JPH0621617Y2 - アーバサポート - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はカツタなどの工具を載置し一端を回転軸心が水
平な工作機械のスピンドルに固定されるカツタアーバの
他端を支持するアーバサポートに関する。

〔従来の技術〕

スピンドルの回転軸心が水平な工作機械の一つである横
型フライス盤を例にとり、従来の技術を図面を用いて説
明する。

第２図は横型フライス盤の正面図を示すもので、カツタ
アーバ１は一端を主軸頭２に回転自在に支持されたスピ
ンドル３に固定され、他の一端を主軸頭２に係合するア
ーバサポート４に支持される。すなわち、カツタアーバ
１が主軸頭２に対して両持ばりになるように構成されて
いる。なお、アーバサポート４は主軸頭２に設けられた
アリ溝により垂直方向支持され、スピンドルの回転軸心
と平行に移動可能である。そして、工具であるカツタ５
は、第３図に示すように、カラー６，７，８，９および
軸受１０を介してナツト１１によりカツタアーバ１に位
置決めされている。上記の構成において、たとえば摩耗
したカツタ５を交換するとき、カツタアーバ１を主軸頭
２に取付たままの状態でカツタ５を交換しようとすると
時間がかかる。そこで、あらかじめカツタ５、カラー
６，７，８，９および軸受１０をナツト１１によりカツ
タアーバ１に固定して一体にまとめ（以下、まとめてカ
ツタアーバＡと呼ぶ。）ておく。また、アーバサポート
４を第４図および第５図に示すように、それぞれ外周に
略半円弧の凹部１２ａ，１２ｂを形成した本体１４，１
５と、キヤツプ１６の２つに分割し、ジヨイント１７お
よびボルト１８により一体に組合せ可能にしておく。さ
らに、カツタアーバ１のスピンドル３側には、スピンド
ル３の端面に設けられた２辺が平行の凸部１９に嵌合す
る溝２０を設けておき、溝２０を凸部１９に嵌合させ、
ボルト２１で固定すると、カツタアーバ１とスピンドル
３の軸心とが同軸になるように構成しておく。なお、２
２はスピンドル３の端面に設けられたストツパで、カツ
タアーバＡを位置決めするためのものである。

以上の構成において、カツタ５を交換するときには以下
の手順でカツタアーバＡを取付ける。すなわち、まず、
凹部１２ａの開口方向に合わせて凸部１９を位置決めし
ておく。ついで、第４図に示す本体１４の場合には図示
しないレールなどによりカツタアーバＡを水平に移動さ
せ、第５図に示す本体１５の場合には図示しないリフタ
などによりカツタアーバＡを垂直上方に移動させる。さ
らに、溝２０を凸部１９に係合させ、カツタアーバＡを
ストツパ２２に当接するまで移動させる。カツタアーバ
Ａがストツパ２２に当接すると、カツタアーバＡの回転
軸心はスピンドル３の回転軸心と同軸となり、軸受１０
の外周も凹部１２ａに一様に当接する。この状態でボル
ト１８，２１を締めつける。

以上の手順によれば、カツタアーバＡの重さが２０kgを
越える重量物の場合であつても、一人でで取付作業をす
ることができ、カツタ５の交換時間も短縮することがで
きる。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしながら、カツタアーバＡの重量が軽い場合には、
上記したレールあるいはリフタなどを用いるよりも、作
業者が直接手に持つて取付ける方が交換時間が短くてす
む場合がある。

ところが、上記したように、凹部１２ａの開口方向は水
平あるいは垂直下向きであるから、キヤツプ１６をボル
ト１８により本体１４，１５に固定しないカツタアーバ
Ａを支持することができない。そこで、カツタアーバＡ
を主軸頭２に取付けあるいは取外しをするときには、カ
ツタアーバＡを手で支えておかなければならず、ボルト
１８，２１の操作性が悪いという問題があつた。

本考案の目的は、上記した課題を解決し、ボルト１８あ
るいはボルト２１の操作性を向上させて交換時間を短縮
し機械稼働率をさらに向上させることにある。

〔課題を解決するための手段〕

上記した課題は、外縁部に略半円弧の凹部が形成され工
作機械の本体に垂直方向に支持される本体と、外縁部に
上記略半円弧の半径と同一半径の略半円弧の凹部が形成
されたキャップとを備え、キャップを本体に固定するこ
とにより構成されるスピンドルの回転軸心を中心とし上
記回転軸心に垂直の略円弧によりカッタアーバを水平に
支持するアーバサポートにおいて、上記略円弧の分割線
をスピンドルの軸心を通る垂直線に対して傾け、本体に
形成する略半円弧の凹部が上記略円弧の最下端の両側に
存在するように構成することにより解決される。

〔作用〕

本体に形成された略半円弧の凹部は略円弧の最下端、す
なわちカッタアーバの重力の作用線の両側に存在するよ
うに形成されているから、本体だけでカッタアーバを保
持することができる。

〔実施例〕

第１図は本考案の一実施例を示すアーバサポート４の正
面図である。なお、第４図と同じものは同一の符号を付
してある。

２３は本体で、外周に形成した略半円弧の凹部１２ａは
水平なＸ軸に対して下側の中心角θが９０度を越えるよ
うに形成してある。すなわち、凹部１２ａはキャップ１
６を本体２３に固定することにより構成されるスピンド
ル３の回転軸心を中心とし上記回転軸心に垂直の略円弧
の分割線をスピンドル３の軸心を通る垂直線に対して傾
け、本体に形成する略半円弧の凹部１２ａが上記略円弧
の最下端の両側に存在するように構成する。第３図も参
照しながら、動作について説明する。なお、カツタアー
バＡの両端を軸心の回りに回転自在に支持したとき、自
重によつてカツタアーバＡが軸心の回りに回転しない位
置を、カツタアーバＡの安定な位置と呼ぶことにする。
そして、カツタアーバＡを安定な位置に位置させると
き、溝２０は凹部１２ａの垂直二等分線Ｋと平行となる
ようになつている。

まず、スピンドル３の回転を停止させ、凸部１９が垂直
二等分線Ｋと平行になるよう位置決めする。ついで、ボ
ルト１８をゆるめ、キヤツプ１６を取外す。さらにボル
ト２１をゆるめる。このとき、カツタアーバＡはストツ
パ２２および本体２３により支持され、作業者が手で支
持する必要はない。引続き、カツタアーバＡを垂直２等
分線Ｋの方向に動移させて取外す。さらに、上記と逆の
順序で、新しいカツタアーバＡを取付ける。なお、本実
施例においては、カツタアーバＡを安定な位置で取外す
ようにしたから、カツタアーバＡに偏心荷重がある場合
においても、溝２０を凸部１９から外したときにカツタ
アーバＡが作業者の手の中で回ることはなく、安全に作
業をすることができる。

〔考案の効果〕

以上詳述したように、本考案によれば、カツタアーバＡ
をスピンドル３と本体２３により安定に支持することが
できる。従つて、ボルト１８、２１の操作性が良いか
ら、カツタ交換時間が短縮でき、機械稼働率を向上させ
ることができるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示すアーバサポートの正面
図。第２図は横型フライス盤の正面図。第３図はカツタ
近傍の拡大断面図。第４図ないし第５図は従来技術の説
明図である。 １…カツタアーバ、４…アーバサポート、１２ａ、１２
ｂ…凹部、１４、１５、２３…本体、１６…キヤツプ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】外縁部に略半円弧の凹部が形成され工作機
   械の本体に垂直方向に支持される本体と、外縁部に上記
   略半円弧の半径と同一半径の略半円弧の凹部が形成され
   たキャップとを備え、キャップを本体に固定することに
   より構成されるスピンドルの回転軸心を中心とし上記回
   転軸心に垂直の略円弧によりカッタアーバを水平に支持
   するアーバサポートにおいて、上記略円弧の分割線をス
   ピンドルの軸心を通る垂直線に対して傾け、本体に形成
   する略半円弧の凹部が上記略円弧の最下端の両側に存在
   するように構成したことを特徴とするアーバサポート。