JPH06214328A - 透明な磁気記録層を有するハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

透明な磁気記録層を有するハロゲン化銀写真感光材料

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JPH06214328A
JPH06214328A JP678593A JP678593A JPH06214328A JP H06214328 A JPH06214328 A JP H06214328A JP 678593 A JP678593 A JP 678593A JP 678593 A JP678593 A JP 678593A JP H06214328 A JPH06214328 A JP H06214328A
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Minoru Yokota
穣 横田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】光学的な透明性に優れ、かつその磁気記録性能
(S/N比)が高く、粒状性の良好な磁気記録層をもつ
感材を提供する。 【構成】支持体の少なくとも一方の側に、ハロゲン化銀
乳剤層を有するハロゲン化銀写真感光材料において、該
写真感光材料に磁気記録層を少なくとも1層有し、その
磁気記録層の光学濃度の最大値Dmax が0.3以下であ
り、かつ磁気記録層の磁性体の配向度が0.75以上で
あることを特徴とする写真感光材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は透明な磁気記録層を有す
るハロゲン化銀写真感光材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ハロゲン化銀写真感光材料(以下
感材と略す)は、カメラ撮影時の各種の情報(例えば、
撮影日、天候、拡大比、プリント枚数など)を入力する
ことはほとんど不可能であり、わずかに光学的に撮影日
を入力できるのみであった。また、プリント時において
も感材自身の情報入力は全く不可能であり、高速かつコ
ストダウンへの大きな障害となっている。感材へ各種の
情報を入力することは、今後のカメラの操作性アップ及
び簡便化を進める上で非常に重要な手段である。その情
報入力手段として磁気記録方法は任意に入出力ができる
こと又安価であることから重要であり従来から研究され
てきた。例えば、磁気記録層に含有される磁性体の量、
サイズなどの適切な選択によって、撮影時感材に必要な
透明性を有する磁気記録層を透明な支持体を有する感材
のバック面に設けることは、米国特許第3782947
号、同4279945号、同4302523号などに記
載されている。また、この磁気記録層への信号入力方式
が世界公開90−4205号、同90−04212号な
どに開示されている。
【0003】これらの磁気記録層の付与及び入出力法に
よって従来困難であった各種情報を感材中に組み込むこ
とが可能となり、たとえば撮影の日時、天候、照明条
件、縮小/拡大比等の撮影時の条件、再プリント枚数、
ズームしたい箇所、メッセージ等の現像、プリント時の
条件等を感材の磁気記録層に入出力できるようになっ
た。更に又、テレビ/ビデオ映像へ感材から直接出力し
て画像とする場合の信号入出力手段としても応用できる
という将来性を有するものである。しかしながら、前述
の特許に記載の方法では、得ようとする磁気記録層を透
明にするために単位面積あたりの磁性体量を減らさねば
ならず、結局透明な磁気記録層を付与しても、その磁気
記録性能(S/N比)が不足し、かつ粒状性が悪く満足
なものは得られなかった。
【0004】S/N比を高く保ち、かつ透明な磁気記録
層を得るためには、磁性体の分散が大きく影響する。分
散によって、磁性体の粒径を希望の大きさに揃えること
によって透明でかつS/N比の高い感材が得られること
が特願平3−247807号等に記載されている。
【0005】しかし、これらの特許の方法では、改良効
果はかなり得られるものの実現できる透明性に限界があ
り、例えばリバーサルフィルム(ポジフィルム)のよう
な用途に使用しようとすると、磁気記録層の磁性体に起
因する色濃度が大きすぎて問題となることがわかってき
た。また、近年感材に使用される乳剤の粒状性改良が進
歩したため、前述の特許の方法で得られる粒状性では、
せっかく改良した乳剤の粒状性を磁気記録層によって悪
化させてしまうという問題が新たに起こりつつある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、光学
的な透明性に優れ、かつその磁気記録性能(S/N比)
が高く、粒状性の良好な磁気記録層をもつ感材を提供す
ることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のこれらの目的
は、支持体の少なくとも一方の側に、ハロゲン化銀乳剤
層を有するハロゲン化銀写真感光材料において、該写真
感光材料に磁気記録層を少なくとも1層有し、その磁気
記録層の光学濃度の最大値Dmax が0.3以下であり、
かつ該磁気記録層の磁性体の配向度が0.75以上であ
ることを特徴とする写真感光材料により達成された。
【0008】以下に本発明について詳細に記述する。ま
ず、本発明に使用される透明磁気記録層について記す。
本発明の透明磁気記録層に用いられる磁性体としては、
強磁性γ−酸化鉄微粉末、Co含有の強磁性γ−酸化鉄微
粉末、強磁性マグネタイト微粉末、Co含有の強磁性マグ
ネタイト微粉末、強磁性二酸化クロム微粉末、強磁性合
金粉末、バリウムフェライト粉末等がある。強磁性合金
粉末の例としては、金属分が75wt% 以上であり、金属分
の80wt% 以上が少なくとも一種類の強磁性金属あるいは
合金(Fe,Co,Ni,Fe-Co,Fe-Ni,Co-Ni,Co-Fe-Ni など)で
あり、該金属分の20wt% 以下で他の成分(Al,Si,S,Sc,T
i,V,Cr,Mn,Cu,Zn,Y,Mo,Rh,Pd,Ag,Sn,Sb,B,Ba,Ta,W,Re,A
u,Hg,Pb,P,La,Ce,Pr,Nd,Te,Biなど)を含むものをあげ
ることができる。また、上記強磁性金属分が少量の水、
水酸化物、または酸化物を含むものであってもよい。こ
れらの磁性体の製法は既知であり、本発明で用いられる
磁性体についても公知の方法にしたがって製造すること
ができる。磁性体の形状・サイズは特に制限なく広く用
いることができるが、透明磁気記録層として好ましい形
状は、針状、米粒状、球状、立方体状、板状であり、特
に好ましいのは針状、米粒状である。結晶子サイズ、比
表面積も特に制限ないが、SBETで20m2/g以上が好まし
く、30m2/g以上が粒状性の点から特に好ましい。磁性
体のpH、表面処理は特に制限なく用いることができる。
(チタン、珪素、アルミニウム等の元素を含む物質で表
面処理されていてもよい)強磁性酸化鉄微粉末の場合、
2価の鉄/3価の鉄の比に特に制限されることなく用い
ることができる。
【0009】次に本発明における透明の意味について述
べる。本発明における透明とは、具体的には磁気記録層
の光学濃度の最大値Dmax が0.3以下である場合を指
す。本発明における光学濃度とは、Xライト濃度計ステ
ータスAモードを用いて各フィルターB,G,Rを通し
て測定した光学濃度DB 、DG 、DR のことを指す。こ
れらの中で最大となるものをDmax と定義する。本発明
における磁気記録層の光学濃度の最大値Dmax は、0.
3以下0.001以上であればよいが、写真画像への影
響を考慮すると小さいことが好ましく、リバーサルフィ
ルムへの適用を考慮すると好ましくは0.10以下0.
02以上、特に好ましくは0.05以下である。
【0010】本発明における透明磁気記録層1平方mあ
たりの磁性体の含有量は0.01g〜1gが好ましい
が、上記光学的透明性を保てる範囲であればいくらでも
かまわなく、S/N比を高くするためにできるだけ多い
ことが好ましい。
【0011】次に本発明の磁気記録層における磁性体の
配向度について述べる。磁性体の配向度とは、従来より
磁気テープ等の分野で定義されている配向度に等しく、
具体的に言えば、ベースの長手方向に向かって磁性体粒
子がどの程度向きを揃えているかを表す。ベースの長手
方向に磁性体粒子が完全に向きを揃えている時、配向度
1.00として定義される。磁性体の配向度を上げる方
法としては、従来より磁気テープの分野で行われている
方法を使用することができる。例えば、特開昭52−1
41612号、同62−175931号等に記載の方法
が使用できる。
【0012】次に本発明の感材における粒状性について
述べる。本発明における粒状性とは、スペキュラー光を
光源とし80μmのアパーチャーサイズでミクロデンシト
測定を行いそのRMS値をもって定義する。この値が大
きいほど、写真にしたときの粒状性が悪い。本発明にお
いて、磁性体の配向度が高くなると粒子の向きが揃うこ
とによって粒状性が改良されることが初めてわかった。
磁性体の配向度としては、0.75以上100%以下が
好ましく、特に好ましくは0.80以上である。0.7
5以上に配向することにより粒状性が顕著に改良され
る。
【0013】次に本発明に使用される磁気記録層のバイ
ンダーについて記す。本発明に用いられる磁気記録層の
バインダーは従来磁気記録媒体用のバインダーとして使
用されている公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、放射
線硬化性樹脂、反応型樹脂およびこれらの混合物を使用
することができる。上記熱可塑性樹脂としては、塩化ビ
ニル・酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル、酢酸ビニルと
ビニルアルコール、マレイン酸および/またはアクリル
酸との共重合体、塩化ビニル・塩化ビニリデン共重合
体、塩化ビニル・アクリロニトリル共重合体、エチレン
・酢酸ビニル共重合体などのビニル系共重合体、ニトロ
セルロース、ジアセチルセルロース、トリアセチルセル
ロース、セルロースアセテートプロピオネート、セルロ
ースアセテートブチレート樹脂などのセルロース誘導
体、アクリル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビ
ニルブチラール樹脂、ポリエステルポリウレタン樹脂、
ポリエーテルポリウレタン、ポリカーボネートポリウレ
タン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリ
アミド樹脂、アミノ樹脂、スチレンブタジエン樹脂、ブ
タジエンアクリロニトリル樹脂等のゴム系樹脂、シリコ
ーン系樹脂、フッ素系樹脂を挙げることができる。
【0014】また、親水性バインダーとしては、リサー
チ・ディスクロージャー No.17643、26頁、およ
び同 No.18716、651頁に記載されており、水溶
性ポリマー、セルロースエステル、ラテックスポリマ
ー、水溶性ポリエステルなどが挙げられる。水溶性ポリ
マーとしては、ゼラチン、ゼラチン誘導体、ガゼイン、
寒天、アルギン酸ソーダ、でんぷん、ポリビニルアルコ
ール、ポリアクリル酸共重合体、無水マレイン酸共重合
体などであり、セルロースエステルとしてはカルボキシ
メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどで
ある。ラテックスポリマーとしては塩化ビニル含有共重
合体、無水ビニリデン含有共重合体、アクリル酸エステ
ル含有共重合体、酢酸ビニル含有共重合体、ブタジエン
含有共重合体などである。この中でももっとも好ましい
のはゼラチンである。また、ゼラチン誘導体などをゼラ
チンと併用しても良い。ゼラチンとしてはいわゆる石灰
処理ゼラチン、酸処理ゼラチン、酵素処理ゼラチン、お
よびゼラチン誘導体、変性ゼラチンなどのいずれも用い
ることができるが、中でも石灰処理ゼラチン、酸処理ゼ
ラチンが好ましく用いられる。ゼラチンを含む磁気記録
層は硬膜することが好ましい。磁気記録層に使用できる
硬膜剤としては、たとえば、ホルムアルデヒド、グルタ
ルアルデヒドの如きアルデヒド系化合物類、ジアセチ
ル、シクロペンタンジオンの如きケトン化合物類、ビス
(2−クロロエチル尿素)、2−ヒドロキシ−4,6−
ジクロロ−1,3,5−トリアジン、そのほか米国特許
第3,288,775号、同2,732,303号、英
国特許第974,723号、同1,167,207号な
どに記載されている反応性のハロゲンを有する化合物
類、ジビニルスルホン、5−アセチル−1,3−ジアク
リロイルヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン、その
ほか米国特許第3,635,718号、同3,232,
763号、英国特許第994,869号などに記載され
ている反応性のオレフィンを持つ化合物類、N−ヒドロ
キシメチルフタルイミド、そのほか米国特許第2,73
2,316号、同2,586,168号などに記載され
ているN−メチロール化合物、米国特許第3,103,
437号等に記載されているイソシアナート類、米国特
許第3,017,280号、同2,983,611号等
に記載されているアジリジン化合物類、米国特許第2,
725,294号、同2,725,295号等に記載さ
れている酸誘導体類、米国特許第3,091,537号
等に記載されているエポキシ化合物類、ムコクロル酸の
ようなハロゲンカルボキシアルデヒド類を挙げることが
できる。あるいは無機化合物の硬膜剤としてクロム明バ
ン、硫酸ジルコニウム、特公昭56−12853号、同
58−32699号、ベルギー特許825,726号、
特開昭60−225148号、同51−126125
号、特公昭58−50699号、特開昭52−5442
7号、米国特許3,321,313号等に記載されてい
るカルボキシル基活性型硬膜剤などを例示できる。
【0015】硬膜剤の使用量は通常乾燥ゼラチンに対し
て、0.01〜30重量%、好ましくは0.05〜20
重量%である。本発明における磁気記録層の磁性体とバ
インダーとの混合割合は重量比で磁性体100重量部に
対してバインダー100〜3000重量部の範囲が好ま
しい。バインダーが少ないと分散性や耐久性が劣り、ま
たバインダーが多すぎると磁性層の充填度が減少し好ま
しくない。本発明の磁気記録層には更に従来公知の潤滑
剤、研磨剤、マット剤、帯電防止剤を含んでもよい。本
発明において、以上のいずれのバインダーも使用可能で
あるが、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロー
ス、ゼラチンが分散性、透明性の点から好ましい。
【0016】本発明における磁気記録層の厚みは0.1
〜10μm、好ましくは0.2〜5μm、より好ましく
は0.3〜3μmである。本発明の磁気記録層は、感光
材料のハロゲン化銀乳剤層と同じ面に設けても良いし、
反対の面に設けても良い。好ましくは、ハロゲン化銀乳
剤層の反対の面に設ける方がよい。
【0017】本発明の磁気記録層は、塗布、印刷、蒸
着、熱融着、熱転写、テープ接着法のいずれによっても
設けることができる。また、磁性体を分散したポリマー
の溶液と、支持体作成用のポリマーの溶液とを共流延し
て磁気記録層を有する支持体を作成しても良い。この場
合、磁性体を分散するポリマーは支持体作成用のポリマ
ーと実質的に同一であることが好ましい。また、磁気記
録層を設ける際、既に公知の磁場配向処理を施すことが
好ましい。磁気記録層を塗布によって付与する方法とし
ては、一般の塗布方法、具体的にはドクターコート、エ
クストルージョンコート、スライドコート、ローラーコ
ート、グラビアコート等が使用できる。また、磁性体分
散液の調製方法としては、既に公知であり、本発明の磁
気記録層もこれらの方法によって調製された分散液を使
用することによって製造することができる。
【0018】本発明における感材の支持体としては、特
に限定されないが、各種のプラスチックフィルムが使用
でき、好ましいものとしてはセルロース誘導体(例え
ば、ジアセチル−、トリアセチル−、プロピオニル−、
ブタノイル−、アセチルプロピオニル−アセテートな
ど)、ポリアミド、米国特許第3,023,101号記
載のポリカーボネート、特公昭48−40414号など
に記載のポリエステル(特にポリエチレンテレフタレー
ト、ポリ−1,4−シクロヘクサンジメチレンテレフタ
レート、ポリエチレン1,2−ジフエノキシエタン−
4,4’−ジカルボキシレート、ポリブチレンテレフタ
レート、ポリエチレンナフタレート)、ポリスチレン、
ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルベンテン、
ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリアリレ
ート、ポリエーテルイミド等であり、特に好ましくはト
リアセチルセルロース、ポリエチレンテレフタレート、
ポリエチレンナフタレートである。これら支持体は、柔
軟性付与等の目的で可塑剤を添加、使用されることもあ
る。特にセルロースエステルでは、トリフェニルフォス
フェート、ビフェニルジフェニルフォスフェート、ジメ
チルエチルフォスフェート等の可塑剤含有物が通常使用
される。
【0019】これら支持体はポリマー種によって異なる
が、厚みは1mm程度のシートから20μm程度の薄膜フ
ィルムまで用途によって使い分けられるが、常用される
のは50μm〜300μmの厚み範囲である。支持体は
ベース色味のニュートラル化、ライトパイピング防止、
ハレーション防止などの目的のために染料を含有しても
よい。
【0020】これら支持体状に写真層(例えば、感光性
ハロゲン化銀乳剤層、中間層、フィルター層、磁気記録
層、導電性層)を強固に接着させるために、薬品処理、
機械的処理、コロナ放電処理、火炎処理、紫外線処理、
高周波処理、グロー放電処理、活性プラズマ処理、レー
ザー処理、混酸処理、オゾン酸化処理などの表面活性化
処理をした後、直接写真乳剤を塗布して接着力を得ても
良いし、一旦これらの表面処理をした後、あるいは表面
処理無しで下塗り層を設け、この上に写真乳剤層を塗布
しても良い。ゼラチン硬化剤としては、前述の硬膜剤を
使用することができる。下塗り液には、必要に応じて各
種の添加剤を含有させることができる。例えば、界面活
性剤、帯電防止剤、アンチハレーション剤着色用染料、
顔料、塗布助剤、カブレ防止剤等である。本発明の下塗
り液を使用する場合には、レゾルシン、抱水クロラー
ル、クロロフェノール等の如きエッチング剤を下塗り液
中に含有させることもできる。本発明に関わる下塗り液
は、一般によく知られた塗布方法、例えばディップコー
ト法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ロー
ラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート
法、或いは米国特許第2,681,294号明細書に記
載のホッパーを使用するエクストルージョンコート法等
により塗布することができる。必要に応じて、米国特許
第2,761,791号、3,508,947号、2,
941,898号、及び3,526,528号明細書、
原崎勇次著「コーティング工学」253頁(1973年
朝倉書店発行)等に記載された方法により2層以上の層
を同時に塗布することができる。
【0021】また、本発明の感材はハロゲン化銀乳剤
層、磁気記録層、バック層、保護層、中間層、アンチハ
レーション層等で構成されているが、これらは主に親水
性コロイド層で用いられる。その場合の親水性コロイド
層のバインダーとしては、例えばゼラチン、コロイド状
アルブミン、ガゼイン等のタンパク質;カルボキシメチ
ルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロ
ース化合物;寒天、アルギン酸ソーダ、でんぷん誘導体
などの糖誘導体:合成親水性コロイド、例えばポリビニ
ルアルコール、ポリ−N−ビニルピロリドン、ポリアク
リル酸共重合体、ポリアクリルアミドまたはこれらの誘
導体及び部分加水分散物、デキストラン、ポリ酢酸ビニ
ル、ポリアクリル酸エステル、ロジン等が挙げられる。
必要に応じてこれらのコロイドの2つ以上の混合物を使
用しても良い。この中でもっとも用いられるのはゼラチ
ン或いはその誘導体であるが、ここに言うゼラチンはい
わゆる石灰処理ゼラチン、酸処理ゼラチン及び酵素処理
ゼラチンを指す。
【0022】本発明の写真感光材料におけるハロゲン化
銀乳剤層及びその他の親水性コロイド層は、各種の有機
または無機の硬化剤(単独または組み合わせて)により
硬化され得る。
【0023】特に本発明で好ましいハロゲン化銀カラー
写真感光材料の代表例として、カラーリバーサルフィル
ムとカラーネガフィルムを挙げることができる。以下、
一般用カラーリバーサルフィルムを用いて説明する。
【0024】本発明の感光材料は、支持体上に青感色性
層、緑感色性層、赤感色性層のハロゲン化銀乳剤層の少
なくとも1層が設けられていればよく、ハロゲン化銀乳
剤層および非感光性層の層数および層順に特に制限はな
い。典型的な例としては、支持体上に、実質的に感色性
は同じであるが感光度の異なる複数のハロゲン化銀乳剤
層から成る感光性層を少なくとも1つ有するハロゲン化
銀写真感光材料であり、該感光性層は青色光、緑色光、
および赤色光の何れかに感色性を有する単位感光性層で
あり、多層ハロゲン化銀カラー写真感光材料において
は、一般に単位感光性層の配列が、支持体側から順に赤
感色性層、緑感色性層、青感色性の順に設置される。し
かし、目的に応じて上記設置順が逆であっても、また同
一感色性層中に異なる感光性層が挟まれたような設置順
をもとり得る。上記のハロゲン化銀感光性層の間および
最上層、最下層には各種の中間層等の非感光性層を設け
てもよい。該中間層には、特開昭61−43748号、
同59−113438号、同59−113440号、同
61−20037号、同61−20038号明細書に記
載されるようなカプラー、DIR化合物等が含まれてい
てもよく、通常用いられるように混色防止剤を含んでい
てもよい。各単位感光性層を構成する複数のハロゲン化
銀乳剤層は、西独特許第1,121,470号あるいは
英国特許第923,045号に記載されるように高感度
乳剤層、低感度乳剤層の2層構成を好ましく用いること
ができる。通常は、支持体に向かって順次感光度が低く
なる様に配列するのが好ましく、また各ハロゲン乳剤層
の間には非感光性層が設けられていてもよい。また、特
開昭57−112751号、同62−200350号、
同62−206541号、同62−206543号等に
記載されているように支持体より離れた側に低感度乳剤
層、支持体に近い側に高感度乳剤層を設置してもよい。
【0025】具体例として支持体から最も遠い側から、
低感度青感光性層(BL)/高感度青感光性層(BH)/高
感度緑感光性層(GH)/低感度緑感光性層(GL) /高感
度赤感光性層(RH)/低感度赤感光性層(RL)の順、ま
たはBH/BL/GL/GH/RH/RLの順、またはBH/BL/GH/
GL/RL/RHの順等に設置することができる。また特公昭
55−34932号公報に記載されているように、支持
体から最も遠い側から青感光性層/GH/RH/GL/RLの順
に配列することもできる。また特開昭56−25738
号、同62−63936号明細書に記載されているよう
に、支持体から最も遠い側から青感光性層/GL/RL/GH
/RHの順に配列することもできる。また特公昭49−1
5495号公報に記載されているように上層を最も感光
度の高いハロゲン化銀乳剤層、中層をそれよりも低い感
光度のハロゲン化銀乳剤層、下層を中層よりも更に感光
度の低いハロゲン化銀乳剤層を配置し、支持体に向かっ
て感光度が順次低められた感光度の異なる3層から構成
される配列が挙げられる。このような感光度の異なる3
層から構成される場合でも、特開昭59−202464
号明細書に記載されているように、同一感色性層中にお
いて支持体より離れた側から中感度乳剤層/高感度乳剤
層/低感度乳剤層の順に配置されてもよい。その他、高
感度乳剤層/低感度乳剤層/中感度乳剤層、あるいは低
感度乳剤層/中感度乳剤層/高感度乳剤層などの順に配
置されていてもよい。また、4層以上の場合にも、上記
の如く配列を変えてよい。
【0026】色再現性を改良するために、米国特許第
4,663,271号、同第4,705,744号,同
第4,707,436号、特開昭62−160448
号、同63−89850号の明細書に記載の、BL,GL,RL
などの主感光層と分光感度分布が異なる重層効果のドナ
ー層(CL) を主感光層に隣接もしくは近接して配置する
ことが好ましい。上記のように、それぞれの感光材料の
目的に応じて種々の層構成・配列を選択することができ
る。 本発明に用いられる写真感光材料の写真乳剤層に
含有される好ましいハロゲン化銀は約30モル%以下のヨ
ウ化銀を含む、ヨウ臭化銀、ヨウ塩化銀、もしくはヨウ
塩臭化銀である。特に好ましいのは約2モル%から約10
モル%までのヨウ化銀を含むヨウ臭化銀もしくはヨウ塩
臭化銀である。写真乳剤中のハロゲン化銀粒子は、立方
体、八面体、十四面体のような規則的な結晶を有するも
の、球状、板状のような変則的な結晶形を有するもの、
双晶面などの結晶欠陥を有するもの、あるいはそれらの
複合形でもよい。ハロゲン化銀の粒径は、約 0.2ミクロ
ン以下の微粒子でも投影面積直径が約10ミクロンに至る
までの大サイズ粒子でもよく、多分散乳剤でも単分散乳
剤でもよい。本発明に使用できるハロゲン化銀写真乳剤
は、例えばリサーチ・ディスクロージャー(RD) No.
17643(1978 年12月), 22 〜23頁, I. 乳剤製造
(Emulsion preparation and types)”、および同 No.
18716(1979 年11月), 648 頁、同 No.30710
5(1989 年11月),863 〜865 頁、およびグラフキデ著
「写真の物理と化学」、ポールモンテル社刊(P.Glafki
des, Chemie et PhisiquePhotographique, Paul Monte
l, 1967)、ダフィン著「写真乳剤化学」、フォーカルプ
レス社刊(G.F. Duffin,Photographic Emulsion Chemis
try (Focal Press,1966))、ゼリクマンら著「写真乳剤
の製造と塗布」、フォーカルプレス社刊(V.L. Zelikma
n et al.,Making and Coating Photographic Emulsion,
Focal Press, 1964)などに記載された方法を用いて調
製することができる。米国特許第3,574,628
号、同3,655,394号および英国特許第1,41
3,748号などに記載された単分散乳剤も好ましい。
【0027】また、アスペクト比が約3以上であるよう
な平板状粒子も本発明に使用できる。平板状粒子は、ガ
トフ著、フォトグラフィック・サイエンス・アンド・エ
ンジニアリング(Gutoff, Photographic Science and E
ngineering)、第14巻 248〜257頁(1970年);米国特
許第4,434,226号、同4,414,310号、
同4,433,048号、同4,439,520号およ
び英国特許第2,112,157号などに記載の方法に
より簡単に調製することができる。結晶構造は一様なも
のでも、内部と外部とが異質なハロゲン組成からなるも
のでもよく、層状構造をなしていてもよい、また、エピ
タキシャル接合によって組成の異なるハロゲン化銀が接
合されていてもよく、また例えばロダン銀、酸化鉛など
のハロゲン化銀以外の化合物と接合されていてもよい。
また種々の結晶形の粒子の混合物を用いてもよい。上記
の乳剤は潜像を主として表面に形成する表面潜像型で
も、粒子内部に形成する内部潜像型でも表面と内部のい
ずれにも潜像を有する型のいずれでもよいが、ネガ型の
乳剤であることが必要である。内部潜像型のうち、特開
昭63−264740号に記載のコア/シェル型内部潜
像型乳剤であってもよい。このコア/シェル型内部潜像
型乳剤の調製方法は、特開昭59−133542号に記
載されている。この乳剤のシェルの厚みは、現像処理等
によって異なるが、3〜40nmが好ましく、5〜20nmが特
に好ましい。ハロゲン化銀乳剤は、通常、物理熟成、化
学熟成および分光増感を行ったものを使用する。このよ
うな工程で使用される添加剤はリサーチ・ディスクロー
ジャー No.17643、同 No.18716および同 No.
307105に記載されており、その該当箇所を後掲の
表にまとめた。
【0028】本発明の感光材料には、感光性ハロゲン化
銀乳剤の粒子サイズ、粒子サイズ分布、ハロゲン組成、
粒子の形状、感度の少なくとも1つの特性の異なる2種
類以上の乳剤を、同一層中に混合して使用することがで
きる。米国特許第4,082,553号に記載の粒子表
面をかぶらせたハロゲン化銀粒子、米国特許第4,62
6,498号、特開昭59−214852号に記載の粒
子内部をかぶらせたハロゲン化銀粒子、コロイド銀を感
光性ハロゲン化銀乳剤層および/ または実質的に非感光
性の親水性コロイド層に好ましく使用できる。粒子内部
または表面をかぶらせたハロゲン化銀粒子とは、感光材
料の未露光部および露光部を問わず、一様に( 非像様
に)現像が可能となるハロゲン化銀粒子のことをいう。
粒子内部または表面をかぶらせたハロゲン化銀粒子の調
製法は、米国特許第4,626,498号、特開昭59
−214852号に記載されている。粒子内部がかぶら
されたコア/シェル型ハロゲン化銀粒子の内部核を形成
するハロゲン化銀は、同一のハロゲン組成をもつもので
も異なるハロゲン組成をもつものでもよい。粒子内部ま
たは表面をかぶらせたハロゲン化銀としては、塩化銀、
塩臭化銀、沃臭化銀、塩沃臭化銀のいずれをも用いるこ
とができる。これらのかぶらされたハロゲン化銀粒子の
粒子サイズには特別な限定はないが、平均粒子サイズと
しては0.01〜0.75μm、特に0.05〜0.6 μmが好まし
い。また、粒子形状については特に限定はなく、規則的
な粒子でもよく、また、多分散乳剤でもよいが、単分散
( ハロゲン化銀粒子の重量または粒子数の少なくとも95
%が平均粒子径の±40%以内の粒子径を有するもの)で
あることが好ましい。本発明には、非感光性微粒子ハロ
ゲン化銀を使用することが好ましい。非感光性微粒子ハ
ロゲン化銀とは、色素画像を得るための像様露光時にお
いては感光せずに、その現像処理において実質的に現像
されないハロゲン化銀微粒子であり、あらかじめカブラ
されていないほうが好ましい。
【0029】微粒子ハロゲン化銀は、臭化銀の含有率が
0〜 100モル%であり、必要に応じて塩化銀および/ま
たは沃化銀を含有してもよい。好ましくは沃化銀を 0.5
〜10モル%含有するものである。微粒子ハロゲン化銀
は、平均粒径(投影面積の円相当直径の平均値)が0.01
〜0.5μmが好ましく、0.02〜 0.2μmがより好まし
い。微粒子ハロゲン化銀は、通常の感光性ハロゲン化銀
と同様の方法で調製できる。この場合、ハロゲン化銀粒
子の表面は、光学的に増感される必要はなく、また分光
増感も不要である。ただし、これを塗布液に添加するの
に先立ち、あらかじめトリアゾール系、アザインデン
系、ベンゾチアゾリウム系、もしくはメルカプト系化合
物または亜鉛化合物などの公知の安定剤を添加しておく
ことが好ましい。この微粒子ハロゲン化銀粒子含有層
に、コロイド銀を好ましく含有させることができる。本
発明の感光材料の塗布銀量は、6.0g/m2以下が好まし
く、4.5g/m2以下が最も好ましい。本発明に使用できる
公知の写真用添加剤も上記の3つのリサーチ・ディスク
ロージャーに記載されており、下記の表に関連する記載
箇所を示した。
【0030】 添加剤の種類 RD17643 RD18716 RD307105 1. 化学増感剤 23頁 648頁右欄 866頁 2. 感度上昇剤 648頁右欄 3. 分光増感剤、 23〜24頁 648頁右欄 866〜868 頁 強色増感剤 〜649 頁右欄 4. 増 白 剤 24頁 647頁右欄 868頁 5. かぶり防止 24〜25頁 649頁右欄 868〜870 頁 剤、安定剤 6. 光吸収剤、 25〜26頁 649頁右欄 873頁 フィルター 〜 650頁左欄 染料、紫外 線吸収剤 7. ステイン 25頁右欄 650頁左欄 872頁 防止剤 〜右欄 8. 色素画像 25頁 650頁左欄 872頁 安定剤 9. 硬 膜 剤 26頁 651頁左欄 874〜875 頁 10. バインダー 26頁 651頁左欄 873〜874 頁 11. 可塑剤、 27頁 650頁右欄 876頁 潤滑剤 12. 塗布助剤、 26 〜27頁 650頁右欄 875〜876 頁 表面活性剤 13. スタチツク 27頁 650頁右欄 876〜877 頁 防止剤 14. マツト剤 878〜879 頁
【0031】また、ホルムアルデヒドガスによる写真性
能の劣化を防止するために、米国特許4,411,98
7号や同第4,435,503号に記載されたホルムア
ルデヒドと反応して、固定化できる化合物を感光材料に
添加することが好ましい。本発明の感光材料に、米国特
許第4,740,454号、同第4,788,132
号、特開昭62−18539号、特開平1−28355
1号に記載のメルカプト化合物を含有させることが好ま
しい。本発明の感光材料に、特開平1−106052号
に記載の、現像処理によって生成した現像銀量とは無関
係にかぶらせ剤、現像促進剤、ハロゲン化銀溶剤または
それらの前駆体を放出する化合物を含有させることが好
ましい。本発明の感光材料に、国際公開WO88/04
794号、特表平1−502912号に記載された方法
で分散された染料またはEP317,308A号、米国
特許4,420,555号、特開平1−259358号
に記載の染料を含有させることが好ましい。本発明の感
光材料には種々のカラーカプラーを使用することがで
き、その具体例は前出のリサーチ・ディスクロージャー
No.17643、 VII−C〜G、および同 No.3071
05、 VII−C〜Gに記載された特許に記載されてい
る。イエローカプラーとしては、例えば米国特許第3,
933,501号、同第4,022,620号、同第
4,326,024号、同第4,401,752号、同
第4,248,961号、特公昭58−10739号、
英国特許第1,425,020号、同第1,476,7
60号、米国特許第3,973,968号、同第4,3
14,023号、同第4,511,649号、欧州特許
第249,473A号、等に記載のものが好ましい。
【0032】マゼンタカプラーとしては5-ピラゾロン系
及びピラゾロアゾール系の化合物が好ましく、米国特許
第4,310,619号、同第4,351,897号、
欧州特許第73,636号、米国特許第3,061,4
32号、同第3,725,067号、リサーチ・ディス
クロージャー No.24220(1984年6月)、特開昭6
0−33552号、リサーチ・ディスクロージャー No.
24230(1984年6月)、特開昭60−43659
号、同61−72238号、同60−35730号、同
55−118034号、同60−185951号、米国
特許第4,500,630号、同第4,540,654
号、同第4,556,630号、国際公開WO88/0
4795号等に記載のものが特に好ましい。シアンカプ
ラーとしては、フェノール系及びナフトール系カプラー
が挙げられ、米国特許第4,052,212号、同第
4,146,396号、同第4,228,233号、同
第4,296,200号、同第2,369,929号、
同第2,801,171号、同第2,772,162
号、同第2,895,826号、同第3,772,00
2号、同第3、758,308号、同第4,334,0
11号、同第4,327,173号、西独特許公開第
3,329,729号、欧州特許第121,365A
号、同第249,453A号、米国特許第3,446,
622号、同第4,333,999号、同第4,77
5,616号、同第4,451,559号、同第4,4
27,767号、同第4,690,889号、同第4,
254,212号、同第4,296,199号、特開昭
61−42658号等に記載のものが好ましい。さら
に、特開昭64−553号、同64−554号、同64
−555号、同64−556号に記載のピラゾロアゾー
ル系カプラーや、米国特許第4,818,672号に記
載のイミダゾール系カプラーも使用することができる。
ポリマー化された色素形成カプラーの典型例は、米国特
許第3,451,820号、同第4,080,211
号、同第4,367,282号、同第4,409,32
0号、同第4,576,910号、英国特許2,10
2,137号、欧州特許第341,188A号等に記載
されている。発色色素が適度な拡散性を有するカプラー
としては、米国特許第4,366,237号、英国特許
第2,125,570号、欧州特許第96,570号、
西独特許(公開)第3,234,533号に記載のもの
が好ましい。
【0033】発色色素の不要吸収を補正するためのカラ
ード・カプラーは、リサーチ・ディスクロージャー No.
17643の VII−G項、同 No.307105の VII−
G項、米国特許第4,163,670号、特公昭57−
39413号、米国特許第4,004,929号、同第
4,138,258号、英国特許第1,146,368
号に記載のものが好ましい。また、米国特許第4,77
4,181号に記載のカップリング時に放出された蛍光
色素により発色色素の不要吸収を補正するカプラーや、
米国特許第4,777,120号に記載の現像主薬と反
応して色素を形成しうる色素プレカーサー基を離脱基と
して有するカプラーを用いることも好ましい。カップリ
ングに伴って写真的に有用な残基を放出する化合物もま
た本発明で好ましく使用できる。現像抑制剤を放出する
DIRカプラーは、前述のRD17643、VII−F項
及び同 No.307105、VII−F項に記載された特
許、特開昭57−151944号、同57−15423
4号、同60−184248号、同63−37346
号、同63−37350号、米国特許4,248,96
2号、同4,782,012号に記載されたものが好ま
しい。R.D. No.11449、同24241、特開昭61
−201247号等に記載の漂白促進剤放出カプラー
は、漂白能を有する処理工程の時間を短縮するのに有効
であり、特に、前述の平板状ハロゲン化銀粒子を用いる
感光材料に添加する場合に、その効果が大である。現像
時に画像状に造核剤もしくは現像促進剤を放出するカプ
ラーとしては、英国特許第2,097,140号、同第
2,131,188号、特開昭59−157638号、
同59−170840号に記載のものが好ましい。ま
た、特開昭60−107029号、同60−25234
0号、特開平1−44940号、同1−45687号に
記載の現像主薬の酸化体との酸化還元反応により、かぶ
らせ剤、現像促進剤、ハロゲン化銀溶剤等を放出する化
合物も好ましい。
【0034】その他、本発明の感光材料に用いることの
できる化合物としては、米国特許第4,130,427
号等に記載の競争カプラー、米国特許第4,283,4
72号、同第4,338,393号、同第4,310,
618号等に記載の多当量カプラー、特開昭60−18
5950号、特開昭62−24252号等に記載のDI
Rレドックス化合物放出カプラー、DIRカプラー放出
カプラー、DIRカプラー放出レドックス化合物もしく
はDIRレドックス放出レドックス化合物、欧州特許第
173,302A号、同第313,308A号に記載の
離脱後復色する色素を放出するカプラー、米国特許第
4,555,477号等に記載のリガンド放出カプラ
ー、特開昭63−75747号に記載のロイコ色素を放
出するカプラー、米国特許第4,774,181号に記
載の蛍光色素を放出するカプラー等が挙げられる。
【0035】本発明に使用するカプラーは、種々の公知
分散方法により感光材料に導入できる。水中油滴分散法
に用いられる高沸点溶媒の例は米国特許第2,322,
027号などに記載されている。水中油滴分散法に用い
られる常圧での沸点が175 ℃以上の高沸点有機溶剤の具
体例としては、フタル酸エステル類(ジブチルフタレー
ト、ジシクロヘキシルフタレート、ジ-2- エチルヘキシ
ルフタレート、デシルフタレート、ビス(2,4-ジ-t- ア
ミルフェニル)フタレート、ビス(2,4-ジ-t- アミルフ
ェニル)イソフタレート、ビス(1,1-ジエチルプロピ
ル)フタレートなど)、リン酸またはホスホン酸のエス
テル類(トリフェニルホスフェート、トリクレジルホス
フェート、2-エチルヘキシルジフェニルホスフェート、
トリシクロヘキシルホスフェート、トリ-2- エチルヘキ
シルホスフェート、トリドデシルホスフェート、トリブ
トキシエチルホスフェート、トリクロロプロピルホスフ
ェート、ジ-2- エチルヘキシルフェニルホスホネートな
ど)、安息香酸エステル類(2-エチルヘキシルベンゾエ
ート、ドデシルベンゾエート、2-エチルヘキシル-p- ヒ
ドロキシベンゾエートなど) 、アミド類(N,N-ジエチル
ドデカンアミド、N,N-ジエチルラウリルアミド、N-テト
ラデシルピロリドンなど) 、アルコール類またはフェノ
ール類(イソステアリルアルコール、2,4-ジ-tert-アミ
ルフェノールなど)、脂肪族カルボン酸エステル類(ビ
ス(2-エチルヘキシル)セバケート、ジオクチルアゼレ
ート、グリセロールトリブチレート、イソステアリルラ
クテート、トリオクチルシトレートなど)、アニリン誘
導体(N,N-ジブチル-2- ブトキシ-5-tert-オクチルアニ
リンなど)、炭化水素類(パラフィン、ドデシルベンゼ
ン、ジイソプロピルナフタレンなど)などが挙げられ
る。また補助溶剤としては、沸点が約30℃以上、好まし
くは50℃以上約 160℃以下の有機溶剤などが使用でき、
典型例としては酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸
エチル、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2-エ
トキシエチルアセテート、ジメチルホルムアミドなどが
挙げられる。ラテックス分散法の工程、効果および含浸
用のラテックスの具体例は、米国特許第4,199,3
63号、西独特許出願(OLS)第2,541,274号お
よび同第2,541,230号などに記載されている。
【0036】本発明のカラー感光材料中には、フェネチ
ルアルコールや特開昭63−257747号、同62−
272248号、および特開平1−80941号に記載
の1,2-ベンズイソチアゾリン -3-オン、n-ブチル、p-ヒ
ドロキシベンゾエート、フェノール、4-クロル -3,5-ジ
メチルフェノール、2-フェノキシエタノール、2-(4-チ
アゾリル)ベンズイミダゾール等の各種の防腐剤もしく
は防黴剤を添加することが好ましい。本発明に使用でき
る適当な支持体は、例えば、前述のRD. No.1764
3の28頁、同 No.18716の 647頁右欄から 648頁左
欄、および同 No.307105の 879頁に記載されてい
る。本発明の感光材料は、乳剤層を有する側の全親水性
コロイド層の膜厚の総和が28μm 以下であることが好ま
しく、23μm 以下がより好ましく、18μm 以下が更に好
ましく、16μm 以下が特に好ましい。また膜膨潤速度T
1/2 は30秒以下が好ましく、20秒以下がより好ましい。
膜厚は、25℃相対湿度55%調湿下(2日)で測定した
膜厚を意味し、膜膨潤速度T1/2 は、当該技術分野にお
いて公知の手法に従って測定することができる。例え
ば、エー・グリーン(A.Green)らによりフォトグラフィ
ック・サイエンス・アンド・エンジニアリング (Photog
r.Sci.Eng.),19卷、2号,124 〜129 頁に記載の型のス
エロメーター(膨潤計)を使用することにより、測定で
き、T1/2 は発色現像液で30℃、3 分15秒処理した時に
到達する最大膨潤膜厚の90%を飽和膜厚とし、飽和膜厚
の1/2 に到達するまでの時間と定義する。膜膨潤速度T
1/2 は、バインダーとしてのゼラチンに硬膜剤を加える
こと、あるいは塗布後の経時条件を変えることによって
調整することができる。また、膨潤率は 150〜400 %が
好ましい。膨潤率とは、さきに述べた条件下での最大膨
潤膜厚から、式:(最大膨潤膜厚−膜厚)/膜厚に従っ
て計算できる。本発明の感光材料は、乳剤層を有する側
の反対側に、乾燥膜厚の総和が2μm〜20μmの親水性
コロイド層(バック層と称す)を設けることが好まし
い。このバック層には、前述の光吸収剤、フィルター染
料、紫外線吸収剤、スタチック防止剤、硬膜剤、バイン
ダー、可塑剤、潤滑剤、塗布助剤、表面活性剤等を含有
させることが好ましい。このバック層の膨潤率は 150〜
500 %が好ましい。
【0037】本発明の感光材料の現像処理に用いる発色
現像液は、好ましくは芳香族第一級アミン系発色現像主
薬を主成分とするアルカリ性水溶液である。この発色現
像主薬としては、アミノフェノール系化合物も有用であ
るが、p-フェニレンジアミン系化合物が好ましく使用さ
れ、その代表例としては3-メチル-4- アミノ-N,Nジエチ
ルアニリン、3-メチル-4- アミノ-N- エチル-N- β- ヒ
ドロキシエチルアニリン、3-メチル-4- アミノ-N- エチ
ル-N- β- メタンスルホンアミドエチルアニリン、3-メ
チル-4- アミノ-N- エチル- β- メトキシエチルアニリ
ン及びこれらの硫酸塩、塩酸塩もしくはp-トルエンスル
ホン酸塩などが挙げられる。これらの中で、特に、3-メ
チル-4- アミノ-N- エチル-N -β- ヒドロキシエチルア
ニリン硫酸塩が好ましい。これらの化合物は目的に応じ
2種以上併用することもできる。発色現像液は、アルカ
リ金属の炭酸塩、ホウ酸塩もしくはリン酸塩のようなpH
緩衝剤、塩化物塩、臭化物塩、沃化物塩、ベンズイミダ
ゾール類、ベンゾチアゾール類もしくはメルカプト化合
物のような現像抑制剤またはカブリ防止剤などを含むの
が一般的である。また必要に応じて、ヒドロキシルアミ
ン、ジエチルヒドロキシルアミン、亜硫酸塩、N,N-ビス
カルボキシメチルヒドラジンの如きヒドラジン類、フェ
ニルセミカルバジド類、トリエタノールアミン、カテコ
ールスルホン酸類の如き各種保恒剤、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコールのような有機溶剤、ベンジル
アルコール、ポリエチレングリコール、四級アンモニウ
ム塩、アミン類のような現像促進剤、色素形成カプラ
ー、競争カプラー、1-フェニル-3- ピラゾリドンのよう
な補助現像主薬、粘性付与剤、アミノポリカルボン酸、
アミノポリホスホン酸、アルキルホスホン酸、ホスホノ
カルボン酸に代表されるような各種キレート剤、例え
ば、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸、ジエチ
レントリアミン五酢酸、シクロヘキサンジアミン四酢
酸、ヒドロキシエチルイミノジ酢酸、1-ヒドロキシエチ
リデン-1,1- ジホスホン酸、ニトリロ-N,N,N-トリメチ
レンホスホン酸、エチレンジアミン-N,N,N,N- テトラメ
チレンホスホン酸、エチレンジアミン- ジ(o- ヒドロ
キシフェニル酢酸) 及びそれらの塩を代表例として挙げ
ることができる。
【0038】次に発色現像液以外の本発明のカラー反転
感光材料の処理液及び処理工程について説明する。本発
明のカラー反転感光材料の処理工程のうち黒色現像から
発色現像までの工程は以下の通りである。 1) 黒白現像−水洗−反転−発色現像 2) 黒白現像−水洗−光反転−発色現像 3) 黒白現像−水洗−発色現像 工程1)〜3)の水洗工程はいずれも、米国特許4,8
04,616号に記載のリンス工程に替えて、処理の簡
易化、廃液の低減を図ることができる。次に発色現像以
後の工程について説明する。 4)発色現像−調整−漂白−定着−水洗−安定 5)発色現像−水洗−漂白−定着−水洗−安定 6)発色現像−調整−漂白−水洗−定着−水洗−安定 7)発色現像−水洗−漂白−水洗−定着−水洗−安定 8)発色現像−漂白−定着−水洗−安定 9)発色現像−漂白−漂白定着−水洗−安定 10)発色現像−漂白−漂白定着−定着−水洗−安定 11)発色現像−漂白−水洗−定着−水洗−安定 12)発色現像−調整−漂白定着−水洗−安定 13)発色現像−水洗−漂白定着−水洗−安定 14)発色現像−漂白定着−水洗−安定 15)発色現像−定着−漂白定着−水洗−安定 4)から15)の処理工程において、安定工程の直前の
水洗工程は除去されてもよく、又逆に最終工程の安定工
程は行なわれなくてもよい。前記の工程1)〜3)のい
ずれかひとつと4)〜15)の工程のいずれかひとつと
がつながって、カラー反転工程が形成される。
【0039】次に本発明のカラー反転処理工程の処理液
について説明する。本発明に用いられる黒白現像液に
は、公知の現像主薬を用いることができる。現像主薬と
しては、ジヒドロキシベンゼン類(たとえばハイドロキ
ノン)、3−ピラゾリドン類(たとえば1−フェニ ル
−3−ピラゾリドン)、アミノフェノール類 (たとえ
ばN−メチル−p−アミノフェノール)、1−フェニル
−3−ピラゾリン類、アスコルビン酸及び米国特許第
4,067,872号に記載の1,2,3,4−テトラ
ヒドロキノリン環とインドレン環とが縮合したような複
素環化合物などを、単独もしくは組合せて用いることが
できる。本発明に用いる黒白現像液には、その他必要に
より保恒剤(例えば、亜硫酸塩、重亜硫酸塩など)、緩
衝剤(例えば、炭酸塩、硼酸、硼酸塩、アルカノールア
ミン)、アルカリ剤(例えば、水酸化物、炭酸塩)、溶
解錠剤(例えば、ポリエチレングリコール類、これらの
エステル)、pH調整剤(例えば、酢酸の如き有機
酸)、増感剤(例えば、四級アンモニウム塩)、現像促
進剤、界面活性剤、消泡剤、硬膜剤、粘性付与剤などを
含有させることができる。本発明に用いる黒白現像液に
はハロゲン化銀溶剤として作用する化合物を含ませる必
要があるが、通常は上記の保恒剤として添加される亜硫
酸塩がその役目を果す。この亜硫酸塩及び他の使用しう
るハロゲン化銀溶剤としては、具体的にはKSCN、N
aSCN、K2 SO3 、Na2 SO3 、K2 2 5
Na2 25 、K2 2 3 、Na2 2 3 などを
挙げることができる。このようにして調整された現像液
のpH値は所望の濃度とコントラストを与える十分な程
度に選択されるが、約8.5〜約11.5の範囲にあ
る。かかる黒白現像液を用いて増感処理を行うには通
常、標準処理の最大3倍程度迄の時間延長を行えばよ
い。このとき処理温度を上げれば、増感処理のための延
長時間を短縮することができる。
【0040】これらの発色現像液及び黒白現像液のpHは
9〜12であることが一般的である。またこれらの現像液
の補充量は、処理するカラー写真感光材料にもよるが、
一般に感光材料1平方メートル当たり3リットル以下で
あり、補充液中の臭化物イオン濃度を低減させておくこ
とにより 500以下にすることもできる。補充量を低減す
る場合には処理槽の空気との接触面積を小さくすること
によって液の蒸発、空気酸化を防止することが好まし
い。処理槽での写真処理液と空気との接触面積は、以下
に定義する開口率で表わすことができる。即ち、 開口率=〔処理液と空気との接触面積(cm2) 〕÷〔処理
液の容量(cm3) 〕 上記の開口率は、0.1 以下であることが好ましく、より
好ましくは 0.001〜0.05である。このように開口率を低
減させる方法としては、処理槽の写真処理液面に浮き蓋
等の遮蔽物を設けるほかに、特開平1−82033号に
記載された可動蓋を用いる方法、特開昭63−2160
50号に記載されたスリット現像処理方法を挙げること
ができる。開口率を低減させることは、発色現像及び黒
白現像の両工程のみならず、後続の諸工程、例えば、漂
白、漂白定着、定着、水洗、安定化などの全ての工程に
おいて適用することが好ましい。また、現像液中の臭化
物イオンの蓄積を抑える手段を用いることにより補充量
を低減することもできる。黒白現像後に用いられる反転
浴には公知のカブラセ剤を含むことができる。すなわち
第1スズイオン−有機リン酸錯塩(米国特許第3,61
7,282号明細書)、第1スズイオン有機ホスホノカ
ルボン酸錯塩(特公昭56−32616号公報)、第1
スズイオン−アミノポリカルボン酸錯塩(米国特許第
1,209,050号明細書)などの第1スズイオン錯
塩、水素化ホウ素化合物(米国特許第2,984,56
7号明細書)、複素環アミンボラン化合物(英国特許第
1,011,000号明細書)などのホウ素化合物、な
どである。このカブラセ浴(反転浴)のpHは、酸性側
からアルカリ性側まで広い範囲に亘っており、pH2〜
12、好ましくは2.5〜10、特に好ましくは3〜9
の範囲である。反転浴のかわりに再露光による光反転処
理を行なってもよく、又上記カブラセ剤を発色現像液に
添加することにより、反転工程を省略することもでき
る。本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料は、発色
現像後漂白処理又は漂白定着処理される。これらの処理
は発色現像後他の処理工程を経ることなく、直ちに行な
われてもよいし、不用な後現像、空気カブリを防止し、
脱銀工程への発色現像液の持ち込みを低減するために、
また写真感光材料中に含まれる増感色素、染料などの感
材部分及び写真感光材料に含浸された発色現像主薬の洗
い出し、無害化を行なうために、発色現像処理後、停
止、調整、水洗などの処理工程を経た後漂白処理又は漂
白定着処理されてもよい。
【0041】発色現像後の写真乳剤層は通常漂白処理さ
れる。漂白処理は定着処理と同時に行なわれてもよいし
(漂白定着処理)、個別に行なわれてもよい。更に処理
の迅速化を図るため、漂白処理後漂白定着処理する処理
方法でもよい。さらに二槽の連続した漂白定着浴で処理
すること、漂白定着処理の前に定着処理すること、又は
漂白定着処理後漂白処理することも目的に応じ任意に実
施できる。漂白剤としては、例えば鉄(III)などの
多価金属の化合物、過酸類、キノン類、ニトロ化合物等
が用いられる。代表的漂白剤としては鉄(III)の有
機錯塩、例えばエチレンジアミン四酢酸、ジエチレント
リアミン五酢酸、シクロヘキサンジアミン四酢酸、メチ
ルイミノ二酢酸、1,3-ジアミノプロパン四酢酸、グリコ
ールエーテルジアミン四酢酸、などのアミノポリカルボ
ン酸類もしくはクエン酸、酒石酸、リンゴ酸などの錯塩
などを用いることができる。これらのうちエチレンジア
ミン四酢酸鉄(III)錯塩、及び1,3-ジアミノプロパ
ン四酢酸鉄(III)錯塩を始めとするアミノポリカル
ボン酸鉄(III)錯塩は迅速処理と環境汚染防止の観
点から好ましい。さらにアミノポリカルボン酸鉄(II
I)錯塩は漂白液においても、漂白定着液においても特
に有用である。これらのアミノポリカルボン酸鉄(II
I)錯塩を用いた漂白液又は漂白定着液のpHは通常 4.0
〜8であるが、処理の迅速化のためにさらに低いpHで処
理することもできる。漂白液、漂白定着液及びそれらの
前浴には、必要に応じて漂白促進剤を使用することがで
きる。有用な漂白促進剤の具体例は、次の明細書に記載
されている:米国特許第3,893,858号、西独特
許第1,290,812号、同2,059,988号、
特開昭53−32736号、同53−57831号、同
53−37418号、同53−72623号、同53−
95630号、同53−95631号、同53−104
232号、同53−124424号、同53−1416
23号、同53−28426号、リサーチ・ディスクロ
ージャー No.17129号(1978年7月)などに記載の
メルカプト基またはジスルフィド基を有する化合物;特
開昭50−140129号に記載のチアゾリジン誘導
体;特公昭45−8506号、特開昭52−20832
号、同53−32735号、米国特許第3,706,5
61号に記載のチオ尿素誘導体;西独特許第1,12
7,715号、特開昭58−16,235号に記載の沃
化物塩;西独特許第966,410号、同2,748,
430号に記載のポリオキシエチレン化合物類;特公昭
45−8836号記載のポリアミン化合物;その他特開
昭49−40,943号、同49−59,644号、同
53−94,927号、同54−35,727号、同5
5−26,506号、同58−163,940号記載の
化合物;臭化物イオン等が使用できる。なかでもメルカ
プト基またはジスルフィド基を有する化合物が促進効果
が大きい観点で好ましく、特に米国特許第3,893,
858号、西独特許第1,290,812号、特開昭5
3−95,630号に記載の化合物が好ましい。更に、
米国特許第4,552,834号に記載の化合物も好ま
しい。これらの漂白促進剤は感材中に添加してもよい。
撮影用のカラー感光材料を漂白定着するときにこれらの
漂白促進剤は特に有効である。漂白液や漂白定着液には
上記の化合物の他に、漂白ステインを防止する目的で有
機酸を含有させることが好ましい。特に好ましい有機酸
は、酸解離定数(pKa)が2〜5である化合物で、具体的
には酢酸、プロピオン酸、ヒドロキシ酢酸などが好まし
い。
【0042】定着液や漂白定着液に用いられる定着剤と
してはチオ硫酸塩、チオシアン酸塩、チオエーテル系化
合物、チオ尿素類、多量の沃化物塩等をあげることがで
きるが、チオ硫酸塩の使用が一般的であり、特にチオ硫
酸アンモニウムが最も広範に使用できる。また、チオ硫
酸塩とチオシアン酸塩、チオエーテル系化合物、チオ尿
素などの併用も好ましい。定着液や漂白定着液の保恒剤
としては、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、カルボニル重亜硫酸
付加物あるいは欧州特許第294769A号に記載のス
ルフィン酸化合物が好ましい。更に、定着液や漂白定着
液には液の安定化の目的で、各種アミノポリカルボン酸
類や有機ホスホン酸類の添加が好ましい。脱銀工程の時
間の合計は、脱銀不良が生じない範囲で短い方が好まし
い。好ましい時間は1分〜3分、更に好ましくは1分〜
2分である。また、処理温度は25℃〜50℃、好ましくは
35℃〜45℃である。好ましい温度範囲においては、脱銀
速度が向上し、かつ処理後のステイン発生が有効に防止
される。脱銀工程においては、攪拌ができるだけ強化さ
れていることが好ましい。攪拌強化の具体的な方法とし
ては、特開昭62−183460号に記載の感光材料の
乳剤面に処理液の噴流を衝突させる方法や、特開昭62
−183461号の回転手段を用いて攪拌効果を上げる
方法、更には液中に設けられたワイパーブレードと乳剤
面を接触させながら感光材料を移動させ、乳剤表面を乱
流化することによってより攪拌効果を向上させる方法、
処理液全体の循環流量を増加させる方法が挙げられる。
このような攪拌向上手段は、漂白液、漂白定着液、定着
液のいずれにおいても有効である。攪拌の向上は乳剤膜
中への漂白剤、定着剤の供給を速め、結果として脱銀速
度を高めるものと考えられる。また、前記の攪拌向上手
段は、漂白促進剤を使用した場合により有効であり、促
進効果を著しく増加させたり漂白促進剤による定着阻害
作用を解消させることができる。本発明の感光材料に用
いられる自動現像機は、特開昭60−191257号、
同60−191258号、同60−191259号に記
載の感光材料搬送手段を有していることが好ましい。前
記の特開昭60−191257号に記載のとおり、この
ような搬送手段は前浴から後浴への処理液の持込みを著
しく削減でき、処理液の性能劣化を防止する効果が高
い。このような効果は各工程における処理時間の短縮
や、処理液補充量の低減に特に有効である。
【0043】本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料
は、脱銀処理後、水洗及び/又は安定工程を経るのが一
般的である。水洗工程での水洗水量は、感光材料の特性
(例えばカプラー等使用素材による)、用途、更には水
洗水温、水洗タンクの数(段数)、向流、順流等の補充
方式、その他種々の条件によって広範囲に設定し得る。
このうち、多段向流方式における水洗タンク数と水量の
関係は、Journal of the Society of Motion Picture a
nd Television Engineers 第64巻、P. 248〜253(1955
年5月号)に記載の方法で、求めることができる。前記
文献に記載の多段向流方式によれば、水洗水量を大幅に
減少し得るが、タンク内における水の滞留時間の増加に
より、バクテリアが繁殖し、生成した浮遊物が感光材料
に付着する等の問題が生じる。本発明のカラー感光材料
の処理において、このような問題が解決策として、特開
昭62−288,838号に記載のカルシウムイオン、
マグネシウムイオンを低減させる方法を極めて有効に用
いることができる。また、特開昭57−8,542号に
記載のイソチアゾロン化合物やサイアベンダゾール類、
塩素化イソシアヌール酸ナトリウム等の塩素系殺菌剤、
その他ベンゾトリアゾール等、堀口博著「防菌防黴剤の
化学」(1986年)三共出版、衛生技術会編「微生物の滅
菌、殺菌、防黴技術」(1982年)工業技術会、日本防菌
防黴学会編「防菌防黴剤事典」(1986年)に記載の殺菌
剤を用いることもできる。本発明の感光材料の処理にお
ける水洗水のpHは、4〜9であり、好ましくは5〜8で
ある。水洗水温、水洗時間も、感光材料の特性、用途等
で種々設定し得るが、一般には、15〜45℃で20秒〜10
分、好ましくは25〜40℃で30秒〜5分の範囲が選択され
る。更に、本発明の感光材料は、上記水洗に代り、直接
安定液によって処理することもできる。このような安定
化処理においては、特開昭57−8543号、同58−
14834号、同60−220345号に記載の公知の
方法はすべて用いることができる。また、前記水洗処理
に続いて、更に安定化処理する場合もあり、その例とし
て、撮影用カラー感光材料の最終浴として使用される、
色素安定化剤と界面活性剤を含有する安定浴を挙げるこ
とができる。色素安定化剤としては、ホルマリンやグル
タルアルデヒドなどのアルデヒド類、N-メチロール化合
物、ヘキサメチレンテトラミンあるいはアルデヒド亜硫
酸付加物などを挙げることができる。この安定浴にも各
種キレート剤や防黴剤を加えることもできる。上記水洗
及び/又は安定液の補充に伴うオーバーフロー液は脱銀
工程等他の工程において再利用することもできる。自動
現像機などを用いた処理において、上記の各処理液が蒸
発により濃縮化する場合には、水を加えて濃縮補正する
ことが好ましい。
【0044】本発明のハロゲン化銀カラー感光材料には
処理の簡略化及び迅速化の目的で発色現像主薬を内蔵し
ても良い。内蔵するためには、発色現像主薬の各種プレ
カーサーを用いるのが好ましい。例えば米国特許第3,
342,597号記載のインドアニリン系化合物、同第
3,342,599号、リサーチ・ディスクロージャー
14,850号及び同15,159号記載のシッフ塩基
型化合物、同13,924号号記載のアルドール化合
物、米国特許第3,719,492号記載の金属塩錯
体、特開昭53−135628号記載のウレタン系化合
物を挙げることができる。本発明のハロゲン化銀カラー
感光材料は、必要に応じて、発色現像を促進する目的
で、各種の1−フェニル−3−ピラゾリドン類を内蔵し
ても良い。典型的な化合物は特開昭56−64339
号、同57−144547号、および同58−1154
38号等に記載されている。本発明における各種処理液
は10℃〜50℃において使用される。通常は33℃〜38℃の
温度が標準的であるが、より高温にして処理を促進し処
理時間を短縮したり、逆により低温にして画質の向上や
処理液の安定性の改良を達成することができる。
【0045】
【実施例】以下に、実施例により本発明を更に詳細に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 実施例1
【0046】 磁性塗料の調製 下記(処方1)の磁性塗料成分をオープンニーダーに仕
込んで1時間混練した後、次いで溶剤・バインダーの不
足分を加えて(処方2)の磁性塗料とし、これをピン型
ミルで分散した。次いでさらに(処方3)になるように
不足分のバインダー・溶剤を加えて希釈し、塗布液とし
た。 (処方1) Co含有 針状γ−酸化鉄微粉末 (SBET 45.0 g/m2 ,Hc 800 Oe, σs 70 emu/g) 1000重量部 ジアセチルセルロース 20重量部 メチルエチルケトン 90重量部 シクロヘキサノン 90重量部 (処方2) Co含有 針状γ−酸化鉄微粉末 (SBET 45.0 g/m2 ,Hc 800 Oe, σs 70 emu/g) 10重量部 ジアセチルセルロース 10重量部 メチルエチルケトン 45重量部 シクロヘキサノン 45重量部 (処方3) Co含有 針状γ−酸化鉄微粉末 (SBET 45.0 g/m2 ,Hc 800 Oe, σs 70 emu/g) 1重量部 ジアセチルセルロース 10重量部 メチルエチルケトン 100重量部 シクロヘキサノン 100重量部 コロネートL(日本ポリウレタン工業製) 2重量部
【0047】 ベースの作成 予め紫外線照射処理されたポリエチレンテレフタレート
ベース(100μm)上に下記下塗り液を塗布・乾燥し
た後、で調製した磁性塗料塗布液をその上に塗布・乾
燥した。得られる磁気記録層の光学濃度Dmax が0.1
0になるように塗布量を調節した。得られたベースの磁
気記録層の厚みは約1μmであった。また、塗布・乾燥
の段階で磁場配向処理を行った。磁場配向処理は、磁力
3000ガウスの磁石を塗布直後に設置して行った。2
つの同一磁力の磁石でベースをはさむ形に設置し、ベー
スとの距離は5mmとした。なお、磁気記録層のある面を
バック面とした。 (下塗り液) SnO2/Sb2O3/SiO2 (90/10/0.5 平均粒径 0.15μm) 0.18 mg/m2 ジアセチルセルロース 0.32 g/m2 エアロジル 0.02 〃 ポリメチルメタクリレート 0.32 〃 ポリ(メチルメタクリレート/ジビニルスチレン) (モル比 95:5)(平均粒径 0.2μm) 0.01 〃 ジメチルシリコン 0.01 〃
【0048】 感光材料の調製 下記の組成の各層を重層塗布し、多層カラー感光材料で
ある試料を作製した。 第1層:ハレーション防止層 黒色コロイド銀 0.20g ゼラチン 1.9 g 紫外線吸収剤U−1 0.1 g 紫外線吸収剤U−3 0.04g 紫外線吸収剤U−4 0.1 g 高沸点有機溶媒Oil−1 0.1 g 染料E−1の微結晶固体分散物 0.1 g
【0049】第2層:中間層 ゼラチン 0.40g 化合物Cpd−C 5 mg 化合物Cpd−J 5 mg 化合物Cpd−K 3 mg 高沸点有機溶媒Oil−3 0.1 g 染料D−4 0.8 mg
【0050】 第3層:中間層 表面及び内部をかぶらせた微粒子沃臭化銀乳剤(平均粒径0.06μm、 変動係数18%、AgI含量 1モル%) 銀量 0.05g ゼラチン 0.4 g
【0051】第4層:低感度赤感性乳剤層 乳剤A 銀量 0.3 g 乳剤B 銀量 0.2 g ゼラチン 0.8 g カプラーC−1 0.15g カプラーC−2 0.05g カプラーC−3 0.05g カプラーC−9 0.05g 化合物Cpd−C 5 mg 化合物Cpd−J 5 mg 高沸点有機溶媒Oil−2 0.1 g 添加物P−1 0.1 g
【0052】第5層:中感度赤感性乳剤層 乳剤B 銀量 0.2 g 乳剤C 銀量 0.3 g ゼラチン 0.8 g カプラーC−1 0.2 g カプラーC−2 0.05g カプラーC−3 0.2 g 高沸点有機溶媒Oil−2 0.1 g 添加物P−1 0.1 g
【0053】第6層:高感度赤感性乳剤層 乳剤D 銀量 0.4 g ゼラチン 1.1 g カプラーC−1 0.3 g カプラーC−2 0.1 g カプラーC−3 0.7 g 添加物P−1 0.1 g
【0054】第7層:中間層 ゼラチン 0.6 g 添加物M−1 0.3 g 混色防止剤Cpd−I 2.6 mg 染料D−5 0.02g 化合物Cpd−J 5 mg 高沸点有機溶媒Oil−1 0.02g
【0055】 第8層:中間層 表面及び内部をかぶらせた沃臭化銀乳剤(平均粒径0.06μm、 変動係数16%、AgI含量 0.3モル%) 銀量 0.02g ゼラチン 1.0 g 添加物P−1 0.2 g 混色防止剤Cpd−A 0.1 g 化合物Cpd−C 0.1 g
【0056】第9層:低感度緑感性乳剤層 乳剤E 銀量 0.1 g 乳剤F 銀量 0.2 g 乳剤G 銀量 0.2 g ゼラチン 0.5 g カプラーC−4 0.1 g カプラーC−7 0.05g カプラーC−8 0.20g 化合物Cpd−B 0.03g 化合物Cpd−D 0.02g 化合物Cpd−E 0.02g 化合物Cpd−F 0.04g 化合物Cpd−J 10 mg 化合物Cpd−L 0.02g 高沸点有機溶媒Oil−1 0.1 g 高沸点有機溶媒Oil−2 0.1 g
【0057】第10層:中感度緑感性乳剤層 乳剤G 銀量 0.3 g 乳剤H 銀量 0.1 g ゼラチン 0.6 g カプラーC−4 0.1 g カプラーC−7 0.2 g カプラーC−8 0.1 g 化合物Cpd−B 0.03g 化合物Cpd−D 0.02g 化合物Cpd−E 0.02g 化合物Cpd−F 0.05g 化合物Cpd−L 0.05g 高沸点有機溶媒Oil−2 0.01g
【0058】第11層:高感度緑感性乳剤層 乳剤I 銀量 0.5 g ゼラチン 1.0 g カプラーC−4 0.3 g カプラーC−7 0.1 g カプラーC−8 0.1 g 化合物Cpd−B 0.08g 化合物Cpd−E 0.02g 化合物Cpd−F 0.04g 化合物Cpd−K 5 mg 化合物Cpd−L 0.02g 高沸点有機溶媒Oil−1 0.02g 高沸点有機溶媒Oil−2 0.02g
【0059】第12層:中間層 ゼラチン 0.6 g 化合物Cpd−L 0.05g 高沸点有機溶媒Oil−1 0.05g
【0060】第13層:イエローフィルター層 黄色コロイド銀 銀量 0.07g ゼラチン 1.1 g 混色防止剤Cpd−A 0.01g 化合物Cpd−L 0.01g 高沸点有機溶媒Oil−1 0.01g 染料E−2の微結晶固体分散物 0.05g
【0061】第14層:中間層 ゼラチン 0.6 g
【0062】第15層:低感度青感性乳剤層 乳剤J 銀量 0.2 g 乳剤K 銀量 0.3 g ゼラチン 0.8 g カプラーC−5 0.2 g カプラーC−6 0.1 g カプラーC−10 0.4 g
【0063】第16層:中感度青感性乳剤層 乳剤L 銀量 0.5 g ゼラチン 0.9 g カプラーC−5 0.1 g カプラーC−6 0.1 g カプラーC−10 0.6 g
【0064】第17層:高感度青感性乳剤層 乳剤M 銀量 0.2 g 乳剤N 銀量 0.2 g ゼラチン 1.2 g カプラーC−5 0.1 g カプラーC−6 0.1 g カプラーC−10 0.6 g 高沸点有機溶媒Oil−2 0.1 g
【0065】第18層:第1保護層 ゼラチン 0.7 g 紫外線吸収剤U−1 0.2 g 紫外線吸収剤U−2 0.05g 紫外線吸収剤U−5 0.3 g ホルマリンスカベンジャー Cpd−H 0.4 g 染料D−1 0.15g 染料D−2 0.05g 染料D−3 0.1 g
【0066】 第19層:第2保護層 コロイド銀 銀量 0.1mg 微粒子沃臭化銀乳剤(平均粒径0.06μm、AgI含量 1モル%) 銀量 0.1 g ゼラチン 0.4 g
【0067】 第20層:第3保護層 ゼラチン 0.4 g ポリメチルメタクリレート(平均粒径1.5 μ) 0.1 g メチルメタクリレートとアクリル酸の4:6の共重合体 (平均粒径1.5 μ) 0.1 g シリコーンオイル 0.03g 界面活性剤W−1 3.0 mg 界面活性剤W−2 0.03g
【0068】また、すべての乳剤層には上記組成物の他
に添加剤F−1〜F−8を添加した。さらに各層には上
記組成物の他にゼラチン硬化剤H−1及び塗布用、乳化
用界面活性剤W−3、W−4、W−5、W−6を添加し
た。更に防腐、防黴剤としてフェノール、1,2−ベン
ズイソチアゾリン−3−オン、2−フェノキシエタノー
ル、フェネチルアルコール、p−安息香酸ブチルエステ
ルを添加した。
【0069】
【表1】
【0070】
【表2】
【0071】
【表3】
【0072】
【化1】
【0073】
【化2】
【0074】
【化3】
【0075】
【化4】
【0076】
【化5】
【0077】
【化6】
【0078】
【化7】
【0079】
【化8】
【0080】
【化9】
【0081】
【化10】
【0082】
【化11】
【0083】
【化12】
【0084】
【化13】
【0085】
【化14】
【0086】 サンプルの加工 試料を35mm巾の24枚撮りのフィルムに裁断加工した。こ
れらの試料の現像は富士写真フイルムカラーリバーサル
処理CR−56処理にて行った。
【0087】次に、これらの試料の評価について記す。 (1) 光学的透明度(Xライト濃度)の測定 Xライト濃度計310TRでステータスAモードでB,
G,R各フィルターを通した光学濃度(透過濃度)を測
定し、サンプルの光学濃度と参照サンプルの光学濃度の
差をそれぞれDB , DG , DR と表し、これらの中で最
大となるものをDMAX とする。 (2) 磁気記録性能(S/N比)評価 各サンプルをトラック幅1.5mm、ヘッドギャップ7μ
m、ターン数1000の入出力可能なヘッドを用いて、
100mm/sの送り速度で1000bpiの記録密度信
号を記録する。その後、同一ヘッド、同一速度で信号を
再生したときの出力SとノイズNの比を測定した。な
お、表記した値は比較例で得られた磁気記録層のS/N
比を0dBとしたときの値である。なお、評価での温湿
度は25℃、60%RHで行った。 (3) 飽和磁束密度(Bm)及び角型比(SQ) 振動試験磁束計(VSM)(東英工業(株)製)を用い
て磁場強度(Hm)5kOeにおける磁気特性を測定し
た。 (4) 粒状性(RMS) の測定 スペキュラー光を光源とし、アパーチャーサイズ80μm
でミクロデンシト測定を行いそのRMS値を求めた。実
施例1において作成した試料について上記評価を行った
結果を表4に記した。
【0088】比較例1 実施例1において、ベースの作成時に磁場配向処理を行
わない以外は全く同様にして磁気記録層を付与した感材
を得た。
【0089】
【表4】
【0090】表4を見てわかる通り、本発明の磁気記録
層は、同一光学濃度において、磁性体の配向度の低いも
のよりも高いS/N比を持つだけでなく粒状性も改良さ
れ、その効果は顕著であった。
【0091】実施例2 磁性塗料の調製、ベースの作成を以下に示す方法で行っ
た以外は、実施例1と全く同じ方法で、感光層を付与、
サンプルを加工し、同一の評価を行った。評価結果は表
5に記した。
【0092】A 磁性体分散液の調整 下記(処方4)の磁性塗料成分をオープンニーダーに仕
込んで1時間混練した後、次いで溶剤・バインダーの不
足分を加えて(処方5)の磁性塗料とし、これをアニュ
ラー型ミルで分散した。次いでさらに(処方6)になる
ように不足分のバインダー・溶剤・硬化剤を加えて希釈
し、塗布液とした。 (処方4) Co含有 針状マグネタイト微粉末 (SBET 48.0 g/m2 ,Hc 750 Oe, σs 80 emu/g) 1000重量部 ゼラチン 30重量部 水 150重量部 ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ 1重量部 (処方5) Co含有 針状マグネタイト微粉末 (SBET 48.0 g/m2 ,Hc 750 Oe, σs 80 emu/g) 30重量部 ゼラチン 30重量部 水 150重量部 ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ 1重量部 (処方6) Co含有 針状マグネタイト微粉末 (SBET 48.0 g/m2 ,Hc 750 Oe, σs 80 emu/g) 1重量部 ゼラチン 10重量部 水 150重量部 ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ 1重量部
【0093】B ベースの作成 予め紫外線照射処理されたポリエチレンナフタレートベ
ース(90μm)上に下記下塗り液を塗布・乾燥した
後、Aで調製した磁性塗料塗布液をその上に塗布・乾燥
した。得られる磁気記録層の光学濃度Dmax が0.05
になるように塗布量を調節した。得られたベースの磁気
記録層の厚みは約1μmであった。なお、磁気記録層の
ある面をバック面とした。 (下塗り液) SnO2/Sb2O3/SiO2 (90/10/0.5 平均粒径 0.15μm) 0.18 mg/m2 ジアセチルセルロース 0.32 g/m2 エアロジル 0.02 〃 ポリメチルメタクリレート 0.32 〃 ポリ(メチルメタクリレート/ジビニルスチレン) (モル比 95:5)(平均粒径 0.2μm) 0.01 〃 ジメチルシリコン 0.01 g/m2 比較例2 実施例2において、ベースの作成時に磁場配向処理を行
わない以外は全く同様にして磁気記録層を付与した感材
を得た。
【0094】
【表5】
【0095】表5を見てわかる通り、本発明の磁気記録
層は、同一光学濃度において、磁性体の配向度の低いも
のよりも高いS/N比を持つだけでなく粒状性も改良さ
れ、その効果は顕著であった。
【0096】
【発明の効果】表4、5の結果からわかるように、本発
明の製造方法によって得られる磁気記録層は、光学的に
透明で(透過濃度が小さい)、S/N比が高く、かつ粒
状性の良好な優れたものである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体の少なくとも一方の側に、ハロゲ
    ン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀写真感光材料におい
    て、該写真感光材料に磁気記録層を少なくとも1層有
    し、その磁気記録層の光学濃度の最大値Dmax が0.3
    以下であり、かつ該磁気記録層の磁性体の配向度が0.
    75以上であることを特徴とする写真感光材料
  2. 【請求項2】 該磁気記録層の光学濃度の最大値Dmax
    が0.1以下である請求項1に記載のハロゲン化銀写真
    感光材料
  3. 【請求項3】 該磁気記録層に使用される磁性体が、強
    磁性γ−酸化鉄微粉末、Co含有の強磁性γ−酸化鉄微粉
    末、強磁性マグネタイト微粉末、Co含有の強磁性マグネ
    タイト微粉末、強磁性二酸化クロム微粉末、強磁性合金
    粉末、バリウムフェライト粉末である請求項1、2に記
    載のハロゲン化銀写真感光材料
  4. 【請求項4】 該ハロゲン化銀写真感光材料の支持体が
    トリアセチルセルロース、ポリエチレンテレフタレー
    ト、ポリエチレンナフタレートである請求項1、2、3
    に記載のハロゲン化銀写真感光材料
JP678593A 1993-01-18 1993-01-19 透明な磁気記録層を有するハロゲン化銀写真感光材料 Pending JPH06214328A (ja)

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