JP2014162334A - 樹脂成形品 - Google Patents

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Abstract

【課題】 自動車部品として用いられる樹脂成形品において、引張強度を効果的に確保する樹脂成形品を提供する。
【解決手段】 片持梁構造の樹脂成形品10は、台板11と、台板11に一端が支持された梁板14とからなる。外力Fが作用する受力面15は、梁板14の一般部16から接続部19に近づくにしたがって、仮想基準面V15よりも外力Fを受ける側に張り出している。そして、梁板14は、外力Fを受ける側に厚肉となるように、一般部16から接続部19に向かって板厚が漸増している。これにより、台板11及び梁板14の板厚を一様に増加させることなく、外力Fによって樹脂成形品10に発生する引張応力Tを効果的に低減することができる。よって自動車部品の樹脂化において、軽量化のメリットを保有しつつ、樹脂成形品10の引張強度を効果的に確保することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車部品として用いられる樹脂成形品に関する。
従来、樹脂成形品において部位に応じて板厚を不均一としたものが知られている。例えば特許文献1には、衝撃力等による割れの発生を抑制するため壁厚漸増領域を設けたカップ容器が開示されている。また特許文献2には、補強、及び、色の濃淡の表出を目的として肉厚部を設けた洗面ボウルが開示されている。
特開2012−30865号公報 特開2005−131865号公報
特許文献1、2の樹脂成形品は日用品や雑貨を対象としており、床に落としたり、壁等にぶつけたりした時に割れない程度の強度が要求されるにすぎない。
他方、自動車部品においては、従来の金属製部品に対する軽量化や騒音及び振動低減の要求から、樹脂化が推進されている。この場合の樹脂材料としては、例えばガラス繊維や炭素繊維を含んだ強化樹脂材料が用いられる。自動車部品では、日用品等に比べ格段に高い強度と高い信頼性とが求められる。一般に樹脂材料の強度は100〜200MPa程度であって、金属材料の300MPa以上の強度に対し不足するため、樹脂材料を使用する場合、破壊に至ることを防ぐための構造面の工夫が課題となる。
金属材料と樹脂材料との強度比較において注意すべき点として、引張強度と圧縮強度との関係が挙げられる。一般に金属材料では引張強度と圧縮強度とが同等であるのに対し、樹脂材料では引張強度よりも圧縮強度の方が高い。その程度は、繊維の種類、長さ、含有量等によって異なるものの、圧縮強度は引張強度の約1.5〜2倍であることが知られている。そこで、特に引張強度を確保するための工夫が課題となる。しかしながら、特許文献1、2では、樹脂材料の引張強度又は圧縮強度に関して何ら言及されていない。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、自動車部品として用いられる樹脂成形品において、引張強度を効果的に確保する樹脂成形品を提供することにある。
本発明は、自動車部品として用いられる樹脂成形品に係る。この樹脂成形品は、複数の要素板が結合されてなる。ここで、「要素板」とは、樹脂成形品の基本構造を構成する要素となる板をいい、例えば器状樹脂成形品では、底板と筒板とが要素板に該当する。要素板には平板、曲板を含む。
複数の要素板のうち少なくとも1つの要素板は、当該複数の要素板に対して一方の側から作用し、複数の要素板同士の接続部において複数の要素板同士を互いに引き離す方向に引張応力を発生する外力に対し、外力を受ける側に厚肉となるように、接続部を除く一般部から接続部に向かって板厚が漸増していることを特徴とする。
複数の要素板が結合されてなる樹脂成形品の具体例として、片持梁構造の樹脂成形品、器状の樹脂成形品、管状の樹脂成形品等が挙げられる。
例えば片持梁構造の樹脂成形品では、複数の要素板は、台板と、当該台板に一端が支持された梁板とから構成されている。梁板は、当該梁板の一方の面である受力面に作用する外力に対し、受力面側に厚肉となるように、一般部から接続部に向かって板厚が漸増している。
外力によって発生する引張応力が材料の引張強度を上回ると、主に接続部で割れが生じるおそれがある。例えば片持梁構造の樹脂成形品では、台板と、台板に一端が支持された梁板との接続部において、台板と梁板とを互いに引き離す方向に引張応力が発生し、その結果、割れに至ると考えられる。
従来、梁板は、板厚中心の基準面に対して対称に形成されるのが一般的であった。この構成で、仮に梁板及び台板の板厚を全体的に一様に増加すれば、引張荷重を受ける断面積が増加するため引張応力を低減することができる。しかし、その反面、樹脂成形品の重量が増加することとなり、金属材料からの軽量化を図る樹脂化のメリットが滅失するおそれがある。
ところで、自動車部品として車両に組み付けられる樹脂成形品においては、外力が作用する方向が決まっている場合が多い。例えば器状又は管状部品の場合には、一般に内部の液体や気体の圧力によって器又は管を内側から外側へ押し広げる方向に外力が作用する。
そこで、本発明の樹脂成形品では、少なくとも1つの要素板は、一方の側から作用する外力に対し、外力を受ける側に厚肉となるように一般部から接続部に向かって板厚が漸増している。すなわち、少なくとも1つの要素板は、基準面に対して非対称に形成される。
この構成により、接続部において引張荷重を受ける断面積が増加する「断面積効果」を有する。また、例えば片持梁構造の樹脂成形品では、梁板の受力面が台板に対して傾斜するため、引張応力の、台板に垂直方向の成分の大きさが小さくなるという「傾斜効果」が生じる。これらの効果によって、本発明の樹脂成形品は、重量増加を抑制しつつ引張応力を低減することで、引張強度を効果的に確保することができる。
よって、本発明を利用することで、強度面での信頼性を確保しつつ、自動車部品の樹脂化を一層推進することができる。自動車部品の樹脂化は、車両の軽量化を実現し、燃費の向上、ひいては環境汚染物質の低減やエネルギー資源の節減に貢献するものである。
また、自動車部品の樹脂化により、金属材料の本質的な短所であった騒音及び振動の発生を低減することができる。これにより、自動車の乗員の快適性を向上させ、自動車の商品価値を高めることができる。
本発明の第1実施形態の基本例による片持梁構造の樹脂成形品の模式図である。 本発明の第1実施形態の(a)第1変形例、(b)第2変形例による片持梁構造の樹脂成形品の模式図である。 本発明の第2実施形態の(a)基本例、(b)変形例による片持梁構造の樹脂成形品の模式図である。 本発明の第3実施形態の(a)基本例、(b)変形例による器状樹脂成形品の模式図である。 本発明の第4実施形態の(a)基本例、(b)変形例による多角管状樹脂成形品の模式図である。 本発明の第5実施形態の(a)基本例、(b)変形例による円管状樹脂成形品の模式図である。 比較例の片持梁構造の樹脂成形品の(a)斜視図、(b)模式図である。 比較例の(a)器状樹脂成形品、(b)円管樹脂成形品の斜視図である。
以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。以下の実施形態は、特定の自動車部品として用いられる樹脂成形品を示すものでなく、不特定用途の樹脂成形品を代表的な形状モデルとして示すものである。複数の実施形態において、実質的に同一の構成に同一の符号を付して説明を省略する。
以下の実施形態の樹脂成形品の材料は、典型的にはガラス繊維や炭素繊維を含んだ強化樹脂材料である。従来、主に金属材料で形成されていた自動車部品について、これらの強化樹脂材料を用いて樹脂化することで、必要な強度を確保しつつ、軽量化や騒音、振動の防止を図る。
しかしながら、金属材料では一般に引張強度と圧縮強度とが同等であるのに対し、樹脂材料では引張強度よりも圧縮強度の方が高いため、特に引張強度を確保するための構造面の工夫が課題となる。以下の実施形態は、このような課題を背景とし、樹脂成形品の板厚に係る特徴的構成により、樹脂成形品に作用する引張応力を効果的に低減することを目的とするものである。
(第1実施形態)
第1実施形態及び第2実施形態は、片持梁構造の樹脂成形品に係る実施形態である。
第1実施形態の説明に先立ち、比較例の片持梁構造の樹脂成形品について、図7(a)、(b)を参照して説明する。図7では、片持梁構造の樹脂成形品のモデルとして、単純なT字状の樹脂成形品70を想定する。
樹脂成形品70は、台板71と、台板71に一端が支持された梁板74とからなる。梁板74の台板71に支持される側の一端は、片持梁構造の固定端に相当し、他端は自由端に相当する。ここで、台板71及び梁板74の板厚は略一定である。また、梁板74は台板71に対して垂直に設けられており、対称面Sに対して対称となっている。
この樹脂成形品70の梁板74に対し、図7の右側から外力Fが作用すると仮定する。梁板74において外力Fを受ける側の面を受力面75といい、台板71において受力面75に隣接する面を隣接面72という。外力Fが受力面75に作用すると、梁板74は、図7(b)に破線で示す方向に倒れるように撓む。このとき、梁板74と台板71との接続部79において外力Fを受ける側では、梁板74と台板71とを互いに引き離す方向の引張応力Tが作用する。逆に、接続部79において外力Fを受ける側と反対側では、梁板74と台板71とを互いに押し付ける方向の圧縮応力Cが作用する。
上述のように樹脂材料では引張強度の方が圧縮強度よりも低いため、所定値を超える大きさの外力Fが作用した場合、引張応力Tによる破壊が先に起こると考えられる。すなわち、外力Fによって発生する引張応力Tが材料の引張強度を超えると、線BRで示すような箇所で割れに至ることが予想される。
この場合、台板71及び梁板74の板厚を、一定のまま一様に増加すれば、引張荷重を受ける断面積が増加するため引張応力Tを低減することができる。その反面、樹脂成形品70の重量が増加し、樹脂化による軽量化のメリットが滅失するおそれがある。
そこで、本発明の第1実施形態は、片持梁構造の樹脂成形品において、軽量化のメリットを保有しつつ、引張応力Tを効果的に低減し、割れの発生等を可及的に防止することを目的とするものである。
続いて、第1実施形態による片持梁構造の樹脂成形品の基本例について、図1を参照して説明する。ここで、「基本例」とは、後述する変形例に対する基本的な例を意味する。
図1に示すように、第1実施形態の樹脂成形品10は、台板11と、台板11に一端が支持された梁板14とからなる。梁板14の台板11に支持される側の一端は、片持梁構造の固定端に相当し、他端は自由端17に相当する。この実施形態の台板11及び梁板14を、「樹脂成形品の基本構造を構成する要素」という意味で「要素板」という。また、台板11と梁板14とが接続される部位を接続部19と定義し、梁板14における接続部19を除く部位を一般部16と定義する。一般部16は、自由端17、中間部18等を含む。
また、台板11において、梁板14の外力Fを受ける側で受力面15と隣接する面を隣接面12という。第1実施形態では台板11の板厚は一定に形成されており、隣接面12は水平に図示されている。
ところで、自動車部品として車両に組み付けられる樹脂成形品10は、外力Fが作用する方向が決まっている場合が多い。第1実施形態では、外力Fは図1の右側から梁板14の受力面15に作用するものとする。これにより、接続部19において外力Fを受ける側では、受力面15と台板11とを互いに引き離す方向の引張応力Tが作用する。逆に、接続部19において外力Fを受ける側と反対側では、圧縮応力Cが作用する。
ここで、上記比較例のように板厚が一定の梁板を想定し、その受力面を仮想基準面V15とする。梁板14の受力面15は、一般部16から接続部19に近づくにしたがって、仮想基準面V15よりも外力Fを受ける側に張り出している。そして、梁板14は、外力Fを受ける側に厚肉となるように、一般部16から接続部19に向かって板厚が漸増している。その結果、比較例とは異なり、梁板14は対称面Sに対して非対称となっている。
特にこの基本例では、受力面15が自由端17を起点とする直線で図示されており、梁板14は、一般部16の自由端17から接続部19に向かって一定の変化率で板厚が漸増している。言い換えれば、受力面15は平面で構成されている。
以上の構成による本発明の第1実施形態の樹脂成形品10は、接続部19において引張荷重を受ける断面積が増加する「断面積効果」を有する。また、梁板14の受力面15が台板11に対して傾斜するため、引張応力Tの、台板11に垂直方向の成分の大きさが小さくなるという「傾斜効果」が生じる。これらの効果によって、樹脂成形品10は、外力Fによって発生する引張応力Tを効果的に低減することができる。
この場合、好ましくは、梁板14の外力Fを受ける側に発生する引張応力Tの一部を、梁板14の反対側での圧縮応力Cに転換することで、引張強度よりも高い圧縮強度が働くため、強度面で有利となる。
本発明の技術的思想によると、台板11及び梁板14の板厚を一様に増加させるのではなく、一般部16から接続部19に向かって板厚を漸増させる。これにより、樹脂成形品10全体としての重量増加を可及的に抑制する。したがって、片持梁構造の自動車部品の樹脂化において、軽量化のメリットを保有しつつ、樹脂成形品10の引張強度を効果的に確保することができる。
よって、本実施形態を利用することで、強度面での信頼性を確保しつつ、自動車部品の樹脂化を一層推進することができる。自動車部品の樹脂化は、車両の軽量化を実現し、燃費の向上、ひいては環境汚染物質の低減やエネルギー資源の節減に貢献するものである。
また、自動車部品の樹脂化により、金属材料の本質的な短所であった騒音及び振動の発生を低減することができる。これにより、自動車の乗員の快適性を向上させ、自動車の商品価値を高めることができる。
(変形例)
第1実施形態の変形例の樹脂成形品10A、10Bを図2(a)、(b)に示す。変形例の樹脂成形品10A、10Bは、基本例の樹脂成形品10に対し、梁板の形状が異なる。
図2(a)に示す第1変形例の樹脂成形品10Aは、受力面15Aの傾斜の起点が自由端17でなく中間部18に設定されている。この点を除き、基本例と同様に、受力面15Aは、一般部16から接続部19に近づくにしたがって、仮想基準面V15よりも外力Fを受ける側に張り出している。そして、梁板14Aは、外力Fを受ける側に厚肉となるように一般部16から接続部19に向かって板厚が漸増している。
また、受力面15Aが中間部18を起点とする直線で図示されており、梁板14Aは、一般部16の自由端17から接続部19に向かって一定の変化率で板厚が漸増している。つまり、受力面15Aは平面で構成されている。
図2(b)に示す第2変形例の樹脂成形品10Bは、受力面15Bが中間部18を起点とする曲線で図示されており、梁板14Bは、接続部19に近づくほど変化率が大きくなるように板厚が漸増している。言い換えれば、受力面15Bは凹曲面で構成されている。その他の点は、第1変形例と同様である。
このように、第1実施形態の基本例及び変形例の樹脂成形品10、10A、10Bにおいて、受力面15、15A、15Bの傾斜起点の違いや、梁板14、14A、14Bの板厚の変化率が一定であるかどうかという点は重要な事項ではない。第1実施形態としての片持梁構造の樹脂成形品の技術的特徴は、梁板14、14A、14Bが、外力Fを受ける側に厚肉となるように、一般部16から接続部19に向かって板厚が漸増する点にある。
この技術的特徴により、樹脂成形品10等は、軽量化のメリットを保有しつつ、外力Fによって発生する引張応力Tを効果的に低減し、引張強度を効果的に確保することができる。
(第2実施形態)
第2実施形態の片持梁構造樹脂成形品の基本例及び変形例を図3(a)、(b)に示す。
図3(a)に示すように、樹脂成形品20は、第1実施形態の樹脂成形品10に対し、梁板14に加え台板21においても隣接面22の板厚を徐変させている点を特徴とする。
基本例の隣接面22は平面状であり、梁板14の平面状の受力面15と鈍角をなして交差している。
ここで、仮想基準面V15に倣い、板厚が一定の台板を想定し、その隣接面を仮想基準面V22とすると、隣接面22は、一般部23から接続部29に近づくにしたがって、仮想基準面V22よりも外力Fを受ける受力面15側に張り出している。そして、台板21は、外力Fを受ける受力面15側に厚肉となるように一般部23から接続部29に向かって板厚が漸増している。
また、図3(b)に示す変形例の樹脂成形品20Aでは、台板21Aの隣接面22Aは凹曲面状であり、梁板14Bの凹曲面状の受力面15Bと連続的に形成されている。
このように、第2実施形態の基本例及び変形例の樹脂成形品20、20Aは、梁板14に加え台板21、21Aにおいても外力Fを受ける側に厚肉となるように板厚を漸増させることで、第1実施形態で説明した断面積効果及び傾斜効果を二重に利用することができる。よって、外力Fによって発生する引張応力Tをより効果的に低減し、樹脂成形品20等の強度をさらに向上させることができる。
(第3実施形態)
第3実施形態は、器状樹脂成形品に係る実施形態である。
まず、図8(a)に示すように、比較例の器状樹脂成形品80は、板厚が一定の底板81と、板厚が一定の円筒状の筒板84とから構成されている。外力Fは、器状樹脂成形品80の内側から底板81の底内面82を軸方向へ、また、筒板84の筒内面85を径外方向へ押し広げるように作用する。これにより、底板81と筒板84との接続部89で引張応力Tが発生し、線BRで示すような箇所で割れに至ることが予想される。
そこで、本発明の第3実施形態は、器状樹脂成形品において、軽量化のメリットを保有しつつ、引張応力Tを効果的に低減し、割れの発生等を可及的に防止することを目的とするものである。
第3実施形態の器状樹脂成形品の基本例及び変形例について、図4(a)、(b)の軸方向断面図を参照して説明する。
図4(a)に示す第3実施形態の基本例の器状樹脂成形品30は、「要素板」としての底板31と筒板34とが接続部39で接続している。外力Fは、器状樹脂成形品30の内側から底板31の底内面32、及び筒板34の筒内面35に対して押し広げるように作用する。
ここで、上記比較例の底内面82及び筒内面85に相当する仮想基準面V32、V35を想定する。底板31の底内面32及び筒板34の筒内面35は、接続部39に近づくにしたがって仮想基準面V32、V35よりも、器状樹脂成形品30の内側、すなわち外力Fを受ける側に張り出している。そして、底板31及び筒板34は、外力Fを受ける側に厚肉となるように、それぞれ一般部33、36から接続部39に向かって板厚が漸増している。
基本例の器状樹脂成形品30は、底内面32及び筒内面35が直線で図示されており、底板31及び筒板34は、接続部39に向かって一定の変化率で板厚が漸増している。
これに対し、図4(b)に示す変形例の器状樹脂成形品30Aは、底内面32A及び筒内面35Aが曲線で図示されており、底板31A及び筒板34Aは、接続部39に近づくほど変化率が大きくなるように板厚が漸増している。このように、底板及び筒板の詳細な形状の違いは重要な事項ではない。
これにより、上記第1、第2実施形態に示した片持梁構造の樹脂成形品の技術的思想を器状樹脂成形品にも同様に適用することができる。この技術的思想に基づき、一般部33、36から接続部39に向かって板厚を漸増させることで、底板31、31A、及び筒板34、34Aの板厚を一様に増加させることなく、器状樹脂成形品30、30Aに発生する引張応力Tを効果的に低減することができる。よって、器状自動車部品の樹脂化において、軽量化のメリットを保有しつつ、樹脂成形品の引張強度を効果的に確保することができる。
(第4、第5実施形態)
第4、第5実施形態は、それぞれ多角管状樹脂成形品及び円管状樹脂成形品に係る実施形態である。ここで、現実的に使用頻度が高いのは第5実施形態の円管状樹脂成形品であるが、説明の便宜上、第4実施形態の多角管状樹脂成形品を導入として位置付けている。また、以下の説明では、図5、図6に示される形状について、紙面奥行き方向に係る言及を省略し、平面的に述べる場合がある。例えば多角管の外形について「平面」と言わず、「直線」と言う場合がある。
まず、図8(b)に示すように、比較例の円管状樹脂成形品90は、板厚が一定の管板91から構成されている。外力Fは、円管状樹脂成形品90の内側から管板91の管内面92を径外方向へ押し広げるように放射状に作用する。これにより、管板91にて周方向に引張応力Tが発生し、線BRで示すような箇所で割れに至ることが予想される。
そこで、本発明の第4、第5実施形態は、管状樹脂成形品において、軽量化のメリットを保有しつつ、引張応力Tを効果的に低減し、割れの発生等を可及的に防止することを目的とするものである。
第4実施形態の多角管状樹脂成形品の基本例及び変形例について、軸方向端面から視た図5(a)、(b)を参照して説明する。
図5(a)に示す第4実施形態の基本例の多角管状樹脂成形品40は、同一形状の8個の管要素板41が周方向に連結している。隣接する管要素板41同士の接合面J(破線図示)を含む部位を接続部44と定義し、接合面J同士の周方向の中間部位を一般部43と定義する。外力Fは、多角管状樹脂成形品40の内側から管要素板41の管内面42を径外方向へ押し広げるように放射状に作用する。これにより、接合面Jを起点として、隣接する管要素板41同士を互いに引き離そうとする引張応力Tが接続部44に発生する。
ここで、一定板厚の八角管を想定し、その管内面を仮想基準面V42とする。管要素板41の管内面42は、接続部44に近づくにしたがって仮想基準面V42よりも、多角管状樹脂成形品40の内側、すなわち外力Fを受ける側に張り出している。そして、管要素板41は、外力Fを受ける側に厚肉となるように、一般部43から接続部44に向かって板厚が漸増している。特にこの基本例では、互いに隣接する管要素板41の管内面42が略一定の曲率で連続するように形成されている。
図5(b)に示す第4実施形態の変形例の多角管状樹脂成形品45は、同一形状の8個の管要素板46が周方向に連結しており、外縁が8個の凹円弧で構成された形状である。基本例と同様に、隣接する管要素板46同士の接合面J(破線図示)を含む部位を接続部49と定義し、接合面J同士の周方向の中間部位を一般部48と定義する。外力Fは、多角管状樹脂成形品45の内側から管要素板46の管内面47を径外方向へ押し広げるように放射状に作用する。これにより、接合面Jを起点として、隣接する管要素板46同士を互いに引き離そうとする引張応力Tが接続部49に発生する。
この変形例の形状は、一定板厚の正八角形管の外側に凹円弧形状部分が張り出しているようにも見える。しかし見方を変えると、外縁の円弧形状と平行な管内面を仮想基準面V47とし、この仮想基準面V47の内側に、管要素板46の管内面47が張り出していると見なすことができる。
すると、基本例と同様に、管要素板46の管内面47は、接続部49に近づくにしたがって仮想基準面V47よりも、多角管状樹脂成形品45の内側、すなわち外力Fを受ける側に張り出している。そして、管要素板46は、外力Fを受ける側に厚肉となるように、一般部48から接続部49に向かって板厚が漸増している。特にこの変形例では、互いに隣接する管要素板46の管内面47が一直線上で連続するように形成されている。
次に第5実施形態の円管状樹脂成形品の基本例及び変形例について、図6(a)、(b)を参照して説明する。図6(a)に示す基本例の円管状成形品50は、第4実施形態の基本例の多角管状樹脂成形品40の管要素板41の径外側の形状を直線から円弧に置換したものに相当する。また、図6(b)に示す変形例の円管状成形品50は、第4実施形態の変形例の多角管状樹脂成形品45の管要素板46の径内側の形状を直線から円弧に置換したものに相当する。各部の符号は、対応する第4実施形態の40番台の符号を50番台に書き換えたものであり、重複する説明を省略する。
このように、管状樹脂成形品では、周方向に連結する複数の管要素板を「要素板」の一類型とみなし、上述の片持梁構造の樹脂成形品、又は器状樹脂成形品の実施形態についての技術的思想を適用することができる。この技術的思想に基づき、一般部43、48、53、58から接続部44、49、54、59に向かって板厚を漸増させることで、管要素板41、46、51、56の板厚を一様に増加させることなく、管状樹脂成形品40、45、50、55に発生する引張応力Tを効果的に低減することができる。よって、管状自動車部品の樹脂化において、軽量化のメリットを保有しつつ、樹脂成形品の引張強度を効果的に確保することができる。
(その他の実施形態)
上記実施形態は、不特定用途の樹脂成形品を代表的な形状モデルとして単純化して示したものである。現実に特定の自動車部品として適用される樹脂成形品では、上記実施形態のいずれかの形状を基本として詳細部を付加した形状や、上記実施形態を複合的に組み合わせた形状等を採用することができる。その場合、樹脂成形品をできるだけ単純な形状モデルに分解した上で、各形状モデルについて主として外力を受ける要素板に着目し、上記実施形態において説明した技術的思想に準じて板厚の変化を設定することが好ましい。
このように、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施することができる。
10、20・・・(片持梁構造の)樹脂成形品、
11、21・・・台板(要素板)、 14・・・梁板(要素板)、
16、23、33、36、43、53・・・一般部、
19、29、39、44、54、・・・接続部、
30・・・(器状)樹脂成形品、
31・・・底板(要素板)、 34・・・筒板(要素板)、
40・・・(多角管状)樹脂成形品、
41、51・・・管要素板(要素板)、
50・・・(円管状)樹脂成形品。

Claims (5)

  1. 自動車部品として用いられる樹脂成形品(10、20、30、40、50)であって、
    複数の要素板(11、14、21、31、34、41、51)が結合されてなり、
    前記複数の要素板のうち少なくとも1つの要素板は、
    当該複数の要素板に対して一方の側から作用し、前記複数の要素板同士の接続部(19、29、39、44、54)において前記複数の要素板同士を互いに引き離す方向に引張応力を発生する外力に対し、
    前記外力を受ける側に厚肉となるように、前記接続部を除く一般部(16、23、33、36、43、53)から前記接続部に向かって板厚が漸増していることを特徴とする樹脂成形品。
  2. 前記複数の要素板は台板(11、21)と、当該台板に一端が支持された梁板(14)とから構成される樹脂成形品(10、20)であって、
    前記梁板の一方の面である受力面(15)に作用する外力に対し、
    前記梁板は、前記受力面側に厚肉となるように、前記一般部(16)から前記接続部(19、29)に向かって板厚が漸増していることを特徴とする請求項1に記載の樹脂成形品。
  3. 前記台板(21)は、前記梁板の前記受力面側において、前記受力面と隣接する隣接面(22)側に厚肉となるように、前記一般部(23)から前記接続部(29)に向かって板厚が漸増していることを特徴とする請求項2に記載の樹脂成形品(20)。
  4. 前記複数の要素板は底板(31)と、当該底板に接続する筒板(34)とから構成される器状の樹脂成形品(30)であって、
    前記底板の底内面(32)及び前記筒板の筒内面(35)に対して内側から作用する外力に対し、
    前記底板及び前記筒板は、前記底内面側及び前記筒内面側に厚肉となるように前記一般部(33、36)から前記接続部(39)に向かって板厚が漸増していることを特徴とする請求項1に記載の樹脂成形品。
  5. 前記複数の要素板は周方向に連結する複数の管要素板(41、51)から構成される管状の樹脂成形品(40、50)であって、
    前記複数の管要素板の管内面(42、52)に対して内側から作用する外力に対し、
    前記複数の管要素板は、前記管内面側に厚肉となるように前記一般部(43、53)から前記接続部(44、54)に向かって板厚が漸増していることを特徴とする請求項1に記載の樹脂成形品。
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