JPH06217584A - 誘導電動機のベクトル制御装置 - Google Patents
誘導電動機のベクトル制御装置Info
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- JPH06217584A JPH06217584A JP50A JP508893A JPH06217584A JP H06217584 A JPH06217584 A JP H06217584A JP 50 A JP50 A JP 50A JP 508893 A JP508893 A JP 508893A JP H06217584 A JPH06217584 A JP H06217584A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 運転開始時の応答を迅速に行うことができ、
しかも停止時の消費電力、マイコンの演算負担を比較的
に小さくすること。 【構成】 停止から速度制御開始状態までの動作におい
て、運転指令装置13は、停止時の消費電力、始動頻度
を考慮して停止中には励磁成分電流指令信号ilds *を
出力するよう励磁電流指令発生装置10へ励磁電流制御
信号13bを出力する。停止中の励磁成分電流指令信号
ilds *が小さければ、停止中の消費電力は小さくなる
が、励磁成分電流ildは運転中の励磁電流指令値ild*
に到達する時間を要し、速度制御装置8の制御開始が遅
くなる。逆に、停止中の励磁成分電流指令信号ilds *
が大きければ、速度制御装置8の制御開始は速くなる
が、消費電力は大きくなる。
しかも停止時の消費電力、マイコンの演算負担を比較的
に小さくすること。 【構成】 停止から速度制御開始状態までの動作におい
て、運転指令装置13は、停止時の消費電力、始動頻度
を考慮して停止中には励磁成分電流指令信号ilds *を
出力するよう励磁電流指令発生装置10へ励磁電流制御
信号13bを出力する。停止中の励磁成分電流指令信号
ilds *が小さければ、停止中の消費電力は小さくなる
が、励磁成分電流ildは運転中の励磁電流指令値ild*
に到達する時間を要し、速度制御装置8の制御開始が遅
くなる。逆に、停止中の励磁成分電流指令信号ilds *
が大きければ、速度制御装置8の制御開始は速くなる
が、消費電力は大きくなる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一次電流を励磁成分電
流とトルク成分電流とのベクトル和として演算制御する
誘導電動機のベクトル制御装置に関するものである。
流とトルク成分電流とのベクトル和として演算制御する
誘導電動機のベクトル制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】誘導電動機のベクトル制御では、周知の
如く一次電流を直流機の界磁電流に相当する励磁成分電
流idと、電機子電流に相当するトルク成分電流iqと
にベクトル的に分解して考え、両成分電流を別個に演算
処理した後、両者を再びベクトル合成して得た操作信号
により一次電流を制御する。
如く一次電流を直流機の界磁電流に相当する励磁成分電
流idと、電機子電流に相当するトルク成分電流iqと
にベクトル的に分解して考え、両成分電流を別個に演算
処理した後、両者を再びベクトル合成して得た操作信号
により一次電流を制御する。
【0003】このような誘導電動機のベクトル制御の原
理を図4及び図5を用いて簡単に説明する。図4(a)
は誘導電動機の一般等価回路で、1次/2次の巻線比α
を2次の漏れインダクタンスを削除するように選ぶと、
図4(b)の等価回路が得られる。図5に電動機電圧と
電流のベクトル図を示す。d−q軸は同期速度ωlにて
回転する直交座標である。誘起電力Eの向きがq軸に一
致する条件においては、検出した電流を以下に示す
(1)式に従い座標変換して得られる各軸電流成分il
d,ilqは励磁電流I0,2次電流I2’に一致し、発
生トルクTは以下の(2)式で示される。
理を図4及び図5を用いて簡単に説明する。図4(a)
は誘導電動機の一般等価回路で、1次/2次の巻線比α
を2次の漏れインダクタンスを削除するように選ぶと、
図4(b)の等価回路が得られる。図5に電動機電圧と
電流のベクトル図を示す。d−q軸は同期速度ωlにて
回転する直交座標である。誘起電力Eの向きがq軸に一
致する条件においては、検出した電流を以下に示す
(1)式に従い座標変換して得られる各軸電流成分il
d,ilqは励磁電流I0,2次電流I2’に一致し、発
生トルクTは以下の(2)式で示される。
【0004】 ild COSθ SIN SQR(3/2) 0 iu ilq -SINθ COS 1/SQR(1/2) SQR(2) iv (1) iw=−iu−iv θ:d軸と固定子巻線u相軸との角度 iu,iv,iw:電動機一次電流 T=3・P・M/L2・(φ2d・ilq−φ2q・ild) (2) P:極対数 L2:回転子(2次)インダクタンス M:相互インダクタンス φ2d:2次側磁束のd軸成分 φ2q:2次側磁束のq軸成分 ここで、φ2d一定、φ2q=0が常に成立すれば、トルク
Tは電流ilqに比例する。
Tは電流ilqに比例する。
【0005】インバータ出力電圧を以下の(3)〜
(5)式に従って制御すると誘起起電力Eの向きはq軸
に一致し、また、磁束の定常動作点を求めると、
(6)、(7)式に示すように磁束φ2qは零となり、φ
lqはildと相互インダクタンスMで表される。 vld=rl・ild−ωl・(I1+I2’)・ilq (3) vlq=rl・ilq+ωl・(I1+I2’)・ilq+E1 (4) E1=ωl・M/L2・φ2d (5) φ2d=M・ild (6) φ2q=0 (7) ωl=電源角速度 I1,I2’=1次、2次漏れインダクタンス rl:巻線抵抗 実際には、(3)、(4)式で得られた各軸の電圧成分
を(8)式に従って3相交流に変換し、誘導電動機へ印
加する。
(5)式に従って制御すると誘起起電力Eの向きはq軸
に一致し、また、磁束の定常動作点を求めると、
(6)、(7)式に示すように磁束φ2qは零となり、φ
lqはildと相互インダクタンスMで表される。 vld=rl・ild−ωl・(I1+I2’)・ilq (3) vlq=rl・ilq+ωl・(I1+I2’)・ilq+E1 (4) E1=ωl・M/L2・φ2d (5) φ2d=M・ild (6) φ2q=0 (7) ωl=電源角速度 I1,I2’=1次、2次漏れインダクタンス rl:巻線抵抗 実際には、(3)、(4)式で得られた各軸の電圧成分
を(8)式に従って3相交流に変換し、誘導電動機へ印
加する。
【0006】 vu SQR(3/2) 0 COSθ - SIN0 vld vv -SQR(1/6) 1/SQR(2) SINθ COS vlq vw =−vu −vv 従来のベクトル制御装置においては、特開昭61−10
2184号公報では、停止時に一次電流を流さず、運転
開始するとともに電流を供給し、2次磁束のd軸成分φ
2dが確立後、電動機制御を開始していた。
2184号公報では、停止時に一次電流を流さず、運転
開始するとともに電流を供給し、2次磁束のd軸成分φ
2dが確立後、電動機制御を開始していた。
【0007】また、特開平1−110081号公報で
は、停止中でも2次磁束のd軸成分(励磁成分)の一次
電流を供給していた。
は、停止中でも2次磁束のd軸成分(励磁成分)の一次
電流を供給していた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、運転開始と
共に誘導電動機に一次電流を流した場合、誘導電動機に
インダクタンスが存在するために、励磁成分電流の立ち
上がりが遅れ、制御状態になるまでに時間を要する。停
止中でも2次磁束の励磁成分を確立しておくと電力を消
費して効率が低下する。また、制御演算をマイコンで行
った場合、停止中でもマイコンは制御演算を実行し、他
の演算処理を行えないという問題点がある。
共に誘導電動機に一次電流を流した場合、誘導電動機に
インダクタンスが存在するために、励磁成分電流の立ち
上がりが遅れ、制御状態になるまでに時間を要する。停
止中でも2次磁束の励磁成分を確立しておくと電力を消
費して効率が低下する。また、制御演算をマイコンで行
った場合、停止中でもマイコンは制御演算を実行し、他
の演算処理を行えないという問題点がある。
【0009】本発明は上述の点に鑑みて提供したもので
あって、運転開始時の応答を迅速に行うことができ、し
かも停止時の消費電力、マイコンの演算負担を比較的に
小さくすることを目的とした誘導電動機のベクトル制御
装置を提供するものである。
あって、運転開始時の応答を迅速に行うことができ、し
かも停止時の消費電力、マイコンの演算負担を比較的に
小さくすることを目的とした誘導電動機のベクトル制御
装置を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、一次電流を励
磁成分電流とトルク成分電流とのベクトル和として演算
制御する誘導電動機のベクトル制御装置において、停止
時に誘導電動機へ供給する一次電流を、励磁電流成分の
みで、且つ、停止状態により励磁電流値を選択的に変化
させることを特徴とするものである。
磁成分電流とトルク成分電流とのベクトル和として演算
制御する誘導電動機のベクトル制御装置において、停止
時に誘導電動機へ供給する一次電流を、励磁電流成分の
みで、且つ、停止状態により励磁電流値を選択的に変化
させることを特徴とするものである。
【0011】また、請求項2においては、停止時に誘導
電動機へ供給する一次電流を、励磁電流成分のみで、且
つ、一定の一次電圧を印加することで供給し、制御演算
を行わないことを特徴とするものである。
電動機へ供給する一次電流を、励磁電流成分のみで、且
つ、一定の一次電圧を印加することで供給し、制御演算
を行わないことを特徴とするものである。
【0012】
【作用】本発明によれば、停止中でも一次電流の励磁成
分を供給すれば運転開始時の2次磁束が確立するまでの
遅れ時間が短縮できる。しかも、停止後直ちに再始動す
る場合は、運転中と同じ一次電流を供給、停止後しばら
く後に始動する場合は、一次電流は必要な電流値の約半
分、停止後当分の間始動しない場合は、一次電流を供給
しない、等の始動頻度、あるいは要求される始動時の速
度応答性に従って停止中に供給する一次電流の励磁電流
成分を変化させることで、運転開始時の応答性、停止時
の消費電力を考慮した適当な停止時の一次電流の励磁成
分を供給できる。
分を供給すれば運転開始時の2次磁束が確立するまでの
遅れ時間が短縮できる。しかも、停止後直ちに再始動す
る場合は、運転中と同じ一次電流を供給、停止後しばら
く後に始動する場合は、一次電流は必要な電流値の約半
分、停止後当分の間始動しない場合は、一次電流を供給
しない、等の始動頻度、あるいは要求される始動時の速
度応答性に従って停止中に供給する一次電流の励磁電流
成分を変化させることで、運転開始時の応答性、停止時
の消費電力を考慮した適当な停止時の一次電流の励磁成
分を供給できる。
【0013】また、請求項2によれば、停止中では誘導
電動機の速度及びトルク成分電流は零で変化しないこと
から、一次電流の励磁電流成分が設定値となる一次電圧
は一定の値となる。停止中にはこの一定電圧を誘導電動
機に印加してベクトル演算等の制御演算を停止可能とな
るので、制御演算をマイコン等で実施する場合、停止中
マイコンは別の処理を実行できる。あるいは、プログラ
ム容量に限りがあるマイコンでは、停止中と運転中とで
異なったプログラムをロード、実行できるものである。
電動機の速度及びトルク成分電流は零で変化しないこと
から、一次電流の励磁電流成分が設定値となる一次電圧
は一定の値となる。停止中にはこの一定電圧を誘導電動
機に印加してベクトル演算等の制御演算を停止可能とな
るので、制御演算をマイコン等で実施する場合、停止中
マイコンは別の処理を実行できる。あるいは、プログラ
ム容量に限りがあるマイコンでは、停止中と運転中とで
異なったプログラムをロード、実行できるものである。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。図1及び図2は実施例1を示すものであり、図1
は本発明の実施例の構成例をブロック的に示したもので
ある。1は誘導電動機、2は誘導電動機1の電流を検出
する電流検出器、3は誘導電動機1の印加電圧の制御を
行う電圧制御装置である。4は誘導電動機1の一次電圧
指令値を演算し上記電圧制御装置3に指令値を出力する
ベクトル演算装置、5は誘導電動機1の検出された電流
を励磁成分ildとトルク成分ilqに変換する座標変換装
置である。
する。図1及び図2は実施例1を示すものであり、図1
は本発明の実施例の構成例をブロック的に示したもので
ある。1は誘導電動機、2は誘導電動機1の電流を検出
する電流検出器、3は誘導電動機1の印加電圧の制御を
行う電圧制御装置である。4は誘導電動機1の一次電圧
指令値を演算し上記電圧制御装置3に指令値を出力する
ベクトル演算装置、5は誘導電動機1の検出された電流
を励磁成分ildとトルク成分ilqに変換する座標変換装
置である。
【0015】一方、6は誘導電動機1の速度指令信号ω
r*を発生する速度指令発生装置、7は誘導電動機1の
速度を検出し速度信号ωrを出力する速度検出器、8は
上記速度指令信号ωr*とωrとの偏差に応じてトルク
成分電流指令値ilq*を出力する速度制御装置である。
9は上記トルク成分電流指令値ilq*と検出したトルク
成分電流ilqとの偏差に応じて周波数指令値ω*を出力
するトルク電流制御装置である。10は誘導電動機1の
励磁成分電流指令信号ild*を発生する励磁電流指令発
生装置、11は上記励磁成分電流指令信号ild*と励磁
成分電流ildとの偏差に応じて励磁分電圧指令値Vld*
を出力する励磁電流制御装置、12は励磁成分電流ild
から磁束確立信号12aを出力する磁束確立検出装置で
ある。
r*を発生する速度指令発生装置、7は誘導電動機1の
速度を検出し速度信号ωrを出力する速度検出器、8は
上記速度指令信号ωr*とωrとの偏差に応じてトルク
成分電流指令値ilq*を出力する速度制御装置である。
9は上記トルク成分電流指令値ilq*と検出したトルク
成分電流ilqとの偏差に応じて周波数指令値ω*を出力
するトルク電流制御装置である。10は誘導電動機1の
励磁成分電流指令信号ild*を発生する励磁電流指令発
生装置、11は上記励磁成分電流指令信号ild*と励磁
成分電流ildとの偏差に応じて励磁分電圧指令値Vld*
を出力する励磁電流制御装置、12は励磁成分電流ild
から磁束確立信号12aを出力する磁束確立検出装置で
ある。
【0016】13は始動、停止、反転等の操作信号13
aを入力し、上述の各装置6,10に制御信号13b,
13cを出力する運転指令装置である。次に、上記の如
く構成された誘導電動機の制御装置の動作について説明
する。運転指令装置13に操作信号13aとして誘導電
動機1を始動する指令が与えられると、この運転指令装
置13は励磁電流指令発生装置10に励磁電流制御信号
13bを出力する。
aを入力し、上述の各装置6,10に制御信号13b,
13cを出力する運転指令装置である。次に、上記の如
く構成された誘導電動機の制御装置の動作について説明
する。運転指令装置13に操作信号13aとして誘導電
動機1を始動する指令が与えられると、この運転指令装
置13は励磁電流指令発生装置10に励磁電流制御信号
13bを出力する。
【0017】励磁電流指令発生装置10は、励磁電流制
御信号13bに応じて励磁成分電流指令信号ild*を励
磁電流制御装置11に出力する。励磁電流制御装置11
は、励磁成分電流指令信号ild*と座標変換装置5より
(1)式に従って演算して得られる検出したトルク成分
電流ilqとの偏差を比例・積分・微分等の制御演算(P
ID制御)した結果を励磁分電圧指令値Vld*としてベ
クトル演算装置4に出力する。
御信号13bに応じて励磁成分電流指令信号ild*を励
磁電流制御装置11に出力する。励磁電流制御装置11
は、励磁成分電流指令信号ild*と座標変換装置5より
(1)式に従って演算して得られる検出したトルク成分
電流ilqとの偏差を比例・積分・微分等の制御演算(P
ID制御)した結果を励磁分電圧指令値Vld*としてベ
クトル演算装置4に出力する。
【0018】ベクトル演算装置4は、(2),(3),
(8)式に基づいて励磁分及びトルク分の電圧値vld、
vlqを演算し、3相交流に座標変換して電圧制御装置3
に電圧指令値vv 、vu 、vw を出力する。一方、磁束
確立検出装置12は、座標変換装置5より(1)式に従
って演算して得られる励磁成分電流ildと励磁成分電流
指令信号ild*の偏差がある値以下となれば、磁束確立
信号12aを運転指令装置13に出力する。
(8)式に基づいて励磁分及びトルク分の電圧値vld、
vlqを演算し、3相交流に座標変換して電圧制御装置3
に電圧指令値vv 、vu 、vw を出力する。一方、磁束
確立検出装置12は、座標変換装置5より(1)式に従
って演算して得られる励磁成分電流ildと励磁成分電流
指令信号ild*の偏差がある値以下となれば、磁束確立
信号12aを運転指令装置13に出力する。
【0019】運転指令装置13は、磁束確立信号12a
が入力されたなら、速度指令発生装置6に速度制御信号
13cを出力する。速度指令発生装置6は、速度制御信
号13cに応じて速度指令信号ωr*を速度制御装置8
に出力する。速度制御装置8は、速度指令信号ωr*と
検出した誘導電動機1の速度信号ωrとの偏差を比例・
積分・微分等の制御演算(PID制御)した結果をトル
ク成分電流指令値ilq*としてトルク電流制御装置9に
出力する。
が入力されたなら、速度指令発生装置6に速度制御信号
13cを出力する。速度指令発生装置6は、速度制御信
号13cに応じて速度指令信号ωr*を速度制御装置8
に出力する。速度制御装置8は、速度指令信号ωr*と
検出した誘導電動機1の速度信号ωrとの偏差を比例・
積分・微分等の制御演算(PID制御)した結果をトル
ク成分電流指令値ilq*としてトルク電流制御装置9に
出力する。
【0020】トルク電流制御装置9は、同様にトルク成
分電流指令値ilq*と検出したトルク成分電流ilqとの
偏差を比例・積分・微分等の制御演算(PID制御)し
た結果を周波数指令値ω*としてベクトル制御装置4に
出力する。上述のように、ベクトル制御方式の誘導電動
機制御装置では、一次電流の励磁成分とトルク成分を独
立して制御できる。また、励磁成分電流ildが確立して
いる状態では、(6)式より2次磁束も確立されてお
り、その結果、(2)式からトルク成分電流ilqに比例
して速やかにトルクが発生する。
分電流指令値ilq*と検出したトルク成分電流ilqとの
偏差を比例・積分・微分等の制御演算(PID制御)し
た結果を周波数指令値ω*としてベクトル制御装置4に
出力する。上述のように、ベクトル制御方式の誘導電動
機制御装置では、一次電流の励磁成分とトルク成分を独
立して制御できる。また、励磁成分電流ildが確立して
いる状態では、(6)式より2次磁束も確立されてお
り、その結果、(2)式からトルク成分電流ilqに比例
して速やかにトルクが発生する。
【0021】一般に、電流制御応答速度は非常に速いの
で、速度制御装置8の出力であるトルク成分電流指令値
ilq*にトルク成分電流ilqは速やかに追従し、速度制
御を開始すると、トルクが即座に発生して誘導電動機1
の速度ωrは速度指令値ωr*に即座に到達する。さら
に、停止から速度制御開始状態までの動作を図に従って
説明する。運転指令装置13は、停止時の消費電力、始
動頻度を考慮して停止中には励磁成分電流指令信号ild
s *を出力するよう励磁電流指令発生装置10へ励磁電
流制御信号13bを出力する。
で、速度制御装置8の出力であるトルク成分電流指令値
ilq*にトルク成分電流ilqは速やかに追従し、速度制
御を開始すると、トルクが即座に発生して誘導電動機1
の速度ωrは速度指令値ωr*に即座に到達する。さら
に、停止から速度制御開始状態までの動作を図に従って
説明する。運転指令装置13は、停止時の消費電力、始
動頻度を考慮して停止中には励磁成分電流指令信号ild
s *を出力するよう励磁電流指令発生装置10へ励磁電
流制御信号13bを出力する。
【0022】停止中の励磁成分電流指令信号ilds *が
小さければ、停止中の消費電力は小さくなるが、励磁成
分電流ildは運転中の励磁電流指令値ild*に到達する
時間を要し、速度制御装置8の制御開始が遅くなる。逆
に、停止中の励磁成分電流指令信号ilds *が大きけれ
ば、速度制御装置8の制御開始は速くなるが、消費電力
は大きくなる。
小さければ、停止中の消費電力は小さくなるが、励磁成
分電流ildは運転中の励磁電流指令値ild*に到達する
時間を要し、速度制御装置8の制御開始が遅くなる。逆
に、停止中の励磁成分電流指令信号ilds *が大きけれ
ば、速度制御装置8の制御開始は速くなるが、消費電力
は大きくなる。
【0023】図2(a)は停止中の励磁成分電流指令信
号ilds *が零の場合で、図2(b)は停止中の励磁成
分電流指令信号ilds *は運転中の励磁成分電流指令信
号ild*の約半分、図2(c)は、停止中の励磁成分電
流指令信号ilds *が運転中の励磁成分電流指令信号i
ld*と等しい場合のタイミングチャートである。図2
(a)から図2(c)となるに従って運転開始から速度
制御装置8の制御開始までの時間tは小さくなるが、停
止中の消費電力に相当する斜線部は大きくなる。
号ilds *が零の場合で、図2(b)は停止中の励磁成
分電流指令信号ilds *は運転中の励磁成分電流指令信
号ild*の約半分、図2(c)は、停止中の励磁成分電
流指令信号ilds *が運転中の励磁成分電流指令信号i
ld*と等しい場合のタイミングチャートである。図2
(a)から図2(c)となるに従って運転開始から速度
制御装置8の制御開始までの時間tは小さくなるが、停
止中の消費電力に相当する斜線部は大きくなる。
【0024】(実施例2)実施例2を図3に示す。14
は電圧指令発生装置で、運転指令装置13から制御信号
13dを受けて電圧指令値vv1,vu2を出力選択装置1
5に出力する。15は出力選択装置で、運転指令装置1
3からの制御信号13eに従って電圧制御装置3へ入力
する指令電圧値を選択する。
は電圧指令発生装置で、運転指令装置13から制御信号
13dを受けて電圧指令値vv1,vu2を出力選択装置1
5に出力する。15は出力選択装置で、運転指令装置1
3からの制御信号13eに従って電圧制御装置3へ入力
する指令電圧値を選択する。
【0025】電圧指令発生装置14は、停止時の励磁成
分電流ilds の電流値を指令するものであって、次にそ
の動作を説明する。始動時の速度応答性を迅速にするた
め、上述したように、停止中であっても励磁成分電流i
lds を供給する。そこで、運転指令装置13は、速度指
令発生装置6及び励磁電流指令発生装置10に各制御信
号ilds *、ωr*の出力を停止し、電圧指令発生装置
14に電圧指令値vv1,vu2を出力するよう制御信号1
3b〜dを出力する。
分電流ilds の電流値を指令するものであって、次にそ
の動作を説明する。始動時の速度応答性を迅速にするた
め、上述したように、停止中であっても励磁成分電流i
lds を供給する。そこで、運転指令装置13は、速度指
令発生装置6及び励磁電流指令発生装置10に各制御信
号ilds *、ωr*の出力を停止し、電圧指令発生装置
14に電圧指令値vv1,vu2を出力するよう制御信号1
3b〜dを出力する。
【0026】また、出力選択装置15に電圧指令装置1
4の出力を電圧制御装置3の入力とするように制御信号
13eを出力する。電圧指令値vv1,vu2は以下のよう
に求められる。停止中であることから前記周波数指令値
ω*、トルク成分電流指令値ilq*は各々零で一定とな
る。従って、(3)、(4)式は(9)、(10)式と
なる。
4の出力を電圧制御装置3の入力とするように制御信号
13eを出力する。電圧指令値vv1,vu2は以下のよう
に求められる。停止中であることから前記周波数指令値
ω*、トルク成分電流指令値ilq*は各々零で一定とな
る。従って、(3)、(4)式は(9)、(10)式と
なる。
【0027】 vld=rl・ilds * (9) vlq=0 (10) この各成分の電圧を(8)式に従って3相交流に変換し
た電圧値を電圧制御装置3に入力すれば、励磁電流成分
はilds 一定となる。なお、停止中はベクトル演算装置
4、速度制御装置8等の制御装置は、各指令値が入力さ
れないので動作していない。
た電圧値を電圧制御装置3に入力すれば、励磁電流成分
はilds 一定となる。なお、停止中はベクトル演算装置
4、速度制御装置8等の制御装置は、各指令値が入力さ
れないので動作していない。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、一次電流を励磁成分電
流とトルク成分電流とのベクトル和として演算制御する
誘導電動機のベクトル制御装置において、停止時に誘導
電動機へ供給する一次電流を、励磁電流成分のみで、且
つ、停止状態により励磁電流値を選択的に変化させるよ
うにしたものであるから、停止中でも一次電流の励磁成
分を供給すれば運転開始時の2次磁束が確立するまでの
遅れ時間が短縮できる。しかも、停止後直ちに再始動す
る場合は、運転中と同じ一次電流を供給、停止後しばら
く後に始動する場合は、一次電流は必要な電流値の約半
分、停止後当分の間始動しない場合は、一次電流を供給
しない、等の始動頻度、あるいは要求される始動時の速
度応答性に従って停止中に供給する一次電流の励磁電流
成分を変化させることで、運転開始時の応答性、停止時
の消費電力を考慮した適当な停止時の一次電流の励磁成
分を供給できるという効果を奏するものである。
流とトルク成分電流とのベクトル和として演算制御する
誘導電動機のベクトル制御装置において、停止時に誘導
電動機へ供給する一次電流を、励磁電流成分のみで、且
つ、停止状態により励磁電流値を選択的に変化させるよ
うにしたものであるから、停止中でも一次電流の励磁成
分を供給すれば運転開始時の2次磁束が確立するまでの
遅れ時間が短縮できる。しかも、停止後直ちに再始動す
る場合は、運転中と同じ一次電流を供給、停止後しばら
く後に始動する場合は、一次電流は必要な電流値の約半
分、停止後当分の間始動しない場合は、一次電流を供給
しない、等の始動頻度、あるいは要求される始動時の速
度応答性に従って停止中に供給する一次電流の励磁電流
成分を変化させることで、運転開始時の応答性、停止時
の消費電力を考慮した適当な停止時の一次電流の励磁成
分を供給できるという効果を奏するものである。
【0029】また、請求項2によれば、停止時に誘導電
動機へ供給する一次電流を、励磁電流成分のみで、且
つ、一定の一次電圧を印加することで供給し、制御演算
を行わないことを特徴とするものであるから、停止中で
は誘導電動機の速度及びトルク成分電流は零で変化しな
いことから、一次電流の励磁電流成分が設定値となる一
次電圧は一定の値となる。停止中にはこの一定電圧を誘
導電動機に印加してベクトル演算等の制御演算を停止可
能となるので、制御演算をマイコン等で実施する場合、
停止中マイコンは別の処理を実行できる。あるいは、プ
ログラム容量に限りがあるマイコンでは、停止中と運転
中とで異なったプログラムをロード、実行できる効果が
ある。
動機へ供給する一次電流を、励磁電流成分のみで、且
つ、一定の一次電圧を印加することで供給し、制御演算
を行わないことを特徴とするものであるから、停止中で
は誘導電動機の速度及びトルク成分電流は零で変化しな
いことから、一次電流の励磁電流成分が設定値となる一
次電圧は一定の値となる。停止中にはこの一定電圧を誘
導電動機に印加してベクトル演算等の制御演算を停止可
能となるので、制御演算をマイコン等で実施する場合、
停止中マイコンは別の処理を実行できる。あるいは、プ
ログラム容量に限りがあるマイコンでは、停止中と運転
中とで異なったプログラムをロード、実行できる効果が
ある。
【図1】本発明の実施例のベクトル制御装置のブロック
図である。
図である。
【図2】同上の動作説明図である。
【図3】同上の実施例2のブロック図である。
【図4】(a)(b)はそれぞれ誘導電動機の等価回路
図である。
図である。
【図5】誘導電動機の電動機電圧と電流のベクトル図で
ある。
ある。
1 誘導電動機 2 電流検出器 3 電圧制御装置 4 ベクトル演算装置 5 座標変換装置 6 速度指令発生装置 7 速度検出器 8 速度制御装置 9 トルク電流制御装置 10 励磁電流指令発生装置 11 励磁電流制御装置 12 磁束確立検出装置 13 運転指令装置 14 電圧指令発生装置 15 出力選択装置
【手続補正書】
【提出日】平成5年5月6日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正内容】
【0004】
【数1】 θ:d軸と固定子巻線u相軸との角度 iu,iv,iw:電動機一次電流 T=3・P・M/L2・(φ2d・ilq−φ2q・ild) (2) P:極対数 L2:回転子(2次)インダクタンス M:相互インダクタンス φ2d:2次側磁束のd軸成分 φ2q:2次側磁束のq軸成分 ここで、φ2d=一定、φ2q=0が常に成立すれば、トル
クTは電流ilqに比例する。
クTは電流ilqに比例する。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】
【数2】 従来のベクトル制御装置においては、特開昭61−10
2184号公報では、停止時に一次電流を流さず、運転
開始するとともに電流を供給し、2次磁束のd軸成分φ
2dが確立後、電動機制御を開始していた。
2184号公報では、停止時に一次電流を流さず、運転
開始するとともに電流を供給し、2次磁束のd軸成分φ
2dが確立後、電動機制御を開始していた。
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
Claims (2)
- 【請求項1】 一次電流を励磁成分電流とトルク成分電
流とのベクトル和として演算制御する誘導電動機のベク
トル制御装置において、停止時に誘導電動機へ供給する
一次電流を、励磁電流成分のみで、且つ、停止状態によ
り励磁電流値を選択的に変化させることを特徴とする誘
導電動機のベクトル制御装置。 - 【請求項2】 停止時に誘導電動機へ供給する一次電流
を、励磁電流成分のみで、且つ、一定の一次電圧を印加
することで供給し、制御演算を行わないことを特徴とす
る請求項1記載の誘導電動機のベクトル制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP50A JPH06217584A (ja) | 1993-01-14 | 1993-01-14 | 誘導電動機のベクトル制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP50A JPH06217584A (ja) | 1993-01-14 | 1993-01-14 | 誘導電動機のベクトル制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06217584A true JPH06217584A (ja) | 1994-08-05 |
Family
ID=11601645
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP50A Pending JPH06217584A (ja) | 1993-01-14 | 1993-01-14 | 誘導電動機のベクトル制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06217584A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012034462A (ja) * | 2010-07-29 | 2012-02-16 | Hitachi Ltd | 電力変換器制御装置とその制御方法 |
-
1993
- 1993-01-14 JP JP50A patent/JPH06217584A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012034462A (ja) * | 2010-07-29 | 2012-02-16 | Hitachi Ltd | 電力変換器制御装置とその制御方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 19990406 |