JPH06211370A - プリンタ用の給紙システム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 用紙が単票紙プリンタの入力ポートに供給さ
れる際に用紙を分離する機構を有する給紙システムを提
供する。 【構成】 セパレータ（２６）は給紙システムに適用す
るために提供され、基部（３４）と耐磨耗性の直立部
（３６）とを備えた剛性を有する本体（３０）を含む。
セパレータ（２６）は、プリンタ入力ポート（１８）に
隣接して取り付けられ、モータ駆動ローラ（２０）に偏
向していて、ローラ（２０）とセパレータの直立部（３
６）の間に入力用紙を挟み込み、それによってローラ
（２０）が最上部用紙（２４ａ）を２番目の用紙及び直
立部（３６）を横切って引き込むようにされる。摩擦的
粘着パッド（３２）は本体（３０）と協働して、直立部
（３６）の前方の領域（４２）に伸張して、２番目の用
紙（２４ｂ）の引き込みに抗するよう２番目の用紙に接
着する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、一般に入力トレーから
プリンタの入力ポートへの用紙の転送に用いられるシス
テムに関し、特に、用紙が単票紙プリンタの入力ポート
に供給される際に用紙を分離する機構を有する給紙シス
テムに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の単票紙プリンタにおいて、用紙は
用紙のスタック（積み重ねたもの）から引き出され、印
刷サイクルを開始すべくプリンタの入力ポートに供給さ
れる。給紙として一般的に知られるかかる動作は、モー
タ駆動のローラを用いて用紙のスタックから最上部の用
紙を引き離すことによって達成される。一般に摩擦的に
粘着するローリング面を有するこのローラは、最上部の
用紙の上部面に対して回転し、プリンタへのその用紙の
搬送を誘導する。

【０００３】連続的に積み重ねられた用紙間の摩擦力に
よって、最上部の用紙の給紙は、望ましくない２番目の
用紙の給紙、即ち紙詰まりを誘導する可能性のある事象
をもしばしば伴う。この問題は、入力スタックが堅いス
タックである場合に特に顕著であり、かかるスタックは
用紙間の摩擦力が大きいという特徴を有する。

【０００４】複数の用紙の給紙を回避するために、セパ
レータとして知られる装置を適合させているプリンタも
ある。摩擦的粘着面を有するセパレータがローラに隣接
してプリンタに取り付けられ、それに係合するように偏
向される。スタックから引き出された用紙は、ローラと
セパレータ間に挿入され、ローラがこの最上部の用紙の
上部面に対して第１の摩擦力を印加し、セパレータが２
番目の用紙の下部面に第２の反対方向の摩擦力を印加す
る。よって、最上部の用紙は２番目の用紙を横切ってプ
リンタへ滑動するように意図される。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかし、前記の構成に
はいくつかの問題がある。第一に、周知のセパレータは
その特徴として最上部の用紙を含めプリンタに入るすべ
ての用紙と係合する。従って、最上部の用紙の取り込み
にはセパレータによる抵抗が存在する。最上部の用紙と
セパレータ間の滑り摩擦係合により、従来開発されたセ
パレータは、過大なダウン時間及び頻繁なセパレータ交
換に通ずる許容できない摩耗をも特徴として有する。さ
らに、給紙された用紙がプリンタの入力ポートを完全に
通過した後、ローラとセパレータを隔てる用紙がなくな
った場合、周知のプリンタは、同様な面の接触による望
ましくない接触音や金属音を発生させる。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明の給紙システムに
は、基部と耐摩耗性の直立部とを備えた剛性を有する本
体を含むセパレータが適用されていて、この直立部の背
面には摩擦的粘着パッドが隣接している。このセパレー
タはプリンタの入力ポートに隣接して取り付けられ、入
力スタックからの最上部の２枚の用紙をローラとセパレ
ータの直立部の間に挟み込むように、モータ駆動のロー
ラに偏向されている。よって、ローラは２番目の用紙と
直立部を横切って最上部の用紙を引っ張る。直立部の領
域の前方に伸長するパッドが２番目の用紙の取り込みに
抗する。

【０００７】

【実施例】初めに図１を参照すると、単票紙プリンタ10
が示される。かかるプリンタは本発明の給紙システムと
組合わせて用いるのに好適である。図示されるように、
プリンタ10は従来型のものであり、シャシ12、入力トレ
ー14、および出力トレー16（一部省略して示す）を有す
る。用紙は、複数の隔置された駆動ローラ20を有する給
紙システムを用いて、一度に１枚ずつプリンタの入力ポ
ート18に引き込まれる。これらのローラはモータを駆動
させる駆動軸22に連結され、搭載制御システム（図示せ
ず）の指令のもとに回転する。

【０００８】図２を参照し、用紙をプリンタに引き込む
機構に特に留意すると、上述のローラは、用紙スタック
24と選択的に係合するように取り付けられていることが
理解されるであろう。入力トレー14に載置された用紙の
スタックは、このスタックの最上部からプリンタの入力
ポートへの用紙24aの滑動を許容するように配置され
る。この目的のために、スタックは入力トレーのばねに
よる偏向によって位置決めされ、最上部の用紙24aは、
入力ポート18へのかかる用紙の挿入に実質的に適合する
ような位置に配置される。給紙を阻止したい場合、用紙
スレッド25が、用紙のスタックを用紙の挿入に適合する
位置より下方へ押圧する。各々が摩擦的粘着ローリング
面20aを有するローラは最上部の用紙の上を転動して、
その用紙をプリンタの入力ポートに引き込む。最上部の
用紙と２番目の用紙24b等の他の用紙の間の摩擦力が入
力ポートへの複数の用紙の引き込み、即ち前記の望まし
くない効果を誘導する。

【０００９】用紙の入力に抗するために、プリンタには
セパレータ26が設けられている。このセパレータは、前
記ローラと相まって、用紙の取り込みを行う給紙システ
ムを構成する。図２に示すように、このセパレータは入
力ポートに隣接して１つのローラ20の真下に取り付けら
れている。好適な実施例において、ローラ20は、入力ポ
ート18に沿ってほぼこれを横切って中央に配置されてい
る。このセパレータはシャシに横方向の軸Aを中心に回
転可能に固定されていて、ばね28等の部材によってロー
ラと係合するように偏向されている。用紙が入力ポート
に引き込まれると、セパレータとローラの間に挟まれ
て、さらに後述するように用紙の分離が行われる。かか
る用紙の分離は、結果的に、２番目の用紙を搬送するこ
となく、最上部の用紙を連続的に搬送することになる事
が理解されるであろう。

【００１０】図３から図５を参照し、セパレータにさら
に留意すると、セパレータ26はほぼ剛性を有する本体30
と弾性のパッド32から構成されることが理解されるであ
ろう。図５に単独で示す本体30は、ほぼ水平な基部34を
有し、この基部から複数の直立部36が伸長する。この本
体はナイロン等の剛性で耐摩耗性の材料から形成され、
一般に一体部品として成型される。

【００１１】基部は取り付け部34aとほぼ平面的な部分3
4bを有し、この取り付け部はセパレータをプリンタのシ
ャシに回転可能に固定するのに用いられる。かかる回転
可能な固定は、取り付け部から反対方向に伸長し、対応
するシャシ構造（図示せず）に固定される１対のピン38
によって達成される。取り付け部には、他のプリンタ構
成要素と干渉しないようセパレータの固定を適応させる
ために、凹んだ通路が設けられている。平面部34bは、
取り付け部から前方に伸長し、セパレータの弾性パッド
32と協働するように適合されている。好適な実施例にお
いて、このパッドは本体に成形されていて、本体の平面
部には複数の穴が形成されており、この穴を通ってパッ
ド材料が伸長する。

【００１２】図示するように、本体の直立部はほぼ平行
六面体型であり、かかる部分は幾分か平面部34bを横切
って中央に配置されている。図４に最適に示されるよう
に、直立部はそれぞれ約1.5ミリメートルの幅Wと約3.75
ミリメートルの長さLを有する。これらは等間隔に配さ
れ、約9.7ミリメートルの横方向の距離Dにわたり、この
距離はローラ20の幅にほぼ対応する。直立部の高さはほ
ぼ一定であり、初期に形成された際のセパレータのパッ
ドの厚みに対応する（図２参照）。このパッドの厚みは
摩耗によって縮減されるが、直立部の厚みは比較的一定
のままである。

【００１３】図示した実施例において、パッド32は直立
部を実質的に取り囲み、そこから直立部の長さの約２倍
の距離だけ前方に伸長する。このパッドはゴム等の摩擦
的粘着性材料から形成され、そこを通過する用紙を選択
的に抗するのに有効である。図２および図３に最適に示
されるように、パッドの最前方部分は、それが直立部材
から伸長するにつれて幾らか下向きに角度づけされる。
パッドの端部は、そこを通過する用紙により良く適合す
るように丸みを帯びている。

【００１４】再度図２を参照して、特に前記セパレータ
を用いることによる効果を考察すると、かかるセパレー
タは最上部の用紙24aがプリンタに完全に取り込まれる
まで、２番目の用紙24bの取り込みに抗するように構成
されていることが理解されるであろう。これは最上部の
用紙24aの取り込みに過度に抗することなく達成され
る。かかる効果は、セパレータの異なる領域においてセ
パレータによって印加される摩擦力が多様であることに
よる。最上部の用紙は第１の表面領域40においてセパレ
ータと係合し、かかる領域はそこを通過する用紙に対し
て比較的小さい第１の摩擦力を印加することを特徴とす
る。この用紙とパッド間の摩擦力は、ローラと１番目の
用紙の間の対応する摩擦力より小さいことが理解される
であろう。この比較的小さい摩擦力は、少なくとも直立
部の配置に部分的に起因し、この直立部は前記のよう
に、用紙の通過に対して比較的小さい摩擦力を供給す
る。これに対して、２番目の用紙は第２の表面領域42に
おいてセパレータと係合する。領域42は２番目の用紙に
対してより高い第２の摩擦力を印加することを特徴とす
る。この第２の領域は好適には全体的にパッド32によっ
て規定される。前記のように、このパッドは、用紙がパ
ッドを通過することに抗するように摩擦的粘着性材料か
ら形成される。したがって、２番目の用紙に対する用紙
とパッド間の摩擦力は、１番目の用紙と２番目の用紙間
の摩擦力より大きく、これらの用紙は入力ポートに入る
際に分離される。

【００１５】セパレータが回転可能であるため、前記領
域は、異なる用紙に対して異なる摩擦力を印加するよう
に選択的に配され得る。加えて、ローラが第１の領域の
真上に配置されるため、及び第１の領域が主に直立部に
よって規定されるため、ローラがセパレータを通過する
ことに起因する雑音が軽減される。また、これによって
セパレータの摩耗がより緩行され、したがってセパレー
タの交換の頻度を低くする。

【００１６】

【発明の効果】本発明は上述のように構成され、摩擦係
数の異なる領域を有するセパレータによって、２番目の
用紙の通過に抗しながら最上部の用紙のみをプリンタの
入力ポートに引き込むことを可能にする。さらに、摩擦
係数の低い領域は耐摩耗性であるため、ローラがセパレ
ータを通過することに起因する雑音が軽減される。ま
た、セパレータの摩耗も緩行され、セパレータの交換の
頻度を低くすることが可能になる。従って、単票紙プリ
ンタにおいて、用紙が入力ポートに供給される際に用紙
を分離する機構を有する改良された給紙システムの提供
が可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の給紙システムを用いたプリンタの斜視
図である。

【図２】図１のライン2−2にほぼ沿って見た簡略化した
側面図であり、本発明の給紙システムを用いた入力スタ
ックからの最上部の用紙の給紙を示すように拡大したも
のである。

【図３】図１および図２で用いたセパレータの拡大斜視
図である。

【図４】図３に示されるセパレータをさらに拡大した平
面図である。

【図５】セパレータの本体を単独で示す斜視図である。

【符号の説明】

１８ 入力ポート ２０ ローラ ２４ 用紙のスタック ２４ａ 最上部の用紙 ２４ｂ ２番目の用紙 ２６ セパレータ ３０ 剛性を有する本体 ３２ 弾性パッド ３４ 基部 ３６ 直立部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】用紙のスタックから最上部の用紙をプリン
   タの入力ポートへと引き出すローラと、２番目の用紙の
   給紙に抗する用紙セパレータとを有する単票紙プリンタ
   の給紙システムにおいて、前記用紙セパレータが、 前記プリンタ入力ポートに隣接して取り付けられたほぼ
   剛性を有する本体であって、基部と前記ローラの下に位
   置する直立部とを有し、前記直立部が耐摩耗性材料から
   形成された、前記剛性を有する本体と、 前記直立部と協働して２番目の用紙と選択的に係合し、
   前記プリンタ入力ポートへの前記２番目の用紙の搬送に
   抗するように摩擦的粘着性材料から形成されるパッドと
   からなることを特徴とする、前記用紙セパレータ。