JPH07153069A - 磁気ディスク - Google Patents

磁気ディスク

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Publication number
JPH07153069A
JPH07153069A JP32607693A JP32607693A JPH07153069A JP H07153069 A JPH07153069 A JP H07153069A JP 32607693 A JP32607693 A JP 32607693A JP 32607693 A JP32607693 A JP 32607693A JP H07153069 A JPH07153069 A JP H07153069A
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JP
Japan
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rigid substrate
magnetic
magnetic disk
magnetic film
mold
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Application number
JP32607693A
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English (en)
Inventor
Akio Furukawa
昭夫 古川
Shoji Tanaka
彰二 田中
Hiroshi Takino
浩 瀧野
Kazushige Kawazoe
一重 河副
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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  • Magnetic Record Carriers (AREA)
  • Recording Or Reproducing By Magnetic Means (AREA)
  • Moving Of The Head To Find And Align With The Track (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 磁気ディスクにおいて、凹凸形状が形成され
ることでプリフォーマットされたモールド剛性基板1を
用いるとともに、そのディスク面上の任意の周における
回転軸方向のうねりの振幅Aと該周の長さρの2乗の比
A/ρ2 ,任意の点における曲率半径,凸部の最大表面
粗度,固有振動周波数を規制する。 【効果】 トラッキング信号の位置精度,生産効率の向
上が図れるとともに、浮上量を0.1μm程度に設定し
たヘッドスライダを、ディスク面と衝突させることなく
安定に浮上走行させることが可能になる。したがって、
磁気ディスクのさらなる高密度記録化に貢献することに
なる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、リジッド型の磁気ディ
スクに関し、特に剛性基板としてモールド剛性基板を用
いる磁気ディスクに関する。
【0002】
【従来の技術】例えばコンピュータ等の記憶媒体として
は、ランダムアクセスが可能な円板状の磁気ディスクが
広く用いられており、なかでも応答性に優れること等か
ら、基板にガラス板、セラミックス板、あるいは表面に
Ni−Pメッキ,アルマイト処理が施されたAl合金板
等の剛性基板を用いたリジッド型磁気ディスクが使用さ
れるようになっている。
【0003】この磁気ディスクでは、磁気ヘッドとの接
触による摩耗損傷を避けるとともに高密度記録,高速シ
ーク動作を可能にするために、磁気ヘッドがスライダー
に埋め込まれてなるヘッドスライダを用い、情報の記録
再生時に磁気ヘッドを高速回転する磁気ディスク表面よ
り、空気流の膜にのって微小間隙をもって浮上走行させ
るのが通常である。
【0004】この浮上走行の方式には、現在のところ大
きく分けてコンタクト・スタート・ストップ方式(CS
S方式)とノン・コンタクト・スタート・ストップ方式
(NCSS方式)の2種類の方式が採用されている。C
SS方式では、起動停止時にはヘッドスライダを磁気デ
ィスク表面に接触させておく。ヘッドスライダは起動時
のディスク回転開始により始めは磁気ディスク上を摺動
し、磁気ディスクが十分な回転速度に達したときに浮上
する。一方、NCSS方式では、ヘッドスライダを支持
しているアームの先端部を、傾斜面をもった台(ラン
プ)に載せ、この傾斜面に沿って徐々に摺動させること
で、高速回転している磁気ディスク上にヘッドスライダ
を降ろし、浮上走行させる。これら両方式とも停止時に
は起動時の逆の過程を経る。
【0005】ここで、いずれの方式を採用した場合で
も、磁気ディスクの反りや回転に際するうねりが大きか
ったり、磁気ディスク表面が余り粗れていると、浮上走
行するヘッドスライダがディスク面に衝突し、互いが破
壊されるといったトラブルが発生する。特に、最近で
は、高密度記録化が進行し、その場合にも十分な再生出
力を得るべくヘッド浮上量を0.1μm程度にまで低減
させることが要求されているが、そうしたときには上記
トラブルの発生する可能性はさらに高くなる。
【0006】このため、磁気ディスクでは、基板に、切
断,研磨等の機械加工を施して平坦度,表面粗度を向上
させ、ヘッドスライダの衝突を回避するようにしてい
る。
【0007】ところで、このような磁気ディスクにおい
て、情報信号は、同心円状に形成された多数の記録トラ
ック上を磁気ヘッドを浮上走行させることで記録,再生
される。このとき磁気ヘッドを所定の記録トラック位置
に正確に移動させ、そのトラック上をずれることなく高
精度に走行させるには、ディスク面にトラック位置の目
印となるトラッキング信号を予め書き込んでおく必要が
ある。
【0008】このようなトラッキング信号の書き込み
は、従来、磁気ヘッドが搭載されたサーボライタを用
い、磁気ディスク1枚ずつにトラッキング信号パターン
に対応させて磁性層を磁化反転させることで行われてい
る。
【0009】しかし、サーボライタを用いてトラッキン
グ信号を書き込む場合、一括処理が困難であり、生産効
率の向上に不利である。また、最近のトラック幅をより
狭小化して高密度記録化を図るといった要請に応えるに
は、サーボライタ機構部自体の精度をさらに向上させて
トラッキング信号の位置精度を高める必要がある。しか
し、機構部精度の向上は技術的,価格的な面で限界があ
る。
【0010】そこで、磁性層に所定のトラッキング信号
パターンに対応したマスクを形成し、マスクが形成され
た以外の部分にエッチング処理あるいは非磁性化処理を
施すことでトラッキング信号を書き込むようにした磁気
ディスクが提案されている。
【0011】このようにエッチング処理,非磁性化処理
によってトラッキング信号を書き込む場合、複数ディス
クに対する一括処理が可能になり、トラッキング信号の
位置精度も向上する。しかし、通常の磁気ディスクの製
造工程以外に、さらにマスク形成工程,エッチング処理
工程(あるいは非磁性化処理工程)の少なくとも2工程
を組み込まなければならない。このため、製造工程が煩
雑化し、やはり磁気ディスクの低価格化は難しい。
【0012】そこで、さらにモールド剛性基板に直接凹
凸を形成することでトラッキング信号を書き込むように
した磁気ディスクが提案されている。
【0013】この磁気ディスクでは、基板材料にプラス
チックを用い、これをモールド技術によって基板形状に
成形するようにし、その際の金型にトラッキング信号に
対応した凹凸パターンを予め形成しておけば良い。した
がって、通常の磁気ディスクの製造工程の他に別工程を
組み込まなくて済み、位置精度の高いトラッキング信号
が製造コストを増大させることなく書き込めることにな
る。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところが、モールド技
術によって成形されたモールド基板は、成形条件によっ
て平坦度や表面粗度が変動し易く、アルミニウム等の剛
性基板に比べて反りやうねり,表面粗度が問題となる。
【0015】このモールド基板を用いて、ヘッド浮上量
を0.1μm以下にまで低減させるには、まず、その反
りや回転に際するうねり,表面粗度を規制することが必
要であるが、現在のところでは、これら形状パラメータ
の低いヘッド浮上量に対応した適正な規制範囲は見い出
されいないのが実情である。
【0016】そこで、本発明はこのような従来の実情に
鑑みて提案されたものであり、トラッキング信号の位置
精度が高く、生産効率に優れるとともに、ヘッド浮上量
が0.1μm程度に設定されたヘッドスライダが、ディ
スク面と衝突することなく安定に浮上走行し得る磁気デ
ィスクを提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明の磁気ディスクは、モールド剛性基板上に
磁性膜が形成されてなり、上記モールド剛性基板はサー
ボマークが凹凸形状として形成されることでプリフォー
ムされ、上記磁性膜は前記モールド剛性基板の凹部に対
応した領域と凸部に対応した領域とが互いに逆向きの磁
化方向となるように磁化されてなる磁気ディスクであっ
て、ディスク面上の任意の周における回転軸方向のうね
りの振幅をA,該周の長さをρとしたときに、A/ρ2
が0.024以下であることを特徴とするものである。
【0018】また、モールド剛性基板上に磁性膜が形成
されてなり、上記モールド剛性基板はサーボマークが凹
凸形状として形成されることでプリフォームされ、上記
磁性膜は前記モールド剛性基板の凹部に対応した領域と
凸部に対応した領域とが互いに逆向きの磁化方向となる
ように磁化されてなる磁気ディスクであって、ディスク
面上の任意の点における曲率半径が1.7m以上である
ことを特徴とするものである。
【0019】さらに、モールド剛性基板上に磁性膜が形
成されてなり、上記モールド剛性基板はサーボマークが
凹凸形状として形成されることでプリフォームされ、上
記磁性膜は前記モールド剛性基板の凹部に対応した領域
と凸部に対応した領域とが互いに逆向きの磁化方向とな
るように磁化されてなる磁気ディスクであって、ディス
ク面の凸部の最大表面粗度が100nm以下であること
を特徴とするものである。
【0020】さらに、モールド剛性基板上に磁性膜が形
成されてなり、上記モールド剛性基板はサーボマークが
凹凸形状として形成されることでプリフォームされ、上
記磁性膜は前記モールド剛性基板の凹部に対応した領域
と凸部に対応した領域とが互いに逆向きの磁化方向とな
るように磁化されてなる磁気ディスクであって、その共
振周波数が60Hz以上であることを特徴とするもので
ある。
【0021】さらに、モールド剛性基板は、データトラ
ック部が凸形状、ガードバンド部が凹形状となるように
プリフォームされていることを特徴とするものである。
【0022】
【作用】磁気ディスクにおいて、サーボマークが凹凸形
状として予めプリフォーマットされたモールド剛性基板
を用いると、製造に際してサーボマークを書き込むため
の工程を別工程として組み込む必要がなく、製造工程数
を増大させることなく位置精度の高いサーボマークが得
られる。
【0023】このようなモールド剛性基板を用いる磁気
ディスクにおいて、ディスク面上の任意の周における回
転軸方向のうねりの振幅Aと周の長さρの2乗の比A/
ρ2を0.024以下に、任意の点における曲率半径を
1.7m以下に、共振周波数を60Hz以上に、そして
表面粗度を100nm以下に規制すると、ヘッド浮上量
を0.1μm以下と低く設定した場合でも、ヘッドスラ
イダがディスク面に衝突することなく安定に浮上走行す
るようになる。
【0024】
【実施例】本発明の好適な実施例について図面を参照し
ながら説明する。
【0025】本実施例の磁気ディスクの全体平面図を図
1に、要部拡大平面図を図2に、半径方向に切断した要
部拡大断面図を図3に、円周方向に切断した要部拡大断
面図を図4に示す。
【0026】本実施例の磁気ディスクは、図3,図4に
示すように、剛性基板1上に磁性膜2が形成されてなっ
ている。
【0027】上記剛性基板1は、モールド技術によって
円板状に成形され、磁性膜2が形成された側の面にはサ
ーボマークが凹凸形状としてプリフォーマットされてい
る。
【0028】このようなサーボマークがプリフォーマッ
トされた剛性基板1を用いる磁気ディスクでは、製造に
際してサーボマークを書き込むための工程を別工程とし
て組み込む必要がなく、磁性膜にサーボライタによって
サーボマークを書き込むタイプの磁気記録媒体,磁性膜
をエッチング処理あるいは非磁性化処理することによっ
てサーボマークを書き込むタイプの磁気記録媒体に比べ
て位置精度の高いサーボマークが低コストで得られるこ
とになる。
【0029】なお、基板1上に形成するサーボマーク
は、図1,図2に示すようにサンプルドサーボ情報等の
サーボ信号3aや情報信号記録領域となるトラック部3
b,隣合うトラック部同志を分断するガードバンド部3
c等、通常、磁気ディスクにおいて書き込まれるサーボ
マークである。ここではトラック部3bは凸形状として
形成され、これに対してガードバンド部3cは凹形状と
して形成されている。
【0030】この剛性基板1の材料としては、ポリエー
テルポリイミド,ポリカーボネート,ポリサルホン,ポ
リエーテルサルホン,ポリアセタール,ポリフェニレン
サルファイド等が挙げられる。
【0031】このような凹凸形状が形成された剛性基板
1上には磁性膜2が形成されている。上記磁性膜2は、
剛性基板1の凹部に対応した領域と凸部に対応した領域
とが互いに逆向きの磁化方向となるように磁化されてお
り、これにより凹凸形状でプリフォーマットされたサー
ボマークが磁気信号として検出できるようになってい
る。
【0032】上記磁性膜2に用いる磁性材料としては、
従来から公知のものが使用でき、例えばCo,Co−C
r合金,Co−Ni合金,Co−Ni−Cr合金,Co
−Niオキサイド等が挙げられる。
【0033】そして、特にこの磁気ディスクでは、浮上
量が0.1μm以下に設定されたヘッドスライダを衝突
することなく安定に浮上走行させるために、ディスク面
上の任意の周における回転軸方向のうねりの振幅Aと該
周の長さρの2乗の比A/ρ2 が0.024以下に、任
意の点における曲率半径が1.7m以下に、共振周波数
が60Hz以上に、そして表面粗度が100nm以下に
規制されている。
【0034】まず、上記A/ρ2 の範囲は、磁気ディス
クのディスク面のうねりを、浮上量0.1μmに設定さ
れたヘッドスライダが追従して浮上走行できる程度に小
さくするという観点から設定したものである。
【0035】すなわち、回転している磁気ディスクのう
ねりに対する,浮上走行しているヘッドスライダの追従
特性Δh/A(Δh:浮上すきまの変動量,A:磁気デ
ィスクの回転軸方向の振幅)は、数1で表されることが
日本機械学会論文集(C編)51巻469号2291頁
等において報告されている。
【0036】
【数1】
【0037】このとき、スライダー長さLがディスク面
のうねり波長λよりも十分に小さい(L<<λ)と仮定
すると、上記数1(1)は数2のように近似的に表さ
れ、
【0038】
【数2】
【0039】この数2は、数3のように変換される。
【0040】
【数3】
【0041】数3中、cは定数であり、実験及び計算機
によるシミュレーションによって1.3と求められる。
数3のcに1.3を代入した結果を数4に示す。
【0042】
【数4】
【0043】ここで、設定浮上量0.1μmのヘッドス
ライダを、ディスク面に衝突させないためには、浮上変
化量Δhは少なくとも0.1μm以下である必要があ
る。また、一般的に汎用されているヘッドスライダ(7
0%マイクロスライダ)の長さLは1.8mmである。
そこで、数4のΔhに0.1μmを、Lに1.8mmを
それぞれ代入すると、A/λ2 は0.024と算出され
る。すなわち、浮上変化量Δhが0.1μm以下に抑え
られるのは、このA/λ2 が0.024以下のときであ
る。
【0044】このとき、ディスク面の任意の周上におけ
るうねりの波長λはその周の長さρを越えることがな
く、常にλ≦ρの関係が成り立つ。したがって、A/λ
2 はA/ρ2 と置き換えることができる。つまり、剛性
モールド基板のA/ρ2 が0.024以下である場合
に、浮上変化量Δhが0.1μm以下に抑えられ、設定
浮上量0.1μmのヘッドスライダがディスク面上を衝
突することなく浮上走行できることになる。
【0045】本発明では、さらに、ディスク面上の任意
の点における曲率半径を1.7m以上に規制する。この
曲率半径は、基板の反りを、スライダを磁気ヘッド部分
が0.1μmの浮上量となるように浮上走行させたとき
に、磁気ヘッド部分以外の部分がモールド剛性基板に衝
突しない程度に小さくするという観点から設定したもの
である。
【0046】すなわち、図5に反りを有するディスク面
21上をヘッドスライダ22が浮上走行している様子を
模式的に示す。このように反りを有するディスク面21
上をヘッドスライダ22が浮上走行する場合、スライダ
21のディスク対向面とディスク面の間隔は、スライダ
21のディスク対向面内で差異があり、スライダのディ
スク対向面の中央線近傍から外端部近傍に向かってディ
スク面からの間隔は小さくなる。
【0047】たとえば、図5に示すように、ディスク対
向面に走行方向に沿って2本のレール23が形成され、
この2本のレールの走行方向側の端面中央部に磁気ヘッ
ド24が埋め込まれたヘッドスライダ(2レールテーパ
フラット型スライダ)では、レールのディスク対向面と
ディスク面の間隔は、レール中央線近傍とレール外端部
近傍で数5で表されるΔdだけ差がある。数5中、bは
レールの幅、wは2本のレールの間隔である。
【0048】
【数5】
【0049】このディスク面との間隔差Δdは、このよ
うにスライダが浮上している直下のディスク面21の曲
率Rの関数として表される。
【0050】ここで、スライダ22を、レール23の一
端面中央部に位置する磁気ヘッド部分24の浮上量が
0.1μmなるように浮上走行させたときに、レール2
3の外端部がディスク面21に衝突しないためには、Δ
dが0.1μm以下である必要がある。そこで、数5の
Δdに0.1を、b,wにそれぞれ一般的に汎用されて
いるヘッドスライダの値,すなわちwに1.74mm、
レール幅bに0.36mmを代入すると、Rは1.7m
と求められる。
【0051】つまり、モールド剛性基板の任意の点にお
ける曲率半径が1.7m以上である場合に、浮上量0.
1μmのヘッドスライダがいずれの部分もディスク面に
衝突させることなく浮上走行し得ることになる。
【0052】また、さらに、設定浮上量0.1μmのヘ
ッドスライダをディスク面に衝突させないために、モー
ルド剛性基板の特に浮上走行するヘッドスライダに最も
近接することになる凸部の最大表面粗度が、0.1μm
(100nm)以下であることが必要である。
【0053】このように、本実施例では、磁気ディスク
の形状パラメータを規制するが、さらに磁気ディスクと
記録再生装置内の振動成分とが共振して磁気ディスクが
励振するといった現象を防止するために磁気ディスクの
固有振動数が60Hz以上に規制されている。
【0054】記録再生装置内での磁気ディスクの共振
は、その固有振動数が、記録再生装置内で最も周波数の
低い振動成分の周波数以上であれば防止される。記録再
生装置内で最も周波数の低い振動成分はスピンドルの回
転であり、一般的にはその回転数は3600rpm〜5
400rpm程度,周波数は60Hz〜90Hzであ
る。上記固有振動数範囲60Hz以上とは、このスピン
ドル軸と共振しない周波数として設定したものである。
【0055】このように磁気ディスクの形状パラメータ
や固有振動数を規制することにより、浮上量0.1μm
以下に設定されたヘッドスライダがディスク面上を衝突
することなく安定に浮上走行するようになる。
【0056】なお、これら磁気ディスクの回転軸方向の
うねりの振幅Aと周の長さρの2乗の比A/ρ2 ,曲率
半径は、剛性基板をモールド成形する際の、樹脂の射出
速度,保持圧力,取り出し前の冷却時間等の条件を最適
化することにより、また凸部の表面粗度は、金型の表面
粗度を管理し,樹脂の射出温度を最適化することによっ
て所定範囲内に調整することができる。さらに固有振動
数は、剛性基板の板厚を、樹脂材料の剛性を考慮して選
択することにより所定範囲内に調整することができる。
【0057】また、以上の説明では、モールド剛性基板
上に磁性膜が形成されてなる基本的な構成の磁気ディス
クを例にしているが、磁気ディスクの構成はこれに限ら
ず、形状パラメータ,固有振動数が上記条件を満たして
いれば、剛性基板と磁性膜の間に下地膜を設けたり、磁
性膜上にカーボン等よりなる保護膜、さらにその上に潤
滑剤膜を形成するようにしても差し支えない。
【0058】次に、上記磁気ディスクを実際に作製し、
ヘッドスライダーの浮上走行の様子を観察した。
【0059】まず、カーボネートをモールド成形するこ
とで剛性基板を作製した。なお、基板寸法は、外径65
mm,内径20mm,板厚1.2mmであり、サーボマ
ークとなる凹部と凸部の段差は0.2μmである。
【0060】この剛性基板上に、スパッタ法によりCr
下地膜,Co合金磁性膜,カーボン保護膜を、合計膜厚
が0.25μmとなるように順次成膜し、さらに保護膜
上に潤滑剤を塗布することで磁気ディスクを作製した。
【0061】なお、回転軸方向のうねりの振幅Aと周の
長さρの2乗の比A/ρ2 ,曲率半径,凸部の表面粗度
は、剛性基板をモールド成形する際の条件を制御するこ
とで所定範囲内に調整した。さらに固有振動数は、剛性
基板の板厚を1.2mmにすることによって、60Hz
以上に調整した。
【0062】以上のようにして作製された磁気ディスク
に対して、ディスク面の半径15mmから31mmの領
域上を、浮上量0.1μmでスライダーを浮上走行させ
た。そして、ディスク面とスライダの衝突回数を、スラ
イダー上に搭載した電圧素子の出力電圧を観測すること
によって測定した。
【0063】その結果、スライダの衝突回数は0であ
り、このことから、磁気ディスクの形状パラメータや固
有振動周波数を規制することはスライダーの浮上走行特
性を改善する上で極めて有効であることが確認された。
【0064】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明の磁気ディスクは、凹凸形状が形成されることでプリ
フォーマットされたモールド剛性基板を用いるととも
に、その形状パラメータ,固有振動周波数を規制するの
で、トラッキング信号の位置精度,生産効率の向上が図
れるとともに、浮上量を0.1μm程度に設定したヘッ
ドスライダを、ディスク面と衝突させることなく安定に
浮上走行させることが可能である。したがって、磁気デ
ィスクのさらなる高密度記録化に貢献することになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した磁気ディスクの一例を示す平
面図である。
【図2】上記磁気ディスクの要部拡大平面図である。
【図3】上記磁気ディスクを半径方向に切断した要部拡
大平面図である。
【図4】上記磁気ディスクを円周方向に切断した要部拡
大平面図である。
【図5】反りを有するディスク面上をヘッドスライダが
浮上走行している様子を示す模式図である。
【符号の説明】
1・・・剛性基板 2・・・磁性膜 3a・・・サーボ信号 3b・・・データトラック部 3c・・・ガードバンド部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河副 一重 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モールド剛性基板上に磁性膜が形成され
    てなり、上記モールド剛性基板はサーボマークが凹凸形
    状として形成されることでプリフォームされ、上記磁性
    膜は前記モールド剛性基板の凹部に対応した領域と凸部
    に対応した領域とが互いに逆向きの磁化方向となるよう
    に磁化された磁気ディスクであって、 ディスク面上の任意の周における回転軸方向のうねりの
    振幅をA,該周の長さをρとしたときに、A/ρ2
    0.024以下であることを特徴とする磁気ディスク。
  2. 【請求項2】 モールド剛性基板上に磁性膜が形成され
    てなり、上記モールド剛性基板はサーボマークが凹凸形
    状として形成されることでプリフォームされ、上記磁性
    膜は前記モールド剛性基板の凹部に対応した領域と凸部
    に対応した領域とが互いに逆向きの磁化方向となるよう
    に磁化されてなる磁気ディスクであって、 ディスク面上の任意の点における曲率半径が1.7m以
    上であることを特徴とする磁気ディスク。
  3. 【請求項3】 モールド剛性基板上に磁性膜が形成され
    てなり、上記モールド剛性基板はサーボマークが凹凸形
    状として形成されることでプリフォームされ、上記磁性
    膜は前記モールド剛性基板の凹部に対応した領域と凸部
    に対応した領域とが互いに逆向きの磁化方向となるよう
    に磁化された磁気ディスクであって、 ディスク面の凸部の最大表面粗度が100nm以下であ
    ることを特徴とする磁気ディスク。
  4. 【請求項4】 モールド剛性基板上に磁性膜が形成され
    てなり、上記モールド剛性基板はサーボマークが凹凸形
    状として形成されることでプリフォームされ、上記磁性
    膜は前記モールド剛性基板の凹部に対応した領域と凸部
    に対応した領域とが互いに逆向きの磁化方向となるよう
    に磁化された磁気ディスクであって、 その共振周波数が60Hz以上であることを特徴とする
    磁気ディスク。
  5. 【請求項5】 モールド剛性基板は、データトラック部
    が凸形状、ガードバンド部が凹形状となるようにプリフ
    ォームされていることを特徴とする請求項1,請求項
    2,請求項3及び請求項4記載の磁気記録媒体。
JP32607693A 1993-11-30 1993-11-30 磁気ディスク Pending JPH07153069A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32607693A JPH07153069A (ja) 1993-11-30 1993-11-30 磁気ディスク

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