JPH0621928Y2 - 橋梁点検保守用台車装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は橋梁点検保守用台車装置に関し、特に橋梁塗装
用の作業床を構成し得る橋梁点検保守用台車装置に関す
る 〔従来技術〕 一般に、比較的大型の橋梁にはその点検保守のための橋
梁点検保守用台車が備えられ、この橋梁点検保守用台車
を橋梁に付設されたガイドレールに沿って移動させなが
ら橋梁の下部及び側部の点検を行っている。

上記橋梁点検保守用台車として、例えば特開昭６１−２
２５４１０号公報には、枠材で四角柱トラス状に組まれ
橋梁の両側部に配設された左右１対の側面作業フレーム
と、両側面作業フレーム間に昇降可能で且つ着脱可能に
架設された下面作業台とを備え、橋梁の主構上弦材の両
側部に橋梁の長さ方向に向けて付設されたガイドレール
に両側面作業フレームの上端部を走行可能に支持させる
ように構成したものが記載されている。

通常、上記橋梁点検保守用台車は橋梁に常設されるた
め、橋梁の美観を損ねないようにまた安価に製作し得る
ように比較的小型に構成されている。このため、数年毎
に橋梁に塗装を施す場合には、十分な作業床を確保出来
ないため保守用台車を使用することが難しく、橋梁の外
周部に足場を組んで行っている。

〔考案が解決しようとする課題〕

従来のように橋梁に足場を組んで塗装を施す場合には、
橋梁の外周部の広い範囲に足場を組付けたりまた解体し
たりするために多大の労力と作業時間を必要とするこ
と、足場を構成するのに多くの資材を必要とすること、
塗装中広範囲に亙って足場を組むので橋梁の美観を損ね
ることなどの問題がある。

また、橋梁点検保守用台車を大型にして塗装作業に供す
ることも考えられるが、橋梁の外観を損ねるとともに制
作費が高くなるばかりかその使用頻度も少ないので極め
て不経済であること、橋梁の点検時軽便に動かせないこ
となどの問題がある。

〔課題を解決するための手段〕

本考案に係る橋梁点検保守用台車装置は、橋梁の長さ方
向に向けて橋梁に付設された複数条のガイドレールに支
持されガイドレールに沿って走行自在であって且つ橋梁
の長さ方向に相互に所定間隔あけて配設された１対の点
検保守用台車と、上記１対の点検保守用台車間に着脱可
能に架設された両点検保守用台車を一体走行可能に連結
し且つ作業床を構成するための複数の連結部材とを備え
たものである。

〔作用〕

本考案に係る橋梁点検保守用台車装置においては、橋梁
の長さ方向に相互に所定間隔あけて配設された１対の点
検保守用台車に、複数の連結部材を架設して塗装用の作
業床を構成し、点検保守用台車を橋梁の長さ方向に向け
て橋梁に付設されたガイドレールに沿って走行させなが
ら順々に塗装を施すことが出来る。

特に、この橋梁点検保守用台車装置は、橋梁の点検用に
その径間毎に常設されている点検保守用台車を移設して
２台組合せ、連結部材で連結することにより構成するこ
とも可能である。

〔考案の効果〕

本考案に係る橋梁点検保守用台車装置よれば、以上説明
したように、１対の橋梁点検保守用台車間に連結部材を
架設することにより、その都度足場を組まなくても既存
の橋梁点検保守用台車を有効活用して塗装となどの保守
作業用の作用床を構成することができるので、足場を組
むための作業時間及び設備費を大幅に節減することが出
来る。しかも、広範囲に亙る作業床を組まなくても、橋
梁点検保守用台車装置を移動させることにより順々に作
業を施せるので、作業中橋梁の美観を殆ど損ねない。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図面に基いて説明する。

第１図・第２図に示すように、橋梁１の主構上弦１ａの
両端部には左右１対のガイドレール２が前後方向（橋梁
１の長さ方向）に向けて付設され、主構下弦１ｂの両端
下部には左右１対の走行レール３が前後方向に向けて付
設され、橋梁１の外周部にはその両側及び下側に亙る略
Ｕ字状の橋梁点検保守用台車４が橋梁１の各径間毎に配
設され、この橋梁点検保守用台車４がガイドレール２及
び走行レール３に沿って走行され、橋梁１の両側部及び
下部を点検するようになっている。

上記橋梁点検保守用台車４は、着脱可能に配設された前
後１対の作業用台車５からなる２分割構造に構成され、
各作業用台車５は橋梁１の側部に所定距離あけて配設さ
れた左右１対の側部作業台５ａと、これら側部作業台５
ａの下端部間に架設され橋梁１の下部に所定距離あけて
配設された下部作業際５ｂとから構成され、一方の作業
用台車５には橋梁点検保守用台車４を前方或いは後方に
駆動するための駆動装置（図示略）が配設されている。

上記側部作業台５ａ及び下部作業台５ｂは、枠材にて四
角柱トラス状に組まれたものであり、側部作業台５ａに
は所定間隔おきに点検保守用作業床６が形成され、下部
作業台５ｂにはその全長に亙って点検保守用作業床６が
形成されている。各側部作業台５ａの上端部の橋梁１側
にはガイド部材７が突設され、ガイド部材７に設けられ
た転動輪がガイドレール２に係合され、下部作業台５ｂ
の両端近傍部には支持ロッド８が立設され、各支持ロッ
ド８の上端部にはガイド部材９が連結され、ガイド部材
９に設けられた転動輪や駆動輪が走行レール３の下部フ
ランジの上面に係合され、各作業用台車５はガイド部材
７及びガイドレール２を介して橋梁１に前後方向移動可
能で且つ左右方向移動不能にガイドされ、走行レール２
・３を介して橋梁１に前後方向走行可能に支持されてい
る。

通常時（塗装作業を施さない時）には、上記両作業台車
５は、第２図に示すように、図示外のブラケットやボル
ト等により一体的に連結され、これら一体的に連結され
た２組の作業用台車５によって点検保守用台車４を構成
し橋梁１の点検がおこなわれる。

橋梁１の保守作業としての塗装作業を施す場合には、上
記１対の作業用台車５は分離されて前後に所定距離開け
て配設され、前後の側部作業台５ａ間及び前後の下部作
業台５ｂ間には夫々所定間隔おきに連結部材１０が着脱
可能に架設され、前後の作業用台車５は各連結部材１０
を介して一体的走行可能に連結され、１対の作業用台車
５と多数の連結部材１０とで橋梁点検保守用台車装置１
１が構成される。連結部材１０には前後の作業用台車５
の各点検保守用作業床６を連結する補助作業床１２が足
場板等で形成され、前後の各点検保守用作業床６と各補
助作業床１２とで塗装用作業床１３が形成されている。

次に上記橋梁点検保守用台車装置１１の作用について説
明する。

橋梁１を点検する場合には、径間毎に配設された橋梁点
検保守用台車４を橋梁１に沿って移動させながら、点検
保守用作業床６から橋梁１の下部及び側部を点検するこ
とになる。

橋梁１に塗装を施す場合には、橋梁点検保守用台車４を
前後に２分割し、分割された１対の作業用台車５を前後
に所定間隔あけて保持する。そして、両作業用台車５間
に連結部材１０を架設して両作業用台車５を連結して橋
梁点検保守用台車装置１１を構成し、前後の点検保守用
作業床６と補助作業床１２とで塗装用作業床１３を形成
する。

尚、塗装時には台車装置１１の外面側をオーニング等で
塗装噴霧が飛散しないように覆った状態で作業を行う。
そして、橋梁点検保守用台車装置１１を走行レール３及
びガイドレール２に沿って塗装を施す所定の位置へ移動
させ、塗装用作業床１３から橋梁１への塗装作業を行
う。こうして、移動した部分の塗装が完了すると、次の
塗装位置へ橋梁点検保守用台車装置１１を移動させ、橋
梁１の各径間毎に配設された橋梁点検保守用台車装置１
１にて順々に塗装を施すことになる。

以上のように、各径間毎に配設された橋梁点検保守用台
車４を２分割構造とし、分割された１対の作業用台車５
間に連結部材１０を架設するという簡単な構成の橋梁点
検保守用台車装置１１で、補助作業床１２により塗装用
の作業スペースを拡大することが出来るので、橋梁１の
外周部に足場を組付けなくても能率的に塗装作業を行う
ことが可能となり、足場を組付けるための労力と作業時
間及びその設備費を節減することができる。しかも、橋
梁点検保守用台車装置１１を走行レール３及びガイドレ
ール２に沿って前後方向に移動されることにより順々に
塗装を施すことが出来るので、広範囲に亙って足場を組
付けて橋梁１の美観を損ねることもない。

尚、上記実施例では、前後に２分割可能な橋梁点検保守
用台車４の両作業台車５間に連結部材１０を架設してな
る橋梁点検保守用台車装置１１について説明したが、他
の構成の橋梁点検保守用台車４でも連結部材１０を架設
して上記と同様の効果を得ることが可能である。

即ち、第４図に示すように、夫々側部作業台５Ａと下部
作業台５Ｂからなる左右１対の略Ｌ字状の橋梁点検保守
用台車４Ａの場合には、一方の橋梁点検保守用台車４Ａ
を他方の橋梁点検保守用台車４Ａの前方或いは後方へ移
動させ、第５図に示すように、両橋梁点検保守用台車４
Ａを前後に所定距離あけて配設し、前後の橋梁点検保守
用台車４Ａ間に所定間隔おきに連結部材１０を架設して
橋梁点検保守用台車装置１１を構成してもよい。

また、２分割出来ないようなタイプの橋梁点検保守用台
車４の場合には、塗装を施す径間へ隣接する径間の橋梁
点検保守用台車４を移動させ、これら１対の橋梁点検保
守用台車４を前後に所定距離空けて配設し、これら１対
の橋梁点検保守用台車４間に所定間隔おきに連結部材１
０を架設して橋梁点検保守用台車装置１１を構成しても
よい。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は橋梁及び
橋梁点検保守用台車の縦断正面図、第２図は橋梁及び橋
梁点検保守用台車の側面図、第３は橋梁点検保守用台車
装置の側面図、第４図及び第５図は変形例に係るもの
で、第４図は橋梁及び橋梁点検保守用台車の縦断正面
図、第５図は橋梁及び橋梁点検保守用台車装置の側面図
である。 １……橋梁、２……ガイドレール、３……走行レール、
４・４Ａ……橋梁点検保守用台車、５……作業用台車、
１０……連結部材、１１……橋梁点検保守用台車装置、
１２……補助作業床。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】橋梁の長さ方向に向けて橋梁に付設された
   複数条のガイドレールに支持されガイドレールに沿って
   走行自在であって且つ橋梁の長さ方向に相互に所定間隔
   あけて配設された１対の点検保守用台車と、 上記１対の点検保守用台車間に着脱可能に架設され両点
   検保守用台車を一体走行可能に連結し且つ作業床を構成
   するための複数の連結部材とを備えたことを特徴とする
   橋梁点検保守用台車装置。