JPH0622038U - 自動車用ドアガラスラン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 フラッシュサ−フェス型ガラスランにおい
て、面一化をより一層達成し、見栄え、空力特性等を向
上させたガラスランを提供する。 【構成】 ガラスラン１の車外側側壁部３がドアフレ−
ム車外側側壁１３の係止凸部１５より開口部１８側端部
において、ドアガラス１９側に空隙部１０を有するよう
に、前記車外側側壁１３に接触させるか、または／およ
び薄肉（９）に形成され、ガラスラン１の車外側側壁部
３の開口部１８側端部からドアガラス１９側へ張設した
車外側シ−ルリップ７がドアガラス１９がガラスラン１
に嵌入されたとき、前記車外側シ−ルリップ７が前記空
隙部１０に収納可能な構成とした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は自動車のドアフレ−ムに取り付けられ、ドアガラスの端縁をシ−ル するガラスラン、特にドアフレ−ム外表面とドアガラス表面との段差を少なくし たフラッシュサ−フェス型のガラスランに関する。

【０００２】

【従来の技術】

自動車のドアフレ−ムは、例えば図１に示すような形状をしており、ドアガラ スラン１がドアフレ−ム１１に嵌着されドアガラス１９が上下に開閉可能に嵌装 されている。このドアフレ−ムに装着される従来のフラッシュサ−フェス型ガラ スランの一例を図４に示した。

【０００３】 この図４に示したガラスラン４１はゴム、または塩化ビニル等の合成樹脂にて 押出成形により成形されており、図１に示す自動車ドアのＡ−Ａ線断面図である 。ガラスラン底部４２、この底部４２に連接している車外側側壁部４３、及び車 内側側壁部４４、更に両側壁部４３、４４の開口側からドアガラス１９に向けて 端部がガラスラン底部４２に向かって湾曲した車外側シ−ルリップ４７及び車内 側シ−ルリップ４８が延設されている。また、ガラスラン４１の抜け防止として 、ドアフレ−ム５１の側壁の端部に形成された車外側係止凸部５３及び車内側係 止凸部５４で、開口部方向への移動を阻止する車外側係止リップ４５及び車内側 係止リップ４６が車外側及び車内側両側壁部４３、４４からドアフレ−ム５１の 係止凸部５５、５６に向かって突設されている。

【０００４】 また、フラッシュサ−フェス型のガラスランの特徴としてドアガラスは極力ド アフレ−ムの車外側に配置する必要があり、ガラスラン４１にはドアガラス１９ が車外側にオフセットした位置に挿入される。従って、ガラスラン４１の車外側 シ−ルリップ４７は小さいが、車内側シ−ルリップ４８は大きく、かつ長く形成 されている。なお、図においてガラスラン及びドアフレ−ムの上部をそれぞれ底 部と称したが、開口部に対して溝の底部と言うことで通称このように称されてい る。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

この従来のガラスラン４１ではガラスラン４１の車外側側壁部４３の係止リッ プ４５が係止されるドアフレ−ム５１に厚みがあることと、ガラスラン４１の車 外側シ−ルリップ４７がガラスラン４１の車外側側壁部４３より内部、即ちガラ スラン底部４２側へ突設しているため、ドアガラス１９とドアフレ−ム５１の外 面との段差がオフセットしない場合より少なくなるが、十分とは言えなかった。

【０００６】 また、この段差を少なくするためにドアフレ−ムの車外側側壁を薄くし、かつ 車外側シ−ルリップをドアフレ−ムの車外側先端より突設させるタイプも提案さ れているが、ガラスランの車外への露出量が多くなることや、シ−ルリップ根本 の肉厚をを厚肉にできないことからシ−ル力が低下したり、特にガラス摺動部に あっては、ガラスを開けた際、このシ−ルリップが車外へ反転し、捲くれ出る等 の難点があった。

【０００７】 本考案は上記に鑑みて、面一化をより一層達成し、見栄え、空力特性等を向上 させたフラッシュサ−フェス型自動車用ガラスランを提供しようとするものであ る。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

本考案は底部および係止凸部を有する一対の側壁により断面畧コ字状に形成さ れたドアフレ−ムの溝に嵌合され、かつドアフレ−ムの溝の中心から車外側にオ フセットした位置にドアガラスが嵌入するフラッシュサ−フェス型のドアガラス ランにおいて、ガラスランに連接した側壁部の根本近傍から前記ドアフレ−ムの 係止凸部で係止される係止リップが前記ドアフレ−ムの係止凸部方向に延設され 、前記ドアフレ−ムの車外側係止凸部より開口部側でガラスランの車外側側壁部 がドアガラス側に空隙部を有するようにこの車外側側壁部をドアフレ−ムの車外 側側壁に接触させるか、または／および肉薄に形成され、ガラスランの車外側側 壁部の開口部側端部からドアガラス側へ張設した車外側シ−ルリップがドアガラ スがガラスランに嵌入された状態のとき、前記車外側シ−ルリップが前記空隙部 に収納可能な構成としたことを特徴とする。

【０００９】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を、図例に基づいて説明する。 図２は本考案のドアガラスランの図１のＡ−Ａ線断面図である。ガラスラン１ は畧コ字状をしたドアフレ−ム１１内に嵌装されている。ドアフレ−ム１１は底 部１２、車外側側壁１３及び車内側側壁１４からなり、板金を曲折して平板状に 形成された車外側側壁１３には係止凸部１５が中央部近辺、図例ではやや開口部 側にガラスランの側壁の肉厚の１乃至１．５倍程度突設させてある。車内側側壁 １４は底部及び開口部側の両端部を含めて逆己字状に開口部が溝１７側に突設し 係止部１６を形成している。

【００１０】 ガラスラン１は前記ドアフレ−ム１１に嵌着可能に、ガラスラン底部２から両 サイドにドアフレ−ム１１に装着された状態で車外側側壁３及び車内側側壁４が 垂直に連接され、その先端にそれぞれ車外側シ−ルリップ７及び車内側シ−ルリ ップ８がドアガラス１９側、かつガラスラン底部２に向かって張設されている。 このシ−ルリップ７、８はドアガラスが車外側にオフセットされて配設されるた め、車外側シ−ルリップ７は短く、車内側シ−ルリップ８は長く、かつ大きく形 成されている。また、両シ−ルリップ７、８はドアフレ−ムの側壁１３、１４の 端部側に、これら端部を覆うようにガラスラン１の車外側側壁部３及び車内側側 壁部４より若干突設している。ただし、この場合面一化の機能上車外側ドアフレ −ム１１の車外側側壁１３の先端からガラスラン１のリップが車外側に突出させ ないようにする。

【００１１】 また、ガラスラン１の車外側側壁部３の根本部からは、ドアフレ−ム１１の車 外側側壁１３の車外側係止凸部１５に向かって車外側係止リップ５が突設されて いる。また、車内側側壁部４の根本部からは同様に車内側係止リップ６がドアフ レ−ム１１の車内側側壁１４に形成された車内側係止凸部１６に向かって突設さ れている。

【００１２】 この考案のガラスランの要部は車外側側壁部と車外側側シ−ルリップの構造と そのドアガラスと車外側ドアフレ−ムとの配設状態にある。即ちガラスラン１の 車外側側壁部３の外側の形状はドアフレ−ム１１の車外側側壁１３の係止凸部１ ５から端部にかけての形状に沿わせ、かつ好ましくは若干薄肉とした薄肉部９と なして、ドアガラス１９との間で空隙部１０が生ずるよう成形されている。そし て、ドアガラス１９が嵌入されたときに、この空隙部１０に車外側シ−ルリップ ７が収納可能に形成されている。

【００１３】 図３はこの考案の第二の実施例を示す。ガラスラン２１はガラスラン底部２２ 、車外側側壁２３、車内側側壁２４、車外側シ−ルリップ２７、及び車内側シ− ルリップ２８が第一実施例と畧同様に形成されている。ガラスラン側壁部２３、 ２４のそれぞれのシ−ルリップ２７、２８の反対側にはモ−ルリップ２９、３０ が延設されている。このモ−ルリップ２９、３０はドアフレ−ム３１の車外側側 壁３３及び車内側側壁３４の端部を覆って、特にドアフレ−ムの車外側側壁側３ ３にあっては、モ−ルリップ２９はドアフレ−ム３１の車外側側壁３３に接着さ れている。

【００１４】 この第二実施例ではドアフレ−ム３１のガラスランが装着される部分、一般に チャンネルと言われる部分の構造が簡略化されている。即ちコ字状のドアフレ− ム底部３２と長手方向に溝２７側に切起こしを突設させた車外側係止凸部３５、 及び車内側係止凸部３６を形成した車外側及び車内側側壁３３、３４を有する部 材を内部に構成し、側壁端部で外板部材を形成している。ドアフレ−ム３１のガ ラスラン装着部より上部（図において）の側壁３３、３４部は幅が少し両サイド に脹らみ、その後ドアエッジを形成するように窄（すぼ）まっている。即ち、ガ ラスラン２１の車外側モ−ルリップ２９及び車内側モ−ルリップ３０がドアフレ −ム３１の車外側側壁２３及び車内側側壁３０の部分にそれぞれ被さった状態で モ−ルリップとドアフレ−ムが畧面一化状態になるように構成されている（特に 車外側において）。

【００１５】 なお、この第二実施例においてはドアフレ−ム３１の車外側及び車内側係止凸 部３５、３６は車外側及び車内側両側壁３３、３４の下部（ドアフレ−ム底部３ ２側）に突設したので、ガラスラン２１の車外側及び車内側係止リップ２５、２ ６は側壁部２３、２４の根本部から三角形状の小突起となっている。

【００１６】

【考案の作用・効果】

以上の説明で明らかなようにこの考案に係るフラッシュサ−フェス型ガラスラ ンにおいては、車外側ドアフレ−ムとドアガラスとの間の段差を極めて小さくし たので面一化をより達成し、見栄えがよくなると共に、高速走行時の空力特性も 向上し、かつ段差部における風の巻き込みによる異音の発生も少なくなる等の効 果がある。また、ドアガラスランの車外側シ−ルリップは特には長く形成されて おらず、車外側側壁部の空隙部に収納されるため、ガラスの摺動によって捲くれ 反転することはない。

【００１７】 また、第二実施例ではドアフレ−ムのチャンネルを小型化することができるの で、軽量化と共に低コスト化にも寄与する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案が適用される自動車のドアの正面図であ
る。

【図２】本考案の第一実施例を示すガラスランがドアフ
レ−ムに装着された状態を示す図１のＡ−Ａ線断面図で
ある。

【図３】本考案の第二実施例を示すガラスランがドアチ
ャンネルに装着された状態を示す断面図である。

【図４】従来のガラスランの図１と同じ箇所における装
着状態を示す断面図である。

【符号の説明】

１、２１…ガラスラン １１…ドアフ
レ−ム ２、２２…ガラスラン底部 １２…ドアフ
レ−ム底部 ３、２３…車外側側壁部 １３…車外側
側壁 ５、２５…車外側係止リップ １４…車内側
側壁 ７、２６…車内側係止リップ １７…溝 ９ …薄肉部 １８…開口部 １０ …空隙部 １９…ドア
ガラス

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 底部１２および係止凸部１５、１６を有
   する一対の側壁１３、１４により断面畧コ字状に形成さ
   れたドアフレ−ム１１の溝１７に嵌合され、かつドアフ
   レ−ムの溝１７の中心から車外側にオフセットした位置
   にドアガラス１９が嵌入するフラッシュサ−フェス型の
   ドアガラスランにおいて、ガラスラン底部２に連接した
   側壁部３、４の根本近傍から前記ドアフレ−ム１１の係
   止凸部１５、１６で係止される係止リップ５、６が前記
   ドアフレ−ム１１の係止凸部１５、１６方向に延設さ
   れ、前記ドアフレ−ムの車外側係止凸部１５より開口部
   １８側でガラスラン１の車外側側壁部３がドアガラス１
   ９側に空隙部１０を有するように、この車外側側壁部３
   をドアフレ−ム１１の車外側側壁１３に接触させるか、
   または／および肉薄（９）に形成され、ガラスラン１の
   車外側側壁部３の開口部１８側端部からドアガラス１９
   側へ張設した車外側シ−ルリップ７がドアガラス１９が
   ガラスラン１に嵌入された状態のとき、前記車外側シ−
   ルリップ７が前記空隙部１０に収納可能な構成としたこ
   とを特徴とする自動車用ドアガラスラン。