JP2009190340A - 製本装置 - Google Patents

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Hideo Tanaka
日出男 田中
Minoru Tajimi
稔 田治見
Shuhei Yamamoto
周平 山本
Takahiro Teramoto
孝広 寺本
Isamu Mishima
勇 三島
Hideo Saito
英夫 齊藤
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Abstract

【課題】接着剤を付着させた用紙を蓄積して綴じる製本装置において、その蓄積される用紙を位置精度良く接着できるようにする。
【解決手段】製本装置は、順次搬送される用紙Pの所定の糊付け位置に糊を付着させる糊付け機構30と、糊付け機構30の搬送方向下流側に設けられ、糊が付着された用紙Pを重ねて蓄積し、重ねられた用紙の周縁を揃えて糊付け位置にて圧着させる綴じ機構50と、綴じ機構50において既に蓄積された先行紙とその上に搬送される次紙とが少なくとも揃えられるまで、次紙の糊付け位置を先行紙から離間させる離間手段と、を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は製本装置に関し、特に、接着剤を付着させた用紙を蓄積して綴じる製本装置に関する。
印刷済み用紙の所定位置に接着剤を付着させ、その用紙を順次重ねて貼り付けることにより冊子を形成する製本装置が知られている。従来はその付着工程において液状の接着剤を該当位置に噴射して塗布する装置構成が主流であったが、近年では接着剤の供給機構をより簡素化するために、接着剤テープを用いる装置も提案されている(例えば、特許文献1参照)。接着剤テープは剥離テープ上に接着剤層が形成されたものであり、付着工程において用紙下面にその接着剤テープを接触させることにより、用紙に接着剤層が転写される。このようにして接着剤が付着した用紙は、用紙蓄積部に搬送されて順次積載され、その接着剤を介して互いに圧着される。
特開2001−2311号公報
しかしながら、このような製本装置においては、接着剤が付着した用紙が側方から搬送されて先行紙に重ねられるため、既に蓄積された用紙束と次に到来する次紙とが揃えられる前に接着してしまい、その後の製本処理に支障をきたす可能性があった。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、接着剤を付着させた用紙を蓄積して綴じる製本装置において、その蓄積される用紙を位置精度良く接着できるようにすることにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の製本装置は、搬送手段により順次搬送される用紙の所定の接着位置に接着剤を付着させる付着機構と、付着機構の搬送方向下流側に設けられ、接着剤が付着された用紙を重ねて蓄積し、重ねられた用紙の周縁を揃えて接着位置にて圧着させる綴じ機構と、綴じ機構において既に蓄積された先行紙とその上に搬送される次紙とが少なくとも揃えられるまで、次紙の接着位置を先行紙から離間させる離間手段と、を備える。
ここでいう「接着剤」は糊でもよいし、その他の各種合成樹脂系の接着剤であってもよいが、粘性があり垂れ難いものであるのが好ましい。「接着剤の付着」は、接着剤を用紙の接着位置に塗布する形式で行ってもよいし、いわゆる接着剤テープの形で供給される接着剤層を用紙の接着位置に転写させる形式で行ってもよい。後者の接着剤テープは、剥離テープ上に接着剤層が形成されたものでもよい。先行紙と次紙とは、互いに揃えられる前にその接着位置において離間されていればよく、その他の位置においては離間していてもよいし接触していてもよい。綴じ機構においては、先行紙と次紙とがその次紙の到来ごとに圧着されてもよいし、用紙束として全ての用紙が蓄積された後に圧着されるようにしてもよい。あるいは、用紙を複数枚蓄積させるごとに圧着させるようにしてもよい。
この態様によれば、先行紙と次紙とが揃えられるまで両者の接着位置が離間されるため、次紙を先行紙に揃えた上で圧着させることができ、蓄積される用紙を位置精度良く接着できるようになる。
具体的には、離間手段が、付着機構側から綴じ機構に次紙が導入される際に、綴じ機構に蓄積された先行紙と次紙との間にエアを吹き込むエア吹き込み手段を含むものでもよい。
この態様によれば、エアの吹き込みにより先行紙に対して次紙の少なくとも接着位置が浮かされ、次紙が先行紙に揃う前に接着することが阻止される。なお、装置の簡素化の観点からは、エアの吹き込みのみにより次紙の接着位置と先行紙との離間状態を確実に実現できるのが好ましいが、後述する凹部形成手段など、他の離間手段を組み合わせるようにしてもよい。エアの利用効率を高めるために、次紙の接着位置にエアを直接吹き付けられる構成とするのが好ましい。エアの吹き込み開始は、次紙が綴じ機構に導入されるタイミングまたはその所定期間前後でなされてもよい。エアの停止は、次紙が先行紙の対応位置に到達するタイミングまたはその所定期間前後でなされてもよい。少なくとも先行紙と次紙とを接着位置以外で接着させることなく、揃えることができるタイミングであればよい。
用紙を揃える揃え手段は、例えば綴じ機構において蓄積される用紙束を挟むように対向配置された複数のガイド部材を含むものでもよい。そして、その対向するガイド部材の少なくとも一方を他方に近接させる方向に駆動することにより用紙束を押圧して揃えるものでもよい。このように揃えた用紙を圧着する際には、用紙の不安定な挙動を防止するためにエアの吹き込みを停止させるのが好ましい。そこで、エア吹き込み手段は、綴じ機構に導入された最終紙を用紙束に圧着させる際には、そのガイド部材により用紙束と最終紙とが挟まれた状態でエアの吹き込みを止めるようにしてもよい。なお、蓄積される用紙の圧着は、次紙の到来ごとに行ってもよいし、用紙束の積載が終了した後にまとめて行うようにしてもよい。前者の場合には、次紙が到来するごとにエアの吹き込みを停止して圧着を行えばよい。後者の場合には、用紙束を構成する最終紙が導入されるまでエアの吹き込みを継続してもよい。
綴じ機構において用紙が積載される積載面は、綴じ機構への用紙の導入面の高さよりも低くなるようにして構成された段差を有していてもよい。そして、エア吹き込み手段が、その段差に配置された吹き出し口から用紙の搬送方向にエアを吹き込むものでもよい。
この態様によれば、段差を利用することで次紙の下面にエアを吹き付けることができ、既に積載面に積載された先行紙とその次紙との間に容易にエアを送り込むことができる。また、エアが用紙の搬送方向に吹き込まれることで、綴じ機構に導入された用紙を最上位の先行紙の上面に効率よく導くことができる。
その積載面は、用紙の搬送方向下流側ほど低くなる傾斜面をなしているのが好ましい。また、綴じ機構には、導入面から導入された用紙を下流側から係止するストッパが設けられるのが好ましい。
すなわち、導入面から綴じ機構に導入された用紙は、自重により先に導入される先端側から垂れ下がるようにして先行紙上へ着地することになるが、このように積載面の下流側を低くすることでその着地点を下流側に引き延ばすことができる。このように用紙先端の着地点を引き延ばすことにより、次紙を可能な限り浮かせた状態で先行紙の対応位置まで導くことができる。つまり、次紙が先行紙の対応位置に到達してストッパに係止されるまで、その接着位置における離間状態をより確実に保持することができる。
また、用紙のサイズ変更等に伴って接着位置が変更されても、その接着位置にエアを直接吹き付けられるよう、接着位置に応じてエアの吹き出し口を移動させる移動手段が設けられてもよい。この態様によれば、製本過程で用紙の接着位置が変更されても離間手段の有効性を保つことができ、離間手段の汎用性が向上する。
エア吹き込み手段は、用紙に対してその搬送方向に直角な幅方向の一方の側に設けられたエアの吹き出し口と、他方の側に設けられたエアの逃がし孔とを含んでもよい。吹き出し口から用紙の幅方向に吹き出されたエアは、先行紙と次紙との間を通過して逃がし孔から排出される。このように、吹き出し口との対向位置に逃がし孔を設けることで、エアの通風状態を安定化させることができ、その結果、先行紙と次紙との接着位置における離間状態を安定に保持することができる。この吹き出し口および逃がし孔は、用紙の搬送方向に沿って満遍なく設けられてもよいし、局所的に設けられてもよい。特に、用紙の接着位置がその搬送方向所定位置において用紙幅方向に並設されるような場合には、後者の構成を採用してその接着位置に沿ってエアを吹き出すのが効率的である。
離間手段は、綴じ機構において蓄積された用紙の上方に突出する突出位置と、蓄積された用紙の上方から外側に退避する退避位置との間で進退可能な挿入部材を含み、綴じ機構への次紙の到来時に挿入部材を突出位置に突出させ、既に蓄積された先行紙の上にその次紙が揃えられて圧着された後に挿入部材を退避位置に退避させるものでもよい。その場合、綴じ機構において用紙が積載される積載面は、綴じ機構への用紙の導入面の高さよりも低くなるようにして構成された段差を有していてもよい。
この態様では、蓄積された先行紙の上方で挿入部材が動作する。すなわち、次紙の到来時に挿入部材が突出し、その上面に沿って次紙を先行紙の上方に導く。このとき、先行紙と次紙との間には挿入部材を介装することによる間隙が形成されるため、両者をその接着位置において離間させた状態で揃えることができる。先行紙と次紙との圧着は両者が揃えられた状態でなされるため、両者を位置精度良く接着させることができる。また、挿入部材は両者の圧着後に退避されるので、その退避動作によって先行紙と次紙とがずれることもない。このように圧着された次紙は、挿入部材が退避されるとその挿入部材の上面にあった部分も下方に導かれ、用紙束の最上面を構成することになる。
より具体的には、用紙を揃える揃え手段が、綴じ機構において蓄積される用紙束を挟むように対向配置された複数のガイド部材を有するものでもよい。そして、用紙束の上に次紙が搬送されるごとに、その対向するガイド部材の少なくとも一方を他方に近接させる方向に駆動することにより用紙束を押圧して揃えるものでもよい。一方、離間手段は、少なくとも揃え手段により用紙束と次紙とが揃えられた後に圧着されるまでは挿入部材を突出位置に保持してもよい。この態様では、次紙が搬送されるごとに用紙が揃えられて圧着される。他の態様では、次紙が搬送されるごとに挿入部材とガイド部材を駆動して用紙を揃えるまでは行い、用紙が所定数または全て揃った状態で圧着を行うようにしてもよい。
挿入部材を含む離間手段の具体的構成としては、例えば挿入部材を退避方向に付勢する付勢部材と、挿入部材を突出位置に押圧可能なカムと、カムを回転駆動する駆動部とを含むものでもよい。あるいは、挿入部材を回転駆動して突出位置と退避位置との間で進退させる駆動部を含むものでもよい。
挿入部材は、突出位置に突出した状態において用紙の搬送方向下流側ほどその突出量が大きくなる形状に構成されていてもよい。上述のように、綴じ機構の積載面に導入された用紙は、その先端側から垂れるように動作するため、このように用紙の搬送方向下流側ほど挿入部材を突出させて用紙保持の安定性を高めることで、次紙を先行紙の対応位置により確実に導くことができる。
また、綴じ機構には、蓄積された用紙の上面に次紙が積載されるよう、搬入された用紙を下方へ案内する用紙ガイドが設けられていると、次紙を先行紙の対応位置にさらに安定させて導くことができる。
離間手段は、用紙の接着位置に凹部を形成してその凹部内に接着剤を収容させることにより、次紙の接着位置を先行紙から離間させる凹部形成手段を含んでもよい。綴じ機構は、先行紙に次紙を揃えた状態で凹部をならすように押圧することにより、次紙をその接着位置にて先行紙に圧着させてもよい。
ここで、「凹部」は、用紙の接着位置を囲むように内包する所定の大きさの窪みであってもよい。あるいは、用紙の接着位置を底部に含むように用紙搬送方向に形成された溝部であってもよい。前者の場合、例えば上記付着機構が用紙に接着剤を付着させる際に、同時にその凹部を刻印するような形式で設けてもよい。後者の場合、接着剤が付着された用紙の搬送過程でその用紙の接着位置周辺を上下に押圧して波打たせることにより、凹部を形成してもよい。
本発明によれば、接着剤を付着させた用紙を蓄積して綴じる製本装置において、その蓄積される用紙を位置精度良く接着することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態(以下、実施形態という)について詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る製本装置10の全体構成図である。製本装置10は、給紙装置12、中綴じ折り装置14、断裁装置16、スタッカ18、および管理装置20を備える。
給紙装置12は、Aトレイ22A、Bトレイ22B(以下、必要に応じてこれらを「トレイ22」と総称する)を有する。トレイ22には、印刷、電子写真方式、インクジェット方式などによる画像形成方法によって画像が形成された用紙が積載される。
給紙装置12には、各種演算処理を実行するCPU、各種制御プログラムを格納するROM、データ格納やプログラム実行のためのワークエリアとして利用されるRAMを有する給紙制御部110が設けられている。Aトレイ22AおよびBトレイ22Bの各々に対応して、分離給送機構24が設けられている。分離給送機構24は、対応するトレイ22に積載された用紙のうち最上位の用紙を分離して送り出す。第1の実施形態に係る分離給送機構24はエア吸引式のものが採用されている。エア吸引式の分離給送機構は公知であるため、その詳細な説明は省略する。なおエア吸引式の分離給送機構に代えて、いわゆるフリクション式の分離給送機構が設けられてもよいことは勿論である。
また、給紙装置12は、トレイ22の各々を昇降させる昇降機構(図示せず)、およびトレイ22の各々に積載された用紙の高さを検知する用紙高さセンサ(図示せず)を有する。給紙制御部110は、トレイ22に積載された用紙のうち最上位の用紙が給紙可能高さに達したことが検知されたときにトレイ22の上昇を停止させる。こうして給紙制御部110は、トレイ22の最上位に積載された用紙の高さを給紙可能高さに維持し、分離給送機構24による用紙の連続的な送り出しを可能としている。
給紙装置12は、スイッチバック反転機構26を有する。管理装置20においてユーザにより反転を指定する入力がなされた場合に、スイッチバック反転機構26はAトレイ22Aから送り出された用紙を反転させて用紙搬送路に戻す。Aトレイ22Aから送り出された用紙が搬送される用紙搬送路、およびBトレイ22Bから送り出された用紙が搬送される用紙搬送路は、共通搬送路28で合流する。
図2は、中綴じ折り装置14を表す部分拡大図である。(a)はその側面図を表し、(b)はその平面図を表している。
中綴じ折り装置14は、糊付け機構30、綴じ機構50、および折り機構70を有する。なお、本実施形態においては、糊付け機構30が「付着機構」として機能する。
糊付け機構30は、搬送ローラ32、用紙搬送プレート34、糊転写機構36、用紙支持部材38、送出ローラ39、および用紙センサ40,41を有する。用紙搬送プレート34には、給紙装置12の共通搬送路28から用紙が搬送される。搬送ローラ32は、用紙搬送プレート34を挟んで対向するように配置され、用紙搬送プレート34上に送り込まれた用紙を綴じ機構50に向けて搬送する。糊付け機構30には、用紙搬送方向と垂直な方向(以下、「用紙幅方向」という)への用紙の移動を規制する一対のサイドガイド42が設けられている。サイドガイド42は、図示しないギヤ機構を介してモータに接続されており、このモータを作動させることにより、用紙の幅に合わせて用紙幅方向に移動可能となっている。
用紙搬送プレート34の略中央には開口部が2箇所、用紙幅方向に並設されている。糊転写機構36は2つ設けられており、各々が昇降可能に用紙搬送プレート34の下方に配置される。糊転写機構36は、上昇することにより用紙搬送プレート34の開口部から、用紙搬送プレート34上の用紙の下面に糊を転写する。なお、用紙搬送プレート34の糊転写機構36より用紙搬送方向下流側(以下、「下流側」という)の部分は、糊転写機構36によって糊付けされた箇所が通過する領域が下方に凹んでいる。これによって、糊付けされた用紙が下流の用紙搬送プレート34上を搬送されるときに用紙搬送プレート34に貼り付くことを回避している。
用紙支持部材38は、糊転写機構36が用紙の下面に糊を転写するときに用紙の上面を支持する。用紙センサ40は、発光素子および受光素子を有する光センサによって構成される。用紙センサ40は、糊転写機構36の近傍且つ下流側に配置され、発光素子が発する光の受光量の変化を検知することにより、用紙搬送プレート34上を搬送される用紙の先端を検知する。
糊付け機構30と綴じ機構50との境界には所定高さの段差が設けられている。送出ローラ39は、用紙搬送プレート34の先端、つまりその段差近傍において用紙幅方向に一対設けられ、その各々が用紙を綴じ機構50に向けて送出する。用紙センサ41は、この一対の送出ローラ39の間に設けられている。用紙センサ41もまた、発光素子および受光素子を有する光センサによって構成され、綴じ機構50側へ導出される用紙の先端を検知する。また、本実施形態では、上記段差を利用してファン46によるエアの吹き出し口48が配設されている。ファン46は、用紙を綴じ機構50へ送り込む際に駆動されるものであるが、その詳細については後述する。中綴じ折り装置14には、糊付け制御部112が設けられている。糊付け制御部112はCPU、ROM、およびRAMを有し、搬送ローラ32や送出ローラ39の駆動および糊転写機構36の昇降などを制御する。
ここで、糊転写機構36の構成について詳述する。図3は、糊転写機構36の構成を模式的に表した図である。糊転写機構36は、フレーム120、繰り出しリール122、巻き取りリール124、糊転写ローラ126、巻き取りギヤ128、第1アイドラギヤ130、第2アイドラギヤ132、昇降部材136、シャフト138、ストッパ140、およびバネ142を有する。理解が容易となるよう、図3では、フレーム120は断面を示している。
糊シート121は、可撓性のあるシートの一方の面に糊が付けられて構成されている。繰り出しリール122は、糊が付着された糊付着面が外側となるようこの糊シート121が巻回された状態で回転可能にフレーム120に取り付けられる。糊シート121の糊が付けられている側を用紙に押し付けることにより、押し付けられた部分の糊はシートから剥がれて用紙に転写される。このような糊シートは接着剤テープの一種として公知であるため、糊シート121の構成に関する詳細な説明は省略する。
巻き取りリール124は、繰り出しリール122の横に並ぶようにフレーム120に取り付けられる。糊転写ローラ126は、繰り出しリール122と巻き取りリール124との間の上方に回転可能にフレーム120に取り付けられる。このとき糊転写ローラ126は、フレーム120の最上部から突出するように配置される。繰り出しリール122に巻回された糊シート121は、糊付着面の裏面が糊転写ローラ126の外面に接合し、一方の端部が巻き取りリール124の外面に固定されている。巻き取りリール124が回転すると、糊転写ローラ126の外面を経由して繰り出しリール122に巻回された糊シート121が巻き取りリール124に巻き取られる。繰り出しリール122は適度な摩擦が生じるよう回転軸に嵌挿されており、巻き取りリール124によって糊シート121が巻き取られても、糊シート121に適度なテンションが保たれる。糊転写ローラ126は、押圧された部分が圧縮されて糊付け面積が増大するよう、弾性材料によって形成される。
巻き取りリール124には、共に同軸に回転するよう巻き取りギヤ128が固定されている。第1アイドラギヤ130は、第1ギヤ部130aと、第1ギヤ部130aより小さな外径を有する第2ギヤ部130bとを同軸に有する。このうち第1ギヤ部130aが巻き取りギヤ128に噛合する。第2アイドラギヤ132は、第3ギヤ部132aと、第3ギヤ部132aより大きな外径を有する第4ギヤ部132bとを同軸に有する。このうち第3ギヤ部132aが、第1アイドラギヤ130の第2ギヤ部130bと噛合する。糊転写機構36が配置される周辺の糊付け機構30のフレーム(図示せず)には、ラックギヤ134が固定されている。ラックギヤ134は上下方向に延在するよう配置される。このラックギヤ134のギヤ部134aと、第2アイドラギヤ132の第4ギヤ部132bとが噛合する。
こうして、糊転写機構36が上昇することにより、第2アイドラギヤ132、第1アイドラギヤ130、および巻き取りギヤ128を介して巻き取りリール124が駆動され、巻き取りリール124に糊シート121が巻き取られる。巻き取りリール124とその回転軸との間にはワンウェイクラッチ(図示せず)が設けられており、糊転写機構36が下降するときには糊シート121は巻き取られない。なお、ラックギヤ134のギヤ部134aは、ラックギヤ134の上方において削除されていてもよい。これにより、糊転写機構36が上昇して糊転写ローラ126の上端が用紙の下面に当接するときに糊シート121が巻き取られて用紙がずれることを回避できる。
フレーム120の下面には、シャフト138が固定されている。シャフト138の下端にはシャフト138よりも外径の大きいストッパ140が設けられている。昇降部材136には、シャフト138よりも僅かに大きい内径を有する挿通孔が設けられており、この挿通孔にシャフト138が挿通される。シャフト138の外周に巻かれるようにバネ142が昇降部材136の上面とフレーム120の間の部分に配置される。バネ142は、糊転写機構36が上昇して糊転写ローラ126が用紙の下面を押圧したときに適度に収縮する。
図4は、図3において糊転写機構36を視点Pから見た図である。フレーム120の装置前方および後方の側面には、突出するガイド部149が設けられている。ガイド部149には上下方向に貫通する挿通孔が設けられており、この挿通孔にシャフト144が挿通される。シャフト144の下端には、シャフト144よりも径の大きいストッパ148が設けられている。シャフト144の上端には、用紙を押さえる用紙押さえ部146が設けられている。シャフト144の外周に巻かれるようにバネ145が用紙押さえ部146とガイド部149との間に配置される。これにより、糊転写機構36が上昇して用紙の下面に糊を転写するとき、バネ145の付勢力によって糊シート121の糊をシートから剥がすことができる。これによって、用紙幅方向に伸びる折りラインの周辺に糊を転写することが可能となっている。
次に、送出ローラ39の構成について詳述する。図5は、送出ローラ39およびその駆動機構の構成を搬送方向下流側からみた模式図である。
送出ローラ39は、用紙搬送プレート34に形成された開口部を挟んで上下に配置されたローラ対からなり、用紙幅方向に一対設けられている。各送出ローラ39は、上ローラユニット151と下ローラユニット152とを上下に対向させるようにして構成されている。用紙搬送プレート34の上方および下方には、用紙幅方向に延びるように配置されたベルト153,154がそれぞれ設けられている。上ローラユニット151はベルト153に装着され、下ローラユニット152はベルト154に装着されている。各ベルトは、図示しないギヤ機構を介してモータに接続されている。このモータを作動させることにより各ベルトが周回し、送出ローラ39を用紙幅方向に移動させることが可能となっている。
上ローラユニット151は、ベルト153に固定されたブラケット157、ブラケット157に回転可能に支持された回転軸158、および回転軸158とともに回転する一対の上方ローラ159を有する。回転軸158は用紙幅方向に延び、図示しない駆動用のモータに接続されている。一対の上方ローラ159は、その回転軸158の用紙幅方向に所定の間隔をあけて配置されている。上方ローラ159は、搬送されてきた用紙Pに上方から接触して転動する。また、各上方ローラ159に用紙Pを挟むように対向配置された押さえローラ165が配置されている。なお、この押さえローラ165については省略することもできる。
一方、下ローラユニット152は、ベルト154に固定されたブラケット161、ブラケット161に回転可能に支持された回転軸162、回転軸162とともに回転する一対の下方ローラ163を有する。回転軸162は用紙幅方向に延び、図示しない駆動用のモータに接続されている。一対の下方ローラ163は、その回転軸162の用紙幅方向に所定の間隔をあけて配置されている。下方ローラ163は、搬送されてきた用紙Pに下方から接触して転動する。
下ローラユニット152の一対の下方ローラ163は、対向する上ローラユニット151の一対の上方ローラ159のやや内側に位置するように配設されている。一対の下方ローラ163の間隔は、用紙Pにおいて糊が転写される糊付け部Pgを間に挟める程度の大きさに設定されている。また、下方ローラ163の各々が、上方ローラ159と上下方向に僅かずつオーバラップする入れ子状の配置構成となっている。その結果、用紙Pが送出ローラ39を通過する際には、図示のように用紙Pの糊付け部Pgおよびその近傍が山なりになる緩やかな波打ち形状となって綴じ機構50側へと導出される。すなわち、この送出ローラ39を経ることで、糊付け部Pgが用紙Pの下面から凹んだ位置に収容される。その結果、既に綴じ機構50に送られた先行紙の上に用紙Pが重ねられても、それだけでは接着し難くなる。
図示の例では、一対の上ローラユニット151の一方がベルト153の上側のラインに接続され、これに対応する下ローラユニット152がベルト154の上側のラインに固定されている。また、上ローラユニット151の他方がベルト153の下側のラインに接続され、これに対応する下ローラユニット152がベルト154の上側のラインに固定されている。したがって、各ベルトを一方(図示の時計回り)に駆動すると、一対の送出ローラ39は互いに離れる方向へ移動し、各ベルトを他方(図示の反時計回り)に駆動すると、一対の送出ローラ39は互いに近接する方向へ移動することになる。
また、本実施形態において、下ローラユニット152のブラケット161には、上述したファン46の吹き出し口48を有するノーズ部が装着されている。この吹き出し口48は、段差に位置するブラケット161の開口部(図示せず)を介して綴じ機構50側に露出しており、ファン46の駆動により綴じ機構50側にエアを吹き出す。後に詳述するように、ファン46は、用紙Pが段差を経て綴じ機構50に導入されるごとに駆動され、用紙Pの下面の糊付け部Pgに向けてエアを吹き付ける。吹き出し口48は、用紙の糊付け部Pgの位置(糊付け位置)に応じて送出ローラ39とともに用紙幅方向に移動可能であり、本実施形態においては、ベルト153,154およびそれらの駆動機構が「移動手段」として機能する。
図2に戻り、綴じ機構50および折り機構70は、用紙搬送プレート34から一段下がった位置に設けられた傾斜面49に設けられている。傾斜面49は、下流側へ向かって低くなるように形成され、その上流側半部に綴じ機構50が配設され、下流側半部に折り機構70が配設されている。なお、用紙搬送プレート34の上面と傾斜面49との段差は、この製本装置10で作成できる中綴じ折り冊子の折り処理前の用紙束の最大厚さよりも大きくされている。
綴じ機構50は、積載面51、先端ストッパ52、後端ガイド53、サイドガイド54、用紙ガイド55、およびプッシャローラ56を有する。積載面51は、傾斜面49の一部を構成しており、糊付け機構30側から綴じ機構50に導入された用紙Pを順次積載する。積載面51は、先端ストッパ52、後端ガイド53、および一対のサイドガイド54により囲まれる面により区画される。
先端ストッパ52は、段差から所定間隔離れた位置に配設されている。ここでは、この所定間隔が用紙の搬送方向の長さよりも所定量大きく設定されている。先端ストッパ52は、図示しないギヤ機構を介してモータに接続されており、このモータを作動させることにより積載面51より上方に突出または積載面51より下方に退避可能に構成されている。先端ストッパ52は、積載面51上に突出することにより、搬送されてきた用紙Pを下流側から係止する。
後端ガイド53は、段差の近傍で下流側の先端ストッパ52と対向配置されている。後端ガイド53は、図示しないギヤ機構を介してモータに接続されており、このモータを作動させることにより、先端ストッパ52に近接または離間する方向に移動可能となっている。積載面51に用紙Pが投入された後に後端ガイド53が先端ストッパ52に近接する方向に動作することで、その用紙Pを用紙搬送方向に揃えられるようになっている。
サイドガイド54は、積載面51において用紙の用紙幅方向への移動を規制するものである。各サイドガイド42は、図示しないギヤ機構を介してモータに接続されており、このモータを作動させることにより、用紙の幅に合わせて用紙幅方向に移動することが可能となっている。
用紙ガイド55は、長尺板状をなし、本装置における段差近傍のやや上方に回動軸57を有する。回動軸57は図示しないモータの軸に接続されており、そのモータを作動させることにより用紙ガイド55を回動させ、その先端を先端ストッパ52の上端に当接または離間させることができる。用紙Pの導入時には、用紙ガイド55と先端ストッパ52とによりその用紙Pが下方へと案内され、積載面51に積載された最上位の用紙上に導かれる。なお、本実施形態では、用紙ガイド55を回動軸57を中心に回動する構成としたが、用紙ガイド55の両端がそれぞれ固定支持される構成であってもよい。例えば、図示のような角度で用紙ガイド55をその両端において装置本体に固定してもよい。そして、先端ストッパ52が上昇したときに用紙ガイド55の下流側端部に当接し、用紙Pを案内する構成としてもよい。その場合、用紙ガイド55と積載面51との間には所定の間隙が形成されるため、圧着後の用紙束を下流側に搬送することは可能である。
プッシャローラ56は、積載面51の上方に用紙幅方向に間隔をあけて2つ設けられている。各プッシャローラ56は、積載面51に積載される用紙Pの各糊付け部Pgに対応する位置にそれぞれ設けられており、その各々が図示しない昇降機構に支持されている。この昇降機構は、例えばモータにより駆動されるボールネジ機構からなるものでもよい。積載面51に用紙束が蓄積された状態で次紙が導入されると、その用紙束と次紙とが揃えられた後にプッシャローラ56が下降する。これにより、その次紙の糊付け部Pgが用紙束の上面に押し付けられて圧着される。つまり、プッシャローラ56は、綴じ機構50に導入された用紙を圧着させる圧着機構として機能する。また、プッシャローラ56は、図示しないギヤ機構を介して他のモータに接続されており、このモータを作動させることにより回転して用紙束を下流側に搬送する。すなわち、用紙束を構成する最終紙が導入されて圧着されると、先端ストッパ52が退避位置に駆動された後、プッシャローラ56がその状態から回転駆動され、用紙束を下流側に押し出して折り機構70に送り込む。なお、プッシャローラ56には、さらにこれを用紙幅方向の移動させる機構が設けられており、糊付け位置の変更に対応可能に構成されている。このように、プッシャローラ56が用紙を糊付け圧着させる機能と、糊付けした用紙を積載面51から搬出する機能を兼ね備えているため、圧着機構の他に搬出ローラを設ける必要が無く、装置構成が簡素化される。
中綴じ折り装置14には、綴じ制御部114が設けられている。綴じ制御部114はCPU、ROM、およびRAMを有し、先端ストッパ52,後端ガイド53,サイドガイド54および用紙ガイド55の駆動、プッシャローラ56の昇降および回転、ファン46の作動を制御する。
図1にも示すように、折り機構70は、用紙束搬送ローラ73、折りストッパ74、折りナイフ76、折りローラ78、およびベルト搬送機構80を有する。用紙束搬送ローラ73は、用紙束が搬送される用紙搬送プレート72を上下で挟むように設けられる。用紙束搬送ローラ73は、折り処理時に用紙束の挟持を解除することができるよう、上方の用紙束搬送ローラ73が上方に移動可能とされている。
折りストッパ74は、用紙搬送プレート72の下流側端部近傍に、用紙搬送プレート72上面より上方に突出するよう配置される。折りストッパ74はボールネジ機構を介してストッパ移動モータ(図示せず)に接続されており、ストッパ移動モータが作動することにより用紙搬送方向に移動する。用紙搬送プレート72の上面は積載面51と連続しており、綴じ機構50から用紙搬送プレート72上に用紙束が送り込まれる。送り込まれた用紙束は、前端部が折りストッパ74に当接したところで用紙搬送方向の位置決めがされる。折りストッパ74は、当接した用紙束の折りラインが、折りナイフ76に当接する位置になるよう、予め用紙搬送方向に移動されている。なお、第1の実施形態に係る製本装置10では、用紙幅方向が折りラインと平行な方向となる。
用紙搬送プレート72の上方にはローラ対からなる折りローラ78が、軸方向が用紙幅方向に向くよう、用紙搬送方向に並設されている。折りナイフ76は、折りナイフ駆動モータ(図示せず)が作動することにより一対の折りローラ78の間と用紙搬送プレート72の下方とを上昇および下降することが可能となっている。折りストッパ74により用紙束が用紙搬送方向の位置決めがされた状態で折りナイフ76を上昇させることにより、用紙束が一対の折りローラ78の間に巻き込まれる。一対の折りローラ78は、ギヤ機構などを介して折りローラ駆動モータに接続されている。折りローラ駆動モータが作動することにより、巻き込んだ用紙束を折りたたみながら上方に搬送するように一対の折りローラ78が駆動される。一対の折りローラ78によって折りたたまれた冊子は、一対の折りローラ78のニップ部から上方に向かう綴じ折り冊子搬送路82を通ってベルト搬送機構80に送り込まれる。ベルト搬送機構80は、作成された冊子を断裁装置16の用紙搬送路92に送り出す。
中綴じ折り装置14には、折り制御部116が設けられる。折り制御部116はCPU、ROM、およびRAMを有し、折りストッパ74の用紙搬送方向位置、折りナイフ76の昇降、および折りローラ78の駆動を制御する。
断裁装置16は、三方断裁機構90を有する。三方断裁機構90は、小口断裁刃98、用紙押さえ部96、ストッパ94、サイドガイド(図示せず)、および一対の天地断裁刃(図示せず)を有する。
ストッパ94は、ソレノイド(図示せず)をオン・オフすることにより、用紙搬送路92に進退可能とされている。冊子の小口を断裁する場合、各々の冊子が送り込まれる前にストッパ94が用紙搬送路92に突出させておく。ストッパ94はボールネジ機構を介してストッパ移動モータ(図示せず)に接続されており、ストッパ移動モータが作動することにより用紙搬送方向に移動する。
三方断裁機構90に搬送された冊子は、背がストッパ94に当接する直後のタイミングで搬送が停止される。冊子の天地は、ストッパ94に当接する以前に一対のサイドガイド(図示せず)によって位置決めされる。用紙押さえ部96は、モータ(図示せず)が作動することにより、ストッパ94に当接した冊子に向けて下降する。
小口断裁刃98は、用紙押さえ部96より上流側の用紙搬送路92上方に設けられ、小口断裁モータ(図示せず)が作動することにより下降する。天地断裁刃は、用紙搬送路92上方に用紙押さえ部96を挟んでそれぞれ一つずつ設けられ、天地断裁モータ(図示せず)が作動することにより下降する。これら一対の天地断裁刃は、中心振り分け方式により相互に離間または近接する方向に移動可能とされており、天地断裁刃移動モータ(図示せず)が作動するによって、ギヤ機構などを介して相互に離間または近接する方向に移動する。
サイドガイドの間を通過することにより天、地の位置が揃えられ、且つストッパ94により用紙搬送方向の位置決めがされた状態で、用紙押さえ部96が下降して冊子が押さえつけられる。この状態で、まず小口断裁刃98が小口を断裁し、次に一対の天地断裁刃が、冊子の天と地を断裁する。こうして最終的な中綴じ折り冊子が作成される。断裁処理が施された冊子は、スタッカ18上に搬送される。なお、三方断裁機構90に代えて、小口のみを断裁する小口断裁機構が設けられてもよい。
断裁装置16には、断裁制御部118が設けられる。断裁制御部118はCPU、ROM、およびRAMを有し、ストッパ94の用紙搬送方向位置、天地断裁刃の用紙幅方向位置、小口断裁刃98および天地断裁刃による冊子の断裁を制御する。
管理装置20は、管理PC(Personal Computer)100、ディスプレイ102、キーボード104、マウス106によって構成される。管理PC100は、CPU、ROM、RAM、ハードディスクなどを有し、給紙装置12、中綴じ折り装置14、および断裁装置16とデータの送受信可能に接続されている。ディスプレイ102、キーボード104、およびマウス106は管理PC100に接続されている。
管理PC100は、ディスプレイ102に設定画面を表示することにより、ユーザによって各種の設定入力が可能な状態とする。ユーザは、設定画面が表示された状態でキーボード104やマウス106を使って各種の設定入力をすることができる。ディスプレイ102に表示されたスタートボタンがユーザによってクリックされると、管理PC100は、設定内容を示す情報と共に製本処理を開始する旨を示すスタート信号を、給紙制御部110、糊付け制御部112、綴じ制御部114、折り制御部116、および断裁制御部118に送信する。
図6は、第1の実施形態に係る製本装置10の機能ブロック図である。なお、図6は、CPU、ROM、RAMなどのハードウェア、およびソフトウェアの連携によって実現される機能ブロックが描かれている。したがって、これらの機能ブロックはハードウェアおよびソフトウェアの組合せによって様々な形で実現することができる。
管理PC100は、サイズ情報取得部170および折りライン設定部172を有する。サイズ情報取得部170は、用紙の搬送方向長さを示す情報と用紙幅方向の幅方向長さを示す情報を含むサイズ情報を取得する。サイズ情報取得部170は、ユーザによって入力または選択された用紙サイズを示す情報をサイズ情報として取得してもよい。また、例えばトレイ22に用紙サイズセンサが設けられている場合、検出された用紙サイズをサイズ情報として取得してもよい。
折りライン設定部172は、取得されたサイズ情報を利用して用紙に折りラインを設定する。具体的には、折りライン設定部172は、取得したサイズ情報に含まれる用紙の搬送方向長さを示す情報を利用して、搬送する用紙の先端部から搬送方向長さの半分の距離にある直線を折りラインとして設定する。なお、ユーザは、設定画面において、折りラインの位置として搬送する用紙の先端部からの距離を入力することが可能となっている。折りライン設定部172は、このようにユーザに入力された用紙先端部からの距離にある直線を折りラインとして設定してもよい。
給紙制御部110は、分離給送機構24における、エアの吸引および吸引停止を切り換えるソレノイドや、搬送ベルトに噛合するローラを駆動するモータに接続されている。給紙制御部110は、搬送ベルトを駆動させた状態でエアの吸引および吸引停止を切り換えることで、給紙装置12からの用紙の送り出しを制御する。
糊付け制御部112は、用紙センサ40、搬送ローラ32を駆動する用紙搬送モータ176、送出ローラ39を駆動する用紙搬送モータ177、および糊転写機構36を昇降させる糊転写モータ178に接続されている。糊付け制御部112は、用紙センサ40によって搬送される用紙の先端が検知されたときから、用紙搬送モータ176に入力する駆動パルスを計数する。計数した駆動パルスが所定数に至ったときに用紙搬送モータ176への駆動パルスの入力を停止して用紙の搬送を停止させる。こうして給紙制御部110は、用紙搬送プレート34上の用紙を用紙搬送方向の所定位置で停止させる。給紙制御部110は、用紙の搬送を停止したときに糊転写モータ178を作動させて糊転写機構36を上昇させることにより、用紙の下面に糊付けする。
綴じ制御部114は、用紙センサ41、先端ストッパ52を駆動するストッパ駆動モータ180、後端ガイド53を駆動するガイド駆動モータ181、サイドガイド54を駆動するガイド駆動モータ182、用紙ガイド55を回動させるガイド駆動モータ183、プッシャローラ56を昇降させるプッシャ駆動モータ184、プッシャローラ56を回転駆動するプッシャ駆動モータ185、およびファン46を駆動させるファン駆動モータ186に接続されている。
綴じ制御部114は、製本対象となる冊子の最初の用紙が糊付け機構30に送り込まれたとき、および冊子の最後の用紙が綴じ機構50に送り込まれたときに、それぞれその旨を表す情報を受け取る。綴じ制御部114は、最初の用紙が送り込まれたとの情報を受け取ると、ストッパ駆動モータ180を駆動して先端ストッパ52を突出させ、さらにガイド駆動モータ183を駆動して用紙ガイド55を先端ストッパ52に当接させる。これにより、積載面51に用紙を積載可能な状態となる。
綴じ制御部114は、用紙センサ41によって用紙の先端が検知されるごとにファン駆動モータ186を駆動してファン46を作動させ、既に積載面51に積載された先行紙と、綴じ機構50に導入されてきた次紙との間にエアを吹き込む。綴じ制御部114は、ファン駆動モータ186の駆動を開始してからの経過時間を計時する。そして、所定時間が経過するとファン駆動モータ186の駆動を停止する。綴じ制御部114は、このようにして次紙の導入ごとにファン46を所定期間のみ動作させる。本実施形態では、この所定期間として、綴じ機構50への用紙の導入が開始されてからその用紙の先端が先端ストッパ52に到達する直前までの時間を設定している。この時間については、実験又は解析を通じて予め設定されている。このとき、次紙は吹き込まれたエアにのって既に積載された最上位の先行紙の上面に効率よく導かれる。またその際、次紙の下面の波打ち形状部分にエアが積極的に当てられるため、次紙が先行紙の上面に到達するまでその次紙の糊付け部Pgを先行紙から確実に離間させることができる。
綴じ制御部114は、ファン46の作動停止タイミングでガイド駆動モータ182を駆動してサイドガイド54を用紙幅の位置に移動させるとともに、ガイド駆動モータ181を駆動して後端ガイド53を先端ストッパ52への近接方向に移動させることにより、積載された用紙を揃える。本実施形態において、サイドガイド54、後端ガイド53およびそれらの駆動手段が「揃え手段」として機能する。綴じ制御部114は、このように用紙を揃えた状態でプッシャ駆動モータ184を駆動してプッシャローラ56を下降させ、積載された用紙を糊付け位置にて上方から押圧する。これにより、次紙の波打ち形状がならされ、糊付け部Pgの糊を介して次紙と先行紙とが接着される。このように次紙が先行紙に揃えられた後に両者が圧着されるため、冊子を位置精度良く綴じることができる。
こうして1つの冊子を構成する用紙束の圧着が終了すると、綴じ制御部114は、先端ストッパ52、後端ガイド53、サイドガイド54を退避位置に移動させる。そして、プッシャ駆動モータ185を駆動してプッシャローラ56を回転させ、用紙束を折り機構70側へ送り出す。
折り制御部116は、折りストッパ74を搬送方向に移動させるストッパ移動モータ190、折りナイフ76を昇降させる折りナイフ駆動モータ191、および折りローラ78を駆動する折りローラ駆動モータ192に接続されている。折り制御部116は、張り合わされた用紙束が折り機構70に送り込まれる前に、折りストッパ74を所定位置に移動させておく。折り制御部116は、用紙束が折りストッパ74に当接した後、折りナイフ駆動モータ191および折りローラ駆動モータ192を作動させ、折りナイフ76を上昇させて用紙束を折りローラ78に挟持させて折りたたんで冊子を作成する。
管理PC100は、ユーザによって入力された仕上がりサイズを仕上がりサイズ情報として取得する。なお、管理PC100は、サイズ情報取得部170によって取得された用紙サイズ情報が示すサイズの用紙を半分に折りたたんだサイズから、さらに断裁マージンを差し引いたサイズを、冊子の仕上がりサイズとして取得してもよい。管理PC100は、取得した仕上がりサイズ情報を断裁制御部118に送信する。
断裁制御部118は、ストッパ移動モータ195および天地断裁刃移動モータ196に接続されている。断裁制御部118は、受信した仕上がりサイズ情報に基づいて、小口の断裁位置、および天地の断裁位置を特定する。断裁制御部118は、特定した位置で小口を断裁するよう、ストッパ移動モータ195を作動させてストッパ94を移動させる。また、断裁制御部118は、特定した位置で天地を断裁するよう、天地断裁刃移動モータ196を作動させて天地断裁刃を移動させる。
図7は、第1の実施形態に係る製本装置10の製本手順を示すフローチャートである。本フローチャートにおける処理は、ユーザによってスタートボタンが押された後、ユーザによって入力された冊子数と、一つの冊子を構成する用紙枚数を掛け合わせた総用紙枚数の搬送が完了するまで、給紙装置12における給紙タイミング毎に繰り返し実施される。
管理PC100は、中綴じ折り装置14および断裁装置16にて円滑に製本処理が進行するよう、給紙タイミングを示す信号を給紙制御部110に送信する。給紙制御部110は、給紙タイミングを示す信号を受信すると、トレイ22から用紙を1枚送り出す給紙処理を実施する(S10)。管理PC100は、糊付け機構30に用紙が送り込まれるタイミングで、その用紙が冊子の最初の用紙か否かを示す情報を糊付け制御部112および綴じ制御部114に送信する。糊付け制御部112は、その情報に基づいて、送り込まれる用紙が冊子の最初の用紙か否かを判定する(S12)。
冊子の最初の用紙と判定された場合(S12のY)、糊付け制御部112は、その用紙に対する糊転写を回避し(S14)、その用紙を綴じ機構50へ搬送する(S16)。具体的には、糊付け制御部112は、用紙センサ40によって用紙の先端が検知された場合においても、その用紙が冊子の最初の用紙の場合、用紙の搬送を停止することなくその用紙を綴じ機構50に送り出す。このとき糊付け制御部112は、糊転写機構36を上昇させず、用紙の下面に糊付けしない。このように冊子の最初の用紙に糊付けしないことで、綴じられて作成される用紙束の下面に糊付けされることが回避される。
綴じ制御部114は、最初の用紙が送り込まれたとの情報を受け取った時点で先端ストッパ52を突出させるとともに用紙ガイド55を先端ストッパ52に当接させ、積載面51に用紙を積載可能な状態にする。綴じ制御部114は、用紙センサ41によって用紙の先端が検知されたタイミングでファン46を作動させ、所定期間経過後にこれを停止させる(S18)。なお、最初の用紙が送り込まれた際にはこのファン46の駆動を省略してもよい。綴じ制御部114は、ファン46の作動停止タイミングでサイドガイド54および後端ガイド53を動作させて積載面51上の用紙を揃え(S20)、本フローチャートにおける処理を一旦終了する。
冊子の最初の用紙でないと判定された場合(S12のN)、糊付け制御部112は、糊転写機構36の糊転写ローラ126の上端が当接する用紙搬送方向における位置を糊付け基準位置として、この糊付け基準位置に折りラインが位置したときに用紙の搬送を停止する(S22)。用紙が停止すると、糊付け制御部112は、糊転写機構36を上昇させて用紙の下面に糊を転写する(S24)。このように糊付け基準位置に折りラインが位置している状態で糊を転写させることにより、用紙における折りライン周辺の所定の糊付け位置に糊付けすることができる。糊付け制御部112は、このように糊付けされた用紙を綴じ機構50へ搬送する(S26)。
綴じ制御部114は、用紙センサ41によってその用紙の先端が検知されたタイミングでファン46を作動させ、所定期間経過後にこれを停止させる(S28)。このとき、既に積載面51に積載された先行紙と、綴じ機構50に導入されてきた次紙との間にエアが吹き込まれる。それにより、次紙が吹き込まれたエアにのって先行紙の上面に導かれる。綴じ制御部114は、ファン46の作動停止タイミングでサイドガイド54および後端ガイド53を動作させ、積載面51に積載された用紙束とその上に導かれた次紙とを揃える(S30)。綴じ制御部114は、さらにプッシャローラ56を下降させ、揃えられた用紙束を上方から押圧する(S32)。これにより次紙と先行紙とが位置精度良く接着される。
管理PC100は、綴じ機構50に用紙が送り込まれるタイミングで、その用紙が冊子の最後の用紙か否かを示す情報を綴じ制御部114に送信する。綴じ制御部114は、その情報に基づいて、送り込まれる用紙が冊子の最後の用紙か否かを判定する(S34)。その用紙が冊子の最後の用紙でない場合(S34のN)、本フローチャートにおける処理を一旦終了する。
その用紙が冊子の最後の用紙である場合(S34のY)、綴じ制御部114は、先端ストッパ52、後端ガイド53、サイドガイド54を退避位置に移動させる。そして、プッシャローラ56を回転させて用紙束を折り機構70側へ送り出す(S36)。
折り制御部116は、折りナイフ76が上昇したときに用紙に当接する用紙搬送方向の位置を折り位置として、折りストッパ74に用紙束が当接したときにその折り位置に用紙束の折りラインが位置するよう、折りストッパ74の位置を調整する。搬送された用紙束の先端が折りストッパ74に当接したタイミングで、折り制御部116は、折りナイフ76を上昇させて用紙束を折りローラ78に挟持させて折りたたむ折り処理を実施する(S38)。折りたたまれて作成された中綴じ折り冊子は、断裁装置16に送り込まれる。断裁制御部118は、送り込まれた冊子の三方を断裁する断裁処理を実施する(S40)。このように折りライン周辺に糊付けした用紙を折りラインが重なるように貼り合わせて折り処理を施すことにより、綴じ針のない中綴じ折り冊子を作成することができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態は、中綴じ折り装置の構成が異なる以外は第1の実施形態とほぼ同様である。このため、上記第1の実施形態と同様の構成部分については必要に応じて同一の符号を付す等して適宜その説明を省略する。図8は、第2の実施形態に係る中綴じ折り装置214の構成を表す部分拡大図である。(a)はその側面図を表し、(b)はその平面図を表している。
本実施形態の中綴じ折り装置214においては、糊付け機構30と綴じ機構250との境界に段差が設けられるものの、第1の実施形態のような傾斜面49は設けられていない。綴じ機構250および折り機構70は、用紙搬送プレート34に平行な搬送面の上に構成されている。
綴じ機構250において、積載面51を区画する一対のサイドガイド254のそれぞれの近傍には、挿入部材252およびその駆動機構256が配設されている。挿入部材252は、積載面51に積載された先行紙とその上に導入される次紙との間に進出し、その次紙が先行紙と揃えられるまで糊付け部Pgを先行紙から離間させるものである。
図9は、挿入部材252およびその駆動機構256の構成を表す模式図である。(a)は、挿入部材252の作動時の様子を表し、(b)は、挿入部材252周辺の拡大図を表している。
挿入部材252は、支持部260およびガイド部262を有する。支持部260は、軸状をなし、その一端側がサイドガイド254に形成された挿通孔253を介して積載面51の上方に進退可能に構成されている。ガイド部262は、支持部260の他端に一体に設けられている。ガイド部262には、これを上下に貫通するとともに用紙搬送方向に延びる長孔264が設けられている。
一方、駆動機構256は、円板状の駆動部材270を有する。駆動部材270は、その中央に上下方向に延びる回転軸272を有し、その回転軸272は、図示しないモータの軸に接続されている。駆動部材270の周縁部には、上方に突出した円柱状のガイド片274が設けられている。ガイド片274は支持部260の長孔264に挿通されており、モータの駆動により駆動部材270が回転すると、ガイド片274がガイド部262を押して作動させる。つまり、駆動部材270の回転動作がガイド部262の並進動作に変換される。その結果、積載面51に積載された用紙の上方に支持部260が進退することができる。同図(b)に示す例では、駆動部材270が反時計回りに回転すると挿入部材252が積載された用紙の上方に突出し、駆動部材270が時計回りに回転すると挿入部材252が積載された用紙の上方から外側に退避するようになる。このように挿入部材252が進退動作をする間、ガイド片274が長孔264の長手方向に相対的に変位する。
同図(a)に示すように、積載面51に積載された用紙束の上方に次の用紙Pが到来する際には、挿入部材252が進出してその上面に沿って用紙Pを案内する。なお、支持部260が用紙Pの糊付け位置に合わせて位置決めされているため、挿入部材252が退避するまでの間、用紙Pの糊付け部Pgを用紙束の上面から確実に離間させておくことができる。
図10は、綴じ処理における各部材の動作の例を表すタイミングチャートである。同図の横軸は時間の経過を表し、縦軸は上段からプッシャローラ56の動作、サイドガイド254の動作、挿入部材252の動作をそれぞれ表している。図11は、図10における時間経過に対応した各部材の動作状態を表す模式図である。(a)は時刻t1およびt6の状態、(b)は時刻t2の状態、(c)は時刻t3の状態、(d)は時刻t4の状態、(e)は時刻t5の状態をそれぞれ表している。
綴じ制御部114は、積載面51に用紙が積載されるごとに、図11(a)に示すように用紙束P0の上方に挿入部材252を突出させる(時刻t1)。同図(b)に示すように次紙P1が到来すると、用紙束P0と次紙P1との間に挿入部材252が介装される(時刻t2)。このため、次紙P1の糊付け部Pgは、用紙束P0の上面と離間された状態となる。綴じ制御部114は、この状態から同図(c)に示すように、サイドガイド254を内方に作動させて用紙束P0と次紙P1とをその用紙幅方向に揃える(時刻t3)。なお、このとき、図示しない先端ストッパ52は突出状態にあり、後端ガイド53も作動されている。このため、用紙束P0と次紙P1とはその用紙長手方向(用紙搬送方向)にも揃えられる。
綴じ制御部114は、このようにサイドガイド254が作動された状態で、同図(d)に示すようにプッシャローラ56を下降させ、次紙P1を用紙束P0の上面に圧着させる(時刻t4)。そして、その圧着の完了後、同図(e)に示すようにサイドガイド254および挿入部材252を退避させ(時刻t5)、次紙P1の周縁部を挿入部材252から開放する(時刻t6)。綴じ制御部114は、このような動作を繰り返すことにより、積載面51に用紙束を積載していく。そして、冊子の最終紙についての圧着が完了すると、綴じ制御部114は、同図(d)に示す状態からプッシャローラ56を回転させて用紙束P0を折り機構70へ送り出す。
なお、以上に述べた動作は一例であり、種々の変形も可能である。例えば、図10に破線にて示したように、プッシャローラ56を下降させる前、またはプッシャローラ56の下降と同時に挿入部材252を退避させるようにしてもよい。サイドガイド254により次紙P1と用紙束P0とが揃った状態が保持されているので、このようにしても位置精度良く両者を接着することができる。
本発明は上述の各実施形態に限定されるものではなく、各実施形態の各要素を適宜組み合わせたものも、本発明の実施形態として有効である。また、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を各実施形態に対して加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施形態も本発明の範囲に含まれうる。以下、そうした例をあげる。
図12は、第1の実施形態の変形例にかかる製本装置の中綴じ折り装置の構成を表す模式図である。(a)はその平面図を表し、(b)は(a)のA−A矢視図である。
本変形例では、ファン46によるエアの吹き込みを、用紙Pの糊付け部Pgに沿った用紙幅方向、つまり折りラインに沿って集中的に行う。すなわち図示の例では、積載面51の用紙搬送方向中央において、用紙幅方向の一方の側にファン46の吹き出し口48を設け、他方の側にエアの逃がし孔を設けている。一対のサイドガイド354には多孔状の通風孔356がそれぞれ設けられ、一方のサイドガイド354には吹き出し口48が接続され、その通風孔356がエアの吹き込み孔を構成している。そして、他方のサイドガイド354の通風孔356が逃がし孔を構成している。なお、本変形例では、エアの吹き込みを糊付け位置に沿って集中的に行ったが、積載面51の用紙搬送方向全体にわたる吹き出し口および逃がし孔を設け、用紙Pの全体を浮かせるような構成としてもよい。
本変形例では、同図(b)に示すように、用紙Pが積載されるごとの圧着は行わず、冊子を構成する全ての用紙Pが積載されるまでファン46の駆動を継続する。順次重ねられる用紙Pは、少なくとも糊付け位置において先行紙との間に微少な間隙を保持しつつ浮いた状態で重ねられる。そして、サイドガイド354および後端ガイド53を作動させてこのように浮いた状態の用紙Pを揃え、プッシャローラ56を下降させて全ての用紙Pをまとめて圧着させる。
図13は、第2の実施形態の変形例にかかる挿入部材452およびその駆動機構456の構成を表す模式図である。(a)は、挿入部材452の作動時の様子を表し、(b)は、挿入部材452周辺の拡大図を表している。
挿入部材452は、用紙搬送方向に延びる長方形状の平板材からなり、その幅方向の一端側がサイドガイド454に形成された挿通孔453を介して積載面51の上方に進退可能に構成されている。挿入部材452は、その幅方向の他端側がスプリング460(「付勢部材」として機能する)によって内方(積載面51側)に付勢されている。一方、駆動機構456は、円板状のカム470を有する。カム470の偏心した回転軸472は、図示しないモータの軸に接続されている。モータの駆動によりカム470が回転すると、そのカム470の外周面が挿入部材452の他端面を押圧し、その偏心した回転動作がガイド部262の並進動作に変換される。その結果、積載面51に積載された用紙の上方に挿入部材452が進退することができる。
同図(a)に示すように、積載面51に積載された用紙束の上方に次の用紙Pが到来する際には、挿入部材452が進出してその上面に沿って用紙Pを案内する。挿入部材452が用紙搬送方向に長く形成されているため、用紙Pを安定に案内することができる。
図14は、第2の実施形態の他の変形例にかかる挿入部材552およびその駆動機構の構成を表す模式図である。(a)は、挿入部材552の作動時の様子を表し、(b)は、挿入部材552周辺の拡大図を表している。
挿入部材552は、概ね用紙搬送方向に延びる扇状の平板材からなり、回転軸556を中心に回動可能に構成されている。回転軸556は、図示しないモータの軸に接続されている。挿入部材552は、その片側がサイドガイド554に形成された挿通孔553を介して積載面51の上方に進退可能に構成されている。挿入部材552は、その回転軸556から先端側、つまり用紙搬送方向の下流側へ向かうほど積載面51への突出量が大きくなる形状に構成されている。モータが駆動されると挿入部材552が回動し、積載面51に積載された用紙の上方に進退する。
同図(a)に示すように、積載面51に積載された用紙束の上方に次の用紙Pが到来する際には、挿入部材552が進出してその上面に沿って用紙Pを案内する。挿入部材552が用紙搬送方向の下流側に向かってより大きく突出する構成となっているため、用紙Pの先端が垂れるのを抑制して安定に案内することができる。
また、各実施形態では、用紙搬送プレート34に対して糊転写機構36を下方に設置し、用紙支持部材38を上方に設置した例を示した。つまり、下方から糊付けする構成について示したが、両者の位置を逆転するなどして上方から糊付けする構成としてもよい。その場合、用紙の上面に糊が付着されるため、下方ローラ163は一対ではなく、糊付け部の真下に1つ配置するようにしてもよい。特にエアの吹き込みの離間効果が大きい場合に、そのような構成も有効である。
また、各実施形態では、用紙の中央に折りラインを設け、用紙束をその折りラインに沿って折ることにより製本する例を示したが、用紙の端部に糊付けを行い、用紙束を折らずに端部綴じの冊子として製本するようにしてもよい。この場合にも、各実施形態に示した離間手段は、有効に機能する。
さらに、上記実施形態では、糊付け機構30側から綴じ機構50に用紙の導入が開始されてからファン46を駆動するとともに計時を行い、所定期間経過後にファン46を停止させる構成とした。変形例においては、例えば、用紙搬送プレート34に設けたセンサにより用紙の後端が検知されたときにファン46を停止させるようにしてもよい。あるいは、例えば先端ストッパ52の近傍など、綴じ機構50側にセンサを設け、到来する用紙を検出したときにファン46を停止させるようにしてもよい。
第1の実施形態に係る製本装置の全体構成図である。 中綴じ折り装置を表す部分拡大図である。 糊転写機構の構成を模式的に表した図である。 図3において糊転写機構を視点Pから見た図である。 送出ローラおよびその駆動機構の構成を搬送方向下流側からみた模式図である。 第1の実施形態に係る製本装置の機能ブロック図である。 第1の実施形態に係る製本装置の製本手順を示すフローチャートである。 第2の実施形態に係る中綴じ折り装置の構成を表す部分拡大図である。 挿入部材およびその駆動機構の構成を表す模式図である。 綴じ処理における各部材の動作の例を表すタイミングチャートである。 図10における時間経過に対応した各部材の動作状態を表す模式図である。 第1の実施形態の変形例にかかる製本装置の中綴じ折り装置の構成を表す模式図である。 第2の実施形態の変形例にかかる挿入部材およびその駆動機構の構成を表す模式図である。 第2の実施形態の他の変形例にかかる挿入部材およびその駆動機構の構成を表す模式図である。
符号の説明
10 製本装置、 12 給紙装置、 14 中綴じ折り装置、 16 断裁装置、 20 管理装置、 22 トレイ、 30 糊付け機構、 32 搬送ローラ、 36 糊転写機構、 39 送出ローラ、 40 用紙センサ、 41 用紙センサ、 46 ファン、 48 吹き出し口、 49 傾斜面、 50 綴じ機構、 51 積載面、 54 サイドガイド、 55 用紙ガイド、 56 プッシャローラ、 100 管理PC、 110 給紙制御部、 112 糊付け制御部、 114 綴じ制御部、 116 折り制御部、 118 断裁制御部、 214 中綴じ折り装置、 250 綴じ機構、 252 挿入部材、 254 サイドガイド、 354 サイドガイド、 356 通風孔、 452 挿入部材、 454 サイドガイド、 470 カム、 552 挿入部材、 554 サイドガイド。

Claims (15)

  1. 搬送手段により順次搬送される用紙の所定の接着位置に接着剤を付着させる付着機構と、
    前記付着機構の搬送方向下流側に設けられ、前記接着剤が付着された用紙を重ねて蓄積し、重ねられた用紙の周縁を揃えて前記接着位置にて圧着させる綴じ機構と、
    前記綴じ機構において既に蓄積された先行紙とその上に搬送される次紙とが少なくとも揃えられるまで、前記次紙の接着位置を前記先行紙から離間させる離間手段と、
    を備えたことを特徴とする製本装置。
  2. 前記離間手段は、前記付着機構側から前記綴じ機構に次紙が導入される際に、前記綴じ機構に蓄積された先行紙と前記次紙との間にエアを吹き込むエア吹き込み手段を含むことを特徴とする請求項1に記載の製本装置。
  3. 前記綴じ機構において蓄積される用紙束を挟むように対向配置された複数のガイド部材を有し、その対向するガイド部材の少なくとも一方を他方に近接させる方向に駆動することにより前記用紙束を押圧して揃える揃え手段を備え、
    前記エア吹き込み手段は、前記綴じ機構に導入された最終紙を前記用紙束に圧着させる際に、前記ガイド部材により前記用紙束と前記最終紙とが挟まれた状態でエアの吹き込みを止めることを特徴とする請求項2に記載の製本装置。
  4. 前記綴じ機構において用紙が積載される積載面が、前記綴じ機構への用紙の導入面の高さよりも低くなるようにして構成された段差を有し、
    前記エア吹き込み手段は、前記段差に配置された吹き出し口から用紙の搬送方向にエアを吹き込むことを特徴とする請求項2または3に記載の製本装置。
  5. 前記積載面が前記用紙の搬送方向下流側ほど低くなる傾斜面をなし、
    前記綴じ機構には、前記導入面から導入された用紙を下流側から係止するストッパが設けられていることを特徴とする請求項4に記載の製本装置。
  6. 前記用紙の接着位置にエアが吹き付けられるように、前記接着位置に応じて前記エア吹き込み手段のエアの吹き出し口を移動させる移動手段が設けられたことを特徴とする請求項2から5のいずれかに記載の製本装置。
  7. 前記エア吹き込み手段は、用紙に対してその搬送方向に直角な幅方向の一方の側に設けられたエアの吹き出し口と、他方の側に設けられたエアの逃がし孔とを含むことを特徴とする請求項2から6のいずれかに記載の製本装置。
  8. 前記綴じ機構において用紙が積載される積載面が、前記綴じ機構への用紙の導入面の高さよりも低くなるようにして構成された段差を有し、
    前記離間手段は、前記綴じ機構において蓄積された用紙の上方に突出する突出位置と、蓄積された用紙の上方から外側に退避する退避位置との間で進退可能な挿入部材を含み、前記綴じ機構への次紙の到来時に前記挿入部材を前記突出位置に突出させ、既に蓄積された先行紙の上にその次紙が揃えられて圧着された後に前記挿入部材を前記退避位置に退避させることを特徴とする請求項1に記載の製本装置。
  9. 前記綴じ機構において蓄積された用紙束を用紙の搬送方向に直角な幅方向の両側から挟むように対向配置された複数のガイド部材を有し、前記用紙束の上に次紙が搬送されるごとに、その対向するガイド部材の少なくとも一方を他方に近接させる方向に駆動して、前記次紙を含む用紙束を押圧して揃える揃え手段を備え、
    前記離間手段は、少なくとも前記揃え手段により前記用紙束と前記次紙とが揃えられた後に圧着されるまでは前記挿入部材を突出位置に保持することを特徴とする請求項8に記載の製本装置。
  10. 前記離間手段は、
    前記挿入部材を退避方向に付勢する付勢部材と、
    前記挿入部材を前記突出位置に押圧可能なカムと、
    前記カムを回転駆動する駆動部と、
    を含むことを特徴とする請求項8または9に記載の製本装置。
  11. 前記離間手段は、前記挿入部材を回転駆動して前記突出位置と前記退避位置との間で進退させる駆動部を含むことを特徴とする請求項8または9に記載の製本装置。
  12. 前記挿入部材は、前記突出位置に突出した状態において用紙の搬送方向下流側ほどその突出量が大きくなる形状に構成されていることを特徴とする請求項8から11のいずれかに記載の製本装置。
  13. 前記綴じ機構には、蓄積された用紙の上面に次紙が積載されるよう、搬入された用紙を下方へ案内する用紙ガイドを備えたことを特徴とする請求項2から12のいずれかに記載の製本装置。
  14. 前記離間手段は、用紙の前記接着位置に凹部を形成してその凹部内に接着剤を収容させることにより、前記次紙の接着位置を前記先行紙から離間させる凹部形成手段を含み、
    前記綴じ機構は、前記先行紙に前記次紙を揃えた状態で前記凹部をならすように押圧することにより、前記次紙をその接着位置にて前記先行紙に圧着させることを特徴とする請求項1に記載の製本装置。
  15. 前記凹部形成手段は、前記接着剤が付着された用紙の搬送過程でその用紙の接着位置周辺を押圧して波打たせることにより、前記凹部を形成することを特徴とする請求項14に記載の製本装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102896930A (zh) * 2011-07-24 2013-01-30 浙江蓝宝机械有限公司 书簿自动缝合装订机

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