JPH06223525A - 浮上型磁気ヘッド装置 - Google Patents

浮上型磁気ヘッド装置

Info

Publication number
JPH06223525A
JPH06223525A JP3257293A JP3257293A JPH06223525A JP H06223525 A JPH06223525 A JP H06223525A JP 3257293 A JP3257293 A JP 3257293A JP 3257293 A JP3257293 A JP 3257293A JP H06223525 A JPH06223525 A JP H06223525A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
slider
magnetic head
head device
flying
magnetic disk
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP3257293A
Other languages
English (en)
Inventor
Naoto Kojima
直人 小島
Shuichi Haga
秀一 芳賀
Mikiya Kurosu
実喜也 黒須
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP3257293A priority Critical patent/JPH06223525A/ja
Publication of JPH06223525A publication Critical patent/JPH06223525A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Adjustment Of The Magnetic Head Position Track Following On Tapes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 スライダー浮上距離の定量化を行い、高密度
記録化への対応を可能とし、コンタクト・スタート・ス
トップ耐久性を向上し、製品寿命を向上する。 【構成】 スライダー1の一対のスライダーレール6,
7を一点鎖線で示されるスライダー中心線C1 に対して
曲げ角度Aを有して形成されるレール部11,12と該
レール部11,12の空気流入端側11a,12aの一
方の側辺11b,12bに沿ってレール部11,12と
同一面を構成するように配される三角板状の平坦部1
3,14より構成し、上記レール部11,12と平坦部
13,14を一体化したものとする。また、一対のスラ
イダーレールの少なくとも一方を曲げ角度を有して形成
し、これら一対のスライダーレールを空気流入端側にお
いて接続しても良い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ハードディスクドライ
ブ装置等に用いられる浮上型磁気ヘッド装置に係わり、
特に磁気ディスク表面に対して微小の間隙をもった状態
で情報の記録再生を行い、起動停止時には磁気ディスク
表面に接するコンタクト・スタート・ストップ型の浮上
型磁気ヘッド装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ハードディスク等に対して情報の記録或
いは再生を行うハードディスクドライブ装置において
は、磁気ヘッドと磁気ディスク表面の接触による摩耗損
傷を避けるために、起動停止時には磁気ヘッドが磁気デ
ィスクに接し、情報の記録再生時には磁気ヘッドが高速
回転する磁気ディスク表面より微小間隙を有して浮上走
行するように構成した、いわゆるコンタクト・スタート
・ストップ型の浮上型磁気ヘッド装置が用いられてい
る。
【0003】上記コンタクト・スタート・ストップ型の
浮上型磁気ヘッド装置は、磁気ディスク対向面にスライ
ダーレールが突出形成され、磁気ディスク表面に発生す
る空気流を受ける面であるエア・ベアリング・サーフェ
スが設けられ、上記スライダーレール間には空気流が流
入するエアグルーブと称される溝部が設けられているス
ライダーに、情報の記録再生を行う磁気ヘッド素子が搭
載されており、スライダーには板バネによって構成され
るサスペンションが支持体として取り付けられ、該サス
ペンションがアクチュエータアームに取り付けられたも
のである。上記アクチュエータアームは、その先端に取
付けられたスライダーを磁気ディスク径方向に移動させ
るものであり、回動軸を中心に回動してスライダーに円
弧状の軌跡を描かせながら磁気ディスク上を移動させる
アクチュエータアーム、いわゆるスイングアーム方式の
アクチュエータアームが一般的である。
【0004】従って、磁気ディスクの回転が停止してい
る時は磁気ヘッド素子の搭載されたスライダーは磁気デ
ィスク表面に接し、磁気ディスクが回転すると、その回
転によって発生する空気流による浮力をエア・ベアリン
グ・サーフェスに受け、かつサスペンションからのバネ
荷重を受けて、これらの力のバランスによって決定され
るスライダー浮上距離を有して磁気ヘッド素子の搭載さ
れたスライダーは浮上する。そして、アクチュエータア
ームの回動によって磁気ディスク面内を径方向に移動し
所定の記録トラックへの情報の記録再生を行う。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで近年では、ハ
ードディスク等の磁気ディスクの記録密度の高密度化が
望まれており、これに応えるためにゾーンビット記録方
式が採用されつつある。上記ゾーンビット記録方式と
は、磁気ディスク上のデータ領域を幾つかのゾーンに分
け、磁気ディスク外周側のゾーンほど高周波数を用いて
記録を行うことにより磁気ディスク全体の記録容量を増
大させるものである。このゾーンビット記録方式による
情報の記録再生を効率良く行うためには、磁気ヘッド素
子を搭載したスライダーの浮上距離を定量化する必要が
ある。ところが、上述のような浮上型磁気ヘッド装置の
スライダーは、その浮上特性はスライダーレールの幅、
すなわちエア・ベアリング・サーフェスの幅によって決
定されており、スライダーレールの幅のみを設計パラメ
ーターとして設計を行い、浮上特性を改善することは非
常に困難である。
【0006】また、上記のようなコンタクト・スタート
・ストップ型の浮上型磁気ヘッド装置においては、前述
のように、起動時及び停止時にスライダーが磁気ディス
ク表面に接しており、起動動作直後或いは停止動作直後
にはスライダーが磁気ディスク表面に摺動することとな
る。この時、スライダー表面及び磁気ディスク表面が非
常に平滑な面であるため、スライダー表面及び磁気ディ
スク表面が摩耗してしまうため、いわゆるコンタクト・
スタート・ストップ耐久性は良好ではない。また、これ
によって、両者の製品寿命が短くなるとともに、摺動に
よって発生する摩耗粉がスライダー表面に付着し、スラ
イダーの浮上性能が低下するといった問題も発生してい
る。
【0007】そこで、磁気ディスク表面にテクスチャ処
理によってある程度(通常、突起高さ数十μm前後)の
粗さを与え、スライダーと磁気ディスクの実質的な接触
面積を抑え、摩擦係数を低下させ、上述のような現象を
防いでいる。また、スライダーレールの空気流入端側に
テーパーと称される斜面を設ける、或いはスライダーを
支持するサスペンションの固着位置(支持点)を若干空
気流流出端側に移動させて、ピッチ角を与えるといった
手法によりスライダーの空気流入端側の浮上が容易に行
われるようにし、スライダーの磁気ディスクとの摺動時
間を短縮することも行われている。
【0008】ところが、このような浮上型磁気ヘッド装
置においては、スライダーの浮上距離の定量化とともに
低浮上距離化が要求されており、磁気ヘッド素子,スラ
イダーの小型化が進んでいる。従って、従来のようにテ
ーパーを設ける、或いはスライダーの支持点を調整して
ピッチ角を与えるといった手法でスライダーと磁気ディ
スクの摺動時間を短縮することは、組み立て精度を考慮
すると難しい。
【0009】そこで本発明は従来の実情に鑑みて提案さ
れたものであり、スライダーの浮上距離が定量化され、
高密度記録化への対応が可能となり、スライダーと磁気
ディスクの摺動時間の短縮によりコンタクト・スタート
・ストップ耐久性が向上され、磁気ヘッド素子,スライ
ダー及び磁気ディスクの製品寿命を向上させることが可
能となされた浮上型磁気ヘッド装置を提供することを目
的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等が鋭意検討し
た結果、スライダーのスライダーレールの形状を改善し
てスライダーに発生する正圧・負圧を制御することによ
って、スライダー浮上距離の定量化,コンタクト・スタ
ート・ストップ耐久性の向上を達成できることを見出し
た。
【0011】すなわち本発明は、磁気ヘッド素子の搭載
されたスライダーと該スライダーを磁気ディスク径方向
に円弧状の軌跡を描いて移動させる移動手段よりなる浮
上型磁気ヘッド装置において、上記スライダーの磁気デ
ィスク対向面に一対のスライダーレールが突出形成され
ており、該スライダーレールは空気流入端側で最大幅を
有し、且つスライダーレールの一方の側辺がスライダー
中心線に対して所定の曲げ角度Aを有し、他方の側辺が
空気流入端側ではスライダー中心線に対して反対方向に
角度Aよりも大きな角度を有し、また所定の位置より上
記一方の側辺と平行となるように形成されていることを
特徴とするものである。
【0012】また本発明は、磁気ヘッド素子の搭載され
たスライダーと該スライダーを磁気ディスク径方向に円
弧状の軌跡を描いて移動させる移動手段よりなる浮上型
磁気ヘッド装置において、上記スライダーの磁気ディス
ク対向面に一対のスライダーレールが突出形成されてお
り、該スライダーレールのうち少なくとも一方がスライ
ダー中心線に対して所定の曲げ角度Aを有して形成さ
れ、かつこれら一対のスライダーレールが空気流入端側
で接続されていることを特徴とするものである。
【0013】さらに本発明においては、上述のような浮
上型磁気ヘッド装置の両者において、スライダーレール
をスライダーの磁気ディスク対向面より0.1μm以上
5μm以下の高さで形成する、或いは曲げ角度Aを1°
≦A≦20°としても良い。
【0014】また本発明においては、前者の浮上型磁気
ヘッド装置において、一対のスライダーレールのスライ
ダーの内周側に形成されるスライダーレールの曲げ角度
1を外周側に形成されるスライダーレールの曲げ角度
2 よりも大きくする、或いはスライダーの内周側に形
成されるスライダーレールの幅を外周側に形成されるス
ライダーレールの幅よりも大きくしても良い。
【0015】さらには、上述のような浮上型磁気ヘッド
装置において、スライダーの空気流出端側にスライダー
レールと同じ高さを有する島状の突出部を形成し、該突
出部の空気流出端面のスライダー中心線上に磁気ヘッド
素子を搭載しても良い。
【0016】ここで、浮上型磁気ヘッド装置の構成例を
図11に示す。図示しない磁気ヘッド素子の搭載された
スライダー31はサスペンション32に取り付けられ、
アクチュエータアーム33に取り付けられている。な
お、上記磁気ヘッド素子は、薄膜ヘッド及びバルクヘッ
ドの何れでも良い。スライダー31は起動時には磁気デ
ィスク34に接しているが、磁気ディスク34の図中R
1 方向の回転により発生する空気流による浮力を受けて
浮上し、サスペンション32のバネ荷重とのバランスに
よって決定されるスライダー浮上距離を有して磁気ディ
スク34に情報の記録再生を行い、停止時には磁気ディ
スク34上に降下する。また磁気ディスク34が図中矢
印R1 方向に回転する時、アクチュエータアーム33は
図中R2 方向に回動し、サスペンション32に取り付け
られたスライダー31を図中矢印Mのように移動させ
て、スライダーに搭載される磁気ヘッド素子を所定の記
録トラック位置へ移動させる。
【0017】次に、従来の浮上型磁気ヘッド装置に用い
られているスライダーの拡大図を図12に示す。該スラ
イダー31は、スライダー31の磁気ディスク対向面3
1aにレール加工が施されて溝深さ20μm以上のエア
グルーブ35が形成され、このエアグルーブ35の両側
にはスライダーレール36,37が突出部として形成さ
れたものである。さらに磁気ヘッド素子38が一方のス
ライダーレール37のエア・ベアリング・サーフェス3
7aと直交する一側面37bに設けられ、磁気ギャップ
が上記エア・ベアリング・サーフェス37aに臨むよう
になされている。また、スライダーレール36,37の
空気流入端側には角度1°以下の斜面であるテーパー3
9,40が形成されている。なお、上記のようなスライ
ダーは一般にテーパーフラットスライダーと称される。
【0018】このようなスライダーが磁気ディスク上を
移動して情報の記録再生を行う際には、前述のように磁
気ディスクの回転によって発生する空気流による浮力を
エア・ベアリング・サーフェスに受けて磁気ディスク上
に浮上し、磁気ディスク上を円弧状の軌跡を描いて移動
する。この時のスライダーの浮上特性には磁気ディスク
の回転線速度とスライダーのスキュー角といった2つの
要因が大きく影響する。
【0019】すなわち、磁気ディスクの外周部における
回転線速度は内周部におけるそれよりも速く、これによ
って発生する浮力は当然のことながら外周部の方が大き
いものとなる。また、上記スキュー角とは、図13に示
すように図中矢印R1 方向に回転する磁気ディスク34
の回転によって発生する空気流の発生方向(図中矢印B
で示す。)と図中一点鎖線で示す磁気ディスク34上を
移動するスライダー31のスライダー中心線C3 とがな
す角θのことであり、スキュー角θはスライダー31が
磁気ディスク34内周部から外周部へ円弧状の軌跡を描
いて移動する際には、初めは大きい角度を有し、その後
減少して次第に0に近づき、また増加する。なお、内周
部におけるスキュー角と外周部におけるスキュー角はス
ライダー中心線に対して反対方向に形成される。
【0020】そこで、磁気ディスクの回転線速度及びス
ライダーのスキュー角とスライダー浮上距離の関係につ
いて調査した。すなわち、磁気ディスク回転線速度を一
定とし、スキュー角を変化させた場合のスライダー浮上
距離の変化を調査した。結果を図14に示す。なお磁気
ディスクの回転線速度を6m/sとした場合を実線、8
m/sとした場合を点線、10m/sとした場合を一点
鎖線、12m/sとした場合を二点鎖線で示す。
【0021】図14の結果を見てわかるように、磁気デ
ィスクの回転線速度が大きくなるにつれ、スライダーの
浮上距離は上昇しており、また各回転線速度においてス
キュー角が0の場合が最もスライダー浮上距離が大き
く、スキュー角の増加に伴いスライダーの浮上距離が減
少している傾向が見られる。これは、スライダーの受け
る浮力がスキュー角に影響されていることを示すもので
あり、スキュー角が0の場合がスライダーのエア・ベア
リング・サーフェスが最も浮力を受けやすく、スキュー
角が増大するに従って浮力を受けにくくなるためであ
る。
【0022】同図中に3タイプのスライダーのスキュー
角とスライダー浮上距離の関係を図中○,△,□で示
す。これらスライダーの使用される条件(磁気ディスク
回転線速度,使用時のスライダーのスキュー角範囲,サ
スペンションのバネ荷重等)は浮上型磁気ヘッド装置の
設計時にすでに決定されており、またスライダーのサイ
ズも決定されるため、スライダーの設計パラメータであ
るスライダーレールの幅にもかなりの制約が生じ、これ
にスライダーの浮上特性も左右される。従って、図中△
で示した場合のように、スライダー使用条件と該条件下
で設計されるスライダーの浮上特性が上手く一致した場
合においては、スライダーの浮上距離を定量化すること
も可能であるが、これは極限られた条件下でのみ達成さ
れる。実際のスライダーの浮上特性は図中○,□で示さ
れるようなものが殆どであり、磁気ディスクの回転線速
度が小さく、且つスライダーのスキュー角の大きい内周
側ではスライダーの浮上距離は小さく、スキュー角の減
少に伴って浮力を受け易くなるためスライダーの浮上距
離は増加し、その後再びスライダーのスキュー角は増加
するものの磁気ディスクの回転線速度が増加するためス
ライダー浮上距離が著しく減少することはない。特に、
最近では図中□で示すような使用時のスキュー角の範囲
の狭い浮上型磁気ヘッド装置が要求されているが、この
スライダーにおいてはスキュー角によってその浮上特性
が大きく左右されていることがわかる。これらの結果よ
り、従来の浮上型磁気ヘッド装置のスライダーの浮上特
性はスキュー角に大きく依存していることがわかる。
【0023】ここで、本発明者等は、スライダー浮上距
離のスキュー角依存性に着目し、スライダー浮上距離の
定量化を図った。前述のように、従来のスライダーにお
いては、スキュー角の増大によってエア・ベアリング・
サーフェスが空気流による浮力を受けにくくなるために
その浮上距離が低下する。この現象は磁気ディスクの回
転線速度が小さく浮力も小さい内周部において顕著であ
る。一方の磁気ディスク外周側においては、スキュー角
の増大によって浮力を受けにくくなるものの磁気ディス
クの回転線速度が大きいことから受ける浮力が大きいた
め、スライダー浮上距離が著しく減少することはない。
【0024】そこで、本発明においては、スライダーの
スライダーレールに所定の曲げ角度を与え、内周部では
空気流による浮力を受け易くし、外周部においては浮力
を受けにくくした。すなわち、磁気ヘッド素子の搭載さ
れたスライダーと該スライダーを磁気ディスク径方向に
円弧状の軌跡を描いて移動させる移動手段よりなる浮上
型磁気ヘッド装置において、上記スライダーの磁気ディ
スク対向面に一対のスライダーレールを突出形成し、該
スライダーレールを空気流入端側で最大幅を有するよう
にし、且つスライダーレールの一方の側辺がスライダー
中心線に対して所定の曲げ角度Aを有し、他方の側辺が
空気流入端側ではスライダー中心線に対して反対方向に
角度Aよりも大きな角度を有し、また所定の位置より上
記一方の側辺と平行となるように形成するものである。
言い換えれば、図15に示すようにスライダー1の一対
のスライダーレール6,7を図中一点鎖線で示されるス
ライダー中心線C1 に対して所定の曲げ角度A1 ,A2
を有して形成されたレール部11,12と該レール部1
1,12の空気流入端側11a,12aの一方の側辺に
沿ってレール部と同一面を構成するように配される三角
形板状の平坦部13,14より構成し、上記レール部1
1,12と平坦部13,14を一体化したものとした。
【0025】このようなスライダーが磁気ディスク上を
移動して情報の記録再生を行う際には、従来のスライダ
ーと同様に磁気ディスクの回転によって発生する空気流
による浮力をエア・ベアリング・サーフェスに受けて磁
気ディスク上に浮上し、磁気ディスク上を円弧状の軌跡
を描いて移動する。上記スライダーが磁気ディスクの内
周部にある際には、図15中に示すように図中矢印Bで
示される方向に発生する空気流は、スライダーの中心線
に対して所定の曲げ角度A1 ,A2 を有して配されるス
ライダーレール6,7のレール部11,12の内周側側
辺11b,12bにぶつかることになり大きな正圧が発
生する。従来のスライダーにおいてはスライダーレール
はスライダー中心線に対して平行に形成されており、空
気流の発生方向となす角が大きく、正圧はあまり発生し
ない。従って、上記のようなスライダーは、磁気ディス
ク内周部において従来のスライダーよりも大きなスライ
ダー浮上距離を有する。なお、スキュー角が大きくなる
程、空気流の発生方向とスライダーレールが直交するよ
うな状態に近づき発生する正圧も大きくなる。一方、磁
気ディスク外周部においては、従来のスライダーよりも
スライダーレール6,7が空気流の発生方向Bとなす角
が大きくなり、空気流が外周側のスライダーレール6,
7のレール部11,12の側辺11c,12cにぶつか
りにくくなるため、従来のスタイダーよりもスライダー
浮上距離が小さくなる。また、スライダーレールの平坦
部13,14の側辺13a,14aと空気流の発生方向
のなす角が大きいことからこの部分で負圧が発生し、こ
れによってもスライダー浮上距離が小さくなる。なお、
この負圧の大きさはスライダーレール6,7間に形成さ
れる負圧溝5の深さによって決定されるため、この深さ
を最適化することによって更なる定量化を図ることが可
能である。従って、上記のように磁気ディスクの内外周
において発生する正負圧を調整し、スライダー浮上距離
を適宜調整することによって、スライダー浮上距離の定
量化を達成することが可能である。
【0026】なお、このようなスライダー1の一対のス
ライダーレール6,7のうち、磁気ディスクの内周側に
配されるスライダーレール6の曲げ角度A1 を外周側に
配されるスライダーレール7の曲げ角度A2 よりも大き
いものとする、或いはスライダーレール6の幅をスライ
ダーレール7の幅よりも大きいものとする(好ましくは
10〜200μm大きいものとする。)ことによって上
述のような効果を更に高めることができる。
【0027】また、上述のようにスライダーのスライダ
ーレールに所定の曲げ角度を与え、内周部では空気流に
よる浮力を受け易くし、外周部においては浮力を受けに
くくするためには、磁気ヘッド素子の搭載されたスライ
ダーと該スライダーを磁気ディスク径方向に円弧状の軌
跡を描いて移動させる移動手段よりなる浮上型磁気ヘッ
ド装置において、上記スライダーの磁気ディスク対向面
に一対のスライダーレールを突出形成し、該スライダー
レールのうち少なくとも一方をスライダー中心線に対し
て所定の曲げ角度Aを有して形成し、かつこれら一対の
スライダーレールを空気流入端側で接続しても良い。す
なわち、スライダーレールを図16に示されるような形
状としても良く、スライダー21の一対のスライダーレ
ール26,27の少なくとも一方のスライダーレール2
7を図中一点鎖線で示されるスライダー中心線C2 に対
して所定の曲げ角度Aを有して形成し、、かつこれら一
対のスライダーレール26,27の空気流入端側の端部
を接続するようにスライダーレール26,27と同一面
を構成する板状の平坦部31を形成し、スライダーレー
ル26,27と平坦部31が一体化された形状としても
良い。
【0028】このようなスライダーにおいても前述のス
ライダーと同様の効果が得られ、上記スライダーが磁気
ディスクの内周部にある際には、図16中に示すように
図中矢印Bで示される方向に発生する空気流は、スライ
ダーの中心線C2 に対して所定の曲げ角度Aを有して配
されるスライダーレール27の内周側側辺27bにぶつ
かることになり大きな正圧が発生し、従来のスライダー
よりも大きなスライダー浮上距離が得られる。一方、磁
気ディスク外周部においては、従来のスライダーよりも
スライダーレール27が空気流の発生方向Bとなす角が
大きくなり、空気流が外周側のスライダーレール27の
側辺27cにぶつかりにくくなるため、従来のスタイダ
ーよりもスライダー浮上距離が小さくなる。また、スラ
イダーレールの平坦部31の側辺31aと空気流の発生
方向のなす角が大きいことから負圧が発生し、これによ
ってもスライダー浮上距離が小さくなる。なお、この負
圧の大きさはスライダーレール26,27間に形成され
る負圧溝25の深さによって決定されるため、この深さ
を最適化することによって更なる定量化を図ることが可
能である。従って、このスライダーにおいても発生する
正負圧を調整し、スライダー浮上距離を適宜調整するこ
とによって、スライダー浮上距離の定量化を達成するこ
とが可能である。
【0029】なお、近年では、浮上型磁気ヘッド装置の
設計上の理由から、スライダー浮上距離が内周側で増加
し、外周側で減少するスキュー角範囲で使用される可能
性もあるが、本発明によれば、このような場合において
も発生する正負圧を調整し、スライダー浮上距離を適宜
調整し、スライダー浮上距離の定量化を図ることが可能
である。
【0030】また、本発明の浮上型磁気ヘッド装置にお
いては、スライダーの空気流流入端側に三角形板状の平
坦部或いはスライダーレールの空気流入端側端部を接続
する板状の平坦部が形成されているため、これらが従来
のスライダーのテーパーと同様の役割を果たし、スライ
ダーにピッチ角を与え、スライダーの空気流入端側の浮
上が容易に行われるようにし、スライダーの磁気ディス
クとの摺動時間を短縮する。
【0031】また、本発明の浮上型磁気ヘッド装置にお
いて、スライダーレールのスライダーの磁気ディスク対
向面からの高さが0.1μm未満であると、充分な正
圧,負圧を発生させることが出来ず、5μmよりも大で
あると、スライダーレール面を流れる空気流と負圧溝を
流れる空気流は互いに影響を及ぼさなくなり、正圧,負
圧が発生しなくなってしまう。さらに、曲げ角度Aが1
°未満であると効果が得られず、20°よりも大である
とスライダに発生するロール角が大きくなり、浮上時の
スライダーが磁気ディスクに接触する可能性が高くな
り、スライダー浮上特性が損なわれる。
【0032】
【作用】本発明においては、磁気ヘッド素子の搭載され
たスライダーと該スライダーを磁気ディスク径方向に円
弧状の軌跡を描いて移動させる移動手段よりなる浮上型
磁気ヘッド装置において、上記スライダーの磁気ディス
ク対向面に一対のスライダーレールが突出形成されてお
り、該スライダーレールは空気流入端側で最大幅を有
し、且つスライダーレールの一方の側辺がスライダー中
心線に対して所定の曲げ角度Aを有し、他方の側辺が空
気流入端側ではスライダー中心線に対して反対方向に角
度Aよりも大きな角度を有し、また所定の位置より上記
一方の側辺と平行となるように形成されているため、磁
気ディスク回転線速度やスキュー角の影響を打ち消すよ
うに正圧,負圧を適宜発生させることが可能であり、ス
ライダー浮上距離の定量化が可能である。
【0033】また本発明は、磁気ヘッド素子の搭載され
たスライダーと該スライダーを磁気ディスク径方向に円
弧状の軌跡を描いて移動させる移動手段よりなる浮上型
磁気ヘッド装置において、上記スライダーの磁気ディス
ク対向面に一対のスライダーレールが突出形成されてお
り、該スライダーレールのうち少なくとも一方がスライ
ダー中心線に対して所定の曲げ角度Aを有して形成さ
れ、かつこれら一対のスライダーレールが空気流入端側
で接続されるため、磁気ディスク回転線速度やスキュー
角の影響を打ち消すように正圧,負圧を適宜発生させる
ことが可能であり、スライダー浮上距離の定量化が可能
である。
【0034】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例について実験結
果に基づいて説明する。実験例 1 本実験例においては、磁気ディスク対向面に一対のスラ
イダーレールが突出形成されており、該スライダーレー
ルは空気流入端側で最大幅を有し、且つスライダーレー
ルの一方の側辺がスライダー中心線に対して所定の曲げ
角度Aを有し、他方の側辺が空気流入端側ではスライダ
ー中心線に対して反対方向に角度Aよりも大きな角度を
有し、また所定の位置より上記一方の側辺と平行となる
ように形成されているスライダーを形成し、これを用い
た浮上型磁気ヘッド装置のスライダー浮上特性を調査し
た。
【0035】本実験例で作製したスライダーの形状及び
寸法を図1に示す。該スライダー1は、磁気ディスク対
向面1a上に一対のスライダーレール6,7を突出形成
したものであり、上記スライダーレール6,7は図中矢
印一点鎖線で示すスライダー1中心線C1 に対して曲げ
角度A(本実験例においては5°)を有するレール部1
1,12と該レール部11,12の空気流入端側11
a,12aの一方の側辺11b,12bに沿ってレール
部11,12と同一面を構成するように配される三角形
板状の平坦部13,14よりなり、上記レール部11,
12と平坦部13,14は一体化されている。なお、ス
ライダーレール6,7間には負圧溝5が形成されてい
る。また、スライダーレール6,7の空気流入端側には
段差部4が設けられている。さらに、スライダー1の空
気流出端側にはスライダーレール6,7と同一面を形成
するような突出部15が形成され、図2に示されるよう
に磁気ヘッド素子8が磁気ディスク対向面1aと直交す
る一側面1bに設けられ、磁気ギャップが上記突出部1
5の磁気ディスク対向面15aに臨むようになされてい
る。なお、これらの寸法は図1中に示した通りである。
また、本実験例のスライダーにおいては、上記突出部1
5は長方形であるが、これは三角形や曲面形状としても
良く、スライダーと磁気ディスクの摺動により発生する
摩耗粉等の付着,滞留を防止しても良い。
【0036】このようなスライダーを以下のような製造
工程を経て作製した。すなわち、アルチック材製のスラ
イダーチップの磁気ディスク対向面全体にウレタン系レ
ジスト材を塗布し、スライダーレール及び磁気ヘッド素
子搭載用の突出部のみにマスキングを施し、紫外線によ
り光硬化させて、硬化後現像液によって未硬化部分を除
去することによってスライダー表面の必要な箇所にレジ
ストマスクを形成する。このスライダーチップの負圧溝
にあたる部分をイオンミリング法によって除去し、負圧
溝を形成した。
【0037】このようにして作製されたスライダーを浮
上型磁気ヘッド装置に搭載し、該浮上型磁気ヘッド装置
のスライダー浮上特性の評価を行った。先ず、スキュー
角とスライダー浮上距離の関係について調査を行った。
すなわち、磁気ディスク内周側を負のスキュー角を有す
る領域とし、外周側を正のスキュー角を有する領域と想
定し、磁気ディスクの回転線速度を一定とした場合のス
キュー角の変化に対するスライダー浮上距離の変化の測
定を行った。結果を図3に示す。なお、図3中□は磁気
ディスク回転線速度16m/sの場合、+は磁気ディス
ク回転線速度20m/sの場合のデータを示す。図3の
結果を見てわかるように、上記のようなスライダーを用
いた浮上型磁気ヘッド装置においては、負のスキュー角
を有する磁気ディスク内周側においてスライダー浮上距
離が大きく、正のスキュー角を有する磁気ディスク外周
側においてはスライダー浮上距離が小さくなっている。
なお、図中には示さないが、本実験例のスライダーと同
等のスライダーレール幅を有する従来のテーパーフラッ
トスライダーを用いて本実験例と同様に磁気ディスク回
転線速度を一定としてスキュー角の変化に対するスライ
ダー浮上距離の変化の測定を行ったところ、負のスキュ
ー角を有する磁気ディスク内周側におけるスライダー浮
上距離は、本実験例のスライダーよりも格段に小さく、
正のスキュー角を有する磁気ディスク外周側におけるス
ライダー浮上距離は本実験例のスライダーよりも若干小
さなものとなった。すなわち、本実験例のスライダーを
用いた浮上型磁気ヘッド装置においては、従来の浮上型
磁気ヘッド装置に見られるような磁気ディスクの内外周
のスキュー角、磁気ディスクの内外周における回転線速
度の差による浮力の差に起因するスライダー浮上距離の
差を相殺するような浮上特性が得られ、本実験例の浮上
型磁気ヘッド装置においてはスライダー浮上距離の定量
化が達成されるものと推察される。
【0038】そこで、本実験例の浮上型磁気ヘッド装置
と従来の浮上型磁気ヘッド装置のスライダー浮上特性を
実際に測定し、比較を行った。スライダーとしては、前
記したスライダーとこれと同等のスライダーレール幅を
有する従来のテーパーフラットスライダーを用いた。結
果を図4に示す。図4中□は本実験例の浮上型磁気ヘッ
ド装置のスライダー浮上距離を示し、図4中+は従来の
浮上型磁気ヘッド装置のスライダー浮上距離を示す。図
4の結果を見てわかるように、本実験例の浮上型磁気ヘ
ッド装置においては、従来の浮上型磁気ヘッド装置では
達成されなかったスライダー浮上距離の定量化が達成さ
れていることが確認された。
【0039】次いで、これらの浮上型磁気ヘッド装置の
コンタクト・スタート・ストップ耐久性を比較するため
に、起動時の磁気ディスク回転線速度と両者のスライダ
ーに与えられるピッチ角の関係を調査した。結果を図5
に示す。図5中□は本実験例の浮上型磁気ヘッド装置の
結果を示し、図5中×は従来の浮上型磁気ヘッド装置の
結果を示す。図5の結果を見て明らかなように、本実験
例の浮上型磁気ヘッド装置に与えられるピッチ角は従来
の浮上型磁気ヘッド装置と比較して格段に大きく、コン
タクト・スタート・ストップ耐久性が大幅に向上されて
いることが確認された。従って、従来の浮上型磁気ヘッ
ド装置に用いられるテーパーフラットスライダーのテー
パー以上の効果を本実験例の浮上型磁気ヘッド装置のス
ライダーの三角板状の平坦部13,14及びスライダー
レールの空気流入端側に設けられる段差部4が有するこ
とが確認された。
【0040】実験例 2 本実験例においては、磁気ディスク対向面に一対のスラ
イダーレールが突出形成されており、該スライダーレー
ルのうち少なくとも一方がスライダー中心線に対して所
定の曲げ角度Aを有して形成され、かつこれら一対のス
ライダーレールが空気流入端側で接続されているスライ
ダーを形成し、これを用いた浮上型磁気ヘッド装置のス
ライダー浮上特性を調査した。
【0041】本実験例において作製したスライダーの形
状及び寸法を図6に示す。該スライダー21は、磁気デ
ィスク対向面21a上に一対のスライダーレール26,
27を突出形成したものであり、上記スライダーレール
26はスライダー21中心線C2 に対して曲げ角度A
(本実験例においては5°)を有して形成される。ま
た、これら一対のスライダーレール26,27の空気流
入端側の端部にはスライダーレール26,27と同一面
を形成する平坦部31が形成されており、スライダーレ
ール26,27と平坦部31は一体化されている。な
お、スライダーレール26,27間には負圧溝25が形
成されており、スライダーレール26,27と平坦部3
1は一体化されている。また、スライダーレール26,
27の空気流入端側には段差部24が形成されている。
さらに、スライダー21の空気流流出端側にはスライダ
ーレール26,27と同一面を形成するような突出部3
5が形成され、図7に示されるように磁気ヘッド素子2
8が磁気ディスク対向面21aと直交する一側面21b
に設けられ、磁気ギャップが上記突出部35の磁気ディ
スク対向面35aに臨むようになされている。なお、こ
れらの寸法は図6中に示した通りである。
【0042】このようなスライダーを実験例1で示した
工程と同様の工程によって作製した。そして上記スライ
ダーを用いた浮上型磁気ヘッド装置のスライダー浮上特
性の評価を実験例1と同様に行った。
【0043】先ず、スキュー角とスライダー浮上距離の
関係について実験例1と同様に調査を行った。結果を図
8に示す。なお、図8中□は磁気ディスク回転線速度1
6m/sの場合、+は磁気ディスク回転線速度20m/
sの場合のデータを示す。図8の結果を見てわかるよう
に、上記のようなスライダーを用いた浮上型磁気ヘッド
装置においては、負のスキュー角を有する磁気ディスク
内周側においてスライダー浮上距離が大きく、正のスキ
ュー角を有する磁気ディスク外周側においてはスライダ
ー浮上距離が小さくなっている。なお、図中には示さな
いが、本実験例のスライダーと同等のスライダーレール
幅を有する従来のテーパーフラットスライダーを用いて
本実験例と同様に磁気ディスクの回転線速度を一定とし
てスキュー角の変化に対するスライダー浮上距離の変化
の測定を行ったところ、負のスキュー角を有する磁気デ
ィスク内周側におけるスライダー浮上距離は、本実験例
のスライダーよりも格段に小さく、正のスキュー角を有
する磁気ディスク外周側におけるスライダー浮上距離は
本実験例のスライダーよりも若干小さなものとなった。
すなわち、本実験例のスライダーを用いた浮上型磁気ヘ
ッド装置においては、従来の浮上型磁気ヘッド装置に見
られるような磁気ディスクの内外周のスキュー角、磁気
ディスクの内外周における回転線速度の差による浮力の
差に起因するスライダー浮上距離の差を相殺するような
浮上特性が得られ、本実験例の浮上型磁気ヘッド装置に
おいてはスライダー浮上距離の定量化が達成されるもの
と推察される。
【0044】そこで、本実験例の浮上型磁気ヘッド装置
と従来の浮上型磁気ヘッド装置のスライダー浮上特性を
実際に測定し、比較を行った。スライダーとしては、前
記したスライダーとこれと同等のスライダーレール幅を
有する従来のテーパーフラットスライダーを用いた。結
果を図9に示す。図9中□は本実験例の浮上型磁気ヘッ
ド装置のスライダー浮上距離を示し、図9中+は従来の
浮上型磁気ヘッド装置のスライダー浮上距離を示す。図
9の結果を見てわかるように、本実験例の浮上型磁気ヘ
ッド装置においては、従来の浮上型磁気ヘッド装置では
達成されなかったスライダー浮上距離の定量化が達成さ
れていることが確認された。
【0045】次いで、これらの浮上型磁気ヘッド装置の
コンタクト・スタート・ストップ耐久性を比較するため
に、起動時の磁気ディスク回転線速度と両者のスライダ
ーに与えられるピッチ角の関係を調査した。結果を図1
0に示す。図10中□は本実験例の浮上型磁気ヘッド装
置の結果を示し、図10中×は従来の浮上型磁気ヘッド
装置の結果を示す。図10の結果を見て明らかなよう
に、本実験例の浮上型磁気ヘッド装置に与えられるピッ
チ角は従来の浮上型磁気ヘッド装置と比較して格段に大
きく、コンタクト・スタート・ストップ耐久性が大幅に
向上されていることが確認された。従って、従来の浮上
型磁気ディスク装置に用いられるテーパーフラットスラ
イダーのテーパー以上の効果を本実験例の浮上型磁気ヘ
ッド装置のスライダーのスライダーレールの空気流入端
側の端部を接続する平坦部及びスライダーレールの空気
流入端側に形成される段差部が有することが確認され
た。
【0046】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明においては、磁気ヘッド素子の搭載されたスライダー
と該スライダーを磁気ディスク径方向に円弧状の軌跡を
描いて移動させる移動手段よりなる浮上型磁気ヘッド装
置において、上記スライダーの磁気ディスク対向面に一
対のスライダーレールが突出形成されており、該スライ
ダーレールは空気流入端側で最大幅を有し、且つスライ
ダーレールの一方の側辺がスライダー中心線に対して所
定の曲げ角度Aを有し、他方の側辺は空気流入端側では
スライダー中心線に対して反対方向に角度Aよりも大き
な角度を有し、また所定の位置より上記一方の側辺と平
行となるように形成されるため、磁気ディスク回転線速
度やスキュー角の影響を打ち消すように正圧,負圧を適
宜発生させることが可能であり、スライダー浮上距離の
定量化が可能であり、高密度記録化への対応が可能であ
る。近年では、設計上の都合上から、使用するスキュー
角範囲がかなり狭い場合もあるが、このような場合にお
いても正圧,負圧を適宜発生させることによってスライ
ダー浮上距離の定量化を図ることが可能である。
【0047】また本発明は、磁気ヘッド素子の搭載され
たスライダーと該スライダーを磁気ディスク径方向に円
弧状の軌跡を描いて移動させる移動手段よりなる浮上型
磁気ヘッド装置において、上記スライダーの磁気ディス
ク対向面に一対のスライダーレールが突出形成されてお
り、該スライダーレールのうち少なくとも一方がスライ
ダー中心線に対して所定の曲げ角度Aを有して形成さ
れ、かつこれら一対のスライダーレールが空気流入端側
で接続されるため、磁気ディスク回転線速度やスキュー
角の影響を打ち消すように正圧,負圧を適宜発生させる
ことが可能であり、スライダー浮上距離の定量化が可能
であり、高密度記録化への対応が可能である。近年で
は、設計上の都合上から、使用するスキュー角範囲がか
なり狭い場合もあるが、このような場合においても正
圧,負圧を適宜発生させることによってスライダー浮上
距離の定量化を図ることが可能である。
【0048】また、このような浮上型磁気ヘッド装置に
おいては、スライダーレールの空気流入端側のスライダ
ーレールの面積を大きくしていることから、起動時のス
ライダーに十分なピッチ角を与えることができ、スライ
ダーと磁気ディスクの摺動時間の短縮によりコンタクト
・スタート・ストップ耐久性を向上させることが可能で
ある。さらには、本発明においては、外乱に対する追随
性が向上するため、情報の記録再生時の信頼性が向上す
る。
【0049】さらに本発明においては、上述のような浮
上型磁気ヘッド装置の両者において、スライダーレール
をスライダーの磁気ディスク対向面より0.1μm以上
5μm以下の高さで形成する、或いは曲げ角度Aを1°
≦A≦20°としても良く、このようなスライダーレー
ルは真空エッチングによって形成されるため、加工時間
が短く、量産性も良好で、その工業的価値は非常に高
い。
【0050】また本発明においては、前者の浮上型磁気
ヘッド装置において、一対のスライダーレールのスライ
ダーの内周側に形成されるスライダーレールの曲げ角度
1を外周側に形成されるスライダーレールの曲げ角度
2 よりも大きくする、或いはスライダーの内周側に形
成されるスライダーレールの幅を外周側に形成されるス
ライダーレールの幅よりも大きくしても良く、これによ
りスライダーに正圧,負圧を更に効果的に発生させるこ
とが可能である。
【0051】さらには、上述のような浮上型磁気ヘッド
装置において、スライダーの空気流出端側にスライダー
レールと同じ高さを有する島状の突出部を形成し、該突
出部の空気流出端面のスライダー中心線上に磁気ヘッド
素子を搭載しても良く、スライダーレールの加工精度を
比較的緩くすることが可能であり、量産時の歩留りを向
上することが可能であり、その工業的価値は非常に高
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】実験例1で作製したスライダーを示す平面図で
ある。
【図2】実験例1で作製したスライダーを示す斜視図で
ある。
【図3】実験例1で作製したスライダーを使用した浮上
型磁気ヘッド装置のスライダーのスキュー角とスライダ
ー浮上距離の関係を示す図である。
【図4】実験例1で作製したスライダーを使用した浮上
型磁気ヘッド装置と従来の浮上型磁気ヘッド装置のスラ
イダー浮上特性を示す図である。
【図5】実験例1で作製したスライダーを使用した浮上
型磁気ヘッド装置と従来の浮上型磁気ヘッド装置の起動
時の磁気ディスク回転線速度とスライダーに与えられる
ピッチ角の関係を示す図である。
【図6】実験例2で作製したスライダーを示す平面図で
ある。
【図7】実験例2で作製したスライダーを示す斜視図で
ある。
【図8】実験例2で作製したスライダーを使用した浮上
型磁気ヘッド装置のスライダーのスキュー角とスライダ
ー浮上距離の関係を示す図である。
【図9】実験例2で作製したスライダーを使用した浮上
型磁気ヘッド装置と従来の浮上型磁気ヘッド装置のスラ
イダー浮上特性を示す図である。
【図10】実験例2で作製したスライダーを使用した浮
上型磁気ヘッド装置と従来の浮上型磁気ヘッド装置の起
動時の磁気ディスク回転線速度とスライダーに与えられ
るピッチ角の関係を示す図である。
【図11】浮上型磁気ヘッド装置の一構成例を示す模式
図である。
【図12】従来の浮上型磁気ヘッド装置に使用されるテ
ーパーフラットスライダーを示す斜視図である。
【図13】従来の浮上型磁気ヘッド装置のスライダーに
生じるスキュー角を示す模式図である。
【図14】従来の浮上型磁気ヘッド装置のスライダー浮
上特性を示す図である。
【図15】本発明を適用した浮上型磁気ヘッド装置のス
ライダーの一例と磁気ディスクの回転によって発生する
空気流の発生方向との関係を示す模式図である。
【図16】本発明を適用した浮上型磁気ヘッド装置のス
ライダーの他の例と磁気ディスクの回転によって発生す
る空気流の発生方向との関係を示す模式図である。
【符号の説明】
1,21・・・・・・・・・・スライダー 4,24・・・・・・・・・・段差部 5,25・・・・・・・・・・負圧溝 6,7,26,27・・・・・スライダーレール 8,28・・・・・・・・・・磁気ヘッド素子 11,12・・・・・・・・・レール部 13,14,31・・・・・・平坦部 15,35・・・・・・・・・突出部

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気ヘッド素子の搭載されたスライダー
    と該スライダーを磁気ディスク径方向に円弧状の軌跡を
    描いて移動させる移動手段よりなる浮上型磁気ヘッド装
    置において、 上記スライダーの磁気ディスク対向面に一対のスライダ
    ーレールが突出形成されており、該スライダーレールは
    空気流入端側で最大幅を有し、且つスライダーレールの
    一方の側辺がスライダー中心線に対して所定の曲げ角度
    Aを有し、他方の側辺が空気流入端側ではスライダー中
    心線に対して反対方向に角度Aよりも大きな角度を有
    し、また所定の位置より上記一方の側辺と平行となるよ
    うに形成されていることを特徴とする浮上型磁気ヘッド
    装置。
  2. 【請求項2】 磁気ヘッド素子の搭載されたスライダー
    と該スライダーを磁気ディスク径方向に円弧状の軌跡を
    描いて移動させる移動手段よりなる浮上型磁気ヘッド装
    置において、 上記スライダーの磁気ディスク対向面に一対のスライダ
    ーレールが突出形成されており、該スライダーレールの
    うち少なくとも一方がスライダー中心線に対して所定の
    曲げ角度Aを有して形成され、かつこれら一対のスライ
    ダーレールが空気流入端側で接続されていることを特徴
    とする浮上型磁気ヘッド装置。
  3. 【請求項3】 スライダーレールがスライダーの磁気デ
    ィスク対向面より0.1μm以上5μm以下の高さで形
    成されていることを特徴とする請求項1または2記載の
    浮上型磁気ヘッド装置。
  4. 【請求項4】 曲げ角度Aが1°≦A≦20°であるこ
    とを特徴とする請求項1または2記載の浮上型磁気ヘッ
    ド装置。
  5. 【請求項5】 一対のスライダーレールのスライダーの
    内周側に形成されるスライダーレールの曲げ角度A1
    外周側に形成されるスライダーレールの曲げ角度A2
    りも大きいことを特徴とする請求項1記載の浮上型磁気
    ヘッド装置。
  6. 【請求項6】 一対のスライダーレールのスライダーの
    内周側に形成されるスライダーレールの幅が外周側に形
    成されるスライダーレールの幅よりも大きいことを特徴
    とする請求項1記載の浮上型磁気ヘッド装置。
  7. 【請求項7】 スライダーの空気流出端側にスライダー
    レールと同じ高さを有する島状の突出部が形成され、該
    突出部の空気流出端面のスライダー中心線上に磁気ヘッ
    ド素子が搭載されていることを特徴とする請求項1また
    は2記載の浮上型磁気ヘッド装置。
JP3257293A 1993-01-29 1993-01-29 浮上型磁気ヘッド装置 Withdrawn JPH06223525A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3257293A JPH06223525A (ja) 1993-01-29 1993-01-29 浮上型磁気ヘッド装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3257293A JPH06223525A (ja) 1993-01-29 1993-01-29 浮上型磁気ヘッド装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06223525A true JPH06223525A (ja) 1994-08-12

Family

ID=12362617

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3257293A Withdrawn JPH06223525A (ja) 1993-01-29 1993-01-29 浮上型磁気ヘッド装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06223525A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5754367A (en) * 1997-05-19 1998-05-19 Read-Rite Corporation Air bearing slider having etched and shaped leading edge taper
US5973880A (en) * 1996-11-25 1999-10-26 Hitachi, Ltd. Negative pressure flying head slider having improved side rails construction
US6128162A (en) * 1997-06-26 2000-10-03 Fujitsu Limited Head slider with constant flying height over sliding range
KR100496191B1 (ko) * 1998-02-26 2005-09-05 삼성전자주식회사 직각삼각형 에이비에스를 갖는 헤드

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5973880A (en) * 1996-11-25 1999-10-26 Hitachi, Ltd. Negative pressure flying head slider having improved side rails construction
US5754367A (en) * 1997-05-19 1998-05-19 Read-Rite Corporation Air bearing slider having etched and shaped leading edge taper
US6128162A (en) * 1997-06-26 2000-10-03 Fujitsu Limited Head slider with constant flying height over sliding range
KR100496191B1 (ko) * 1998-02-26 2005-09-05 삼성전자주식회사 직각삼각형 에이비에스를 갖는 헤드

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5771570A (en) Method of manufacturing a slider/suspension having an improved crown sensitivity
US6490135B1 (en) Disc drive assembly having side rail-channeled air bearing for ramp load-unload applications
JPS61278087A (ja) 磁気ヘツド・スライダ
US6956719B2 (en) Self-correcting disc head slider
JP2005302262A (ja) 高密度磁気記録用スライダ、ディスクドライブおよびスライダの形成方法
JP3243698B2 (ja) 負圧利用浮動ヘッドスライダ及び回転円板記憶装置
JPH06223525A (ja) 浮上型磁気ヘッド装置
JPH1064034A (ja) 浮上型ヘッドスライダ及び磁気ディスク装置
US5910865A (en) Slider having terminated side rails with trailing edge cuts
JP3050998B2 (ja) 磁気ディスク
US6292332B1 (en) Compliant air bearing slider with wide midpoint rails for reliable proximity recording
JPH11144418A (ja) 浮上型ヘッドスライダ及び磁気ディスク装置
JP2005293701A (ja) ディスク装置のヘッドスライダ
US6597536B2 (en) Magnetic head slider
JPH08227513A (ja) 磁気ヘッドスライダ
JPH07111054A (ja) 浮上式磁気ヘッド
US6349019B1 (en) Magnetic head device with constant head floating height
JP3064634B2 (ja) ディスクドライブ装置
JPH06111508A (ja) 磁気ヘッド
JPH09115258A (ja) 浮上型ヘッドスライダ
JP2902521B2 (ja) 磁気ディスクおよび磁気ヘッドならびに磁気記録装置
JP3275484B2 (ja) 浮上式磁気ヘッドとスライダーの浮上方法
JPH08339524A (ja) 磁気ヘッドスライダ及びこれを用いた磁気ヘッド装置
JPH04355292A (ja) 浮上型磁気ヘッド装置
JPH07153069A (ja) 磁気ディスク

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20000404