JP2002059209A - 冷延鋼帯の板幅制御方法 - Google Patents

冷延鋼帯の板幅制御方法

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JP2002059209A
JP2002059209A JP2000244671A JP2000244671A JP2002059209A JP 2002059209 A JP2002059209 A JP 2002059209A JP 2000244671 A JP2000244671 A JP 2000244671A JP 2000244671 A JP2000244671 A JP 2000244671A JP 2002059209 A JP2002059209 A JP 2002059209A
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tension
steel strip
tension leveler
cold
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JP2000244671A
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Yukio Kimura
幸雄 木村
Masayasu Ueno
雅康 植野
Yasuhiro Sotani
保博 曽谷
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】鋼帯の板幅を精度良く制御することを課題とす
る。 【解決手段】第1の板幅計測手段を備える熱間圧延手段
と、鋼帯に張力下で曲げ変形を与えるテンションレベラ
ー7と、テンションレベラー7の出口側に配置された第
2の板幅計測手段8と、第2の板幅計測手段8の下流側
に配置された酸洗手段と、酸洗手段の下流側に配置され
た冷間圧延手段とを具備した酸洗・熱間圧延複合システ
ムを用いて、冷延鋼帯の板幅を制御する方法において、
冷間圧延手段でコイル内の最小板幅Wminを特定し、最
小板幅Wmin及び冷間圧延手段における目標板幅Wcに
基づいてテンションレベラー出口側での目標板幅Wtを
設定し、テンションレベラー7では第1の板幅計測手段
によって計測した板幅の実績値が前記目標板幅Wtに一
致するように伸長率を調整し、冷間圧延手段では板幅の
減少量が(Wt−Wc)となるように張力の設定を行う
ことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は冷延鋼帯の板幅制御
方法に関し、特に熱間圧延手段による熱間圧延工程、酸
洗手段による酸洗工程、冷間圧延手段による冷延圧延工
程を経て製造される冷延鋼帯の板幅精度を向上させるこ
とにより、トリミング工程におけるトリム層を低減させ
る冷延鋼帯の板幅制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図5及び図6(A),(B)は、鋼帯の
酸洗・冷間圧延複合システムを示す。但し、便宜上図5
及び図6は切り離してあるが、実際は連続している。こ
こで、図5は同システムのうち鋼帯の板幅を測定するま
での説明図、図6(A)は同システムのうち主として酸
洗工程の説明図、図6(B)は同システムのうち主とし
て冷間圧延工程の説明図を示す。
【0003】図5中、付番1は帯状の鋼帯2が巻回され
ているペイオフリールを示す。このペイオフリール1の
上流側には、図示しないが、鋼帯2の長手方向の板幅を
測定する第1の板幅計測手段を備える熱間圧延手段が配
置されている。この熱間圧延手段を経た鋼帯2は、前記
ペイオフリール1に巻回される。このペイオフリール1
の下流側には、ラフレベラー3、せん断機4、溶接機
5、ルーパー6、テンションレベラー設備7及び第2の
板幅計測手段としての板幅計8が順次配置されている。
前記テンションレベラー設備7は、鋼帯2に曲げ変形を
付与するテンションレベラー9と、鋼帯2に張力を付与
する入口側ブライドルロール10及び出口側ブライドル
ロール11を備えている。前記テンションレベラー9
は、鋼帯2に張力下で繰り返し曲げ変形を与え、表面の
酸化スケールに亀裂を生じさせる働きを有する。前記テ
ンションレベラー9は、一対の伸長ロール12a,12
bと、鋼帯2を押えるためのデフロール13と、鋼帯2
の反りを矯正するための矯正用ロール14とを有してい
る。
【0004】図6(A)中、付番15は塩酸、硫酸等の
酸洗液(図示せず)を収容した酸洗手段としての酸洗槽
を示す。一般に、熱間圧延工程を経て製造される鋼帯の
表面には、酸化スケールが形成されている。しかるに、
この酸洗槽15を通過する鋼帯2にはテンションレベラ
ー9により亀裂が形成されているので、この亀裂に酸洗
液が浸透することで化学的スケール除去効果が高まる。
前記酸洗槽15の下流側には、ルーパー16が配置され
ている。
【0005】図6(B)中、付番17はテンションブラ
イドルを示す。このテンションブライドル17の下流側
には、冷間圧延手段としての冷間タンデム圧延機18、
せん断機19及びコイラー20が順次配置されている。
ここで、前記冷間タンデム圧延機18は複数の圧延スタ
ンド18a,18b,18c,18dから構成され、こ
こで鋼帯2は所定の板厚まで減厚される。
【0006】こうした構成の酸洗・冷間圧延複合システ
ムの動作は次の通りである。即ち、ペイオフリール1か
ら払い出された鋼帯2はせん断機4において先後端の不
良部が切断され、溶接機5で後続の別の鋼帯と接続され
る。その後、鋼帯2は前記ブライドルロール10,11
によって張力が付与され、テンションレベラー9による
曲げ変形を受けることで鋼帯2に伸びが発生する。そし
て、この伸びの効果により、鋼帯表面のスケールにクラ
ックが発生し、その後の酸洗槽15における酸洗性を向
上させる。更に、鋼帯2は冷間タンデム圧延機18によ
って所定の板厚まで冷間圧延された後、コイラー20に
よって巻きとられる。
【0007】なお、図示しないが、コイラー20に巻き
取られた鋼帯は、その後、焼鈍工程及び調質圧延工程を
経ることで材質調整が行われるのが一般的である。更
に、製品としての板幅を公差範囲にするために、調質圧
延後の鋼帯について両端部のトリミングが行われる。こ
のとき、調質圧延を経た後に、トリミング工程を経る前
の鋼帯の板幅が、製品公差の下限値よりも小さい場合に
は、当該鋼帯から製品を採取することができない。ま
た、製品公差下限を下回らない場合であっても、トリミ
ング工程前の板幅についてある程度の余裕代を確保して
いなければ、トリミング中にせん断工具が鋼帯からはず
れるなどの操業トラブルを生じさせる。
【0008】従って、製品幅を確保しかつ安定したトリ
ミング作業を行うためには、トリミング工程前の鋼帯の
板幅には、一定の余裕代を必要とする。但し、このよう
な板幅の余裕代は、トリミングによって切り屑となって
しまい、製造工程における歩留りを悪化させる大きな要
因となっている。つまり、安定したトリミング作業を行
いながら、トリミングにおける切り屑を低減するために
は、トリミング工程前の段階において、鋼帯の板幅を精
度よく制御しておく必要がある。
【0009】従来、鋼帯の板幅を精度よく制御する方法
として、下記の従来技術1、2が提案されている。
【0010】1)従来技術1(特公平2−24916号
公報):この技術は、酸洗工程に配置されたテンション
レベラーを用いて、鋼帯の板幅を制御する鋼帯の酸洗方
法に関する。具体的には、従来技術1には、酸洗ライン
の上流側に配置されたテンションレベラーの入口側に板
幅計を配置し、これにより板幅を連続的に測定し、その
測定値と予め設定した目標値との差に応じてテンション
レベラーにおける伸長率を制御することにより、テンシ
ョンレベラーでの幅縮み量を所定範囲内に制御し、幅狭
による不良品の発生防止等を図ることが開示されてい
る。
【0011】2)従来技術2(特開昭62−28661
3号公報):この技術は、複数の圧延スタンドからなる
圧延機を用いて圧延材を圧延する冷間連続圧延機の板幅
制御方法に関する。具体的には、従来技術2には、冷間
連続圧延機入側に板幅計を、各圧延スタンドの下流側に
張力計を、任意の圧延スタンドに圧延速度計を夫々配置
し、圧延材の板幅、圧延材の各圧延スタントの通過時間
及び張力に基づいて、冷間圧延機出側での圧延材の板幅
変化量を予測演算すると共に、最終スタンドの出側にお
いて板幅を検出して、この板幅検出によって前記板幅変
化量の予測演算値を修正する一方、冷間圧延機出側での
板幅が許容範囲内に入るような各スタンド通過時の張力
修正量を、前記予測演算での修正係数を考慮した修正式
を用いて演算し、圧延材が各スタンド通過時に張力を修
正することが記載されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来技
術1に開示されている発明を実施する場合、以下に述べ
る問題点を有する。一般に熱延鋼帯の板幅は長手方向に
変動しており、例えば熱間圧延工程において鋼帯が巻取
機に巻き取られる瞬間に過大な張力が発生し、それに起
因する局所的な幅引けが発生する場合がある。また、こ
のような局所的な幅引きにはいくつかの原因があり、熱
延コイル内のどの位置に、どの程度の幅引きが存在する
かを予め予測することが困難である。
【0013】上記従来技術1に開示されている方法で
は、こうした局所的な大きな幅引け部を有する熱延鋼帯
であっても、酸洗工程のテンションレベラーの入口側に
配置した板幅計を通過するまでは、それを検知すること
ができない。従って、鋼帯の長手方向における板幅変動
が緩やかであれば、テンションレベラーの伸長率の調整
も可能であるが、局所的に大きな幅引け部を有する鋼帯
に対しては、それを検出してもテンションレベラーの伸
長率を調整するまでに十分な時間的余裕がないため、効
果的な板幅制御ができない。
【0014】即ち、テンションレベラーでは板幅を縮め
ることは可能であるが、それを広げることはできないた
め、出口側板幅が目標値となるように伸長率を調整して
も、熱延鋼帯の長手方向の一部分にその目標値よりも幅
の狭い部分が存在すると、これを制御することは不可能
である。
【0015】一方、冷間圧延工程について、従来技術2
に開示されている方法を適用した場合には、以下のよう
な問題が生じる。即ち、長手方向に局所的で大きな板幅
変動を有する酸洗後の鋼帯について、冷間タンデムミル
の出口側板幅が一定となるように張力を修正する場合、
冷間タンデムミル出口側の板厚精度を悪化させることに
なる。冷間タンデムミルの圧延スタンド間張力は、製品
の板厚精度に非常に大きな影響を与えることから、一般
的には張力変動を抑制する制御システムが備えられてい
るが、板幅精度を向上させるために張力を積極的に変化
させることは、板厚精度を犠牲にすることになる。
【0016】本発明は、従来技術における以上のような
問題点を解決するためになされたものであり、冷間圧延
後の板幅について、熱延鋼帯の板幅の測定値を利用し
て、酸洗工程に備えたテンションレベラー及び冷間圧延
工程のスタンド間張力の設定を組み合せることにより、
板幅を精度良く制御できる冷延鋼帯の板幅制御方法を提
供することを目的とする。特に、本発明は、焼鈍・調質
圧延工程後のトリミングにおける安定した操業を可能と
すると共に、切屑による歩留りのロスを最小限に抑えう
る冷延鋼帯の板幅制御方法を提供することを目的とす
る。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、鋼帯の長手方
向の板幅を測定する第1の板幅計測手段を備える熱間圧
延手段と、前記鋼帯に張力下で曲げ変形を与えるテンシ
ョンレベラーと、このテンションレベラーの出口側に配
置された第2の板幅計測手段と、この第2の板幅計測手
段の下流側に配置された酸洗手段と、この酸洗手段の下
流側に配置された冷間圧延手段とを具備した酸洗・冷間
圧延システムを用いて、冷延鋼帯の板幅を制御する方法
において、前記熱間圧延手段にてコイル内の最小板幅W
minを特定し、この最小板幅Wmin及び前記冷間圧延手段
における目標板幅Wcに基づいてテンションレベラー出
口側での目標板幅Wtを設定し、前記テンションレベラ
ーでは、前記第1の板幅計測手段によって計測した板幅
の実績値が前記目標板幅Wtに一致するように伸長率を
調整し、また前記冷間圧延手段では、板幅の減少量が
(Wt−Wc)となるように張力の設定を行うことを特
徴とする冷延鋼帯の板幅制御方法である。
【0018】本願の請求項2に係る発明は、請求項1に
係る発明において、前記テンションレベラーにおける板
幅の減少量を(Wmin−Wt)とするためのテンション
レベラーにおける伸長率δtが、予め設定された熱延鋼
帯のスケール除去に必要な伸長率δp以上となるよう
に、テンションレベラー出口側の目標板幅Wtを設定す
ることを特徴とする。
【0019】本願の請求項3に係る発明は、請求項1に
係る発明において、テンションレベラー出口側の第2の
板幅計測手段によって測定した実績板幅に基づいて冷間
圧延手段における張力の設定を補正することを特徴とす
る。
【0020】以下、本発明について詳細に説明する。
【0021】本発明では、熱間圧延工程の巻取機の上流
側において、板幅を連続的に測定してコイル内での最小
幅Wminを特定し、この値に基づいて、その後の工程に
おける板幅を調整する。板幅を調整する手段としては、
酸洗工程に備えたテンションレベラーにおける伸長率、
及び冷間圧延工程における張力の設定を用いる。テンシ
ョンレベラーでは伸長率を調整することによって、熱延
鋼帯が有する長手方向の板幅変動を解消して、一定の範
囲内の変動に抑える。冷間圧延工程では、コイル内での
変動を積極的に低減させることはせず、張力の設定によ
ってコイルの平均幅を目標幅に調整するものである。
【0022】本発明において、熱間圧延工程の巻取機の
上流側に備えた板幅計(第1の板幅計測手段)によっ
て、鋼帯の長手方向における最小板幅Wminを特定し、
最小板幅Wmin及び冷間圧延工程における目標板幅Wc
に基づいて、テンションレベラー出口側での目標板幅W
tを設定し、更にテンションレベラーでは、出口側に配
置した板幅計(第2の板幅計測手段)を使用して、目標
板幅Wtに一致するように伸長率を調整する。
【0023】ここで、熱延鋼帯の長手方向における最小
板幅を特定する理由は、前述したトリミング工程におい
ては、鋼帯長手方向のすべての位置において、最小トリ
ム代を確保する必要があることに対応している。また、
テンションレベラー出口側の目標板幅Wtを、最小板幅
Wminよりも小さい値に設定することで、熱延鋼帯の全
長にわたる板幅を目標板幅Wtよりも大きくすることに
なり、従来技術1のように熱延鋼帯の長手方向の一部分
に板幅目標値Wtよりも幅の狭い部分について制御でき
ない、という問題を解消できる。
【0024】更に、テンションレベラーでは、目標板幅
Wtに一致するように伸長率を調整するので、熱延鋼帯
が有する長手方向の板幅変動を解消することができる。
これによって、後工程である冷間圧延工程では、平均的
な板幅の偏差を解消して、テンションレベラー出口側の
板幅であるWtを、冷間圧延工程の目標板幅Wcに縮め
ればよく、従来技術2のように、コイル内で張力を調整
して板幅を制御する必要がないため、張力変動に起因し
た板厚変動を防止することができる。
【0025】請求項1に係る発明に対し、請求項2で
は、テンションレベラーにおける幅減少量を(Wmin−
Wt)とするためのテンションレベラーにおける伸長率
δtが、予め設定された熱延鋼帯のスケール除去に必要
な伸長率δp以上となるように、テンションレベラー出
口側の目標板幅Wtを設定する。
【0026】酸洗工程に配置されたテンションレベラー
は、鋼帯に伸びを与えることで表面の酸化層に亀裂を付
与する必要があり、その伸長率が小さい場合には、酸洗
漕における脱スケール性が悪化し、ライン速度を低下さ
せざるを得ない、という弊害がある。熱延鋼帯のスケー
ル除去に必要な伸長率δpは、鋼種や熱間圧延工程の巻
取温度等の操業条件に依存して決定される値であり、少
なくともテンションレベラーの伸長率δtをこの値以上
に設定することで、脱スケール性を悪化させることな
く、板幅精度を向上させることが可能となる。
【0027】請求項1に係る発明に対し、請求項3で
は、板幅計測手段によって測定した実績板幅が、目標板
幅Wtと異なっていた場合に、冷間圧延工程の張力設定
を補正するものである。即ち、請求項1又は請求項2に
よる手段では、冷間圧延工程の板幅をWtからWcに縮
めるように張力を設定しているものの、テンションレベ
ラー出口側の板幅にばらつきが生じた場合には、これを
請求項3による手段で補正することで、さらに冷間圧延
後の板幅精度を向上させることが可能である。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明について図面を参照
して詳細に説明する。
【0029】図5及び図6(A),(B)は、本発明の
実施の形態に係わる酸洗・冷間圧延複合ラインの全体を
表している。熱間圧延工程において巻き取られた鋼帯
は、常温程度まで冷却された後に酸洗工程に送られる。
ペイオフリール1から払い出された鋼帯2は、せん断機
4にて先後端の不良部が切断され、溶接機5において後
続の鋼帯と接続される。本発明の実施に使用するテンシ
ョンレベラー9としては、入口側ブライドルロール10
及び出口側ブライダルロール11によって張力が付与さ
れ、テンションレベラー9のロールによる曲げ変形を受
けることで、鋼帯2の伸びが発生する。この伸びの効果
によって、鋼帯表面のスケールにクラックが発生し、そ
の後の酸洗漕15における酸洗性を向上させる。図5及
び図6(A),(B)に示す製造ラインは酸洗工程と冷
間圧延工程とが連続化された設備であり、さらに下流側
に連続的に配置される冷間タンデム圧延機18によって
所定の板厚まで冷間圧延された後にコイラー20によっ
て巻き取られる。
【0030】(発明の実施形態1)図1は、本発明を実
施するための酸洗・冷間圧延システムの要部を示す。但
し、テンションレベラーの上流側の装置構成は便宜上省
略してあるが、先に述べた図5,図6と同様である。ま
た、図5,図6と同部材は、同符号を付して説明を省略
する。
【0031】図1において、付番21はデータ処理装置
を示す。このデータ処理装置21には、板幅設定装置2
2を介してテンションレベラー板幅制御装置23,張力
設定装置24が夫々電気的に接続されている。また、前
記板幅制御装置23は、第2の板幅計測手段としての前
記板幅計8に接続されている。また、付番25は、板幅
計8に接続された伸長率制御装置を示す。
【0032】熱間圧延工程において測定された鋼帯の長
手方向の板幅は、前記データ処理装置21に記憶され
る。データ処理装置21では、コイルの長手方向の板幅
分布から、そのコイル内で最も狭い部分の板幅を最小板
幅Wminとして特定する。この最小板幅Wminは、板幅設
定装置22に送られ、冷間圧延後の目標板幅Wcと比較
される。板幅設定装置22では、テンションレベラー出
口側における目標板幅Wtを、最小板幅Wminと冷間圧
延後の目標板幅Wcの間に設定する。テンションレベラ
ー出口側の目標板幅Wtは、テンションレベラー及び冷
間圧延工程において変更可能な板幅の量、あるいはテン
ションレベラーにおいて付与できる最大の伸長率や冷間
圧延工程において可能な最大張力を考慮して、冷間圧延
工程の目標板幅Wcにすることができるように決定すれ
ばよい。
【0033】また、板幅設定装置22によって設定され
たテンションレベラーの目標板幅Wtは、テンションレ
ベラー設定装置23に送られ、テンションレベラーの目
標板幅の設定や、張力やインターメッシュ等の初期設定
が行われる。対象とする熱延鋼帯がテンションレベラー
に到達した時点で板幅制御が開始され、テンションレベ
ラーでは、出口側に配置した板幅計8での測定値が、目
標板幅Wtに一致するように、伸長率制御装置25を用
いて伸長率を調整する。
【0034】前記伸長率制御装置25では、板幅計測値
が目標板幅Wtよりも大きい場合には伸長率を増加さ
せ、目標板幅Wtよりも小さい場合には伸長率を低下さ
せることで、コイル全長にわたる振幅を目標板幅Wtに
一致させる。また、図7に示すように、テンションレベ
ラーの伸長率δtと板幅縮み量との関係を予め伸長率制
御装置25に記憶させておくことによって、テンション
レベラーの伸長率の設定を効果的に行うことが可能とな
る。なお、図7の関係は、熱延鋼帯の鋼種やサイズごと
に異なるため、予め鋼種、サイズごとに板幅の変化量と
伸長率との関係を求めておくことが必要である。
【0035】一方、図1における張力設定装置24で
は、板幅設定装置22によって設定されたテンションレ
ベラー出口側における目標板幅Wtに基づいて、冷間圧
延工程における張力の設定を行う。冷間圧延工程におけ
る張力の設定は、図8に示すようなスタンド間張力と板
幅縮み量との関係に基づく。本発明の実施の形態とし
て、図5、6に示す冷間圧延工程は、4スタンドのタン
デムミルであり、図8はスタンド間の張力をすべて変更
した場合の板幅縮み量を示している。このような関係
は、熱延鋼帯の鋼種やサイズごとに異なるものの、予め
板幅の変化量とスタンド間張力との関係を求めておくこ
とで前記WtをWcまで縮めるようなスタンド間張力の
設定が可能である。但し、すべてのスタンド間張力を使
用して、板幅の縮み量を制御する必要はなく、タンデム
ミル入側の張力のみ、あるいは特定のスタンド間張力の
みを使用して、板幅を制御しても構わない。
【0036】ところで、熱延鋼帯のスケール除去には、
酸洗ラインの生産性を落とさないための必要最小限の伸
長率δpが設定されている。板幅設定装置22では、テ
ンションレベラーにおける幅減少量を(Wmin−Wt)
とするためのテンションレベラーにおける伸長率δt
が、δp以上となるようにテンションレベラー出口側の
目標振幅Wtを設定することで、酸洗ラインの生産性を
落とすことなく、板幅の制御が可能となる。なお、必要
最小限の伸長率δpは、熱延鋼帯の鋼種や巻取り温度な
どの条件によって異なり、約0.5%から1.5%の伸
長率で設定される場合が多く、鋼種等の条件に応じてテ
ーブル値として設定しておけばよい。
【0037】(発明の実施形態2)図2は、本発明を実
施するための酸洗・冷間圧延複合システムの要部を示す
(請求項2に対応)。但し、テンションレベラーの上流
側の装置構成は便宜上省略してあるが、先に述べた図
5,6と同様である。また、図1、図5,6と同部材
は、同符号を付して説明を省略する。
【0038】図2中の付番26は、張力補正装置を示
す。この張力補正装置26は、テンションレベラー出口
側の板幅実測値を用いて、冷間圧延工程の板幅を目標板
幅Wtから目標板幅Wcに縮める張力設定装置24によ
る張力設定値を補正するものである。具体的には、テン
ションレベラー出口側の板幅実測値を、板幅計8によっ
て計測し、その長手方向の最小板幅Waを特定する。張
力補正装置26では、目標板幅Wtと最小板幅Waとの
差に応じて、最小板幅Waが目標板幅Wtよりも大きい
場合には、冷間圧延工程における張力を張力設定装置2
4による設定値よりも大きく設定する。逆に、最小板幅
Waが目標板幅Wtよりも小さい場合には、張力設定装
置24による設定値よりも小さく設定するように補正を
行う。このときの張力の補正量は、図8に示すような張
力と板幅の縮み量との関係に基づいて、張力設定装置2
4による設定と同様に行えばよい。
【0039】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0040】(実施例1)本発明の実施例1として、板
厚3.2mmの低炭素鋼の熱延鋼帯に対して本発明を適
用した結果について示す。本実施例1の熱延鋼帯は、図
3に示すように、コイル内の平均板幅が1257mmで
あるが、コイル内の最小板幅Wminは1253mmであ
る。この鋼帯は、酸洗工程、冷間圧延工程を経て、焼鈍
工程、調質圧延工程の後にトリミングが行われる。本実
施例1においては、冷間圧延後の目標板幅Wcは124
5mmであり、これはトリミングにおいて必要最小限の
板幅を確保するのに必要で、かつ焼鈍工程及び調質圧延
工程における板幅の変化を考慮して設定されている。
【0041】本実施例1では、酸洗工程に備えたテンシ
ョンレベラー出口側の目標板幅Wtを1250mmに設
定した。この場合、図7から分かるように、熱延鋼帯の
最小板幅Wminの部分をWtに一致させるための伸長率
は、1.3%となる。従って、熱延鋼帯の長手方向全長
にわたって、板幅をWtに制御するためには、最小の伸
長率を1.3%として、これ以上の伸長率を与えながら
板幅制御を行った。なお、この場合の最小伸長率1.3
%は、熱延鋼帯のスケール除去に必要な伸長率δpとし
て設定されている1.2%よりも大きく、酸洗工程の生
産能率を悪化させる要因とはならない。
【0042】更に、本実施例1における冷間圧延工程は
4スタンドのタンデムミルであり、第1のスタンド18
aと第2のスタンド18b間、第2のスタンド18bと
第3のスタンド18c間、第3のスタンド18cと第4
のスタンド18d間の張力の設定により、板幅の制御を
行った。冷間圧延工程では、テンションレベラー後の最
小板幅1250mmを目標板幅Wcに一致させるため
に、図8を用いて、以上のスタンド間張力の設定を12
0MPaに設定した。
【0043】上述したように、実施例1では、図3に示
すような鋼帯板幅制御を行なうことにより、長手方向に
大きな鋼帯板幅変動のある熱延鋼帯について、酸洗工程
におけるテンションレベラーによってコイル内の振幅変
動がほぼ解消されており、冷間圧延工程におけるスタン
ド間張力を本実施例1のように設定することで、冷間圧
延後の鋼帯の板幅も、ほぼ目標値通りとすることが可能
となった。
【0044】(実施例2)本実施例2は、[特許請求の
範囲]の請求項3に対応する。即ち、本実施例2の熱延
鋼帯は、最小板幅Wminが1256mmであり、冷間圧
延工程後の目標板幅Wcとして1245mmが設定さ
れ、板幅設定装置22ではテンションレベラー出口側の
目標板幅Wtを1250mmに設定した。
【0045】図4から分かるように、本実施例2でもテ
ンションレベラーによって板幅制御を実施することによ
って、コイル内の変動を低減することが可能であった。
ところが、この場合には目標板幅Wtの設定が、最小板
幅Wminに比べて小さすぎたために、テンションレベラ
ーの伸長率を付与するための設備的な能力が不足した。
このため、テンションレベラー出口側の板幅が、目標板
幅Wtよりも1mmほど大きくなっていた。
【0046】冷間圧延工程における張力設定装置24で
は、目標板幅Wtを冷間圧延後の目標板幅Wcにするた
めの張力が120MPaに設定されていたが、張力補正
装置26ではテンションレベラー出口側の実績幅によっ
て、冷間圧延工程における張力を137MPaに修正し
た。
【0047】本実施例2による板幅制御の結果を図4に
示している。長手方向に大きな鋼帯幅変動のある熱延鋼
帯について、酸洗工程におけるテンションレベラーによ
って目標幅Wtよりは広いものの、コイル内の板幅変動
がほぼ解消されており、冷間圧延工程におけるスタンド
間張力を本実施例2のように補正することで、冷間圧延
後の鋼帯の板幅も、ほぼ目標値通りとすることが可能と
なった。
【0048】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、冷
間圧延後の板幅について、熱延鋼帯の板幅の測定値を利
用して、酸洗工程に備えたテンションレベラー及び冷間
圧延工程のスタンド間張力の設定を組み合せることによ
り、板幅を精度良く制御できる冷延鋼帯の板幅制御方法
を提供できる。また、本発明によれば、焼鈍・調質圧延
工程後のトリミングにおける安定した操業を可能とする
と共に、切屑による歩留りのロスを最小限に抑えること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するための実施形態1に係る酸洗
・冷間圧延複合システムの要部の説明図。
【図2】本発明を実施するための実施形態2に係る酸洗
・冷間圧延複合システムの要部の説明図。
【図3】本発明の実施例1に係る冷延鋼帯の板幅制御を
示す特性図。
【図4】本発明の実施例2に係る冷延鋼帯の板幅制御を
示す特性図。
【図5】鋼帯の酸洗・冷間圧延複合システムの一部を示
し、ペイオフリールから板厚計までの説明図。
【図6】鋼帯の酸洗・冷間圧延複合システムの一部を示
し、酸洗槽からコイラーまでの説明図。
【図7】テンションレベラーによる板幅縮み量と伸長率
との関係を示す特性図。
【図8】冷間圧延工程における冷間圧延時の板幅縮み量
とスタンド間張力との関係を示す特性図。
【符号の説明】
1…ペイオフリール、 2…鋼帯、 3…ラフレベラー、 4,19…せん断機、 5…溶接機、 6,16…ルーパー、 8…板幅計(板幅計測手段)、 10…入口側ブライドルロール、 11…出口側ブライドルロール、 12a,12b…伸長ロール、 13…デフロール、 14…矯正用ロール、 15…酸洗漕(酸洗計測手段)、 17…テンションブライドル、 18…冷間タンデム圧延機(冷間圧延手段)、 18a,18b,18c,18d…スタンド、 20…コイラー、 20…テンション設備、 21…データ処理装置、 22…板幅設定装置、 23…テンションレベラー板幅制御装置、 24…張力設定装置、 25…伸長率制御装置、 26…張力補正装置。
フロントページの続き (72)発明者 曽谷 保博 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 Fターム(参考) 4E002 AD04 AD05 BA01 BC03 BD20 CA09 4E024 AA08 BB01 BB03 CC06 EE01 FF04

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼帯の長手方向の板幅を測定する第1の
    板幅計測手段を備える熱間圧延手段と、前記鋼帯に張力
    下で曲げ変形を与えるテンションレベラーと、このテン
    ションレベラーの出口側に配置された第2の板幅計測手
    段と、この第2の板幅計測手段の下流側に配置された酸
    洗手段と、この酸洗手段の下流側に配置された冷間圧延
    手段とを具備した酸洗・冷間圧延複合システムを用い
    て、冷延鋼帯の板幅を制御する方法において、 前記熱間圧延手段にてコイル内の最小板幅Wminを特定
    し、 この最小板幅Wmin及び前記冷間圧延手段における目標
    板幅Wcに基づいてテンションレベラー出口側での目標
    板幅Wtを設定し、 前記テンションレベラーでは、前記第1の板幅計測手段
    によって計測した板幅の実績値が前記目標板幅Wtに一
    致するように伸長率を調整し、 また前記冷間圧延手段では、板幅の減少量が(Wt−W
    c)となるように張力の設定を行うことを特徴とする冷
    延鋼帯の板幅制御方法。
  2. 【請求項2】 前記テンションレベラーにおける板幅の
    減少量を(Wmin−Wt)とするためのテンションレベ
    ラーにおける伸長率δtが、予め設定された熱延鋼帯の
    スケール除去に必要な伸長率δp以上となるように、テ
    ンションレベラー出口側の目標板幅Wtを設定すること
    を特徴とする請求項1記載の冷延鋼帯の板幅制御方法。
  3. 【請求項3】 テンションレベラー出口側の第2の板幅
    計測手段によって測定した実績板幅に基づいて冷間圧延
    手段における張力の設定を補正することを特徴とする請
    求項1もしくは請求項2いずれか記載の冷延鋼帯の板幅
    制御方法。
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