JP3064634B2 - ディスクドライブ装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、コンピューター等に組
み込まれ、情報の記録及び再生を行うディスクドライブ
装置に関するもので、詳細には磁気ディスクの形状に関
する。

【０００２】

【従来の技術】コンピューター等に組み込まれ、情報の
記録及び再生を行うディスクドライブ装置においては、
当然のことながら、情報の記録媒体である磁気ディスク
とこれに情報の記録及び再生を行う磁気ヘッドより構成
されている。

【０００３】この時、磁気ヘッドとしては、磁気ヘッド
と磁気ディスクとの接触による摩耗損傷を避けるため
に、起動停止時には磁気ヘッドが磁気ディスクに接し、
情報の記録再生時には高速回転する磁気ディスク表面よ
り微小間隙をもって浮上走行させるように構成した、い
わゆるコンタクト・スタート・ストップ型の浮上磁気ヘ
ッドが用いられている。

【０００４】上記コンタクト・スタート・ストップ型の
浮上磁気ヘッドは、磁気ディスク表面に発生する空気流
を受ける面であるエア・ベアリング・サーフェスを有す
るスライダー部と情報の記録再生を行うヘッド部とを一
体的に構成し、スライダー部に支持体を取りつけたもの
である。よって、磁気ディスクの回転が停止している時
は磁気ヘッドと一体的に構成されたスライダーは磁気デ
ィスク表面に接し、磁気ディスクが回転すると、その回
転によって発生する空気流をエア・ベアリング・サーフ
ェスに受け、スライダーと一体的に構成された磁気ヘッ
ドは浮上し、支持体によって磁気ディスク面上を移動
し、所定の記録トラックへの情報の記録或いは再生を行
うものである。

【０００５】前述のように、コンタクト・スタート・ス
トップ型の浮上磁気ヘッドにおいては、起動及び停止時
にスライダーが磁気ディスク表面に接しており、起動動
作直後或いは停止動作直後には磁気ヘッドが磁気ディス
ク表面に摺動することとなる。この時、スライダー，磁
気ディスク表面があまり平滑な面であると、両面間に密
着が起こりやすく、スライダー表面及び磁気ディスク表
面が摩耗し、製品寿命が短くなると共に、摺動によって
発生する摩耗粉がスライダー表面に付着し、スライダー
の浮上性能が低下してしまう。そこで、磁気ディスク表
面にテクスチャ処理によってある程度の粗さ（通常、突
起高さ数十ｎｍ前後）の粗さを与え、スライダーと磁気
ディスクの接触面積を抑え、上述のような現象を防いで
いる。

【０００６】ところで、高密度記録の要求に伴い、記録
媒体の改良だけでなく、この記録媒体に対応し得るディ
スクドライブ装置の小型化や高密度大容量化が求められ
ており、これに伴い、特にスライダーの低浮上化が進め
られ、サブミクロン浮上を目指した研究も盛んに行われ
ている。このようなスライダーの低浮上化を実現するた
めには、スライダー，磁気ディスクの表面性が大きな問
題となり、更に高度な平滑性が要求されることとなる。

【０００７】ところが、前述のようなコンタクト・スタ
ート・ストップ型の浮上磁気ヘッドにおいては、スライ
ダー，磁気ディスク表面があまり平滑な面であると、起
動及び停止時に両面間の密着，摩耗が起こりやすいた
め、これらの現象を防ぐためにテクスチャ処理を施して
おり、コンタクト・スタート・ストップ型の浮上磁気ヘ
ッド，磁気ディスク表面に高度な平滑性を要求すること
は不可能である。よって、コンタクト・スタート・スト
ップ型の浮上磁気ヘッドにおける低浮上化は非常に困難
なものと思われる。

【０００８】さらには、ディスクドライブ装置の小型化
や高密度大容量化に伴って、これらディスクドライブ装
置のラップトップ，ノートサイズパソコン等への搭載の
要求が高まっており、可能起動停止回数の増加や耐衝撃
性の向上等の対策が必要とされている。しかし、上述の
ようにコンタクト・スタート・ストップ型の浮上磁気ヘ
ッドにおいては、起動停止動作直後、スライダー，磁気
ディスク間で摺動が発生するため、可能起動停止回数の
増加や耐衝撃性の向上等の対策にも限界があると思われ
る。

【０００９】そこで、これらの問題を解決する方法とし
て、磁気ヘッドが装着されたスライダーが磁気ディスク
に対して非接触で起動停止する、いわゆるダイナミック
・ロード／アンロード方式の浮上磁気ヘッドが提案され
ている。これは、スライダーのロード／アンロード速度
やスライダー初期姿勢などを適切に選択することによ
り、スライダーを非接触で磁気ディスク上に浮上、或い
は離脱させるものである。その手法としては、情報の記
録再生を行わない時はスライダーを支持するサスペンシ
ョンを棒状又は板状（傾斜を有する場合もある。）の支
持体にて、磁気ディスクから所定の距離をもたせて支持
しておき、起動時には所定のスライダーのロード速度や
スライダー初期姿勢などを与えて支持体からスライダー
を離脱させ、停止時にはスライダーを支持するサスペン
ションを再び支持体上に戻して支持するものが主流であ
る。

【００１０】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上に述
べたダイナミック・ロード／アンロード方式の浮上磁気
ヘッドの起動動作直後においては、スライダーと磁気デ
ィスク間距離がスライダー浮上距離と比較してかなり離
れており、起動動作直後のスライダーは支持体から離脱
した後、磁気ディスク上の所定の浮上位置に向かって落
下するような状態となる。その上、起動動作直後におい
ては、磁気ディスクの回転による空気流がまだ充分に発
生していないため、浮上状態のスライダーは空気流によ
って充分に支えられておらず、非常に振動しやすく不安
定である。従って、ダイナミック・ロード／アンロード
方式の浮上磁気ヘッドを用いて、前述のようなサブミク
ロンレベルでの浮上を行う場合、起動動作直後において
スライダーと磁気ディスクが接触する確率があり、磁気
ディスク或いはスライダーが損傷する可能性がある。

【００１１】そこで本発明は、かかる実情に鑑みて提案
されたものであって、磁気ヘッドが装着されたスライダ
ーが磁気ディスクに対して非接触で起動及び停止する、
いわゆるダイナミック・ロード／アンロード方式の浮上
磁気ヘッドを用いたディスクドライブ装置において、ス
ライダーのサブミクロンレベルの低浮上を実現し、高密
度記録を可能とし、さらに、起動動作直後におけるスラ
イダーと磁気ディスクの接触によるこれらの損傷を防止
し、情報の記録再生時のスライダーの浮上距離の安定性
を向上し、情報の記録あるいは再生を安定・確実におこ
なうことが可能なディスクドライブ装置を提供すること
を目的とする。

【００１２】

【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明は、磁気ヘッドが装着されたスライダーが
磁気ディスクに対して非接触で起動及び停止し、該磁気
ディスク上を磁気ディスクの径方向に移動して情報の記
録及び再生を行うディスクドライブ装置において、前記
磁気ディスクが、各記録トラック間に溝部を有する領域
と平面領域を有し、前記スライダーの起動及び停止は、
該平面領域において行われることを特徴とするものであ
る。

【００１３】なお、上記のような磁気ディスクの各記録
トラック間に溝部を有する、いわゆるディスクリートト
ラックメディアにおいては、溝部を形成することによっ
て磁性層の磁性膜を分断し、情報の記録及び再生時の記
録トラック間の干渉を防止することができる。よって、
記録トラック密度を向上させることができ、高密度記録
を達成することが可能である。また、この磁気ディスク
においては、情報の記録及び再生時の記録トラック間の
干渉を防止できるため、出力特性やオーバーライト特性
が向上する。

【００１４】

【作用】磁気ヘッドが装着されたスライダーが磁気ディ
スクに対して非接触で起動及び停止を行うダイナミック
・ロード／アンロード方式の浮上磁気ヘッドの起動動作
直後においては、スライダーと磁気ディスク間距離がス
ライダー浮上距離と比較してかなり離れている上、磁気
ディスク回転による空気流が充分に発生していないた
め、スライダーは非常に振動しやすく不安定である。従
って、ダイナミック・ロード／アンロード方式の浮上磁
気ヘッドを用いて、サブミクロンレベルでの浮上を行う
場合、起動動作直後においてスライダーと磁気ディスク
が接触する確率があり、磁気ディスク或いはスライダー
が損傷する可能性がある。

【００１５】本発明においては、磁気ディスクを各記録
トラック間に溝部を有する領域と平面領域を有する形状
とし、スライダーの起動及び停止を平面領域において行
うため、起動停止動作直後におけるスライダーと磁気デ
ィスクの接触を防ぐことができ、接触によるスライダー
及び磁気ディスクの損傷が防止される。また、スライダ
ー浮上距離の安定性も向上される。

【００１６】さらに、磁気ディスクとして、各記録トラ
ック間に溝部を有する領域を有すると平面領域を有する
ディスクリートトラックメディアの一種を用いたことに
よって、情報の記録及び再生時の記録トラック間の干渉
を防止することができ、記録トラック密度を向上させる
ことができ、高密度記録を達成することができる。

【００１７】

【実施例】以下、本発明を適用したディスクドライブ装
置の実施例について、図面を参照しながら説明する。

【００１８】先ず、ダイナミック・ロード／アンロード
方式の浮上磁気ヘッドの構成について説明する。ダイナ
ミック・ロード／アンロード方式の浮上磁気ヘッドは、
図１に示すように、磁気ヘッド１が一主面にレール加工
が施されてエア・ベアリング・サーフェスとされている
スライダー２に装着され、このスライダー２は可とう性
を有する板バネ状のジンバル３の固着部３ａにて固着さ
れ、ジンバル３とロードビーム４によってサスペンショ
ン５を形成している。なお、ロードビーム４の自由端に
はピボット４ｂが設けられている。さらにロードビーム
４はアクチュエータアーム６の下面の固着部６ａにて取
り付けられ、磁気ディスク７表面に平行な面内を径方向
に移動する。

【００１９】ここで、スライダー２に装着された磁気ヘ
ッド１が情報の記録再生を行っていない状態を図２に示
す。前述のように、磁気ヘッドの装着されたスライダー
２はサスペンション５に固着され、これらはアクチュエ
ータアーム６に固着され、磁気ディスク７表面に平行な
面内を径方向に移動する。図中に示すように、磁気ヘッ
ドの装着されたスライダー２が情報の記録再生を行って
いない状態においては、スライダー２を支持するサスペ
ンション５は板状，棒状または傾斜面を有する板状（本
実施例においては、棒状）等の支持体８によって支持さ
れており、磁気ヘッドの装着されたスライダー２は磁気
ディスク７表面より所定の高さ（通常、所定のスライダ
ー浮上距離よりも大）を有して支持されている。

【００２０】スライダー２に装着された磁気ヘッド１が
磁気ディスク７に対して情報の記録再生を行う場合（起
動時）には、スライダー２を支持するサスペンション５
は支持体８上をスライドして移動し、図１に示すように
支持体８から離脱し、スライダー２は磁気ディスク７上
に移動する。そして、磁気ヘッド１の装着されたスライ
ダー２は所定の浮上距離を保ちながら、所定の記録トラ
ックへ移動し情報の記録再生を行う。また、停止時に
は、スライダー２を支持するサスペンション５は支持体
８上に戻り、支持体８によって支持されるものである。

【００２１】ダイナミック・ロード／アンロード方式の
浮上磁気ヘッドは以上のような構成を有しているため、
浮上磁気ヘッドの起動動作直後においては、スライダー
と磁気ディスク間距離がスライダー浮上距離と比較して
かなり離れており、スライダーは支持体から離脱した
後、磁気ディスク上の所定の浮上位置に向かって落下す
るような状態となる。その上、起動動作直後において
は、磁気ディスク回転による空気流がまだ充分に発生し
ていないため、浮上状態のスライダーは空気流によって
充分に支えられておらず、非常に振動しやすく不安定で
ある。すなわち、ダイナミック・ロード／アンロード方
式の浮上磁気ヘッドを用いて、前述のようなサブミクロ
ンレベルでの浮上を行う場合、起動動作直後においてス
ライダーと磁気ディスクが接触する確率があり、磁気デ
ィスク或いはスライダーが損傷する可能性がある。

【００２２】従って、起動動作直後のスライダーと磁気
ディスクの接触を防止するには、起動動作直後のスライ
ダーに、一旦、情報の記録再生を行う時のスライダー浮
上距離よりも大きな浮上距離を与えれば、徐々に所定の
浮上位置に近づくため、スライダー，磁気ディスク間の
接触を防ぐことができる。

【００２３】一方、本発明者等は、前述のような各記録
トラック間に溝部を有するディスクリートトラックメデ
ィア上でスライダーを浮上させたところ、記録トラック
間の溝の深さによってスライダーの浮上距離が変化する
ことを見出した。模式的に図３に示す。図３において、
ディスクリートトラックメディアである磁気ディスク７
の記録トラック間溝７ａの深さを２δ、スライダー２の
浮上距離をｈとする。図３Ａに示されるように、記録ト
ラック間溝７ａの深さが浅い場合には、スライダー浮上
距離ｈは大きく、図３Ｂに示されるように、記録トラッ
ク間溝７ａの深さが深い場合には、スライダー浮上距離
ｈは小さくなっている。

【００２４】そこで、ディスクリートトラックメディア
の記録トラック間溝深さと浮上距離の関係を調べるため
に、記録トラック間溝深さを変化させ、この時のスライ
ダー浮上距離を決定する上向きの力の変化をシュミレー
ションした。この結果を負荷容量Ｗと記録トラック間溝
深さ２δの関数であるδ／ｈ₁ の関係として図４に示
す。なお、負荷容量Ｗは、本来スライダーに加わる上向
きの力を示すが、ここでは、一定の浮上距離ｈ₁ を保つ
ためにスライダーに加える負荷荷重で示した。図を見て
わかるように、記録トラック間溝深さ２δの関数である
δ／ｈ₁ が増加する、つまり記録トラック間溝深さ２δ
が増加するにつれて、負荷容量Ｗは減少している。これ
は、言い換えれば、スライダーの浮上が可能なスライダ
ー浮上距離が減少していることを示している。すなわ
ち、記録トラック間に溝を形成した場合、溝深さが深い
程、スライダー浮上距離が減少しており、言い換えれ
ば、磁気ディスク半径，回転速度等のスライダー浮上条
件が同一であった場合、記録トラック間に溝の形成され
ていない通常のディスク上でのスライダー浮上距離は、
記録トラック間に溝の形成されたディスクリートトラッ
クメディア上でのスライダー浮上距離よりも大きいと言
える。

【００２５】従って、前に述べたように、ダイナミック
・ロード／アンロード方式の浮上磁気ヘッドを用いた場
合の起動動作直後のスライダーと磁気ディスクの接触を
防止するには、起動動作直後のスライダーに、一旦、情
報の記録再生を行う時のスライダー浮上距離よりも大き
な浮上距離を与えれば良く、上述のことから、ディスク
リートトラックメディア中に平面の領域を作成し、スラ
イダーの起動停止動作をこの平面領域において行えば良
い。

【００２６】一般に、スライダーの起動停止は磁気ディ
スク中の所定の領域、いわゆるローディングゾーンにお
いて行われる。よって、このローディングゾーンを上記
のような平面領域として設定すれば良い。例として、図
５に外周部にローディングゾーンを設けた場合を示す。
図中に示されるように、磁気ディスク７は内周部に記録
トラック間溝７ａを有するデータゾーン７ｂ、外周部に
は平面領域であるローディングゾーン７ｃを有する形状
となされている。

【００２７】ローディングゾーンは、磁気ディスク内の
スライダー浮上可能領域中であれば任意の位置に設定可
能である。また、その領域の大きさであるが、スライダ
ーのエア・ベアリング・サーフェスが必ずローディング
ゾーン上に存在するように設定すれば良い。すなわち、
図６に示すように、スライダー２は前述のように一主面
にレール加工が施されて、溝部２ａが形成され、その底
面２ｂをエア・ベアリング・サーフェスとし、レール加
工の側端の磁気ディスク７の外周側には山部２ｃ、内周
側には山部２ｄが形成され、一方の山部２ｃの外周側，
内周側にそれぞれ、エッジ２ｅ，２ｆ、もう一方の山部
２ｄの外周側，内周側にエッジ２ｇ，２ｈが形成されて
いる時、ローディングゾーン７ｃは少なくともエッジ２
ｆと２ｇに挟まれた領域の幅以上の幅を有し、好ましく
は、エッジ２ｅと２ｈに挟まれた領域の幅以上の幅を有
するものである。ローディングゾーンの幅が、エッジ２
ｆと２ｇに挟まれた領域の幅よりも小さいとスライダー
に充分な上向きの力を与えることが出来ず、スライダー
の浮上の安定性を損なうこととなる。スライダーの浮上
の安定性を更に向上するには、ローディングゾーンの幅
をエッジ２ｅと２ｈに挟まれた領域の幅以上のものとす
れば良い。何故なら、スライダーの底面全体にデータゾ
ーンよりも強い上向きの力がかかることとなるため、ス
ライダーの浮上の安定性が更に向上されるためである。

【００２８】従って、ダイナミック・ロード／アンロー
ド方式の浮上磁気ヘッドを用いたディスクドライブ装置
において、磁気ディスクとして各記録トラック間に溝部
を有する領域と平面領域であるローディングゾーンを有
するディスクリートトラックメディアの一種を用いるこ
とによって、起動時のスライダーにデータゾーン中での
スライダー浮上距離よりも大きな浮上距離を与えること
ができるため、所定のスライダー浮上距離がサブミクロ
ンレベルの低浮上距離であっても、起動動作直後におい
てスライダーと磁気ディスクが接触することはなく、接
触によるこれらの損傷を防止することができる。さら
に、情報の記録再生時のスライダーの浮上距離の安定性
を向上し、情報の記録あるいは再生を安定・確実におこ
なうことが可能である。

【００２９】さらに、磁気ディスクとして、各記録トラ
ック間に溝部を有する領域を有するディスクリートトラ
ックメディアの一種を用いたことによって、情報の記録
及び再生時の記録トラック間の干渉を防止することがで
き、記録トラック密度を向上させることができ、高密度
記録を達成することができる。

【００３０】また、スライダーの起動停止時に磁気ディ
スク回転数を増加させておく方法を併用すれば、起動時
のローディングゾーンにおけるスライダーの浮上距離は
さらに大きなものとなり、磁気ディスクとの接触を更に
効果的に防止することが可能である。

【００３１】

【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、磁気
ヘッドが装着されたスライダーが磁気ディスクに対して
非接触で起動及び停止し、該磁気ディスク上を磁気ディ
スクの径方向に移動して情報の記録及び再生を行うディ
スクドライブ装置において、前記磁気ディスクの形状を
各記録トラック間に溝部を有する領域と平面領域を有す
る形状とし、前記スライダーの起動及び停止が平面領域
において行うようになされているため、所定のスライダ
ー浮上距離がサブミクロンの低浮上距離であっても、ス
ライダーの起動動作直後のスライダーと磁気ディスクの
接触によるこれらの損傷を防ぐことができ、情報の記録
再生時のスライダーの浮上距離の安定性を向上し、情報
の記録あるいは再生を安定・確実におこなうことが可能
である。

【００３２】また、磁気ディスクとして、各記録トラッ
ク間に溝部を有する領域を有するディスクリートトラッ
クメディアの一種を用いたことによって、情報の記録及
び再生時の記録トラック間の干渉を防止することがで
き、記録トラック密度を向上させることができ、高密度
記録を達成することができる。

【００３３】さらには、本発明のディスクドライブ装置
は、磁気ヘッドが装着されたスライダーの起動及び停止
を磁気ディスクに対して非接触で行うため、非常に高い
耐久性を有する。よって、ラップトップ，ノートブック
タイプパソコン等のような起動停止時に外乱の強い小型
機種にスライダー浮上距離がサブミクロンレベルの低浮
上スライダーの搭載を可能とすることができ、非常に工
業性が高い。

【図面の簡単な説明】

【図１】ダイナミック・ロード／アンロード方式の浮上
磁気ヘッドの構成を示す側面図である。

【図２】ダイナミック・ロード／アンロード方式の浮上
磁気ヘッドの構成を示す平面図である。

【図３】ディスクリートトラックメディアの記録トラッ
ク間溝深さとスライダー浮上距離の関係を示す模式図で
ある。

【図４】ディスクリートトラックメディアの記録トラッ
ク間溝深さと負荷容量の関係を示す特性図である。

【図５】本発明を適用したディスクドライブ装置におけ
るディスクリートトラックメディアの実施例を示す断面
図である。

【図６】本発明を適用したディスクドライブ装置におけ
るディスクリートトラックメディアとスライダーの対向
部分を拡大して示す模式図である。

【符号の説明】

２・・・・スライダー ５・・・・サスペンション ６・・・・アクチュエーターアーム ７・・・・磁気ディスク ７ｂ・・・データゾーン ７ｃ・・・ローディングゾーン ８・・・・支持体

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 磁気ヘッドが装着されたスライダーが磁
   気ディスクに対して非接触で起動及び停止し、該磁気デ
   ィスク上を磁気ディスクの径方向に移動して情報の記録
   及び再生を行うディスクドライブ装置において、 前記磁気ディスクが、各記録トラック間に溝部を有する
   領域と平面領域を有し、前記スライダーの起動及び停止
   は、該平面領域において行われることを特徴としたディ
   スクドライブ装置。