JPH06220323A - 導電性樹脂組成物および電子部品収納容器 - Google Patents

導電性樹脂組成物および電子部品収納容器

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Publication number
JPH06220323A
JPH06220323A JP1077393A JP1077393A JPH06220323A JP H06220323 A JPH06220323 A JP H06220323A JP 1077393 A JP1077393 A JP 1077393A JP 1077393 A JP1077393 A JP 1077393A JP H06220323 A JPH06220323 A JP H06220323A
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JP
Japan
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resin
weight
compound
composition according
conductive carbon
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Application number
JP1077393A
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English (en)
Inventor
Koichi Nozaki
光一 野崎
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 1.(A)ポリフェニレンスルフィド樹脂
20〜70重量%、(B)無水マレイン酸で変性された
ポリフェニレンエーテル樹脂 70〜30重量%、
(C)導電性カーボン 1〜10重量%、(D)有機シ
ラン化合物、例えばエポキシシラン 2重量%以下、お
よび(E)熱可塑性エラストマー、例えば水添(スチレ
ン−ブタジエン−スチレン)ブロック共重合体 3〜1
5重量%、(F)粒子形状が板状の無機フィラー、例え
ばマイカ 5〜20重量%からなる導電性樹脂組成物。
2.前記組成物から成形される電子部品収納容器。 【効果】 耐熱性、成形性、靭性が著しく優れる上、そ
りが小さく寸法安定性にも優れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は導電性、帯電防止性を有
し、かつ耐熱性に優れた導電性樹脂組成物および該樹脂
組成物から成形されるIC用耐熱トレー等の電子部品収
納容器に関する。
【0002】
【従来の技術】電子機器の高密度実装化に伴い、より実
装密度を上げるために、スルーホール基板等にIC部品
の実装が行われている。しかしながら、フローソルダー
によるIC部品の実装時にIC部品が吸湿していると加
熱中にIC内部に水蒸気が発生し、フクレあるいはクラ
ックを生じてIC部品が破損する。このため、実装時に
あらかじめ100℃以上の温度でIC部品を乾燥し、水
分を除去する必要がある。
【0003】しかしながら従来のIC乾燥工程は、静電
気によるICの破損防止のため、静電防止された導電性
を有するプラスチックトレー(又はマガジンケースプラ
スチックトレー)から一度ICをアルミダイキャスト製
トレーに移し乾燥する必要があった。そして乾燥したI
Cを再度前記トレーに移して出荷しており、煩雑な工程
を必要とした。その最大の理由は、上記トレーが塩化ビ
ニルあるいはポリスチレン系よりなり、IC乾燥時に耐
熱が不足し変形するからである。そこで、工程の簡略化
および高価なアルミダイキャストトレーの代替として、
100℃以上の耐熱性を有するプラスチックトレーが検
討されている。
【0004】一方、シリコンウェハーの洗浄時に使用さ
れるウェハーキャリヤー、ハンダ付け工程時のプリント
基板の搬送に使用されるラック等のIC部材についても
100℃以上の耐熱を満足しうるものが要求されてお
り、従来ポリプロピレン系樹脂やポリエステル系樹脂に
マイカ、ガラス繊維を含有した導電熱可塑性プラスチッ
クトレーの使用が知られている(特開平2−13836
6号)。しかし、乾燥時間短縮のために更に高い温度で
の乾燥を行なう必要があり、好ましくは150℃以上の
乾燥温度にたえるプラスチックトレーが要望されてい
る。ところが、上記ポリプロピレン系やポリエステル系
樹脂においては130℃レベルで耐熱が不足し変形す
る。
【0005】また耐熱非晶性熱可塑性樹脂としてポリフ
ェニレンエーテル樹脂の使用も考えられているが、この
もの自体成形加工性が悪いが、粉状炭素物質を含有させ
て導電性を付与させたものは射出成形が一層不可能であ
った。そこで、ポリフェニレンエーテル樹脂と共にスチ
レン系樹脂や水添(スチレン−ブタジエン−スチレン)
ブロック共重合体等の共重合体エラストマー等の樹脂を
併用して成形加工性を改良したものが知られている(特
開平2−175754号、特開平2−180958号)
が、このような場合、実際に成形加工性を改善しようと
すると耐熱性が150℃以上とならなかった。
【0006】更に、耐熱結晶性熱可塑性樹脂であるポリ
フェニレンスルフィド樹脂にガラス繊維を含有させたも
のの使用も考えられている(特開平−138366号、
前出)が、結晶性のため成形収縮率、反りが大きく、靭
性にも劣っている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は極めて優れた
耐熱性と優れた成形性を併せ持つ導電性樹脂組成物、お
よびこの組成物から成形される耐熱ICトレー等の電子
部品収納容器を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題を解
決するために鋭意検討した結果、ポリフェニレンスルフ
ィド樹脂と特定の変性剤で変性されたポリフェニレンエ
ーテル樹脂は好ましくは有機シラン化合物を介在させる
ことによって極めてよく相溶し、さらにこれら成分に加
えてより好適には熱可塑性エラストマーも添加すると、
150℃以上の優れた耐熱性、優れた成形性、靭性をも
ち、しかも反りが小さい等の特性が一層発揮された導電
性樹脂組成物が得られ、これにより本発明の目的が達成
されることを見出した。すなわち本発明は、(A)ポリ
フェニレンスルフィド樹脂 20〜70重量%、(B)
エチレン性二重結合とカルボキシル基または酸無水物基
を同時に有する化合物で変性されたポリフェニレンエー
テル樹脂 70〜30重量%、(C)導電性カーボン
1〜10重量%、および(D)有機シラン化合物 0〜
2重量%からなることを特徴とする導電性樹脂組成物、
さらにはこの導電性樹脂組成物から成形してなる電子部
品収納容器を提供するものである。
【0009】本発明の導電性樹脂組成物の最大の特徴
は、ポリフェニレンエーテル樹脂を特定の変性剤で変性
させることにある。この変性ポリフェニレンエーテル樹
脂末端基とポリフェニレンスルフィド樹脂末端基が好ま
しくは有機シラン化合物を介在下、溶融混練時に反応
し、ポリフェニレンエーテル樹脂とポリフェニレンスル
フィド樹脂の両樹脂が極めてよく相溶する。これにより
ポリフェニレンエーテル樹脂のもつ優れた寸法安定性、
成形品での低反り、ポリフェニレンスルフィド樹脂の優
れた耐熱性、成形性を兼ね合わせた性能が充分に発揮さ
れる。
【0010】さらに、これら成分に加えて熱可塑性エラ
ストマーを添加すると、ポリフェニレンスルフィド樹脂
の脆さが一層改善される。
【0011】また、本発明組成物の特徴は、導電性付与
も導電性カーボン10重量%以下の少量添加で達成で
き、このため樹脂分の減少を小さくし、靭性の低下を防
ぐことも可能なことにある。このように、本発明の導電
性樹脂組成物は、優れた成形性、耐熱性および成形品で
の低反りを併せ有する。
【0012】本発明に使用する(A)ポリフェニレンス
ルフィド樹脂(以下、PPSと略す)は下記一般式、
【0013】
【化1】
【0014】で示される構造単位を90モル%含むもの
が好ましい。
【0015】このポリマーの重合方法としては、P−ジ
クロルベンゼンを硫黄と炭酸ソーダの存在下で重合させ
る方法、極性溶媒中で硫化ナトリウムあるいは水硫化ナ
トリウム又は硫化水素と水酸化ナトリウムの存在下で重
合させる方法、P−クロルチオフェノールの自己縮合な
どがあげられるが、N−メチルピロリドン、ジメチルア
セトアミドなどのアミド系溶媒やスルホラン等のスルホ
ン系溶媒中で硫化ナトリウムとP−ジクロルベンゼンを
反応させる方法が適当である。この際に重合度を調節す
るためにカルボン酸やスルホン酸のアルカリ金属塩を添
加したり、水酸化アルカリを添加することは好ましい方
法である。
【0016】含まれうる他の共重合成分としては、以下
のものが挙げられる。
【0017】
【化2】
【0018】上記のような共重合成分は10モル%未
満、好ましくは5モル%以下がよい。特に3官能性以上
のフェニル、ビフェニル、ナフチルスルフィド結合など
を共重合に選ぶ場合は3モル%以下、さらに好ましくは
1モル%以下がよい。
【0019】一方、本発明に使用するポリフェニレンエ
ーテル樹脂(以下、PPEと略す)は、下記一般式で示
される単位を一種以上含有するホモポリマーまたはコポ
リマーであることが望ましい。
【0020】
【化3】
【0021】(式中、R1 ,R2 ,R3 およびR4 はそ
れぞれ独立に、水素、ハロゲン、硫化水素、ハロ炭化水
素、炭化水素オキシからなる群から選択され、nはモノ
マー単位の総数を表わし、20以上の整数である)
【0022】PPE樹脂の製造方法はとくに限定しない
が、米国特許第3306874号、同第3306875
号、同第3257357号および第3257358号に
記載の方法でフェノール類の反応によって製造できる。
これらフェノール類としては、2,6−ジメチルフェノ
ール、2,6−ジエチルフェノール、2,6−ジブチル
フェノール、2,6−ジラウリルフェノール、2,6−
ジプロピルフェノール、2,6−ジフェニルフェノー
ル、2−メチル−6−エチルフェノール、2−メチル−
6−シクロヘキシルフェノール、2−メチル−6−メト
キシフェノール、2−メチル−6−ブチルフェノール、
2,6−ジメトキシフェノール、2,3,5−トリメチ
ルフェノール、2,3,5,6−テトラメチルフェノー
ルおよび2,6−ジエトキシフェノールが含まれるが、
これらに限定されるものではない。
【0023】本発明において、好ましいPPE樹脂はポ
リ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル
である。
【0024】次にPPE樹脂の「変性剤」は、分子中に
エチレン性二重結合とカルボキシル基または酸無水物基
を同時に有する化合物であり、具体的には、マレイン
酸、フマル酸、クロロマレイン酸、シトラコン酸、イタ
コン酸等で例示されるα,β−不飽和ジカルボン酸;ア
クリル酸、ブラン酸、クロトン酸、ビニル酢酸、メタク
リル酸、ペンテン酸、アンゲリカ酸で例示される不飽和
モノカルボン酸;これらのα,β−不飽和ジカルボン酸
および不飽和モノカルボン酸の酸無水物を挙げることが
できる。これらの中で、好ましいものはマレイン酸、ア
クリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸であり、さら
に好ましいものは無水マレイン酸である。
【0025】本発明で用いる(B)変性されたPPE樹
脂の調製は次のような方法によって行なうが特にこれに
限定されるものではない。たとえば、変性PPEは、前
記PPEに変性剤をPPEに対し0.01〜20重量
%、好ましくは0.1〜5重量%混合した後にロールミ
ル、バンバリーミキサー、押出機等を用いて150〜3
50℃の温度で溶融混練し、反応させることによって調
整しても、ベンゼン、トルエン、キシレン等で例示され
る溶液中でPPEと変性剤を加熱、反応させることによ
って調整してもよい。変性反応を容易に進めるために、
反応系にベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパ
ーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルパ
ーオキシベンゾエート等で例示される有機過酸化物やア
ゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソバレロニトリ
ル等で例示されるアゾ化合物で代表されるラジカル開始
剤を存在させることは有効である。より実用的な変性方
法は、ラジカル開始剤の存在下に溶融混練する方法であ
る。さらに溶融混練時に減圧下で未反応の変性剤を除去
することも効果的である。
【0026】本発明の組成物におけるPPS樹脂および
変性PPE樹脂の配合率は、それぞれ20〜70重量
%、70〜30重量%であり、好ましくは、PPS30
〜60重量%、変性PPE60〜40重量%である。P
PS樹脂と変性PPE樹脂とが前記した範囲内にある
と、流動性があり、また成形品の反りもない。
【0027】本発明で使用される(C)導電性カーボン
としてはファーネスブラック、アセチレンブラック、グ
ラファイト等が挙げられるが、なかでもファーネスブラ
ックが好ましい。また、炭素繊維についてはその繊維が
互いにからみ合い接触し合うので導電性効果が大きい。
【0028】本発明の組成物における導電性カーボンは
全組成中1〜10重量%、好ましくは2〜5重量%であ
る。導電性カーボンの配合が10重量%を越えると増粘
し、成形性が低下する。
【0029】本発明で使用する(D)有機シラン化合物
は通常シランカップリング剤と称されるものである。こ
の成分はPPS樹脂末端基、変性PPE樹脂反応基との
反応性を一層高めるものと考えられるので出来れば添加
しておくことが好ましく、例えばビニルシラン、アクリ
ルシラン、アミノシラン、エポキシシラン、メルカプト
シラン、ハロシランなどが挙げられる。特にエポキシシ
ランはPPS樹脂末端基、変性PPE樹脂反応基との反
応性がよく最も好ましい。
【0030】本発明の組成物における有機シラン化合物
の添加量は全組成中0〜2重量%、好ましくは0.3〜
1重量%である。有機シラン化合物の配合が2重量%を
越えると外観を損ない成形性も低下する。
【0031】更にまた本発明で使用されうる(E)熱可
塑性エラストマーとしては、A−B−A型エラストマー
状ブロック共重合体、ポリブタジエン部分の二重結合が
水添されたA−B−A′型エラストマー状ブロック共重
合体、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ジエン化合物
とビニル芳香族炭化水素との共重合体、ニトリルゴム、
エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン
−ジエン共重合体(EPDM)、チオコールゴム、ポリ
スルフィドゴム、アクリル酸ゴム、ポリウレタンゴム、
ブチルゴムとポリエチレンとのグラフト物、ポリエステ
ルエラストマー、ポリアミドエラストマー等が挙げられ
る。とりわけ、PPE樹脂との親和性がよく、流動性、
靭性が向上するA−B−A′型エラストマー状ブロック
共重合体が好ましい。
【0032】このブロック共重合体の末端ブロックAお
よびA′は重合されたビニル系芳香族炭化水素ブロック
であり、Bは重合された共役ジエンブロックあるいは二
重結合の大部分が水添された共役ジエンブロックであ
り、Bブロックの分子量はAおよびA′ブロックの組み
合わされた分子量よりも大であることが望ましい。末端
ブロックAおよびA′は同一でも異なってもよく、かつ
該ブロックは、芳香族部分が単環でも多環でもよいビニ
ル芳香族化合物から誘導された熱可塑性単独重合体また
は共重合体である。かかるビニル芳香族の例は、スチレ
ン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルキシ
レン、エチルビニルキシレン、ビニルナフタレンおよび
それらの混合物が挙げられる。中央ブロックBは、共役
ジエン系炭化水素、たとえば1,3−ブタジエン、2,
3−ジメチルブタジエン、イソプレンおよび1,3−ペ
ンタジエンおよびそれらの混合物から誘導されたエラス
トマー状重合体である。
【0033】本発明の組成物において使用されうる熱可
塑エラストマーの量は全組成中、3〜15重量%、好ま
しくは5〜10重量%である。熱可塑性エラストマーの
配合が上記範囲にあると靭性効果に優れる、高い耐熱性
を示す成形物が得られる。
【0034】さらに、本発明で使用されうる(F)無機
質フィラーは成形品の反り改良のために加えられる成分
であって具体的には粒子形状が板状、好ましくは薄片状
の無機質粉末である。例えばアルミナ、カオリンクレ
ー、水酸化アルミニウム、セリサイト、タルク、二硫化
モリブデン、マイカ、ヨウ石クレー等が挙げられる。な
かでも特にマイカが成形品反り改良に効果があり、好ま
しい。
【0035】ここで用いるマイカとしては、通常重量平
均粒子径が10〜1000μm、重量平均アスペクト比
が10以上のものを用いるが、なかでも重量平均径が2
0〜600μm、重量平均アスペクト比が20〜70の
ものが好ましい。
【0036】本発明の組成物における無機フィラーの添
加割合は全組成中、5〜20重量%、好ましくは7〜1
5重量%である。無機フィラーの配合がかかる範囲であ
るとソリ改良効果も発揮されるし、無機質の添加による
靭性の低下もない。
【0037】本発明のIC用耐熱トレー等の電子部品収
納容器の製造方法に関しては特に制限はなく、通常公知
の方法を採用することができる。すなわち、上記(A)
〜(F)を主成分とする配合物をドラムブレンダー、ヘ
ンシェルミキサー等で均一混合した後、単軸又は多軸押
出機、インテンシブミキサー、ヘンシェルミキサー、加
熱ニーダー等により溶融混練した後、ペレット化する、
又はあらかじめ(A)、(B)、(D)および(E)又
は(A)、(D)および(E)の成分を混合した後、溶
融混練、ペレット化してなる混練物とその他の成分と、
更に必要ならば追加の(A)あるいは(B)成分を主成
分とする配合物を混合した後、溶融混練、ペレット化
し、射出成形法あるいは押出成形によって製造される。
【0038】尚、目的に応じて更に、顔料や染料、ガラ
ス繊維、金属繊維などの補強剤、粒子形状が板状でない
無機フィラー、酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、防錆
剤、難燃剤、および帯電防止剤などを添加することがで
きる。
【0039】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明す
る。なお、実施例および比較例に記した樹脂組成物およ
び成形物の特性評価は次の方法に従って実施した。
【0040】(1)ノッチ付アイゾット衝撃値 ASTM D−256に準拠した。(試験片の厚さ1/
8インチ、試験荷重30kgf)
【0041】(2)熱変形温度 ASTM D−648に準拠した。(試験片厚さ1/8
インチ、荷重18.5kgf/cm2
【0042】(3)表面固有抵抗 高抵抗抵抗率径「Hiresta IP」(三菱油化
製) 試験片 50×100×2mm
【0043】(4)トレーのソリ 335mm×180mm×2mmのICトレーを試験片
として、アニール処理(135℃のギヤーオーブン中で
2時間放置後、23℃で24時間放冷させる)したトレ
ーを定板上に置き、シックネスゲージにてソリの大きさ
を測定し、1mm以下を合格とした。
【0044】(5)トレーの機械強度 上記アニール処理したトレーを高さ2mmからコンクリ
ートの上に落とした時、不破壊の場合を合格とした。
【0045】(6)メルトフローレート JIS−K7210に準拠した。(荷重10kg 温度
300℃)
【0046】参考例−1(PPSの合成) 50リットルスケールのオートクレーブにN−メチルピ
ロリドンをモル比で70、硫化ナトリウム・9水塩を
0.99、安息香酸ナトリウムを0.60、水酸化ナト
リウムを0.15モルの比で仕込み(50モルスケー
ル)、窒素気流中210℃まで昇温し、脱水率110%
まで脱水を行なった。系を160℃まで冷却後、P−ジ
クロルベンゼンをモル比1.0で仕込み、封をした後窒
素で内圧を2.5kg/cm2 まで加圧した。重合によ
る発熱を昇温温度を制御しながらコントロールし、27
0℃まで昇温し5時間攪拌下に重合を行なった。内圧は
17kg/cm2 に上昇していた。
【0047】次に系を冷却後放圧し、内容物を大量の水
中へ注ぎフレーク状のポリマーを回収した。ポリマーは
熱水とアセトンによる洗浄をくり返して最終的に70%
の収率で白色フレーク状であった。これをJIS−K7
210のメルトフロー試験法(温度315.6℃、荷重
5kg)で測定したところ、フローレート=800g/
10分であった。このポリマーを低粘度PPSポリマー
とする。
【0048】参考例−2(PPSの架橋) 参考例−1の低粘度PPSポリマーをリボンブレンダー
に投入し、270℃で空気を吹き込みながら攪拌し、パ
ウダー状態でPPSを一部架橋せしめて最終的前記メル
トフロー試験法でフローレート=200g/10分にな
るまで加熱処理した。このポリマーを高粘度PPSポリ
マーとする。
【0049】 参考例−3(無水マレイン酸変性PPEの合成) 25℃でクロロホルム中で測定された極限粘度0.5
(dl/g)の2,6−ジメチルフェノール重合体3k
gに無水マレイン酸90gを添加し、ヘンシェルミキサ
ーにより混合した後、二軸押出機で300〜320℃の
温度で溶融混練しペレット化した。得られたペレット2
gをクロロホルム50mlに溶解した後、この溶液にメ
タノール500mlを加えてポリマーを沈殿せしめた。
【0050】得られたポリマーを濾別、乾燥した。(減
圧下、80℃、10時間)得られた試料の赤外吸収分析
を行ない、ポリフェニレンエーテルと無水マレイン酸と
から前もって作成しておいた検量線を用いて、ポリフェ
ニレンエーテルに結合していた無水マレイン酸の重量%
を算出し、無水マレイン酸の結合量とした。結合量は
1.3重量%であった。
【0051】実施例1〜3 参考例−1の低粘度PPS樹脂、参考例−3のマレイン
酸変性PPE樹脂、有機シラン化合物としてエポキシシ
ランカップリング剤(日本コニカー(株)社製:商品名
エポキシシランカップリング剤A−187)、導電性カ
ーボンとしてケッチェンブラックEC(オランダ:アク
ゾ社製)を表1に示す割合で均一混合した後、二軸押出
機にて300〜320℃の範囲で溶融混練し、ペレット
を得た。このペレットから射出成形法により、作製した
試験片およびICトレーの評価結果を表1に示す。
【0052】実施例4 実施例1においてPPS樹脂を参考例−2の高粘度PP
S樹脂のものに変え、表1に示す割合で均一混合した以
外は同様とした。
【0053】実施例5 実施例1において有機シラン化合物をアミノシランカッ
プリング剤(日本コニカー(株)社製:商品名アミノシ
ランカップリング剤A−1100)のものに変え、表1
に示す割合で均一混合した以外は同様とした。
【0054】実施例6 実施例1において、熱可塑性エラストマーとして、A−
B−A′型ブロック共重合体エラストマーとして水添
(スチレンブタジエン−スチレン)ブロック共重合体
(旭化成(株)社製:商品名タフテック1913G)を
表1に示す割合で均一混合した以外は同様とした。
【0055】実施例7 実施例6において、有機シラン化合物をアミノシランカ
ップリング剤(日本コニカー(株)社製:商品名アミノ
シランカップリング剤A−1100)のものに変え、表
2に示す割合で均一混合した以外は同様とした。
【0056】実施例8 実施例1において板状無機フィラーとして、マイカ(ク
ラレ(株)製:商品名クラレマイカ200KI)を表2
に示す割合で均一混合した以外は同様とした。
【0057】実施例9 実施例6において、板状無機フィラーとして、マイカ
(クラレ(株)製:商品名クラレマイカ200KI)を
表2に示す割合で均一混合した以外は同様とした。
【0058】実施例10 実施例9においてPPS樹脂を参考例−2の高粘度PP
S樹脂のものに変え、表2に示す割合で均一混合した以
外は同様とした。
【0059】実施例11 実施例1において導電性カーボンを炭素繊維(大日本イ
ンキ化学工業(株)社製:ドナカーボS−242)のも
のに変え、表2に示す割合で均一混合した以外は同様と
した。
【0060】
【表1】
【0061】
【表2】
【0062】比較例1 実施例1においてPPS樹脂を使用することなく、表2
の割合で均一混合し同様に溶融混練しペレット化した
が、高粘度のため射出成形が不可能であった。
【0063】比較例2 実施例1において表2に示す割合で均一混合した以外は
同様とした。熱変形温度が150℃以上を満たさず耐熱
トレーとして十分な耐熱性を有しない。
【0064】比較例3 実施例4において表2に示す割合で均一混合した以外は
同様とした。トレーとしての反りが大きく、十分な実用
価値を有しない。
【0065】比較例4 実施例1においてシラン化合物を使用することなく、表
2の割合で均一混合した以外は同様とした。トレーとし
て機械的強度が大幅に低下し、十分な実用価値を有しな
い。
【0066】
【表3】
【0067】
【発明の効果】本発明樹脂組成物よりなるIC用トレー
は耐熱性、導電性、耐衝撃性、成形性に優れており、そ
の実用価値は大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 71/12 LQN 9167−4J LQP 9167−4J H01B 1/18 7244−5G

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ポリフェニレンスルフィド樹脂
    20〜70重量%、(B)エチレン性二重結合とカルボ
    キシル基または酸無水物基を同時に有する化合物で変性
    されたポリフェニレンエーテル樹脂 70〜30重量
    %、(C)導電性カーボン 1〜10重量%、および
    (D)有機シラン化合物 0〜2重量%からなることを
    特徴とする導電性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の成分に加えて、(E)
    熱可塑性エラストマー 3〜15重量%を含んでなるこ
    とを特徴とする導電性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 更に(F)粒子形状が板状の無機フィラ
    ー 5〜20重量%を含んでなる請求項1または2記載
    の組成物。
  4. 【請求項4】 導電性カーボン(C)が、ファーネスブ
    ラックである請求項1、2または3に記載の組成物。
  5. 【請求項5】 導電性カーボン(C)が、炭素繊維であ
    る請求項1、2または3に記載の組成物。
  6. 【請求項6】 有機シラン化合物(D)が、エポキシシ
    ラン化合物である請求項1、2または3に記載の組成
    物。
  7. 【請求項7】 熱可塑性エラストマー(E)が、A−B
    −A′型エラストマー状ブロック共重合体(但し、A、
    A′は重合されたビニル系芳香族炭化水素を、Bは重合
    された共役ジエンブロックあるいは二重結合の大部分が
    水添された共役ジエンブロックを示す)である請求項2
    または3記載の組成物。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか1つに記載の導
    電性樹脂組成物から成形される電子部品収納容器。
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