JPH06210307A - 金属帯の冷間圧延方法およびその装置 - Google Patents
金属帯の冷間圧延方法およびその装置Info
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- JPH06210307A JPH06210307A JP5023218A JP2321893A JPH06210307A JP H06210307 A JPH06210307 A JP H06210307A JP 5023218 A JP5023218 A JP 5023218A JP 2321893 A JP2321893 A JP 2321893A JP H06210307 A JPH06210307 A JP H06210307A
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Abstract
クラウンないし形状に優れたステレス鋼その他の鋼帯を
得る方法を提供する。 【構成】 冷間タンデム圧延機の最終及びその直前の最
終2スタンドのワークロール径を100〜250mmと
し、最終2スタンドにおける累積圧下率を25〜45%
として金属帯の圧延をなし、最終2スタンド以外の前段
スタンドで少なくとも片側端部に先細まり研削したテー
パ部を被圧延材の両側端部に配置した作業ロール対、又
はバックアップロールとペアにして水平面内で交叉し得
る上下作業ロール対を組んだ板クラウン制御スタンド配
置により圧延し、しかも最終圧延スタンドと金属帯巻取
機の間に巻取張力付与手段を設けて最終スタンド前方の
張力を5〜15kg/mm2として圧延する。
Description
法に係り、冷間タンデム連続圧延機により表面特性、板
クラウンないし形状に優れたステンレス鋼その他の鋼帯
を得ることのできる方法を提供しようとするものであ
る。
は従来からゼンジマーミルに代表される小径ワークロー
ルを用いると共にニート油を主流とした圧延油を採用し
て圧延することが行われて来たが、近年このゼンジマー
等の小径ミルによる圧延に代ってロール径としてはより
大径のものを用いた冷間タンデム圧延機を用いることが
主流となりつつある。
品質系材に関しては未だ粗圧延的な位置づけであって、
その大きな理由は、大径ミルによる圧延はロールバイト
内に大量の圧延油が引き込まれる結果、大きなオイルピ
ットの生成が避けられず、表面光沢度の低下、粗さの増
大を招くことである。このため前記のような冷間タンデ
ムミルの後段を中径のワークロールとすることについて
特開昭59-38334、同59-107030 では150mm以上、特開
昭63-119908 では400mm以下のものを採用することが
提案されている。
延に関しては、ステンレス原板素材への要求として表面
特性が高光沢、低粗さがあり、これは原板が良ければゼ
ンジマーミル等の小径ミルにおける圧延パス回数が減少
し生産能率が向上することによるものである。またこの
こととは別に小径ミルの圧延素材への要求として低板ク
ラウンがあり、これは原板素材のエッジドロップが大き
いと板端部を小径ワークロールが充分に圧下できず、素
材は端部側に比し中央部側で圧延が進行することとなっ
て素材端部に引張応力を生じ、また板端部に関しては張
力フィードバックによる板幅方向の圧延圧力分布均一化
効果も薄れて端部に破断を生じ易い。そこで従来は熱間
圧延−酸洗後、または冷間圧延後にトリミングを行い、
この問題に対処しており、このトリミング時のトラブル
を回避する方法として特開昭61-95702には回転砥石によ
る研削が発表されている。
ム圧延機の最終スタンドと巻取機の間にテンションブラ
イドルロール等の張力制御装置を設置することが提案さ
れ、これは板厚0.3mm以下の圧延素材の巻取に関するも
ので、ミルサイドにおいて最終スタンドの前方張力を最
終スタンド後方張力並に確保し、クラウン比率の一定化
を図ることにより良好な形状を前記のような薄物で得よ
うとし、更に薄物ストリップの巻取張力においてはブラ
イドルロール等の張力制御装置を用いて4〜7kg/mm2
の低張力に制御し、コイル巻取時のキンク発生防止を図
るものである。
鋼帯を圧延するに当って中径ミルを導入した例として特
開昭63-119908 があり、このものは少なくとも、最終ス
タンドのワークロール径を400mmφ以下とし、総圧下
率を70%以上で圧延することを特徴とするものであ
る。
34などの冷間タンデム圧延機後段に中径レベルのワーク
ロールを適用した場合においては、その前段における5
00〜600mmφ程度の大径ワークロール径との差が大
きく、後段中径ワークロール入側の素材エッジドロップ
が大きい場合は破断が生じ、また中径ミルでの著しい形
状不良発生を避け得ない。
生と、次の数式1に示される板クラウンの推定式から想
定される大径ミル出側クラウンと中径ミル出側クラウン
の比率違いによるものと推定され、数式1にはロール偏
平の項が無視されており、大径、中径のロール偏平の違
いも斯かる問題の理由をなしているものと推定される。
デム圧延機においては、エッジドロップが大きい中径ミ
ル入側の板クラウンで出側においてクラウン比率をほぼ
一定に保つには、後行素材のロール撓み制御プリセット
を含めて、非常に困難であるといわざるを得ない。
リミングをゼンジマーなどの小径ミルにおける破断回避
のために行っても、その工数が嵩み、しかも歩留りを低
下することは当然であって、板クラウンの解消、生産性
の改善、向上についての根本的な解決とならない。
0.3mm以下のような薄物の場合において好ましいとして
も板厚が0.3mmを超え一般的に0.5mm以上のような厚い
ステンレス鋼の圧延においては技術的関係が相当に異
り、タンデム圧延後素材における表面性状要求から必要
とされる中径ミル圧下率をスリップなしに確保するよう
なときの技術的関係は不明である。
のみの規定であるから500mmφ以上の大径ミルスタン
ドと、400mmφ以下の中径ミルスタンドにおける圧下
率配分が適切に得られず、中径ミルスタンドにおける圧
下率配分が大きくなった際に、形状悪化、ヒートストリ
ーク発生は勿論、中径になったゆえんのスリップ発生し
易さを有効に解決できない。
従来技術における課題を解消することについて検討を重
ね、前段スタンドでの板クラウン制御を実施し同一ミル
内の中径ロール入側板クラウンを改善せしめ、中径ロー
ルによるロールバイトの接触弧長が大径ロールに比較し
て短かくなった結果として生ずるエッジドロップの悪化
低減効果をも含めて最終スタンド出側の板クラウン、形
状、表面特性の向上を図り、好ましい製品を効率的に得
ることに成功したものであって、以下の如くである。
びその直前の最終2スタンドにおけるワークロール径を
100〜250mmとし、前記した最終スタンドにおける
累積圧下率を25〜45%とした金属帯の圧延をなし、
上記圧延機内の前記した最終2スタンドを除く前段スタ
ンドで少くとも片側端部に先細まり研削を施したテーパ
部を被圧延材の両側端部に位置させる配列から成る作業
ロール対、あるいはバックアップロールとペアにして水
平面内で交叉し得る上下作業ロール対を組んだ板クラウ
ン制御スタンド配置により圧延し、しかも前記最終圧延
スタンドと金属帯巻取機との間に巻取張力付与手段を設
け最終スタンド前方における張力を5〜15kg/mm2 と
して圧延することを特徴とする金属帯の冷間圧延方法。
張力検出手段による検出張力が定常圧延中の設定張力と
なるように巻取張力付与手段に対する駆動力を制御し、
しかも該巻取張力付与手段と金属帯巻取機との間に設け
られた走間剪断機構部分において走間剪断時においても
巻取張力付与手段側の負荷を高めて定常圧延中の設定張
力を得ることを特徴とする前記に記載した金属帯の冷
間圧延方法。
延機において、最終およびその直前の最終2スタンドに
おけるワークロール径を100〜250mmとすると共に
それら最終2スタンドを除く前段スタンドのワークロー
ル径を400〜600mmとし、しかもそれら前段スタン
ドとして板クラウン制御スタンドを形成し、前記最終ス
タンドと金属帯巻取機との間に巻取張力付与手段を設け
たことを特徴とする金属帯の冷間圧延装置。
間に該巻取張力付与手段の駆動力を制御するための張力
検出手段を設け、前記巻取張力付与手段と金属帯巻取機
との間にピンチロールと走間剪断機構を設けたことを特
徴とする前記に記載した金属帯の冷間圧延装置。
直前の最終2スタンドにおけるワークロール径を250
〜100mmとすることにより鋼帯の表面特性を向上し得
るが、この場合において、最終スタンドと巻取機との間
に張力付与手段を設けることにより最終2スタンドにお
ける累積圧下率を25〜45%とした鋼の圧延を効果的
に実施せしめ、光沢度その他の表面特性を効果的に向上
する。
の直前スタンドである最終2スタンドを除く前段スタン
ドで少なくとも片側端部に先細まり研削を施したテーパ
部を被圧延材の両側端部に位置させる配列から成る作業
ロール対を、あるいはバックアップロールとペアにして
水平面内で交叉し得る上下作業ロール対を組んだスタン
ド配置により圧延することにより前述したような圧延方
法において鋼帯の破断を防止し、且つ良好な板クラウン
を有する鋼板を得しめる。
巻取張力付与手段を設け最終スタンド前方における張力
を5〜15kg/mm2 として圧延することにより最終2ス
タンドの中径ワークロールによる累積圧下率をスリップ
することなしに前述した如く有効に高めることができ、
効率的な圧延を行わしめる。
検出手段による検出張力が設定張力となるように巻取張
力付与手段に対する駆動力を制御し、しかも該巻取張力
付与手段と金属帯巻取機との間に設けられた走間剪断機
構部分において走間剪断時においても、巻取張力付与手
段側の負荷を高めて、定常圧延中の設定張力を得、最終
スタンドの前方張力が急激に低下変動することをなから
しめ、板厚および形状の変化を実質的に防止して安定な
製品を得しめる。また冷間圧延に対する連続焼鈍、酸洗
その他の後続行程におけるトラブル誘発を防止する。
において、最終およびその直前の最終2スタンドにおけ
るワークロール径を100〜250mmとすると共にそれ
ら最終2スタンドを除く前段スタンドのワークロール径
を400〜600mmとし、しかもそれら前段スタンドと
して板クラウン制御スタンドを形成し、前記最終スタン
ドと金属帯巻取機との間に巻取張力付与手段を設けたこ
とにより比較的大径ロールによる効率的な前段圧延と、
それに続く最終2スタンドの中径ないし小径ロールに好
ましい表面性状とを共に得しめる。
ると、先ず本発明者等は図1に示すような第1〜第5ス
タンド1〜5からのストリップをテンションブライドル
6、ピンチロール7およびフライングシャ8を介してリ
ール9に巻取るようにした設備において大径ロールと中
径ロールの組み合わせ関係を種々に変更することについ
て検討した。
100〜250mmの中径ロールの組合わせを前記第1〜
第5スタンド1〜5に関して次の表1に示すように第1
〜第4スタンド1〜4が大径ロールで第5スタンド5に
中径ロールを適宜に用い、夫々のスタンドで括弧内に示
すような圧下率とし、最終スタンド(第5スタンド)入
側(前方)張力と出側コイル巻取張力との関係を末尾の
欄に示すように設定して圧延した結果は得られた光沢度
および最終スタンドにおける圧下率制約条件がこの表1
において併せて示す如くである。
で、最終2スタンドが中小径ロールであることからフラ
イングシャ8による切断時にリール側張力が零状態とな
る条件下でブライドルロール6とピンチロール7間で圧
延に適切な張力を確保することが困難となるので第5ス
タンド5とブライドルロール6との間に圧延油洗浄機構
11を設けてストリップとブライドルロール6との間の
摩擦力を高め、またブライドルロール6について図示の
ように片側2本のロールよりもロール本数を更に増加し
て4〜8本のような多段ロールの構成となし、更にはロ
ールに対する巻付角度を増加する等の手法を講じて定常
圧延速度における付与張力を安定化する。即ちこのよう
に付与張力を安定化して切断を行うことによりフライン
グシャ8切断時の板厚ないし板形状などの変動を抑制
し、安定した製品を得しめる。
0mmの大径ロールとしてステンレス素材を圧延した場合
で、後段スタンドになるにつれて、素材は加工硬化し高
負荷によるロール偏平も大きくなって、荷重や形状の制
約を受け、最終スタンドでは10%の圧下率しか獲得で
きない。これに対しケース2においては最終スタンドを
400mmのロール径としたが、やはり、荷重や形状の制
約を受け13%の圧下率しか得られず光沢も大きな向上
はみられなかった。
250mmのロール径としたもので、形状による制約はあ
るものの、低荷重で16%の圧下率が得られ、光沢も6
00mmの大径ロールの場合と比較して略3倍に高められ
たものが得られた。
ール径として、ステンレス素材の圧延を行ったところ最
終入、出側の張力アンバランスにより、最終スタンド1
5%超の圧下率ではスリップが発生した。最終出側巻取
張力と最終スタンド入側張力の落差を縮めるために、最
終スタンド入側張力を下げる必要性が発生し、第4スタ
ンドの獲得圧下率も表1のように8%と低下した。
出側張力が5.5kg/mm2 と単に巻取機で巻取った一定張
力のものであるが、これらに対しケース5、6のものに
おいては、最終スタンドと巻取機の間の張力付与手段を
用いて最終スタンド出側(前方)張力を8kg/mm2または
10kg/mm2と上げた場合であって、スリップは解消さ
れ、形状制約による圧下率制約となり、最終スタンドで
22%の圧下率が獲得できた。
ンドを100mmの作業ロール径とすると共に最終スタン
ド出側張力を5.5または8.0あるいは10kg/mm2とし
て、同様のテストを行った場合であるが、作業ロールを
100mm以下のロール径とすると、耐事故性等を考慮し
て速度制約が必要であり、ステンレス圧延の冷間タンデ
ム圧延機活用という効果(生産能力)が薄れてしまう。
によって最終スタンドのスリップによる圧下率制約が緩
和され、最終的に10kg/mm2 をとったときにスリップ
による制約ではなく、形状制約によって18%の圧下率
を確保することができた。また光沢度については総圧下
率がそれなりに影響するとしても例えばケース5,6の
ものが58%または59%と最高であってもケース8、
9の54%や56%のものよりも劣り、これらケース8
と同等であるケース2のものは光沢度においてはケース
8、9より著しく劣っていて総圧下率によって光沢度が
決定されないが、前段スタンドと比較して小径化したロ
ールスタンドでの獲得圧下率が大きく採られたケース5
〜9のものが大きい光沢度を得しめていることが明かで
ある。
おいて250mm以下とすることが好ましい光沢度を得し
める所以であることが表1において明かではあるが、こ
のように最終スタンドのみを100〜250mmとしても
スリップ発生や形状不良などによる制約で、高々光沢度
350程度しか得ることができないものであって、未だ
不充分であった。
0〜250mm径のロールを最終スタンドのみではなく前
記形状やスリップによる制約の小さい最終直前スタンド
にも前記ロール径(250mm以下100mm以上)のもの
を組込んで圧延を実施することについて検討を重ね、最
終直前スタンドにおいて、高圧下率を獲保することを研
究し、以下に示すようなテストを行った。
とし、最終および最終直前スタンドにこの中径ロールを
組込み、第1〜第3スタンドについては600mmとして
その圧下率組合わせないし最終スタンド入側、出側の張
力関係を調整して全5スタンドの場合を検討した結果は
次の表2と表3に示す如くである。
圧下率を10%として圧延を実施したが、最終スタンド
はスリップによる制約を受け、15%の圧下率しか得ら
れず、光沢も不十分であった。これに対し、ケース11
は、最終直前スタンドの圧下率を15%として、ケース
10と同様のテストを行ったが、最終スタンドスリップ
制約により最終スタンドは10%の圧下率しか得られ
ず、得られた光沢度はケース10と同じであった。
20%と上げたものであるが、ケース10、11と同じ
制約により大きな光沢改善はみられなかった。一方ケー
ス13においては最終スタンドの圧下率を25%とした
ものであるが、最終直前スタンド入側素材のエッジドロ
ップが大きいために、板エッジの過張力が発生し、25
%超の圧下率では著しい形状不良、あるいは破断の起る
ことが知られた。
ンドを除く前段スタンドで次に詳述するような板クラウ
ン制御スタンドを採用したものであって、このような板
クラウン制御を実施して、最終直前スタンド入側素材の
エッジドロップを低減した結果、最終直前スタンドにお
いて35%の圧下率が獲得でき、光沢も向上した。但
し、この場合においても最終直前スタンド入、出張力の
アンバランスによる最終直前スタンドのスリップによる
制約があった。
して、ケース15の場合においては最終スタンド出側に
張力付与手段を採用して最終スタンド出側張力を7kg/
mm2に上げたものであって、最終スタンド入側張力、即
ち最終直前スタンド出側張力は15kg/mm2 迄、スリッ
プすること無く確保され、最終直前スタンドで35%の
圧下率をとっても、スリップによる制約は解消された。
なおこの場合には最終および最終直前スタンド以外にお
いて板クラウン制御をなした。
よび最終直前スタンド(最終直前2スタンド)を除いた
前段スタンドにおける板クラウン制御については、図2
に示すように圧延ロールの少なくとも片側端部に先細ま
り研削を施したテーパ部を形成し、被圧延材の両側端部
に位置させて圧延するもので、θ1 は先端部の大テーパ
角、θ2 はそれに隣接して形成された小テーパ角であ
り、L1 はテーパ角θ1領域のテーパ長さ、L2 はテー
パ角θ2 領域のテーパ長さであって、WRδは被圧延材
とテーパθ1 およびθ2 の重なり量である。
よびL2 に関する数値の1例は以下の如くで、WRδは
第1スタンドが90、第2スタンドは80、第3スタン
ドは75の初期設定値とした。 tanθ1 =0.005 L1 =380 tanθ2 =0.001 L2 =70
囲で素材の変形抵抗別のWRδとの組合わせで適当に選
ぶことができる。 tanθ2 範囲 5×10-4≦ tanθ2 ≦5×10-3 L2 範囲 20≦L2 ≦200mm tanθ1 範囲 1×10-3≦ tanθ1 ≦1×10-2 L1 範囲 L1 ≧0なら可。 但し、絶対条件としてθ1 >θ2
置の場合はフラットロールを用い、クロス角度は第1ス
タンドを0.8°、第2スタンドを0.6°、第3スタンド
を0.3°の如き初期設定値を採用する。
スタンド前方張力を10kg/mm2 迄上げたもので、最終
直前スタンドでは40%の圧下率が得られた。またケー
ス17では最終スタンド前方張力を15kg/mm2 迄上げ
たものであるが、最終直前スタンドでは、スリップは無
く、ロールのヘルツ面圧、即ち荷重による制約となり4
5%もの圧下率を獲得することが可能となった。一方、
これらのものと同じ条件で、最終スタンド前方張力を更
に上げたケース18では、素材が薄くなっていたことも
あって、破断が発生した。これらの経緯から破断の危険
性が高くなる最終スタンド出側張力15kg/mm2 以下と
すべきことを確認した。
以上のようなタンデムミルとしては小径なロールで圧延
を実施する場合、その小径ロール入側の素材のエッジド
ロップが大きいと、板端部を圧延ロールが十分圧下する
ことができず、素材は板端部に比べて中央部の圧延を進
行させることになり、素材端部に引張応力を生じ、更に
板端部に関しては、張力フィードバックによる板幅方向
の圧延圧力分布の均一化効果も薄れて板端部に破断が生
じやすくなるためと認められる。
の獲得圧下率と最終スタンド出側張力との関係を前記し
たケース10〜16と共に表2および表3における1
7、18、11−1、12−1、13−1、14−1と
ケース19〜21の場合と共に要約して示したものであ
るが、最終スタンド前方張力を15kg/mm2 を超えて上
昇させても破断限界やロールヘルツ面圧限界などの関係
から最終直前スタンドの圧下率獲得には全く寄与しない
こととなり、このことから本発明では最終スタンド前方
張力を15kg/mm2 以下とした。
13−1およびケース14−1は前記したケース11〜
14と同じ条件であるが前記したような張力付与手段を
採用してケース15〜18と同様に最終スタンド出側張
力を10kg/mm2 に高めた場合であって、最終2スタン
ド累積圧下率および光沢度をそれなりに向上することが
できる。
記したところと同じでテンションブライドルを採用しな
い場合であって、最終スタンドまたはその直前スタンド
においてはスリップによる制約があり、最終2スタンド
の累積圧下率、総圧下率なども低く、光沢度も劣ってお
り、テンションブライドルの採用によって有利な操業を
なし得ることは明かである。
ド1〜3などにおいて大径ロールとして550mmのもの
を採用し、検討した結果が示されている。
を550mmとして、ステンレス鋼等を圧延したもので、
1〜3スタンドは表1のケース1の600mmロール径の
場合に比し若干小さくなった分だけ獲得圧下率が増えて
いる。第4、5スタンドも600mmの径から550mmに
なった分だけ獲得圧下率は向上しているが光沢度はやは
り不十分である。
タンドを550mmのロール径、第4、5スタンドを20
0mmのロール径とした場合であって、第5スタンド前方
張力は5.5kg/mm2 とした。即ち、まず、ケース23〜
25は第4スタンドの圧下率を10、15、20%とし
たもので、第5スタンド入側最大確保張力の推移、並び
に最終スタンドの獲得圧下率の推移をみたものである。
第4スタンド迄の獲得圧下率を高くするにつれて、第5
スタンド入側確保張力、並びに第5スタンド獲得圧下率
の低下がみられる。これは最終スタンドスリップによる
制約で前述した通りであり、光沢は300台を確保し
た。
下率が24%を超えたところで、#3スタンド出側の板
クラウン(主にエッジドロップ)が大きい為に著しい形
状不良、あるいは破断が起こった。そこで更に獲得圧下
率の向上を図るためにケース27′では1〜3スタンド
の板クラウン制御を実施した結果、第4スタンドがスリ
ップを起こす限界、即ち33%もの圧下率を第4スタン
ドで確保することができ、光沢も400を超えた。
3スタンド)で板クラウン制御を実施すると共に、第5
スタンド出側ブライドル(張力付与装置)を用いて、第
5スタンド出側(前方)張力を高めると共に第4スタン
ド出側(前方)張力を高め、第4スタンドスリップによ
る制約の緩和を図った。ケース28′ではケース27′
と同じ第4スタンドで33%の圧下率をとっても、第4
スタンドのスリップは発生しない。
力を10kg/mm2 迄上げ、第4スタンド前方張力は最大
18.0kg/mm2 となり、第4スタンドではスリップ限界
の38%迄圧下率がとれ、この結果、得られた圧延材の
光沢度は500台となった。
5kg/mm2 迄上げ、最終スタンドの圧下率は2%で、第
4スタンド前方張力は20kg/mm2 を獲得し、得られた
第4スタンドの圧下率は42%となった。ここで42%
を超えると、ロール面圧(ヘルツ応力)限界となり、ワ
ークロール損傷の恐れがあるので圧延中止としたが、こ
の結果圧延後の光沢は540となり、充分なものが得ら
れた。
方張力を17kg/mm2 迄上げてみたが、ケース30′と
同じ圧下率条件で第5スタンド破断が起こったものであ
って、限界であることが確認された。
最終スタンドのロール径を150mmとしたものであっ
て、ケース32、33は第4スタンドの圧下率を10、
15%として、第5スタンド入側最大確保張力の推移、
並びに第5スタンドの獲得圧下率の推移をみたものであ
る。即ち第4スタンドの圧下率を高くするにつれて、第
4スタンド前方張力は下げざるを得ず、第5スタンドの
獲得圧下率も低下した。これは勿論、第5スタンドのス
リップによる制約である。
%超とすると、第4スタンド入側板クラウン(主にエッ
ジドロップ)が大きいために著しい形状不良、あるいは
破断が起こった。そこで、ケース35′で、第1〜第3
スタンド板クラウン制御を実施すると第4スタンドで2
0%の圧下率をとっても破断無く圧延できた。ケース3
6′は第4スタンドの圧下率限界をみたもので22%確
保圧下率でスリップ限界となった。
タンド出側のブライドル(張力付与装置)を用いて圧延
した場合を示すが、ケース37′ではケース36′と同
じ第4スタンドの圧下率(22%)をとったが、第5ス
タンド前方張力を7.0kg/mm2 としたため、第5スタン
ドでは5%の圧下率、第4スタンド前方張力は12.5kg
/mm2 となり、第4スタンドスリップ無く圧延できた。
を上げたもので、第5スタンド前方張力10kg/mm2 と
し、26%超で第4スタンドスリップが発生した。ケー
ス39′は更に#5スタンド前方張力を上げ、15kg/
mm2 としたところ第4スタンドは29%もの圧下率がと
れた。但し、29%を超えるとロール面圧(ヘルツ応
力)限界となり、ワークロール損傷の恐れがあるため、
中止した。
スタンドのロール径を100mmとしたもので、最終2ス
タンド獲得圧下率制約はあるが、ブライドルの有無に拘
わらず獲得光沢度は上述したケース32〜39′の場合
よりも更に高められた。
スタンドにおける累積圧下率(%)と光沢度の関係を最
終ロール径毎に整理要約して示したものが図4であっ
て、何れの最終ロール径の場合においても最終2スタン
ド累積圧下率を適切に得ることによって光沢度500以
上を得しめることは明かである。
は、冷間タンデム圧延機においてその後段スタンドに中
小径ロールを採用すると共にその圧下率を特定範囲と
し、しかもその前段スタンドにおいては板クラウン制御
をなし、更に最終スタンドと金属帯巻取機との間に巻取
張力付与手段を設け最終スタンド前方における張力を5
〜15kg/mm2 とすることにより表面特性や板形状に優
れたステンレスその他の鋼帯を工業的有利に得しめるも
のであって、その効果の大きい発明である。
ある。
削テーパの説明図である。
との関係を要約して示した図表である。
度の関係を要約して示した図表である。
Claims (4)
- 【請求項1】 冷間タンデム圧延機における最終および
その直前の最終2スタンドにおけるワークロール径を1
00〜250mmとし、前記した最終2スタンドにおける
累積圧下率を25〜45%とした金属帯の圧延をなし、
上記圧延機内の前記した最終2スタンドを除く前段スタ
ンドで少くとも片側端部に先細まり研削を施したテーパ
部を被圧延材の両側端部に位置させる配列から成る作業
ロール対、あるいはバックアップロールとペアにして水
平面内で交叉し得る上下作業ロール対を組んだ板クラウ
ン制御スタンド配置により圧延し、しかも前記最終圧延
スタンドと金属帯巻取機との間に巻取張力付与手段を設
け最終スタンド前方における張力を5〜15kg/mm2 と
して圧延することを特徴とする金属帯の冷間圧延方法。 - 【請求項2】 巻取張力付与手段に対して配設された張
力検出手段による検出張力が定常圧延中の設定張力とな
るように巻取張力付与手段に対する駆動力を制御し、し
かも該巻取張力付与手段と金属帯巻取機との間に設けら
れた走間剪断機構部分において走間剪断時においても巻
取張力付与手段側の負荷を高めて定常圧延中の設定張力
を得ることを特徴とする請求項1に記載した金属帯の冷
間圧延方法。 - 【請求項3】 複数スタンドより成る冷間タンデム圧延
機において、最終およびその直前の最終2スタンドにお
けるワークロール径を100〜250mmとすると共にそ
れら最終2スタンドを除く前段スタンドのワークロール
径を400〜600mmとし、しかもそれら前段スタンド
として板クラウン制御スタンドを形成し、前記最終スタ
ンドと金属帯巻取機との間に巻取張力付与手段を設けた
ことを特徴とする金属帯の冷間圧延装置。 - 【請求項4】 最終スタンドと巻取張力付与手段との間
に該巻取張力付与手段の駆動力を制御するための張力検
出手段を設け、前記巻取張力付与手段と金属帯巻取機と
の間にピンチロールと走間剪断機構を設けたことを特徴
とする請求項3に記載した金属帯の冷間圧延装置。
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JP5023218A JP2755093B2 (ja) | 1993-01-19 | 1993-01-19 | 金属帯の冷間圧延方法およびその装置 |
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- 1993-01-19 JP JP5023218A patent/JP2755093B2/ja not_active Expired - Fee Related
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