品質係数値Qのばらつきは比
較例(破線図示)に較べて非常に小さく、安定したインダ
クター特性が得られていることが判る。
【0027】すなわち、第1の磁性体基板1と第2の磁
性体基板4との空隙にポリイミドフィルムと樹脂接着剤
とを用いた比較例の平面インダクターは、ポリイミドフ
ィルムと接着剤が樹脂であるために弾性率が高く、した
がって第1の磁性体基板と第2の磁性体基板との空隙の
間隔を精度良く、また再現性良く制御することが困難で
あるために、インダクタンスLや品質係数値Q等のイン
ダクターの特性が不安定であり、優れた特性を有する平
面インダクターを安定に、しかも量産性良く製造するこ
とはできないのである。
性体基板4との空隙にポリイミドフィルムと樹脂接着剤
とを用いた比較例の平面インダクターは、ポリイミドフ
ィルムと接着剤が樹脂であるために弾性率が高く、した
がって第1の磁性体基板と第2の磁性体基板との空隙の
間隔を精度良く、また再現性良く制御することが困難で
あるために、インダクタンスLや品質係数値Q等のイン
ダクターの特性が不安定であり、優れた特性を有する平
面インダクターを安定に、しかも量産性良く製造するこ
とはできないのである。
【0028】一方、第1の磁性体基板と第2の磁性体基
板との空隙に樹脂を用いずに結晶化ガラス材を用いた本
実施例1の平面インダクターは、空隙の間隔を第2の磁
性体基板に形成する結晶化ガラス膜の厚さで制御できる
ために、第1の磁性体基板と第2の磁性体基板との空隙
の間隔を精度良く、また再現性良く、さらには任意の間
隔で制御することができるため、インダクタンスLや品
質係数値Q等のインダクターの特性が安定であり、優れ
た特性を有する平面インダクターを安定に、しかも量産
性良く製造することができるのである。
板との空隙に樹脂を用いずに結晶化ガラス材を用いた本
実施例1の平面インダクターは、空隙の間隔を第2の磁
性体基板に形成する結晶化ガラス膜の厚さで制御できる
ために、第1の磁性体基板と第2の磁性体基板との空隙
の間隔を精度良く、また再現性良く、さらには任意の間
隔で制御することができるため、インダクタンスLや品
質係数値Q等のインダクターの特性が安定であり、優れ
た特性を有する平面インダクターを安定に、しかも量産
性良く製造することができるのである。
【0029】平面インダクターを電子機器内に組み込む
場合、環境の変化に対してインダクタンスや品質係数値
等のインダクター特性が変化しない安定なインダクター
素子である必要がある。そこで、本実施例1と比較例の
各平面インダクターとの耐環境性について調べた。
場合、環境の変化に対してインダクタンスや品質係数値
等のインダクター特性が変化しない安定なインダクター
素子である必要がある。そこで、本実施例1と比較例の
各平面インダクターとの耐環境性について調べた。
【0030】高温高湿の環境下に本実施例1と比較例の
平面インダクターを放置した場合のインダクタンスLと
品質係数値Qの変化を調べた結果を、それぞれ図4
(1),(2)に示す。高温高湿下で、比較例(破線図示)の平
面インダクターのインダクタンスLと品質係数値Qが変
動しているのに対し、実施例1(実線図示)の平面インダ
クターのインダクタンスLと品質係数値Qに変動は認め
られない。
平面インダクターを放置した場合のインダクタンスLと
品質係数値Qの変化を調べた結果を、それぞれ図4
(1),(2)に示す。高温高湿下で、比較例(破線図示)の平
面インダクターのインダクタンスLと品質係数値Qが変
動しているのに対し、実施例1(実線図示)の平面インダ
クターのインダクタンスLと品質係数値Qに変動は認め
られない。
【0031】すなわち、本実施例1の平面インダクター
は耐環境性にも優れたインダクター素子であるといえ
る。実施例1と比較例の平面インダクターの高温高湿下
におけるインダクタンスLと品質係数値Qの特性の差異
は、第1の磁性体基板と第2の磁性体基板との空隙の材
料の差異によるものと考えられる。すなわち、実施例1
の空隙材料である結晶化ガラス材は高温高湿下でも安定
な材料であるために、実施例1の平面インダクターは耐
環境性に優れているのである。
は耐環境性にも優れたインダクター素子であるといえ
る。実施例1と比較例の平面インダクターの高温高湿下
におけるインダクタンスLと品質係数値Qの特性の差異
は、第1の磁性体基板と第2の磁性体基板との空隙の材
料の差異によるものと考えられる。すなわち、実施例1
の空隙材料である結晶化ガラス材は高温高湿下でも安定
な材料であるために、実施例1の平面インダクターは耐
環境性に優れているのである。
【0032】一方、比較例で用いた空隙材料はポリイミ
ドフィルムと樹脂接着剤よりなり、これらの材料は高温
高湿下で膨潤するため、第1の磁性体基板と第2の磁性
体基板との空隙の間隔が変化し、それに応じてインダク
ター特性が変化するという耐環境性に対する問題があ
る。
ドフィルムと樹脂接着剤よりなり、これらの材料は高温
高湿下で膨潤するため、第1の磁性体基板と第2の磁性
体基板との空隙の間隔が変化し、それに応じてインダク
ター特性が変化するという耐環境性に対する問題があ
る。
【0033】上記したように、本実施例1の平面インダ
クターは第1の磁性体基板と第2の磁性体基板との空隙
材料に結晶化ガラスを用いているので、空隙の間隔が変
化せずに安定であるために、インダクタンスや品質係数
値等のインダクター特性が安定であり、したがって量産
性に優れ、さらには耐環境性にも優れた平面インダクタ
ーである。
クターは第1の磁性体基板と第2の磁性体基板との空隙
材料に結晶化ガラスを用いているので、空隙の間隔が変
化せずに安定であるために、インダクタンスや品質係数
値等のインダクター特性が安定であり、したがって量産
性に優れ、さらには耐環境性にも優れた平面インダクタ
ーである。
【0034】以上の説明で本実施例1では、第2の磁性
体基板表面に結晶化ガラス膜3を形成したが結晶化ガラ
ス膜は第1の磁性体基板に形成しても何等問題はない。
その場合は、絶縁体である第1の磁性体基板の表面に形
成したコイルパターンの溝6にCuの導線2を形成した
後に、コイルパターンを形成した方の面に、結晶化ガラ
ス膜を形成すればよい。
体基板表面に結晶化ガラス膜3を形成したが結晶化ガラ
ス膜は第1の磁性体基板に形成しても何等問題はない。
その場合は、絶縁体である第1の磁性体基板の表面に形
成したコイルパターンの溝6にCuの導線2を形成した
後に、コイルパターンを形成した方の面に、結晶化ガラ
ス膜を形成すればよい。
【0035】また、本実施例1はガラス膜に結晶化ガラ
スを用いたが、ガラス膜は結晶化ガラスに限定するもの
ではなく、第1の磁性体と第2の磁性体とを貼り合わせ
固定する際の動作温度を、使用するガラス材に適した温
度に設定すればよいだけであり、通常のガラス材でも何
等問題はない。
スを用いたが、ガラス膜は結晶化ガラスに限定するもの
ではなく、第1の磁性体と第2の磁性体とを貼り合わせ
固定する際の動作温度を、使用するガラス材に適した温
度に設定すればよいだけであり、通常のガラス材でも何
等問題はない。
【0036】また、実施例1では、導線の形成にスパッ
タリング法を用いたが導線の形成はメッキ法,イオンプ
レーティング法や蒸着法でもよい。また、本実施例1で
は導線にCuを用いたが、導線はCu以外にもAl,Ag,
Au、あるいはこれらの合金など抵抗率の小さい物質で
あれば何等問題はない。
タリング法を用いたが導線の形成はメッキ法,イオンプ
レーティング法や蒸着法でもよい。また、本実施例1で
は導線にCuを用いたが、導線はCu以外にもAl,Ag,
Au、あるいはこれらの合金など抵抗率の小さい物質で
あれば何等問題はない。
【0037】さらに、本実施例1では磁性体基板に抵抗
率の大きいNiZnフェライトを用いたが、磁性体基板は
NiZnフェライト以外でも、ダストコア等の抵抗率の大
きい磁性体であれば何等差し支えない。
率の大きいNiZnフェライトを用いたが、磁性体基板は
NiZnフェライト以外でも、ダストコア等の抵抗率の大
きい磁性体であれば何等差し支えない。
【0038】(実施例2)実施例1では第1の磁性体基板
と第2の磁性体基板との空隙のガラス膜を真空装置を用
いた成膜方法であるスパッタリング法により形成した
が、ガラス材に液体ガラスを用いれば、真空装置を用い
ることなくガラス膜を形成できるので、量産性が実施例
1と較べ更に向上する。
と第2の磁性体基板との空隙のガラス膜を真空装置を用
いた成膜方法であるスパッタリング法により形成した
が、ガラス材に液体ガラスを用いれば、真空装置を用い
ることなくガラス膜を形成できるので、量産性が実施例
1と較べ更に向上する。
【0039】なお、液体ガラスはガラス成分を溶剤に溶
かしたもので、液体ガラスを基板上に塗布した後に溶剤
を蒸発させることでガラス成分のみが残り、さらに所定
の温度での熱処理を施すことにより、ガラス膜を形成す
ることができる。
かしたもので、液体ガラスを基板上に塗布した後に溶剤
を蒸発させることでガラス成分のみが残り、さらに所定
の温度での熱処理を施すことにより、ガラス膜を形成す
ることができる。
【0040】ガラス膜の形成に液体ガラスを用いた実施
例2の平面インダクターは、次のようにして作成した。
図5を用いて平面インダクターの製造工程を説明する。
例2の平面インダクターは、次のようにして作成した。
図5を用いて平面インダクターの製造工程を説明する。
【0041】図5の(a)ないし(d)までは実施例1(図2
の(a)ないし(d))と同様にして、絶縁体である第1の磁
性体基板のNiZnフェライト基板1の表面に形成したコ
イルパターンの溝6にCuの導線2を形成する。
の(a)ないし(d))と同様にして、絶縁体である第1の磁
性体基板のNiZnフェライト基板1の表面に形成したコ
イルパターンの溝6にCuの導線2を形成する。
【0042】次に、絶縁体である第2の磁性体基板のN
iZnフェライト基板4の表面にガラス膜を形成する。ガ
ラス膜は第1の磁性体基板と第2の磁性体基板との空隙
になると同時に、接着剤としての役割もある。したがっ
て、ガラス膜の厚みは精度良く、また再現性良く制御さ
れなければならない。さらに、磁性体基板とガラス膜と
の付着強度も十分強いものでなければならない。したが
って、ガラス膜は膜の厚みを精度良く、再現性良く成膜
する必要がある。
iZnフェライト基板4の表面にガラス膜を形成する。ガ
ラス膜は第1の磁性体基板と第2の磁性体基板との空隙
になると同時に、接着剤としての役割もある。したがっ
て、ガラス膜の厚みは精度良く、また再現性良く制御さ
れなければならない。さらに、磁性体基板とガラス膜と
の付着強度も十分強いものでなければならない。したが
って、ガラス膜は膜の厚みを精度良く、再現性良く成膜
する必要がある。
【0043】本実施例2では、ガラス膜の形成に図5
(e)に示すように、液体ガラス10を用いる。この液体ガ
ラス10の塗布は、ガラス膜の膜の厚みを精度良く、また
再現性良く制御できるスピンコート法により塗布した。
スピンコート法は液体状の塗布材料を被塗布基板上に滴
下した後に、被塗布基板を所定の回転数で回転すること
により均質で一様な膜を形成する塗布方法であり、膜の
厚みは回転数を制御することで調整する。
(e)に示すように、液体ガラス10を用いる。この液体ガ
ラス10の塗布は、ガラス膜の膜の厚みを精度良く、また
再現性良く制御できるスピンコート法により塗布した。
スピンコート法は液体状の塗布材料を被塗布基板上に滴
下した後に、被塗布基板を所定の回転数で回転すること
により均質で一様な膜を形成する塗布方法であり、膜の
厚みは回転数を制御することで調整する。
【0044】まず、実施例1と同様に、絶縁体である第
2の磁性体基板のNiZnフェライト基板4は、NiZnフ
ェライトのインゴットから切り出し薄板状に加工し、さ
らに基板表面を鏡面に加工する。この第2の磁性体基板
4をスピンコーターにセットする。この第2の磁性体基
板4上に、図5(e)で示したように、液体ガラス10を基
板全面にわたり滴下した後に、所定の回転数で液体ガラ
ス10を基板全面にわたり滴下した基板を回転して、基板
上に所定の厚さのガラス膜を形成する。ガラス膜を形成
した後に溶剤を蒸発させるために加熱保持し、図5(f)
で示したように、第2の磁性体基板4上に結晶化ガラス
膜3を定着させる。
2の磁性体基板のNiZnフェライト基板4は、NiZnフ
ェライトのインゴットから切り出し薄板状に加工し、さ
らに基板表面を鏡面に加工する。この第2の磁性体基板
4をスピンコーターにセットする。この第2の磁性体基
板4上に、図5(e)で示したように、液体ガラス10を基
板全面にわたり滴下した後に、所定の回転数で液体ガラ
ス10を基板全面にわたり滴下した基板を回転して、基板
上に所定の厚さのガラス膜を形成する。ガラス膜を形成
した後に溶剤を蒸発させるために加熱保持し、図5(f)
で示したように、第2の磁性体基板4上に結晶化ガラス
膜3を定着させる。
【0045】次に図5(g)に示したように、実施例1と
同様にコイルパターンの溝6にCuの導線2を形成した
絶縁体である第1の磁性体基板のNiZnフェライト基板
1と、結晶化ガラス膜3を形成した第2の磁性体基板の
NiZnフェライト基板4とを貼り合わせ固定する。
同様にコイルパターンの溝6にCuの導線2を形成した
絶縁体である第1の磁性体基板のNiZnフェライト基板
1と、結晶化ガラス膜3を形成した第2の磁性体基板の
NiZnフェライト基板4とを貼り合わせ固定する。
【0046】コイルパターンの溝6にCuの導線2を形
成した絶縁体である第1の磁性体基板のNiZnフェライ
ト基板1と、結晶化ガラス膜3を形成した第2の磁性体
基板のNiZnフェライト基板4とを、第1の磁性体基板
のNiZnフェライト基板1に形成した導線2と第2の磁
性体基板4に形成した結晶化ガラス膜3とが接するよう
に貼り合わせ、所定の押圧を加えて固定する。これを電
気炉に入れ所定の温度、例えば600℃で加熱保持するこ
とにより、第2の磁性体基板のNiZnフェライト基板4
に形成した結晶化ガラス膜3の結晶化ガラスが、第1の
磁性体基板のNiZnフェライト基板1と第2の磁性体基
板のNiZnフェライト基板4とに融着し、コイルパター
ンの溝6にCuの導線2を形成した絶縁体である第1の
磁性体基板のNiZnフェライト基板1と、結晶化ガラス
膜3を形成した第2の磁性体基板のNiZnフェライト基
板4とが固定される。こうして、実施例2の平面インダ
クターを作成した。
成した絶縁体である第1の磁性体基板のNiZnフェライ
ト基板1と、結晶化ガラス膜3を形成した第2の磁性体
基板のNiZnフェライト基板4とを、第1の磁性体基板
のNiZnフェライト基板1に形成した導線2と第2の磁
性体基板4に形成した結晶化ガラス膜3とが接するよう
に貼り合わせ、所定の押圧を加えて固定する。これを電
気炉に入れ所定の温度、例えば600℃で加熱保持するこ
とにより、第2の磁性体基板のNiZnフェライト基板4
に形成した結晶化ガラス膜3の結晶化ガラスが、第1の
磁性体基板のNiZnフェライト基板1と第2の磁性体基
板のNiZnフェライト基板4とに融着し、コイルパター
ンの溝6にCuの導線2を形成した絶縁体である第1の
磁性体基板のNiZnフェライト基板1と、結晶化ガラス
膜3を形成した第2の磁性体基板のNiZnフェライト基
板4とが固定される。こうして、実施例2の平面インダ
クターを作成した。
【0047】次に、本実施例2の平面インダクターのイ
ンダクタンスLと品質係数値Qの特性の分布図をそれぞ
れ図6(1),(2)に示す。本実施例2の平面インダクター
のインダクタンスLおよび品質係数値Qのばらつきは、
実施例1の平面インダクターと同様に非常に小さく、安
定したインダクター特性が得られていることが判る。
ンダクタンスLと品質係数値Qの特性の分布図をそれぞ
れ図6(1),(2)に示す。本実施例2の平面インダクター
のインダクタンスLおよび品質係数値Qのばらつきは、
実施例1の平面インダクターと同様に非常に小さく、安
定したインダクター特性が得られていることが判る。
【0048】また、実施例1と同様に実施例2の平面イ
ンダクターの耐環境性について調べた。
ンダクターの耐環境性について調べた。
【0049】実施例1と同様に、高温高湿の環境下に本
実施例2の平面インダクターを放置した場合のインダク
タンスLと品質係数値Qの変化を調べた結果をそれぞれ
図7(1),(2)に示す。高温高湿下で、実施例2の平面イ
ンダクターのインダクタンスLと品質係数値Qには実施
例1と同様に変動は認められない。すなわち、本実施例
2の平面インダクターは耐環境性にも優れたインダクタ
ー素子であるといえる。
実施例2の平面インダクターを放置した場合のインダク
タンスLと品質係数値Qの変化を調べた結果をそれぞれ
図7(1),(2)に示す。高温高湿下で、実施例2の平面イ
ンダクターのインダクタンスLと品質係数値Qには実施
例1と同様に変動は認められない。すなわち、本実施例
2の平面インダクターは耐環境性にも優れたインダクタ
ー素子であるといえる。
【0050】上記したように本実施例2の平面インダク
ターは、第1の磁性体基板と第2の磁性体基板との空隙
材料を液体ガラスの塗布により形成しているので、実施
例1のような真空装置を必要とせずに、大気において製
造ができるために製造が容易で量産性に優れており、ま
た空隙材料は実施例1と同様にガラス材を用いているた
めに品質が安定し、さらに耐環境性に優れた平面インダ
クターである。
ターは、第1の磁性体基板と第2の磁性体基板との空隙
材料を液体ガラスの塗布により形成しているので、実施
例1のような真空装置を必要とせずに、大気において製
造ができるために製造が容易で量産性に優れており、ま
た空隙材料は実施例1と同様にガラス材を用いているた
めに品質が安定し、さらに耐環境性に優れた平面インダ
クターである。
【0051】なお実施例2も実施例1と同様に、コイル
パターンの溝,ガラス材の形成は第1,第2の磁性体基
板に対して、反対に行ってもよいことは勿論である。
パターンの溝,ガラス材の形成は第1,第2の磁性体基
板に対して、反対に行ってもよいことは勿論である。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の平面イン
ダクターは、絶縁体である第1の磁性体基板と絶縁体で
ある第2の磁性体基板との接着剤にガラス材を用いたこ
とにより、周波数特性に優れたインダクタンスと高い品
質係数値を有し、しかも耐環境性に優れた平面インダク
ターを量産性良く安定に製造することができる。したが
って、小型,薄型化ができる平面インダクターをインダ
クター素子として実用でき、電子機器も小型軽量にする
ことができる。
ダクターは、絶縁体である第1の磁性体基板と絶縁体で
ある第2の磁性体基板との接着剤にガラス材を用いたこ
とにより、周波数特性に優れたインダクタンスと高い品
質係数値を有し、しかも耐環境性に優れた平面インダク
ターを量産性良く安定に製造することができる。したが
って、小型,薄型化ができる平面インダクターをインダ
クター素子として実用でき、電子機器も小型軽量にする
ことができる。
【図1】本発明の第1の実施例の平面インダクターの平
面図とその断面図である。
面図とその断面図である。
【図2】本発明の第1の実施例の平面インダクターの製
造方法を説明する工程図である。
造方法を説明する工程図である。
【図3】本発明の第1の実施例と比較例の平面インダク
ターのインダクタンスと品質係数値の特性分布図であ
る。
ターのインダクタンスと品質係数値の特性分布図であ
る。
【図4】本発明の第1の実施例と比較例の高温高湿下に
おける平面インダクターのインダクタンスと品質係数値
の特性分布図である。
おける平面インダクターのインダクタンスと品質係数値
の特性分布図である。
【図5】本発明の第2の実施例の平面インダクターの製
造方法を説明する工程図である。
造方法を説明する工程図である。
【図6】本発明の第2の実施例の平面インダクターのイ
ンダクタンスと品質係数値の特性分布図である。
ンダクタンスと品質係数値の特性分布図である。
【図7】本発明の第2の実施例の高温高湿下における平
面インダクターのインダクタンスと品質係数値の特性分
布図である。
面インダクターのインダクタンスと品質係数値の特性分
布図である。
【図8】従来例の平面インダクターの平面図とその断面
図である。
図である。
1…NiZnフェライト基板(第1の磁性体基板)、 2…
Cu導線、 3…ガラス材(結晶化ガラス膜)、 4…Ni
Znフェライト基板(第2の磁性体基板)、 5…電極、
6…コイルパターンの溝、 7…Cu膜、 8…ポリ
イミドフィルム、9…樹脂接着剤、 10…液体ガラス。
Cu導線、 3…ガラス材(結晶化ガラス膜)、 4…Ni
Znフェライト基板(第2の磁性体基板)、 5…電極、
6…コイルパターンの溝、 7…Cu膜、 8…ポリ
イミドフィルム、9…樹脂接着剤、 10…液体ガラス。
Claims (4)
- 【請求項1】 絶縁体である第1または第2の磁性体基
板のコイルパターンの溝に形成した導線を覆うようにし
て貼り付け固定するための絶縁体である第2または第1
の磁性体基板との接着剤にガラス材を用い接着してなる
ことを特徴とする平面インダクター。 - 【請求項2】 前記ガラス材は結晶化ガラスもしくは液
体ガラスであることを特徴とする請求項1記載の平面イ
ンダクター。 - 【請求項3】 絶縁体である第1または第2の磁性体基
板に導線を埋め込むためのコイルパターンの溝を形成し
た後、導線を形成する導体膜の形成工程と、前記コイル
パターンの溝以外に形成された導体膜の除去工程と、絶
縁体である第2または第1の磁性体基板にガラス材を形
成する工程と、前記絶縁体である第1または第2の磁性
体基板に形成した導線と前記絶縁体である第2または第
1の磁性体基板に形成したガラス材とを接するように貼
り合わせ固定する工程とからなることを特徴とする平面
インダクターの製造方法。 - 【請求項4】 前記絶縁体である第2または第1の磁性
体基板上に形成するガラス材のうち結晶化ガラスは真空
装置を用いた成膜方法により、液体ガラスは塗布によ
り、それぞれ形成することを特徴とする請求項3記載の
平面インダクターの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1167093A JPH06224042A (ja) | 1993-01-27 | 1993-01-27 | 平面インダクターとその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1167093A JPH06224042A (ja) | 1993-01-27 | 1993-01-27 | 平面インダクターとその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06224042A true JPH06224042A (ja) | 1994-08-12 |
Family
ID=11784427
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1167093A Pending JPH06224042A (ja) | 1993-01-27 | 1993-01-27 | 平面インダクターとその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06224042A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100576877B1 (ko) * | 2004-11-17 | 2006-05-10 | 삼성전기주식회사 | 평면형 인덕터의 제조 방법 |
JP2009033106A (ja) * | 2007-07-27 | 2009-02-12 | Taida Electronic Ind Co Ltd | 磁性素子の製造方法及び磁性素子 |
CN106298157A (zh) * | 2015-06-25 | 2017-01-04 | 威华微机电股份有限公司 | 磁芯电感器的预形体及其量产方法 |
CN110364339A (zh) * | 2018-04-09 | 2019-10-22 | 株式会社村田制作所 | 线圈部件 |
-
1993
- 1993-01-27 JP JP1167093A patent/JPH06224042A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100576877B1 (ko) * | 2004-11-17 | 2006-05-10 | 삼성전기주식회사 | 평면형 인덕터의 제조 방법 |
JP2009033106A (ja) * | 2007-07-27 | 2009-02-12 | Taida Electronic Ind Co Ltd | 磁性素子の製造方法及び磁性素子 |
CN106298157A (zh) * | 2015-06-25 | 2017-01-04 | 威华微机电股份有限公司 | 磁芯电感器的预形体及其量产方法 |
CN110364339A (zh) * | 2018-04-09 | 2019-10-22 | 株式会社村田制作所 | 线圈部件 |
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