JP2009226624A - 製本装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】糊付けによって製本処理を実施する製本装置の省スペース化を図る。
【解決手段】製本装置10において、第1給紙トレイ30Aは、用紙が積載される。糊付け送り機構48は、糊付けユニット50を下降させて糊シート54の糊付着面を最上位紙の上面に押し付けて糊シートに最上位紙を付着させる。糊付け送り機構48は、その後最上位紙とその下に積載される下方紙とを互いに引き離すよう糊付けユニット50を上昇させる。電子制御部は、糊シート送りモータを作動させて最上位紙を付着させたまま糊シート54を送ることにより最上位紙を送り出す。剥離機構80は、糊シート54に付着した用紙とシートとを互いに引き剥がして用紙上面に糊を転写させる。綴じ機構14は、上面に糊が転写された用紙を含む複数の用紙を圧着させる。
【選択図】図2
【解決手段】製本装置10において、第1給紙トレイ30Aは、用紙が積載される。糊付け送り機構48は、糊付けユニット50を下降させて糊シート54の糊付着面を最上位紙の上面に押し付けて糊シートに最上位紙を付着させる。糊付け送り機構48は、その後最上位紙とその下に積載される下方紙とを互いに引き離すよう糊付けユニット50を上昇させる。電子制御部は、糊シート送りモータを作動させて最上位紙を付着させたまま糊シート54を送ることにより最上位紙を送り出す。剥離機構80は、糊シート54に付着した用紙とシートとを互いに引き剥がして用紙上面に糊を転写させる。綴じ機構14は、上面に糊が転写された用紙を含む複数の用紙を圧着させる。
【選択図】図2
Description
本発明は、製本装置に関し、特に、糊を利用して用紙を綴じる製本装置に関する。
液状の接着剤を用紙に塗布して製本する製本装置が知られている。しかし、このように液状の接着剤を使用するために、接着剤を収容するタンクや接着剤を塗布するノズル、さらにこれらを連通させる導管等が必要となり、装置構成の複雑化を避けることは難しい。このため、接着剤テープを移動するシート材の側端部に接触させてシート材の側端部に接着剤を付着させる接着剤付与方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−2311号公報
上述の特許文献に記載されるように搬送されてきた用紙に糊を付着させる場合、用紙を送り出してから接着剤を付着させるまで用紙を搬送する経路が必要となる。一方、このような糊によって製本された冊子は、綴じ針がないことから安全性が高く、学校などの市場において需要が高いと考えられる。このような市場では、製本装置の省スペース化が特に求められている。
そこで、本発明は上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的は、糊付けによって製本処理を実施する製本装置の省スペース化を図ることにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の製本装置は、用紙が積載される給紙トレイと、基材に糊が付着した糊シート糊シートの糊付着面と給紙トレイに積載された用紙の最上位紙上面とを互いに押し付けて糊シートに最上位紙を付着させる付着手段と、最上位紙を付着させたまま糊シートを送ることにより、給紙トレイに積載された用紙から最上位紙を送り出す送り出し手段と、糊シートに付着した用紙と糊シートの基材とを互いに引き剥がして用紙上面に糊を転写させる剥離手段と、上面に糊が転写された用紙を含む複数の用紙を圧着させる綴じ手段と、を備える。
この態様によれば、給紙トレイに積載された最上位紙を糊シートに付着させて、給紙トレイから送り出すことができる。このため、給紙トレイに積載された用紙を送り出してから糊付けするまでに用紙を搬送する経路の長さを抑制することができ、製本装置の省スペース化を実現することができる。
本発明のある態様の製本装置は、用紙が積載される第2の給紙トレイと、第2の給紙トレイに積載された用紙から1枚ずつ用紙を送り出す第2の送り出し手段と、をさらに備えてもよい。綴じ手段は、上面に糊が転写された用紙を1冊の冊子を構成する用紙枚数より1枚少ない枚数だけまず蓄積し、第2の給紙トレイから送り出された用紙を最後に蓄積した後、当該蓄積された複数の用紙を圧着させてもよい。
上面に糊付けされた用紙を蓄積して冊子を作成する場合、最後に蓄積する用紙の糊付けを回避する必要がある。しかし、糊付けしながら用紙を送り出す給紙トレイに対して付着手段とは別に用紙を送り出す機構を設ける場合、糊付けして用紙を送り出す機構と糊付けを回避して用紙を送り出す機構とを、同じ給紙トレイの上方に併存させる必要が生じる。このため、これらの機構の設置スペースや干渉防止などを考慮しながらこれらの機構を設計しなければならず、設計上の制約条件は大きなものとなる。この態様によれば、糊付けを回避する必要のある用紙を別の給紙トレイから送り出すことができるため、このような設計上の制約条件を軽減させることができる。
本発明のある態様の製本装置は、圧着された複数の用紙を折りたたむ折り手段をさらに備えてもよい。付着手段は、最上位紙の上面のうち折りたたまれるべき位置を示す折りライン周辺と糊シートの糊付着面とを互いに押し付け、綴じ手段は、上面に糊が転写された用紙を含む複数の用紙を各々の折りラインが重なるように圧着させ、折り手段は、圧着された複数の用紙を折りラインにて折りたたんで冊子を作成してもよい。この態様によれば、設置スペースを抑制した中綴じ折り製本装置を提供することができる。
本発明のある態様の製本装置は、前記給紙トレイに積載された用紙の縁部にエアを吹き出すエア吹出手段をさらに備えてもよい。前記付着手段は、糊シートに最上位紙を付着させた後、最上位紙とその下に積載される下方紙とを互いに引き離し、前記エア吹出手段は、最上位紙と下方紙とが互いに引き離されるとき、最上位紙と下方紙との間にエアを吹き込んでもよい。この態様によれば、最上位紙と下方紙との間にエアを吹き込み、両者の分離を促すことができる。このため、両者間の摩擦力を低減させることができ、例えば重送などのトラブルを抑制することができる。
本発明のある態様の製本装置は、前記給紙トレイに積載された用紙の縁部に接する抵抗部材をさらに備えてもよい。前記付着手段は、糊シートに最上位紙を付着させた後、最上位紙とその下に積載される下方紙とを互いに引き離し、前記抵抗部材は、最上位紙と下方紙とが互いに引き離されるとき、最上位紙と共に移動しないよう下方紙の縁部に摩擦力を与えてもよい。この態様によれば、最上位紙と下方紙とをより確実に引き離すことができる。このため、両者間の摩擦力を低減させることができ、例えば重送などのトラブルを抑制することができる。
送り出される用紙を検知する用紙センサをさらに備えてもよい。送り出し手段は、用紙が検知されたタイミングを利用して、下方紙の上方から最上位紙が退出した後に糊シートの送りを停止させ、付着手段は、糊シートの送りが停止した状態で、次の最上位紙の上面と糊シートの糊付着面とを互いに押し付けて糊シートに次の最上位紙を付着させてもよい。
この態様によれば、用紙が検知されたタイミングを利用するという簡易な制御によって糊シートの送りを適切なタイミングで停止させることができる。このため、例えば搬送される用紙の間隔を短くすることができ、糊シートの無駄を抑制することができる。
給紙トレイに積載される用紙のサイズを示す用紙サイズ情報を取得するサイズ情報取得手段をさらに備えてもよい。送り出し手段は、取得した用紙のサイズを利用して、下方紙の上方から最上位紙が退出した後に糊シートの送りを停止させ、付着手段は、糊シートの送りが停止した状態で、次の最上位紙の上面と糊シートの糊付着面とを互いに押し付けて糊シートに次の最上位紙を付着させてもよい。
この態様によれば、用紙のサイズを利用することによって、糊シートの送りを適切なタイミングで停止させることができる。このため、例えば搬送される用紙の間隔を短くすることができ、糊シートの無駄を抑制することができる。
本発明にによれば、糊付けによって製本処理を実施する製本装置の省スペース化を図ることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態(以下、実施形態という)について詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る製本装置10の正面図である。製本装置10は、給紙機構12A、綴じ機構14、折り機構16、断裁機構18、およびコントロールパネル20を備えるコントロールパネル20には、ディスプレイ22、およびスタートボタン、ストップボタン、テンキーなどの各種のボタンが設けられる。
図1は、第1の実施形態に係る製本装置10の正面図である。製本装置10は、給紙機構12A、綴じ機構14、折り機構16、断裁機構18、およびコントロールパネル20を備えるコントロールパネル20には、ディスプレイ22、およびスタートボタン、ストップボタン、テンキーなどの各種のボタンが設けられる。
図2は、第1の実施形態に係る製本装置10の内部構成を示す正面図であり、図3は、製本装置10の内部構成を示す上面図である。以下、図2および図3の双方に関連して製本装置10の内部構成について説明する。
給紙機構12Aは、第1給紙トレイ30A、第2給紙トレイ30B、先端ガイドプレート36、エア吹出機構38、分離給送機構40、および糊付け送り機構48を有する。先端ガイドプレート36は、鉛直に立てられるように配置される。第1給紙トレイ30Aおよび第2給紙トレイ30Bは、先端ガイドプレート36より用紙搬送方向上流側(以下、「上流側」という)近傍に設けられる。第1給紙トレイ30Aは、第2給紙トレイ30Bの上方に設けられる。第1給紙トレイ30Aおよび第2給紙トレイ30Bの各々は、昇降可能に設けられる。第1給紙トレイ30Aおよび第2給紙トレイ30Bには、印刷、電子写真方式、インクジェット方式などによる画像形成方法によって画像が形成された用紙が積載される。第1の実施形態では、第2給紙トレイ30Bは主に表紙となる用紙が積載され、第1給紙トレイ30Aには、冊子のうち表紙以外の本身となる用紙が積載される。しかし、第1給紙トレイ30Aおよび第2給紙トレイ30Bに積載される用紙がこれらに限られないことは勿論である。
第1給紙トレイ30Aには、第1後端ガイド32Aおよび一対の第1サイドガイド34Aが取り付けられている。第1給紙トレイ30Aに積載された用紙は、送り出されるときの先端(以下、「先端」という)側の縁部が先端ガイドプレート36によって位置決めされ、送り出されるときの後端(以下、「後端」という)側の縁部が第1後端ガイド32Aによって位置決めされる。また、用紙搬送方向に向かって右側(以下、「搬送方向右側」という)の縁部および左側(以下、「搬送方向左側」という)の縁部が、一対の第1サイドガイド34Aによって位置決めされる。
同様に、第2給紙トレイ30Bには、第2後端ガイド32Bおよび第2サイドガイド34Bが取り付けられている。第2給紙トレイ30Bに積載された用紙は、先端側の縁部が先端ガイドプレート36によって位置決めされ、後端側の縁部が第2後端ガイド32Bによって位置決めされる。また、搬送方向右側および左側の縁部が、一対の第2サイドガイド34Bによって位置決めされる。
給紙機構12Aには、第1給紙トレイ30Aおよび第2給紙トレイ30Bの各々に対応して昇降機構(図示せず)が設けられている。また、給紙機構12Aには、第1給紙トレイ30Aおよび第2給紙トレイ30Bの各々に対応して用紙高さセンサ(図示せず)が設けられている。用紙高さセンサは、対応する給紙トレイに積載された用紙の最上位の用紙(以下「最上位紙」という)の高さを検知する。第1給紙トレイ30Aおよび第2給紙トレイ30Bのいずれかにおいて最上位紙が給紙可能高さに達したことが検知されたとき、その給紙トレイの上昇を停止させるよう対応する昇降機構内部のモータの作動が制御される。こうして、第1給紙トレイ30Aおよび第2給紙トレイ30Bの双方において、最上位紙の高さが給紙可能高さに維持される。
エア吹出機構38は、先端ガイドプレート36の上端近傍において、第1給紙トレイ30Aが配置される側と逆側に取り付けられる。先端ガイドプレート36の上端近傍にはエア吹出口(図示せず)が設けられており、エア吹出機構38は、このエア吹出口から第1後端ガイド32Aに積載された用紙にエアを吹き出す。これにより、第1給紙トレイ30Aにおいて最上位紙とその下の用紙である次上位紙との間にエアが送り込まれ、最上位紙を分離し易くしている。なお、搬送方向右側、左側、または後端側から、第1給紙トレイ30Aに積載された用紙の最上位紙とその下の用紙との間にエアを吹き込むエア吹出機構が別途、またはエア吹出機構38に代えて設けられてもよい。
図4は、先端ガイドプレート36の上端近傍を示す正面図である。先端ガイドプレート36の用紙先端を位置決めする側の側面における上端近傍には、ブラシ37が設けられている。ブラシ37は、糊付け送り機構48によって第1給紙トレイ30A上における最上位紙とその下に積載される下方紙とが互いに引き離されるとき、最上位紙と共に移動しないよう下方紙の縁部に摩擦力を与える抵抗部材として機能する。なお、ブラシ37は、第1後端ガイド32Aの用紙後端を位置決めする側の側面における上端近傍に設けられていてもよい。また、ブラシ37は、搬送方向右側および左側の用紙縁部を位置決めする一対の第1サイドガイド34Aの側面における上端近傍に設けられていてもよい。
図2および図3に戻る。第2給紙トレイ30Bに対応して、分離給送機構40が設けられている。分離給送機構40は、第2給紙トレイ30Bに積載された用紙のうち最上位紙を分離して送り出す。第1の実施形態に係る分離給送機構40はエア吸引式のものが採用されている。エア吸引式の分離給送機構は公知であるため、その詳細な説明は省略する。なおエア吸引式の分離給送機構に代えて、いわゆるフリクション式の分離給送機構が設けられてもよいことは勿論である。分離給送機構40によって送り出された用紙は、搬送ローラ44によって用紙搬送路42内を搬送される。
糊付け送り機構48は、糊付けユニット50、支持部材70、カム72、シャフト74、およびコイルバネ76を有する。糊付けユニット50は、ケース52、糊シート54、供給リール56、巻き取りリール58、第1ローラ60、および第2ローラ62を有する。
ケース52は平たい直方体状に形成され、用紙の送り出し方向に延在するよう設けられる。糊シート54は、基材としての柔軟性のある長尺なシートの一方の面に糊が付着されて構成されている。なお、第1の実施形態において「糊」は、広く接着剤を含む意として用いる。この糊シート54の糊付着面が用紙に押し付けられると、押し付けられた部分の糊は剥がれて用紙に転写される。このような糊シートは公知であるため、糊シート54に関する詳細な説明は省略する。
供給リール56は、糊付着面が外側となるようこの糊シート54が巻回された状態でケース52内部に回転可能に取り付けられている。巻き取りリール58は、供給リール56の下流側において供給リール56の横に並ぶようにケース52内部に回転可能に取り付けられている。第1ローラ60は供給リール56の上流側下方に、第2ローラ62は巻き取りリール58の下流側下方に、それぞれ回転可能にケース52内部に取り付けられる。供給リール56に巻回された糊シート54は、第1ローラ60および第2ローラ62に引き回され、一端部が巻き取りリール58に結合されている。
第2ローラ62は、糊シート送りモータ(図示せず)によって駆動される。一方、糊付けユニット50には、ベルト64、第1プーリ66、および第2プーリ68が設けられている。第1プーリ66は、第2ローラ62と同軸に共に回転するよう設けられる。第2プーリ68は、巻き取りリール58と同軸に共に回転するよう設けられる。ベルト64は、第1プーリ66および第2プーリ68に掛けられている。このため、第2ローラ62が駆動されるときの駆動トルクがベルト64を介して巻き取りリール58に伝達されて巻き取りリール58が回転し、巻き取りリール58に糊シート54が巻き取られる。巻き取りリール58は適度な摩擦が生じるよう回転軸に嵌挿されており、これによって第2ローラ62と巻き取りリール58との回転速度の差が吸収できるようになっている。
このように、第2ローラ62が駆動されることによって、第1ローラ60を経由して供給リール56から糊シート54が送られる。供給リール56は適度な摩擦が生じるよう回転軸に嵌挿されている。このため、糊シート54が巻き取られるときには供給リール56とその回転軸との接触部がトルクリミッターとして機能し、糊シート54に適度なテンションが保たれる。
糊付けユニット50の上方には、支持部材70が設けられる。支持部材70は、製本装置10の本体フレーム(図示せず)に固定されている。支持部材70は細長い棒状に形成され、ケース52の上端に間隔を開けて沿うように配置される。支持部材70には2つの挿通孔が設けられ、この挿通孔の各々にシャフト74が挿通される。シャフト74の下端はケース52の上端に固定される。シャフト74の上端には支持部材70の挿通孔より大径のストッパ部が設けられており、このストッパ部の下端と支持部材70の上端との間に、シャフト74の周りに巻かれるようにコイルバネ76が配置される。このように、糊付けユニット50はコイルバネ76を介して支持部材70に支持される。
支持部材70の中央には上下方向に貫通するカム収容孔が設けられており、このカム収容孔にカム72が配置される。カム72は、偏心して回転可能に支持部材70に取り付けられる。このとき、カム72は下端が支持部材70に接する。カム72はユニット昇降モータ(図示せず)によって駆動される。カム72が回転すると、カム72によってケース52上端が下方に押圧されて糊付けユニット50が下降する。このとき、第1ローラ60と第2ローラ62との間に引き回された糊シート54の糊付着面が、第1給紙トレイ30Aに積載された用紙の最上位紙上面に押し付けられ、糊シート54に最上位紙が付着される。以下、第1ローラ60と第2ローラ62との間に引き回された糊シート54の下面を用紙付着面という。
このように、糊付け送り機構48は、最上位紙に向けて糊付けユニット50を下降させることにより、最上位紙の上面に用紙付着面を押し付けて糊シート54に最上位紙を付着させる。また、糊付け送り機構48は、その後最上位紙と下方紙とを互いに引き離すよう糊シート54の用紙付着面を上昇させる。このように、糊付け送り機構48は、糊付けユニット50を昇降させて糊シート54に最上位紙を付着させる付着手段として機能する。
糊シート54の用紙付着面に用紙が付着した状態で糊シート送りモータが作動して糊シート54が送られると、付着した用紙も一緒に送られる。このため、糊シート送りモータおよび第2ローラ62は、最上位紙を付着させたまま糊シート54を送ることにより最上位紙を第1給紙トレイ30A上方から送り出す送り出し手段として機能する。
ケース52の下流側には、剥離機構80が設けられる。剥離機構80は、剥離ベルト82、ローラ84、および下ローラ86を有する。剥離ベルト82は2本設けられ、それぞれが一対のローラ84に掛けられ、糊付けユニット50を挟んで用紙搬送方向に延在するよう配置される。剥離ベルト82は、糊付けユニット50が上昇しているときの糊シート54の用紙付着面と下面が同一高さとなるよう配置される。下流側のローラ84は剥離ベルト駆動モータ(図示せず)によって駆動される。
剥離機構80は、剥離ベルト82の下面でこのように送られる用紙を水平方向に直進させるよう案内する。一方、用紙に付着していた糊シート54は第2ローラ62を経由して上方に送られる。このため、第2ローラ62の下端部分で用紙が糊シート54から引き剥がされる。このとき、用紙上面には糊シート54から糊が転写される。したがって、剥離機構80は、糊シート54に付着した用紙と糊シート54のシートとを互いに引き剥がして用紙上面に糊を転写させる剥離手段として機能する。
下流側のローラ84の下方には、下ローラ86が設けられている。下ローラ86は、ローラ84と共に剥離ベルト82を挟持するよう配置され、ローラ84が回転することにより従動する。糊シート54から引き剥がされた用紙は、この下流側のローラ84および下ローラ86により挟持され、綴じ機構14へ送り出される。剥離機構80周辺には、用紙センサ90が設けられている。用紙センサ90は光センサによって構成され、2本の剥離ベルト82の間を通過する用紙を検知する。
綴じ機構14は、用紙搬送プレート100、下ローラ102、上ローラユニット110、綴じストッパ106、エア吹出機構122、第2右サイドガイド124R、第2左サイドガイド124Lを有する。用紙搬送プレート100は、プレート上面100aが水平且つ剥離ベルト82の下面よりも低くなるよう配置される。用紙搬送プレート100の最も上流側は鉛直且つ用紙幅方向に延在するよう折り曲げられている。この折り曲げられた部分の下流側に上流側規制面100bが形成される。
用紙搬送プレート100には開口部が設けられており、この開口部において4つの下ローラ102が用紙搬送方向に並設されている。4つの下ローラ102の各々は、プレート上面100aに外面の最上位が位置するよう配置される。下ローラ102は、ギヤ機構(図示せず)を介してローラ駆動モータ(図示せず)に接続されており、このローラ駆動モータが作動することにより、プレート上面100a上の用紙束を下流側に向けて搬送する方向に下ローラ102の各々が駆動される。
上ローラユニット110は、支持ブラケット112、上ローラ114、および昇降部材118を有する。支持ブラケット112は断面がコ字状となるよう平板が折り曲げられた形状に形成される。支持ブラケット112は、下ローラ102の上方において用紙搬送方向に延在し、且つコ字の開口側が下方を向くように配置される。第1の実施形態では、支持ブラケット112の下端から外面の一部が突出するよう、上ローラ114の各々が支持ブラケット112に回転可能に取り付けられる。上ローラユニット110は、4つの上ローラ114の各々が4つの下ローラ102の各々に対し鉛直上方に位置するよう配置される。支持ブラケット112の上方には平板状に形成された昇降部材118が配置されている。昇降部材118の下面と支持ブラケット112の上面との間には複数のコイルバネ120が設けられており、このコイルバネ120によって支持ブラケット112と昇降部材118とが連結されている。
昇降部材118はカム機構(図示せず)を介してローラ移動モータ(図示せず)に接続されており、ローラ移動モータが作動することにより昇降部材118が上下方向に移動し、上ローラユニット110全体が上下方向に移動する。綴じ機構14に用紙が搬入されるときは、昇降部材118は上昇されている。上ローラユニット110が下降すると、上ローラ114と下ローラ102との間にある用紙が上ローラ114および下ローラ102によって挟持され、互いに貼り合わされる。
綴じストッパ106は板状に形成される。用紙搬送プレート100には綴じストッパ106を収容するための開口部100cが設けられている。綴じストッパ106は、この開口部100c内において鉛直に立てられ且つ用紙幅方向に延在するよう配置される。これにより、綴じストッパ106の上流側に向く面に、鉛直且つ用紙幅方向に延在する下流側規制面106aが形成される。綴じストッパ106はボールネジ機構(図示せず)によりストッパ移動モータ(図示せず)に接続されており、このストッパ移動モータが作動することにより、用紙搬送方向に移動する。
第2右サイドガイド124Rおよび第2左サイドガイド124Lは、ともに細長い板状の部材がL字状に曲げられた形状に形成される。第2右サイドガイド124Rは、用紙搬送プレート100の搬送方向右側において、用紙搬送方向に延在するよう配置される。第2左サイドガイド124Lは、用紙搬送プレート100の搬送方向左側において、用紙搬送方向に延在するよう配置される。第2右サイドガイド124Rおよび第2左サイドガイド124Lは、それぞれL字の内面のうち一方の面が相互に対向して用紙規制面を形成し、他方の面がプレート上面100aと同一平面に含まれるよう配置される。
第2右サイドガイド124Rはギヤ機構を介して右サイドガイドモータ(図示せず)に接続されており、この右サイドガイドモータが作動することにより用紙搬送方向に移動する。第2左サイドガイド124Lはギヤ機構を介して左サイドガイドモータに接続されており、この左サイドガイドモータが作動することにより用紙搬送方向に移動する。以下、プレート上面100aの上方において、用紙搬送プレート100の上流側規制面100b、綴じストッパ106の下流側規制面106a、第2右サイドガイド124Rおよび第2左サイドガイド124Lの各々の用紙規制面によって囲われる領域を用紙蓄積部という。
エア吹出機構122は、内部のソレノイドをオン・オフしてエアの流通経路の連通および遮へいを切り換えることによりエアの吹き出しおよび吹き出し停止が切り換え可能となっている。エア吹出機構122の構成は公知であることから更なる説明は省略する。上流側規制面100bには、エアを流通させるためのエア吹出口が設けられており、エア吹出機構122は、このエア吹出口から下流側に向かってエアを吹き出す。エア吹出機構122は、用紙蓄積部に収容された用紙の側面にエアを吹き出し、用紙の表面同士の接触を抑制する。
折り機構16は、サクション搬送機構130、折りストッパ142、折りナイフ140、および折りローラ144を有する。第1の実施形態ではサクション搬送機構130は2つ設けられている。サクション搬送機構130の各々は、搬送ベルト132が一対のローラ134に噛み合いして用紙搬送方向に延在するよう配置される。用紙搬送プレート100には開口部100dが設けられており、サクション搬送機構130は、この開口部100d内において、搬送ベルト132上面がプレート上面100aと同一平面となるよう配置される。サクション搬送機構130の各々における上流側のローラ134は、シャフト136によって共に同軸に回転するよう固定される。シャフト136はベルト駆動モータ(図示せず)によって駆動され、これによりローラ134を介して搬送ベルト132が駆動される。
搬送ベルト132にはエアが通過する貫通孔が所定間隔毎に多数設けられている。搬送ベルト132によって囲われる領域には、この貫通孔を介して搬送ベルト132の上面からエアを吸引するエア吸引機構(図示せず)が設けられる。エア吸引機構の構成は公知なので説明を省略する。サクション搬送機構130は、搬送ベルト132の上面に吸着させて用紙を折り機構16へ搬送する。
折りストッパ142は板状に形成される。折りストッパ142は、用紙搬送プレート100の最も下流側の端部から更に下流側において鉛直に立てられ且つ用紙幅方向に延在するよう配置される。折り機構16に送り込まれた用紙束は、サクション搬送機構130によって下面が吸着されたまま搬送され、用紙束の先端が折りストッパ142に当接する直後のタイミングで搬送が停止される。このときサクション搬送機構130によるエアの吸引も停止される。
用紙搬送プレート100の上方には一対の折りローラ144が、軸方向が用紙搬送方向に向くよう、用紙幅方向に並設されている。折りローラ144の各々は、中心に設けられた挿通孔にローラ軸146が嵌挿されている。ローラ軸146の一端が上流側の支持フレーム148に回転可能に支持され、他端が下流側の支持フレーム150に回転可能に支持される。
折りナイフ140は、折りナイフ駆動モータ(図示せず)が作動することにより一対の折りローラ144の間と用紙搬送プレート100の下方とを上昇および下降することが可能となっている。折りストッパ142により用紙束が用紙搬送方向の位置決めがされた状態で折りナイフ140を上昇させることにより、用紙束が一対の折りローラ144の間に巻き込まれる。一対の折りローラ144は、ギヤ機構などを介して折りローラ駆動モータに接続されている。折りローラ駆動モータが作動することにより、巻き込んだ用紙束を折りたたみながら上方に搬送するように一対の折りローラ144が駆動される。こうして用紙束に折り目が付けられて中綴じ折り冊子が作成される。
図5は、第1の実施形態に係る折り機構16および断裁機構18の右側面図である。一対の折りローラ144によって折りたたまれた冊子は、一対の折りローラ144のニップ部から上方のベルト搬送機構152に送り込まれる。ベルト搬送機構152は、作成された冊子を断裁機構18の用紙搬送路166に送り出す。
断裁機構18は三方断裁機構として構成され、折り機構16から送り込まれた冊子の小口、または小口、天、地の三方を断裁して最終的な冊子を作成する。断裁機構18は、ストッパ160、用紙押さえ部162、小口断裁刃164、サイドガイド(図示せず)、および一対の天地断裁刃(図示せず)を有する。
ストッパ160は、ソレノイド(図示せず)をオン・オフすることにより、用紙搬送路166に進退可能とされている。冊子の小口を断裁する場合、断裁機構18は、各々の冊子が送り込まれる前にストッパ160を用紙搬送路166に突出させておく。ストッパ160はボールネジ機構を介してストッパ移動モータ(図示せず)に接続されており、ストッパ移動モータが作動することにより用紙搬送方向に移動する。
断裁機構18に搬送された冊子は、背がストッパ160に当接する直後のタイミングで搬送が停止される。冊子の天地は、ストッパ160に当接する以前に一対のサイドガイド(図示せず)によって位置決めされる。用紙押さえ部162は、モータ(図示せず)が作動することにより、ストッパ160に当接した冊子に向けて下降する。
小口断裁刃164は、用紙押さえ部162より上流側の用紙搬送路166上方に設けられ、小口断裁モータ(図示せず)が作動することにより下降し、冊子の小口を断裁する。天地断裁刃は、用紙搬送路166上方に用紙押さえ部162を挟んでそれぞれ一つずつ設けられ、天地断裁モータ(図示せず)が作動することにより下降し、冊子の天地を断裁する。これら一対の天地断裁刃は、中心振り分け方式により相互に離間または近接する方向に移動可能とされており、天地断裁刃移動モータ(図示せず)が作動するによって、ギヤ機構などを介して相互に離間または近接する方向に移動する。なお、断裁機構18には、三方断裁機構に代えて、小口のみを断裁する小口断裁機構が設けられてもよい。
図6は、第1の実施形態に係る製本装置10の機能ブロック図である。なお、図6は、各種演算処理を実行するCPU、各種制御プログラムを格納するROM、データ格納やプログラム実行のためのワークエリアとして利用されるRAMなどのハードウェア、およびソフトウェアの連携によって実現される機能ブロックが描かれている。したがって、これらの機能ブロックはハードウェアおよびソフトウェアの組み合わせによって様々な形で実現することができる。
製本装置10は、電子制御部180を有する。電子制御部180は、CPU、ROM、RAMなどを有し、製本装置10による製本処理を制御する。電子制御部180は、ディスプレイ22に設定画面を表示することにより、ユーザによって各種の設定入力が可能な状態とする。ユーザは、設定画面が表示された状態でコントロールパネル20に設けられたボタンを使って各種の設定入力をすることができる。
電子制御部180は、サイズ情報取得部182および折りライン設定部184を有する。サイズ情報取得部182は、用紙の搬送方向長さを示す情報と用紙幅方向の幅方向長さを示す情報を含む用紙サイズ情報を取得する。サイズ情報取得部182は、ユーザによって入力または選択された用紙サイズを示す情報を用紙サイズ情報として取得してもよい。また、例えば第1給紙トレイ30Aまたは第2給紙トレイ30Bに用紙サイズセンサが設けられている場合、検出された用紙サイズを用紙サイズ情報として取得してもよい。
また、サイズ情報取得部182は、ユーザによって入力された、冊子の仕上がりサイズを示す仕上がりサイズ情報を取得する。なお、電子制御部180は、サイズ情報取得部182によって取得された用紙サイズ情報が示すサイズの用紙を半分に折りたたんだサイズから、さらに断裁マージンを差し引いたサイズを、冊子の仕上がりサイズとして取得してもよい。
折りライン設定部184は、取得された用紙サイズ情報を利用して用紙に折りラインを設定する。具体的には、折りライン設定部184は、取得した用紙サイズ情報に含まれる用紙の用紙幅方向長さを示す情報を利用して、用紙幅方向長さの中心にある直線を折りラインとして設定する。なお、ユーザは、設定画面において、折りラインの位置として搬送する用紙の左右いずれかの幅方向端部からの距離を入力することが可能となっている。折りライン設定部184は、このようにユーザに入力された位置にある直線を折りラインとして設定してもよい。
さらに、例えば用紙に記録されたトンボマークなどの位置特定画像を読み取るラインセンサなどの画像センサが製本装置10に設けられていてもよい。画像センサは、積載された用紙の最上位紙に記録された位置特定画像を読み取ることができるよう、第1給紙トレイ30Aおよび第2給紙トレイ30Bの各々に設けられていてもよい。この場合、画像センサは電子制御部180に接続されており、撮像された画像データは電子制御部180に出力される。電子制御部180は、受信した画像データを解析して位置特定画像が記録された位置を特定し、特定した位置に基づいて折りラインを設定する。
電子制御部180は、カム72を駆動して糊付けユニット50を昇降させるユニット昇降モータ190、第2ローラ62を駆動して糊シート54を送る糊シート送りモータ192、および剥離ベルト82を駆動する剥離ベルト駆動モータ194に接続されている。電子制御部180は、これらのモータの作動を制御する。また、電子制御部180は、分離給送機構40における、エアの吸引および吸引停止を切り換えるソレノイドや、搬送ベルトに噛合するローラを駆動するモータに接続されている。電子制御部180は、搬送ベルトを駆動させた状態でエアの吸引および吸引停止を切り換えることで、第2給紙トレイ30Bに積載された用紙の送り出しを制御する。
電子制御部180は、右サイドガイドモータ200、左サイドガイドモータ202、ストッパ移動モータ204、ローラ移動モータ206、およびローラ駆動モータ208に接続されており、これらのモータの作動を制御する。右サイドガイドモータ200は、作動することにより第2右サイドガイド124Rを用紙幅方向に移動させる。左サイドガイドモータ202は、作動することにより第2左サイドガイド124Lを用紙幅方向に移動させる。ストッパ移動モータ204は、作動することにより綴じストッパ106を用紙搬送方向に移動させる。ローラ移動モータ206は、作動することにより上ローラユニット110を昇降させる。ローラ駆動モータ208は、下ローラ102を駆動する。
電子制御部180は、折りナイフ140を昇降させる折りナイフ駆動モータ210、折りローラ144を駆動する折りローラ駆動モータ212、およびサクション搬送機構130の搬送ベルト132を駆動するベルト駆動モータ214に接続されている。電子制御部180は、これらのモータの作動を制御して用紙束を折りたたむ折り処理を実行する。
電子制御部180は、ストッパ移動モータ216および天地断裁刃移動モータ218に接続されている。電子制御部180は、ストッパ移動モータ216を作動させてストッパ160を移動させることにより、小口の断裁位置を調整する。また、電子制御部180は、天地断裁刃移動モータ218を作動させて天地断裁刃を移動させ、天地の断裁位置を調整する。
図7は、第1の実施形態係る製本装置10による製本手順を示すフローチャートである。本フローチャートにおける処理は、ユーザによってスタートボタンが押された後、ユーザによって入力された冊子数と、一つの冊子を構成する用紙枚数を掛け合わせた総用紙枚数の搬送が完了するまで、給紙機構12Aにおける給紙タイミング毎に繰り返し実施される。
まず、ユーザによってスタートボタンが押されると、電子制御部180は、用紙蓄積部に蓄積される用紙の折りラインが上ローラ114の用紙幅方向中心に位置するよう、第2右サイドガイド124Rおよび第2左サイドガイド124Lを移動させる。具体的には、電子制御部180は、上ローラ114の用紙幅方向中心から第2右サイドガイド124Rの用紙規制面までの距離が、設定された折りラインから搬送方向右側の用紙端部までの長さとなるよう、第2右サイドガイド124Rを移動させる。また、電子制御部180は、上ローラ114の用紙幅方向中心から第2左サイドガイド124Lの用紙規制面までの距離が、設定された折りラインから搬送方向右側の用紙端部までの長さとなるよう、第2左サイドガイド124Lを移動させる。
また、電子制御部180は、サイズ情報取得部182によって取得された用紙サイズ情報のうち、用紙搬送方向の長さを示す情報を利用して用紙の搬送方向長さを特定する。電子制御部180は、上流側規制面100bから下流側規制面106aまでの距離が特定した用紙の搬送方向長さとなるように、ストッパ移動モータ204を作動させて綴じストッパ106を用紙搬送方向に移動させる。こうして、搬送される用紙サイズに用紙蓄積部のサイズが調整される。また、電子制御部180は、用紙を搬送するとき、エア吹出機構38、およびエア吹出機構122によるエアの吹き出しを開始する。
電子制御部180は、用紙が搬送されるたびに搬送枚数をカウントしている。電子制御部180は、このようにカウントした搬送枚数と、ユーザによって入力された冊子を構成する用紙枚数とを利用して、これから搬送する用紙が冊子の最終用紙か否かを判定する(S10)。冊子の最終用紙でない場合(S10のN)、電子制御部180は、カウントした搬送枚数と冊子を構成する用紙枚数とを利用して、これから搬送する用紙が冊子の1枚目か否かを判定する(S22)。
冊子の1枚目でない場合(S22のN)、電子制御部180は、先行する用紙の後端が用紙センサ90によって検知されたタイミングで糊シート送りモータ192を停止させて糊シート54の送りを停止し、および剥離ベルト駆動モータ194を停止させて剥離ベルト82の駆動を停止させる(S24)。このとき、糊シート54の用紙付着面に先行する用紙がまだ付着していてもよい。冊子の1枚目の場合(S22のY)、S24をスキップする。
次に電子制御部180は、ユニット昇降モータ190を作動させて糊付けユニット50を下降させ、糊シート54の糊付着面を、第1給紙トレイ30Aに積載された用紙の最上位紙上面に押し付け、その後、最上位紙を付着させたまま糊付けユニット50を上昇させる(S26)。なお、電子制御部180は、取得した用紙サイズ情報が示す用紙の用紙搬送方向長さを利用して、糊シート54の送り停止タイミングを決定してもよい。この場合、電子制御部180は、糊シート54に用紙を付着させてから、取得した用紙サイズ情報が示す用紙の用紙搬送方向長さよりも長く糊シート54を送ったタイミングで次の用紙を不着させるために糊シート54の送りを停止させる。このように、取得した用紙サイズ情報を利用しても、糊シート54を適切なタイミングで停止させることができる。
糊シート54に最上位紙が付着されると、電子制御部180は、糊シート送りモータ192の作動を開始させて糊シート54を送ることにより、糊シート54に付着した最上位紙を第1給紙トレイ30Aから送り出す(S28)。このとき電子制御部180は、剥離ベルト駆動モータ194を作動させて剥離ベルト82の駆動も開始する。電子制御部180は、糊シート54の送りと剥離ベルト82の駆動を継続することにより、糊シート54に付着した用紙が第2ローラ62の下方に到達したときに用紙を糊シート54のシートから引き剥がして用紙上面に糊を転写させる(S30)。電子制御部180は、そのまま剥離ベルト82を駆動することで、上面に糊が転写された用紙を用紙蓄積部に排出し(S32)、本フローチャートにおける処理を一旦終了する。
冊子の最終用紙の場合(S10のY)、電子制御部180は、分離給送機構40を作動させて第2給紙トレイ30Bから用紙搬送し(S12)、用紙蓄積部に排出する用紙蓄積部に排出する(S14)。第1の実施形態では、糊付けを要しない用紙を第2給紙トレイ30Bから供給するため、第1給紙トレイ30Aから糊付けすることなく用紙を送り出す機構を設けていない。
第2給紙トレイ30Bから送り出された用紙が蓄積されると、電子制御部180は、綴じ処理を実施する(S16)。具体的には、冊子の最終用紙が蓄積されると、電子制御部180は、エア吹出機構122によるエアの吹き出しを停止させ、上ローラユニット110を下降させる。これによって、プレート上面100aより上方においてエアの吹き出しにより浮いた状態となっていた複数の用紙が互いに貼り合わされる。電子制御部180は、こうして作成された用紙束を、上ローラ114と下ローラ102とによって挟持しながら折り機構16へ搬送する。これにより、糊転写個所全域にわたって圧着され、用紙が綴じられる。このように、綴じ機構14は、上面に糊が転写された用紙を1冊の冊子を構成する用紙枚数より1枚少ない枚数だけまず用紙蓄積部に蓄積し、第2給紙トレイ30Bから送り出された糊が転写されていない用紙を最後に蓄積した後、当該蓄積された複数の用紙を圧着させる。電子制御部180は、用紙束の送り出しを終了すると、再びローラ移動モータ206を作動させて上ローラユニット110を上昇させる。
綴じられた用紙束が折り機構16に送り込まれると、電子制御部180は、用紙束に折り処理を実施する(S18)。具体的には、電子制御部180は、取得した用紙サイズ情報を参照して、用紙サイズに応じた位置に折りストッパ142の位置を調整しておく。電子制御部180は、作成された用紙束が折り機構16に送り込まれるタイミングでベルト駆動モータ214を作動させて搬送ベルト132を駆動し、用紙束を折り機構16内に送り込む。電子制御部180は、用紙束が折りストッパ142に当接する直後のタイミングでベルト駆動モータ214の作動を停止させて用紙束の搬送を停止させる。電子制御部180は、用紙束が折りストッパ142に当接した状態で、折りナイフ駆動モータ210および折りローラ駆動モータ212を作動させ、折りナイフ140を上昇させて用紙束を折りローラ144に挟持させて折りたたんで冊子を作成する。折りたたまれて作成された冊子は、断裁機構18に搬送される。
断裁機構18に冊子が送り込まれると、電子制御部180は、その冊子の三方を断裁する断裁処理を実施する(S20)。具体的には、電子制御部180は、取得した仕上がりサイズ情報に基づいて、小口の断裁位置、および天地の断裁位置を決定する。電子制御部180は、ストッパ移動モータ216および天地断裁刃移動モータ218に接続されている。電子制御部180は、決定した位置で小口を断裁するよう、ストッパ移動モータ216を作動させてストッパ160を移動させる。また、電子制御部180は、決定した位置で天地を断裁するよう、天地断裁刃移動モータ218を作動させて天地断裁刃を移動させる。電子制御部180は、冊子が送り込まれると、ベルト64を下降させて冊子を押さえつける。電子制御部180は、この状態でまず小口断裁刃164を下降させて冊子の小口を断裁し、次に天地断裁刃を下降させて冊子の天地を断裁する。断裁処理が終了すると、完成した冊子はスタッカ168上に搬送され、本フローチャートにおける処理を一旦終了する。
(第2の実施形態)
図8(a)は、第2の実施形態に係る給紙機構12Bの正面図であり、図8(b)は、第2の実施形態に係る給紙機構12Bの上面図である。なお、第2の実施形態に係る製本装置の構成は、給紙機構12Aに代えて給紙機構12Bが設けられている以外は第1の実施形態に係る製本装置10と同様である。以下、図8(a)および図8(b)の双方に関連して給紙機構12Bの構成について説明する。このとき、第1の実施形態と同様の個所については同一の符号を付して説明を省略する。
図8(a)は、第2の実施形態に係る給紙機構12Bの正面図であり、図8(b)は、第2の実施形態に係る給紙機構12Bの上面図である。なお、第2の実施形態に係る製本装置の構成は、給紙機構12Aに代えて給紙機構12Bが設けられている以外は第1の実施形態に係る製本装置10と同様である。以下、図8(a)および図8(b)の双方に関連して給紙機構12Bの構成について説明する。このとき、第1の実施形態と同様の個所については同一の符号を付して説明を省略する。
給紙機構12Bは、分離機構240および戻し機構242を有する。戻し機構242は、戻しレバー248、および戻しレバー248を駆動するソレノイド(図示せず)を有する。第2の実施形態における先端ガイドプレート36は、第1給紙トレイ30Aに積載された用紙のうち最上位紙の高さよりも上端が微小に低くなるよう設けられている。戻しレバー248は、外形が長方形のプレート状に形成されている。先端ガイドプレート36には、搬送方向左側の剥離ベルト82よりさらに左側に、戻しレバー248を収容する切り欠き部が設けられている。また、先端ガイドプレート36には、搬送方向右側の剥離ベルト82よりさらに右側に、戻しレバー248を収容する切り欠き部が設けられている。戻しレバー248は、この切り欠き部の各々に配置され、下方の縁部を軸に回動可能に26に支持されている。
戻しレバー248は、通常は側面が先端ガイドプレート36の側面と同一平面上となる初期位置に位置するよう支持される。このとき、戻しレバー248は、第1給紙トレイ30Aに積載された用紙のうち最上位紙の高さより上端が微小に高くなるよう設けられる。このため、戻しレバー248が初期位置にあるときは、この戻しレバー248によって最上位紙周辺の用紙の用紙搬送方向への移動が規制される。戻しレバー248は、ソレノイドが作動することにより第1給紙トレイ30Aに積載された用紙から離間する方向に回動され、初期位置にあるときから所定の角度傾いた退避位置で回動が係止される。
分離機構240は、分離ローラ244、分離パッド246、および分離ローラ244を駆動するモータ(図示せず)を有する。分離機構240は、分離ローラ244、分離パッド246、および分離ローラ244を駆動するモータ(図示せず)を有する。分離パッド246は、例えばコルク材やゴム材など表面の摩擦係数が高い材料によって板状に形成される。分離パッド246は、剥離ベルト82と戻しレバー248の間の2個所に配置される。このとき分離パッド246は、糊シート54が送られることによって糊シート54に付着したまま搬送される用紙の下面に上面が当接する位置に配置される。分離ローラ244は、軸方向が用紙幅方向を向き、外面が分離パッド246の上面に当接するよう配置される。
電子制御部180は、図7のS26において、糊付けユニット50を下降させることにより糊シート54の用紙付着面を最上位紙の上面に押し付け、糊シート54に最上位紙を付着させる。第2の実施形態では、電子制御部180は糊シート54の用紙付着面を最上位紙の上面に押し付けた後すぐに糊付けユニット50を上昇させず、まず、戻しレバー248を退避位置まで回動させる。次に電子制御部180は、糊シート54の送りを開始し、第1給紙トレイ30Aに積載された用紙から最上位紙を送り出す。このとき、電子制御部180は、分離ローラ244を駆動するモータを作動させ、外面の速度が用紙の搬送速度と同一となるよう分離ローラ244を回転させる。これにより、最上位紙の送り出しに伴ってその下方の用紙も送り出されてきた場合に、分離ローラ244および分離パッド246によって下方の用紙が最上位紙から分離される。
電子制御部180は、分離ローラ244と分離パッド246との間から最上位紙が送り出されたタイミングで糊付けユニット50を上昇させる。糊付けユニット50を上昇させると、電子制御部180は、戻しレバー248を回動させて初期位置に戻す。これにより、分離された用紙も再び第1給紙トレイ30A上方に戻される。以下、上述の動作を繰り返すことにより、第1給紙トレイ30Aに積載された用紙を順次送り出す。以上のように、給紙機構12Bによれば、糊シート54の用紙付着面を最上位紙の上面に押し付けた後、糊付けユニット50を上昇させることなく最上位紙を送り出すことができる。
なお、分離ローラ244に代えて板バネが設けられてもよい。この場合、板バネは湾曲して形成され、湾曲した外面が分離パッド246に押し付けらるよう配置されてもよい。このように板バネを設けた場合においても、最上位紙と下方の用紙とを分離させることができる。
また、分離パッド246に代えて固定ローラ、またはリタードローラが設けられてもよい。固定ローラまたはリタードローラは、分離ローラ244と軸方向が平行となり、外面が互いに接するよう配置される。リタードローラが設けられる場合、リタードローラはモータに接続される。電子制御部180は、分離ローラ244を回転させるときに、リタードローラを分離ローラ244の回転方向と同一の方向に回転させる。これによって、互いに接する部分において分離ローラ244の外面が用紙搬送方向に移動するのに対しリタードローラの外面は用紙搬送方向とは逆方向に移動する。このように分離パッド246に代えてローラを用いる場合においても、最上位紙と下方の用紙とを分離させることができる。
本発明は上述の各実施形態に限定されるものではなく、各実施形態の各要素を適宜組み合わせたものも、本発明の実施形態として有効である。また、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を各実施形態に対して加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施形態も本発明の範囲に含まれうる。以下、そうした例をあげる。
ある変形例では、剥離機構80は、たとえばサクション給送機構が採用される。サクション給送機構は、エアの吸引力によってベルト下面に用紙を吸着させた状態でベルトを駆動して用紙を送り出す。このようなサクション給送機構は公知であるため説明を省略する。また、糊付けユニット50は、糊シート54の用紙付着面が剥離ベルト82の下面よりも上方となるまで上昇可能に設けられている。電子制御部180は、冊子の最後の用紙を搬送するとき、糊シート54の用紙付着面が剥離ベルト82の下面よりも上方となるまで糊付けユニット50を上昇させ、その後第1給紙トレイ30Aに積載された用紙の最上位紙を剥離ベルト82の下面に吸着させ、第1給紙トレイ30A上方から送り出す。これにより、第1給紙トレイ30Aに積載された用紙も、糊付けを回避しながら送り出すことができる。
ある別の変形例では、電子制御部180は、第1給紙トレイ30Aを上昇させることにより、糊シート54の用紙付着面に、第1給紙トレイ30Aに積載された用紙の最上位紙を押し付ける。こうして最上位紙を糊シート54の用紙付着面に付着させると、電子制御部180は、第1給紙トレイ30Aをもとの位置に下降させて、最上位紙を下方紙から引き離す。このように第1給紙トレイ30Aを昇降させることによっても、糊シート54の用紙付着面に最上位紙を付着させることができる。
10 製本装置、 12 給紙機構、 30A 第1給紙トレイ、 30B 第2給紙トレイ、 37 ブラシ、 38 エア吹出機構、 40 分離給送機構、 48 糊付け送り機構、 50 糊付けユニット、 54 糊シート、 60 第1ローラ、 62 第2ローラ、 72 カム、 80 剥離機構、 82 剥離ベルト、 90 用紙センサ、 180 電子制御部、 182 サイズ情報取得部、 184 折りライン設定部。
Claims (7)
- 用紙が積載される給紙トレイと、
基材に糊が付着した糊シートの糊付着面と前記給紙トレイに積載された用紙の最上位紙上面とを互いに押し付けて糊シートに最上位紙を付着させる付着手段と、
最上位紙を付着させたまま糊シートを送ることにより、前記給紙トレイに積載された用紙から最上位紙を送り出す送り出し手段と、
糊シートに付着した用紙と糊シートの基材とを互いに引き剥がして用紙上面に糊を転写させる剥離手段と、
上面に糊が転写された用紙を含む複数の用紙を圧着させる綴じ手段と、
を備えることを特徴とする製本装置。 - 用紙が積載される第2の給紙トレイと、
前記第2の給紙トレイに積載された用紙から1枚ずつ用紙を送り出す第2の送り出し手段と、
をさらに備え、
前記綴じ手段は、上面に糊が転写された用紙を1冊の冊子を構成する用紙枚数より1枚少ない枚数だけまず蓄積し、前記第2の給紙トレイから送り出された用紙を最後に蓄積した後、当該蓄積された複数の用紙を圧着させることを特徴とする請求項1に記載の製本装置。 - 圧着された複数の用紙を折りたたむ折り手段をさらに備え、
前記付着手段は、最上位紙の上面のうち折りたたまれるべき位置を示す折りライン周辺と糊シートの糊付着面とを互いに押し付け、
前記綴じ手段は、上面に糊が転写された用紙を含む複数の用紙を各々の折りラインが重なるように圧着させ、
前記折り手段は、圧着された複数の用紙を折りラインにて折りたたんで冊子を作成することを特徴とする請求項1または2に記載の製本装置。 - 前記給紙トレイに積載された用紙の縁部にエアを吹き出すエア吹出手段をさらに備え、
前記付着手段は、糊シートに最上位紙を付着させた後、最上位紙とその下に積載される下方紙とを互いに引き離し、
前記エア吹出手段は、最上位紙と下方紙とが互いに引き離されるとき、最上位紙と下方紙との間にエアを吹き込むことを特徴とする請求項1に記載の製本装置。 - 前記給紙トレイに積載された用紙の縁部に接する抵抗部材をさらに備え、
前記付着手段は、糊シートに最上位紙を付着させた後、最上位紙とその下に積載される下方紙とを互いに引き離し、
前記抵抗部材は、最上位紙と下方紙とが互いに引き離されるとき、最上位紙と共に移動しないよう下方紙の縁部に摩擦力を与えることを特徴とする請求項1に記載の製本装置。 - 送り出される用紙を検知する用紙センサをさらに備え、
前記送り出し手段は、用紙が検知されたタイミングを利用して、下方紙の上方から最上位紙が退出した後に糊シートの送りを停止させ、
前記付着手段は、糊シートの送りが停止した状態で、次の最上位紙の上面と糊シートの糊付着面とを互いに押し付けて糊シートに次の最上位紙を付着させることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の製本装置。 - 前記給紙トレイに積載される用紙のサイズを示すサイズ情報を取得するサイズ情報取得手段をさらに備え、
前記送り出し手段は、取得した用紙のサイズを利用して、下方紙の上方から最上位紙が退出した後に糊シートの送りを停止させ、
前記付着手段は、糊シートの送りが停止した状態で、次の最上位紙の上面と糊シートの糊付着面とを互いに押し付けて糊シートに次の最上位紙を付着させることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の製本装置。
Priority Applications (1)
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JP2008071915A JP2009226624A (ja) | 2008-03-19 | 2008-03-19 | 製本装置 |
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JP2008071915A JP2009226624A (ja) | 2008-03-19 | 2008-03-19 | 製本装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104553234A (zh) * | 2014-12-31 | 2015-04-29 | 亿和精密工业(苏州)有限公司 | 一种剥胶贴胶装置 |
CN110065325A (zh) * | 2019-04-19 | 2019-07-30 | 广州市镭珅电子商务有限责任公司 | 胶装机上胶机构、分纸机构及胶装机 |
-
2008
- 2008-03-19 JP JP2008071915A patent/JP2009226624A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN104553234A (zh) * | 2014-12-31 | 2015-04-29 | 亿和精密工业(苏州)有限公司 | 一种剥胶贴胶装置 |
CN110065325A (zh) * | 2019-04-19 | 2019-07-30 | 广州市镭珅电子商务有限责任公司 | 胶装机上胶机构、分纸机构及胶装机 |
CN110065325B (zh) * | 2019-04-19 | 2024-04-05 | 广州市镭珅电子商务有限责任公司 | 胶装机上胶机构、分纸机构及胶装机 |
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