JPH06219231A - エアバッグ用収納パッド及びその製造方法 - Google Patents

エアバッグ用収納パッド及びその製造方法

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JPH06219231A
JPH06219231A JP5009074A JP907493A JPH06219231A JP H06219231 A JPH06219231 A JP H06219231A JP 5009074 A JP5009074 A JP 5009074A JP 907493 A JP907493 A JP 907493A JP H06219231 A JPH06219231 A JP H06219231A
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JP
Japan
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top surface
storage pad
thermoplastic elastomer
less
tensile stress
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JP5009074A
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English (en)
Inventor
Shozo Sugiki
正三 杉木
Takahiro Iino
恭弘 飯野
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Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 生産性及び収率が良好で、開裂が破断線部を
越えて取付部にまで伝播することがなく、破断片の飛
散、接着強度の不充分さに基づく開裂の長時間化及び成
形の困難さや外観の問題を生じないエアバッグ用収納パ
ッドを提供する。 【構成】 (a) 熱可塑性エラストマーからなる一層構造
の天面部;及び(b) 天面部を支持するための取付部から
なり、天面部の外周部分が取付部に固着されていること
を特徴とするエアバッグ用収納パッド及びその製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車等車両の乗員保
護のためのエアバッグシステムにおいて、平常時には袋
体を収納しているケースであり、非常時には袋体の膨張
を妨げずに適切に破断、開裂するエアバッグ用収納パッ
ド及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から知られているエアバッグ用収納
パッドとしては、例えば、弾性材料に補強剤を埋め込み
これを成型した収納パッドが特開昭55−110643
号公報に開示されている。しかし、この収納パッドは製
造に際して補強剤のセットに時間がかかり、かつ、予定
位置に確実に補強剤が埋め込まれた成型体の歩留りが低
く、生産性及び収率に問題があった。一方、特開平1−
202550号公報には、軟質樹脂の表層と硬質樹脂の
内層とが一体に形成され、内層には開裂用スリットを設
けた構造の収納パッドが開示されており、特開平4−1
5145号公報には、熱可塑性エラストマーからなる表
層と内層が一体に形成され、内層のエラストマーの10
0%引張応力が表層のものよりも高く、かつ、表層には
計画された破断線部に沿って溝が設けられ、内層には計
画された破断線部及び展開支点軸線に沿ってスリットが
設けられている収納パッドが開示されている。更に、特
開平4−27637及び特開平4−27638号公報に
は、上記収納パッドの開裂が破断線部を越えて取付部に
まで伝播するのを防止するため、破断線の末端部分に開
裂防止用の高強度部分またはストップホールを設けた射
出成形された収納パッドが開示されている。
【0003】しかしながら、これら収納パッドはいずれ
も硬質の内層を有する二層構造となっているため、展開
時の温度が高温の場合、開裂防止用の高強度部分または
ストップホールを設けた場合でも、依然として破断線を
越えて取付部にまで開裂が伝播するという問題を生じ
た。また、かかる二層構造を形成するには表層と内層を
接着することを要するが、破断線周辺の接着強度が不充
分な場合には、内層の開裂に引き続き内層/表層の界面
剥離及び表層の伸びが起こり、収納パッドの開裂時間が
長くなるという問題があった。この問題は、瞬時に開裂
することが要求される収納パッドにとって極めて重要で
ある。更に、破断線を形成した層は薄肉となるためその
成形性が阻害され、かつ、軽量化のために表層を薄くし
た場合には破断線の凹凸が収納パッド表面に現れるとい
う外観上の問題も生じた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、生産性及び
収率が良好で、開裂が破断線部を越えて取付部にまで伝
播することがなく、破断片の飛散、接着強度の不充分さ
に基づく開裂の長時間化及び成形の困難さや外観の問題
を生じないエアバッグ用収納パッド及びその製造方法を
提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、収納パッドを
二層構造とすることなく、特定の物性を有する熱可塑性
エラストマーまたは熱可塑性樹脂を使用することによ
り、一層構造とすれば、上記の課題が解決できるとの知
見に基づきなされた。即ち、本発明は、(a) 熱可塑性エ
ラストマーからなる一層構造の天面部;及び(b) 天面部
を支持するための取付部からなり、天面部の外周部分が
取付部に固着されていることを特徴とするエアバッグ用
収納パッドの発明である。また、本発明は、熱可塑性エ
ラストマーまたは熱可塑性樹脂を射出成形して取付部を
製造し、該取付部を金型から取り出すことなく、引き続
き、前記熱可塑性エラストマーまたは熱可塑性樹脂より
も100%引張応力及び曲げ弾性率が低い熱可塑性エラ
ストマーを射出成形して天面部を製造し、該取付部と該
天面部の外周部分を固着することを特徴とするエアバッ
グ用収納パッドの製造方法の発明である。
【0006】本発明の好ましい態様においては、天面部
には脆弱部が設けられている。より好ましい態様におい
ては、天面部を形成する熱可塑性エラストマーは、脆化
温度が−40℃以下であり、更に好ましくは、100%
引張応力が150kg/cm2 以下であり、曲げ弾性率が1
500kg/cm2 以下であり、ショア硬度が90A以下で
ある。また、取付部は、天面部を形成する熱可塑性エラ
ストマーよりも高い100%引張応力及び曲げ弾性率を
有する熱可塑性エラストマーまたは熱可塑性樹脂である
ことが好ましく、更に100%引張応力が20kg/cm2
以上であり、曲げ弾性率が300kg/cm2 以上であるの
が好ましい。以下、本発明を詳しく説明する。
【0007】本発明でいう天面部とは、自動車等車両の
乗員保護のためのエアバッグシステムにおいて、自動車
等車両が一定以上の衝撃を受けたときに、ガス発生器に
より発生したガスで瞬間的に膨張するエアバッグが収納
パッドから外部に放出される際に、その膨張力により破
断される収納パッドの破断面をいい、その外表面は車両
の内装の一部を構成している。本発明の天面部は、熱可
塑性エラストマーからなる一層構造であり、従来の収納
パッドの如く二層構造ではない。本発明の天面部には脆
弱部が設けられているのが好ましい。
【0008】本発明の天面部を形成する熱可塑性エラス
トマーは、脆化温度が−40℃以下であることが好まし
く、更に好ましくは、−60℃以下である。脆化温度が
−40℃より高いときは、車両が置かれる環境下でエア
バッグシステムが作動した際に収納パッドの破断片が飛
散するおそれがあるからである。また、100%引張応
力が150kg/cm2 以下、特に100kg/cm2 以下であ
ることが好ましい。100%引張応力が150kg/cm2
を越えるときは強靱過ぎてエアバッグシステムが作動し
てもエアバッグの放出に時間がかかるか放出が困難にな
るからである。また、曲げ弾性率は1500kg/cm2
下、特に1000kg/cm2 以下であることが好ましい。
曲げ弾性率がこの範囲外であるときも100%引張応力
の場合と同様のことが言えるからである。更に、ショア
硬度は90A以下、特に40A〜80Aであることが好
ましい。本発明の収納パッドの天面部の外表面は車両の
内装の一部を構成し乗員により直接に触れられるので、
ショア硬度が40A未満であるときは軟弱な感じを与
え、90Aを越えるときは他の内装部分との違和感が生
じ快適さを害するおそれがあるからである。
【0009】本発明の天面部を形成する熱可塑性エラス
トマーとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポ
リオレフィン系エラストマー;ポリスチレン、ポリメチ
ルスチレン、水素添加ポリスチレン等のポリスチレン系
エラストマー;ポリウレタン系エラストマー;塩化ビニ
ル系エラストマー;ポリエステル系エラストマー;ポリ
アミド系エラストマーが挙げられ、単独で使用しても2
以上のエラストマーを組み合わせて使用してもよい。こ
れら熱可塑性エラストマーには、必要に応じて、増量、
難燃性、成形性、寸法安定性、外観、耐候性、開裂性、
軽量性等の向上を目的として、充填剤、難燃剤、可塑
剤、酸化防止剤、帯電防止剤、着色剤、紫外線吸収剤、
発泡剤等を添加してもよい。充填剤としては、酸化鉄、
アルミナ、マグネシア、酸化亜鉛等の金属酸化物;ニッ
ケル、亜鉛、銅、タングステン等の金属粉;タルク、マ
イカ、ワラストナイト等のケイ酸塩;硫化カルシウム、
硫酸バリウム等の硫酸塩;チタン酸カリウム、チタン酸
バリウム等のチタン酸塩のほか、フェライト、グラファ
イト、カーボンブラック、炭酸カルシウム、ガラスビー
ズ、グラスバブルス等が挙げられ、難燃剤としては、酸
化アンチモン、酸化ジルコニウム等無機系難燃剤;リン
酸エステル等の有機系難燃剤が挙げられる。酸化防止剤
としてはフェノール系化合物が挙げられ、帯電防止剤と
しては各種界面活性剤が挙げられ、着色剤としてはカド
ミウムイエロー、難燃性アゾ染料、赤色着色剤等が挙げ
られ、紫外線吸収剤としてはアクリロニトリル系、トリ
アゾール系、サリチル酸系化合物等が挙げられる。ま
た、発泡剤としては、アゾジカルボンアミド、アゾビス
イソブチロニトリル、ジニトロソペンタメチレンテトラ
ミン、4,4'−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジ
ド、p−トルエンスルホニルヒドラジド等の有機系化合
物が挙げられる。
【0010】本発明の天面部には脆弱部を設けるのが望
ましく如何なる形状であってもよい。例えば、天面部の
面の中心を通る破断線を形成することによって脆弱部を
設けることができる。また、天面部の周辺部から徐々に
厚みを減じ中心部分を最も薄くすることによって中央部
分に脆弱部を設けることができる。破断線を形成する場
合の溝の深さ、中心部分を薄肉にすることによって脆弱
部を設ける場合の厚さの勾配等は使用する熱可塑性エラ
ストマーの種類、天面部の平均厚さ等によって適宜決定
できる。脆弱部を設ける面は天面部の外表面であっても
内表面であってもよいが、外観への悪影響を避けるため
内表面に設けるのが好ましい。なお、本発明の天面部の
平均の厚みは1〜5mm、特に1.5〜3mmであることが好
ましい。1mm未満では熱可塑性エラストマーが上記の物
性を具備しても外観及び感触の点で相応しくなく、5mm
を越える場合はエアバッグの放出に時間がかかるか放出
が困難になるからである。
【0011】本発明でいう取付部とは、その天面部側の
端部が天面部の外周部分と固着している天面部のための
支持部をいい、通常はエアバッグ収納室の側壁を形成し
ている。かかる取付部は、天面部を支持できる材質であ
れば特に限定されないが、天面部を形成する熱可塑性エ
ラストマーよりも高い100%引張応力と曲げ弾性率を
有する熱可塑性エラストマーまたは熱可塑性樹脂で形成
されているのが好ましく、更に100%引張応力が20
kg/cm2 以上であり、曲げ弾性率が300kg/cm2 以上
であるのが好ましい。
【0012】熱可塑性エラストマーの種類は天面部の場
合と同様のものを挙げることができ、熱可塑性樹脂とし
ては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等
のポリオレフィン系樹脂;ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹
脂;ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン6,10、ナイロ
ン4,6等のポリアミド系樹脂のほか、ポリフェニレンオ
キシド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリオキシメチレ
ン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹
脂、エチレン−ビニルアルコール樹脂、ABS樹脂、ア
クリル−アクリロニトリル−スチレン樹脂、アクリル樹
脂、メタクリル樹脂、エチレン−アクリル酸エチル樹
脂、エチレン−メタクリル酸エチル樹脂、メタクリル−
スチレン樹脂、液晶性ポリマーが挙げられる。これらエ
ラストマー及び樹脂は、単独で使用しても2以上を組み
合わせて使用してもよい。
【0013】これら取付部に使用するエラストマーまた
は樹脂にも、必要に応じて、充填剤、難燃剤、可塑剤、
酸化防止剤、帯電防止剤、着色剤、紫外線吸収剤、発泡
剤等を添加してもよく、それらの具体例は天面部の説明
で列挙したものと同様である。なお、取付部には更に強
化剤を添加することができ、強化剤としては、ガラス繊
維、炭素繊維等の無機系繊維及びポリエステル繊維、ポ
リアミド繊維等の有機繊維が挙げられる。また、軽量化
を目的として中空構造としてもよい。次に、本発明の収
納パッドの製造方法について説明する。熱可塑性エラス
トマーまたは熱可塑性樹脂の射出成形は、通常の射出成
形機または二色成形機で行うことができる。溶融に使用
するエラストマー等は粉末、ビーズ状、塊状のいずれで
あってもよい。充填剤等の添加剤は原料樹脂のコンパウ
ンド時または射出成形機のホッパー上で添加することが
できる。
【0014】取付部と天面部はいずれを先に成形しても
よいが、一般に取付部を先に成形し、成形した取付部を
金型から取り出すことなく、引き続き、天面部を成形す
る。天面部の成形と同時に取付部は同一金型内で固着さ
れる。取付部と天面部の固着は如何なる方法でも行うこ
とができ、例えば、熱融着や接着剤による接着が挙げら
れるが、固着状態の長期保持性及び製造工程簡略化の見
地から熱融着を行うのが好ましい。なお、本発明でいう
熱融着とは固着される取付部と天面部の面が溶融状態に
ある間に接着剤等を使用することなくこれらを接着する
ことを意味しており、該溶融状態が成形直後のものであ
るか一旦冷却固化した後に再溶融したものであるかを問
わない。本発明の収納パッドは、車両事故等による強い
衝撃から乗員を保護でき、且つ、一定の収納容量のある
部分であれば、如何なる部分にも取り付けることができ
るが、特に車両のステアリングホイールや助手席側のイ
ンスツルメントパネル部分に取り付けるのが好ましい。
【0015】次に添付図面を参照して本発明の好ましい
実施態様について説明する。図1は、車両のステアリン
グホイール部分に取り付けた本発明の収納パッドの平面
図であり、破断線2が収納パッド1の内表面に収納パッ
ド1の中心を通って水平に設けられている。図2は、図
1の収納パッドのA−A線の断面図であり、天面部3が
その外周部分で固着部5を介して取付部4に固着されて
いる。図3〜4は、図2に示した収納パッドとは異なる
態様で天面部3と取付部4を固着した、図1の収納パッ
ドのA−A線の断面図である。図5は、図3と類似の断
面図であるであるが、破断線を設けるのではなく、天面
部の周辺部から徐々に厚みを減じ中心部分を最も薄くす
ることによって天面部の中央部分に薄肉部6を設けたも
のである。図6は、従来技術に係る収納パッドを示す図
2〜5と同様な断面図であり、軟質の表層7が硬質の内
層8と固着部5で固着されて二層構造となっている。以
下に実施例を示して本発明を説明するが、本発明はこれ
ら実施例によって限定されるものではない。
【0016】
【実施例】実施例1 部分架橋されたオレフィン系ゴムを含む、100%引張
応力72kg/cm2 、曲げ弾性率1000kg/cm2 のオレ
フィン系熱可塑性エラストマーであるサントプレン10
1−87(Advanced Elastomer Systems社製)のペレッ
トを射出成形機で金型内に充填し、取付部を射出成形し
た。次いで、取付部を金型から取り出すことなく、脆化
温度−60℃、ショア硬度が73A、100%引張応力
36kg/cm2 、曲げ弾性率250kg/cm2 のオレフィン
系熱可塑性エラストマーであるサントプレン101−7
3(Advanced Elastomer Systems社製)を使用して、引
き続き天面部を射出成形し、取付部と天面部を同一金型
内で熱融着して、図2に示す収納パッドを得た。天面部
の厚さは2.5mmであり、天面部の成形に際し天面部の内
表面に中心を通る破断線を形成した。このパッドを用
い、インフレーターによる展開試験を行ったところ、−
40〜+90℃の範囲で破断線以外の破壊も破断片の飛
散も認められなかった。
【0017】実施例2 100%引張応力45kg/cm2 、曲げ弾性率1200kg
/cm2 の水素添加されたスチレン系熱可塑性エラストマ
ーであるラバロンSJ9400(三菱油化製)を射出成
形機で金型内に充填し、取付部を射出成形した。次い
で、取付部を金型から取り出すことなく、脆化温度−6
0℃、ショア硬度が75A、100%引張応力22kg/
cm2 、曲げ弾性率300kg/cm2 のスチレン系熱可塑性
エラストマーであるラバロンSJ7400(三菱油化
製)を使用して、引き続き天面部を射出成形し、取付部
と天面部を熱融着して、図2に示す収納パッドを得た。
天面部の厚さは2.5mmであり、天面部の成形に際し天面
部の内表面に中心を通る破断線を形成した。このパッド
を用い、インフレーターによる展開試験を行ったとこ
ろ、−40〜+90℃の範囲で破断線以外の破壊も破断
片の飛散も認められなかった。
【0018】比較例1 ゴムを含む、100%引張応力76kg/cm2 、曲げ弾性
率1900kg/cm2 のオレフィン系熱可塑性エラストマ
ーを使用して内層(コア層)を射出成形した。内層の厚
さは2mmであった。次いで、脆化温度−60℃、ショア
硬度が40Aの水素添加したスチレン系熱可塑性エラス
トマーを使用して、引き続き表層を射出成形し、内層と
表層を接着して、図6に示す全面が二層構造の収納パッ
ドを得た。なお、表層の厚さは2.5mmであり、内層の成
形に際し内層の内側の面の中心を通る破断線を形成し、
その末端部分には開裂が破断線を越えて取付部(図示さ
れていない)にまで伝播するのを防止するため、開裂防
止用の高強度部分(図示されていない)を設けた。この
パッドを用い、インフレーターによる展開試験を行った
ところ、90℃でで、開裂が破断線を越えて取付部にま
で伝播した。
【0019】
【発明の効果】開裂が破断線部を越えて取付部にまで伝
播することがなく、破断片の飛散、接着強度の不充分さ
に基づく開裂の長時間化の問題がないエアバッグ用収納
パッドを提供することが可能となる。また、取付部の材
料として天面部より高い曲げ弾性率の材料を使用できる
結果、成形性が良好で、天面部の薄肉部の凹凸が目立た
ないため外観も良好となり、かつ、取付部の材料に強化
用繊維を用いることにより軽量なエアバッグ用収納パッ
ドを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両のハンドル部分に取り付けた本発明の収納
パッドの平面図である。
【図2】本発明の収納パッドの断面図である。
【図3】本発明の収納パッドの断面図である。
【図4】本発明の収納パッドの断面図である。
【図5】本発明の収納パッドの断面図である。
【図6】従来技術に係る二層構造の収納パッドを示す図
2〜5と同様な断面図である。
【符号の説明】
1 収納パッド 2 破断線 3 天面部 4 取付部 5 固着部 6 薄肉部
【手続補正書】
【提出日】平成5年2月19日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項6
【補正方法】変更
【補正内容】
【請求項6】 取付部が、100%引張応力が20kg
/cm以上であり、曲げ弾性率が300kg/cm
以上である熱可塑性エラストマーまたは熱可塑性樹脂に
よって形成されていることを特徴とする請求項5記載の
エアバッグ用収納パッド。 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年3月10日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0002
【補正方法】変更
【補正内容】
【0002】
【従来の技術】従来から知られているエアバッグ用収納
パッドとしては、例えば、弾性材料に補強を埋め込み
これを成型した収納パッドが特開昭55−110643
号公報に開示されている。しかし、この収納パッドは製
造に際して補強のセットに時間がかかり、かつ、予定
位置に確実に補強が埋め込まれた成型体の歩留りが低
く、生産性及び収率に問題があった。一方、特開平1−
202550号公報には、軟質樹脂の表層と硬質樹脂の
内層とが一体に形成され、内層には開裂用スリットを設
けた構造の収納パッドが開示されており、特開平4−1
5145号公報には、熱可塑性エラストマーからなる表
層と内層が一体に形成され、内層のエラストマーの10
0%引張応力が表層のものよりも高く、かつ、表層には
計画された破断線部に沿って溝が設けられ、内層には計
画された破断線部及び展開支点軸線に沿ってスリットが
設けられている収納パッドが開示されている。更に、特
開平4−27637及び特開平4−27638号公報に
は、上記収納パッドの開裂が破断線部を越えて取付部に
まで伝播するのを防止するため、破断線の末端部分に開
裂防止用の高強度部分またはストップホールを設けた射
出成形された収納パッドが開示されている。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】本発明の天面部を形成する熱可塑性エラス
トマーは、脆化温度が−40℃以下であることが好まし
く、更に好ましくは、−60℃以下である。脆化温度が
−40℃より高いときは、車両が置かれる環境下でエア
バッグシステムが作動した際に収納パッドの破断片が飛
散するおそれがあるからである。また、100%引張応
力が150kg/cm以下、特に100kg/cm
以下であることが好ましい。100%引張応力が150
kg/cmを越えるときは強靱過ぎてエアバッグシス
テムが作動してもエアバッグの放出に時間がかかるか放
出が困難になるからである。また、曲げ弾性率は150
0kg/cm以下、特に1000kg/cm以下で
あることが好ましい。曲げ弾性率がこの範囲外であると
きも100%引張応力の場合と同様のことが言えるから
である。更に、ショア硬度は90A以下、好ましくは3
0A〜90A、特に40A〜80Aであることが好まし
い。本発明の収納パッドの天面部の外表面は車両の内装
の一部を構成し乗員により直接に触れられるので、ショ
ア硬度が0A未満であるときは軟弱な感じを与え、9
0Aを越えるときは他の内装部分との違和感が生じ快適
さを害するおそれがあるからである。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a) 熱可塑性エラストマーからなる一層
    構造の天面部;及び(b) 天面部を支持するための取付部
    からなり、天面部の外周部分が取付部に固着されている
    ことを特徴とするエアバッグ用収納パッド。
  2. 【請求項2】 取付部が、天面部を形成する熱可塑性エ
    ラストマーよりも高い100%引張応力と曲げ弾性率を
    有する熱可塑性エラストマーまたは熱可塑性樹脂で形成
    されていることを特徴とする請求項1記載のエアバッグ
    用収納パッド。
  3. 【請求項3】 天面部に脆弱部を設けたことを特徴とす
    る請求項1または2記載のエアバッグ用収納パッド。
  4. 【請求項4】 天面部を形成する熱可塑性エラストマー
    の脆化温度が−40℃以下であることを特徴とする請求
    項2または3記載のエアバッグ用収納パッド。
  5. 【請求項5】 天面部を形成する熱可塑性エラストマー
    の100%引張応力が150kg/cm2 以下であり、曲げ
    弾性率が1500kg/cm2 以下であり、ショア硬度が9
    0A以下であることを特徴とする請求項2〜4のいずれ
    か1項に記載のエアバッグ用収納パッド。
  6. 【請求項6】 取付部に使用する熱可塑性エラストマー
    または熱可塑性樹脂の100%引張応力が20kg/cm2
    以上であり、曲げ弾性率が300kg/cm2 以上であるこ
    とを特徴とする請求項5記載のエアバッグ用収納パッ
    ド。
  7. 【請求項7】 熱可塑性エラストマーまたは熱可塑性樹
    脂を射出成形して取付部を製造し、該取付部を金型から
    取り出すことなく、引き続き、前記熱可塑性エラストマ
    ーまたは熱可塑性樹脂よりも100%引張応力及び曲げ
    弾性率が低い熱可塑性エラストマーを射出成形して天面
    部を製造し、該取付部と該天面部の外周部分を固着する
    ことを特徴とするエアバッグ用収納パッドの製造方法。
  8. 【請求項8】 取付部に使用する熱可塑性エラストマー
    または熱可塑性樹脂の100%引張応力が20kg/cm2
    以上であり、曲げ弾性率が300kg/cm2 以上であっ
    て、天面部に使用する熱可塑性エラストマーの脆化温度
    が−40℃以下であり、100%引張応力が150kg/
    cm2 以下であり、曲げ弾性率が1500kg/cm2 以下で
    あり、ショア硬度が90A以下であることを特徴とする
    請求項7記載の製造方法。
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