JPH06211947A - アクリル熱可塑性エラストマー - Google Patents

アクリル熱可塑性エラストマー

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JPH06211947A
JPH06211947A JP5203087A JP20308793A JPH06211947A JP H06211947 A JPH06211947 A JP H06211947A JP 5203087 A JP5203087 A JP 5203087A JP 20308793 A JP20308793 A JP 20308793A JP H06211947 A JPH06211947 A JP H06211947A
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JP
Japan
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stage
polymer
thermoplastic elastomer
stage polymer
weight
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Withdrawn
Application number
JP5203087A
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English (en)
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Samuel Jack Makower
サミユエル・ジヤツク・マカウアー
Richard Michael Kopchik
リチヤード・マイクル・コプチク
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Rohm and Haas Co
Original Assignee
Rohm and Haas Co
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Publication date
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F265/00Macromolecular compounds obtained by polymerising monomers on to polymers of unsaturated monocarboxylic acids or derivatives thereof as defined in group C08F20/00
    • C08F265/04Macromolecular compounds obtained by polymerising monomers on to polymers of unsaturated monocarboxylic acids or derivatives thereof as defined in group C08F20/00 on to polymers of esters
    • C08F265/06Polymerisation of acrylate or methacrylate esters on to polymers thereof
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B27/00Layered products comprising a layer of synthetic resin
    • B32B27/06Layered products comprising a layer of synthetic resin as the main or only constituent of a layer, which is next to another layer of the same or of a different material
    • B32B27/08Layered products comprising a layer of synthetic resin as the main or only constituent of a layer, which is next to another layer of the same or of a different material of synthetic resin
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
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    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 少なくとも45重量%のブチルアクリレート
及び少なくとも7重量%のメチルメタクリレートを含む
アクリル熱可塑性エラストマーであって、多段階架橋し
たエマルジョン調製ポリマー粒子の集合体から形成さ
れ、その第一段階はブチルアクリレートから誘導される
ユニットが優勢なポリマーであり、共重合性不飽和カル
ボン酸から誘導されるユニット及び少なくとも1つの多
官能不飽和モノマーから誘導されるユニットを含み、第
二段階ポリマーは第一段階ポリマーの存在下で重合して
第二段階ポリマーを形成するモノマーの平衡なしに形成
され、第二段階ポリマーは50%より多いメチルメタク
リレートから誘導されるユニットであり、第二段階ポリ
マーは第一のポリマーマトリックスの中で架橋した領域
として形成される。 【効果】 物品に成形した場合良好な耐候性、良好な着
色性及び有用な引張り及び伸び特性の釣合いを示す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の背景】熱可塑性エラストマーはプラスチック及
びエラストマー技術分野でよく知られるようになってき
ており、それらは通常の熱硬化性ゴムの弾性と組み合わ
せられて熱可塑性樹脂技術の成形性及び再加工性を提供
する。熱可塑性エラストマーには多くの種類があるが、
本明細書ではこれをTPEと称する。多くの種類に関す
る有用な参考文献はN.R. Legge et al. 〔熱可塑性エラ
ストマー〕(1987)、Hanser Publishers, Vienna
(米国ではMacmillan Publishing, New Yorkが販売)に
掲載されている。Leggeの本はアクリルモノマーに基づ
く熱可塑性エラストマーが風化に対してすぐれた抵抗性
を持つことが期待されているにもかかわらず、それにつ
いては何も言及していない。熱可塑性エラストマーの他
の最近の参考文献もアクリル熱可塑性エラストマーにつ
いては何も述べていない。
【0002】
【従来技術】高いアクリルエステル含量の熱可塑性エラ
ストマーに関しては、従来技術はほとんど何も教えてい
ない。Falk等、米国特許4,473,679はゴム状アク
リルのシェルを持つ多段コア/シェル組成物がTPEと
して有用であることを教えている。Peascoe、欧州特許
出願295,562は架橋した(メタ)アクリレートエ
ステルゴム相及び相互浸透性の架橋したスチレン樹脂相
を教えている。Frankel等、米国特許4,814,373
は軽度に架橋したか又は架橋していないアクリル酸エス
テルの第一段階粒子の中に形成された架橋した領域の凝
固ラテックスから押し出すことができるエラストマー性
アクリルゴム素材を教えている。Koller等、米国特許
5,066,708は防振用組成物として有用なFrankel
等のそれと同様のポリマーを教えている。
【0003】多段階エラストマー重合において得ること
ができる形態について取り組んだいくつかの特許又は研
究論文が存在する。一般にこれらは2相のコア/シェル
構造又は相互浸透性網状構造のいずれかであって、少な
くともその1つの相は架橋しているそれを述べている。
Falk等の参考文献を例外として、コア/シェル構造が本
発明に開示するような性質を持つ魅力ある熱可塑性エラ
ストマーをつくることは示していない。むしろ、このコ
ア/シェルポリマーは噴霧乾燥又は凝固による分離を容
易にし、そして耐衝撃性改質されるべきマトリックスと
の混和性を可能にする堅いシェルに包まれた耐衝撃性を
付与するゴムと説明されている。ゴムに富むコア/シェ
ルポリマーの性質はそれ自身では成形可能な強化弾性物
品としては魅力的というには程遠く、そしてTPE市場
において有用であるために要求される伸び及び引張り値
を与えない。
【0004】Owensの米国特許3,808,180は段階
(メタ)アクリルエマルジョンポリマーをつくるために
有用な乳化剤、グラフト連結用モノマー、架橋用モノマ
ー、開始剤などのすぐれた記述を含み、参照により本明
細書に組み入れるものであるが、しかしながらOwensは
そのような目的にとっていずれの彼の組成物の有用性に
ついても教え又は開示していない。
【0005】「相互浸透性網状構造」は一般に、第二段
階ポリマーすなわち第二モノマーの添加により形成され
るそれは第一のポリマーを包み込むのではなく、むしろ
その中で重合して両方のポリマーが相互連続的な形で存
在する混合物を形成するように合成条件が調整されるこ
とを意味する。しかしながら、従来技術に示された真に
相互浸透する構造はいっそう2つのモノマーのコポリマ
ーのように挙動する傾向があり、そして使用温度におい
てブレンドを強化するより硬質のポリマー段階に十分に
置かれることがなく、その結果貧弱な伸びとその上低温
特性に悪い影響を受けたポリマーを生じる。エラストマ
ーとして望まれる性質の最良の釣合いを実現するのはポ
リ(アクリルアクリレート)第一段階網状構造中におけ
る硬質ポリマーの領域構造の確立である。Sperlingは相
互浸透性網状構造相連続性の議論の中で(Manson and S
perling, 「ポリマーブレンド及び複合材料」、section
8.8.2, pps 266〜269(1976)及びIntern,
J. Polymeric Mat., 1、331(1972)参照)、
コア/シェル形態を示すこともできるポリマー粒子の中
にそのような領域(著者の用語では「細胞構造」)を形
成させる技術が存在し得ると提唱しているが、しかしな
がら著者はそのような構造を形成させ得ることを実験的
に示しておらず、又はどのようにしてそのような構造が
実現されるかを教えておらず、ラテックス膨潤を含まな
い方法によるコア/シェル構造を持たない領域について
は何もふれていない。
【0006】さらに、メチルメタクリレートの第二段階
ポリマー又はメチルメタクリレートから誘導されるユニ
ットに富むコポリマーがコア/シェル構造をつくる強い
推進力を持つことは多段階エマルジョン重合に関する当
業者の知る所である。スチレンの第二段階ポリマーにつ
いて欧州特許出願 '562が教える方法はメチルメタク
リレートに富む第二段階モノマー混合物がコア/シェル
構造に重合するのを抑制するには適当でない。Frankel
等の教える方法は望まれる構造を実現することができる
が、しかしながら第二段階における比較的高濃度の高価
な架橋用モノマー及び第二段階モノマーの重合開始の前
の商業的に魅力のない平衡時間を代償とする。Koller等
は平衡を制限してはいないが、あいかわらず第二段階に
おける高濃度の高価な架橋用モノマーの必要性を教示し
ている。
【0007】Kitagawa等は欧州公開特許出願443,8
64において、熱可塑性エラストマーとして行動するア
クリル多段階ポリマーを教えているが、第二段階ポリマ
ーは高価なマレイミドユニットと連鎖移動剤を含まなけ
ればならない。その上、Kitagawa等はTPEが「海中の
島」構造を持ち、この場合「島」又は領域は構造の架橋
したアクリレート部分であると教えており、従ってそれ
らの形態は本発明のそれとは異なる。Kitagawa等はメチ
ルメタクリレートホモポリマー又はマレイミドモノマー
の不存在下において他のビニルモノマーと共重合させた
メチルメタクリレートに基づくTPEに関する知見又は
製造方法について何も教えていない。
【0008】従って、従来技術は極めて高い割合のすべ
ての強化用ユニットが(メタ)アクリルエステルから誘
導される熱可塑性エラストマーの製造のための魅力的な
合成経路を示していないし、又は従来技術は膨脹するT
PE市場における特定の必要性に適合する有用な物質と
してのアクリル熱可塑性エラストマーの有用性について
何も示していない。
【0009】
【発明の要旨】我々は成形又は押出し成形物品の形態の
アクリル熱可塑性エラストマーを発見し、このエラスト
マーは少なくとも45重量%のブチルアクリレートから
誘導されるユニット及び少なくとも7重量%のメチルメ
タクリレートから誘導されるユニットを含み、前記エラ
ストマーは既知のASTM検査法で測定した場合(脆化
温度以外室温で)、次の性質:a)ASTM D−39
5−85により、40(パーセント)より小さい圧縮永
久歪、b)ASTM D−638−89により測定した
場合、少なくとも約550psi(3800kPa)より少な
い引張り強さ、c)ASTM D−638−89により
測定した場合、少なくとも300%好ましくは約400
〜約700%の引張り伸び、d)ASTM D−104
3−87により測定した場合、約−20℃より低く好ま
しくは約−35℃より低い脆化温度又の呼称はクラッシ
ュ・バーグ温度を持ち、このアクリルTPEは多段階エ
マルジョン調製ポリマー粒子の集合体から形成され、第
一段階はブチルアクリレートから誘導されるユニットが
優勢なポリマーであり、そして少なくとも2〜約10重
量%の共重合性不飽和カルボン酸から誘導されるユニッ
トを含み、第二段階ポリマーは第一段階ポリマーの存在
下で重合して第二段階ポリマーを形成するモノマーの重
合の開始の前に、重合して第二段階ポリマー及び第一段
階ポリマーを形成するモノマーの如何なる平衡も存在さ
せないで形成され、第二段階ポリマーは第一ポリマーマ
トリックスの中で架橋した領域として形成され、第二段
階ポリマーは全段階のエマルジョンポリマー粒子の40
重量部より少なく、第二段階ポリマーはマレイミド又は
そのN置換誘導体から誘導されるユニットがなく、そし
て第二ポリマーは約5重量%より少ない少なくとも1つ
のポリ不飽和モノマーから誘導されるユニットを含むも
のである。
【0010】本発明者等はさらにエマルジョン粒子の粒
子寸法を約200nm又はそれより小さくすることによ
り、ASTM−D−1003 TWLT試験により測定
した場合改良された着色などに有用な35%より大きい
透明度を示すTPEを製造する方法を発見した。このよ
うなTPEはさらに充填剤、可塑剤、抗酸化剤、抗オゾ
ン化剤、紫外線安定剤、顔料又は染料の少なくとも1つ
を含ませることができ、そしてさらに約15部(TPE
に基づく)までの脂肪族ポリアミドとブレンドすること
ができる。
【0011】好ましいTPEはさらに、第一段階ポリマ
ーがブチルアクリレートから誘導されるユニットの少な
くとも70重量%であり、そして第二段階ポリマーがメ
チルメタクリレートから誘導されるユニットの少なくと
も55重量%であることを特徴とする。ブチルアクリレ
ートはアルキルアクリレートから選ばれるモノマーの弾
性及び低温性能の最良の組合わせを与える点から好まし
い。ブチルアクリレートはホモポリマーとして使用する
ことができ、又は約30%までの他のビニルモノマー、
特に他のアクリルアクリレート例えばメチルアクリレー
ト、エチルアクリレート及び2−エチルヘキシルアクリ
レート、アルキルメタクリレート例えばブチルメタクリ
レート、オクチルメタクリレート、ラウリルメタクリレ
ートなど、ビニルエステル例えば酢酸ビニル、芳香族モ
ノマー例えばスチレン、又はビニルニトリル例えばアク
リロニトリルなどと共重合させることができる。
【0012】さらに、TPE性能を実現するには、約4
0重量%より少ない二段階重合が最終段階であるべきで
あり、それより多く使用するといくらかのコア/シェル
構造が発達することがあり、そしてここに記述した性質
特に伸びが悪い影響を受ける。他の目的例えば他の熱可
塑性樹脂の耐衝撃性改質のため、又は比較的硬質のTP
Eをつくるため、いくらか高い水準を使用することがで
きる。
【0013】第二段階ポリマーが約55%より少ないメ
チルメタクリレートの場合、引張り強さ及び硬度により
例示されるその性質は含量が55%より多い場合ほど望
ましい釣合いではない。より高いメチルメタクリレート
の含量の主要な利点は耐候性であろう。約100%まで
の含量のメチルメタクリレートを使用することができる
が、しかしながら後に討論するように本発明の処理条件
においてはメチルメタクリレートの重合の前に酸の中和
をしないかぎり、いくらかのコア/シェル形成を防ぐこ
とが困難になる。従って、本発明のTPEは第二段階ポ
リマーがさらに約20重量%〜約45重量%のビニル芳
香族モノマー例えばスチレン、p−メチルスチレン、ク
ロロスチレン、ビニルトルエンなどから誘導されるユニ
ットを含むのが好ましい。費用の点からスチレンが好ま
しい。
【0014】TPEは第一段階ポリマーが約2重量%〜
約10重量%の少なくとも1つの不飽和カルボン酸を含
む組成物からなる。1つの好ましい具体化はカルボン酸
が一部分好ましくは少なくとも40%がアンモニウム塩
の形に中和されている組成物からなり、この場合アンモ
ニウムはNH4(+)、NH3R(+)、NH22(+)、又は
NHR3(+)(Rはアルキル基である)を意味する。こ
れはpHを適当なアミン又はアンモニアで少なくともpH=
7に調節することにより実行することができる。金属塩
による中和は熱可塑性エラストマーの性質を持つ生成物
をつくるが、しかしながらこの物はその極めて高い粘性
のため加工が著しく困難である。このアンモニウム塩は
第二段階ポリマー形成の間及び通常の分離の間は存在す
るが、熱にさらすとアンモニア又はアミンは脱蔵され、
そして最終の成形生産物は遊離酸形態で共重合した酸を
含む。
【0015】さらに、加工の間の寸法安定性を維持する
ため、第一段階ポリマーが約0.2〜約10重量%の多
官能不飽和モノマーを含むのが好ましい。その上さら
に、再加工の間の硬度を維持するためには、第二段階ポ
リマーが約0.5〜約2.0重量%の多官能不飽和モノマ
ーから誘導されるユニットを含むのが好ましい。
【0016】
【発明の詳述】本発明の本質は熱可塑性エラストマーと
して有用な多段階アクリルポリマーを最初に形成された
ポリアクリレートラテックスの中で形成される第二のポ
リマーのモノマーのための計画的な膨潤又は平衡段階を
含まないエマルジョン法によりつくることができる。こ
れは新しい粒子が形成されない条件、すなわち臨界ミセ
ル濃度に少なくとも近く、そして好ましくはそれより低
い乳化剤水準の条件下において付随する重合を伴う、バ
ッチ又は漸次添加法(gradual addition methods)によ
り第二段階重合を実行することにより実現される。さら
にこの重合はコモノマー例えばビニル芳香族モノマーを
使用して、この芳香族モノマーを全第二段階モノマーユ
ニットの小量部分として存在させることにより、そして
第一のポリマー段階における酸基の存在により達成され
る。ビニル芳香族モノマー及び弱塩基で中和した酸基の
両方が存在して生成するTPEの物理的特性の最良の釣
合いが確実に得られることが極めて好ましい。
【0017】使用する合成法は多年の間この技術分野で
逐次又は段階的エマルジョン重合として知られているそ
れに酷似している。最初にブチルアクリレートが優勢な
架橋したポリマーが既知の方法により、バッチ又は漸次
添加法のいずれかにより、粒子寸法が調節されそして乳
化剤量が、粒子が重合の早い時期に一旦確立されるとそ
の後新しい粒子が形成されないために十分低い水準にと
どまる条件下でつくられる。いくつかの慣用的なエマル
ジョン重合開始剤を使用することができるが、より広い
温度範囲にわたって重合を活性化するレドックス開始剤
を利用するのが好ましい。逐次エマルジョン重合に有用
であることが知られている種々の乳化剤を使用すること
ができ、重合のきれいさ(cleanliness)にとって好ま
しいのはドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムであ
る。ラテックスとモノマーはエステル基を含むので、加
水分解を避けるため約8より高くないpHで重合を実行す
るのが好ましい。約100nm〜約180nmの粒子寸法範
囲が合成を容易にするために好ましいが、より大きい又
はより小さい粒子寸法も使用することができる。
【0018】既述のように、第一段階重合混合物の主要
成分はブチルアクリレートである。小量の、約20%ま
でのエチルアクリレートが引張り強さをいくらか高め、
そしてやや高い剛性のTPEをつくるために好ましい。
ポリマーを低温にさらす必要がない場合、より多くのエ
チルアクリレートを使用して引張り強さ及び剛性をさら
に高めることができる。スチレンのようなモノマーを約
20%量まで存在させて屈折率を第二段階ポリマーのそ
れに適合させるように上げ、そして明澄度又は着色剤の
添加に対する反応を改良することができる。
【0019】次の議論及び特許請求の範囲における用語
「多官能不飽和モノマー」はOwensが定義した架橋用モ
ノマー又はグラフト連結用モノマーのいずれかを指すも
のとする。架橋用モノマーはOwensが記述したそれのい
ずれかを選ぶことができる。Owensが定義したグラフト
連結用モノマーが上述の水準で存在するのが好ましく、
ジアリルマレエート及びアリルメタクリレートが好まし
い。
【0020】Owensはコア/シェルポリマーをメチルメ
タクリレートポリマーの耐衝撃性改良剤として使用する
場合、ウォーター・ヘージング(water-hazing)を抑制
する目的で彼の第一段階ポリマーに親水性モノマーの存
在を教えている。彼の親水性モノマーの表にはアクリル
及びメタクリル酸があるが、しかしながら彼はその用途
を例示しておらず、又は酸基を中和して第一段階ポリマ
ーの中にカルボン酸塩ユニットを遊離する条件下でその
重合を実行していないか又は実行を教えていない。Fran
kel等は酸基の中和を教えているが、そのような中和が
平衡段階なしに領域構造の合成を可能にすることを認識
していない。本発明においては、少なくとも約2重量%
の共重合性不飽和酸、例えばアクリル酸、メタクリル
酸、イタコン酸、アクリルオキシプロピオン酸などを重
合の間に使用し、次いで好ましくはこれらの少なくとも
一部分を第二段階重合を実行する前に中和することが必
要である。中和は水酸化アンモニウム、メチルアミンな
どのような塩基を用いて実行することができる。他の塩
基による中和は、大部分のアンモニア中和との併用を含
めて、結果として生じる高い加工トルクが抑止力となら
ない場合使用することができる。
【0021】第二段階重合の条件は新しいポリマー粒子
をつくる過剰の乳化剤がないこと、酸基が第一段階ラテ
ックス中に、メチルメタクリレートに極めて富む組成と
して存在し、これらの基は第二段階モノマーの開始前少
なくとも一部分が中和されていること、第二段階モノマ
ー組成は少なくとも55%のメチルメタクリレートであ
ること、そして開始前第一ポリマー粒子の存在下で第二
段階モノマーの計画的な平衡段階がないことを要する。
この開始は室温又はそれより高温で始めることができ、
熱により開始しても又はレドックス開始によってもよ
く、そして第二のモノマーはすべてを一度に又は徐々に
添加することができる。
【0022】第二段階ポリマーの領域は小さく、一般に
約2〜50ナノメーター、好ましくは10〜30ナノメ
ーターの程度であり、これが第二段階領域形成ポリマー
の屈折率が第一段階ポリマーのそれに正確に適合しない
場合でも分離ポリマーがすぐれた光学的性質を示す原因
である。第二段階モノマーはOwensが記述したグラフト
連結用及び/又は架橋用モノマーの少なくとも1つをす
べての第二段階モノマーの重量に基づいて約0.2〜約
2.0重量%の水準で含むのが極めて好ましい。
【0023】重合完了後、ポリマー粒子は適当な光及び
熱に対する安定剤と配合することができる。そのような
安定剤は分離する前にポリマーエマルジョンに添加する
ことができる。
【0024】用語「集合体」はアクリルTPEがそれに
よって使用され、そしてそれについて物理的、化学的、
及び形態的パラメーターを測定する形態を表すために選
ばれた。領域構造は個々の粒子において認めることがで
きるが、粒子の集合体につきそのような形状を調べるの
がはるかに容易である。この集合体はエマルジョンを必
要により加熱して蒸発し凝集性フィルム形成させるか、
又は凝固により又は別の方法でポリマーエマルジョンを
不安定にし、次いで熱及び/又は圧力をいくらか加えて
凝集性シート、フィルム、成形品又は押出物を形成させ
ることによりつくることができる。
【0025】エマルジョン中でつくられた粒子は種々の
方法で乾燥固体として分離することができる。粒子は一
般に柔らかすぎて噴霧乾燥するのが困難であり、そして
分離を助けるため米国特許5,066,708に記述され
た方法と同様にして第三の硬質の非架橋相を粒子上に重
合させることができる。このようなポリマーはいくらか
より剛性且つ硬質になる。被覆に要する第三相ポリマー
の量を減らすため粒子の部分的凝集を第三段階の形成及
び噴霧乾燥の前に実行することができる。
【0026】好ましい分離方法は凝固及び脱水である。
エマルジョンは塩の添加により、凍結及び融解により、
又は水混和性溶剤の添加により凝固させることができ
る。「塩」は塩化ナトリウムに限定されず、凝固技術に
おいて使用する多くの水溶性物質例えばナトリウム、カ
リウム、カルシウム、亜鉛、アルミニウム又はマグネシ
ウムの可溶性の例えば硝酸塩、塩酸塩、硫酸塩、リン酸
塩、次亜リン酸塩などを含む。
【0027】湿潤ケーキは濾過及び乾燥により脱水し、
好ましくは最終乾燥の前ポリマーから水、塩、乳化剤な
どをしぼり取る機械的操作を加えることができる。合成
又は天然ゴムラテックスの凝固及び分離に使用する装置
例えばアンダーソンエキスペラーをこの目的に使用する
ことができる。連続凝固を使用することができる。非圧
縮粉末が望まれる場合、硬質ポリマーの外側段階を重合
させる噴霧乾燥ポリマーについて上で述べた方法を使用
することができ、又はGrandzol等が米国特許4,463,
131で教える段階凝固法(staged coagulation metho
d)を使用することができる。
【0028】特に好ましい方法は押出機凝固とそれに続
く洗浄及び液体状態における脱水である。そのような操
作はBortnickが米国特許3,751,527で教えてお
り、この開示は参照により本明細書に組み入れる。この
操作においてはTPEをペレットとして回収し、これを
容易に最終製品に加工することができる。Bortnickが教
えるように多くの凝固剤を使用することができる。良好
な色が得られる好ましい凝固剤はHungが米国特許4,6
02,083で教える次亜リン酸カルシウムであり、こ
の開示は参照により本明細書に組み入れる。
【0029】一旦ペレットとして分離すると、アクリル
TPEは圧縮成形、押出し成形又は射出成形により最終
物品に加工することができる。好ましいのは射出成形で
あり、なぜならそれは種々の有用な物品の製造により適
合性であるからである。成形のための装置はLegge等が
議論している他の熱可塑性エラストマーのためのそれと
類似する。
【0030】TPEは添加剤例えば熱又は酸化安定剤、
抗オゾン化剤、染料、着色剤、充填剤、滑剤などを、特
に風雨にさらす条件下で使用する場合含ませることがで
きる。この目的に有用な物質は亜リン酸塩例えばトリス
(ノニルフェニル)ホスファイト、硫黄化合物例えばジ
ラウリルチオジプロピオネート、滑性にする目的のワッ
クス例えばパラフィンワックス、置換フェノール抗酸化
剤例えばオクタデシル・3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシヒドロシンナメート又はトリエチレングリコ
ール・ビス・3−(3′−t−ブチル−4′−ヒドロキ
シ−5′−メチルフェニル)プロピオネート、及びベン
ゾトリアゾール光安定剤例えば2−(2′−ヒドロキシ
−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールである。
【0031】アクリルTPEは容易に着色されてポリオ
レフィンに基づく慣用的なTPEより明るい外観の物質
にすることができる。
【0032】わずかに高い引張り強さが要求されるある
種の用途のために、この熱可塑性エラストマーをさらに
約15部までの強化用添加剤例えば結晶又は結晶性ポリ
マーとブレンドすることができる。約15部までの脂肪
族ポリアミドが好ましく、例えばポリカプロラクタム
(ナイロン6)又はポリ(ヘキサメチレンジアミンアジ
パミド)(ナイロン66)である。ブレンド操作は加工
前にペレットを緊密に混合するか又は凝固工程からペレ
ットを分離する前結晶ポリマーを溶融形態で脱水した溶
融TPEに添加することにより最良に実行することがで
きる。
【0033】アクリルTPEの加工は現在のTPE技術
において知られている方法、例えば圧縮成形、押出し及
び射出成形により実行することができる。押出しがシー
トの製造に有用であり、このシートから物品を打ち抜く
ことができ、又は形材押出し例えばガスケット製造に有
用である。射出成形は多くの有用な商業製品の製造に有
用である。
【0034】射出成形は例えばArburg Allrounder射出
成形機により例えば実施例に示すような条件下で実行す
ることができる。シート押出しは例えばHaake2軸スク
リュー押出機により、1/8インチ(6.35mm)のシ
ートダイ(154℃に調整)、138℃のバレル温度、
及び60rpmのスクリュー速度で実行する。異形押出し
ダイを備える単軸スクリュー押出機を使用する場合、後
部ゾーンは171℃、すべての他のゾーン及びダイは1
88℃、そしてスクリュー速度は20rpmに調整する。
【0035】多くの有用な物品を本発明のアクリルTP
Eからつくることができる。それには自動車用部品例え
ばバンパー、バンパーカバー(良好な耐候性のため)、
エアバッグカバー、車内装飾材料、空気調和機用リップ
シール、照明用ガスケット、装飾パネルの支持材用防振
材料、ラブストリップ(rub strips)、ホース、ガスケ
ット、シール用O−リングなど;家庭用物品例えば容
器、マット類、窓用ガスケット、台所用品など;おもち
ゃ;工業用物品例えば車輪、ベローズ、ガスケットシー
ル、ハンドル、グリップ、制振材、モーター取付台な
ど;医療用品例えば管、耳栓、シール及びガスケットな
ど;及び非アクリルTPEのために教示されている多く
の他の用途を含む。いくつかのこれらの用途のため、本
発明のTPEを他のTPE又は1つ又はそれより多い熱
可塑性ポリマー、例えばポリ(ビニリデンフルオリ
ド)、ポリ(ビニルクロリド)、ポリカーボネート、ポ
リエステル例えばポリ(エチレンテレフタレート)又は
ポリ(ブチレンテレフタレート)、ポリオレフィン、ポ
リメタクリレート、ポリスチレンなどとブレンドするこ
とにより向上した特性を実現することができる。
【0036】本明細書で定義するアクリルTPEの一つ
の利点は、それらがその物理的特性を失うことなく数回
再加工できることである。
【0037】本明細書で定義するアクリルTPEはいく
つかの他の用途を持つ。それらはラテックスから強靭、
凝集性で粘着性でないフィルムを形成するから、それら
は浸漬グローブ(dipped gloves)及び類似の物品をつ
くるために使用することができる。分離したポリマーは
メチルメタクリレートのホモ及びコポリマー、ポリ(ビ
ニルクロリド)、スチレン−アクリロニトリルポリマ
ー、及びエンジニアリング樹脂例えばポリカーボネー
ト、ポリ(ブチレンテレフタレート)などのようなポリ
マーの耐衝撃性改質剤として使用することができる。そ
れらは又、制振材料としてKoller等が教える方法と同様
に単独で又は熱硬化性エラストマーと組み合わせて振動
を隔離するために使用することもできる。
【0038】適当な配合により、ラテックス形態のアク
リルTPEはコーキング材、マスチック、壁装材、セメ
ント質添加剤などとして有用であり、アクリルTPEラ
テックスが有用であるような多くの用途がFrankel等に
より開示されている。
【0039】望まれる形態の確認は最小の熱経歴で薄膜
に流延しついでフィルムを検査することによるポリマー
粒子の直接の検査、又は成形品を検査することによりな
される。試料はアクリル基又はスチレン基のいずれかを
選択的にハイライトに染色することができ、もっとも有
効な方法はスチレン基のルテニウム染色法である(Tren
t et al., Macromolecules, 16,588(198
3))。粒子構造の検査には、10%のエマルジョンを
ブチルアクリレート52/メチルメタクリレート46.
7/メタクリル酸1.3のバインダーエマルジョンと配
合し、そして通常はラウリル硫酸ナトリウムである追加
の乳化剤(5%)を添加した。試料をフィルムに乾燥
し、低温切断し(cryosectioned)、そして四酸化ルテ
ニウム蒸気に1時間さらした。
【0040】実施例1 次の実施例はここで特許請求する代表的TPEの製造を
記述する。撹拌器、液体添加用装置、還流コンデンサ
ー、及び窒素スパージラインを備える適当な反応容器に
630部の水を添加し、これを窒素で1時間スパージす
る。別に開始剤溶液A、B及びCを調製する。Aは水中
の1%t−ブチルヒドロペルオキシドであり、Bは水中
の1%ナトリウム・ホルムアルデヒド・スルホキシラー
トであり、Cは水中の1%硫酸第一鉄である。別に水1
68部、乳化剤(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウ
ム)16.0部、ブチルアクリレート(BA)536.4
部、エチルアクリレート(EA)144部、メタクリル
酸(MAA)18部、アクリル酸(AA)18部、ジア
リルマレエート(DAlM)2.9部、及びブチレング
リコールジアクリレート(BGDA)0.7部のエマル
ジョンをつくり、エマルジョンを115部の洗浄水と一
緒に撹拌しながら秤量済み部分(ショット)に分割す
る。
【0041】反応容器中の水に2.8部のドデシルベン
ゼンスルホン酸ナトリウムを添加する。スパージを止
め、45部のモノマーエマルジョンを添加し、次に4.
3部の溶液A、次に2.8部の溶液B、次に0.5部の溶
液Cを5部の洗浄水と一緒に、次に23部の洗浄水を添
加する。発熱が起こって31℃に到達し、発熱ピークの
15分後90部のモノマーエマルジョンと23部の洗浄
水、次いで8.6部の溶液Aと5.4部の溶液Bを添加す
る。発熱が起こって43℃に達し、発熱ピークの15分
後180部のモノマーエマルジョンと23部の洗浄水、
次いで17.1部の溶液Aと10.8部の溶液Bを添加す
る。発熱が起こって57℃に達する。発熱ピークの10
分後360部のモノマーエマルジョンと23部の洗浄
水、次いで34.2部の溶液Aと22.5部の溶液Bを添
加する。発熱が起こって75℃に達し、発熱ピークの1
5分後反応物を50℃に冷却し、そして次に229部の
モノマーエマルジョンと23部の洗浄水、次いで20.
7部の溶液Aと14.5部の溶液Bを添加する。最終発
熱の15分後10部の水中の0.13部のt−ブチルヒ
ドロペルオキシド及び10部の水中の0.09部のナト
リウム・ホルムアルデヒド・スルホキシラートを添加す
る。発熱はもはや認められない。
【0042】別に23部の水、2部のドデシルベンゼン
スルホン酸ナトリウム、54部のスチレン(St)、1
24.2部のメチルメタクリレート(MMA)、1.26
部のジビニルベンゼン(DVB)、及び0.54部のブ
チレングリコールジアクリレートのエマルジョンをつく
る。第一段階エマルジョンを85℃に加熱し、そして第
二のモノマーエマルジョン混合物を30分間かけて添加
する。同じ開始時間に36部の水中の過硫酸ナトリウム
(0.9部)の開始剤溶液を35分かけて添加する。反
応混合物を85℃で15分間長く撹拌し、次いで段階1
におけると同じ方法で2回「追跡する」(chased)。こ
のエマルジョンを冷却し、そしてチーズクロスで濾過し
てすべてのゲルを取り除く。
【0043】実施例2 次の実施例はここで特許請求する代表的TPEの製造を
記述しており、この場合第一段階酸含有ポリマーを第二
段階重合を実行する前に中和する。第一段階重合は実施
例1におけるように実行する。希釈したアンモニア(約
14%)をエマルジョンにpHが7.4に達するまで撹拌
しながら滴加する。次いでエマルジョンを85℃に加熱
し、そして第二段階反応を実施例1におけるように実行
する。
【0044】実施例3 次の実施例は実施例2の3回反復調製物の組合わせの分
離、成形及び評価を記述する。1つのエマルジョンの一
部分をドライアイス/アセトン浴中での凍結、融解、及
び濾過、次いで60℃で真空オーブン乾燥により分離す
る。凝固試料は単軸押出機でペレット化し、次いでこの
ペレットを1.5オンス(48.7グラム)の容量及び2
8トン(2.54×10(4))の締付力のArburg Allrou
nder射出成形機を使用し、ノズルを154℃、ゾーン3
を149℃、ゾーン2とゾーン1を138℃、そして金
型を38℃に調整して射出成形する。1秒の射出成形時
間、15秒の保持時間、及び32秒の一周時間が使用条
件の代表例である。射出圧は3445kPa、そしてスク
リュー速度は200rpmである。金型は標準のASTM
系型である。この成形品はなめらかで魅力ある外形であ
る。TWLTは73%そして曇り価は70%である。
【0045】残りの併合エマルジョンはHungの参考文献
に開示されているように3.2mmのWelding Extruder反
転非かみ合い2軸スクリュー押出機を使用して凝固によ
り分離するが、但し凝固は単軸スクリュー押出機で実行
し、次に押出機は凝固ポリマー及び水性媒質を脱水ゾー
ンに供給する。凝固剤は次亜リン酸カルシウム/酢酸
(次亜リン酸塩の10%)であり、ラテックス固体に対
して全量1%である。水及びすべての揮発性残留物を除
いた後、安定剤例えばトリス(ノニルフェニル)ホスフ
ァイト、ジラウリルチオジプロピオネート、ヒドロキシ
ベンゾトリアゾールなどを押出しの前に添加する。分離
したペレットは上述のように成形する。報告する試料は
射出成形方向を横切って切断する。
【0046】
【表1】
【0047】実施例4 次の実施例はここで特許請求する代表的TPEの製造を
記述しており、この場合第一段階酸含有ポリマーはメタ
クリル酸のみを含み、酸基は第二段階重合を実行する前
に中和し、そして第二段階モノマーの添加は2つの部分
で実行する。第一段階重合は実施例1のように行い、但
しアクリル酸は同当量のメタクリル酸で置き換える。希
釈したアンモニア(約14%)をエマルジョンにpHが
7.4になるまで撹拌しながら滴下する。次に塩を85
℃に加熱し、そして第二段階反応を実施例1におけるよ
うに徐々に添加しながら実行する。
【0048】実施例4のポリマーを実施例3における直
径0.8インチ(20.3mm)の反転接線2軸スクリュー
押出機により凝固させて分離し、次いで40トンのArbu
rg射出成形機により上述のようにASTM検査用切片に
成形する。ペレットも微粉砕し次いで圧縮成形する。成
形品は標準ASTM検査法で測定した場合下記のような
性質を持つ。
【0049】光学的性質:全光線透過率60%、曇り9
7%、60°光沢度9、表面はなめらか。22時間後圧
縮永久歪は39%である。脆化温度は−37℃である。
圧縮成形試料及び機械方向に平行に(+)、及び機械方
向を横切って(−)それぞれ切断した射出成形試料の物
理的性質は下表の通りである。
【0050】
【表2】 試料を空気オーブン中で125℃で72時間老化させ、
そして物理的性質を再度測定する。
【0051】
【表3】
【0052】試料を種々の液体で72時間処理し、そし
て重量変化の程度及び100%モジュラスを「射出成形
(−)」として測定した試料について下表に示す。同様
の結果が(+)方法で測定した物質からも得られる。高
められた温度におけるASTM#3油の結果を除いて、
熱可塑性エラストマーは液体に対して極めて抵抗性であ
る。
【0053】
【表4】
【0054】実施例5〜7 成形により実施例4の物理的性質と同様にそれを示すポ
リマーを実施例4におけるように製造する。実施例5に
おいては、すべてのブチレングリコールジアクリレート
を両段階から除く。さらに第二段階を2つの部分に分割
し、すべてのジビニルベンゼンを第一の供給において、
そしてn−ドデシルメルカプタン(第二段階モノマーの
0.1%)を第二の供給において添加する。実施例6は
メルカプタンを10倍量使用するが、その他は実施例5
を繰り返す。実施例7においては、いずれの段階にもブ
チレングリコールジアクリレートがなく、第二段階では
それをアリルメタクリレートで置き換える。
【0055】実施例8 組成BA/EA/MAA/DALM/BGDA//MM
A/St/DVB/BGDA=80(74.5/20/
5/0.4/0.1//20(69/30/0.7/0.
3)のポリマーを実施例1の製造方法と同様のそれ、す
なわち、第二段階重合が完了するまで中和しない、メル
カプタンを使用しない、第二段階モノマーの重合の前に
平衡期間を置かない、そして第二段階モノマーを徐々に
添加して製造する。しかしながらアクリル酸は使用しな
い。5ショットの活性剤(B)及び触媒(A)を第一段
階重合で使用する。ポリマーを実施例4におけるように
分離し、成形しそして検査する。
【0056】実施例9 ラテックス形態の実施例8のポリマーを透過型電子顕微
鏡(Hitachi H-7000 STEMを100KeVの加速電圧で作
動)を用いる鏡検により検査する。100,000倍の
倍率で、バインダー中のエマルジョン粒子はポリアクリ
レート第一段階の20〜30ナノメーターの領域寸法を
持つ第二のスチレン含有ポリマーの領域による相互浸透
を明らかに示しており、この場合ラテックスポリマー粒
子の粒子寸法は約150nmである。いくらかの第二段階
ポリマーは粒子の表面でシェルを形成する。
【0057】押し出したペレット及び成形品の形態は類
似し、アクリレート第一段階ポリマーの連続構造(加工
段階の熱経歴の結果として、これが個々のラテックスポ
リマー構造を除去する)及びスチレン含有第二段階ポリ
マーの領域を示す。実施例1〜3又は5〜7のポリマー
は同様の顕微鏡検査で同様の構造を示し、ここでは第二
段階ポリマーが第一段階ポリマーの連続するマトリック
ス中で主として分離した領域として存在する。
【0058】実施例10〜12 これらの実施例は第二ポリマーが本質的にメチルメタク
リレートのホモポリマーであるTPEの製造を記述して
いる。実施例1及び8に類似する方法で、組成BA/E
A/MAA/AA/DAlM/BGDA//MMA/E
A/BGDA=80(x/20/y/z/0.4/0.
1)//20(97.9/1.1/1.0)の段階ポリマ
ー(staged polymers)をつくった。変数は酸存在の有
無及び第一段階後中和の有無であった。実施例10では
x=79.5、y=z=0、pH=3;実施例11はx=
74.5、y=z=2.5、pH=3;実施例12はx=7
4.5、y=z=2.5、pH=7.5である。表示した値
は実施例12からつくられるTPEの硬度は低くて望ま
しく、そして伸びは高いことを示している。実施例10
と11はより剛性であり、そしてその上伸びない。(酸
の併用はメタクリル酸のみを使用する場合より少ない異
方性を生じるが、射出成形値は(+)である。)。
【0059】
【表5】
【0060】実施例13〜16 実施例11と12を繰り返し、但し10%で第二段階
(実施例13と14)、及び30%で第二段階(実施例
15と16)を実施する。再び、このデータはより良好
な伸び、TPEに望ましい性質を持つより軟質のポリマ
ーが第二段階重合の前に中和する酸基により形成される
ことを示している。
【0061】
【表6】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 リチヤード・マイクル・コプチク アメリカ合衆国ペンシルベニア州18966. サウサンプトン.ステイーブンウエイ1335

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも45重量%のブチルアクリレ
    ートから誘導されるユニット及び少なくとも7重量%の
    メチルメタクリレートから誘導されるユニットを含み、
    次の性質 a.40パーセントより小さい圧縮永久ひずみ、 b.少なくとも約550psi(3800kPa)の引張り強
    さ、 c.少なくとも300%の破断点引張り伸び、 d.約−20℃より低い脆化温度 を持つアクリル熱可塑性エラストマーであって、このア
    クリル熱可塑性エラストマーは多段階架橋したエマルジ
    ョン調製ポリマー粒子の集合体から形成され、その第一
    段階はブチルアクリレートから誘導されるユニットが優
    勢なポリマーであり、そして少なくとも約2重量%〜約
    10重量%の共重合性不飽和カルボン酸から誘導される
    ユニット及び約0.2〜約1.0重量%の少なくとも1つ
    の多官能不飽和モノマーから誘導されるユニットを含
    み、第二段階ポリマーは第一段階ポリマーの存在下で重
    合して第二段階ポリマーを形成するモノマーの平衡なし
    に形成され、第二段階ポリマーは50%より多いメチル
    メタクリレートから誘導されるユニットであり、第二段
    階ポリマーは第一のポリマーマトリックスの中で架橋し
    た領域として形成され、第二段階ポリマーは全段階のエ
    マルジョンポリマー粒子の約40重量部より少なく、第
    二段階ポリマーはマレイミド又はそのN置換誘導体から
    誘導されるユニットがなく、そして第二段階ポリマーは
    約0.5重量%から約5重量%より少ない量までの少な
    くとも1つのポリ不飽和モノマーを含む、前記アクリル
    熱可塑性エラストマー。
  2. 【請求項2】 さらに35%より大きい透明度を示し、
    この場合多段階エマルジョン調製ポリマー粒子が約20
    0nmより小さい直径を持つ請求項1記載のアクリル熱可
    塑性エラストマー。
  3. 【請求項3】 さらに充填剤、可塑剤、抗酸化剤、抗オ
    ゾン化剤、紫外線安定剤、顔料又は染料の少なくとも1
    つを含む請求項1記載のアクリル熱可塑性エラストマ
    ー。
  4. 【請求項4】 さらに約15部の脂肪族ポリアミドを含
    む請求項1記載のアクリル熱可塑性エラストマー。
  5. 【請求項5】 さらに、第一段階ポリマーが少なくとも
    70重量%のブチルアクリレートから誘導されるユニッ
    トであり、そして第二段階ポリマーが少なくとも55重
    量%のメチルメタクリレートから誘導されるユニットで
    あることを特徴とする請求項1記載のアクリル熱可塑性
    エラストマー。
  6. 【請求項6】 第二段階ポリマーがさらに約20重量%
    〜約45重量%のビニル芳香族モノマーから誘導される
    ユニットである請求項5記載のアクリル熱可塑性エラス
    トマー。
  7. 【請求項7】 第一段階ポリマーが約2重量%〜約10
    重量%の少なくとも1つの不飽和カルボン酸から誘導さ
    れるユニットを含み、前記カルボン酸は第二段階が形成
    される時少なくとも約40%がアンモニウム塩の形態に
    中和されている請求項1記載のアクリル熱可塑性エラス
    トマー。
  8. 【請求項8】 第二段階ポリマーが約0.5重量%〜約
    2.0重量%の多官能不飽和モノマーから誘導されるユ
    ニットを含む請求項1記載のアクリル熱可塑性エラスト
    マー。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれか一項記載のアク
    リル熱可塑性エラストマーからつくられる成形又は押出
    し成形物品。
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