JPH06211365A - 画像形成装置の給紙方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 普通紙を収容した給紙トレイに対して、その
用紙を交換せずに、ボトムシートを介してトレーシング
ペーパー等の紙質の異なる用紙を収容させ、割り込みコ
ピーの作成を容易に行い得るようにする。 【構成】 給紙トレイ１に収容される用紙Ｐの上にボト
ムシート１０を載置し、該ボトムシートの先端部をトレ
イのスナバー爪６、６ａに係止して保持させ、前記ボト
ムシート１０の上にトレーシングペーパー等のような紙
質の異なる用紙を収容し、少数枚のトレーシングペーパ
ー等を用いたコピーを作成できるようにする。前記ボト
ムシート１０は、剛性を有するプラスチック製のシート
部材の上に、摩擦係数の大きなパッド部材を一体に取り
付けたものを用い、表裏を判別するために、裏面に識別
ラベル１３等を設けたものを使用する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、給紙トレイ等に収容し
ている用紙の上に、少数枚の別の紙質の用紙を積載して
給紙する際に用いる区分手段に関し、特に、普通紙を用
いてコピーを作成している途中で、トレーシングペーパ
ー等の紙質の異なる用紙を少数枚積載して別のコピーを
作成できるようにするための区分部材に関する。

【０００２】

【従来の技術】電子写真複写機等の画像形成装置におい
ては、給紙部に複数の給紙トレイや給紙カセット等の用
紙収容部材を装着し、それ等の給紙トレイ等に対して、
サイズや紙質の異なる用紙を収容している。そして、原
稿のサイズや縮拡率等の情報に応じて、適当するサイズ
の用紙を送り出してコピーを作成することが一般に行わ
れている。前記用紙収容部材としては、定型サイズの用
紙を収容する給紙トレイ等の装置と、任意のサイズの用
紙を収容可能なユニバーサルトレイ等の装置が用いられ
る。また、前記用紙収容部材を装着する画像形成装置の
給紙部には、給紙ローラや用紙さばき装置を配置して、
用紙収容部材から送り出される用紙をさばきながら給紙
し、用紙搬送路を通して画像記録部に向けて送るような
機構を構成している。

【０００３】前記用紙収容部材において、任意のサイズ
の用紙を収容可能にするために、例えば、実開昭６０−
６９２３８号公報等に示されるように、用紙を位置決め
するためのサイドガイドをトレイ内に設けた機構のもの
が用いられる場合がある。前記従来例の給紙トレイで
は、用紙の送り出し側の一方の側面を給紙トレイの側板
に押圧し、他方の側面をサイドガイドにより押圧して、
用紙の位置決めを行う機構を構成している。また、用紙
さばき装置として用いるスナバー爪は、収容された用紙
の給紙側の角の部分に対応させて、位置決めされる。そ
して、給紙トレイに収容した用紙に対して、給紙ローラ
等の給紙部材を駆動して、送り出される用紙をスナバー
爪によりさばいて、重送を生じない状態で、給紙できる
ようにされる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】前述したような従来の
給紙トレイを用いて給紙する際にも、その給紙部に配置
した給紙トレイに収容されている用紙とは別の種類の用
紙を用いて、コピーを少数枚作成する必要が発生する場
合がある。そのような要求に対しては、例えば、その割
り込みコピーの要求が１枚だけの場合は、手差しトレイ
を用いることも可能であるが、複数枚のコピーを必要と
する場合には、手差しトレイを用いることは、能率が良
くないという問題がある。また、少数枚の用紙を用いて
割り込みコピーを作成する場合に、指定する種類の用紙
を収容した給紙トレイを交換することは、給紙トレイを
着脱する作業が面倒な他に、余分な給紙トレイを用意し
なければならず、給紙トレイの保管のスペース等にも問
題がある。さらに、既に収容されている用紙を取り外し
て、別の用紙を収容させることも考えられるが、給紙ト
レイに対して用紙を交換することは、非常に面倒なこと
であり、取り出した用紙を一時保管する際に、その用紙
が乱れたりするという問題も発生する等、オペレータに
余分な負担を強いるという問題がある。

【０００５】例えば、普通紙を用いてコピーを作成して
いる途中で、トレーシングペーパー等を用いたコピーを
作成する需要が生じることがある。そのような場合に
は、そのトレーシングペーパーのサイズに対応する給紙
トレイに収容されている普通紙の上に、トレーシングペ
ーパーを載せる状態で収容し、給紙することが考えられ
る。ところが、トレーシングペーパーのような用紙の間
が密着する状態のものを、普通紙の上に重ねると、トレ
ーシングペーパーが普通紙の上に密着しない状態のまま
で載った状態となる。そして、給紙ローラ等により給紙
の作用が加えられると、トレーシングペーパーが分離さ
れずに、重なったままの状態で多数枚のトレーシングペ
ーパーが、同時に送り出されるという問題が発生しやす
い。

【０００６】

【発明の目的】本発明は、前述したように、用紙の摩擦
係数が異なるものを、重ねて収容することによる欠点を
解消するもので、用紙の間に仕切り部材として構成され
るボトムシートを配置し、前記ボトムシートの上の用紙
を正常に給紙できるようにする給紙方法を提供すること
を目的としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段および作用】本発明は、給
紙トレイ等の用紙収容部材に積載した用紙に対して、給
紙ローラ等の給紙部材により送り作用を付与する給紙装
置に関する。本発明においては、前記用紙収容部材の用
紙送り出し方向の前側に、既に収容されている用紙の上
に仕切り部材を配置し、前記仕切り部材の上に既に収容
されている用紙と異なる紙質の用紙を積載して、給紙部
材により給紙の作用を行うようにしている。また、本発
明においては、前記給紙トレイ等での用紙の区分を行う
仕切り部材は、基部シートの表面に摩擦係数の大きなパ
ッド部材を一体に設け、前記仕切り部材の上に積載され
ている用紙を、パッド部材との摩擦により支持するとと
もに、給紙トレイに既に収容されている用紙との区分
を、前記仕切り部材を用いて行うようにしている。

【０００８】前述したように構成する仕切り部材を用
い、給紙トレイ等に既に収容されている用紙の上に、ボ
トムシートを介して他の種類の用紙を収容することによ
り、本発明においては、給紙トレイに対して、用紙を交
換する等の余分な手間を強いることがなく、コピー作成
の作業に支障を与えることがない。また、本発明のボト
ムシートは、簡単な構成のシート状の部材であるから、
給紙トレイに対して容易に着脱し得るものであり、その
ボトムシートの取扱いを容易に行うことができる。そし
て、例えば、普通紙の上にトレーシングペーパーのよう
な用紙相互の摩擦係数が異なるものを堆積させる状態で
も、給紙作用を良好な状態で行うことができる。

【０００９】

【実施例】図示される例にしたがって、本発明の画像形
成装置の給紙方法を説明する。図１に示される例におい
て、給紙トレイ１は、例えばユニバーサルタイプの給紙
トレイとして構成されているものを用い、用紙の給紙方
向の両側をサイドガイド５、５ａにより規制する形式の
ものとして構成されている。また、前記給紙トレイ１で
は、用紙さばき機構としてスナバー爪６、６ａを用いて
おり、前記スナバー爪６、６ａのアーム７を、両側のサ
イドガイドに対して、支軸８を介して揺動可能に設けて
いる。前述したように構成される本発明の給紙トレイに
対して、通常は、普通紙等を収容させて、電子写真複写
機等の給紙部に装着することにより、コピーを作成する
ようにしている。

【００１０】前記給紙トレイから用紙を送り出しなが
ら、コピーを作成している途中で、例えば、トレーシン
グペーパー等の種類の異なる用紙を用いて、割り込みコ
ピーを作成する場合には、前記給紙トレイ１に収容され
ている用紙の上に、本発明のボトムシート１０を装着
し、該ボトムシート１０の上に、トレーシングペーパー
等のような紙質の異なる用紙を載置するようにしてい
る。前記ボトムシート１０は、前記図１のＡ−Ａ線での
断面図として示される図２のように、基部シート１２の
表面に、摩擦係数の大きいパッド部材１１を貼り付けて
構成している。また、前記ボトムシート１０の裏面に
は、図１に示されるように、表裏面を区別するための識
別ラベル１３を貼り付けるか、または、印刷等により形
成して、オペレータが表裏を間違って使用することを防
止する手段を設けている。

【００１１】前記ボトムシート１０において、基部シー
ト１２としては、比較的硬いプラスチック等で形成した
シート状の部材として構成しているもので、厚さが１〜
１．５mm程度のものを使用し、その長さＬを、定型サイ
ズの用紙の幅よりも１０mm程度長いものとして構成して
いる。また、ボトムシートの幅Ｗを任意に設定すること
が可能であるが、給紙ローラ等の給紙部材が用紙を押圧
する部分で、用紙の支持の作用を良好に発揮できるよう
にすることが必要である。さらに、前記基部シート１２
の表面に配置するパッド部材１１は、給紙トレイのボト
ムプレートに設けるコルクパッドと同様に、用紙に対す
る摩擦係数の大きなものを、基部シートと同じサイズに
形成したものを貼り付けて設けることができるが、その
他に、給紙ローラの位置に対応させて、局部的にパッド
を装着することも可能である。

【００１２】前述したように構成される本発明のボトム
シートは、図３に示されるように、給紙トレイ１に収容
されている用紙Ｐの上部の給紙側端部に対応させて、ボ
トムシート１０を位置決めし、そのボトムシート１０の
上にトレーシングペーパーＰｔを載置するようにしてい
る。前述したようにして、給紙トレイに対してボトムシ
ートを配置すると、図４に示されるように、給紙トレイ
の各構成部材が位置決めされる。前記図４に示される給
紙トレイの説明図において、給紙トレイ１のフレーム２
に囲まれる用紙収容部には、給紙側先端部にボトムプレ
ート３をヒンジ４を介して揺動可能に設けて、該ボトム
プレート３を上昇させることにより、用紙Ｐを給紙ロー
ラに対して押圧させるようにする。

【００１３】また、用紙Ｐの幅方向の側部に配置するサ
イドガイド５には、ヒンジ８を介してアーム７を揺動可
能に設け、該アーム７の先端部にスナバー爪６を配置し
ており、前記スナバー爪は、用紙の給紙側先端部の角の
部分を係止して、用紙に対するさばき作用を行う。本発
明においては、前記ボトムプレート３に支持される用紙
Ｐの上に、ボトムシート１０を載置して、前記ボトムシ
ート１０の両側の先端部を、スナバー爪６の下部に挿入
して位置決めを行う。そして、前記ボトムシート１０の
上に、トレーシングペーパーＰｔ等のように、普通紙と
紙質の異なる用紙を載置して、そのトレーシングペーパ
ーの給紙側の先端部の角の部分を、スナバー爪６に係止
させるようにする。

【００１４】前記図４に示される状態で、給紙トレイに
対してボトムシート１０を介して特殊な用紙を収容させ
た場合には、給紙ローラ９を回転させて給紙を行うよう
にする。その給紙の動作に際して、トレーシングペーパ
ー等のような用紙に対しても、そのトレーシングペーパ
ーの下をボトムシートのパッド部材により支持するの
で、複数枚堆積されている用紙Ｐｔの下面がボトムシー
トのパッド部材により係止され、給紙ローラとスナバー
爪との作用により、用紙さばき作用が良好に発揮される
ことになる。また、前述したようにして、トレーシング
ペーパーを給紙する動作が終了して、その後に普通紙の
給紙を行う場合には、前記ボトムシート１０を給紙トレ
イから取り外すと、通常の給紙の作業を行い得る状態と
なる。さらに、本発明のボトムシートはシート状のもの
であるから、不使用時に任意の場所に容易に収納して保
管することができる。

【００１５】前記図１に示されたようなボトムシートの
装着方式とは別に、本発明においては、図５に示される
ように、ボトムシート１５を用いて、トレーシングペー
パー等の特殊な用紙を普通紙と区分して収容し、給紙ト
レイからの給紙を行うこともできる。前記図５に示され
る例においては、給紙トレイ１ａのボトムプレートに対
して、両側にフランジ２１、２１ａを突出させて配置
し、前記フランジに設けた孔２２を用いてスタッド部材
２５、２５ａを取り付け、前記スタッド部材２５、２５
ａを用いて、ボトムシート１５に対する固定と位置決め
とを行うようにする。前記ボトムシート１５は、前記図
１、２に示されたように、パッド部材を基部シートの表
面に貼り付けたものを用いるが、そのボトムシートの両
側の部分に設けた孔１６、１６ａを、スタッド部材２
５、２５ａに係止させる。

【００１６】前記ボトムシートを係止するために用いる
スタッド部材２５は、図６に示されるように、下部に突
出する脚部材２６、２６ａと、上部の突出部材２７とを
一体に形成したものを用いており、前記ボトムプレート
のフランジ２２に設けた孔に対して、脚部材２６を挿入
することにより固定する。そして、前記ボトムプレート
に固定保持されたスタッド部材の突部を、ボトムシート
１５の孔に挿入して、係止固定することにより、ボトム
シートに対して給紙ローラによる送り作用が付与された
状態でも、ボトムシートの支持の作用を良好な状態で行
うことができる。さらに、前記ボトムシート１５におい
ても、その上に載置されたトレーシングペーパー等に対
する支持作用を良好な状態で発揮することができるの
で、スナバー爪との共同作用によって、用紙さばき作用
を発揮させることができる。

【００１７】前記図５、６に示されるように、スタッド
部材を用いてボトムシートを支持させる手段を用いる場
合にも、トレーシングペーパー等を普通紙の上に収容し
てコピーを作成する時以外では、スタッド部材とボトム
シートとを給紙トレイから取り外して保管することがで
きる。また、前記図５に示されるように、ボトムシート
をボトムプレートに支持させる機構を構成する場合に、
ボトムプレート２０は、一般に使用されている給紙トレ
イに比較して、特に広く形成する必要はなく、前記スタ
ッド部材の支持部の幅を狭くする等の手段を用いること
ができる。さらに、前記給紙トレイは、例えば、普通紙
を収容している状態で、その上にトレーシングペーパー
等を収容する場合にのみ使用するものであるから、前記
ボトムシートを装着しない場合には、給紙トレイに普通
紙等を収容して給紙に用いることができる。

【００１８】なお、本発明のボトムシートは、給紙カセ
ットに対しても適用が可能であり、スナバー爪を用いな
い給紙トレイに対しては、ボトムシートをトレイのフレ
ーム等に対して支持させるか、あるいはボトムプレート
に対してボトムシートを固定する手段を用いることによ
り、普通紙を収容したままの状態で、その上に少数枚の
トレーシングペーパーを収容させて複写を行うことが可
能になる。

【００１９】

【発明の効果】本発明の画像形成装置の給紙方法は、前
述したように構成したボトムシートを用いるものである
から、給紙トレイ等に既に収容されている用紙の上に、
ボトムシートを介して他の種類の用紙を収容することに
より、用紙を交換する等の余分な手間を強いることがな
く、トレーシングペーパー等を用いてコピー作成の作業
を容易に行うことができる。また、本発明のボトムシー
トは、簡単な構成のシート状の部材であるから、給紙ト
レイに対して容易に着脱し得るものであり、そのボトム
シートの取扱いを容易に行うことが可能になる。そし
て、例えば、普通紙の上にトレーシングペーパーのよう
な用紙相互の摩擦係数が異なるものを堆積させる状態で
も、給紙作用を良好な状態で行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明のボトムシートと給紙トレイの関係を
示す説明である。

【図２】 図１のＡ−Ａ線での断面図である。

【図３】 トレーシングペーパーに対する給紙装置の構
成を示す斜視図である。

【図４】 トレーシングペーパーを給紙する給紙トレイ
の側面図である。

【図５】 本発明の第２実施例の説明図である。

【図６】 スタッド部材の断面図である。

【符号の説明】

１ 給紙トレイ、 ３ ボトムプレート、 ５
サイドガイド、６ スナバー爪、 １０・１５ ボ
トムシート、 １１ パッド部材、１２ 基部シー
ト、 １６ 側部孔、 ２１ 側フランジ、２５
スタッド部材、 ２７ 突部。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 給紙トレイ等の用紙収容部材に積載した
   用紙に対して、給紙ローラ等の給紙部材により送り作用
   を付与する給紙装置において、 前記用紙収容部材の用紙送り出し方向の前側に、既に収
   容されている用紙の上に仕切り部材を配置し、前記仕切
   り部材の上に、既に収容されている用紙と異なる紙質の
   用紙を積載して、給紙部材により給紙の作用を行うこと
   を特徴とする画像形成装置の給紙方法。
2. 【請求項２】 前記給紙トレイ等での用紙の区分を行う
   仕切り部材は、基部シートの表面に摩擦係数の大きなパ
   ッド部材を一体に設け、 前記仕切り部材の上に積載されている用紙を、パッド部
   材との摩擦により支持するとともに、 給紙トレイに既に収容されている用紙との区分を、前記
   仕切り部材を用いて行うことを特徴とする請求項１に記
   載の画像形成装置の給紙方法。