JPH06219533A - パレット搬送式ベースマシン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 間欠駆動されるコンベヤチエーンの押駒の押
圧でパレットを搬送させるベースマシンにおいて、チエ
ーンに載置されたパレット端に、バネ弾性で当接するパ
レットの挟持駒の作用により、パレットが押駒から離間
せず、衝撃も吸収でき、パレットのサイズも自由に選択
できるパレット搬送式ベースマシンを提供すること。 【構成】 間欠駆動されるコンベヤチエーンに、パレッ
ト移送用の押駒を一定ピッチに装着すると共に、平行す
る別個のチエーンにパレット端にバネ弾性で当接するパ
レットの挟持駒列を配置した。 【効果】 固定サイクル式の搬送形態が採れ、作業ステ
ーションにおけるタクトタイムの短縮が図れ、パレット
のサイズも自由に選択できるので、多品種生産に対応で
き、パレット停止時に衝撃吸収作用も発揮するので位置
決め精度が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】高速度の多品種少量生産ラインに
対応する組立，加工システムにおいて、被加工物を搬送
するパレットを用いた直進形インデックス送り方式のパ
レット搬送式ベースマシンに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、組立および加工用のベースマシン
として使用されているワーク等の搬送装置は種々ある
が、多品種少量生産で組立部品点数の多いものとか、加
工ならびに検査工程の多いものについては、第１の例と
して、フリーフロー式のローラコンベヤ，スラットコン
ベヤ等があり、被運搬物たるワークを搭載して移動させ
るためのパレットを前記コンベヤ上面にフリーの状態で
搭載して移送させる方式のものが知られている。

【０００３】前記第１の例では、パレットを等速で移動
させながら、パレット上のワークに対して作業を行うも
のであるから、高速の移送が出来ず、タクトタイムは３
秒以上必要である。

【０００４】またパレットの停止時とかパレットの衝突
時には、パレットがフリーの状態であるため衝撃が生
じ、ショックアブソーバ等が必要となるという問題点が
ある。

【０００５】また作業を完了したパレットは、始めの工
程の位置まで戻す必要から、フリーフロー式ではパレッ
トリターン用のコンベヤ等、新たに搬送装置が必要とな
る問題点が内在する。

【０００６】従来のものの第２の例としては、前記パレ
ットを間欠送りさせる直進形固定サイクル式のものがあ
り、駆動部にカム式インデックスユニットを用い、コン
ベヤチエーンを一定のサイクルで、移送，停止を行い、
停止時にパレットに対して作業を行う方式のものが知ら
れている。

【０００７】前記第２の例のものは、パレットがチエー
ン等に固定されているため、チエーンの精度とか、運転
経過時間によるチエーンの伸びなどによりパレットの位
置決め精度が出し難いという欠点がある。

【０００８】またパレットがチエーン等に固定されてい
るため、パレットの大きさの変更が難しいという欠点が
あり、従って多品種を同一のベースマシンで対応するこ
とが出来ないという欠点がある。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】前記従来技術の有する
問題点に鑑み、本発明は、多品種，少量生産で部品点数
が多く、組立，加工，検査等の工程の多い生産ラインの
ベースマシンとして、ワーク移送用のパレットの移送と
停止との間欠送りが高速で運転できる直線形固定サイク
ル式の装置を基礎として、移送中のパレットが一定のピ
ッチで所定位置に移送でき、停止時には衝撃がなく、シ
ョックアブソーバ等の設備を必要としない装置を提供す
ることを課題としている。

【００１０】また、パレットの停止位置における位置決
め精度が高く、停止時中のワークに対する加工作業の安
定化が図れることにより、製品の精度の向上が図られる
と共に、タクトタイムの改善の効果が上がる装置とする
ことも課題としている。

【００１１】同時に、パレットはコンベヤチエーンに固
定されずフリーな状態で、所定のピッチ寸法で搭載され
て、チエーンによるパレットの移送方法を、前述の間欠
送り駆動とすることにより、一定のピッチの範囲内であ
れば、パレットの寸法の制約が少ないので、寸法を自由
に設定でき、多品種対応が容易であるという構成のパレ
ット搬送式ベースマシンを提供することをも課題として
いる。

【００１２】

【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
め本発明では、間欠送り駆動装置に連結された第１の無
限搬送帯に、一定ピッチのパレットの押駒列が装着さ
れ、押駒によるパレット移行路に前記第１の無限搬送帯
と平行し、同期移行する制動用の第２の無限搬送帯があ
り、第２の無限搬送帯には第１の無限搬送帯によって押
送されるパレットの移行方向端にバネ弾性で当接する挟
持駒列が装着されているという構成とした。

【００１３】

【作用】本発明では、間欠送り駆動装置に連結された無
限搬送帯たるコンベヤチエーンが、直線形固定サイクル
による送りと停止の交互動作によって一定ピッチで正確
にパレットを所定位置に移送することができる。

【００１４】パレットが所定位置に停止するとパレット
上のワークに対する作業ステーションでの作業が開始さ
れ、その作業が完了すると、パレットは次のステーショ
ンへ移送され、次の停止位置で再び作業が開始される。
このように作業と移送動作が交互に所定時間内で実施さ
れるから作業の効率化が図られる。

【００１５】従って、前記コンベヤチエーンの一定のピ
ッチを基準として、組立，加工，検査等の作業ステーシ
ョンの設置位置をパレットの停止位置として配置するこ
とにより、所定の工程の流れ作業化を可能とする多工程
用の生産ラインが形成できる。

【００１６】前記パレットはコンベヤチエーンに固定さ
れず、前記チエーンに所定のピッチで装着されている押
駒の押進力により一定のピッチ送りの間欠駆動とされる
からパレットの幅寸法も、前記ピッチ寸法の範囲内であ
れば制約も少ないので、寸法も自由に設定できるので、
パレットの交換が容易であり多品種に対応できる。

【００１７】前記コンベヤチエーンと位相をずらして配
設されているパレット挟持用チエーンには、パレット挟
持駒が前記コンベヤチエーンの押駒と対峙して装着さ
れ、かつ該挟持駒には、パレットへの前記押駒による作
用力に反発するスプリングが装着されているから、前記
スプリングはパレットを常に前記押駒に押し付ける形で
パレットを挟みつつ移送する作用をする。

【００１８】このようにして搬送されたパレットは、コ
ンベヤチエーンの停止に伴い、前記スプリング作用を受
けつつ前記押駒の押進力により所定の位置に停止する
が、この時スプリングの衝撃吸収作用により、パレット
へのショックはないのでショックアブソーバ等の設備も
不要となる。

【００１９】またパレット挟持用チエーンスプロケット
は、固定を解いて軸まわりに回動させることによりコン
ベヤスプロケットに対する位相を変えることにより、挟
持駒と押駒との間隔を調節，変更できるので、パレット
の幅が変更されても、挟み込み機能を容易に対応させる
ことができ、多品種生産にも充分対応できる。

【００２０】

【実施例】本発明のパレット搬送式ベースマシンの装置
の実施例の概要が図１，図２に示されており、図１は本
発明の前記装置の略示平面図、図２は図１に示すものの
略示断面図である。

【００２１】カム式インデックスユニット２と減速モー
タ１とが直結されて間欠送り駆動装置１０が形成されて
おり、前記インデックスユニット２の出力軸が、図中に
省略されているカップリングを介して前記ベースマシン
１４の前進端５の駆動軸３に連結されており、一方後端
部６には被動軸４が前記駆動軸３と対峙して配設されて
いる。

【００２２】前記両者の軸３，４には、それぞれ駆動コ
ンベヤスプロケット２５および被動コンベヤスプロケッ
ト８が配置されており、前記両者のスプロケット２５と
８にわたって２本のコンベヤチエーン１８，１８が並列
に懸架されて、パレット７輸送用の第１の無限搬送帯が
形成されている。また前記第１の無限搬送帯は、インデ
ックスユニット２の出力軸に直結された前記駆動軸３に
より固定サイクル式の間欠駆動とされ、所定のタイムサ
イクルに基づいて一定ピッチＰの送りによって移動と停
止との繰り返し駆動される。

【００２３】前記コンベヤチエーン１８，１８には、各
々一定ピッチＰ毎に、パレット７送り用の押駒９が矢印
Ｘ方向に向かって互いに同一位相の位置に装着され、そ
れぞれ一連の押駒列１１が形成されており、該押駒列１
１の各一定ピッチＰ間に装着されたパレット７は、矢印
Ｘ方向への一定ピッチＰの送りをなす押駒９の押進力に
より、所定タイムサイクルに基づいて前述の送りと停止
との間欠動作により移送される。

【００２４】前記コンベヤチエン１８，１８に平行し
て、パレット７の移送方向両側面の案内板として、ガイ
ド１３，１３が、前記被動軸４より駆動軸３におよぶ位
置まで延設されており、また前記ガイド１３，１３の内
側に沿ってパレット７の下面が摺動自在に接する移送レ
ール１７，１７が配設されており、前記ガイド１３，１
３と移送レール１７，１７とにより、矢印Ｘ方向に移送
されるパレット７の移行路１５が形成されている。

【００２５】前記駆動コンベヤスプロケット２５および
被動コンベヤスプロケット８に隣接してそれぞれ駆動軸
３と被動軸４にパレット挟持用の駆動側のチエーンスプ
ロケット２７と被動側のチエーンスプロケット２８とが
配設されており、該チエーンスプロケット２７は前記駆
動コンベヤスプロケット２５に対して、固定を解いて軸
まわりに回動させることにより、位相を任意に調整でき
るよう駆動軸３に組み付けられ、位相の調整により、押
駒９に対する後述するパレット挟持駒３０の間隔を調
節，変更できるように構成されている。

【００２６】前記チエーンスプロケット２７と、前記チ
エーンスプロケット２８にわたってそれぞれ２本のパレ
ット挟み用のチエーン２９，２９が並列に懸架され、前
記第１の無限搬送帯１２を形成する前記コンベヤチエー
ン１８，１８に平行してパレット挟持用の第２の無限搬
送帯が形成されており、前記スプロケット２７の位相調
整によって、第１の無限搬送帯との位相を任意に調整で
き、かつ前記駆動軸３の駆動により、間欠運転させられ
る。

【００２７】また前記パレット挟持用チエーン２９に
は、一定ピッチＰ毎に前記パレット７の押駒９と位相を
ずらして対峙する複数のパレット挟持用の挟持駒３０が
装着され、挟持駒列３１を形成しており、該挟持駒列３
１がパレット７の移行方向端３２にスプリング３３のバ
ネ弾性により弾接されている構成とされている。

【００２８】前記スプリング３３はパレット７を常時、
前記押駒９に押圧作用を与えているのでパレットに移送
時あるいはコンベヤチエーンの停止時にもスプリング３
３が衝撃を吸収し、パレットへのショックを与えること
はない。

【００２９】またパレット７の幅が変更されても、前記
チエーンスプロケット２７の位相調整ができる構造であ
るから、パレット挟持駒列３１のパレット７への作用は
変えることなく、容易に対応でき、多品種生産にも充分
対応できる。

【００３０】前記ベースマシン１４の概要を述べると、
図１に示されるように前記コンベヤチエーン１８，１８
の送りピッチＰを基準とし、組立，加工，検査等の各設
備機械，器具が各ステーション２０に配置され、所定の
多品種少量生産ラインが構成されており、モータ１およ
びカム式インデックス２により駆動される前記コンベヤ
チエーン１８，１８は、矢印Ｘ方向に向かって間欠送り
駆動とされ、前記コンベヤチエーン１８，１８に装着さ
れた押駒列１１によりパレット７は移送と停止との繰り
返し動作のタイムサイクルに基づいて駆動され、停止時
に前記ステーション２０において作業が実施される構成
のものである。

【００３１】このようにして搬送されたパレット７は組
立，加工等のステーション２０においては停止と同時に
精密な位置決めが必要なため、前記コンベヤ１８に配設
されている図示が省略されている位置決め装置に進退自
在に配置されている位置決め用テーパピン１２が、前記
コンベヤ１８の停止位置において突出する構成とされて
おり、他方パレット７の側縁に、移送方向に直角なる位
置に位置決め用Ｖ溝２１が削設されており、パレット７
の停止位置において、前記テーパピン１２が突出して、
前記パレット７のＶ溝２１に嵌着されるからパレット７
は、所定の停止位置にストップさせられ、精密位置決め
される。次いで、作業が完了し前記コンベヤ１８の移動
と共に前記テーパピン１２は元の位置に退去，復帰する
ように作用する。

【００３２】この時パレット７は、押駒９から離れてパ
レット７の挟持駒３０のスプリング３３をさらに圧縮す
る方向に、すなわち矢印Ｘ方向に向かって進む状態で位
置決めされる。

【００３３】また図２で示されるように前記コンベヤチ
エーン１８，１８の上側で各ステーション２０における
作業が完了したパレット７は、前記前進端５に配設され
た円弧状のガイド２３に沿って下側に移送され、下レー
ル２４上を滑走し、後端部６のガイド２４に沿って再び
上側に戻り各ステーション２０の作業に移行する。

【００３４】従ってステーション２０の最終工程にパレ
ット７の戻し装置とか特別なリターンコンベヤを設置す
る必要はなく、パレット７を再び最初の工程に戻すこと
が出きる。

【００３５】

【発明の効果】本発明は以上説明した構成のものであ
り、間欠送り駆動装置に連結されたコンベヤチエーン
は、固定サイクル式駆動により所定の送りと停止とのサ
イクルタイムをもって連続的に駆動されているからワー
クが搭載されているパレットは、正確な一定ピッチで所
定停止位置に停止でき、停止位置に配置されている各ス
テーションの作業装置、機械あるいは器具により所定の
サイクルタイムで計画された作業を安全に正確に所定時
間で処理できる効果があるし、また各ステーションにお
ける作業が完了すると順次次のステーションへと正確に
移送できるから、タクトタイムも０．５秒程度に短縮も
可能となり、生産性の向上も併せて図られる効果を奏し
めるものである。

【００３６】前記パレットはコンベヤチエーンに固定さ
れず、フリーな状態でコンベヤチエーンに搭載され、一
定ピッチで前記チエーンに連続して装着されている押駒
列の押進力により、間欠送りされるから、前記ピッチの
範囲内のパレットサイズであれば、パレットの幅方向の
寸法の制約は少ないので、パレットの幅を自由に設定で
き、多品種のワークへの対応が容易にできる効果があ
る。

【００３７】前記挟持駒列に弾接するスプリングはパレ
ットを常時前記押駒に押圧作用を与えているので、パレ
ットの移送時、あるいは停止時にも、押駒のパレットに
対するブレーキ作用となり、押駒と離間することなくま
たショックを吸収する効果がある。

【００３８】また停止時のパレットの位置決めにおいて
は、押駒列による正確な送りピッチの作用と共に、前述
のパレットの移行方向端にバネ弾性で当接する挟持駒列
による制動力とにより精密な位置決め効果を奏しめるも
のである。

【図面の簡単な説明】

【図１】請求項１の発明の実施の一例を示す略示平面図
である。

【図２】図１に示すものの略示断面図である。

【符号の説明】

７ パレット １０ 間欠送り駆動装置 １１ 押駒列 １４ パレット搬送式ベースマシン １５ 移行路 ３０ 挟持駒 ３１ 挟持駒列 ３２ 移行方向端 Ｐ ピッチ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 間欠送り駆動装置に連結された第１の無
   限搬送帯に、一定ピッチのパレットの押駒列が装着さ
   れ、押駒によるパレット移行路に前記第１の無限搬送帯
   と平行し、同期移行する制動用の第２の無限搬送帯があ
   り、第２の無限搬送帯には第１の無限搬送帯によって押
   送されるパレットの移行方向端にバネ弾性で当接する挟
   持駒列が装着されていることを特徴するパレット搬送式
   ベースマシン。