JP2004201357A - 誘導電動機の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】電力変換器のベクトル制御により誘導電動機を速度制御する誘導電動機の制御装置において、誘導電動機制御に要する処理時間が増加することなく電力変換器の出力電圧が飽和するのを防止する。
【解決手段】ベクトル制御による誘導電動機8の制御運転に先立って、電圧比率演算器17にてインバータ15の最大出力電圧VMAXと誘導電動機定格電圧Vrateとの比率に応じて決定される電圧比率定数Kを演算し、磁束指令値Φ*を生成する磁束指令変換器3における弱め励磁制御範囲を拡大して設定しておき、実際のベクトル制御の際に、誘導電動機8の速度が定格速度付近以上のとき磁束指令値Φ*を低減させてインバータ15の出力電圧が飽和することを防止する。
【選択図】 図1
【解決手段】ベクトル制御による誘導電動機8の制御運転に先立って、電圧比率演算器17にてインバータ15の最大出力電圧VMAXと誘導電動機定格電圧Vrateとの比率に応じて決定される電圧比率定数Kを演算し、磁束指令値Φ*を生成する磁束指令変換器3における弱め励磁制御範囲を拡大して設定しておき、実際のベクトル制御の際に、誘導電動機8の速度が定格速度付近以上のとき磁束指令値Φ*を低減させてインバータ15の出力電圧が飽和することを防止する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ベクトル制御により誘導電動機を制御する誘導電動機の制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、誘導電動機の速度を制御する技術として、誘導電動機に電力変換器から供給される1次電流を励磁電流とトルク電流とでそれぞれ独立に制御するベクトル制御が実用化されている。このようなベクトル制御による誘導電動機制御では、電力変換器の出力電圧が飽和する領域では、正確な速度制御が行えないため、以下のように、電力変換器の出力電圧が飽和するのを防止していた。制御装置で得られた出力電圧指令値と、電力変換器で検出する直流電圧検出値とを監視して、電力変換器の出力電圧が飽和することを判別し、飽和量に応じて誘導電動機の誘起電圧と磁束指令の大きさを可変調整するための電圧飽和防止回路を設けていた(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−145400号公報(第1−第4頁、第1−第3図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来のベクトル制御による誘導電動機制御では、上記のように、電力変換器の出力電圧が飽和することを防止しているため、ベクトル制御による誘導電動機制御中にオンラインでリアルタイムに監視、および出力電圧飽和の回避処理を行っており、誘導電動機制御に要する制御処理時間が増加するという問題があった。
【0005】
この発明は、上記のような問題点を解消するために成されたものであって、ベクトル制御による誘導電動機制御に要する制御処理時間が増加することなく、電力変換器の出力電圧が飽和することを防止して、誘導電動機の速度を確実に制御することができる誘導電動機の制御装置を得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る誘導電動機の制御装置は、直流電源からの直流電力を交流電力に変換して誘導電動機に供給する電力変換器と、上記誘導電動機に供給される電流を検出する検出器と、該検出器による3相の電流を励磁電流およびトルク電流に変換する座標変換器と、上記誘導電動機の速度を速度指令値に一致させるようにトルク電流指令を出力する速度制御部と、上記誘導電動機速度から磁束指令値を出力する磁束指令変換器と、上記励磁電流から変換された磁束帰還値が上記磁束指令値に一致するように励磁電流指令を出力する磁束制御部と、上記励磁電流およびトルク電流を上記励磁電流指令およびトルク電流指令にそれぞれ一致させるように上記誘導電動機の3相電圧を制御する電圧指令を出力する電流制御部とを備える。そして、上記磁束指令変換器での弱め励磁制御開始速度を上記誘導電動機の定格速度よりも予め低く設定して、弱め励磁制御範囲を拡大し、上記電流制御部からの上記電圧指令に基づいて上記電力変換器から上記誘導電動機へ電圧を出力するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1について説明する。図1は、この発明の実施の形態1による誘導電動機の制御装置の構成図である。
図に示すように、3相交流電源12からの交流を整流用ダイオードブリッジなどの整流回路13により直流に変換し、直流電源としての平滑コンデンサ14を用いて平滑する。複数の半導体スイッチで構成されたPWM制御方式の電力変換器としてのインバータ15では、平滑コンデンサ14からの直流電力を交流に変換して誘導電動機(IM)8に供給する。また、この制御装置は、q軸電流(トルク電流)指令値Iq*を出力する速度制御部としての速度コントローラ(SC)1と、トルク電流制御部としてのq軸電流コントローラ(CCQ)2と、磁束指令値Φ*を出力する磁束指令変換器3と、d軸電流(励磁電流)指令値Id*を出力する磁束制御部としての磁束コントローラ(FC)4と、励磁電流制御部としてのd軸電流コントローラ(CCD)5と、各電流コントローラ2、5の出力に加算される非干渉項6と、d、q軸電圧指令値から3相電圧指令値を得るための座標変換器7とを備える。さらに、誘導電動機8の速度を検出する速度検出器(PLG)9と、インバータ15から誘導電動機8に出力される3相電流を検出する電流検出器16aと、検出された3相電流をd、q軸電流に変換するための座標変換器10と、座標変換器10からのd軸電流を磁束帰還値に変換する変換器11と、平滑コンデンサ14の直流電圧を検出する直流電圧検出センサ16と、磁束指令変換器3での磁束指令値Φ*の決定に用いる電圧比率定数Kを演算する電圧比率演算器17とを備える。
【0008】
次に、動作について詳細に説明する。
3相交流電源12からの交流を整流回路13により直流に変換し、平滑コンデンサ14を用いて平滑する。この平滑コンデンサ14の直流電圧をPWM制御方式のインバータ15で交流に変換して誘導電動機8に供給する。インバータ15から誘導電動機8に出力される3相電流Iu−、Iv−、Iw−は電流検出器16aで検出され、座標変換器10は、検出された3相電流Iu−、Iv−、Iw−をd、q軸電流に変換し、d軸電流帰還値Id−、q軸電流帰還値Iq−を出力する。一方、誘導電動機8の速度は速度検出器9で検出され、速度コントローラ1は、速度検出器9で検出された速度帰還値f−と外部から入力される速度指令値f*との偏差を入力として、速度帰還値f−が速度指令値f*に一致するようにq軸電流指令値Iq*を出力する。q軸電流コントローラ2は、速度コントローラ1からのq軸電流指令値Iq*と座標変換器10からのq軸電流帰還値Iq−との偏差を入力とし、q軸電流指令値Iq*とq軸電流帰還値Iq−とが一致するように制御を行い、q軸電流コントローラ2の出力は非干渉項6を加えることで補正されてq軸電圧指令値Vq*が生成される。
【0009】
速度検出器9からの速度帰還値f−は磁束指令変換器3にも入力され、磁束指令変換器3では、電圧比率演算器17から予め電圧比率定数Kが入力されて弱め励磁制御範囲が設定されており、速度検出器9からの速度帰還値f−を磁束指令値Φ*に変換する。電圧比率演算器17は、直流電圧センサ16にて検出された平滑コンデンサ14の直流電圧を入力として、該直流電圧と誘導電動機8の定格電圧とに基づいて電圧比率定数Kを出力するものであるが、この電圧比率定数K、およびこれを用いた磁束指令変換器3での磁束指令値Φ*の生成についての詳細は後述する。
【0010】
座標変換器10からのd軸電流帰還値Id−は変換器11にて磁束帰還値Φ−に変換され、磁束コントローラ4は、変換器11からの磁束帰還値Φ−と磁束指令変換器3からの磁束指令値Φ*との偏差を入力として、磁束帰還値Φ−が磁束指令値Φ*に一致するようにd軸電流指令値Id*を出力する。d軸電流コントローラ5は、磁束コントローラ4からのd軸電流指令値Id*と座標変換器10からのd軸電流帰還値Id−との偏差を入力とし、d軸電流指令値Id*とd軸電流帰還値Id−とが一致するように制御を行い、d軸電流コントローラ5の出力は非干渉項6を加えることで補正されてd軸電圧指令値Vd*が生成される。座標変換器7は、q軸電圧指令値Vq*とd軸電圧指令値Vd*とからインバータ15をPWM制御により駆動するための3相電圧指令値Vu、Vv、Vwを出力する。
【0011】
このように、誘導電動機8にインバータ15から供給される1次電流を励磁電流(d軸電流)とトルク電流(q軸電流)とでそれぞれ独立に制御して誘導電動機8を速度制御するが、このようなベクトル制御による誘導電動機8の制御運転に先立って、電圧比率演算器17は電圧比率定数Kを演算し、磁束指令変換器3は電圧比率演算器17からの電圧比率定数Kおよび誘導電動機8の定格速度に基づいて弱め励磁制御範囲を設定する。電圧比率演算器17での電圧比率定数Kの演算および磁束指令変換器3での弱め励磁制御範囲の設定は、ベクトル制御による誘導電動機8の制御運転に先立って通常行われる、ベクトル制御に必要な誘導電動機8の回路定数を自動計測するためのオフラインオートチューニングの際に行うと良い。
【0012】
電圧比率演算器17および磁束指令変換器3の動作の詳細について以下に説明する。
直流電圧センサ16は、平滑コンデンサ14の直流電圧VDCを検出して電圧比率演算器17に入力する。
一般に、制御装置の出力電圧最大値VMAX(実効値)は、平滑コンデンサ14の直流電圧VDCを用いて次式で表される。
【0013】
【数1】
【0014】
ベクトル制御では誘導電動機8の速度が定格速度付近以上となると、誘導電動機8の定格電圧以上の電圧を要求するため、出力電圧飽和を回避するためには、誘導電動機8の定格電圧は制御装置(インバータ)の出力電圧最大値VMAXよりも小さい値が望ましい。このため、定数KV(<1)を用いて、誘導電動機8の望ましい定格電圧(以下、適正定格電圧と称す)をVMAX・KVと設定し、この適正定格電圧と既知の誘導電動機定格電圧Vrateとの比である電圧比率定数Kを次式のように演算する。なお、KVは0.8程度の定数とする。また、直流電圧VDCが十分大きくて電圧比率定数Kが1以上となるときは、K=1にクランプする。
【0015】
【数2】
【0016】
電圧比率演算器17では、平滑コンデンサ14の直流電圧VDCを入力として、上記(1)式によりインバータ15の最大出力電圧VMAXを演算し、さらに上記(2)式により、既知の誘導電動機定格電圧Vrateと定数KVとにより電圧比率定数Kを演算して出力する。この電圧比率定数Kは、KVが定数であるため、最大出力電圧VMAXと誘導電動機定格電圧Vrateとの比率に応じて決定される1以下の値である。
速度帰還値f−を磁束指令値Φ*に変換して出力する磁束指令変換器3は、通常、誘導電動機8の定格速度以上の範囲において磁束指令を速度に反比例して弱める弱め励磁制御を行う(図5参照)ものであるが、電圧比率演算器17からの電圧比率定数Kを定格速度に乗じた値を弱め励磁制御開始速度として設定し、図2に示すように弱め励磁制御範囲を通常より拡大して設定する。
【0017】
このようにベクトル制御による誘導電動機8の制御運転に先立って、磁束指令変換器3における弱め励磁制御範囲の拡大設定をしておくことで、実際のベクトル制御の際に、誘導電動機8の速度が定格速度付近以上のとき磁束指令変換器3から出力される磁束指令値Φ*が低減される。
【0018】
ところで、ベクトル制御における電圧方程式は次式で表される。
【数3】
【0019】
制御装置の出力周波数が高くなると、上記(3)式の電圧方程式では磁束Φに係る項が支配的となる。このため磁束指令値Φ*を低減することで、3相電圧指令値Vu、Vv、Vwを低減でき、インバータ15の出力電圧飽和を効果的に防止できることがわかる。
【0020】
この実施の形態では、ベクトル制御による誘導電動機8の制御運転に先立って、電圧比率演算器17にて電圧比率定数Kを演算し、磁束指令変換器3における弱め励磁制御範囲を拡大して設定しておくため、実際のベクトル制御の際に、誘導電動機8の速度が定格速度付近以上のとき磁束指令値Φ*が低減でき、インバータ15の出力電圧が飽和することが防止できる。また、ベクトル制御における誘導電動機8の制御運転時には、出力電圧の飽和回避のための監視、制御などの処理が全く不要であり誘導電動機制御に要する制御処理時間が増加することなく、信頼性の高い制御が行える。さらに、電圧比率演算器17での電圧比率定数Kの演算および磁束指令変換器3での弱め励磁制御範囲の設定は、ベクトル制御による誘導電動機8の制御運転に先立って通常行われる、ベクトル制御に必要な誘導電動機8の回路定数を自動計測するためのオフラインオートチューニングの際に行うことで、特別な時間を要することなく容易に行うことができる。
【0021】
実施の形態2.
次に、この発明の実施の形態2について説明する。
図3および図4は、この発明の実施の形態2にによる誘導電動機の制御装置の構成および動作を説明する図である。
上記実施の形態1では、ベクトル制御による誘導電動機8の制御運転に先立って、磁束指令変換器3における弱め励磁制御範囲を拡大して設定したが、この実施の形態2では、図3に示すように、誘導電動機8のV/f一定制御運転を行ってd軸電流(励磁電流)を測定し、その後、図4に示すように、測定されたd軸電流を誘導電動機8の定格励磁電流と読み替えてベクトル制御による誘導電動機8の制御運転を行う。
ベクトル制御による制御運転では、図4に示すように、磁束指令変換器3aは、速度検出器9からの速度帰還値f−を磁束指令値Φ*に変換するが、ここでは、図5に示すように、誘導電動機8の定格速度以上の範囲において磁束指令を速度に反比例して弱める弱め励磁制御を行う。また、磁束制御部としての磁束コントローラ4aは、変換器11からの磁束帰還値Φ−と磁束指令変換器3aからの磁束指令値Φ*との偏差を入力として、磁束帰還値Φ−が磁束指令値Φ*に一致するようにd軸電流指令値Id*を出力するが、d軸電流指令値Id*は、誘導電動機8の定格励磁電流Idrateに基づいて、定格励磁電流Idrateに対する比率等を用いて出力される。この他のベクトル制御については、上記実施の形態1と同様である。
【0022】
ベクトル制御による誘導電動機8の制御運転に先立って行う処理について、図3に基づいて以下に説明する。
電圧比率演算器17では、上記実施の形態1と同様の処理を行い、即ち、平滑コンデンサ14の直流電圧VDCを入力として、上記(1)式によりインバータ15の最大出力電圧VMAXを演算し、さらに上記(2)式により、既知の誘導電動機定格電圧Vrateと定数KVとにより電圧比率定数Kを演算して出力する。この電圧比率定数Kは、KVが定数であるため、最大出力電圧VMAXと誘導電動機定格電圧Vrateとの比率に応じて決定される1以下の値である。
V/f制御回路18では、電圧比率演算器17からの電圧比率定数Kを誘導電動機定格電圧Vrateに乗じて誘導電動機定格電圧Vrateよりも低い低減定格電圧20を設定し、この低減定格電圧20と誘導電動機8の定格速度(周波数)とによってV(電圧)/f(周波数)パターン19を生成し、誘導電動機8に3相電圧指令値Vu、Vv、Vwを出力する。これにより誘導電動機8はV/f一定制御運転を行い、この運転時のインバータ15の出力電流からd軸電流を測定する。
この測定されたd軸電流の値を誘導電動機8の定格励磁電流Idrateと読み替えて、その後のベクトル制御による誘導電動機8の制御運転時に、磁束コントローラ4aにてd軸電流指令値Id*を出力する際に用いる。
なお、図3において誘導電動機定格電圧Vrateと誘導電動機8の定格速度とによる通常のV/fパターン19aを、V/fパターン19との比較で示した。
【0023】
この実施の形態では、ベクトル制御による誘導電動機8の制御運転に先立って、電圧比率演算器17にて電圧比率定数Kを演算し、誘導電動機定格電圧Vrateよりも低く設定した低減定格電圧20と誘導電動機8の定格速度とによって得られるV/fパターン19により誘導電動機8はのV/f一定制御運転を行い、この運転時に測定されるd軸電流を定格励磁電流Idrateと読み替えるようにした。このため、実際のベクトル制御の際に、誘導電動機8の運転速度全域に渡って磁束指令値Φ*が低減でき、インバータ15の出力電圧が飽和することが防止できる。
また、上記実施の形態1と同様に、ベクトル制御における誘導電動機8の制御運転時には、出力電圧の飽和回避のための監視、制御などの処理が全く不要であり誘導電動機制御に要する制御処理時間が増加することなく、信頼性の高い制御が行える。さらに、電圧比率演算器17での電圧比率定数Kの演算およびV/f一定制御運転を行って定格励磁電流Idrateに読み替えるためのd軸電流の測定は、ベクトル制御による誘導電動機8の制御運転に先立って通常行われるオフラインオートチューニングの際に行うことで、特別な時間を要することなく容易に行うことができる。
【0024】
なお、定格励磁電流Idrateを用いて算出する定格トルク電流Iqrateは、次式のように、電圧比率定数Kを用いて算出した値を用いる。
【0025】
【数4】
【0026】
これにより、誘導電動機8の運転速度全域に渡って磁束指令値Φ*が低減しても、定格トルク電流Iqrateとして用いる値を増加できるため、磁束とq軸電流(トルク電流)との積で表される出力トルクの低減が防止できる。
【0027】
【発明の効果】
以上のようにこの発明に係る誘導電動機の制御装置は、誘導電動機速度から磁束指令値を出力する磁束指令変換器での弱め励磁制御開始速度を上記誘導電動機の定格速度よりも予め低く設定して、弱め励磁制御範囲を拡大し、電流制御部からの電圧指令に基づいて電力変換器から上記誘導電動機へ電圧を出力するため、誘導電動機の制御運転時に制御処理時間が増加することなく、電力変換器の出力電圧が飽和することが防止でき信頼性の高い制御が行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1による誘導電動機の制御装置の構成図である。
【図2】この発明の実施の形態1による磁束指令変換器の動作を説明する図である。
【図3】この発明の実施の形態2による誘導電動機の制御装置の構成および動作を説明する図である。
【図4】この発明の実施の形態2による誘導電動機の制御装置の構成および動作を説明する図である。
【図5】この発明の実施の形態2による磁束指令変換器の動作を説明する図である。
【符号の説明】
1 速度制御部としての速度コントローラ、
2 トルク電流制御部としてのq軸電流コントローラ(CCQ)、
3 磁束指令変換器、
4,4a 磁束制御部としての磁束コントローラ(FC)、
5 励磁電流制御部としてのd軸電流コントローラ(CCD)、
8 誘導電動機(IM)、9 速度検出器(PLG)、10 座標変換器、
14 直流電源としての平滑コンデンサ、
15 電力変換器としてのインバータ、16 直流電圧センサ、
16a 電流検出器、17 電圧比率演算器、18 V/f制御回路、
19 V/fパターン、20 低減定格電圧。
【発明の属する技術分野】
この発明は、ベクトル制御により誘導電動機を制御する誘導電動機の制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、誘導電動機の速度を制御する技術として、誘導電動機に電力変換器から供給される1次電流を励磁電流とトルク電流とでそれぞれ独立に制御するベクトル制御が実用化されている。このようなベクトル制御による誘導電動機制御では、電力変換器の出力電圧が飽和する領域では、正確な速度制御が行えないため、以下のように、電力変換器の出力電圧が飽和するのを防止していた。制御装置で得られた出力電圧指令値と、電力変換器で検出する直流電圧検出値とを監視して、電力変換器の出力電圧が飽和することを判別し、飽和量に応じて誘導電動機の誘起電圧と磁束指令の大きさを可変調整するための電圧飽和防止回路を設けていた(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−145400号公報(第1−第4頁、第1−第3図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来のベクトル制御による誘導電動機制御では、上記のように、電力変換器の出力電圧が飽和することを防止しているため、ベクトル制御による誘導電動機制御中にオンラインでリアルタイムに監視、および出力電圧飽和の回避処理を行っており、誘導電動機制御に要する制御処理時間が増加するという問題があった。
【0005】
この発明は、上記のような問題点を解消するために成されたものであって、ベクトル制御による誘導電動機制御に要する制御処理時間が増加することなく、電力変換器の出力電圧が飽和することを防止して、誘導電動機の速度を確実に制御することができる誘導電動機の制御装置を得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る誘導電動機の制御装置は、直流電源からの直流電力を交流電力に変換して誘導電動機に供給する電力変換器と、上記誘導電動機に供給される電流を検出する検出器と、該検出器による3相の電流を励磁電流およびトルク電流に変換する座標変換器と、上記誘導電動機の速度を速度指令値に一致させるようにトルク電流指令を出力する速度制御部と、上記誘導電動機速度から磁束指令値を出力する磁束指令変換器と、上記励磁電流から変換された磁束帰還値が上記磁束指令値に一致するように励磁電流指令を出力する磁束制御部と、上記励磁電流およびトルク電流を上記励磁電流指令およびトルク電流指令にそれぞれ一致させるように上記誘導電動機の3相電圧を制御する電圧指令を出力する電流制御部とを備える。そして、上記磁束指令変換器での弱め励磁制御開始速度を上記誘導電動機の定格速度よりも予め低く設定して、弱め励磁制御範囲を拡大し、上記電流制御部からの上記電圧指令に基づいて上記電力変換器から上記誘導電動機へ電圧を出力するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1について説明する。図1は、この発明の実施の形態1による誘導電動機の制御装置の構成図である。
図に示すように、3相交流電源12からの交流を整流用ダイオードブリッジなどの整流回路13により直流に変換し、直流電源としての平滑コンデンサ14を用いて平滑する。複数の半導体スイッチで構成されたPWM制御方式の電力変換器としてのインバータ15では、平滑コンデンサ14からの直流電力を交流に変換して誘導電動機(IM)8に供給する。また、この制御装置は、q軸電流(トルク電流)指令値Iq*を出力する速度制御部としての速度コントローラ(SC)1と、トルク電流制御部としてのq軸電流コントローラ(CCQ)2と、磁束指令値Φ*を出力する磁束指令変換器3と、d軸電流(励磁電流)指令値Id*を出力する磁束制御部としての磁束コントローラ(FC)4と、励磁電流制御部としてのd軸電流コントローラ(CCD)5と、各電流コントローラ2、5の出力に加算される非干渉項6と、d、q軸電圧指令値から3相電圧指令値を得るための座標変換器7とを備える。さらに、誘導電動機8の速度を検出する速度検出器(PLG)9と、インバータ15から誘導電動機8に出力される3相電流を検出する電流検出器16aと、検出された3相電流をd、q軸電流に変換するための座標変換器10と、座標変換器10からのd軸電流を磁束帰還値に変換する変換器11と、平滑コンデンサ14の直流電圧を検出する直流電圧検出センサ16と、磁束指令変換器3での磁束指令値Φ*の決定に用いる電圧比率定数Kを演算する電圧比率演算器17とを備える。
【0008】
次に、動作について詳細に説明する。
3相交流電源12からの交流を整流回路13により直流に変換し、平滑コンデンサ14を用いて平滑する。この平滑コンデンサ14の直流電圧をPWM制御方式のインバータ15で交流に変換して誘導電動機8に供給する。インバータ15から誘導電動機8に出力される3相電流Iu−、Iv−、Iw−は電流検出器16aで検出され、座標変換器10は、検出された3相電流Iu−、Iv−、Iw−をd、q軸電流に変換し、d軸電流帰還値Id−、q軸電流帰還値Iq−を出力する。一方、誘導電動機8の速度は速度検出器9で検出され、速度コントローラ1は、速度検出器9で検出された速度帰還値f−と外部から入力される速度指令値f*との偏差を入力として、速度帰還値f−が速度指令値f*に一致するようにq軸電流指令値Iq*を出力する。q軸電流コントローラ2は、速度コントローラ1からのq軸電流指令値Iq*と座標変換器10からのq軸電流帰還値Iq−との偏差を入力とし、q軸電流指令値Iq*とq軸電流帰還値Iq−とが一致するように制御を行い、q軸電流コントローラ2の出力は非干渉項6を加えることで補正されてq軸電圧指令値Vq*が生成される。
【0009】
速度検出器9からの速度帰還値f−は磁束指令変換器3にも入力され、磁束指令変換器3では、電圧比率演算器17から予め電圧比率定数Kが入力されて弱め励磁制御範囲が設定されており、速度検出器9からの速度帰還値f−を磁束指令値Φ*に変換する。電圧比率演算器17は、直流電圧センサ16にて検出された平滑コンデンサ14の直流電圧を入力として、該直流電圧と誘導電動機8の定格電圧とに基づいて電圧比率定数Kを出力するものであるが、この電圧比率定数K、およびこれを用いた磁束指令変換器3での磁束指令値Φ*の生成についての詳細は後述する。
【0010】
座標変換器10からのd軸電流帰還値Id−は変換器11にて磁束帰還値Φ−に変換され、磁束コントローラ4は、変換器11からの磁束帰還値Φ−と磁束指令変換器3からの磁束指令値Φ*との偏差を入力として、磁束帰還値Φ−が磁束指令値Φ*に一致するようにd軸電流指令値Id*を出力する。d軸電流コントローラ5は、磁束コントローラ4からのd軸電流指令値Id*と座標変換器10からのd軸電流帰還値Id−との偏差を入力とし、d軸電流指令値Id*とd軸電流帰還値Id−とが一致するように制御を行い、d軸電流コントローラ5の出力は非干渉項6を加えることで補正されてd軸電圧指令値Vd*が生成される。座標変換器7は、q軸電圧指令値Vq*とd軸電圧指令値Vd*とからインバータ15をPWM制御により駆動するための3相電圧指令値Vu、Vv、Vwを出力する。
【0011】
このように、誘導電動機8にインバータ15から供給される1次電流を励磁電流(d軸電流)とトルク電流(q軸電流)とでそれぞれ独立に制御して誘導電動機8を速度制御するが、このようなベクトル制御による誘導電動機8の制御運転に先立って、電圧比率演算器17は電圧比率定数Kを演算し、磁束指令変換器3は電圧比率演算器17からの電圧比率定数Kおよび誘導電動機8の定格速度に基づいて弱め励磁制御範囲を設定する。電圧比率演算器17での電圧比率定数Kの演算および磁束指令変換器3での弱め励磁制御範囲の設定は、ベクトル制御による誘導電動機8の制御運転に先立って通常行われる、ベクトル制御に必要な誘導電動機8の回路定数を自動計測するためのオフラインオートチューニングの際に行うと良い。
【0012】
電圧比率演算器17および磁束指令変換器3の動作の詳細について以下に説明する。
直流電圧センサ16は、平滑コンデンサ14の直流電圧VDCを検出して電圧比率演算器17に入力する。
一般に、制御装置の出力電圧最大値VMAX(実効値)は、平滑コンデンサ14の直流電圧VDCを用いて次式で表される。
【0013】
【数1】
【0014】
ベクトル制御では誘導電動機8の速度が定格速度付近以上となると、誘導電動機8の定格電圧以上の電圧を要求するため、出力電圧飽和を回避するためには、誘導電動機8の定格電圧は制御装置(インバータ)の出力電圧最大値VMAXよりも小さい値が望ましい。このため、定数KV(<1)を用いて、誘導電動機8の望ましい定格電圧(以下、適正定格電圧と称す)をVMAX・KVと設定し、この適正定格電圧と既知の誘導電動機定格電圧Vrateとの比である電圧比率定数Kを次式のように演算する。なお、KVは0.8程度の定数とする。また、直流電圧VDCが十分大きくて電圧比率定数Kが1以上となるときは、K=1にクランプする。
【0015】
【数2】
【0016】
電圧比率演算器17では、平滑コンデンサ14の直流電圧VDCを入力として、上記(1)式によりインバータ15の最大出力電圧VMAXを演算し、さらに上記(2)式により、既知の誘導電動機定格電圧Vrateと定数KVとにより電圧比率定数Kを演算して出力する。この電圧比率定数Kは、KVが定数であるため、最大出力電圧VMAXと誘導電動機定格電圧Vrateとの比率に応じて決定される1以下の値である。
速度帰還値f−を磁束指令値Φ*に変換して出力する磁束指令変換器3は、通常、誘導電動機8の定格速度以上の範囲において磁束指令を速度に反比例して弱める弱め励磁制御を行う(図5参照)ものであるが、電圧比率演算器17からの電圧比率定数Kを定格速度に乗じた値を弱め励磁制御開始速度として設定し、図2に示すように弱め励磁制御範囲を通常より拡大して設定する。
【0017】
このようにベクトル制御による誘導電動機8の制御運転に先立って、磁束指令変換器3における弱め励磁制御範囲の拡大設定をしておくことで、実際のベクトル制御の際に、誘導電動機8の速度が定格速度付近以上のとき磁束指令変換器3から出力される磁束指令値Φ*が低減される。
【0018】
ところで、ベクトル制御における電圧方程式は次式で表される。
【数3】
【0019】
制御装置の出力周波数が高くなると、上記(3)式の電圧方程式では磁束Φに係る項が支配的となる。このため磁束指令値Φ*を低減することで、3相電圧指令値Vu、Vv、Vwを低減でき、インバータ15の出力電圧飽和を効果的に防止できることがわかる。
【0020】
この実施の形態では、ベクトル制御による誘導電動機8の制御運転に先立って、電圧比率演算器17にて電圧比率定数Kを演算し、磁束指令変換器3における弱め励磁制御範囲を拡大して設定しておくため、実際のベクトル制御の際に、誘導電動機8の速度が定格速度付近以上のとき磁束指令値Φ*が低減でき、インバータ15の出力電圧が飽和することが防止できる。また、ベクトル制御における誘導電動機8の制御運転時には、出力電圧の飽和回避のための監視、制御などの処理が全く不要であり誘導電動機制御に要する制御処理時間が増加することなく、信頼性の高い制御が行える。さらに、電圧比率演算器17での電圧比率定数Kの演算および磁束指令変換器3での弱め励磁制御範囲の設定は、ベクトル制御による誘導電動機8の制御運転に先立って通常行われる、ベクトル制御に必要な誘導電動機8の回路定数を自動計測するためのオフラインオートチューニングの際に行うことで、特別な時間を要することなく容易に行うことができる。
【0021】
実施の形態2.
次に、この発明の実施の形態2について説明する。
図3および図4は、この発明の実施の形態2にによる誘導電動機の制御装置の構成および動作を説明する図である。
上記実施の形態1では、ベクトル制御による誘導電動機8の制御運転に先立って、磁束指令変換器3における弱め励磁制御範囲を拡大して設定したが、この実施の形態2では、図3に示すように、誘導電動機8のV/f一定制御運転を行ってd軸電流(励磁電流)を測定し、その後、図4に示すように、測定されたd軸電流を誘導電動機8の定格励磁電流と読み替えてベクトル制御による誘導電動機8の制御運転を行う。
ベクトル制御による制御運転では、図4に示すように、磁束指令変換器3aは、速度検出器9からの速度帰還値f−を磁束指令値Φ*に変換するが、ここでは、図5に示すように、誘導電動機8の定格速度以上の範囲において磁束指令を速度に反比例して弱める弱め励磁制御を行う。また、磁束制御部としての磁束コントローラ4aは、変換器11からの磁束帰還値Φ−と磁束指令変換器3aからの磁束指令値Φ*との偏差を入力として、磁束帰還値Φ−が磁束指令値Φ*に一致するようにd軸電流指令値Id*を出力するが、d軸電流指令値Id*は、誘導電動機8の定格励磁電流Idrateに基づいて、定格励磁電流Idrateに対する比率等を用いて出力される。この他のベクトル制御については、上記実施の形態1と同様である。
【0022】
ベクトル制御による誘導電動機8の制御運転に先立って行う処理について、図3に基づいて以下に説明する。
電圧比率演算器17では、上記実施の形態1と同様の処理を行い、即ち、平滑コンデンサ14の直流電圧VDCを入力として、上記(1)式によりインバータ15の最大出力電圧VMAXを演算し、さらに上記(2)式により、既知の誘導電動機定格電圧Vrateと定数KVとにより電圧比率定数Kを演算して出力する。この電圧比率定数Kは、KVが定数であるため、最大出力電圧VMAXと誘導電動機定格電圧Vrateとの比率に応じて決定される1以下の値である。
V/f制御回路18では、電圧比率演算器17からの電圧比率定数Kを誘導電動機定格電圧Vrateに乗じて誘導電動機定格電圧Vrateよりも低い低減定格電圧20を設定し、この低減定格電圧20と誘導電動機8の定格速度(周波数)とによってV(電圧)/f(周波数)パターン19を生成し、誘導電動機8に3相電圧指令値Vu、Vv、Vwを出力する。これにより誘導電動機8はV/f一定制御運転を行い、この運転時のインバータ15の出力電流からd軸電流を測定する。
この測定されたd軸電流の値を誘導電動機8の定格励磁電流Idrateと読み替えて、その後のベクトル制御による誘導電動機8の制御運転時に、磁束コントローラ4aにてd軸電流指令値Id*を出力する際に用いる。
なお、図3において誘導電動機定格電圧Vrateと誘導電動機8の定格速度とによる通常のV/fパターン19aを、V/fパターン19との比較で示した。
【0023】
この実施の形態では、ベクトル制御による誘導電動機8の制御運転に先立って、電圧比率演算器17にて電圧比率定数Kを演算し、誘導電動機定格電圧Vrateよりも低く設定した低減定格電圧20と誘導電動機8の定格速度とによって得られるV/fパターン19により誘導電動機8はのV/f一定制御運転を行い、この運転時に測定されるd軸電流を定格励磁電流Idrateと読み替えるようにした。このため、実際のベクトル制御の際に、誘導電動機8の運転速度全域に渡って磁束指令値Φ*が低減でき、インバータ15の出力電圧が飽和することが防止できる。
また、上記実施の形態1と同様に、ベクトル制御における誘導電動機8の制御運転時には、出力電圧の飽和回避のための監視、制御などの処理が全く不要であり誘導電動機制御に要する制御処理時間が増加することなく、信頼性の高い制御が行える。さらに、電圧比率演算器17での電圧比率定数Kの演算およびV/f一定制御運転を行って定格励磁電流Idrateに読み替えるためのd軸電流の測定は、ベクトル制御による誘導電動機8の制御運転に先立って通常行われるオフラインオートチューニングの際に行うことで、特別な時間を要することなく容易に行うことができる。
【0024】
なお、定格励磁電流Idrateを用いて算出する定格トルク電流Iqrateは、次式のように、電圧比率定数Kを用いて算出した値を用いる。
【0025】
【数4】
【0026】
これにより、誘導電動機8の運転速度全域に渡って磁束指令値Φ*が低減しても、定格トルク電流Iqrateとして用いる値を増加できるため、磁束とq軸電流(トルク電流)との積で表される出力トルクの低減が防止できる。
【0027】
【発明の効果】
以上のようにこの発明に係る誘導電動機の制御装置は、誘導電動機速度から磁束指令値を出力する磁束指令変換器での弱め励磁制御開始速度を上記誘導電動機の定格速度よりも予め低く設定して、弱め励磁制御範囲を拡大し、電流制御部からの電圧指令に基づいて電力変換器から上記誘導電動機へ電圧を出力するため、誘導電動機の制御運転時に制御処理時間が増加することなく、電力変換器の出力電圧が飽和することが防止でき信頼性の高い制御が行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1による誘導電動機の制御装置の構成図である。
【図2】この発明の実施の形態1による磁束指令変換器の動作を説明する図である。
【図3】この発明の実施の形態2による誘導電動機の制御装置の構成および動作を説明する図である。
【図4】この発明の実施の形態2による誘導電動機の制御装置の構成および動作を説明する図である。
【図5】この発明の実施の形態2による磁束指令変換器の動作を説明する図である。
【符号の説明】
1 速度制御部としての速度コントローラ、
2 トルク電流制御部としてのq軸電流コントローラ(CCQ)、
3 磁束指令変換器、
4,4a 磁束制御部としての磁束コントローラ(FC)、
5 励磁電流制御部としてのd軸電流コントローラ(CCD)、
8 誘導電動機(IM)、9 速度検出器(PLG)、10 座標変換器、
14 直流電源としての平滑コンデンサ、
15 電力変換器としてのインバータ、16 直流電圧センサ、
16a 電流検出器、17 電圧比率演算器、18 V/f制御回路、
19 V/fパターン、20 低減定格電圧。
Claims (4)
- 直流電源からの直流電力を交流電力に変換して誘導電動機に供給する電力変換器と、上記誘導電動機に供給される電流を検出する検出器と、該検出器による3相の電流を励磁電流およびトルク電流に変換する座標変換器と、上記誘導電動機の速度を速度指令値に一致させるようにトルク電流指令を出力する速度制御部と、上記誘導電動機速度から磁束指令値を出力する磁束指令変換器と、上記励磁電流から変換された磁束帰還値が上記磁束指令値に一致するように励磁電流指令を出力する磁束制御部と、上記励磁電流およびトルク電流を上記励磁電流指令およびトルク電流指令にそれぞれ一致させるように上記誘導電動機の3相電圧を制御する電圧指令を出力する電流制御部とを備えて、該電流制御部からの上記電圧指令に基づいて上記電力変換器から上記誘導電動機へ電圧を出力する誘導電動機の制御装置において、上記磁束指令変換器での弱め励磁制御開始速度を上記誘導電動機の定格速度よりも予め低く設定して、弱め励磁制御範囲を拡大することを特徴とする誘導電動機の制御装置。
- 上記直流電源の直流電圧から演算される上記電力変換器の最大出力電圧と上記誘導電動機の定格電圧との比率に応じて、上記磁束指令変換器での弱め励磁制御開始速度を上記誘導電動機の定格速度よりも予め所定の割合で低く設定することを特徴とする請求項1記載の誘導電動機の制御装置。
- 直流電源からの直流電力を交流電力に変換して誘導電動機に供給する電力変換器と、上記誘導電動機に供給される電流を検出する検出器と、該検出器による3相の電流を励磁電流およびトルク電流に変換する座標変換器と、上記誘導電動機の速度を速度指令値に一致させるようにトルク電流指令を出力する速度制御部と、上記励磁電流から変換された磁束帰還値が上記誘導電動機速度から変換された磁束指令値に一致するように、上記誘導電動機の定格励磁電流に基づいて励磁電流指令を出力する磁束制御部と、上記励磁電流およびトルク電流を上記励磁電流指令およびトルク電流指令にそれぞれ一致させるように上記誘導電動機の3相電圧を制御する電圧指令を出力する電流制御部とを備え、該電流制御部からの上記電圧指令に基づいて、上記電力変換器から上記誘導電動機へ電圧を出力する誘導電動機の制御装置において、上記誘導電動機の定格電圧より低い所定電圧に設定した低減定格電圧と上記誘導電動機の定格周波数とによって得られるV(電圧)/f(周波数)パターンにより、上記誘導電動機の制御運転に先立って該誘導電動機のV/f一定制御運転を行って該運転時の励磁電流を測定し、測定された該励磁電流を上記誘導電動機の定格励磁電流と読み替えて上記磁束制御部での上記励磁電流指令出力に用いることを特徴とする誘導電動機の制御装置。
- 上記直流電源の直流電圧から演算される上記電力変換器の最大出力電圧と上記誘導電動機の定格電圧との比率に応じて、上記低減定格電圧を上記誘導電動機定格電圧よりも所定の割合で低く設定することを特徴とする請求項3記載の誘導電動機の制御装置。
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