JP3745633B2 - 電動機制御装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、速度センサレスベクトル制御を適用したインバータによる誘導電動機等の交流電動機の制御装置に係り、特にインバータ出力周波数の演算に誤差が発生したような場合でも、交流電動機を極めて安定して起動できるようにした電動機制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、例えば誘導電動機等の交流電動機を駆動する場合、トルク電圧基準と励磁電圧基準とから、誘導電動機に印加する電圧の周波数を演算し、当該周波数からすべり周波数を減算して電動機速度を推定し、誘導電動機を駆動することが行なわれている。
【0003】
図15は、この種の従来の電動機制御装置の構成例を示すブロック図である。
【0004】
図15おいて、1は直流電源、2は直流電源1の直流電力を交流電力に変換するインバータ回路、3はインバータ回路2の出力によって駆動される誘導電動機である。
【0005】
そして、これらの主回路は、一般的に、例えば図16の回路図に示すような構成としていることが多い。
【0006】
誘導電動機3に流れるU相電流IuとW相電流Iwは、電流検出器4によって検出される。
【0007】
電動機電流座標変換器5は、上記U相電流IuとW相電流Iwを、出力電圧基準位相θ0によりトルク成分電流(以下“トルク電流”と記す)Iqおよび励磁成分電流(以下“励磁電流”と記す)Idの各成分に分離する。
【0008】
なお、電流検出器4によって検出する電流は、U相とW相以外の任意2相の組合せ、または三相全電流でも、トルク電流および励磁電流に分離することができる。
【0009】
速度制御器6は、速度基準ωr*と推定速度ωrとの偏差が零になるように、トルク基準T*を発生する。
【0010】
ベクトル制御器7は、当該トルク基準T*と上記推定速度ωrと磁束基準φ*とに基づいて、トルク成分電流基準(以下、“トルク電流基準”と称する)Iq*および磁束成分電流基準(以下、“励磁電流基準”と称する)Id*の各成分を分離制御する。
【0011】
すべり周波数演算器8は、上記トルク電流基準Iq*と磁束基準φ*とに基づいて、すべり周波数ωsを演算する。
【0012】
電流制御器9は、上記トルク電流基準Iq*とトルク電流Iqとの偏差、および上記励磁電流基準Id*と励磁電流Idとの偏差がそれぞれ零になるように、トルク電圧基準Vq*および励磁電圧基準Vd*を発生する。
【0013】
電圧基準座標変換器10は、出力電圧基準位相θ0に基づいて、トルク電圧基準Vq*および励磁電圧基準Vd*を座標変換し、誘導電動機3に印加する三相出力電圧基準Vu*,Vv*,Vw*を出力する。
【0014】
周波数演算器11は、トルク電圧基準Vq*と励磁電圧基準Vd*とに基づいて、誘導電動機3に印加する電圧の周波数(以下、“インバータ出力周波数”と称する)ω0を出力する。
【0015】
なお、図15では明示していないが、周波数演算器11に対する入力として、トルク電流Iqおよび励磁電流Id、またはトルク電流基準Iq*および励磁電流基準Id*も用いることもある。
【0016】
推定速度演算器12は、当該インバータ出力周波数ω0から上記すべり周波数ωsを減算した値を、上記推定速度ωrとしている。
【0017】
積分器13は、上記インバータ出力周波数ω0を積分して、上記出力電圧基準位相θ0を出力する。
【0018】
PWM制御器14は、上記三相出力電圧基準Vu*,Vv*,Vw*とインバータ出力周波数ω0とに基づいて、インバータ回路2の三相出力電圧が三相出力電圧基準Vu*,Vv*,Vw*となるように、駆動信号Gを出力する。
【0019】
インバータ回路2は、当該駆動信号Gによって直流電源1の直流電力を交流電力に変換し、当該交流電力を誘導電動機3に供給して可変速駆動する。
【0020】
このような制御は、一般にベクトル制御と呼ばれ、他励直流電動機と同様の制御性能を得られることが知られている。
【0021】
特に、速度センサを用いない図15に示すような制御は、速度センサレスベクトル制御と称されている。
【0022】
そして、この種のベクトル制御では、励磁電流を制御することによって安定した界磁制御を行なうことができ、トルク電流を制御することによって優れた速度応答、速度制御精度を実現することができる。
【0023】
なお、上記各制御器、演算器は、電子回路(図示しない)、またはマイクロプロセッサ(図示しない)による演算、あるいはこれらの組合せで構成されることが多い。
【0024】
また、上記各制御器、演算器の動作は、周知の技術であるので、ここではその詳細な説明を省略する。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような従来の電動機制御装置においては、次のような問題点がある。
すなわち、周波数演算器11では、トルク電圧基準Vq*および励磁電圧基準Vd*に基づいてインバータ出力周波数ω0を演算するが、当該周波数演算器11では、誘導電動機3の励磁インダクタンス,2次抵抗等の電動機定数(図示しない)の情報を使用しており、これらの測定誤差、および温度、電流等による変化によって、電動機定数に誤差が発生することがある。
【0026】
また、インバータ回路2のスイッチング素子の動作遅れ時間による短絡を防止するデッドタイム(図示なし)等の影響によって、誘導電動機3の実際の印加電圧とトルク電圧基準Vq*および励磁電圧基準Vd*に誤差が発生する。
【0027】
そして、当該誤差によって、インバータ出力周波数ω0の演算にも誤差が発生し、起動時に誘導電動機3が正方向に回転しているにも係わらず、インバータ出力周波数ω0の演算値が負になってしまい、起動直後に短時間ではあるが交流電動機3が逆回転したり、あるいは起動に時間を費やしたり、最悪の場合には起動できない等の問題点がある。
【0028】
なお、上記の励磁インダクタンス,2次時定数等の電動機定数、およびデッドタイム等に関しては、周知であるので、ここではその詳細な説明を省略する。
【0029】
本発明の目的は、インバータ出力周波数の演算に誤差が発生したような場合でも、交流電動機を極めて安定して起動することが可能な電動機制御装置を提供することにある。
【0030】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に対応する発明では、直流電力を所望の電圧,周波数の交流電力に変換するインバータ回路を備え、当該インバータ回路の交流電力を交流電動機に供給して可変速駆動する電動機制御装置において、インバータ回路の出力電圧基準位相に基づいて、交流電動機に流れる電流を座標変換してトルク成分電流および励磁成分電流の各成分電流に分離する電動機電流座標変換手段と、交流電動機の速度基準と推定速度との偏差に基づいて、交流電動機のトルク基準を発生する速度制御演算手段と、交流電動機の磁束基準とトルク基準と推定速度とに基づいて、トルク成分電流基準および励磁成分電流基準の各成分を分離制御するベクトル制御手段と、トルク成分電流基準と磁束基準とに基づいて、交流電動機のすべり周波数を演算するすべり周波数演算手段と、トルク成分電流基準とトルク成分電流との偏差、および励磁成分電流と励磁成分電流との偏差に基づいて、交流電動機のトルク電圧基準および励磁電圧基準を発生する電流制御手段と、トルク電圧基準と励磁電圧基準とトルク成分電流と励磁成分電流とに基づいて、交流電動機に印加する電圧の周波数を演算する周波数演算手段と、周波数演算手段の出力である周波数に基づいて、出力電圧基準位相を演算し出力する電圧位相演算手段と、周波数演算手段の出力である周波数とすべり周波数とに基づいて、推定速度を演算し出力する推定速度演算手段と、周波数演算手段の出力である周波数に対して、当該周波数が所定レベル以下にならないように下限リミットを与える下限リミット手段とを備えている。
【0031】
従って、請求項1に対応する発明の電動機制御装置においては、周波数演算手段の出力である周波数に対し下限リミットを与えて、インバータ出力周波数が所定レベル以下に下がらないようにすることにより、低速領域では、インバータ出力周波数の演算値に係わらず所定レベル以上の周波数を交流電動機に供給できるため、周波数演算手段によるインバータ出力周波数の演算に誤差が発生したような場合でも、当該演算誤差の影響を受けないようにし、交流電動機を極めて安定して起動することができる。
【0032】
また、請求項2に対応する発明では、上記請求項1に対応する発明の電動機制御装置において、下限リミット手段としては、交流電動機の速度基準の極性に応じて、周波数の下限リミットの範囲を決定するようにしている。
【0033】
従って、請求項2に対応する発明の電動機制御装置においては、交流電動機の速度基準の極性に応じて、下限リミット手段における周波数の下限リミットの範囲を決定することにより、交流電動機には速度基準と同一極性の周波数の電圧が印加されるため、正および負の両回転方向で交流電動機を極めて安定して起動することができる。
【0034】
さらに、請求項3に対応する発明では、上記請求項2に対応する発明の電動機制御装置において、下限リミット手段としては、交流電動機の速度基準の極性が変化した場合に、当該極性が変化した時点から所定の時間だけ、動作させないようにしている。
【0035】
従って、請求項3に対応する発明の電動機制御装置においては、交流電動機の速度基準の極性が変化した場合に、当該極性が変化した時点から所定の時間だけ下限リミット手段を動作させないようにすることにより、交流電動機を極めて安定して起動することができると同時に、極性変化を伴なう速度基準の変化があり、交流電動機の速度の追従遅れがある場合でも、交流電動機を極めて安定して運転することができる。
【0036】
一方、請求項4に対応する発明では、上記請求項1または請求項2に対応する発明の電動機制御装置において、下限リミット手段としては、交流電動機の起動から所定の時間だけ、動作させるようにしている。
【0037】
従って、請求項4に対応する発明の電動機制御装置においては、交流電動機の起動から所定の時間だけ、下限リミット手段を動作させることにより、起動後の所定時間は、交流電動機には下限リミット手段によって決まる正転方向または逆回転方向の一方向の周波数の電圧が印加されるため、交流電動機を極めて安定して起動することができる。
【0038】
また、請求項5に対応する発明では、上記請求項2に対応する発明の電動機制御装置において、下限リミット手段としては、交流電動機の速度基準の極性が変化した場合に、当該極性が変化した時点から推定速度が所定範囲になるまでの間は、動作させないようにしている。
【0039】
従って、請求項5に対応する発明の電動機制御装置においては、交流電動機の速度基準の極性が変化した場合に、当該極性が変化した時点から推定速度が所定範囲になるまでの間は、下限リミット手段を動作させないようにすることにより、交流電動機を極めて安定して起動することができると同時に、極性変化を伴う速度基準の変化があり、交流電動機の速度の追従遅れがある場合でも、交流電動機を極めて安定して運転することができる。
【0040】
さらに、請求項6に対応する発明では、上記請求項1または請求項2に対応する発明の電動機制御装置において、下限リミット手段としては、交流電動機の起動から推定速度が所定のレベルに達するまでの間だけ、動作させるようにしている。
【0041】
従って、請求項6に対応する発明の電動機制御装置においては、交流電動機の起動から推定速度が所定のレベルに達するまでの間だけ、下限リミット手段を動作させることにより、起動後に推定速度が所定値以上になるまでは、交流電動機には下限リミット手段によって決まる正転方向または逆回転方向の一方向の周波数の電圧が印加されるため、交流電動機を極めて安定して起動することができる。
【0042】
さらにまた、請求項7に対応する発明では、上記請求項1乃至請求項6のいずれか1項に対応する発明の電動機制御装置において、推定速度演算手段に対しては、周波数演算手段の出力である周波数をそのまま入力し、電圧位相演算手段に対しては、下限リミット手段の出力である下限リミットを与えた周波数を入力するようにしている。
【0043】
従って、請求項7に対応する発明の電動機制御装置においては、推定速度演算手段には、周波数演算手段の出力である周波数をそのまま入力し、電圧位相演算手段には、下限リミット手段の出力である下限リミットを与えた周波数を入力することにより、交流電動機を極めて安定して起動することができると同時に、リミット処理前の周波数演算手段の出力である周波数を推定速度の演算に用いることで、前記請求項1に対応する発明の場合よりも高い精度の推定速度を得ることができる。
【0044】
【発明の実施の形態】
本発明では、周波数演算手段の出力である周波数に対し下限リミットを与えて、インバータ出力周波数が所定レベル以下に下がらないようにする。
【0045】
すなわち、低速領域では、前記インバータ出力周波数の演算値に係わらず所定レベル以上の周波数を交流電動機に供給することで、周波数演算手段による演算誤差の影響を受けないようにして、交流電動機の極めて安定した起動を実現するものである。
【0046】
以下、上記のような考え方に基づく、本発明の一実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0047】
(第1の実施の形態)
図1は、本実施の形態による電動機制御装置の構成例を示すブロック図であり、図15と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0048】
すなわち、本実施の形態による電動機制御装置は、図1に示すように、前記15における周波数演算器11の出力段に、下限リミット演算器15を付加した構成としている。
【0049】
下限リミット演算器15は、前記周波数演算器11の出力である周波数ω0に対して、当該周波数が所定レベル以下にならないように下限リミットω1を演算して与える。
【0050】
図2は、下限リミット演算器15の演算内容の一例を示す特性図である。
【0051】
なお、図2の例では、前記誘導電動機3の速度基準ωr*は、正極性(正転方向)のみと仮定している。
【0052】
次に、以上のように構成した本実施の形態による電動機制御装置の作用について説明する。
【0053】
なお、図15と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0054】
図1において、例えば運転指令(図示しない)に基づいて、正極性の速度基準ωr*が入力されて起動を開始した時、前述した誤差によって周波数演算器11の出力である周波数ω0が負になったとしても、下限リミット演算器15によってインバータ出力周波数ω1が所定レベル以下になることはなく、誘導電動機3には常に正転方向の周波数の電圧が印加される。
【0055】
これにより、誘導電動機3の極めてスムーズな起動特性を得ることができる。
【0056】
すなわち、低速領域では、インバータ出力周波数の演算値に係わらず所定レベル以上の周波数を誘導電動機3に供給できるため、周波数演算器11によるインバータ出力周波数の演算に誤差が発生したような場合でも、当該演算誤差の影響を受けないようにし、誘導電動機3を極めて安定して起動することができる。
【0057】
なお、負極性(逆転方向)の場合についても同様である。
【0058】
上述したように、本実施の形態による電動機制御装置では、周波数演算器11の出力である周波数に対し下限リミットを与えて、インバータ出力周波数が所定レベル以下に下がらないようにしているので、誘導電動機3には常に正転方向の周波数の電圧が印加されるため、誘導電動機3の極めてスムーズな起動特性を得ることが可能となる。
【0059】
(第2の実施の形態)
図3は、本実施の形態による電動機制御装置の構成例を示すブロック図であり、図1と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0060】
すなわち、本実施の形態による電動機制御装置は、図3に示すように、前記図1における下限リミット演算器15を省略し、これに代えて新たに、下限リミット演算器16を備えた構成としている。
下限リミット演算器16は、前記周波数演算器11の出力である周波数ω0に対して、当該周波数が所定レベル以下にならないように下限リミットω1を演算して与える。
【0061】
また、下限リミット演算器16は、前記誘導電動機3の速度基準ωr*の極性に応じて、上記周波数の下限リミットω1の範囲を決定する。
【0062】
図4は、下限リミット演算器16の構成例を示すブロック図である。
【0063】
図4に示すように、下限リミット演算器16は、周波数演算器11の出力である周波数ω0をそれぞれ入力とするリミット演算器17,18と、誘導電動機3の速度基準ωr*をそれぞれ入力とし、当該速度基準ωr*の極性を判別する極性判定器19,20と、極性判定器19,20の出力をセット入力,リセット入力とするRSフリップフロップ21とから成っている。
図5は、リミット演算器17,18の演算内容の一例を示す特性図である。
【0064】
次に、以上のように構成した本実施の形態による電動機制御装置の作用について説明する。
【0065】
なお、図1と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0066】
図3において、下限リミット演算器16では、周波数演算器11の出力である周波数ω0に対して、当該周波数が所定レベル以下にならないように下限リミットω1を演算して与えられる。
【0067】
この場合、下限リミット演算器16では、誘導電動機3の速度基準ωr*の極性に応じて、周波数の下限リミットω1の範囲が決定される。
【0068】
すなわち、図4の例では、誘導電動機3の速度基準ωr*が正極性の時には、RSフリップフロップ21の出力はQ=1,=0となって、入力信号ω0は、リミット演算器17を通して出力信号ω1となる。
【0069】
また、誘導電動機3の速度基準ωr*が負極性の時には、RSフリップフロップ21の出力はQ=0,=1となって、入力信号ω0は、リミット演算器18を通して出力信号ω1となる。
【0070】
すなわち、誘導電動機3の速度基準ωr*が正極性の時は、インバータ出力周波数ω1が正極性にリミットされ、誘導電動機3の速度基準ωr*が負極性の時は、インバータ出力周波数ω1が負極性にリミットされる。
【0071】
これにより、誘導電動機3の極めてスムーズな起動特性を得ることができる。
【0072】
すなわち、誘導電動機3には、その速度基準ωr*と同一極性の周波数の電圧が印加されるため、正および負の両回転方向で極めてスムーズな起動特性を得ることができる。
【0073】
上述したように、本実施の形態による電動機制御装置では、誘導電動機3の速度基準ωr*の極性に応じて、下限リミット演算器16における周波数の下限リミットω1の範囲を決定するようにしているので、誘導電動機3には速度基準 ωr*と同一極性の周波数の電圧が印加されるため、正および負の両回転方向で、誘導電動機3の極めてスムーズな起動特性を得ることが可能となる。
【0074】
(第3の実施の形態)
図6は、本実施の形態による電動機制御装置における下限リミット演算器16の構成例を示すブロック図であり、図4と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0075】
すなわち、本実施の形態による下限リミット演算器16は、図6に示すように、前記図4に新たに、前記極性判定器19,20の出力を入力とし、当該入力信号が1になってから所定時間後に出力信号が1になるオン遅延器22,23と、極性判定器19の出力およびオン遅延器22の出力を入力とする排他的論理和演算器24と、極性判定器20の出力およびオン遅延器23の出力を入力とする排他的論理和演算器25と、排他的論理和演算器24,25の出力を入力とする論理和演算器26とを付加した構成としている。
以上により、誘導電動機3の速度基準ωr*の極性が変化した場合に、当該極性が変化した時点から所定の時間だけ、下限リミット演算器16を動作させないようにしている。
【0076】
図7は、下限リミット演算器16の演算内容の一例(時間軸動作例)を示す特性図である。
【0077】
次に、以上のように構成した本実施の形態による電動機制御装置の作用について説明する。
【0078】
なお、図4と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0079】
図6において、誘導電動機3の速度基準ωr*の極性が変化した場合には、当該極性が変化した時点から所定の時間だけ、下限リミット演算器16は動作しない。
【0080】
すなわち、図6の例では、図7に示すように、時刻t=t1において、誘導電動機3の速度基準ωr*が正極性から負極性に変化した時、オン遅延器23の遅延動作時間Δt1だけ論理和演算器26の出力が1となって、出力信号ω1=入力信号ω0となり、この時間Δt1の間はリミット動作が解除される。
【0081】
これは、極性変化を伴なう誘導電動機3の速度基準ωr*の変化があった時、当該速度基準ωr*の変化に対して、慣性モーメントが大きい等の理由で誘導電動機3の速度の追従遅れがある場合に、リミット演算器17,18によってインバータ出力周波数ω1が不連続になるのを防止することができる。
【0082】
なお、上記は、誘導電動機3の速度基準ωr*が負極性から正極性に変化する時についても同様である。
【0083】
これにより、誘導電動機3の極めてスムーズな起動特性が得られると同時に、極性変化を伴なう誘導電動機3の速度基準ωr*の変化があり、誘導電動機3の速度の追従遅れがある場合でも、誘導電動機3の極めてスムーズな運転特性を得ることができる。
【0084】
上述したように、本実施の形態による電動機制御装置では、誘導電動機3の速度基準の極性が変化した場合に、当該極性が変化した時点から所定の時間だけ下限リミット演算器16を動作させないようにしているので、誘導電動機3の極めてスムーズな起動特性が得られると同時に、極性変化を伴なう誘導電動機3の速度基準ωr*の変化があり、誘導電動機3の速度の追従遅れがある場合でも、誘導電動機3の極めてスムーズな運転特性を得ることが可能となる。
(第4の実施の形態)
図8は、本実施の形態による電動機制御装置における下限リミット演算器15の構成例を示すブロック図であり、図2と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0085】
すなわち、本実施の形態による下限リミット演算器15は、図8に示すように、前記図2に新たに、前記誘導電動機3の起動指令を入力とするオン遅延器27を付加した構成としている。
以上により、誘導電動機3の起動から所定の時間だけ、下限リミット演算器15を動作させるようにしている。
【0086】
次に、以上のように構成した本実施の形態による電動機制御装置の作用について説明する。
【0087】
なお、図1および図2と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0088】
すなわち、図8の例では、時刻t=t2において、誘導電動機3の起動指令が入力されてからオン遅延器27の動作時間Δt2の間だけ、下限リミット演算器15によりリミット処理された信号がω1として出力され、その後はω1=ω0となり、リミット処理なしの動作となる。
【0089】
なお、本実施の形態では、前記第1の実施の形態を基に実施したものであるが、これに限らず、前記第2の実施の形態を基に実施することもできる。
【0090】
これにより、誘導電動機3の起動後の所定時間は、誘導電動機3には下限リミット演算器15によって決まる正転方向または逆回転方向の一方向の周波数の電圧が印加されるため、誘導電動機3の極めてスムーズな起動特性を得ることができる。
【0091】
上述したように、本実施の形態による電動機制御装置では、誘導電動機3の起動から所定の時間だけ、下限リミット演算器15を動作させるようにしているので、起動後の所定時間は、誘導電動機3には下限リミット演算器15によって決まる正転方向または逆回転方向の一方向の周波数の電圧が印加されるため、誘導電動機3の極めてスムーズな起動特性を得ることが可能となる。
【0092】
(第5の実施の形態)
図9は、本実施の形態による電動機制御装置の構成例を示すブロック図であり、図1と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0093】
すなわち、本実施の形態による電動機制御装置は、図9に示すように、前記図1における下限リミット演算器15を省略し、これに代えて新たに、下限リミット演算器28を備えた構成としている。
下限リミット演算器28は、前記周波数演算器11の出力である周波数ω0に対して、当該周波数が所定レベル以下にならないように下限リミットω1を演算して与える。
【0094】
また、下限リミット演算器28は、前記誘導電動機3の速度基準ωr*の極性が変化した場合に、当該極性が変化した時点から推定速度ωrが所定範囲になるまでの間は、動作しない。
【0095】
図10は、下限リミット演算器28の構成例を示すブロック図である。
【0096】
図10に示すように、下限リミット演算器28は、誘導電動機3の推定速度ωrが所定値以上であることを判定するレベル判定器29と、誘導電動機3の推定速度ωrが所定値以下であることを判定するレベル判定器30と、極性判定器19の出力およびレベル判定器29の出力を入力とする排他的論理和演算器31と、極性判定器20の出力およびレベル判定器30の出力を入力とする排他的論理和演算器32と、排他的論理和演算器31,32の出力を入力とする論理和演算器33と、誘導電動機3の起動指令を入力とし、当該入力信号が1になってから所定時間後に出力信号が1になるオン遅延器34と、論理和演算器33の出力およびオン遅延器34の出力を入力とする論理積演算器35とから成っている。
以上により、誘導電動機3の速度基準ωr*の極性が変化した場合に、当該極性が変化した時点から誘導電動機3の推定速度ωrが所定範囲になるまでの間は、下限リミット演算器28を動作させないようにしている。
【0097】
図11は、下限リミット演算器28の演算内容の一例(時間軸動作例)を示す特性図である。
【0098】
次に、以上のように構成した本実施の形態による電動機制御装置の作用について説明する。
【0099】
なお、図1と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0100】
図9において、誘導電動機3の速度基準ωr*の極性が変化した場合には、当該極性が変化した時点から誘導電動機3の推定速度ωrが所定範囲になるまでの間は、下限リミット演算器28は動作しない。
【0101】
すなわち、図10の例では、図11に示すように、誘導電動機3の起動指令が入力され、運転開始してオン遅延器34の遅延動作が完了した後、時刻t=t3において、誘導電動機3の速度基準ωr*が正極性から負極性に変化した後、誘導電動機3の推定速度ωrが追従してレベル判定器30の出力が1になるまでの間だけ、論理和演算器33の出力が1となって出力信号ω1=入力信号ω0となり、このt=t3〜t4の時間はリミット動作が解除される。
【0102】
これは、極性変化を伴なう誘導電動機3の速度基準ωr*の変化があった時、当該速度基準ωr*の変化に対して、慣性モーメントが大きい等の理由で誘導電動機3の速度の追従遅れがある場合に、リミット演算器17,18によってインバータ出力周波数ω1が不連続になるのを防止することができる。
【0103】
なお、上記は、誘導電動機3の速度基準ωr*が負極性から正極性に変化する時についても同様である。
【0104】
また、レベル判定器29の判定基準値aとレベル判定器30の判定基準値−bを時々刻々変化させるようにしてもよい。
【0105】
これにより、誘導電動機3の極めてスムーズな起動特性が得られると同時に、極性変化を伴なう誘導電動機3の速度基準ωr*の変化があり、誘導電動機3の速度の追従遅れがある場合でも、誘導電動機3の極めてスムーズな運転特性を得ることができる。
【0106】
上述したように、本実施の形態による電動機制御装置では、、誘導電動機3の速度基準ωr*の極性が変化した場合に、当該極性が変化した時点から誘導電動機3の推定速度ωrが所定範囲になるまでの間は、下限リミット演算器28を動作させないようにしているので、誘導電動機3の極めてスムーズな起動特性が得られると同時に、極性変化を伴なう誘導電動機3の速度基準ωr*の変化があり、誘導電動機3の速度の追従遅れがある場合でも、誘導電動機3の極めてスムーズな運転特性を得ることが可能となる。
(第6の実施の形態)
図12は、本実施の形態による電動機制御装置の構成例を示すブロック図であり、図1と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0107】
すなわち、本実施の形態による電動機制御装置は、図12に示すように、前記図1における下限リミット演算器15を省略し、これに代えて新たに、下限リミット演算器36を備えた構成としている。
下限リミット演算器36は、前記周波数演算器11の出力である周波数ω0に対して、当該周波数が所定レベル以下にならないように下限リミットω1を演算して与える。
【0108】
また、下限リミット演算器36は、前記誘導電動機3の起動から前記誘導電動機3の推定速度ωrが所定のレベルに達するまでの間だけ、動作する。
【0109】
図13は、下限リミット演算器36の構成例を示すブロック図であり、図2と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0110】
すなわち、下限リミット演算器36は、図13に示すように、前記図2に新たに、誘導電動機3の推定速度ωrが判定基準値c以上であることを判定するレベル判定器37を付加した構成としている。
次に、以上のように構成した本実施の形態による電動機制御装置の作用について説明する。
【0111】
なお、図1および図2と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0112】
図12において、誘導電動機3の起動から誘導電動機3の推定速度ωrが所定のレベルに達するまでの間だけ、下限リミット演算器36は動作する。
【0113】
すなわち、図12の例では、図13に示すように、誘導電動機3の推定速度ωrがレベル判定器37の判定基準値c以上になるまでの間は、リミット演算器36によりリミット処理され、この後はリミット動作が解除される。
【0114】
なお、本実施の形態では、前記第1の実施の形態を基に実施したものであるが、これに限らず、前記第2の実施の形態を基に実施することもできる。
【0115】
これにより、誘導電動機3の起動後に推定速度ωrが所定値以上になるまでの間は、誘導電動機3には下限リミット演算器36によって決まる正転方向または逆回転方向の一方向の周波数の電圧が印加されるため、誘導電動機3の極めてスムーズな起動特性を得ることができる。
【0116】
上述したように、本実施の形態による電動機制御装置では、誘導電動機3の起動から推定速度ωrが所定のレベルに達するまでの間だけ、下限リミット演算器36を動作させるようにしているので、起動後の所定時間は、誘導電動機3には下限リミット演算器15によって決まる正転方向または逆回転方向の一方向の周波数の電圧が印加されるため、誘導電動機3の極めてスムーズな起動特性を得ることが可能となる。
【0117】
(第7の実施の形態)
図14は、本実施の形態による電動機制御装置の構成例を示すブロック図であり、図1と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0118】
すなわち、本実施の形態による電動機制御装置は、図14に示すように、前記図1における推定速度演算器12に対しては、前記周波数演算器11の出力である周波数ω0をそのまま入力し、電圧位相演算器13に対しては、前記下限リミット演算器15の出力である下限リミットを与えた周波数ω1を入力する構成としている。
次に、以上のように構成した本実施の形態による電動機制御装置の作用について説明する。
【0119】
なお、図1と同一部分の作用についてはその説明を省略し、ここでは異なる部分の作用についてのみ述べる。
【0120】
前記図1では、誘導電動機3の推定速度ωrを演算する推定速度演算器12の入力として、下限リミット演算器15の出力を用いているのに対して、図14に示す本実施の形態では、周波数演算器11の出力(=下限リミット演算器15の入力)を、推定速度演算器12の入力として用いている。
【0121】
これにより、誘導電動機3のスムーズな起動特性を得ることができるだけでなく、リミット処理前の周波数ω0を誘導電動機3の推定速度ωrの演算に用いることで、前記第1の実施の形態の場合よりも極めて高い精度の推定速度ωrを得ることができる。
【0122】
なお、本実施の形態では、前記第1の実施の形態を基に実施したものであるが、これに限らず、前記第2乃至第6のいずれかの実施の形態と組み合わせて実施することもでき、同様の作用を得ることができる。
【0123】
上述したように、本実施の形態による電動機制御装置では、推定速度演算器12に対しては、周波数演算器11の出力である周波数ω0をそのまま入力し、電圧位相演算器13に対しては、下限リミット演算器15の出力である下限リミットを与えた周波数ω1を入力するようにしているので、誘導電動機3の極めてスムーズな起動特性が得られると同時に、極性変化を伴なう誘導電動機3の速度基準ωr*の変化があり、誘導電動機3の速度の追従遅れがある場合でも、誘導電動機3の極めてスムーズな運転特性を得ることが可能となる。
【0124】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の電動機制御装置によれば、周波数演算手段の出力である周波数に対し下限リミットを与えて、インバータ出力周波数が所定レベル以下にならないようにしているので、インバータ出力周波数の演算に誤差が発生したような場合でも、交流電動機を極めて安定して起動する(極めて安定した起動特性を得る)ことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による電動機制御装置の第1の実施の形態を示すブロック図。
【図2】同第1の実施の形態の電動機制御装置における下限リミット演算器の演算内容の一例を示す特性図。
【図3】本発明による電動機制御装置第2の実施の形態を示すブロック図。
【図4】同第2の実施の形態の電動機制御装置における下限リミット演算器の構成例を示すブロック図。
【図5】同第2の実施の形態の電動機制御装置における下限リミット演算器のリミット演算器の演算内容の一例を示す特性図。
【図6】本発明の第3の実施の形態による電動機制御装置における下限リミット演算器の構成例を示すブロック図。
【図7】同第3の実施の形態の電動機制御装置における下限リミット演算器の演算内容の一例を示す特性図。
【図8】本発明の第4の実施の形態による電動機制御装置における下限リミット演算器の構成例を示すブロック図。
【図9】本発明による電動機制御装置の第5の実施の形態を示すブロック図。
【図10】同第5の実施の形態による電動機制御装置における下限リミット演算器の構成例を示すブロック図。
【図11】同第5の実施の形態による電動機制御装置における下限リミット演算器28の演算内容の一例(時間軸動作例)を示す特性図。
【図12】本発明による電動機制御装置の第6の実施の形態を示すブロック図。
【図13】同第6の実施の形態による電動機制御装置における下限リミット演算器の構成例を示すブロック図。
【図14】本発明による電動機制御装置の第7の実施の形態を示すブロック図。
【図15】従来の電動機制御装置の構成例を示すブロック図。
【図16】図15の電動機制御装置におけるインバータ回路の主回路構成例を示す回路図。
【符号の説明】
1…直流電源、
2…インバータ回路、
3…誘導電動機、
4…電流検出器、
5…電動機電流座標変換器、
6…速度制御器、
7…ベクトル制御器、
8…すべり周波数演算器、
9…電流制御器、
10…電圧基準座標変換器、
11…周波数演算器、
12…推定速度演算器、
13…電圧位相演算器、
14…PWM制御器、
15…下限リミット演算器、
16…下限リミット演算器、
17,18…リミット演算器、
19,20…極性判定器、
21…RSフリップフロップ、
22,23…オン遅延器、
24,25…排他的論理和演算器、
26…論理和演算器、
27…オン遅延器、
28…下限リミット演算器、
29,30…レベル判定器、
31,32…排他的論理和演算器、
33…論理和演算器、
34…オン遅延器、
35…論理積演算器、
36…下限リミット演算器、
37…レベル判定器。

Claims (7)

  1. 直流電力を所望の電圧,周波数の交流電力に変換するインバータ回路を備え、当該インバータ回路の交流電力を交流電動機に供給して可変速駆動する電動機制御装置において、
    前記インバータ回路の出力電圧基準位相に基づいて、前記交流電動機に流れる電流を座標変換してトルク成分電流および励磁成分電流の各成分電流に分離する電動機電流座標変換手段と、
    前記交流電動機の速度基準と推定速度との偏差に基づいて、前記交流電動機のトルク基準を発生する速度制御演算手段と、
    前記交流電動機の磁束基準と前記トルク基準と前記推定速度とに基づいて、トルク成分電流基準および励磁成分電流基準の各成分を分離制御するベクトル制御手段と、
    前記トルク成分電流基準と前記磁束基準とに基づいて、前記交流電動機のすべり周波数を演算するすべり周波数演算手段と、
    前記トルク成分電流基準と前記トルク成分電流との偏差、および前記励磁成分電流と前記励磁成分電流との偏差に基づいて、前記交流電動機のトルク電圧基準および励磁電圧基準を発生する電流制御手段と、
    前記トルク電圧基準と前記励磁電圧基準と前記トルク成分電流と前記励磁成分電流とに基づいて、前記交流電動機に印加する電圧の周波数を演算する周波数演算手段と、
    前記周波数演算手段の出力である周波数に基づいて、前記出力電圧基準位相を演算し出力する電圧位相演算手段と、
    前記周波数演算手段の出力である周波数と前記すべり周波数とに基づいて、前記推定速度を演算し出力する推定速度演算手段と、
    前記周波数演算手段の出力である周波数に対して、当該周波数が所定レベル以下にならないように下限リミットを与える下限リミット手段と、
    を備えて成ることを特徴とする電動機制御装置。
  2. 前記請求項1に記載の電動機制御装置において、
    前記下限リミット手段としては、前記交流電動機の速度基準の極性に応じて、周波数の下限リミットの範囲を決定するようにしたこと特徴とする電動機制御装置。
  3. 前記請求項2に記載の電動機制御装置において、
    前記下限リミット手段としては、前記交流電動機の速度基準の極性が変化した場合に、当該極性が変化した時点から所定の時間だけ、動作させないようにしたことを特徴とする電動機制御装置。
  4. 前記請求項1または請求項2に記載の電動機制御装置において、
    前記下限リミット手段としては、前記交流電動機の起動から所定の時間だけ、動作させるようにしたことを特徴とする電動機制御装置。
  5. 前記請求項2に記載の電動機制御装置において、
    前記下限リミット手段としては、前記交流電動機の速度基準の極性が変化した場合に、前記当該極性が変化した時点から前記推定速度が所定範囲になるまでの間は、動作させないようにしたことを特徴とする電動機制御装置。
  6. 前記請求項1または請求項2に記載の電動機制御装置において、
    前記下限リミット手段としては、前記交流電動機の起動から前記推定速度が所定のレベルに達するまでの間だけ、動作させるようにしたことを特徴とする電動機制御装置。
  7. 前記請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の電動機制御装置において、
    前記推定速度演算手段に対しては、前記周波数演算手段の出力である周波数をそのまま入力し、
    前記電圧位相演算手段に対しては、前記下限リミット手段の出力である下限リミットを与えた周波数を入力するようにしたことを特徴とする電動機制御装置。
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