JPH06209098A - 光電変換装置の製造方法及び光電変換装置 - Google Patents

光電変換装置の製造方法及び光電変換装置

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JPH06209098A
JPH06209098A JP5235896A JP23589693A JPH06209098A JP H06209098 A JPH06209098 A JP H06209098A JP 5235896 A JP5235896 A JP 5235896A JP 23589693 A JP23589693 A JP 23589693A JP H06209098 A JPH06209098 A JP H06209098A
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忠弘 大見
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 各セルに増幅機能を有するもきわめて簡単な
構造であり、将来の高解像度化にも十分対処しうる新し
い光電変換装置を提供する。 【構成】 同導電型領域よりなる2個の主電極領域1,
7と該主電極領域と反対導電型の制御電極領域6よりな
る半導体トランジスタの該制御電極領域6を、リフレッ
シュ工程において該主電極領域の一方の領域7に対して
所定の逆バイアス動作にするべく、絶縁ゲート型トラン
ジスタの主電極領域になるべく配置し、該絶縁ゲート型
トランジスタが遮断状態にある状態で、光励起により発
生したキャリアを該制御電極領域6に蓄積し、該蓄積さ
れたキャリアにより発生した該制御電極領域6の蓄積電
圧を読出す工程において、該制御電極上に薄い絶縁層を
介して設けられた電極9に電圧を印加することにより、
該制御電極領域6が該一方の主電極領域7に対して順方
向にバイアスされるべく構成された。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光電変換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年光電変換装置殊に、固体撮像装置に
関する研究が、半導体技術の進展と共に積極的に行わ
れ、一部では実用化され始めている。
【0003】これらの固体撮像装置は、大きく分けると
CCD型とMOS型の2つに分類される。CCD型撮像
装置は、MOSキャパシタ電極下にポテンシャルの井戸
を形成し、光の入射により発生した電荷をこの井戸に蓄
積し、読出し時には、これらのポテンシャルの井戸を、
電極にかけるパルスにより順次動かして、蓄積された電
荷を出力アンプ部まで転送して読出すという原理を用い
ている。またCCD型撮像装置の中には、受光部はpn
接合ダイオード構造を使い、転送部はCCD構造で行な
うというタイプのものもある。また一方、MOS型撮像
装置は、受光部を構成するpn接合よりなるフォトダイ
オードの夫々に光の入射により発生した電荷を蓄積し、
読出し時には、それぞれのフォトダイオードに接続され
たMOSスイッチングトランジスタを順次オンすること
により蓄積された電荷を出力アンプ部に読出すという原
理を用いている。
【0004】CCD型撮像装置は、比較的簡単な構造を
もち、また、発生し得る雑音からみても、最終段におけ
るフローティング・ディフュージョンよりなる電荷検出
器の容量値だけがランダム雑音に寄与するので、比較的
低雑音の撮像装置であり、低照度撮影が可能である。た
だし、CCD型撮像装置を作るプロセス的制約から、出
力アンプとしてMOS型アンプがオンチップ化されるた
め、シリコンと、SiO2 膜との界面から画像上、目に
つきやすい、1/f雑音が発生する。従って、低雑音と
はいいながら、その性能に限界が存在している。また、
高解像度化を図るためにセル数を増加させて高密度化す
ると、一つのポテンシャル井戸に蓄積できる最大の電荷
量が減少し、ダイナミックレンジがとれなくなるので、
今後、固体撮像装置が高解像度化されていく上で大きな
問題となる。また、CCD型の撮像装置は、ポテンシャ
ルの井戸を順次動かしながら蓄積電荷を転送していくわ
けであるから、セルの一つに欠陥が存在してもそこで電
荷転送がストップしたり、あるいは、極端に悪くなって
しまい、製造歩留りが上がらないという欠点も有してい
る。
【0005】これに対してMOS型撮像装置は、構造的
にはCCD型撮像装置、特にフレーム転送型の装置に比
較して少し複雑ではあるが、蓄積容量を大きくし得る様
に構成でき、ダイナミックレンジを広くとれるという優
位性をもつ。また、たとえセルの1つに欠陥が存在して
も、X−Yアドレス方式のためその欠陥による他のセル
への影響がなく、製造歩留り的には有利である。しかし
ながら、このMOS型撮像装置では、信号読出し時に各
フォトダイオードに配線容量が接続されるため、きわめ
て大きな信号電圧ドロップが発生し、出力電圧が下がっ
てしまうこと、配線容量が大きく、これによるランダム
雑音の発生が大きいこと、また各フォトダイオードおよ
び水平スキャン用のMOSスイッチングトランジスタの
寄生容量のばらつきによる固定パターン雑音の混入等が
あり、CCD型撮像装置に比較して低照度撮影はむずか
しいこと等の欠点を有している。
【0006】また、将来の撮像装置の高解像度化におい
ては各セルのサイズが縮小され、蓄積電荷が減少してい
く。これに対しチップサイズから決まってくる配線容量
は、たとえ線幅を細くしてもあまり下がらない。このた
め、MOS型撮像装置は、ますますS/N的に不利にな
る。
【0007】CCD型およびMOS型撮像装置は、以上
の様な一長一短を有しながらも次第に実用化レベルに近
ずいてきてはいる。しかし、さらに将来必要とされる高
解像度化を進めていくうえで本質的に大きな問題を有し
ているといえる。
【0008】それらの固体撮像装置に関し、特開昭56
−150878“半導体撮像装置”、特開昭56−15
7073“半導体撮像装置”、特開昭56−16547
3“半導体撮像装置”に新しい方式が提案されている。
CCD型、MOS型の撮像装置が、光入射により発生し
た電荷を主電極(例えばMOSトランジスタのソース)
に蓄積するのに対して、ここで提案されている方式は、
光入射により発生した電荷を、制御電極(例えばバイポ
ーラ・トランジスタのベース、SIT(静電誘導トラン
ジスタ)あるいはMOSトランジスタのゲート)に蓄積
し、光により発生した電荷により、流れる電流をコント
ロールするという新しい考え方にもとずくものである。
すなわち、CCD型、MOS型が、蓄積された電荷その
ものを外部へ読出してくるのに対して、ここで提案され
ている方式は、各セルの増幅機能により電荷増幅してか
ら蓄積された電荷を読出すわけであり、また見方を変え
るとインピーダンス変換により低インピーダンス出力と
して読出すわけである。従って、ここで提案されている
方式は、高出力、広ダイナミックレンジ、低雑音であ
り、かつ、光信号により励起されたキャリア(電荷)は
制御電極に蓄積することから、非破壊読出しができる等
のいくつかのメリットを有している。さらに将来の高解
像度化に対しても可能性を有する方式であるといえる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この方
式は、基本的にX−Yアドレス方式であり、上記公報に
記載されている素子構造は、従来のMOS型撮像装置の
各セルにバイポーラトランジスタ、SITトランジスタ
等の増幅素子を複合化したものを基本構成としている。
そのため、比較的複雑な構造をしており、高解像化の可
能性を有しながらも、そのままでは高解像化には限界が
存在する。
【0010】本発明は、各セルに増幅機能を有するもき
わめて簡単な構造であり、将来の高解像度化にも十分対
処しうる新しい光電変換装置を提供することを目的とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】かかる目的は、同導電型
領域よりなる2個の主電極領域と該主電極領域と反対導
電型の制御電極領域よりなる半導体トランジスタの該制
御電極領域を、リフレッシュ工程において該主電極領域
の一方の領域に対して所定の逆バイアス動作にするべ
く、絶縁ゲート型トランジスタの主電極領域になるべく
配置し、該絶縁ゲート型トランジスタが遮断状態にある
状態で、光励起により発生したキャリアを該制御電極領
域に蓄積し、該蓄積されたキャリアにより発生した該制
御電極領域の蓄積電圧を読出す工程において、該制御電
極上に薄い絶縁層を介して設けられた電極に電圧を印加
することにより、該制御電極領域が該一方の主電極領域
に対して順方向にバイアスされるべく構成されたことを
特徴とする光電変換装置により達成される。
【0012】
【実施例】以下に本発明の実施例を図面を用いて詳細に
説明する。
【0013】第1図は、本発明の一実施例に係る光電変
換装置を構成する光センサセルの基本構造および動作を
説明する図である。第1図(a)は、光センサセルの平
面図を、第1図(b)は、第1図(a)平面図のAA′
部分の断面図を、第1図(c)は、それの等価回路をそ
れぞれ示す。なお、各部位において第1図(a),
(b),(c)に共通するものについては同一の番号を
つけている。
【0014】第1図では、整列配置方式の平面図を示し
たが、水平方向解像度を高くするために、画素ずらし方
式(補間配置方式)にも配置できることはもちろんのこ
とである。
【0015】この光センサセルは、第1図(a),
(b)に示すごとく、リン(P),アンチモン(S
b),ヒ素(As)等の不純物をドープしてn型又はn
+ 型とされたシリコン基板1の上に、通常PSG膜等で
構成されるパシベーション膜2;シリコン酸化膜(Si
2 )より成る絶縁酸化膜3;となり合う光センサセル
との間を電気的に絶縁するためのSiO2 あるいはSi
34 等よりなる絶縁膜又はポリシリコン膜等で構成さ
れる素子分離領域4;エピタキシャル技術等で形成され
る不純物濃度の低いn- 領域5;その上の例えば不純物
拡散技術又はイオン注入技術を用いてボロン(B)等の
不純物をドープしたバイポーラトランジスタのベースと
なるp領域6;不純物拡散技術、イオン注入技術等で形
成されるバイポーラトランジスタのエミッタとなるn+
領域7;信号を外部へ読出すための、例えばアルミニウ
ム(Al),Al−Si,Al−Cu−Si等の導電材
料で形成される配線8;絶縁膜3を通して、浮遊状態に
なされたp領域6にパルスを印加するための電極9;そ
れの配線10;基板1の裏面にオーミックコンタクトを
とるために不純物拡散技術等で形成された不純物濃度の
高いn+ 領域11;基板の電位を与える、すなわちバイ
ポーラトランジスタのコレクタ電位を与えるためのアル
ミニウム等の導電材料で形成される電極12;より構成
されている。
【0016】なお、第1図(a)の19はn+ 領域7と
配線8の接続をとるためのコンタクト部分である。又配
線8および配線10の交互する部分はいわゆる2層配線
となっており、SiO2 等の絶縁材料で形成される絶縁
領域で、それぞれ互いに絶縁されている。すなわち、金
属の2層配線構造になっている。
【0017】第1図(c)の等価回路のコンデンサCo
x13は電極9,絶縁膜3,p領域6のMOS構造より
構成され、又バイポーラトランジスタ14はエミッタと
してのn+ 領域7、ベースとしてのp領域6、不純物濃
度の小さいn- 領域5、コレクタとしてのn又はn+
域1の各部分より構成されている。これらの図面から明
らかなように、p領域6は浮遊領域になされている。
【0018】第1図(c)の第2の等価回路は、バイポ
ーラトランジスタ14をベース・エミッタの接合容量C
be15、ベース・エミッタのpn接合ダイオードDb
e16、ベース・コレクタの接合容量Cbc17、ベー
ス・コレクタのpn接合ダイオードDbc18を用いて
表現したものである。
【0019】以下、光センサセルの基本動作を第1図を
用いて説明する。この光センサセルの基本動作は、光入
射による電荷蓄積動作、読出し動作およびリフレッシュ
動作より構成される。電荷蓄積動作においては、例えば
エミッタは、配線8を通して接地され、コレクタは配線
12を通して正電位にバイアスされている。またベース
は、あらかじめコンデンサCox13に、配線10を通
して正のパルス電圧を印加することにより負電位、すな
わち、エミッタ7に対して逆バイアス状態にされている
ものとする。このCox13にパルスを印加してベース
6を負電位にバイアスする動作については、後にリフレ
ッシュ動作の説明のとき、くわしく説明する。
【0020】この状態において、第1図に示す様に光セ
ンサセルの表側から光20が入射してくると、半導体内
においてエレクトロン・ホール対が発生する。この内、
エレクトロンは、n領域1が正電位にバイアスされてい
るのでn領域1側に流れだしていってしまうが、ホール
はp領域6にどんどん蓄積されていく。このホールのp
領域への蓄積によりp領域6の電位は次第に正電位に向
かって変化していく。
【0021】第1図(a),(b)でも各センサセルの
受光面下面は、ほとんどp領域で占められており、一部
+ 領域7となっている。当然のことながら、光により
励起されるエレクトロン・ホール対濃度は表面に近い程
大きい。このためp領域6中にも多くのエレクトロン・
ホール対が光により励起される。p領域中に光励起され
たエレクトロンが再結合することなくp領域6からただ
ちに流れ出て、n領域に吸収されるような構造にしてお
けば、p領域6で励起されたホールはそのまま蓄積され
て、p領域6を正電位方向に変化させる。p領域6の不
純物濃度が均一になされている場合には、光で励起され
たエレクトロンは拡散で、p領域6とn- 領域5とのp
- 接合部まで流れ、その後はn- 領域に加わっている
強い電界によるドリフトでnコレクタ領域1に吸収され
る。もちろん、p領域6内の電子の走行を拡散だけで行
ってもよいわけであるが、表面から内部に行くほどpベ
ースの不純物濃度が減少するように構成しておけば、こ
の不純物濃度差により、ベース内に内部から表面に向う
電界Ed、 が発生する。ここで、WB はp領域6の光入射側表面か
らの深さ、kはボルツマン定数、Tは絶対温度、qは単
位電荷、NASはpベース領域6の表面不純物濃度、NAi
はp領域6のn- 高抵抗領域5との界面における不純物
濃度である。
【0022】ここで、NAS/NAi>3とすれば、p領域
6内の電子の走行は、拡散よりはドリフトにより行われ
るようになる。すなわち、p領域6内に光により励起さ
れるキャリアを信号として有効に動作させるためには、
p領域6の不純物濃度は光入射側表面から内部に向って
減少しているようになっていることが望ましい。拡散で
p領域6を形成すれば、その不純物濃度は光入射側表面
にくらべ内部に行くほど減少している。
【0023】センサセルの受光面下の一部は、n+ 領域
7により占られている。n+ 領域7の深さは、通常0.
2〜0.3μm程度、あるいはそれ以下に設計されるか
ら、n+ 領域7で吸収される光の量は、もともとあまり
多くはないのでそれ程問題はない。ただ、短波長側の
光、特に青色光に対しては、n+ 領域7の存在は感度低
下の原因になる。n+ 領域7の不純物濃度は通常1×1
20cm-3程度あるいはそれ以上に設計される。こうし
た高濃度に不純物がドープされたn+ 領域7におけるホ
ールの拡散距離は0.15〜0.2μm程度である。し
たがって、n+ 領域7内で光励起されたホールを有効に
p領域6に流し込むには、n+ 領域7も光入射表面から
内部に向って不純物濃度が減少する構造になっているこ
とが望ましい。n+ 領域7の不純物濃度分布が上記の様
になっていれば、光入射側表面から内部に向う強いドリ
フト電界が発生して、n+ 領域7に光励起されたホール
はドリフトによりただちにp領域6に流れ込む。n+
域7、p領域6の不純物濃度がいずれも光入射側表面か
ら内部に向って減少するように構成されていれば、セン
サセルの光入射側表面側に存在するn+ 領域7、p領域
6において光励起されたキャリアはすべて光信号として
有効に働くのである。As又はPを高濃度にドープした
シリコン酸化膜あるいはポリシリコン膜からの不純物拡
散により、このn+ 領域7を形成すると、上記に述べた
ような望ましい不純物傾斜をもつn+ 領域を得ることが
可能である。
【0024】最終的には、ホールの蓄積によりベース電
位はエミッタ電位まで変化し、この場合は接地電位まで
変化して、そこでクリップされることになる。より厳密
に言うと、ベース・エミッタ間が順方向に深くバイアス
されて、ベースに蓄積されたホールがエミッタに流出し
始める電圧でクリップされる。つまり、この場合の光セ
ンサセルの飽和電位は、最初にp領域6を負電位にバイ
アスしたときのバイアス電位と接地電位との電位差で略
々与えられるわけである。n+ 領域7が接地されず、浮
遊状態において光入力によって発生した電荷の蓄積を行
う場合には、p領域6はn領域1と略々同電位まで電荷
を蓄積することができる。
【0025】以上は電荷蓄積動作の定性的な概略説明で
あるが、以下に少し具体的かつ定量的に説明する。この
光センサセルの分光感度分布は次式で与えられる。 但し、λは光の波長〔μm〕、αはシリコン結晶中での
光の減衰係数〔μm-1〕、xは半導体表面における、再
結合損失を起こし感度に寄与しない“deadlaye
r”(不感領域)の厚さ〔μm〕、yはエピタキシャル
層の厚さ〔μm〕、Tは透過率すなわち、入射してくる
光量に対して反射等を考慮して有効に半導体中に入射す
る光量の割合をそれぞれ示している。この光センサセル
の分光感度S(λ)および放射照度Ee(λ)を用いて
光電流Ipは次式で計算される。 但し、放射照度Ee(λ)〔μW・cm-2・nm-1〕は
次式で与えられる。 但しEV はセンサの受光面の照度〔Lux〕、P(λ)
はセンサの受光面に入射している光の分光分布、V
(λ)は人間の目の比視感度である。
【0026】これらの式を用いると、エピ厚の層4μm
をもつ光センサセルでは、A光源(2854°K)で照
射され、センサ受光面照度が1〔Lux〕のとき、約2
80nA/cm-2の光電流が流れ、入射してくるフォト
ンの数あるいは発生するエレクトロン・ホール対の数は
1.8×1012ケ/cm2 ・sec程度である。
【0027】又、この時、光により励起されたホールが
ベースに蓄積することにより発生する電位VpはVp=
Q/Cで与えられる。Qは蓄積されるホールの電荷量で
あり、CはCbe15とCbc17を加算した接合容量
である。
【0028】今、n+ 領域7の不純物濃度を1020cm
-3、p領域6の不純物濃度を5×1016cm-3、n-
域5の不純物濃度を1013cm-3、n+ 領域7の面積を
16μm2 、p領域6の面積を64μm2、n- 領域5の
厚さを3μmにしたときの接合容量は、約0.014p
F位になり、一方、p領域6に蓄積されるホールの個数
は、蓄積時間1/60sec、有効受光面積、すなわち
p領域6の面積から電極8および9の面積を引いた面積
を56μm2 程度とすると、1.7×104 ケとなる。
従って光入射により発生する電位Vpは190mV位に
なる。
【0029】ここで注目すべきことは、高解像度化さ
れ、セルサイズが縮小化されていった時に、一つの光セ
ンサセルあたりに入射する光量が減少し、蓄積電荷量Q
が共に減少していくが、セルの縮小化に伴ない接合容量
もセルサイズに比例して減少していくので、光入射によ
り発生する電位Vpはほぼ一定にたもたれるということ
である。これは本発明における光センサセルが第1図に
示すごとく、きわめて簡単な構造をしており有効受光面
がきわめて大きくとれる可能性を有しているからであ
る。
【0030】インターラインタイプのCCDの場合と比
較して本発明における光電変換装置が有利な理由の一つ
はここにあり、高解像度化にともない、インターライン
タイプのCCD型撮像装置では、転送する電荷量を確保
しようとすると転送部の面積が相対的に大きくなり、こ
のため有効受光面が減少するので、感度、すなわち光入
射による発生電圧が減少してしまうことになる。また、
インターラインタイプのCCD型撮像装置では、飽和電
圧が転送部の大きさにより制限され、どんどん低下して
いってしまうのに対し、本発明における光センサセルで
は、先にも書いた様に、最初にp領域6を負電位にバイ
アスした時のバイアス電圧により飽和電圧は決まるわけ
であり、大きな飽和電圧を確保することができる。
【0031】以上の様にしてp領域6に蓄積された電荷
により発生した電圧を外部へ読出す動作について次に説
明する。
【0032】読出し動作状態では、エミッタ、配線8は
浮遊状態に、コレクタは正電位Vccに保持される。第
2図に等価回路を示す。今、光を照射する前に、ベース
6を負電位にバイアスした時の電位を−VB とし、光照
射により発生した蓄積電圧をVP とすると、ベース電位
は、−VB +VP なる電位になっている。この状態で配
線10を通して電極9に読出し用の正の電圧VR を印加
すると、この正の電位VR は酸化膜容量Cox13とベ
ース・エミッタ間接合容量Cbe15、ベース・コレク
タ間接合容量Cbc7により容量分割され、ベースには
電圧 が加算される。従ってベース電位は となる。ここで、 となる条件が成立するようにしておくと、ベース電位は
光照射により発生した蓄積電圧VP そのものとなる。こ
のようにしてエミッタ電位に対してベース電位が正方向
にバイアスされると、エレクトロンは、エミッタからベ
ースに注入され、コレクタ電位が正電位になっているの
で、ドリフト電界により加速されて、コレクタに到達す
る。この時に流れる電流は、次式で与えられる。 但しAj はベース・エミッタ間の接合面積、qは単位電
荷量(1.6×10-19 クーロン)、Dn はベース中に
おけるエレクトロンの拡散定数、nPOはpベースのエミ
ッタ端における少数キャリヤとしてのエレクトロン濃
度、WB はベース幅、NAeはベースのエミッタ単におけ
るアクセプタ濃度、NAcはベースのコレクタ端における
アクセプタ濃度、kはボルツマン定数、Tは絶対温度、
e はエミッタ電位である。
【0033】この電流は、エミッタ電位Ve がベース電
位、すなわちここでは光照射により発生した蓄積電圧V
P に等しくなるまで流れることは上式から明らかであ
る。この時エミッタ電位Ve の時間的変化は次式で計算
される。 但し、ここで配線容量Csはエミッタに接続されている
配線8のもつ容量21である。
【0034】第3図は、上式を用いて計算したエミッタ
電位の時間変化の一例を示している。第3図によればエ
ミッタ電位がベース電位に等しくなるためには、約1秒
位を要することになる。これはエミッタ電位Ve がVP
に近くなるとあまり電流が流れなくなることに起因して
いるわけである。したがって、これを解決する手段は、
先に電極9に正電圧VR を印加するときに、 なる条件を設定したが、この条件の代りに なる条件を入れ、ベース電位をVBiasだけ、余分に順方
向にバイアスしてやる方法が考えられる。この時に流れ
る電流は次式で与えられる。 第4図(a)に、VBias=0.6Vとした場合、ある一
定時間の後、電極9に印加していたVR をゼロボルトに
もどし、流れる電流を停止させたときの蓄積電圧VP
対する、読出し電圧、すなわちエミッタ電位の関係を示
す。但し、第4図(a)では、読出し電圧はバイアス電
圧成分による読出し時間に依存する一定の電位が必ず加
算されてくるがそのゲタ分をさし引いた値をプロットし
ている。電極9に印加している正電圧VR をゼロボルト
にもどした時には、印加したときとは逆に なる電圧がベース電位に加算されるので、ベース電位
は、正電圧VR を印加する前の状態、すなわち、−VB
になり、エミッタに対し逆バイアスされるので電流の流
れが停止するわけである。第4図(a)によれば100
ns程度以上の読出し時間(すなわちVR を電極9に印
加している時間)をとれば、蓄積電圧VP と読出し電圧
は4桁程度の範囲にわたって直線性は確保され、高速の
読出しが可能であることを示している。第4図(a)
で、45°の線は読出しに十分の時間をかけた場合の結
果であり、上記の計算例では、配線8の容量Csを4p
Fとしているが、これはCbe+Cbcの接合容量の
0.014pFと比較して約300倍も大きいにもかか
わらず、p領域6に発生した蓄積電圧VP が何らの減衰
も受けず、かつ、バイアス電圧の効果により、きわめて
高速に読出されていることを第4図(a)は示してい
る。これは上記構成に係る光センサセルのもつ増幅機
能、すなわち電荷増幅機能が有効に働らいているからで
ある。
【0035】これに対して従来のMOS型撮像装置で
は、蓄積電圧VP は、このような読出し過程において配
線容量Csの影響でCj・VP /(Cj+Cs)(但し
CjはMOS型撮像装置の受光部のpn接合容量)とな
り、2桁位読出し電圧値が下がってしまうという欠点を
有していた。このためMOS型撮像装置では、外部へ読
出すためのスイッチングMOSトランジスタの寄生容量
のばらつきによる固定パターン雑音、あるいは配線容量
すなわち出力容量が大きいことにより発生するランダム
雑音が大きく、S/N比がとれないという問題があった
が、第1図(a),(b),(c)で示す構成の光セン
サセルでは、p領域6に発生した蓄積電圧そのものが外
部に読出されるわけであり、この電圧はかなり大きいた
め固定パターン雑音、出力容量に起因するランダム雑音
が相対的に小さくなり、きわめてS/N比の良い信号を
得ることが可能である。
【0036】先に、バイアス電圧VBiasを0.6Vに設
定したとき、4桁程度の直線性が100nsec程度の
高速読出し時間で得られることを示したが、この直線性
および読出し時間とバイアス電圧VBiasの関係を計算し
た結果をさらにくわしく、第4図(b)に示す。
【0037】第4図(b)において、横軸はバイアス電
圧VBiasであり、また、縦軸は読出し時間をとってい
る。またパラメータは、蓄積電圧が1mVのときに、読
出し電圧が1mVの80%,90%,95%,98%に
なるまでの時間依存性を示している。第4図(a)に示
される様に、蓄積電圧1mVにおいて、それぞれ80
%,90%,95%,98%になっている時は、それ以
上の蓄積電圧では、さらに良い値を示していることは明
らかである。
【0038】この第4図(b)によれば、バイアス電圧
Biasが0.6Vでは、読出し電圧が蓄積電圧の80%
になるのは読出し時間が0.12μs、90%になるの
は0.27μs、95%になるのは0.54μs、98
%になるのは1.4μsであるのがわかる。また、バイ
アス電圧VBiasを0.6Vより大きくすれば、さらに高
速の読出しが可能であることを示している。この様に、
撮像装置の全体の設計から読出し時間および必要な直線
性が決定されると、必要とされるバイアス電圧VBias
第4図(b)のグラフを用いることにより決定すること
ができる。
【0039】上記構成に係る光センサセルのもう一つの
利点は、p領域6に蓄積されたホールはp領域6におけ
るエレクトロンとホールの再結合確率がきわめて小さい
ことから非破壊的に読出し可能なことである。すなわち
読出し時に電極9に印加していた電圧VR をゼロボルト
にもどした時、p領域6の電位は電圧VR を印加する前
の逆バイアス状態になり、光照射により発生した蓄積電
圧VP は、新しく光が照射されない限り、そのまま保存
されるわけである。このことは、上記構成に係る光セン
サセルを光電変換装置として構成したときに、システム
動作上、新しい機能を提供することができることを意味
する。
【0040】このp領域6に蓄積電圧VP を保持できる
時間は、きわめて長く、最大の保持時間は、むしろ、接
合の空乏層中において熱的に発生する暗電流によって制
限を受ける。すなわち、この熱的に発生する暗電流によ
り光センサセルが飽和してしまうからである。しかしな
がら、上記構成に係る光センサセルでは、空乏層の広が
っている領域は、低不純物濃度領域であるn- 領域5で
あり、このn- 領域5は1012cm-3〜1014cm-3
度と、きわめて不純物濃度が低いため、その結晶性が良
好であり、MOS型、CCD型撮像装置に比較して熱的
に発生するエレクトロン・ホール対は少ない。このた
め、暗電流は、他の従来の装置に比較して小さい。すな
わち、上記構成に係る光センサセルは本質的に暗電流雑
音の小さい構造をしているわけである。
【0041】次いでp領域6に蓄積された電荷をリフレ
ッシュする動作について説明する。上記構成に係る光セ
ンサセルでは、すでに述べたごとく、p領域6に蓄積さ
れた電荷は、読出し動作では消滅しない。このため新し
い光情報を入力するためには、前に蓄積されていた電荷
を消滅させるためのリフレッシュ動作が必要である。ま
た同時に、浮遊状態になされているp領域6の電位を所
定の負電圧に帯電させておく必要がある。
【0042】上記構成に係る光センサセルでは、リフレ
ッシュ動作も読出し動作と同様、配線10を通して電極
9に正電圧を印加することにより行う。このとき、配線
8を通してエミッタを接地する。コレクタは、電極12
を通して接地又は正電位にしておく。第5図にリフレッ
シュ動作の等価回路を示す。但しコレクタ側を接地した
状態の例を示している。
【0043】この状態で正電圧VRHなる電圧が電極9に
印加されると、ベース22には、酸化膜容量Cox1
3,ベース・エミッタ間接合容量Cbe15、ベース・
コレクタ間接合容量Cbc17の容量分割により、 なる電圧が、前の読出し動作のときと同様瞬時的にかか
る。この電圧により、ベース・エミッタ間接合ダイオー
ドDbe16およびベース・コレクタ間接合ダイオード
Dbc18は順方向バイアスされて導通状態となり、電
流が流れ始め、ベース電位は次第に低下していく。
【0044】この時、浮遊状態にあるベースの電位Vの
変化は近似的に次式で表わされる。
【0045】 但し、 1 はダイオードDbcを流れる電流、i2 はダイオー
ドDbeを流れる電流である。Ab はベース面積、Ae
はエミッタ面積、DP はコレクタ中におけるホールの拡
散定数、pnoはコレクタ中における熱平衡状態のホール
濃度、Lpはコレクタ中におけるホールの平均自由行
程、npoはベース中における熱平衡状態でのエレクトロ
ン濃度である。i2 で、ベース側からエミッタへのホー
ル注入による電流は、エミッタの不純物濃度がベースの
不純物濃度にくらべて充分高いので、無視できる。
【0046】上に示した式は、段階接合近似のものであ
り実際のデバイスでは段階接合からはずれており、又ベ
ースの厚さが薄く、かつ複雑な濃度分布を有しているの
で厳密なものではないが、リフレッシュ動作をかなりの
近似で説明可能である。
【0047】上式中のベース・コレクタ間に流れる電流
1 の内、q・DP ・pno/Lpはホールによる電流、
すなわちベースからホールがコレクタ側へ流れだす成分
を示している。このホールによる電流が流れやすい様に
上記構成に係る光センサセルでは、コレクタの不純物濃
度は、通常のバイポーラトランジスタに比較して少し低
めに設計される。
【0048】この式を用いて計算した、ベース電位の時
間依存性の一例を第6図に示す。横軸は、リフレッシュ
電圧VRHが電極9に印加された瞬間からの時間経過すな
わちリフレッシュ時間を、縦軸は、ベース電位をそれぞ
れ示す。また、ベースの初期電位をパラメータにしてい
る。ベースの初期電位とは、リフレッシュ電圧VRHが加
わった瞬間に、浮遊状態にあるベースが示す電位であ
り、VRH,Cox,Cbe,Cbc及びベースに蓄積さ
れている電荷によってきまる。
【0049】この第6図をみれば、ベースの電位は初期
電位によらず、ある時間経過後には必ず、片対数グラフ
上で一つの直線にしたがって下がっていく。
【0050】第6図(b)に、リフレッシュ時間に対す
るベース電位変化の実験値を示す。第6図(a)に示し
た計算例に比較して、この実験で用いたテストデバイス
は、ディメンションがかなり大きいため、計算例とはそ
の絶対値は一致しないが、リフレッシュ時間に対するベ
ース電位変化が片対数グラフ上で直線的に変化している
ことが実証されている。この実験例ではコレクタおよび
エミッタの両者を接地したときの値を示している。
【0051】今、光照射による蓄積電圧VP の最大値を
0.4〔V〕、リフレッシュ電圧VRHによりベースに印
加される電圧V を0.4〔V〕とすると、第6図に示
すごとく初期ベース電位の最大値は0.8〔V〕とな
り、リフレッシュ電圧印加後10-15 〔sec〕後には
直線にのってベース電位が下がり始め、10-5〔se
c〕後には、光があたらなかった時、すなわち初期ベー
ス電位が0.4〔V〕のときの電位変化と一致する。
【0052】p領域6が、MOSキャパシタCoxを通
して正電圧をある時間印加し、その正電圧を除去すると
負電位に帯電する仕方には、2通りの仕方がある。一つ
は、p領域6から正電荷を持つホールが、主として接地
状態にあるn領域1に流れ出すことによって、負電荷が
蓄積される動作である。p領域6からホールが、n領域
1に一方的に流れ、n領域1の電子があまりp領域6内
に流れ込まないようにするためには、p領域6の不純物
密度をn領域1の不純物密度より高くしておけばよい。
一方、n+ 領域7やn領域1からの電子が、p領域6に
流れ込み、ホールと再結合することによって、p領域6
に負電荷が蓄積する動作も行える。この場合には、n領
域1の不純物密度はp領域6より高くなされている。p
領域6からホールが流出することによって、負電荷が蓄
積する動作の方が、p領域6ベースに電子が流れ込んで
ホールと再結合することにより負電荷が蓄積する動作よ
りはるかに速い。しかし、これまでの実験によれば、電
子をp領域6に流し込むリフレッシュ動作でも、光電変
換装置の動作に対しては、十分に速い時間応答を示すこ
とが確認されている。
【0053】上記構成に係る光センサセルをXY方向に
多数ならべて光電変換装置を構成したとき、画像により
各センサセルで、蓄積電圧VP は、上記の例では0〜
0.4〔V〕の間でばらついているが、リフレッシュ電
圧VRH印加後10-5〔sec〕には、全てのセンサセル
のベースには約0.3〔V〕程度の一定電圧は残るもの
の、画像による蓄積電圧VP の変化分は全て消えてしま
うことがわかる。すなわち、上記構成に係る光センサセ
ルによる光電変換装置では、リフレッシュ動作により全
てのセンサセルのベース電位をゼロボルトまで持ってい
く完全リフレッシュモードと(このときは第6図(a)
の例では10〔sec〕を要する)、ベース電位にはあ
る一定電圧は残るものの蓄積電圧VP による変動成分が
消えてしまう過渡的リフレッシュモードの二つが存在す
るわけである(このときは第6図(a)の例では、10
〔μsec〕〜10〔sec〕のリフレッシュパル
ス)。以上の例では、リフレッシュ電圧VRHによりベー
スに印加される電圧VA を0.4〔V〕としたが、この
電圧VA を0.6〔V〕とすれば、上記、過渡的リフレ
ッシュモードは、第6図によれば、1〔nsec〕でお
こり、きわめて高速にリフレッシュすることができる。
完全リフレッシュモードで動作させるか、過渡的リフレ
ッシュモードで動作させるかの選択は光電変換装置の使
用目的によって決定される。
【0054】この過渡的リフレッシュモードにおいてベ
ースに残る電圧をVK とすると、リフレッシュ電圧VRH
を印加後、VRHをゼロボルトにもどす瞬間の過渡的状態
において、 なる負電圧がベースに加算されるので、リフレッシュパ
ルスによるリフレッシュ動作後のベース電位は となり、ベースはエミッタに対して逆バイアス状態にな
る。
【0055】先に光により励起されたキャリアを蓄積す
る蓄積動作のとき、蓄積状態ではベースは逆バイアス状
態で行われるという説明をしたが、このリフレッシュ動
作により、リフレッシュおよびベースを逆バイアス状態
に持っていくことの2つの動作が同時に行われるわけで
ある。
【0056】第6図(c)にリフレッシュ電圧VRHに対
するリフレッシュ動作後のベース電位 の変化の実験値を示す。パラメータとしてCoxの値を
5pFから100pFまでとっている。丸印は実験値で
あり、実線は より計算される計算値を示している。このときVK
0.52Vであり、また、Cbc+Cbe=4pFであ
る。但し観測用オシロスコープのプローグ容量13pF
がCbc+Cbeに並列に接続されている。この様に、
計算値と実験値は完全に一致しており、リフレッシュ動
作が実験的にも確認されている。
【0057】以上のリフレッシュ動作においては、第5
図に示す様に、コレクタを接地したときの例について説
明したが、コレクタを正電位にした状態で行うことも可
能である。このときは、ベース・コレクタ間接合ダイオ
ードDbc18が、リフレッシュパルスが印加されて
も、このリフレッシュパルスによりベースに印加される
電位よりも、コレクタに印加されている正電位の方が大
きいと非導通状態のままなので、電流はベース・エミッ
タ間接合ダイオードDbe16だけを通して流れる。こ
のため、ベース電位の低下は、よりゆっくりしたものに
なるが、基本的には、前に説明したのと、まったく同様
な動作が行われるわけである。
【0058】すなわち第6図(a)のリフレッシュ時間
に対するベース電位の関係は、第6図(a)のベース電
位が低下する時の斜めの直線が右側の方、つまり、より
時間の要する方向へシフトすることになる。したがっ
て、コレクタを接地した時と同じリフレッシュ電圧VRH
を用いると、リフレッシュに時間を要することになる
が、リフレッシュ電圧VRHをわずか高めてやればコレク
タを接地した時と同様、高速のリフレッシュ動作が可能
である。
【0059】以上が光入射による電荷蓄積動作、読出し
動作、リフレッシュ動作よりなる上記構成に係る光セン
サセルの基本動作の説明である。
【0060】以上説明したごとく、上記構成に係る光セ
ンサセルの基本構造は、すでにあげた特開昭56−15
0878、特開昭56−157073、特開昭56−1
65473と比較してきわめて簡単な構造であり、将来
の高解像度化に十分対応できるとともに、それらのもつ
優れた特徴である増幅機能からくる低雑音、高出力、広
ダイナミックレンジ、非破壊読出し等のメリットをその
まま保存している。
【0061】次に、以上説明した構成に係る光センサセ
ルを二次元に配列して構成した本発明の光電変換装置の
一実施例について図面を用いて説明する。
【0062】基本光センサセル構造を二次元的に3×3
に配列した光電変換装置の回路構成図を第7図に示す。
【0063】すでに説明した点線で囲まれた基本光セン
サセル30(この時バイポーラトランジスタのコレクタ
は基板及び基板電極に接続されることを示してい
る。)、読出しパルスおよびリフレッシュパルスを印加
するための水平ライン31,31′,31″、読出しパ
ルスを発生させるための垂直シフトレジスタ32、垂直
シフトレジスタ32と水平ライン31,31′,31″
の間のバッファMOSトランジスタ33,33′,3
3″のゲートにパルスを印加するための端子34、リフ
レッシュパルスを印加するためのバッファMOSトラン
ジスタ35,35′,35″、それのゲートにパルスを
印加するための端子36、リフレッシュパルスを印加す
るための端子37、基本光センサセル30から蓄積電圧
を読出すための垂直ライン38,38′,38″、各垂
直ラインを選択するためのパルスを発生する水平シフト
レジスタ39、各垂直ラインを開閉するためのゲート用
MOSトランジスタ40,40′,40″、蓄積電圧を
アンプ部に読出すための出力ライン41、読出し後に、
出力ラインに蓄積した電荷をリフレッシュするためのM
OSトランジスタ42、MOSトランジスタ42へリフ
レッシュパルスを印加するための端子43、出力信号を
増幅するためのバイポーラ、MOS,FET、J−FE
T等のトランジスタ44、負荷抵抗45、トランジスタ
と電源を接続するための端子46、トランジスタの出力
端子47、読出し動作において垂直ライン40,4
0′,40″に蓄積された電荷をリフレッシュするため
のMOSトランジスタ48,48′,48″、およびM
OSトランジスタ48,48′,48″のゲートにパル
スを印加するための端子49によりこの光電変換装置は
構成されている。
【0064】この光電変換装置の動作について第7図お
よび第8図に示すパルスタイミング図を用いて説明す
る。第8図において、区間61はリフレッシュ動作、区
間62は蓄積動作、区間63は読出し動作にそれぞれ対
応している。
【0065】時刻t1 において、基板電位、すなわち光
センサセル部のコレクタ電位64は、接地電位または正
電位に保たれるが、第8図では接地電位に保たれている
ものを示している。接地電位または正電位のいずれにし
ても、すでに説明した様に、リフレッシュに要する時間
が異なってくるだけであり、基本動作に変化はない。端
子49の電位65はhigh状態であり、MOSトラン
ジスタ48,48′,48″は導通状態に保たれ、各光
センサセルは、垂直ライン38,38′,38″を通し
て接地されている。また端子36には、波形66のごと
くバッファMOSトランジスタが導通する電圧が印加さ
れており、全画面一括リフレッシュ用バッファMOSト
ランジスタ35,35′,35″は導通状態となってい
る。この状態で端子37に波形67のごとくパルスが印
加されると、水平ライン31,31′,31″を通して
各光センサセルのベースに電圧がかかり、すでに説明し
た様に、リフレッシュ動作に入り、それ以前に蓄積され
ていた電荷が、完全リフレッシュモード又は過渡的リフ
レッシュモードにしたがってリフレッシュされる。完全
リフレッシュモードになるか又は過渡的リフレッシュモ
ードになるかは波形67のパルス幅により決定されるわ
けである。
【0066】t2 時刻において、すでに説明したごと
く、各光センサセルのトランジスタのベースはエミッタ
に対して逆バイアス状態となり、次の蓄積区間62へ移
る。このリフレッシュ区間61においては、図に示すよ
うに、他の印加パルスは全てlow状態に保たれてい
る。
【0067】蓄積動作区間62においては、基板電圧、
すなわちトランジスタのコレクタ電位波形64は正電位
にする。これにより光照射により発生したエレクトロン
・ホール対のうちのエレクトロンを、コレクタ側へ早く
流してしまうことができる。しかし、このコレクタ電位
を正電位に保つことは、ベースをエミッタに対して逆方
向バイアス状態、すなわち負電位にして撮像しているの
で必須条件ではなく、接地電位あるいは若干負電位状態
にしても基本的な蓄積動作に変化はない。
【0068】蓄積動作状態においては、MOSトランジ
スタ48,48′,48″のゲート端子49の電位65
は、リフレッシュ区間と同様、highに保たれ、各M
OSトランジスタは導通状態に保たれる。このため、各
光センサセルのエミッタは垂直ライン38,38′,3
8″を通して接地されている。強い光の照射により、ベ
ースにホールが蓄積され、飽和してくると、すなわちベ
ース電位がエミッタ電位(接地電位)に対して順方向バ
イアス状態になってくると、ホールは垂直ライン38,
38′,38″を通して流れ、そこでベース電位変化は
停止し、クリップされることになる。したがって、垂直
方向にとなり合う光センサセルのエミッタが垂直ライン
38,38′,38″により共通に接続されていても、
この様に垂直ライン38,38′,38″を接地してお
くと、ブルーミング現象を生ずることはない。
【0069】このブルーミング現象をさける方法は、M
OSトランジスタ48,48′,48″を非導通状態に
して、垂直ライン38,38′,38″を浮遊状態にし
ていても、基板電位、すなわちコレクタ電位64を若干
負電位にしておき、ホールの蓄積によりベース電位が正
電位方向に変化してきたとき、エミッタより先にコレク
タ側の方へ流れ出す様にすることにより達成することも
可能である。
【0070】蓄積区間62に次いで、時刻t3 より読出
し区間63になる。この時刻t3 において、MOSトラ
ンジスタ48,48′,48″のゲート端子49の電位
65をlowにし、かつ水平ライン31,31′,3
1″のバッファMOSトランジスタ33,33′,3
3″のゲート端子の電位68をhighにし、それぞれ
のMOSトランジスタを導通状態とする。但し、このゲ
ート端子34の電位68をhighにするタイミング
は、時刻t3 であることは必須条件ではなく、それより
早い時刻であれば良い。
【0071】時刻t4 では、垂直シフトレジスタ32の
出力のうち、水平ライン31に接続されたものが波形6
9のごとくhighとなり、このとき、MOSトランジ
スタ33が導通状態であるから、この水平ライン31に
接続された3つの各光センサセルの読出しが行なわれ
る。この読出し動作はすでに前に説明した通りであり、
各光センサセルのベース領域に蓄積された信号電荷によ
り発生した信号電圧は、そのまま、垂直ライン38,3
8′,38″に現われる。このときの垂直シフトレジス
タ32からのパルス電圧のパルス幅は、第4図に示した
様に、蓄積電圧に対する読出し電圧が、十分直線性を保
つ関係になるパルス幅に設定される。またパルス電圧は
先に説明した様に、VBias分だけエミッタに対して順方
向バイアスがかかる様調整される。
【0072】次いで、時刻t5 において、水平シフトレ
ジスタ39の出力のうち、垂直ライン38に接続された
MOSトランジスタ40のゲートへの出力だけが波形7
0のごとくhighとなり、MOSトランジスタ40が
導通状態となり、出力信号は出力ライン41を通して、
出力トランジスタ44に入り、電流増幅されて出力端子
47から出力される。この様に信号が読出された後、出
力ライン41には配線容量に起因する信号電荷が残って
いるので、時刻t6 において、MOSトランジスタ42
のゲート端子43にパルス波形71のごとくパルスを印
加し、MOSトランジスタ42を導通状態にして出力ラ
イン41を接地して、この残留した信号電荷をリフレッ
シュしてやるわけである。以下同様にして、スイッチン
グMOSトランジスタ40′,40″を順次導通させて
垂直ライン38′,38″の信号出力を読出す。この様
にして水平に並んだ一ライン分の各光センサセルからの
信号を読出した後、垂直ライン38,38′,38″に
は、出力ライン41と同様、それの配線容量に起因する
信号電荷が残留しているので、各垂直ライン38,3
8′,38″に接続されたMOSトランジスタ48,4
8′,48″を、それのゲート端子49に波形65で示
される様にhighにして導通させ、この残留信号電荷
をリフレッシュする。
【0073】次いで、時刻t8 において、垂直シフトレ
ジスタ32の出力のうち、水平ライン31′に接続され
た出力が波形69′のごとくhighとなり、水平ライ
ン31′に接続された各光センサセルの蓄積電圧が、各
垂直ライン38,38′,38″に読出されるわけであ
る。以下、順次前と同様の動作により、出力端子47か
ら信号が読出される。
【0074】以上の説明においては、蓄積区間62と読
出し区間63が明確に区分される様な応用分野、例えば
最近研究開発が積極的に行なわれているスチルビデオに
適用される動作状態について説明したが、テレビカメラ
の様に蓄積区間62における動作と読出し区間63にお
ける動作が同時に行なわれている様な応用分野に関して
も、第8図のパルスタイミングを変更することにより適
用可能である。但し、この時のリフレッシュは全画面一
括リフレッシュではなく、一ライン毎のリフレッシュ機
能が必要である。例えば、水平ライン31に接続された
各光センサセルの信号が読出された後、時刻t7 におい
て各垂直ラインに残留した電荷を消去するためMOSト
ランジスタ48,48′,48″を導通にするが、この
とき水平ライン31にリフレッシュパルスを印加する。
すなわち、波形69において時刻t7 においても時刻t
4 と同様、パルス電圧、パルス幅、の異なるパルスを発
生する様な構成の垂直シフトレジスタを使用することに
より達成することができる。この様にダブルパルス的動
作以外には、第7図の右側に設置した一括リフレッシュ
パルスを印加する機器の代わりに、左側と同様の第2の
垂直シフトレジスタを右側にも設け、タイミングを左側
に設けられた垂直レジスタとずらせながら動作させるこ
とにより達成させることも可能である。
【0075】このときは、すでに説明したような蓄積状
態において、各光センサセルのエミッタおよびコレクタ
の各電位を操作してブルーミングを押えるという動作の
自由度が少なくなる。しかし、基本動作の所で説明した
様に、読出し状態では、ベースにVBiasなるバイアス電
圧を印加したときに始めて高速読出しができる様な構成
としているので、第3図のグラフからわかる様に、V
Biasを印加しない時に、各光センサセルの飽和により、
垂直ライン28,28′,28″に流れ出す信号電荷分
はきわめてわずかであり、ブルーミング現象は、まった
く問題にはならない。
【0076】また、スミア現象に対しても、本実施例に
係る光電変換装置は、きわめて優れた特性を得ることが
できる。スミア現象は、CCD型撮像装置、特にフレー
ム転送型においては、光の照射されている所を電荷転送
されるという、動作および構造上発生する問題であり、
インタライン型においては、特に長波長の光により半導
体の深部で発生したキャリアが電荷転送部に蓄積される
ために発生する問題である。
【0077】また、MOS型撮像装置においては、各光
センサセルに接地されたスイッチングMOSトランジス
タのドレイン側に、やはり長波長の光により半導体深部
で発生したキャリアが蓄積されるために生じる問題であ
る。
【0078】これに対して本実施例に係る光電変換装置
では、動作および構造上発生するスミア現象はまったく
なく、また長波長の光により半導体深部で発生したキャ
リアが蓄積されるという現象もまったく生じない。但
し、光センサセルのエミッタにおいて比較的表面近傍で
発生したエレクトロンとホールのうち、エレクトロンが
蓄積されるという現像が心配されるが、これは、一括リ
フレッシュ動作のときは蓄積動作状態において、エミッ
タが接地されているため、エレクトロンは蓄積されず、
スミア現象が生じない。また通常のテレビカメラのとき
応用されるラインリフレッシュ動作のときは、水平ブラ
ンキングの期間において、垂直ラインに蓄積電圧を読出
す前に、垂直ラインを接地してリフレッシュするので、
この時同時にエミッタに一水平走査期間に蓄積されたエ
レクトロンは流れ出してしまい、このため、スミア現象
はほとんど発生しない。この様に、本実施例に係る光電
変換装置では、その構造上および動作上、スミア現像は
ほとんど本質的に無視し得る程度しか発生せず、本実施
例に係る光電変換装置の大きな利点の一つである。
【0079】また、蓄積動作状態において、エミッタお
よびコレクタの各電位を操作して、ブルーミング現象を
押えるという動作について前に記述したが、これを利用
してγ特性を制御することも可能である。
【0080】すなわち、蓄積動作の途中において、一時
的にエミッタまたはコレクタの電位をある一定の負電位
にし、ベースに蓄積されたキャリアのうち、この負電位
を与えるキャリア数より多く蓄積されているホールをエ
ミッタまたはコレクタ側へ流してしまうという動作をさ
せる。これにより、蓄積電圧と入射光量に対する関係
は、入射光量の小さいときはシリコン結晶のもつγ=1
の特性を示し、入射光量の大きい所では、γが1より小
さくなる様な特性を示す。つまり、折線近似的に通常テ
レビカメラで要求されるγ=0.45の特性をもたせる
ことが可能である。蓄積動作の途中において上記動作を
一度やれば一折線近似となり、エミッタ又はコレクタに
印加する負電位を二度適宜変更して行なえば、二折線タ
イプのγ特性を持たせることも可能である。
【0081】また、以上の実施例においては、シリコン
基板を共通コレクタとしているが通常バイポーラトラン
ジスタのごとく埋込n+ 領域を設け、各ライン毎にコレ
クタを分割させる様な構造としてもよい。
【0082】なお、実際の動作には第8図に示したパル
スタイミング以外に、垂直シフトレジスタ32、水平シ
フトレジスタ39を駆動するためのクロックパルスが必
要である。
【0083】第9図に出力信号に関係する等価回路を示
す。容量CV 80は垂直ライン38,38′,38″の
配線容量であり、容量CH 81は出力ライン41の配線
容量をそれぞれ示している。また第9図右側の等価回路
は、読出し状態におけるものであり、スイッチング用M
OSトランジスタ40,40′,40″は導通状態であ
り、それの導通状態における抵抗値を抵抗RM 82で示
している。また増幅用トランジスタ44を抵抗re 83
および電流源84を用いた等価回路で示している。出力
ライン41の配線容量に起因する電荷蓄積をリフレッシ
ュするためのMOSトランジスタ42は、読出し状態で
は非導通状態であり、インピーダンスが高いので、右側
の等価回路では省略している。
【0084】等価回路の各パラメータは、実際に構成す
る光電変換装置の大きさにより決定されるわけである
が、例えば、容量CV 80は約4pF位、容量CH 81
は約4pF位、MOSトランジスタの導通状態の抵抗R
M 82は3KΩ程度、バイポーラトランジスタ44の電
流増幅率βは約100程度として、出力端子47におい
て観測される出力信号波形を計算した例を第10図に示
す。
【0085】第10図において横軸はスイッチングMO
Sトランジスタ40,40′,40″が導通した瞬間か
らの時間[μs]を、縦軸は垂直ライン38,38′,
38″の配線容量CV 80に、各光センサセルから信号
電荷が読出されて1ボルトの電圧がかかっているときの
出力端子47に現われる出力電圧[V]をそれぞれ示し
ている。
【0086】出力信号波形85は負荷抵抗RE 45が1
0KΩ、86は負荷抵抗RE 45が5KΩ、87は負荷
抵抗RE 45が2KΩのときのものであり、いずれにお
いてもピーク値は、CV 80とCH 81の容量分割によ
り0.5V程度になっている。当然のことながら、負荷
抵抗RE 45が大きい方が減衰量は小さく、望ましい出
力波形になっている。立ち上がり時間は、上記のパラメ
ータ値のとき、約20nsecと高速である。スイッチ
ングMOSトランジスタ40,40′,40″の導通状
態における抵抗RM を小さくすることにより、および、
配線容量CV ,CH を小さくすることにより、さらに高
速の読出しも可能である。
【0087】上記構成に係る光センサセルを利用した光
電変換装置では、各光センサセルのもつ増幅機能によ
り、出力に現われる電圧が大きいため、最終段の増幅ア
ンプも、MOS型撮像装置に比較してかなり簡単なもの
でよい。上記例ではバイポーラトランジスタ1段のタイ
プのものを使用した例について説明したが、2段構成の
もの等、他の方式を使うことも当然のことながら可能で
ある。この例の様にバイポーラトランジスタを用いる
と、CCD撮像装置における最終段のアンプのMOSト
ランジスタから発生する画像上目につきやすい1/f雑
音の問題が、本実施例の光電変換装置では発生せず、き
わめてS/N比の良い画質を得ることが可能である。
【0088】上に述べた様に、上記構成に係る光センサ
セルを利用した光電変換装置では、最終段の増幅アンプ
がきわめて簡単なもので良いことから、最終段の増幅ア
ンプを一つだけ設ける第7図に示した実施例のごときタ
イプではなく、増幅アンプを複数個設置して、一つの画
面を複数に分割して読出す様な構成とすることも可能で
ある。
【0089】第11図に、分割読出し方式の一例を示
す。第11図に示す実施例は、水平方向を3分割とし最
終段アンプを3つ設置した例である。基本的な動作は第
7図の実施例および第8図のタイミング図を用いて説明
したものとほとんど同じであるが、この第11図の実施
例では、3つの等価な水平シフトレジスタ100、10
1、102を設け、これらの始動パルスを印加するため
の端子103に始動パルスが入ると、1列目、(n+
1)列目、(2n+1)列目(nは整数であり、この実
施例では水平方向絵素数は3n個である。)に接続され
た各センサセルの出力が同時に読出されることになる。
次の時点では、2列目、(n+2)列目、(2n+2)
列目が読出されることになる。
【0090】この実施例によれば、一本の水平ライン分
を読出す時間が固定されている時は、水平方向のスキャ
ニング周波数は、一つの最終段アンプをつけた方式に比
較して1/3の周波数で良く、水平シフトレジスタが簡
単になり、かつ光電変換装置からの出力信号をアナログ
デイジタル変換して、信号処理する様な用途には、高速
のアナログ・ディジタル変換器は不必要であり、分割読
出し方式の大きな利点である。
【0091】第11図に示した実施例では、等価な水平
シフトレジスタを3つ設けた方式であったが、同様な機
能は、水平レジスタ1つだけでももたせることが可能で
ある。この場合の実施例を第12図に示す。
【0092】第12図の実施例は、第11図に示した実
施例のうちの水平スイッチングMOSトランジスタと、
最終段アンプの中間の部分だけを書いたものであり、他
の部分は、第11図の実施例と同じであるから省略して
いる。
【0093】この実施例では、1つの水平シフトレジス
タ104からの出力を1列目、(n+1)列目、(2n
+1)列目のスイッチングMOSトランジスタのゲート
に接続し、それらのラインを同時に読出すようにしてい
る。次の時点では、2列目、(n+2)列目、(2n+
2)列目が読出されるわけである。
【0094】この実施例によれば、各スイッチングMO
Sトランジスタのゲートへの配線は増加するものの、水
平シフトレジスタとしては1つだけで動作が可能であ
る。
【0095】第11図、第12図の例では出力アンプを
3個設けた例を示したが、この数はその目的に応じてさ
らに多くしてもよいことはもちろんである。
【0096】第11図、第12図の実施例ではいずれ
も、水平シフトレジスタ、垂直シフトレジスタの始動パ
ルスおよびクロックパルスは省略しているが、これら
は、他のリフレッシュパルスと同様、同一チップ内に設
けたクロックパルス発生器あるいは、他のチップ上に設
けられたクロックパルス発生器から供給される。
【0097】この分割読出し方式では、水平ライン一括
又は全画面一括リフレッシュを行なうと、n列目と(n
+1)列目の光センサセル間では、わずか蓄積時間が異
なり、これにより、暗電流成分および信号成分に、わず
かの不連続性が生じ、画像上目についてくる可能性も考
えられるが、これの量はわずかであり、実用上問題はな
い。また、これが、許容限度以上になってきた場合で
も、外部回路を用いて、それを補正することは、キョシ
状波を発生させ、これと暗電流成分との減算およびこれ
と信号成分の乗除算により行なう従来の補正技術を使用
することにより容易に可能である。
【0098】この様な光電変換装置を用いて、カラー画
像を撮像する時は、光電変換装置の上に、ストライプフ
ィルターあるいは、モザイクフィルター等をオンチップ
化したり、又は、別に作ったカラーフィルターを貼合わ
せることによりカラー信号を得ることが可能である。
【0099】一例として、R,G,Bのストライプ・フ
ィルターを使用した時は、上記構成に係る光センサセル
を利用した光電変換装置ではそれぞれ別々の最終段アン
プよりR信号、G信号、B信号を得ることが可能であ
る。これの一実施例を第13図に示す。この第13図も
第12図と同様、水平レジスターのまわりだけを示して
いる。他は第7図および第11図と同じであり、ただ1
列目はRのカラーフィルター、2列目はGのカラーフィ
ルター、3列目はBのカラーフィルター、4列目はRの
カラーフィルターという様にカラーフィルターがついて
いるものとする。第13図に示すごとく、1列目、4列
目、7列目…の各垂直ラインは出力ライン110に接続
され、これはR信号をとりだす。又2列目、5列目、8
列目…の各垂直ラインは出力ライン111に接続され、
これはG信号をとりだす。又同様にして、3列目、6列
目、9列目…の各垂直ラインは出力ライン112に接続
され、B信号をとりだす。出力ライン110,111,
112はそれぞれオンチップ化されたリフレッシュ様M
OSトランジスタおよび最終段アンプ、例えばエミッタ
フォロアタイプのバイポーラトランジスタに接続され、
各カラー信号が別々に出力されるわけである。
【0100】本発明の他の実施例に係る光電変換装置を
構成する光センサセルの他の例の基本構造および動作を
説明するための図を第14図に示す。またそれの等価回
路および全体の回路構成図を第15図(a)に示す。
【0101】第14図に示す光センサセルは、同一の水
平スキャンパルスにより読出し動作、およびラインリフ
レッシュを同時に行なうことを可能とした光センサセル
である。第14図において、すでに第1図で示した構成
と異なる点は、第1図の場合水平ライン配線10に接続
されるMOSキャパシタ電極9が一つだけであったもの
が上下に隣接する光センサセルの側にもMOSキャパシ
タ電極120が接続され、1つの光センサセルからみた
時に、ダブルコンデンサータイプとなっていること、お
よび図において上下に隣接する光センサセルのエミッタ
7,7′は2層配線にされた配線8,および配線1
21、(第14図では、垂直ラインが1本に見えるが、
絶縁層を介して2本のラインが配置されている)に交互
に接続、すなわちエミッタ7はコンタクトホール19を
通して配線8に、エミッタ7′はコンタクトホール1
9′を通して配線121にそれぞれ接続されているこ
とが異なっている。
【0102】これは第15図(a)の等価回路をみると
より明らかとなる。すなわち、光センサセル152のベ
ースに接続されたMOSキャパシタ150は水平ライン
31に接続され、MOSキャパシタ151は水平ライン
31′に接続されている。また光センサセル152の図
において下に隣接する光センサセル152′のMOSキ
ャパシタ150′は共通する水平ライン31′に接続さ
れている。
【0103】光センサセル152のエミッタは垂直ライ
ン38に、光センサセル152′のエミッタは垂直ライ
ン138に、光センサセル152″のエミッタは垂直ラ
イン38という様にそれぞれ交互に接続されている。
【0104】第15図(a)の等価回路では、以上述べ
た基本の光センサセル部以外で、第7図の撮像装置と異
なるのは、垂直ライン38をリフレッシュするためのス
イッチングMOSトランジスタ48のほかに垂直ライン
138をリフレッシュするためのスイッチングMOSト
ランジスタ148、および垂直ライン38を選択するス
イッチングMOSトランジスタ40のほか垂直ライン1
38を選択するためのスイッチングMOSトランジスタ
140が追加され、また出力アンプ系が一つ増設されて
いる。この出力系の構成は、各ラインをリフレッシュす
るためのスイッチングMOSトランジスタ48、および
148が接続されている様な構成とし、さらに水平スキ
ャン用のスイッチングMOSトランジスタを用いる第1
5図(b)に示す様にして出力アンプを一つだけにする
構成もまた可能である。第15図(b)では第15図
(a)の垂直ライン選択および出力アンプ系の部分だけ
を示している。
【0105】この第14図の光センサセルおよび第15
図(a)に示す実施例によれば、次の様な動作が可能で
ある。すなわち、今水平ライン31に接続された各光セ
ンサセルの読出し動作が終了し、テレビ動作における水
平ブランキング期間にある時、垂直シフトレジスタ32
からの出力パルスが水平ライン31′に出力されるとM
OSキャパシタ151を通して、読出しの終了した光セ
ンサセル152をリフレッシュする。このとき、スイッ
チングMOSトランジスタ48は導通状態にされ、垂直
ライン38は接地されている。
【0106】また水平ライン31′に接続されたMOS
キャパシタ150′を通して光センサセル152′の出
力が垂直ライン138に読出される。このとき当然のこ
とながらスイッチングMOSトランジスタ148は非導
通状態になされ、垂直ライン138は浮遊状態となって
いるわけである。この様に一つの垂直スキャンパルスに
より、すでに読出しを終了した光センサセルのリフレッ
シュと、次のラインの光センサセルの読出しが同一のパ
ルスで同時的に行なうことが可能である。このときすで
に説明した様にリフレッシュする時の電圧と読出しの時
の電圧は、読出し時には、高速読出しの必要性からバイ
アス電圧をかけるので異なってくるが、これは第14図
に示すごとく、MOSキャパシタ電極9およびMOSキ
ャパシタ電極120の面積を変えることにより各電極に
同一の電圧が印加されても各光センサセルのベースには
異なる電圧がかかる様な構成をとることにより達成され
ている。
【0107】すなわち、リフレッシュ用MOSキャパシ
タの面積は、読出し用MOSキャパシタの面積にくらべ
て小さくなっている。この例のように、センサセル全部
を一括リフレッシュするのではなく、一ラインずつリフ
レッシュしていく場合には、第1図(b)に示される様
にコレクタをn型あるいはn基板で構成しておいてもよ
いが、水平ラインごとにコレクタを分離して設けたほう
が望ましいことがある。コレクタが基板になっている場
合には、全光センサセルのコレクタが共通領域となって
いるため、蓄積および受光読出し状態ではコレクタに一
定のバイアス電圧が加わった状態になっている。もちろ
ん、すでに説明したようにコレクタにバイアス電圧が加
わった状態でも浮遊ベースのリフレッシュは、エミッタ
の間で行なえる。ただし、この場合には、ベース領域の
リフレッシュが行なわれると同時に、リフレッシュパル
スが印加されたセルのエミッタコレクタ間に無駄な電流
が流れ、消費電力を大きくするという欠点が伴う。こう
した欠点を克服するためには、全センサセルのコレクタ
を共通領域とせずに、各水平ラインに並ぶセンサセルの
コレクタは共通になるが、各水平ラインごとのコレクタ
は互いに分離された構造にする。すなわち、第1図の構
造に関連させて説明すれば、基板はp型にして、p型基
板中にコレクタ各水平ラインごとに互いに分離されたn
+ 埋込領域を設けた構造にする。隣り合う水平ラインn
+ 埋込領域の分離は、p領域を間に介在させる構造でも
よい。水平ラインに沿って埋込まれるコレクタのキャパ
シタを減少させるには、絶縁物分離の方が優れている。
第1図では、コレクタが基板で構成されているから、セ
ンサセルを囲む分離領域はすべてほとんど同じ深さまで
設けられている。一方、各水平ラインごとのコレクタを
互いに分離するには、水平ライン方向の分離領域を垂直
ライン方向の分離領域より必要な値だけ深くしておくこ
とになる。
【0108】各水平ラインごとにコレクタが分離されて
いれば、読出しが終って、リフレッシュ動作が始まる時
に、その水平ラインのコレクタの電圧を接地すれば、前
述したようなエミッタコレクタ間電流は流れず、消費電
力の増加をもたらさない。リフレッシュが終って光信号
による電荷蓄積動作に入る時に、ふたたびコレクタ領域
には所定のバイアス電圧を印加する。
【0109】また第15図(a)の等価回路によれば、
各水平ラインごとに出力は出力端子47および147に
交互に出力されることになる。これは、すでに説明した
ごとく、第15図(b)の様な構成にすることにより一
つのアンプから出力をとりだすことも可能である。
【0110】以上説明した様に本実施例によれば、比較
的簡単な構成で、ラインリフレッシュが可能となり、通
常のテレビカメラ等の応用分野にも適用することができ
る。
【0111】本発明の他の実施例としては、光センサセ
ルに複数のエミッタを設けた構成あるいは、一つのエミ
ッタに複数のコンタクトを設けた構成により、一つの光
センサセルから複数の出力をとりだすタイプが考えられ
る。
【0112】これは本発明による光電変換装置の各光セ
ンサセルが増幅機能をもつことから、一つの光センサセ
ルから複数の出力をとりだすために、各光センサセルに
複数の配線容量が接続されても、光センサセルの内部で
発生した蓄積電圧Vpが、まったく減衰することなしに
各出力に読出すことが可能であることに起因している。
【0113】この様に、各光センサセルから複数の出力
をとりだすことができる構成により、各光センサセルを
多数配列してなる光電変換装置に対して信号処理あるい
は雑音対策等に対して多くの利点を付加することが可能
である。
【0114】次に本発明に係る光電変換装置の一製法例
について説明する。第16図に、選択エピタキシャル成
長(R.Endo et al,“Novel dev
ice isolation technology
with selectedepitaxial gr
owth”Tech.Dig.of 1982 IED
M,pp.241−244 参照)を用いたその製法の
一例を示す。
【0115】1〜10×1016cm-3程度の不純物濃度
のn形Si基板1の裏面側に、コンタクト用のn+ 領域
11を、AsあるいはPの拡散で設ける。n+ 領域から
のオートドーピングを防ぐために、図には示さないが酸
化膜及び窒化膜を裏面に通常は設けておく。
【0116】基板1は、不純物濃度及び酸素濃度が均一
に制御されたものを用いる。すなわち、キャリアライン
タイムがウエハで十分に長くかつ均一な結晶ウエハを用
いる。その様なものとしては例えばMCZ法による結晶
が適している。基板1の表面に略々1μm程度の酸化膜
をウエット酸化により形成する。すなわち、H2 O雰囲
気かあるいは(H2 +O2 )雰囲気で酸化する。積層欠
陥等を生じさせずに良好な酸化膜を得るには、900℃
程度の温度での高圧酸化が適している。
【0117】その上に、たとえば2〜4μm程度の厚さ
のSiO2 膜をCVDで堆積する。(N2 +SiH4
2 )ガス系で300〜500℃程度の温度で所望の厚
さのSiO2 膜を堆積する。O2 /SiH4 のモル比は
温度にもよるが4〜40程度に設定する。フォトリソグ
ラフィ工程により、セル間の分離領域となる部分の酸化
膜を残して他の領域の酸化膜は、(CF4 +H2 ),C
26 ,CH22 等のガスを用いたリアクティブイオ
ンエッチングで除去する(第16図の工程(a))、例え
ば、10×10μm2 に1画素を設ける場合には、10
μmピッチのメッシュ状にSiO2 膜を残す。SiO2
膜の幅はたとえば2μm程度に選ばれる。リアクティブ
イオンエッチングによる表面のダメージ層及び汚染層
を、Ar/Cl2 ガス系プラズマエッチングかウエット
エッチングによって除去した後、超高真空中における蒸
着かもしくは、ロードロック形式で十分に雰囲気が清浄
になされたスパッタ、あるいは、SiH4 ガスにCO2
レーザ構成を照射する減圧光CVDで、アモルファスシ
リコン301を堆積する(第16図の工程(b))、C
BrF3 、CCl22 、Cl2 等のガスを用いたリア
クティブイオンエッチングによる異方性エッチングによ
り、SiO2 層側面に堆積している以外のアモルファス
シリコンを除去する(第16図の工程(c))、前と同
様に、ダメージと汚染層を十分除去した後、シリコン基
板表面を十分清浄に洗浄し、(H2 +SiH2 ,Cl2
+HCl)ガス系によりシリコン層の選択成長を行な
う。数10Torrの減圧状態で成長は行ない、基板温
度は900〜1000℃、HClのモル比をある程度以
上高い値に設定する。HClの量が少なすぎると選択成
長は起こらない。シリコン基板上にはシリコン結晶層が
成長するが、SiO2 層上のシリコンはHClによって
エッチングされてしまうため、SiO2 層上にはシリコ
ンは堆積しない(第16図(d))。n- 層5の厚さは
例えば3〜5μm程度である。
【0118】不純物濃度は好ましくは1012〜1016
-3程度に設定する。もちろん、この範囲をずれてもよ
いが、pn- 接合の拡散電位で完全に空乏化するかもし
くはコレクタに動作電圧を印加した状態では、少なくと
もn- 領域が完全に空乏化するような不純物濃度および
厚さに選ぶのが望ましい。
【0119】通常入手できるHClガスには大量の水分
が含まれているため、シリコン基板表面で常に酸化膜が
形成されるというようなことになって、到底高品質のエ
ピタキシャル成長は望めない。水分の多いHClは、ボ
ンベに入っている状態でボンベの材料と反応し鉄分を中
心とする重金属を大量に含むことになって、重金属汚染
の多いエピタキシャル層になり易い。光センサセルに使
用するエピタキシャル層は、暗電流成分が少ない程望ま
しいわけであるから、重金属による汚染は極限まで抑え
る必要がある。SiH2 Cl2 に超高純度の材料を使用
することはもちろんであるが、HClには特に水分の少
ない、望ましくは少なくとも水分含有量が0.5ppm
以下のものを使用する。もちろん、水分含有量は少ない
程よい。エピタキシャル成長層をさらに高品質にするに
は、基板をまず1150〜1250℃程度の高温処理で
表面近傍から酸素を除去して、その後800℃程度の長
時間熱処理により基板内部にマイクロディフェクトを多
数発生させ、デヌーデットゾーンを有するイントリシッ
クゲッタリングの行える基板にしておくこともきわめて
有効である。分離領域としてのSiO2 層4が存在した
状態でのエピタキシャル成長を行なうわけであるから、
SiO2 からの酸素のとり込みを少なくするため、成長
温度は低いほど望ましい。通常よく使われる高周波加熱
法では、カーボンサセプタからの汚染が多くて、より一
層の低温化は難しい。反応室内にカーボンサセプタなど
持込まないランプ加熱によるウエハ直接加熱法が成長雰
囲気をもっともクリーンにできて、高品質エピタキシャ
ル層を低温で成長させられる。
【0120】反応室におけるウエハ支持具は、より蒸気
圧の低い超高純度溶融サファイアが適している。原材料
ガスの予熱が容易に行え、かつ大流量のガスが流れてい
る状態でもウエハ面内温度を均一化し易い、すなわちサ
ーマルストレスがほとんど発生しないランプ加熱による
ウエハ直接加熱法は、高品質エピタキシャル層を得るの
に適している。成長時にウエハ表面への紫外線照射は、
エピタキシャル層の品質をさらに向上させる。
【0121】分離領域4となるSiO2 層の側壁にはア
モルファスシリコンが堆積している(第16図の工程
(c))、アモルファスシリコンは固相成長で単結晶化
し易いため、SiO2 分離領域4との界面近傍の結晶が
非常に優れたものになる。高抵抗n- 層5を選択エピタ
キシャル成長により形成した後(第16図の工程
(d))、表面濃度1〜20×1016cm-3程度のP領
域6を、ドープトオキサイドからの拡散か、あるいは低
ドーズのイオン注入層をソースとした拡散により所定の
深さまで形成する。p領域6の深さはたとえば0.6〜
1μm程度である。
【0122】p領域6の厚さと不純物濃度は以下のよう
な考えで決定する。感度を上げようとすれば、p領域6
の不純物濃度を下げてCbeを小さくすることが望まし
い。Cbeは略々次のように与えられる。 ただし、Vbiはエミッタ・ベース間拡散電位であり、 で与えられる。ここで、εはシリコン結晶の誘電率、N
D はエミッタの不純物濃度、NA はベースのエミッタに
隣接する部分の不純物密度、ni は真性キャリア濃度で
ある。NA を小さくするほどCbeは小さくなって、感
度は上昇するが、NA をあまり小さくしすぎるとベース
領域が動作状態で完全に空乏化してパンチングスルー状
態になってしまうため、あまり低くは出来ない。ベース
領域が完全に空乏化してパンチングスルー状態にならな
い程度に設定する。
【0123】その後、シリコン基板表面に(H2 +O
2 )ガス系スチーム酸化により数10Åから数100Å
程度の厚さの熱酸化膜3を、800〜900℃程度の温
度で形成する。その上に、(SiH4 +NH3 )系ガス
のCVDで窒化膜(Si34)302を500〜15
00Å程度の厚さで形成する。形成温度は700〜90
0℃程度である。NH3 ガスも、HClガスと並んで通
常入手できる製品は、大量に水分を含んでいる。水分の
多いNH3 ガスを原材料に使うと、酸素濃度の多い窒化
膜となり、再現性に乏しくなると同時に、その後のSi
2 膜との選択エッチングで選択比が取れないという結
果を招く。NH3 ガスも、少なくとも水分含有量が0.
5ppm以下のものにする。水分含有量は少ない程望ま
しいことはいうまでもない。窒化膜302の上にさらに
PSG膜300をCVDにより堆積する。ガス系は、た
とえば、(N2 +SiH4 +O2 +PH3 )を用いて、
300〜450℃程度の温度で2000〜3000Å程
度の厚さのPSG膜をCVDにより堆積する(第16図
の工程(e))。2度のマスク合わせ工程を含むフォト
リソグラフィ工程により、n+ 領域7上と、リフレッシ
ュ及び読出しパルス印加電極上に、Asドープのポリシ
リコン膜304を堆積する。この場合pドープのポリシ
リコン膜を使ってもよい。たとえば、2回のフォトリソ
グラフィ工程により、エミッタ上は、PSG膜、Si3
4 膜、SiO2 膜をすべて除去し、リフレッシュおよ
び読出しパルス印加電極を設ける部分には下地のSiO
2 膜を残して、PSG膜とSI34 膜のみエッチング
する。その後、Asドープのポリシリコンを、(N2
SiH4 +AsH3 )もしくは(H2 +SiH4 +As
3 )ガスでCVD法により堆積する。堆積温度は55
0℃〜700℃程度、膜厚は1000〜2000Åであ
る。ノンドープのポリシリコンをCVD法で堆積してお
いて、その後As又はPを拡散してももちろんよい。エ
ミッタとリフレッシュ及び読出しパルス印加電極上を除
いた他の部分のポリシリコン膜をマスク合わせフォトリ
ソグラフィ工程の後エッチングで除去する。さらに、P
SG膜をエッチングすると、リフトオフによりPSG膜
に堆積していたポリシリコンはセルフアライン的に除去
されてしまう(第16図の工程(f))。ポリシリコン
膜のエッチングはC2 Cl24 、(CBrF3 +Cl
2 )等のガス系でエッチングし、Si34 膜はCH2
2 等のガスでエッチングする。
【0124】次に、PSG膜305を、すでに述べたよ
うなガス系のCVD法で堆積した後、マスク合わせ工程
とエッチング工程とにより、リフレッシュパルス及び読
出しパルス電極用ポリシリコン膜上にコンタクトホール
を開ける。こうした状態で、Al,Al−Si,Al−
Cu−Si等の金属を真空蒸着もしくはスパッタによっ
て堆積するか、あるいは(CH33 AlやAlCl3
を原材料ガスとするプラズマCVD法、あるいはまた上
記原材料ガスのAl−CボンドやAl−Clボンドを直
接光照射により切断する光照射CVD法によりAlを堆
積する。(CH33 AlやAlCl3 を原材料ガスと
して上記のようなCVD法を行なう場合には、大過剰に
水素を流しておく。細くてかつ急峻なコンタクトホール
にAlを堆積するには、水分や酸素混入のまったくない
クリーン雰囲気の中で300〜400℃膜厚に基板温度
を上げたCVD法が優れている。第1図に示された金属
配線10のパターニングを終えた後、層間絶縁膜306
をCVD法で堆積する。306は、前述したPSG膜、
あるいはCVD法SiO2 膜、あるいは耐水性等を考慮
する必要がある場合には、(SiH4 +NH3 )ガス系
のプラズマCVD法によって形成したSi34 膜であ
る。Si34 膜中の水素の含有量を低く抑えるために
は、(SiH4 +N2 )ガス系でのプラズマCVD法を
使用する。
【0125】プラズマCVD法によるダメージを現象さ
せ形成されたSi34 膜の電気的耐圧を大きくし、か
つリーク電流を小さくするには光CVD法によるSi3
4膜がすぐれている。光CVD法には2通りの方法が
ある。(SiH4 +NH3 +Hg)ガス系で外部から水
銀ランプの2537Åの紫外線を照射する方法と、(S
iH4 +NH)3ガス系に水銀ランプの1849Åの紫外
線を照射する方法である。いずれも基板温度は150〜
350℃程度である。
【0126】マスク合わせ工程及びエッチング工程によ
り、エミッタ7上のポリシリコンに、絶縁膜305,3
06を貫通したコンタクトホールをリアクティブイオン
エッチングで開けた後、前述した方法でAl,Al−S
i,Al−Cu−Si等の金属を堆積する。この場合に
は、コンタクトホールのアスペクト比が大きいので、C
VD法による堆積の方がすぐれている。第1図における
金属配線8のパターニングを終えた後、最終パッシベー
ション膜としてのSi34 膜あるいはPSG膜2をC
VD法により堆積する(第16図(g))。
【0127】この場合も、光CVD法による膜がすぐれ
ている。12は裏面のAl,Al−Si等による金属電
極である。
【0128】本発明の光電変換装置の製法には、実に多
彩な工程があり、第16図はほんの一例を述べたに過ぎ
ない。
【0129】本発明の光電変換装置の重要な点は、p領
域6とn- 領域5の間及びp領域6とn+ 領域7の間の
リーク電流を如何に小さく抑えるかにある。n- 領域5
の品質を良好にして暗電流を少なくすることはもちろん
であるが、酸化膜などよりなる分離領域4とn- 領域5
の界面こそが問題である。第16図では、そのために、
あらかじめ分離領域4の側壁にアモルファスSiを堆積
しておいてエピタキシャル成長を行なう方法を説明し
た。この場合には、エピタキシャル成長中に基板Siか
らの固相成長でアモルファスSiは単結晶化されるわけ
である。エピタキシャル成長は、850℃〜1000℃
程度と比較的高い温度で行なわれる。そのため、基板S
iからの固相成長によりアモルファスSiが単結晶化さ
れる前に、アモルファスSi中に微結晶が成長し始めて
しまうことが多く、結晶性を悪くする原因になる。温度
が低い方が、固相成長する速度がアモルファスSi中に
微結晶が成長し始める速度より相対的にずっと大きくな
るから、選択エピタキシャル成長を行なう前に、550
℃〜700℃程度の低温処理で、アモルファスSiを単
結晶しておくと、界面の特性は改善される。この時、基
板SiとアモルファスSiの間に酸化膜等の層があると
固相成長の開始が遅れるため、両者の境界にはそうした
層が含まれないような超高清浄プロセスが必要である。
【0130】アモルファスSiの固相成長には上述した
ファーナス成長の他に、基板をある程度の温度に保って
おいて、フッシュランプ加熱あるいは赤外線ランプによ
る、たとえば数秒から数10秒程度のラピッドアニール
技術も有効である。こうした技術を使うときには、Si
2 層側壁に堆積するSiは、多結晶でもよい。ただ
し、非常にクリーンなプロセスで堆積し、多結晶体の結
晶粒界に酸素、炭素等の含まれない多結晶Siにしてお
く必要がある。
【0131】こうしたSiO2 側面のSiが単結晶化さ
れた後、Siの選択成長を行うことになる。
【0132】SiO2 分離領域4と高抵抗n- 領域5界
面のリーク電流がどうしても問題になる時は、高抵抗n
- 領域5のSiO2 分離領域4に隣接する部分だけ、n
形の不純物濃度を高くしておくとこのリーク電流の問題
はさけられる。たとえば、分離SiO2 領域4に接触す
るn- 領域5の0.3〜1μm程度の厚さの領域だけ、
たとえば1〜10×1016cm-3程度にn形の不純物濃
度を高くするのである。この構成は比較的容易に形成で
きる。基板1上に略々1μm程度熱酸化膜を形成した
後、その上にCVD法で堆積する。SiO2 膜をまず所
要の厚さだけ、所定の量のPを含んだSiO2 膜にして
おく。さらにその上にSiO2 をCVD法で堆積すると
いうことで分離領域4を作っておく。その後の高温プロ
セスで分離領域4中にサンドイッチ状に存在する燐を含
んだSiO2 膜から、燐が高抵抗n- 領域5中に拡散し
て、界面がもっとも不純物濃度が高いという良好な不純
物分布を作る。
【0133】すなわち、第17図のような構造に構成す
るわけである。分離領域4が、3層構造に構成されてい
て、308は熱酸化膜SiO2 、309は燐を含んだC
VD法SiO2 膜、301はCVD法SiO2 膜であ
る。分離領域4に隣接して、n- 領域5中との間に、n
領域307が、燐を含んだSiO2 膜309からの拡散
で形成される。307はセル周辺全部に形成されてい
る。この構造にすると、ベース・コレクタ間容量Cbc
は大きくなるが、ベース・コレクタ間リーク電流は激減
する。
【0134】第16図では、あらかじめ分離用絶縁領域
4を作っておいて、選択エピタキシャル成長を行なう例
について説明したが、基板上に必要な高抵抗n- 層のエ
ピキタシャル成長をしておいてから、分離領域となるべ
き部分をリアクティブイオンエッチングによりメッシュ
状に切り込んで分離領域を形成する、Uグループ分離技
術(A.Hayasaka et al,“U−gro
ove isolation technique f
or high speed bipolarVLS
I′S″,Tech.Dig.of IEDM.P.6
2,1982,参照)を使って行なうことも出来る。
【0135】本発明に係る光電変換装置は、絶縁物より
構成される分離領域に取り囲まれた領域に、その大部分
の領域が半導体ウエハ表面に隣接するベース領域が浮遊
状態になされたバイポーラトランジスタを形成し、浮遊
状態になされたベース領域の電位を薄い絶縁層を介して
前記ベース領域の一部に設けた電極により制御すること
によって、光情報を光電変換する装置である。高不純物
濃度領域よりなるエミッタ領域が、ベース領域の一部に
設けられており、このエミッタは水平スキャンパルスに
より動作するMOSトランジスタに接続されている。前
述した、浮遊ベース領域の一部に薄い絶縁層を介して設
けられた電極は、水平ラインに接続されている。ウエハ
内部に、設けられるコレクタは、基板で構成されること
もあるし、目的によっては反対導電型高抵抗基板に、各
水平ラインごとに分離された高濃度不純物埋込み領域で
構成される場合もある。絶縁層を介して設けられた電極
で、浮遊ベース領域のリフレッシュを行なう時のパルス
電圧に対して、信号を読出す時の印加パルス電圧は実質
的に大きい。実際に、2種類の電圧を待つパルス列を用
いてもよいし、ダブルキャパシタ構造で説明したよう
に、リフレッシュ用MOSキャパシタ電極の容量Cox
くらべて読出し用MOSキャパシタ電極の容量Coxを大
きくしておいてもよい。リフレッシュパルス印加によ
り、逆バイアス状態になされた浮遊ベース領域に光励起
されたキヤリアを蓄積して光信号に基づいた信号を記憶
させ、該信号読出し時には、ベース・エミッタ間が順方
向に深くバイアスされるように読出し用パルス電圧を印
加して、高速度で信号を読出せるようにしたことが特徴
である。こうした特徴を備えていれば、本発明の光電変
換装置はいかなる構造で実現してもよく、前記の実施例
に述べられた構造に限定されないことはもちろんであ
る。
【0136】たとえば、前記の実施例で説明した構造と
導電型がまったく反転した構造でも、もちろん同様であ
る。ただし、この時には印加電圧の極性を完全に反転す
る必要がある。導電型がまったく反転した構造では、領
域はn型になる。すなわち、ベースを構成する不純物は
AsやPになる。AsやPを含む領域の表面を酸化する
と、AsやPはSi/SiO2 界面のSi側にパイルア
ップする。すなわち、ベース内部に表面から内部に向う
強いドリフト電界が生じて、光励起されたホールはただ
ちにベースからコレクタ側に抜け、ベースにはエレクト
ロンが効率よく蓄積される。
【0137】ベースがp型の場合には、通常使われる不
純物はボロンである。ボロンを含むp領域表面を熱酸化
すると、ボロンは酸化膜中に取り込まれるため、Si/
SiO2 界面近傍のSi中におけるボロン濃度はやや内
部のボロン濃度より低くなる。この深さは、酸化膜厚に
もよるが、通常数100Åである。この界面近傍には、
エレクトロンに対する逆ドリフト電界が生じ、この領域
に光励起されたエレクトロンは、表面に集められる傾向
にある。このままだと、この逆ドリフト電界を生じてい
る領域は不感領域になるが、表面に沿った一部にn+
域が、本発明の光電変換装置では存在しているため、p
領域のSi/SiO2 界面に集まったエレクトロンは、
このn+ 領域に再結合される前に流れ込む。そのため
に、たとえばボロンがSi/SiO2 界面近傍で減少し
ていて、逆ドリフト電界が生じるような領域が存在して
も、ほとんど不感領域にはならない。むしろ、こうした
領域がSi/SiO2 界面に存在すると、蓄積されたホ
ールをSi/SiO2 界面から引き離して内部に存在さ
せるようにするために、ホールが界面で消滅する効果が
無くなり、p層のベースにおけるホール蓄積効果が良好
となり、きわめて望ましい。
【0138】以上説明してきたように、本発明の光電変
換装置は、浮遊状態になされた制御電極領域であるベー
ス領域に光により励起されたキャリアを蓄積するもので
ある。すなわち、Base Store Image
Sensorと呼ばれるべき装置であり、BASISと
略称する。
【0139】本発明の光電変換装置は、1個のトランジ
スタで1画素を構成できるため高密度化がきわめて容易
であり、同時にその構造からブルーミング、スミアが少
なく、かつ高感度である、そのダイナミックレンジは広
く取れ、内部増幅機能を有するため配線容量によらず大
きな信号電圧を発生するため低録音でかつ周辺回路が容
易になるという特徴を有している。例えば将来の高品質
固体撮像装置として、その工業的価値はきわめて高い。
【0140】なお、本発明に係る光電変換装置は以上述
べた固体撮像装置の外に、たとえば、画像入力装置、フ
ァクシミリ、ワークステイション、デジタル複写機、ワ
ープロ等の画像入力装置、OCR、バーコード読取り装
置、カメラ、ビデオカメラ、8ミリカメラ等のオートフ
ォーカス用の光電変換被写体検出装置等にも応用でき
る。
【0141】第8図(b)に、過渡的リフレッシュ動
作、蓄積動作、読出し動作、そして過渡的リフレッシュ
動作と巡回するときの、エミッタ、ベース、コレクタ各
部における電位レベルを表したものを示す。各部位の電
圧レベルは外部的に見た電位であり、内部のポテンシャ
ルレベルとは一部一致していない所もある。
【0142】説明を簡単にするためにエミッタ・ベース
間の拡散電位は除いてある。したがって、第8図(b)
でエミッタとベースが同一レベルで表される時には、実
際にはエミッタ・ベース間に で与えられる拡散電位が存在するわけである。
【0143】第8図(b)において、状態、はリフ
レッシュ動作を、状態は蓄積動作を、状態、は読
出し動作を、状態はエミッタを接地したときの動作状
態をそれぞれ示す。また電位レベルは0ボルトを境にし
て上側が負、下側が正電位をそれぞれ示す。状態にな
る前のベース電位はゼロボルトであったとし、またコレ
クタ電位は状態からまで全て正電位にバイアスされ
ているものとする。
【0144】上記の一連の動作を第8図(a)のタイミ
ング図と共に説明する。
【0145】第8図(a)の波形67のごとく、時刻t
1 において、端子37に正電圧すなわちリフレッシュ電
圧VRHが印加されると、第8図(b)の状態に電位2
00のごとくベースには、すでに説明した様に なる分圧がかかる。この電位は時刻t1 からt2 の間に
次第にゼロ電位に向かって減少していき、時刻t2
は、第8図(b)の点線で示した電位201となる。こ
の電位は前に説明した様に、過渡的なリフレッシュモー
ドにおいて、ベースに残る電位VK である。時刻t2
おいて、波形67のごとく、リフレッシュ電圧VRHがゼ
ロ電圧にもどる瞬間にベースに、ベースには なる電圧が前と同様、容量分割により発生するので、ベ
ースは残っていた電圧VK と新しく発生した電圧との加
算された電位となる。すなわち、状態において示され
るベース電位202であり、これは、 で与えられる。
【0146】この様なエミッタに対して逆バイアス状態
において光が入射してくると、この光により発生したホ
ールがベース領域に蓄積されるので、状態のごとく、
入射してくる光の強さに応じてベース電位202はベー
ス電位203、203′、203″のごとく次第に正電
位に向って変化する。この光により発生する電圧をVP
とする。
【0147】次いで波形69のごとく、水平ラインに垂
直シフトレジスタより電圧、すなわち、読出し電圧VR
が印加されると、ベースには なる電圧が加算されるので、光がまったく照射されない
ときのベース電位204は となる。このときの電位204は前に説明したごとく、
エミッタに対して0.5〜0.6V程度順方向にバイア
ス状態になる様に、設定される。また、ベース電位20
5、205′、205″はそれぞれ で与えられる。
【0148】ベース電位がこの様にエミッタに対して、
順方向バイアスされると、エミッタ側からエレクロンの
注入がおこり、エミッタ電位は次第に正電位方向に動い
ていくことになる。光が照射されなかったときのベース
電位204に対するエミッタ電位206は、順方向バイ
アスを0.5〜0.6Vに設定した時読出しパルス幅が
1〜2μs位のとき、約50〜100mV程度であり、
この電圧をVB とすると、エミッタ電位207、20
7′、207″は前の例の様に0.1μs以上のパルス
幅であれば直線性は十分確保されるので、それぞれVP
+VB 、VP ′+VB 、VP ″+VB となる。
【0149】ある一定の読出し時間の後、波形69のご
とく読出し電圧VR がゼロ電位になった時点で、ベース
には なる電圧が加算されるので、状態のごとくベース電位
は、読出しパルスが印加される前の状態、すなわち逆バ
イアス状態になり、エミッタの電位変化は停止する。す
なわち、このときのベース電位208は ベース電位209、209′、209″はそれぞれ、 で与えられる。これは読出しが始まる前の状態とまっ
たく同じである。
【0150】この状態において、エミッタ側の光情報
信号が外部へ読出されるわけである。この読出しが終っ
た後、各スイッチングMOSトランジスタ48、4
8′、48″が導通状態となり、エミッタが接地されて
状態のごとく、エミッタはゼロ電位となる。これで、
リフレッシュ動作、蓄積動作、読出し動作と一巡し、次
に状態にもどるわけであるが、この時、最初にリフレ
ッシュ動作に入る前は、ベース電位がゼロ電位からスタ
ートしたのに対して、一巡してきた後はベース電位が およびそれに、それぞれVP 、VP ′、VP ″が加算さ
れた電位に変化していることになる。したがって、この
状態で、リフレッシュ電圧VRHが印加されたとしてもベ
ース電位はそれぞれVK 、VK +VP 、VK +VP ′、
K +VP ″になるだけであり、これでは、ベースに十
分な順方向バイアスがかからず、光の強くあたった所は
順方向バイアス量が大きいので光情報は消えるものの、
光の弱い部分の情報は消えずに残るということが生ずる
ことは第6図に示したリフレッシュ動作の計算例から見
てもあきらかである。
【0151】この様な現象は過渡的リフレッシュモード
独特のものであり、完全リフレッシュモードでは、ベー
ス電位が必ずゼロ電位になるまで長いリフレッシュ時間
をとるために、この様な問題は生じない。
【0152】以上述べたような不具合が生ぜず、かつ高
速リフレッシュが可能な他の実施例について以下に説明
する。今まで述べてきたリフレッシュの方法は、ベース
にMOSキャパシタを通してパルスを印加し、ベース電
位を正電位とすることにより行なっていた。すなわち、
ベースが正電位のとき、ベース・コレクタ間接合ダイオ
ードDbcが、導通状態になり、ホールがベースより流
れだすことにより、ベース電位が接地電位に向かって、
減少していくときの過渡的状態、すなわち過渡的リフレ
ッシュあるいは、ベース電位が完全に接地電位になる完
全リフレッシュを用いていたわけである。pベースの場
合には、所定の量のホールがベースから無くなっている
ので、リフレッシュパルスを除去した状態では、pベー
スは負に停電し、所定の負電圧になる。
【0153】これに対して以下に述べる実施例は、各光
センサセルにMOSトランジスタを負荷して、ベースか
ら光励起によって蓄積されたホールを取りのぞき所定の
負電圧にするという考え方によりリフレッシュを行なう
ことを可能にした光電変換装置に関するものである。
【0154】以下第18図(a),(b),(c)を用
いて、くわしく説明する。第18図(a)は基本光セン
サセルを二次元的にいくつか配列したときの一部を示す
平面図であり、第18図(b)は(a)図のAA´断面
図、第18図(c)は、二次元的にいくつかの基本光セ
ンサセルを配置したときの回路構成をそれぞれ示す図で
ある。
【0155】第18図(a)においてエミッタ領域7、
読出し用の垂直ライン8およびこの配線とエミッタ領域
7とのコンタクト19、p領域6、およびMOSキャパ
シタ9で構成されている所は第1図に示したものとまっ
たく同じである。ただし、MOSキャパシタ9は、第1
図に示した実施例では読出しおよびリフレッシュの各動
作において共通に使用されているが本実施例では後で述
べるように読出し動作として使用される。
【0156】第1図に示した実施例と異なるのは、各光
センサセルにリフレッシュ用のpチャンネルMOSトラ
ンジスタが付加されている点である。すなわち第18図
(b)の断面図を見ると明らかな様に光センサセルのp
領域6とこのp領域6と切り離された所に、拡散、イオ
ン注入等で形成されたp領域220、両者の間のn型チ
ャンネルドープ領域、酸化膜領域3、およびゲート電極
221より構成されるpチャンネルMOSトランジスタ
が付加されている。この新しく形成されるp領域220
は、光センサセルのp領域6を形成するとき同時に作ら
れ、また、各領域間のチャンネルになるn型領域は、イ
オン注入技術等を用いてソース・ドレイン間がパンチス
ルーしない様に、n型の不純物濃度を増加させるチャン
ネルドープがなされる。少々プロセス数は増すが、pM
OSのソース・ドレイン間のパンチスルーを押えるため
にはp領域220を表面近傍にごく薄く作ることも有効
である。
【0157】このpチャンネルMOSトランジスタのゲ
ート221は第18図(a)の平面図のごとく、MOS
キャパシタ電極9と共通接続され、水平ライン10を通
してパルスが印加される様構成されている。またpチャ
ンネルMOSトランジスタのp領域すなわちドレイン領
域220は水平ライン223とコンタクト222を介し
て接続されている。
【0158】従って、水平ライン10と水平ライン22
3および垂直ライン8は多層配線技術によって形成さ
れ、それぞれの間は、絶縁膜により絶縁されているわけ
である。
【0159】第18図(c)は以上で説明した構造をも
つ光センサセルのベース領域と共通なソース領域、配線
10と共通接続されたゲート領域をもつpチャンネルM
OSトランジスタが各光センサセルに付加されているこ
とである。
【0160】以下に本実施例の動作について説明する。
光励起によるホールのベースの蓄積動作の前は、第8図
(b)の状態の様にベース領域は負電圧にバイアスさ
れている。また電荷蓄積動作では状態の様に光によっ
て発生したホールがベース領域に蓄積され、光の強さに
応じてベースの電位は正の方向に向かって変化してい
く。この状態において配線10を介して、読出しパルス
電圧VR が印加されると状態のごとく、ベース電位が
正電位になされ、ベースに蓄積された情報がエミッタ側
に読出されることになる。また読出しパルス電圧VR
接地電位になされた時に状態となり、またエミッタ側
から垂直ラインを通して情報が外部へ出力された後、垂
直ラインの配線8を通してエミッタが接地され状態と
なるのは、すでに前に説明した実施例と同じ動作をする
わけである。
【0161】読出しパルスが配線10に印加された時、
第18図(a)に示す様に、光センサセル224から読
出しが行なわれるが、この時、同時に光センサセル22
4′に接続されたpチャンネルMOSトランジスタのゲ
ートにも同一の読出しパルスが印加される。しかし、こ
の読出しパルスは正のパルスであり、これによりpチャ
ンネルMOSトランジスタが導通状態になることはな
く、何ら光センサセル224′には影響をおよぼさな
い。
【0162】第8図(b)の状態のごとく、各光セン
サセルのベース電位が光の強度に応じて変化している状
態において、配線10に負のパルスに印加する。この負
のパルスによりpチャンネルMOSトランジスタは導通
状態になされ、光センサセル224′のベース電位は、
配線223に供給されている負の電源電圧を−VSRとす
ると、−(VSR−VTH)になる。ただし、−VTHはpM
OSのしきい値電圧である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る光センサセルの主要構
造を説明するための平面図である。
【図2】図1の光センサセルのAA′断面図である。
【図3】図1の光センサセルの等価回路図である。
【図4】図1〜図3の光センサセルの読出し動作時の等
価回路図である。
【図5】図1〜図3の光センサセルの読出し時間と読出
し電圧との関係を示すグラフである。
【図6】図1〜図3の光センサセルの蓄積電圧と読出し
時間との関係を示すグラフである。
【図7】図1〜図3の光センサセルのバイアス電圧と読
出し時間との関係を示すグラフである。
【図8】図1〜図3の光センサセルのリフレッシュ動作
時の等価回路図である。
【図9】図1〜図3の光センサセルのリフレッシュ時間
とベース電位との関係を示すグラフである。
【図10】図1〜図3の光センサセルのリフレッシュ時
間とベース電位との関係を示すグラフである。
【図11】図1〜図3の光センサセルのリフレッシュ時
間とベース電位との関係を示すグラフである。
【図12】図1〜図3に示す光センサセルを用いた光電
変換装置の回路図である。
【図13】図12の光電変換装置のパルスタイミング図
である。
【図14】図12の光電変換装置の各動作時の電位分布
を示すグラフである。
【図15】図12の光電変換装置の出力信号に関係する
等価回路図である。
【図16】図12の光電変換装置の導通した瞬間からの
出力電圧を時間との関係で示すグラフである。
【図17】他の光電変換装置を示す回路図である。
【図18】他の光電変換装置を示す回路図である。
【図19】他の光電変換装置を示す回路図である。
【図20】本発明の実施例に係る他の光センサセルの主
要構造を説明するための平面図である。
【図21】図20に示す光センサセルを用いた光電変換
装置の回路図である。
【図22】図20に示す光センサセルを用いた光電変換
装置の回路図である。
【図23】本発明の光電変換装置の一製造方法例を示す
ための断面図である。
【図24】本発明の光電変換装置の一製造方法例を示す
ための断面図である。
【図25】本発明の光電変換装置の一製造方法例を示す
ための断面図である。
【図26】本発明の光電変換装置の一製造方法例を示す
ための断面図である。
【図27】本発明の光電変換装置の一製造方法例を示す
ための断面図である。
【図28】本発明の光電変換装置の一製造方法例を示す
ための断面図である。
【図29】本発明の光電変換装置の一製造方法例を示す
ための断面図である。
【図30】本発明の光電変換装置の一製造方法例を示す
ための断面図である。
【図31】本発明の実施例に係る光センサセル断面図で
ある。
【図32】図31の光センサセルのAA′断面図であ
る。
【図33】図31の光センサセルの回路構成図である。
【符号の説明】
1 シリコン基板、 2 PSG膜、 3 絶縁酸化
膜、 4 素子分離領域、 5 n- 領域(コレクタ領
域)、 6 p領域(ベース領域)、 7,7′n+
域(エミッタ領域)、 8 配線、 9 電極、 10
配線、 11n+ 領域、 12 電極、 13 コン
デンサ、 14 バイポーラトランジスタ、 15,1
7 接合容量、 16,18 ダイオード、 19,1
9′コンタクト部、 20 光、 28 垂直ライン、
30 光センサセル、 31 水平ライン、 32
垂直シフトレジスタ、 33,35 MOSトランジス
タ、 36,37 端子、 38 垂直ライン、 39
水平シフトレジスタ、 40 MOSトランジスタ、
41 出力ライン、 42 MOSトランジスタ、
43 端子、 44 トランジスタ、 44,45 負
荷抵抗、 46端子、 47 端子、 48 MOSト
ランジスタ、 49 端子、 61,62,63 区
間、 64 コレクタ電位、 67 波形、 80,8
1 容量、82,83 抵抗、 84 電流源、 10
0,101,102 水平シフトレジスタ、 111,
112 出力ライン、 138 垂直ライン、 140
MOSトランジスタ、 148 MOSトランジスタ、
150,150′MOSコンデンサ、 152,15
2′ 光センサセル、 202,203,205 ベー
ス電位、 220 p+ 領域、 222,225 配
線、 251p+ 領域、 252 n+ 領域、 253
配線、 300 アモルファスシリコン、 302
窒化膜、 303 PSG膜、 304 ポリシリコ
ン、 305 PSG膜、 306 層間絶縁膜。
【手続補正書】
【提出日】平成5年9月29日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 光電変換装置の製造方法及び光電変換
装置
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光電変換装置の製造方法
及び光電変換装置に係り、特に光入射により発生したキ
ャリアを蓄積し、蓄積されたキャリアに基づいて信号を
読み出す光電変換装置の製造方法及び光電変換装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年光電変換装置殊に、固体撮像装置に
関する研究が、半導体技術の進展と共に積極的に行わ
れ、一部では実用化され始めている。
【0003】これらの固体撮像装置は、大きく分けると
CCD型とMOS型の2つに分類される。CCD型撮像
装置は、MOSキャパシタ電極下にポテンシャルの井戸
を形成し、光の入射により発生した電荷をこの井戸に蓄
積し、読出し時には、これらのポテンシャルの井戸を、
電極にかけるパルスにより順次動かして、蓄積された電
荷を出力アンプ部まで転送して読出すという原理を用い
ている。またCCD型撮像装置の中には、受光部はpn
接合ダイオード構造を使い、転送部はCCD構造で行な
うというタイプのものもある。また一方、MOS型撮像
装置は、受光部を構成するpn接合よりなるフォトダイ
オードの夫々に光の入射により発生した電荷を蓄積し、
読出し時には、それぞれのフォトダイオードに接続され
たMOSスイッチングトランジスタを順次オンすること
により蓄積された電荷を出力アンプ部に読出すという原
理を用いている。
【0004】CCD型撮像装置は、比較的簡単な構造を
もち、また、発生し得る雑音からみても、最終段におけ
るフローティング・ディフュージョンよりなる電荷検出
器の容量値だけがランダム雑音に寄与するので、比較的
低雑音の撮像装置であり、低照度撮影が可能である。た
だし、CCD型撮像装置を作るプロセス的制約から、出
力アンプとしてMOS型アンプがオンチップ化されるた
め、シリコンと、SiO2 膜との界面から画像上、目に
つきやすい、1/f雑音が発生する。従って、低雑音と
はいいながら、その性能に限界が存在している。また、
高解像度化を図るためにセル数を増加させて高密度化す
ると、一つのポテンシャル井戸に蓄積できる最大の電荷
量が減少し、ダイナミックレンジがとれなくなるので、
今後、固体撮像装置が高解像度化されていく上で大きな
問題となる。また、CCD型の撮像装置は、ポテンシャ
ルの井戸を順次動かしながら蓄積電荷を転送していくわ
けであるから、セルの一つに欠陥が存在してもそこで電
荷転送がストップしたり、あるいは、極端に悪くなって
しまい、製造歩留りが上がらないという欠点も有してい
る。
【0005】これに対してMOS型撮像装置は、構造的
にはCCD型撮像装置、特にフレーム転送型の装置に比
較して少し複雑ではあるが、蓄積容量を大きくし得る様
に構成でき、ダイナミックレンジを広くとれるという優
位性をもつ。また、たとえセルの1つに欠陥が存在して
も、X−Yアドレス方式のためその欠陥による他のセル
への影響がなく、製造歩留り的には有利である。しかし
ながら、このMOS型撮像装置では、信号読出し時に各
フォトダイオードに配線容量が接続されるため、きわめ
て大きな信号電圧ドロップが発生し、出力電圧が下がっ
てしまうこと、配線容量が大きく、これによるランダム
雑音の発生が大きいこと、また各フォトダイオードおよ
び水平スキャン用のMOSスイッチングトランジスタの
寄生容量のばらつきによる固定パターン雑音の混入等が
あり、CCD型撮像装置に比較して低照度撮影はむずか
しいこと等の欠点を有している。
【0006】また、将来の撮像装置の高解像度化におい
ては各セルのサイズが縮小され、蓄積電荷が減少してい
く。これに対しチップサイズから決まってくる配線容量
は、たとえ線幅を細くしてもあまり下がらない。このた
め、MOS型撮像装置は、ますますS/N的に不利にな
る。
【0007】CCD型およびMOS型撮像装置は、以上
の様な一長一短を有しながらも次第に実用化レベルに近
ずいてきてはいる。しかし、さらに将来必要とされる高
解像度化を進めていくうえで本質的に大きな問題を有し
ているといえる。
【0008】これに対して、固体撮像装置に関し、特開
昭56−150878号公報“半導体撮像装置”、特開
昭56−157073号公報“半導体撮像装置”、特開
昭56−165473号公報“半導体撮像装置”に新し
い方式が提案されている。CCD型、MOS型の撮像装
置が、光入射により発生した電荷を主電極(例えばMO
Sトランジスタのソース)に蓄積するのに対して、ここ
で提案されている方式は、光入射により発生した電荷
を、制御電極(例えばバイポーラ・トランジスタのベー
ス、SIT(静電誘導トランジスタ)あるいはMOSト
ランジスタのゲート)に蓄積し、光により発生した電荷
により、流れる電流をコントロールするという新しい考
え方にもとずくものである。すなわち、CCD型、MO
S型が、蓄積された電荷そのものを外部へ読出してくる
のに対して、ここで提案されている方式は、各セルの増
幅機能により電荷増幅してから蓄積された電荷を読出す
わけであり、また見方を変えるとインピーダンス変換に
より低インピーダンス出力として読出すわけである。従
って、ここで提案されている方式は、高出力、広ダイナ
ミックレンジ、低雑音であり、かつ、光信号により励起
されたキャリア(電荷)は制御電極に蓄積することか
ら、非破壊読出しができる等のいくつかのメリットを有
している。さらに将来の高解像度化に対しても可能性を
有する方式であるといえる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この方
式は、基本的にX−Yアドレス方式であり、上記公報に
記載されている素子構造は、従来のMOS型撮像装置の
各セルにバイポーラトランジスタ、SITトランジスタ
等の増幅素子を複合化したものを基本構成としている。
そのため、比較的複雑な構造をしており、高解像化の可
能性を有しながらも、そのままでは高解像化には限界が
存在する。
【0010】本発明の目的は、各セルに増幅機能を有す
るもきわめて簡単な構造であり、将来の高解像度化にも
十分対処しうる新しい光電変換装置の製造方法及び光電
変換装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】かかる目的は、第一導電
型の半導体からなる制御電極領域と、前記第一導電型と
は異なる第二導電型の半導体からなる第一及び第二の主
電極領域と、を有し、光エネルギーを受けることにより
生成されるキャリアを前記制御電極領域に蓄積可能なト
ランジスタを具備し、蓄積動作、読み出し動作及びリフ
レッシュ動作を行う光電変換装置の製造方法において、
基板を熱処理により、デヌーデットゾーンを有する基板
として、エピタキシャル成長させた後、前記制御電極領
域を形成することを特徴とする光電変換装置の製造方法
により達成される。
【0012】また、第一導電型の半導体からなる制御電
極領域と、前記第一導電型とは異なる第二導電型の半導
体からなる第一及び第二の主電極領域と、を有し、光エ
ネルギーを受けることにより生成されるキャリアを前記
制御電極領域に蓄積可能なトランジスタを具備し、蓄積
動作、読み出し動作及びリフレッシュ動作を行う光電変
換装置において、前記制御電極領域の不純物濃度が光入
射面から内部に向かう方向に減少していることを特徴と
する光電変換装置により達成される。
【0013】
【実施例】以下に本発明の実施例を図面を用いて詳細に
説明する。
【0014】図1〜図3は、本発明の一実施例に係る光
電変換装置を構成する光センサセルの基本構造および動
作を説明する図である。図1は、光センサセルの平面図
を、図2は、図1の平面図のAA′部分の断面図を、
は、それの等価回路をそれぞれ示す。なお、各部位に
おいて図1〜図3に共通するものについては同一の番号
をつけている。
【0015】図1では、整列配置方式の平面図を示した
が、水平方向解像度を高くするために、画素ずらし方式
(補間配置方式)にも配置できることはもちろんのこと
である。
【0016】この光センサセルは、図1,図2に示すご
とく、リン(P),アンチモン(Sb),ヒ素(As)
等の不純物をドープしてn型又はn+ 型とされたシリコ
ン基板1の上に、通常PSG膜等で構成されるパシベー
ション膜2;シリコン酸化膜(SiO2 )より成る絶縁
酸化膜3;となり合う光センサセルとの間を電気的に絶
縁するためのSiO2 あるいはSi34 等よりなる絶
縁膜又はポリシリコン膜等で構成される素子分離領域
4;エピタキシャル技術等で形成される不純物濃度の低
いn- 領域5;その上の例えば不純物拡散技術又はイオ
ン注入技術を用いてボロン(B)等の不純物をドープし
たバイポーラトランジスタのベースとなるp領域6;不
純物拡散技術、イオン注入技術等で形成されるバイポー
ラトランジスタのエミッタとなるn+ 領域7;信号を外
部へ読出すための、例えばアルミニウム(Al),Al
−Si,Al−Cu−Si等の導電材料で形成される配
線8;絶縁膜3を通して、浮遊状態になされたp領域6
にパルスを印加するための電極9;それの配線10;基
板1の裏面にオーミックコンタクトをとるために不純物
拡散技術等で形成された不純物濃度の高いn+ 領域1
1;基板の電位を与える、すなわちバイポーラトランジ
スタのコレクタ電位を与えるためのアルミニウム等の導
電材料で形成される電極12;より構成されている。
【0017】なお、図1の19はn+ 領域7と配線8の
接続をとるためのコンタクト部分である。又配線8およ
び配線10の交互する部分はいわゆる2層配線となって
おり、SiO2 等の絶縁材料で形成される絶縁領域で、
それぞれ互いに絶縁されている。すなわち、金属の2層
配線構造になっている。
【0018】図3の等価回路のコンデンサCox13は
電極9,絶縁膜3,p領域6のMOS構造より構成さ
れ、又バイポーラトランジスタ14はエミッタとしての
+ 領域7、ベースとしてのp領域6、不純物濃度の小
さいn- 領域5、コレクタとしてのn又はn+ 領域1の
各部分より構成されている。これらの図面から明らかな
ように、p領域6は浮遊領域になされている。
【0019】図3の第2の等価回路は、バイポーラトラ
ンジスタ14をベース・エミッタの接合容量Cbe1
5、ベース・エミッタのpn接合ダイオードDbe1
6、ベース・コレクタの接合容量Cbc17、ベース・
コレクタのpn接合ダイオードDbc18を用いて表現
したものである。ここでは、本来等価回路図として、p
n接合ダイオードDbe16及びpn接合ダイオードD
bc18と並列に記されるべき2つの異なる向きの電流
源を示す記号は省略してある。
【0020】以下、光センサセルの基本動作を図1〜図
を用いて説明する。この光センサセルの基本動作は、
光入射による電荷蓄積動作、読出し動作およびリフレッ
シュ動作より構成される。
【0021】まず、電荷蓄積動作について説明する。
荷蓄積動作においては、例えばエミッタは、配線8を通
して接地され、コレクタは配線12を通して正電位にバ
イアスされている。またベースは、あらかじめコンデン
サCox13に、配線10を通して正のパルス電圧を印
加することにより負電位、すなわち、エミッタ7に対し
て逆バイアス状態にされているものとする。このCox
13にパルスを印加してベース6を負電位にバイアスす
る動作については、後にリフレッシュ動作の説明のと
き、くわしく説明する。
【0022】この状態において、図2に示す様に光セン
サセルの表側から光20が入射してくると、半導体内に
おいてエレクトロン・ホール対が発生する。この内、エ
レクトロンは、n領域1が正電位にバイアスされている
のでn領域1側に流れだしていってしまうが、ホールは
p領域6にどんどん蓄積されていく。このホールのp領
域への蓄積によりp領域6の電位は次第に正電位に向か
って変化していく。
【0023】図1,図2でも各センサセルの受光面下面
は、ほとんどp領域で占められており、一部n+ 領域7
となっている。当然のことながら、光により励起される
エレクトロン・ホール対濃度は表面に近い程大きい。こ
のためp領域6中にも多くのエレクトロン・ホール対が
光により励起される。p領域中に光励起されたエレクト
ロンが再結合することなくp領域6からただちに流れ出
て、n領域に吸収されるような構造にしておけば、p領
域6で励起されたホールはそのまま蓄積されて、p領域
6を正電位方向に変化させる。p領域6の不純物濃度が
均一になされている場合には、光で励起されたエレクト
ロンは拡散で、p領域6とn- 領域5とのpn- 接合部
まで流れ、その後はn- 領域に加わっている強い電界に
よるドリフトでnコレクタ領域1に吸収される。もちろ
ん、p領域6内の電子の走行を拡散だけで行ってもよい
わけであるが、表面から内部に行くほどpベースの不純
物濃度が減少するように構成しておけば、この不純物濃
度差により、ベース内に内部から表面に向う電界Ed、 が発生する。ここで、WB はp領域6の光入射側表面か
らの深さ、kはボルツマン定数、Tは絶対温度、qは単
位電荷、NASはpベース領域6の表面不純物濃度、NAi
はp領域6のn- 高抵抗領域5との界面における不純物
濃度である。
【0024】ここで、NAS/NAi>3とすれば、p領域
6内の電子の走行は、拡散よりはドリフトにより行われ
るようになる。すなわち、p領域6内に光により励起さ
れるキャリアを信号として有効に動作させるためには、
p領域6の不純物濃度は光入射側表面から内部に向って
減少しているようになっていることが望ましい。拡散で
p領域6を形成すれば、その不純物濃度は光入射側表面
にくらべ内部に行くほど減少している。
【0025】センサセルの受光面下の一部は、n+ 領域
7により占られている。n+ 領域7の深さは、通常0.
2〜0.3μm程度、あるいはそれ以下に設計されるか
ら、n+ 領域7で吸収される光の量は、もともとあまり
多くはないのでそれ程問題はない。ただ、短波長側の
光、特に青色光に対しては、n+ 領域7の存在は感度低
下の原因になる。n+ 領域7の不純物濃度は通常1×1
20cm-3程度あるいはそれ以上に設計される。こうし
た高濃度に不純物がドープされたn+ 領域7におけるホ
ールの拡散距離は0.15〜0.2μm程度である。し
たがって、n+ 領域7内で光励起されたホールを有効に
p領域6に流し込むには、n+ 領域7も光入射表面から
内部に向って不純物濃度が減少する構造になっているこ
とが望ましい。n+ 領域7の不純物濃度分布が上記の様
になっていれば、光入射側表面から内部に向う強いドリ
フト電界が発生して、n+ 領域7に光励起されたホール
はドリフトによりただちにp領域6に流れ込む。n+
域7、p領域6の不純物濃度がいずれも光入射側表面か
ら内部に向って減少するように構成されていれば、セン
サセルの光入射側表面側に存在するn+ 領域7、p領域
6において光励起されたキャリアはすべて光信号として
有効に働くのである。As又はPを高濃度にドープした
シリコン酸化膜あるいはポリシリコン膜からの不純物拡
散により、このn+ 領域7を形成すると、上記に述べた
ような望ましい不純物傾斜をもつn+ 領域を得ることが
可能である。
【0026】最終的には、ホールの蓄積によりベース電
位はエミッタ電位まで変化し、この場合は接地電位まで
変化して、そこでクリップされることになる。より厳密
に言うと、ベース・エミッタ間が順方向に深くバイアス
されて、ベースに蓄積されたホールがエミッタに流出し
始める電圧でクリップされる。つまり、この場合の光セ
ンサセルの飽和電位は、最初にp領域6を負電位にバイ
アスしたときのバイアス電位と接地電位との電位差で略
々与えられるわけである。n+ 領域7が接地されず、浮
遊状態において光入力によって発生した電荷の蓄積を行
う場合には、p領域6はn領域1と略々同電位まで電荷
を蓄積することができる。
【0027】以上は電荷蓄積動作の定性的な概略説明で
あるが、以下に少し具体的かつ定量的に説明する。この
光センサセルの分光感度分布は次式で与えられる。 但し、λは光の波長〔μm〕、αはシリコン結晶中での
光の減衰係数〔μm-1〕、xは半導体表面における、再
結合損失を起こし感度に寄与しない“deadlaye
r”(不感領域)の厚さ〔μm〕、yはエピタキシャル
層の厚さ〔μm〕、Tは透過率すなわち、入射してくる
光量に対して反射等を考慮して有効に半導体中に入射す
る光量の割合をそれぞれ示している。この光センサセル
の分光感度S(λ)および放射照度Ee(λ)を用いて
光電流Ipは次式で計算される。 但し、放射照度Ee(λ)〔μW・cm-2・nm-1〕は
次式で与えられる。 但しEV はセンサの受光面の照度〔Lux〕、P(λ)
はセンサの受光面に入射している光の分光分布、V
(λ)は人間の目の比視感度である。
【0028】これらの式を用いると、エピタキシャル
の層4μmをもつ光センサセルでは、A光源(2854
°K)で照射され、センサ受光面照度が1〔Lux〕の
とき、約280nA/cm-2の光電流が流れ、入射して
くるフォトンの数あるいは発生するエレクトロン・ホー
ル対の数は1.8×1012ケ/cm2 ・sec程度であ
る。
【0029】又、この時、光により励起されたホールが
ベースに蓄積することにより発生する電位VpはVp=
Q/Cで与えられる。Qは蓄積されるホールの電荷量で
あり、CはCbe15とCbc17を加算した接合容量
である。
【0030】今、n+ 領域7の不純物濃度を1020cm
-3、p領域6の不純物濃度を5×1016cm-3、n-
域5の不純物濃度を1013cm-3、n+ 領域7の面積を
16μm2 、p領域6の面積を64μm2、n- 領域5の
厚さを3μmにしたときの接合容量は、約0.014p
F位になり、一方、p領域6に蓄積されるホールの個数
は、蓄積時間1/60sec、有効受光面積、すなわち
p領域6の面積から電極8および9の面積を引いた面積
を56μm2 程度とすると、1.7×104 ケとなる。
従って光入射により発生する電位Vpは190mV位に
なる。
【0031】ここで注目すべきことは、高解像度化さ
れ、セルサイズが縮小化されていった時に、一つの光セ
ンサセルあたりに入射する光量が減少し、蓄積電荷量Q
が共に減少していくが、セルの縮小化に伴ない接合容量
もセルサイズに比例して減少していくので、光入射によ
り発生する電位Vpはほぼ一定にたもたれるということ
である。これは本発明における光センサセルが図1〜図
に示すごとく、きわめて簡単な構造をしており有効受
光面がきわめて大きくとれる可能性を有しているからで
ある。
【0032】インターラインタイプのCCDの場合と比
較して本発明における光電変換装置が有利な理由の一つ
はここにあり、高解像度化にともない、インターライン
タイプのCCD型撮像装置では、転送する電荷量を確保
しようとすると転送部の面積が相対的に大きくなり、こ
のため有効受光面が減少するので、感度、すなわち光入
射による発生電圧が減少してしまうことになる。また、
インターラインタイプのCCD型撮像装置では、飽和電
圧が転送部の大きさにより制限され、どんどん低下して
いってしまうのに対し、本発明における光センサセルで
は、先にも書いた様に、最初にp領域6を負電位にバイ
アスした時のバイアス電圧により飽和電圧は決まるわけ
であり、大きな飽和電圧を確保することができる。以上
の様にしてp領域6に蓄積された電荷により発生した電
圧を外部へ読出す動作について次に説明する。
【0033】読出し動作状態では、エミッタ、配線8は
浮遊状態に、コレクタは正電位Vccに保持される。
に等価回路を示す。ここでも、本来等価回路として、
pn接合ダイオードDbe16及びpn接合ダイオード
Dbc18と並列に記されるべき2つの異なる向きの電
流源を示す記号は省略してある。
【0034】今、光を照射する前に、ベース6を負電位
にバイアスした時の電位を−VB とし、光照射により発
生した蓄積電圧をVP とすると、ベース電位は、−VB
+VP なる電位になっている。この状態で配線10を通
して電極9に読出し用の正の電圧VR を印加すると、こ
の正の電位VR は酸化膜容量Cox13とベース・エミ
ッタ間接合容量Cbe15、ベース・コレクタ間接合容
量Cbc7により容量分割され、ベースには電圧 が加算される。従ってベース電位は となる。ここで、 となる条件が成立するようにしておくと、ベース電位は
光照射により発生した蓄積電圧VP そのものとなる。こ
のようにしてエミッタ電位に対してベース電位が正方向
にバイアスされると、エレクトロンは、エミッタからベ
ースに注入され、コレクタ電位が正電位になっているの
で、ドリフト電界により加速されて、コレクタに到達す
る。この時に流れる電流は、次式で与えられる。 但しAj はベース・エミッタ間の接合面積、qは単位電
荷量(1.6×10-19 クーロン)、Dn はベース中に
おけるエレクトロンの拡散定数、Pe はpベースのエミ
ッタ端における少数キャリヤとしてのエレクトロン濃
度、WB はベース幅、NAeはベースのエミッタ単におけ
るアクセプタ濃度、NAcはベースのコレクタ端における
アクセプタ濃度、kはボルツマン定数、Tは絶対温度、
e はエミッタ電位である。
【0035】この電流は、エミッタ電位Ve がベース電
位、すなわちここでは光照射により発生した蓄積電圧V
P に等しくなるまで流れることは上式から明らかであ
る。この時エミッタ電位Ve の時間的変化は次式で計算
される。 但し、ここで配線容量Csはエミッタに接続されている
配線8のもつ容量21である。
【0036】図5は、上式を用いて計算したエミッタ電
位の時間変化の一例を示している。図5によればエミッ
タ電位がベース電位に等しくなるためには、約1秒位を
要することになる。これはエミッタ電位Ve がVP に近
くなるとあまり電流が流れなくなることに起因している
わけである。したがって、これを解決する手段は、先に
電極9に正電圧VR を印加するときに、 なる条件を設定したが、この条件の代りに なる条件を入れ、ベース電位をVBiasだけ、余分に順方
向にバイアスしてやる方法が考えられる。この時に流れ
る電流は次式で与えられる。 図6に、VBias=0.6Vとした場合、ある一定時間の
後、電極9に印加していたVR をゼロボルトにもどし、
流れる電流を停止させたときの蓄積電圧VP に対する、
読出し電圧、すなわちエミッタ電位の関係を示す。但
し、図6では、読出し電圧はバイアス電圧成分による読
出し時間に依存する一定の電位が必ず加算されてくるが
そのゲタ分をさし引いた値をプロットしている。電極9
に印加している正電圧VR をゼロボルトにもどした時に
は、印加したときとは逆に なる電圧がベース電位に加算されるので、ベース電位
は、正電圧VR を印加する前の状態、すなわち、−VB
になり、エミッタに対し逆バイアスされるので電流の流
れが停止するわけである。図6によれば100ns程度
以上の読出し時間(すなわちVR を電極9に印加してい
る時間)をとれば、蓄積電圧VP と読出し電圧は4桁程
度の範囲にわたって直線性は確保され、高速の読出しが
可能であることを示している。図6で、45°の線は読
出しに十分の時間をかけた場合の結果であり、上記の計
算例では、配線8の容量Csを4pFとしているが、こ
れはCbe+Cbcの接合容量の0.014pFと比較
して約300倍も大きいにもかかわらず、p領域6に発
生した蓄積電圧VP が何らの減衰も受けず、かつ、バイ
アス電圧の効果により、きわめて高速に読出されている
ことを図6は示している。これは上記構成に係る光セン
サセルのもつ増幅機能、すなわち電荷増幅機能が有効に
働らいているからである。
【0037】これに対して従来のMOS型撮像装置で
は、蓄積電圧VP は、このような読出し過程において配
線容量Csの影響でCj・VP /(Cj+Cs)(但し
CjはMOS型撮像装置の受光部のpn接合容量)とな
り、2桁位読出し電圧値が下がってしまうという欠点を
有していた。このためMOS型撮像装置では、外部へ読
出すためのスイッチングMOSトランジスタの寄生容量
のばらつきによる固定パターン雑音、あるいは配線容量
すなわち出力容量が大きいことにより発生するランダム
雑音が大きく、S/N比がとれないという問題があった
が、図1,図2,図3で示す構成の光センサセルでは、
p領域6に発生した蓄積電圧そのものが外部に読出され
るわけであり、この電圧はかなり大きいため固定パター
ン雑音、出力容量に起因するランダム雑音が相対的に小
さくなり、きわめてS/N比の良い信号を得ることが可
能である。
【0038】先に、バイアス電圧VBiasを0.6Vに設
定したとき、4桁程度の直線性が100nsec程度の
高速読出し時間で得られることを示したが、この直線性
および読出し時間とバイアス電圧VBiasの関係を計算し
た結果をさらにくわしく、図7に示す。
【0039】図7において、横軸はバイアス電圧VBias
であり、また、縦軸は読出し時間をとっている。またパ
ラメータは、蓄積電圧が1mVのときに、読出し電圧が
1mVの80%,90%,95%,98%になるまでの
時間依存性を示している。図6に示される様に、蓄積電
圧1mVにおいて、それぞれ80%,90%,95%,
98%になっている時は、それ以上の蓄積電圧では、さ
らに良い値を示していることは明らかである。
【0040】この図7によれば、バイアス電圧VBias
0.6Vでは、読出し電圧が蓄積電圧の80%になるの
は読出し時間が0.12μs、90%になるのは0.2
7μs、95%になるのは0.54μs、98%になる
のは1.4μsであるのがわかる。また、バイアス電圧
Biasを0.6Vより大きくすれば、さらに高速の読出
しが可能であることを示している。この様に、撮像装置
の全体の設計から読出し時間および必要な直線性が決定
されると、必要とされるバイアス電圧VBias図7のグ
ラフを用いることにより決定することができる。
【0041】上記構成に係る光センサセルのもう一つの
利点は、p領域6に蓄積されたホールはp領域6におけ
るエレクトロンとホールの再結合確率がきわめて小さい
ことから非破壊的に読出し可能なことである。すなわち
読出し時に電極9に印加していた電圧VR をゼロボルト
にもどした時、p領域6の電位は電圧VR を印加する前
の逆バイアス状態になり、光照射により発生した蓄積電
圧VP は、新しく光が照射されない限り、そのまま保存
されるわけである。このことは、上記構成に係る光セン
サセルを光電変換装置として構成したときに、システム
動作上、新しい機能を提供することができることを意味
する。
【0042】このp領域6に蓄積電圧VP を保持できる
時間は、きわめて長く、最大の保持時間は、むしろ、接
合の空乏層中において熱的に発生する暗電流によって制
限を受ける。すなわち、この熱的に発生する暗電流によ
り光センサセルが飽和してしまうからである。しかしな
がら、上記構成に係る光センサセルでは、空乏層の広が
っている領域は、低不純物濃度領域であるn- 領域5で
あり、このn- 領域5は1012cm-3〜1014cm-3
度と、きわめて不純物濃度が低いため、その結晶性が良
好であり、MOS型、CCD型撮像装置に比較して熱的
に発生するエレクトロン・ホール対は少ない。このた
め、暗電流は、他の従来の装置に比較して小さい。すな
わち、上記構成に係る光センサセルは本質的に暗電流雑
音の小さい構造をしているわけである。
【0043】次いでp領域6に蓄積された電荷をリフレ
ッシュする動作について説明する。上記構成に係る光セ
ンサセルでは、すでに述べたごとく、p領域6に蓄積さ
れた電荷は、読出し動作では消滅しない。このため新し
い光情報を入力するためには、前に蓄積されていた電荷
を消滅させるためのリフレッシュ動作が必要である。ま
た同時に、浮遊状態になされているp領域6の電位を所
定の負電圧に帯電させておく必要がある。
【0044】上記構成に係る光センサセルでは、リフレ
ッシュ動作も読出し動作と同様、配線10を通して電極
9に正電圧を印加することにより行う。このとき、配線
8を通してエミッタを接地する。コレクタは、電極12
を通して接地又は正電位にしておく。図8にリフレッシ
ュ動作の等価回路を示す。但しコレクタ側を接地した状
態の例を示している。
【0045】この状態で正電圧VRHなる電圧が電極9に
印加されると、ベース22には、酸化膜容量Cox1
3,ベース・エミッタ間接合容量Cbe15、ベース・
コレクタ間接合容量Cbc17の容量分割により、 なる電圧が、前の読出し動作のときと同様瞬時的にかか
る。この電圧により、ベース・エミッタ間接合ダイオー
ドDbe16およびベース・コレクタ間接合ダイオード
Dbc18は順方向バイアスされて導通状態となり、電
流が流れ始め、ベース電位は次第に低下していく。
【0046】この時、浮遊状態にあるベースの電位Vの
変化は近似的に次式で表わされる。
【0047】 但し、 1 はダイオードDbcを流れる電流、i2 はダイオー
ドDbeを流れる電流である。Ab はベース面積、Ae
はエミッタ面積、DP はコレクタ中におけるホールの拡
散定数、ne はコレクタ中における熱平衡状態のホール
濃度、Lpはコレクタ中におけるホールの平均自由行
程、pe はベース中における熱平衡状態でのエレクトロ
ン濃度である。i2 で、ベース側からエミッタへのホー
ル注入による電流は、エミッタの不純物濃度がベースの
不純物濃度にくらべて充分高いので、無視できる。
【0048】上に示した式は、段階接合近似のものであ
り実際のデバイスでは段階接合からはずれており、又ベ
ースの厚さが薄く、かつ複雑な濃度分布を有しているの
で厳密なものではないが、リフレッシュ動作をかなりの
近似で説明可能である。
【0049】上式中のベース・コレクタ間に流れる電流
1 の内、q・DPne /Lpはホールによる電流、
すなわちベースからホールがコレクタ側へ流れだす成分
を示している。このホールによる電流が流れやすい様に
上記構成に係る光センサセルでは、コレクタの不純物濃
度は、通常のバイポーラトランジスタに比較して少し低
めに設計される。
【0050】この式を用いて計算した、ベース電位の時
間依存性の一例を図9に示す。横軸は、リフレッシュ電
圧VRHが電極9に印加された瞬間からの時間経過すなわ
ちリフレッシュ時間を、縦軸は、ベース電位をそれぞれ
示す。また、ベースの初期電位をパラメータにしてい
る。ベースの初期電位とは、リフレッシュ電圧VRHが加
わった瞬間に、浮遊状態にあるベースが示す電位であ
り、VRH,Cox,Cbe,Cbc及びベースに蓄積さ
れている電荷によってきまる。
【0051】この図9をみれば、ベースの電位は初期電
位によらず、ある時間経過後には必ず、片対数グラフ上
で一つの直線にしたがって下がっていく。
【0052】図10に、リフレッシュ時間に対するベー
ス電位変化の実験値を示す。図9に示した計算例に比較
して、この実験で用いたテストデバイスは、ディメンシ
ョンがかなり大きいため、計算例とはその絶対値は一致
しないが、リフレッシュ時間に対するベース電位変化が
片対数グラフ上で直線的に変化していることが実証され
ている。この実験例ではコレクタおよびエミッタの両者
を接地したときの値を示している。
【0053】今、光照射による蓄積電圧VP の最大値を
0.4〔V〕、リフレッシュ電圧VRHによりベースに印
加される電圧V を0.4〔V〕とすると、図9に示す
ごとく初期ベース電位の最大値は0.8〔V〕となり、
リフレッシュ電圧印加後10 -15 〔sec〕後には直線
にのってベース電位が下がり始め、10-5〔sec〕後
には、光があたらなかった時、すなわち初期ベース電位
が0.4〔V〕のときの電位変化と一致する。
【0054】p領域6が、MOSキャパシタCoxを通
して正電圧をある時間印加し、その正電圧を除去すると
負電位に帯電する仕方には、2通りの仕方がある。一つ
は、p領域6から正電荷を持つホールが、主として接地
状態にあるn領域1に流れ出すことによって、負電荷が
蓄積される動作である。p領域6からホールが、n領域
1に一方的に流れ、n領域1の電子があまりp領域6内
に流れ込まないようにするためには、p領域6の不純物
密度をn領域1の不純物密度より高くしておけばよい。
一方、n+ 領域7やn領域1からの電子が、p領域6に
流れ込み、ホールと再結合することによって、p領域6
に負電荷が蓄積する動作も行える。この場合には、n領
域1の不純物密度はp領域6より高くなされている。p
領域6からホールが流出することによって、負電荷が蓄
積する動作の方が、p領域6ベースに電子が流れ込んで
ホールと再結合することにより負電荷が蓄積する動作よ
りはるかに速い。しかし、これまでの実験によれば、電
子をp領域6に流し込むリフレッシュ動作でも、光電変
換装置の動作に対しては、十分に速い時間応答を示すこ
とが確認されている。上記構成に係る光センサセルをX
Y方向に多数ならべて光電変換装置を構成したとき、画
像により各センサセルで、蓄積電圧VP は、上記の例で
は0〜0.4〔V〕の間でばらついているが、リフレッ
シュ電圧VRH印加後10-5〔sec〕には、全てのセン
サセルのベースには約0.3〔V〕程度の一定電圧は残
るものの、画像による蓄積電圧VP の変化分は全て消え
てしまうことがわかる。すなわち、上記構成に係る光セ
ンサセルによる光電変換装置では、リフレッシュ動作に
より全てのセンサセルのベース電位をゼロボルトまで持
っていく完全リフレッシュモードと(このときは図9
例では10〔sec〕を要する)、ベース電位にはある
一定電圧は残るものの蓄積電圧VP による変動成分が消
えてしまう過渡的リフレッシュモードの二つが存在する
わけである(このときは図9の例では、10〔μse
c〕〜10〔sec〕のリフレッシュパルス)。以上の
例では、リフレッシュ電圧VRHによりベースに印加され
る電圧VA を0.4〔V〕としたが、この電圧VA
0.6〔V〕とすれば、上記、過渡的リフレッシュモー
ドは、図9によれば、1〔nsec〕でおこり、きわめ
て高速にリフレッシュすることができる。完全リフレッ
シュモードで動作させるか、過渡的リフレッシュモード
で動作させるかの選択は光電変換装置の使用目的によっ
て決定される。
【0055】この過渡的リフレッシュモードにおいてベ
ースに残る電圧をVK とすると、リフレッシュ電圧VRH
を印加後、VRHをゼロボルトにもどす瞬間の過渡的状態
において、 なる負電圧がベースに加算されるので、リフレッシュパ
ルスによるリフレッシュ動作後のベース電位は となり、ベースはエミッタに対して逆バイアス状態にな
る。
【0056】先に光により励起されたキャリアを蓄積す
る蓄積動作のとき、蓄積状態ではベースは逆バイアス状
態で行われるという説明をしたが、このリフレッシュ動
作により、リフレッシュおよびベースを逆バイアス状態
に持っていくことの2つの動作が同時に行われるわけで
ある。
【0057】図11にリフレッシュ電圧VRHに対するリ
フレッシュ動作後のベース電位 の変化の実験値を示す。パラメータとしてCoxの値を
5pFから100pFまでとっている。丸印は実験値で
あり、実線は より計算される計算値を示している。このときVK
0.52Vであり、また、Cbc+Cbe=4pFであ
る。但し観測用オシロスコープのプローグ容量13pF
がCbc+Cbeに並列に接続されている。この様に、
計算値と実験値は完全に一致しており、リフレッシュ動
作が実験的にも確認されている。
【0058】以上のリフレッシュ動作においては、図8
に示す様に、コレクタを接地したときの例について説明
したが、コレクタを正電位にした状態で行うことも可能
である。このときは、ベース・コレクタ間接合ダイオー
ドDbc18が、リフレッシュパルスが印加されても、
このリフレッシュパルスによりベースに印加される電位
よりも、コレクタに印加されている正電位の方が大きい
と非導通状態のままなので、電流はベース・エミッタ間
接合ダイオードDbe16だけを通して流れる。このた
め、ベース電位の低下は、よりゆっくりしたものになる
が、基本的には、前に説明したのと、まったく同様な動
作が行われるわけである。
【0059】すなわち図9のリフレッシュ時間に対する
ベース電位の関係は、図9のベース電位が低下する時の
斜めの直線が右側の方、つまり、より時間の要する方向
へシフトすることになる。したがって、コレクタを接地
した時と同じリフレッシュ電圧VRHを用いると、リフレ
ッシュに時間を要することになるが、リフレッシュ電圧
RHをわずか高めてやればコレクタを接地した時と同
様、高速のリフレッシュ動作が可能である。
【0060】以上が光入射による電荷蓄積動作、読出し
動作、リフレッシュ動作よりなる上記構成に係る光セン
サセルの基本動作の説明である。
【0061】以上説明したごとく、上記構成に係る光セ
ンサセルの基本構造は、すでにあげた特開昭56−15
0878号公報、特開昭56−157073号公報、特
開昭56−165473号公報と比較してきわめて簡単
な構造であり、将来の高解像度化に十分対応できるとと
もに、それらのもつ優れた特徴である増幅機能からくる
低雑音、高出力、広ダイナミックレンジ、非破壊読出し
等のメリットをそのまま保存している。
【0062】次に、以上説明した構成に係る光センサセ
ルを二次元に配列して構成した本発明の光電変換装置の
一実施例について図面を用いて説明する。
【0063】基本光センサセル構造を二次元的に3×3
に配列した光電変換装置の回路構成図を図12に示す。
【0064】すでに説明した点線で囲まれた基本光セン
サセル30(この時バイポーラトランジスタのコレクタ
は基板及び基板電極に接続されることを示してい
る。)、読出しパルスおよびリフレッシュパルスを印加
するための水平ライン31,31′,31″、読出しパ
ルスを発生させるための垂直シフトレジスタ32、垂直
シフトレジスタ32と水平ライン31,31′,31″
の間のバッファMOSトランジスタ33,33′,3
3″のゲートにパルスを印加するための端子34、リフ
レッシュパルスを印加するためのバッファMOSトラン
ジスタ35,35′,35″、それのゲートにパルスを
印加するための端子36、リフレッシュパルスを印加す
るための端子37、基本光センサセル30から蓄積電圧
を読出すための垂直ライン38,38′,38″、各垂
直ラインを選択するためのパルスを発生する水平シフト
レジスタ39、各垂直ラインを開閉するためのゲート用
MOSトランジスタ40,40′,40″、蓄積電圧を
アンプ部に読出すための出力ライン41、読出し後に、
出力ラインに蓄積した電荷をリフレッシュするためのM
OSトランジスタ42、MOSトランジスタ42へリフ
レッシュパルスを印加するための端子43、出力信号を
増幅するためのバイポーラ、MOS,FET、J−FE
T等のトランジスタ44、負荷抵抗45、トランジスタ
と電源を接続するための端子46、トランジスタの出力
端子47、読出し動作において垂直ライン40,4
0′,40″に蓄積された電荷をリフレッシュするため
のMOSトランジスタ48,48′,48″、およびM
OSトランジスタ48,48′,48″のゲートにパル
スを印加するための端子49によりこの光電変換装置は
構成されている。
【0065】この光電変換装置の動作について図12
よび図13に示すパルスタイミング図を用いて説明す
る。図13において、区間61はリフレッシュ動作、区
間62は蓄積動作、区間63は読出し動作にそれぞれ対
応している。
【0066】時刻t1 において、基板電位、すなわち光
センサセル部のコレクタ電位64は、接地電位または正
電位に保たれるが、図13では接地電位に保たれている
ものを示している。接地電位または正電位のいずれにし
ても、すでに説明した様に、リフレッシュに要する時間
が異なってくるだけであり、基本動作に変化はない。端
子49の電位65はhigh状態であり、MOSトラン
ジスタ48,48′,48″は導通状態に保たれ、各光
センサセルは、垂直ライン38,38′,38″を通し
て接地されている。また端子36には、波形66のごと
くバッファMOSトランジスタが導通する電圧が印加さ
れており、全画面一括リフレッシュ用バッファMOSト
ランジスタ35,35′,35″は導通状態となってい
る。この状態で端子37に波形67のごとくパルスが印
加されると、水平ライン31,31′,31″を通して
各光センサセルのベースに電圧がかかり、すでに説明し
た様に、リフレッシュ動作に入り、それ以前に蓄積され
ていた電荷が、完全リフレッシュモード又は過渡的リフ
レッシュモードにしたがってリフレッシュされる。完全
リフレッシュモードになるか又は過渡的リフレッシュモ
ードになるかは波形67のパルス幅により決定されるわ
けである。
【0067】t2 時刻において、すでに説明したごと
く、各光センサセルのトランジスタのベースはエミッタ
に対して逆バイアス状態となり、次の蓄積区間62へ移
る。このリフレッシュ区間61においては、図に示すよ
うに、他の印加パルスは全てlow状態に保たれてい
る。
【0068】蓄積動作区間62においては、基板電圧、
すなわちトランジスタのコレクタ電位波形64は正電位
にする。これにより光照射により発生したエレクトロン
・ホール対のうちのエレクトロンを、コレクタ側へ早く
流してしまうことができる。しかし、このコレクタ電位
を正電位に保つことは、ベースをエミッタに対して逆方
向バイアス状態、すなわち負電位にして撮像しているの
で必須条件ではなく、接地電位あるいは若干負電位状態
にしても基本的な蓄積動作に変化はない。
【0069】蓄積動作状態においては、MOSトランジ
スタ48,48′,48″のゲート端子49の電位65
は、リフレッシュ区間と同様、highに保たれ、各M
OSトランジスタは導通状態に保たれる。このため、各
光センサセルのエミッタは垂直ライン38,38′,3
8″を通して接地されている。強い光の照射により、ベ
ースにホールが蓄積され、飽和してくると、すなわちベ
ース電位がエミッタ電位(接地電位)に対して順方向バ
イアス状態になってくると、ホールは垂直ライン38,
38′,38″を通して流れ、そこでベース電位変化は
停止し、クリップされることになる。したがって、垂直
方向にとなり合う光センサセルのエミッタが垂直ライン
38,38′,38″により共通に接続されていても、
この様に垂直ライン38,38′,38″を接地してお
くと、ブルーミング現象を生ずることはない。
【0070】このブルーミング現象をさける方法は、M
OSトランジスタ48,48′,48″を非導通状態に
して、垂直ライン38,38′,38″を浮遊状態にし
ていても、基板電位、すなわちコレクタ電位64を若干
負電位にしておき、ホールの蓄積によりベース電位が正
電位方向に変化してきたとき、エミッタより先にコレク
タ側の方へ流れ出す様にすることにより達成することも
可能である。
【0071】蓄積区間62に次いで、時刻t3 より読出
し区間63になる。この時刻t3 において、MOSトラ
ンジスタ48,48′,48″のゲート端子49の電位
65をlowにし、かつ水平ライン31,31′,3
1″のバッファMOSトランジスタ33,33′,3
3″のゲート端子の電位68をhighにし、それぞれ
のMOSトランジスタを導通状態とする。但し、このゲ
ート端子34の電位68をhighにするタイミング
は、時刻t3 であることは必須条件ではなく、それより
早い時刻であれば良い。
【0072】時刻t4 では、垂直シフトレジスタ32の
出力のうち、水平ライン31に接続されたものが波形6
9のごとくhighとなり、このとき、MOSトランジ
スタ33が導通状態であるから、この水平ライン31に
接続された3つの各光センサセルの読出しが行なわれ
る。この読出し動作はすでに前に説明した通りであり、
各光センサセルのベース領域に蓄積された信号電荷によ
り発生した信号電圧は、そのまま、垂直ライン38,3
8′,38″に現われる。このときの垂直シフトレジス
タ32からのパルス電圧のパルス幅は、図6に示した様
に、蓄積電圧に対する読出し電圧が、十分直線性を保つ
関係になるパルス幅に設定される。またパルス電圧は先
に説明した様に、VBias分だけエミッタに対して順方向
バイアスがかかる様調整される。
【0073】次いで、時刻t5 において、水平シフトレ
ジスタ39の出力のうち、垂直ライン38に接続された
MOSトランジスタ40のゲートへの出力だけが波形7
0のごとくhighとなり、MOSトランジスタ40が
導通状態となり、出力信号は出力ライン41を通して、
出力トランジスタ44に入り、電流増幅されて出力端子
47から出力される。この様に信号が読出された後、出
力ライン41には配線容量に起因する信号電荷が残って
いるので、時刻t6 において、MOSトランジスタ42
のゲート端子43にパルス波形71のごとくパルスを印
加し、MOSトランジスタ42を導通状態にして出力ラ
イン41を接地して、この残留した信号電荷をリフレッ
シュしてやるわけである。以下同様にして、スイッチン
グMOSトランジスタ40′,40″を順次導通させて
垂直ライン38′,38″の信号出力を読出す。この様
にして水平に並んだ一ライン分の各光センサセルからの
信号を読出した後、垂直ライン38,38′,38″に
は、出力ライン41と同様、それの配線容量に起因する
信号電荷が残留しているので、各垂直ライン38,3
8′,38″に接続されたMOSトランジスタ48,4
8′,48″を、それのゲート端子49に波形65で示
される様にhighにして導通させ、この残留信号電荷
をリフレッシュする。
【0074】次いで、時刻t8 において、垂直シフトレ
ジスタ32の出力のうち、水平ライン31′に接続され
た出力が波形69′のごとくhighとなり、水平ライ
ン31′に接続された各光センサセルの蓄積電圧が、各
垂直ライン38,38′,38″に読出されるわけであ
る。以下、順次前と同様の動作により、出力端子47か
ら信号が読出される。
【0075】以上の説明においては、蓄積区間62と読
出し区間63が明確に区分される様な応用分野、例えば
最近研究開発が積極的に行なわれているスチルビデオに
適用される動作状態について説明したが、テレビカメラ
の様に蓄積区間62における動作と読出し区間63にお
ける動作が同時に行なわれている様な応用分野に関して
も、図13のパルスタイミングを変更することにより適
用可能である。但し、この時のリフレッシュは全画面一
括リフレッシュではなく、一ライン毎のリフレッシュ機
能が必要である。例えば、水平ライン31に接続された
各光センサセルの信号が読出された後、時刻t7 におい
て各垂直ラインに残留した電荷を消去するためMOSト
ランジスタ48,48′,48″を導通にするが、この
とき水平ライン31にリフレッシュパルスを印加する。
すなわち、波形69において時刻t7 においても時刻t
4 と同様、パルス電圧、パルス幅、の異なるパルスを発
生する様な構成の垂直シフトレジスタを使用することに
より達成することができる。この様にダブルパルス的動
作以外には、図12の右側に設置した一括リフレッシュ
パルスを印加する機器の代わりに、左側と同様の第2の
垂直シフトレジスタを右側にも設け、タイミングを左側
に設けられた垂直レジスタとずらせながら動作させるこ
とにより達成させることも可能である。このときは、す
でに説明したような蓄積状態において、各光センサセル
のエミッタおよびコレクタの各電位を操作してブルーミ
ングを押えるという動作の自由度が少なくなる。しか
し、基本動作の所で説明した様に、読出し状態では、ベ
ースにVBiasなるバイアス電圧を印加したときに始めて
高速読出しができる様な構成としているので、図5のグ
ラフからわかる様に、VBiasを印加しない時に、各光セ
ンサセルの飽和により、垂直ライン28,28′,2
8″に流れ出す信号電荷分はきわめてわずかであり、ブ
ルーミング現象は、まったく問題にはならない。
【0076】また、スミア現象に対しても、本実施例に
係る光電変換装置は、きわめて優れた特性を得ることが
できる。スミア現象は、CCD型撮像装置、特にフレー
ム転送型においては、光の照射されている所を電荷転送
されるという、動作および構造上発生する問題であり、
インタライン型においては、特に長波長の光により半導
体の深部で発生したキャリアが電荷転送部に蓄積される
ために発生する問題である。
【0077】また、MOS型撮像装置においては、各光
センサセルに接地されたスイッチングMOSトランジス
タのドレイン側に、やはり長波長の光により半導体深部
で発生したキャリアが蓄積されるために生じる問題であ
る。
【0078】これに対して本実施例に係る光電変換装置
では、動作および構造上発生するスミア現象はまったく
なく、また長波長の光により半導体深部で発生したキャ
リアが蓄積されるという現象もまったく生じない。但
し、光センサセルのエミッタにおいて比較的表面近傍で
発生したエレクトロンとホールのうち、エレクトロンが
蓄積されるという現像が心配されるが、これは、一括リ
フレッシュ動作のときは蓄積動作状態において、エミッ
タが接地されているため、エレクトロンは蓄積されず、
スミア現象が生じない。また通常のテレビカメラのとき
応用されるラインリフレッシュ動作のときは、水平ブラ
ンキングの期間において、垂直ラインに蓄積電圧を読出
す前に、垂直ラインを接地してリフレッシュするので、
この時同時にエミッタに一水平走査期間に蓄積されたエ
レクトロンは流れ出してしまい、このため、スミア現象
はほとんど発生しない。この様に、本実施例に係る光電
変換装置では、その構造上および動作上、スミア現像は
ほとんど本質的に無視し得る程度しか発生せず、本実施
例に係る光電変換装置の大きな利点の一つである。
【0079】また、蓄積動作状態において、エミッタお
よびコレクタの各電位を操作して、ブルーミング現象を
押えるという動作について前に記述したが、これを利用
してγ特性を制御することも可能である。
【0080】すなわち、蓄積動作の途中において、一時
的にエミッタまたはコレクタの電位をある一定の負電位
にし、ベースに蓄積されたキャリアのうち、この負電位
を与えるキャリア数より多く蓄積されているホールをエ
ミッタまたはコレクタ側へ流してしまうという動作をさ
せる。これにより、蓄積電圧と入射光量に対する関係
は、入射光量の小さいときはシリコン結晶のもつγ=1
の特性を示し、入射光量の大きい所では、γが1より小
さくなる様な特性を示す。つまり、折線近似的に通常テ
レビカメラで要求されるγ=0.45の特性をもたせる
ことが可能である。蓄積動作の途中において上記動作を
一度やれば一折線近似となり、エミッタ又はコレクタに
印加する負電位を二度適宜変更して行なえば、二折線タ
イプのγ特性を持たせることも可能である。
【0081】また、以上の実施例においては、シリコン
基板を共通コレクタとしているが通常バイポーラトラン
ジスタのごとく埋込n+ 領域を設け、各ライン毎にコレ
クタを分割させる様な構造としてもよい。
【0082】なお、実際の動作には図13に示したパル
スタイミング以外に、垂直シフトレジスタ32、水平シ
フトレジスタ39を駆動するためのクロックパルスが必
要である。
【0083】図15に出力信号に関係する等価回路を示
す。容量CV 80は垂直ライン38,38′,38″の
配線容量であり、容量CH 81は出力ライン41の配線
容量をそれぞれ示している。また図15右側の等価回路
は、読出し状態におけるものであり、スイッチング用M
OSトランジスタ40,40′,40″は導通状態であ
り、それの導通状態における抵抗値を抵抗RM 82で示
している。また増幅用トランジスタ44を抵抗re 83
および電流源84を用いた等価回路で示している。出力
ライン41の配線容量に起因する電荷蓄積をリフレッシ
ュするためのMOSトランジスタ42は、読出し状態で
は非導通状態であり、インピーダンスが高いので、右側
の等価回路では省略している。
【0084】等価回路の各パラメータは、実際に構成す
る光電変換装置の大きさにより決定されるわけである
が、例えば、容量CV 80は約4pF位、容量CH 81
は約4pF位、MOSトランジスタの導通状態の抵抗R
M 82は3KΩ程度、バイポーラトランジスタ44の電
流増幅率βは約100程度として、出力端子47におい
て観測される出力信号波形を計算した例を図16に示
す。
【0085】図16において横軸はスイッチングMOS
トランジスタ40,40′,40″が導通した瞬間から
の時間[μs]を、縦軸は垂直ライン38,38′,3
8″の配線容量CV 80に、各光センサセルから信号電
荷が読出されて1ボルトの電圧がかかっているときの出
力端子47に現われる出力電圧[V]をそれぞれ示して
いる。
【0086】出力信号波形85は負荷抵抗RE 45が1
0KΩ、86は負荷抵抗RE 45が5KΩ、87は負荷
抵抗RE 45が2KΩのときのものであり、いずれにお
いてもピーク値は、CV 80とCH 81の容量分割によ
り0.5V程度になっている。当然のことながら、負荷
抵抗RE 45が大きい方が減衰量は小さく、望ましい出
力波形になっている。立ち上がり時間は、上記のパラメ
ータ値のとき、約20nsecと高速である。スイッチ
ングMOSトランジスタ40,40′,40″の導通状
態における抵抗RM を小さくすることにより、および、
配線容量CV ,CH を小さくすることにより、さらに高
速の読出しも可能である。
【0087】上記構成に係る光センサセルを利用した光
電変換装置では、各光センサセルのもつ増幅機能によ
り、出力に現われる電圧が大きいため、最終段の増幅ア
ンプも、MOS型撮像装置に比較してかなり簡単なもの
でよい。上記例ではバイポーラトランジスタ1段のタイ
プのものを使用した例について説明したが、2段構成の
もの等、他の方式を使うことも当然のことながら可能で
ある。この例の様にバイポーラトランジスタを用いる
と、CCD撮像装置における最終段のアンプのMOSト
ランジスタから発生する画像上目につきやすい1/f雑
音の問題が、本実施例の光電変換装置では発生せず、き
わめてS/N比の良い画質を得ることが可能である。
【0088】上に述べた様に、上記構成に係る光センサ
セルを利用した光電変換装置では、最終段の増幅アンプ
がきわめて簡単なもので良いことから、最終段の増幅ア
ンプを一つだけ設ける図12に示した実施例のごときタ
イプではなく、増幅アンプを複数個設置して、一つの画
面を複数に分割して読出す様な構成とすることも可能で
ある。
【0089】図17に、分割読出し方式の一例を示す。
図17に示す実施例は、水平方向を3分割とし最終段ア
ンプを3つ設置した例である。基本的な動作は図12
実施例および図13のタイミング図を用いて説明したも
のとほとんど同じであるが、この図17の実施例では、
3つの等価な水平シフトレジスタ100、101、10
2を設け、これらの始動パルスを印加するための端子1
03に始動パルスが入ると、1列目、(n+1)列目、
(2n+1)列目(nは整数であり、この実施例では水
平方向絵素数は3n個である。)に接続された各センサ
セルの出力が同時に読出されることになる。次の時点で
は、2列目、(n+2)列目、(2n+2)列目が読出
されることになる。
【0090】この実施例によれば、一本の水平ライン分
を読出す時間が固定されている時は、水平方向のスキャ
ニング周波数は、一つの最終段アンプをつけた方式に比
較して1/3の周波数で良く、水平シフトレジスタが簡
単になり、かつ光電変換装置からの出力信号をアナログ
デイジタル変換して、信号処理する様な用途には、高速
のアナログ・ディジタル変換器は不必要であり、分割読
出し方式の大きな利点である。
【0091】図17に示した実施例では、等価な水平シ
フトレジスタを3つ設けた方式であったが、同様な機能
は、水平レジスタ1つだけでももたせることが可能であ
る。この場合の実施例を図18に示す。
【0092】図18の実施例は、図17に示した実施例
のうちの水平スイッチングMOSトランジスタと、最終
段アンプの中間の部分だけを書いたものであり、他の部
分は、図17の実施例と同じであるから省略している。
【0093】この実施例では、1つの水平シフトレジス
タ104からの出力を1列目、(n+1)列目、(2n
+1)列目のスイッチングMOSトランジスタのゲート
に接続し、それらのラインを同時に読出すようにしてい
る。次の時点では、2列目、(n+2)列目、(2n+
2)列目が読出されるわけである。
【0094】この実施例によれば、各スイッチングMO
Sトランジスタのゲートへの配線は増加するものの、水
平シフトレジスタとしては1つだけで動作が可能であ
る。
【0095】図17図18の例では出力アンプを3個
設けた例を示したが、この数はその目的に応じてさらに
多くしてもよいことはもちろんである。
【0096】図17図18の実施例ではいずれも、水
平シフトレジスタ、垂直シフトレジスタの始動パルスお
よびクロックパルスは省略しているが、これらは、他の
リフレッシュパルスと同様、同一チップ内に設けたクロ
ックパルス発生器あるいは、他のチップ上に設けられた
クロックパルス発生器から供給される。
【0097】この分割読出し方式では、水平ライン一括
又は全画面一括リフレッシュを行なうと、n列目と(n
+1)列目の光センサセル間では、わずか蓄積時間が異
なり、これにより、暗電流成分および信号成分に、わず
かの不連続性が生じ、画像上目についてくる可能性も考
えられるが、これの量はわずかであり、実用上問題はな
い。また、これが、許容限度以上になってきた場合で
も、外部回路を用いて、それを補正することは、キョシ
状波を発生させ、これと暗電流成分との減算およびこれ
と信号成分の乗除算により行なう従来の補正技術を使用
することにより容易に可能である。
【0098】この様な光電変換装置を用いて、カラー画
像を撮像する時は、光電変換装置の上に、ストライプフ
ィルターあるいは、モザイクフィルター等をオンチップ
化したり、又は、別に作ったカラーフィルターを貼合わ
せることによりカラー信号を得ることが可能である。
【0099】一例として、R,G,Bのストライプ・フ
ィルターを使用した時は、上記構成に係る光センサセル
を利用した光電変換装置ではそれぞれ別々の最終段アン
プよりR信号、G信号、B信号を得ることが可能であ
る。これの一実施例を図19に示す。この図19図1
と同様、水平レジスターのまわりだけを示している。
他は図12および図17と同じであり、ただ1列目はR
のカラーフィルター、2列目はGのカラーフィルター、
3列目はBのカラーフィルター、4列目はRのカラーフ
ィルターという様にカラーフィルターがついているもの
とする。図19に示すごとく、1列目、4列目、7列目
…の各垂直ラインは出力ライン110に接続され、これ
はR信号をとりだす。又2列目、5列目、8列目…の各
垂直ラインは出力ライン111に接続され、これはG信
号をとりだす。又同様にして、3列目、6列目、9列目
…の各垂直ラインは出力ライン112に接続され、B信
号をとりだす。出力ライン110,111,112はそ
れぞれオンチップ化されたリフレッシュ様MOSトラン
ジスタおよび最終段アンプ、例えばエミッタフォロアタ
イプのバイポーラトランジスタに接続され、各カラー信
号が別々に出力されるわけである。
【0100】本発明の他の実施例に係る光電変換装置を
構成する光センサセルの他の例の基本構造および動作を
説明するための図を図20に示す。またそれの等価回路
および全体の回路構成図を図21に示す。
【0101】図20に示す光センサセルは、同一の水平
スキャンパルスにより読出し動作、およびラインリフレ
ッシュを同時に行なうことを可能とした光センサセルで
ある。図20において、すでに図1〜図3で示した構成
と異なる点は、図1〜図3の場合水平ライン配線10に
接続されるMOSキャパシタ電極9が一つだけであった
ものが上下に隣接する光センサセルの側にもMOSキャ
パシタ電極120が接続され、1つの光センサセルから
みた時に、ダブルコンデンサータイプとなっているこ
と、および図において上下に隣接する光センサセルのエ
ミッタ7,7′は2層配線にされた配線8,および配
線121、(図20では、垂直ラインが1本に見える
が、絶縁層を介して2本のラインが配置されている)に
交互に接続、すなわちエミッタ7はコンタクトホール1
9を通して配線8に、エミッタ7′はコンタクトホー
ル19′を通して配線121にそれぞれ接続されてい
ることが異なっている。
【0102】これは図21の等価回路をみるとより明ら
かとなる。すなわち、光センサセル152のベースに接
続されたMOSキャパシタ150は水平ライン31に接
続され、MOSキャパシタ151は水平ライン31′に
接続されている。また光センサセル152の図において
下に隣接する光センサセル152′のMOSキャパシタ
150′は共通する水平ライン31′に接続されてい
る。
【0103】光センサセル152のエミッタは垂直ライ
ン38に、光センサセル152′のエミッタは垂直ライ
ン138に、光センサセル152″のエミッタは垂直ラ
イン38という様にそれぞれ交互に接続されている。
【0104】図21の等価回路では、以上述べた基本の
光センサセル部以外で、図12の撮像装置と異なるの
は、垂直ライン38をリフレッシュするためのスイッチ
ングMOSトランジスタ48のほかに垂直ライン138
をリフレッシュするためのスイッチングMOSトランジ
スタ148、および垂直ライン38を選択するスイッチ
ングMOSトランジスタ40のほか垂直ライン138を
選択するためのスイッチングMOSトランジスタ140
が追加され、また出力アンプ系が一つ増設されている。
この出力系の構成は、各ラインをリフレッシュするため
のスイッチングMOSトランジスタ48、および148
が接続されている様な構成とし、さらに水平スキャン用
のスイッチングMOSトランジスタを用いる図22に示
す様にして出力アンプを一つだけにする構成もまた可能
である。図22では図21の垂直ライン選択および出力
アンプ系の部分だけを示している。この図20の光セン
サセルおよび図21に示す実施例によれば、次の様な動
作が可能である。すなわち、今水平ライン31に接続さ
れた各光センサセルの読出し動作が終了し、テレビ動作
における水平ブランキング期間にある時、垂直シフトレ
ジスタ32からの出力パルスが水平ライン31′に出力
されるとMOSキャパシタ151を通して、読出しの終
了した光センサセル152をリフレッシュする。このと
き、スイッチングMOSトランジスタ48は導通状態に
され、垂直ライン38は接地されている。
【0105】また水平ライン31′に接続されたMOS
キャパシタ150′を通して光センサセル152′の出
力が垂直ライン138に読出される。このとき当然のこ
とながらスイッチングMOSトランジスタ148は非導
通状態になされ、垂直ライン138は浮遊状態となって
いるわけである。この様に一つの垂直スキャンパルスに
より、すでに読出しを終了した光センサセルのリフレッ
シュと、次のラインの光センサセルの読出しが同一のパ
ルスで同時的に行なうことが可能である。このときすで
に説明した様にリフレッシュする時の電圧と読出しの時
の電圧は、読出し時には、高速読出しの必要性からバイ
アス電圧をかけるので異なってくるが、これは図20
示すごとく、MOSキャパシタ電極9およびMOSキャ
パシタ電極120の面積を変えることにより各電極に同
一の電圧が印加されても各光センサセルのベースには異
なる電圧がかかる様な構成をとることにより達成されて
いる。
【0106】すなわち、リフレッシュ用MOSキャパシ
タの面積は、読出し用MOSキャパシタの面積にくらべ
て小さくなっている。この例のように、センサセル全部
を一括リフレッシュするのではなく、一ラインずつリフ
レッシュしていく場合には、図2に示される様にコレク
タをn型あるいはn基板で構成しておいてもよいが、水
平ラインごとにコレクタを分離して設けたほうが望まし
いことがある。コレクタが基板になっている場合には、
全光センサセルのコレクタが共通領域となっているた
め、蓄積および受光読出し状態ではコレクタに一定のバ
イアス電圧が加わった状態になっている。もちろん、す
でに説明したようにコレクタにバイアス電圧が加わった
状態でも浮遊ベースのリフレッシュは、エミッタの間で
行なえる。ただし、この場合には、ベース領域のリフレ
ッシュが行なわれると同時に、リフレッシュパルスが印
加されたセルのエミッタコレクタ間に無駄な電流が流
れ、消費電力を大きくするという欠点が伴う。こうした
欠点を克服するためには、全センサセルのコレクタを共
通領域とせずに、各水平ラインに並ぶセンサセルのコレ
クタは共通になるが、各水平ラインごとのコレクタは互
いに分離された構造にする。すなわち、図1〜図3の構
造に関連させて説明すれば、基板はp型にして、p型基
板中にコレクタ各水平ラインごとに互いに分離されたn
+ 埋込領域を設けた構造にする。隣り合う水平ラインn
+ 埋込領域の分離は、p領域を間に介在させる構造でも
よい。水平ラインに沿って埋込まれるコレクタのキャパ
シタを減少させるには、絶縁物分離の方が優れている。
図1〜図3では、コレクタが基板で構成されているか
ら、センサセルを囲む分離領域はすべてほとんど同じ深
さまで設けられている。一方、各水平ラインごとのコレ
クタを互いに分離するには、水平ライン方向の分離領域
を垂直ライン方向の分離領域より必要な値だけ深くして
おくことになる。
【0107】各水平ラインごとにコレクタが分離されて
いれば、読出しが終って、リフレッシュ動作が始まる時
に、その水平ラインのコレクタの電圧を接地すれば、前
述したようなエミッタコレクタ間電流は流れず、消費電
力の増加をもたらさない。リフレッシュが終って光信号
による電荷蓄積動作に入る時に、ふたたびコレクタ領域
には所定のバイアス電圧を印加する。
【0108】また図21の等価回路によれば、各水平ラ
インごとに出力は出力端子47および147に交互に出
力されることになる。これは、すでに説明したごとく、
図22の様な構成にすることにより一つのアンプから出
力をとりだすことも可能である。
【0109】以上説明した様に本実施例によれば、比較
的簡単な構成で、ラインリフレッシュが可能となり、通
常のテレビカメラ等の応用分野にも適用することができ
る。
【0110】本発明の他の実施例としては、光センサセ
ルに複数のエミッタを設けた構成あるいは、一つのエミ
ッタに複数のコンタクトを設けた構成により、一つの光
センサセルから複数の出力をとりだすタイプが考えられ
る。
【0111】これは本発明による光電変換装置の各光セ
ンサセルが増幅機能をもつことから、一つの光センサセ
ルから複数の出力をとりだすために、各光センサセルに
複数の配線容量が接続されても、光センサセルの内部で
発生した蓄積電圧Vpが、まったく減衰することなしに
各出力に読出すことが可能であることに起因している。
【0112】この様に、各光センサセルから複数の出力
をとりだすことができる構成により、各光センサセルを
多数配列してなる光電変換装置に対して信号処理あるい
は雑音対策等に対して多くの利点を付加することが可能
である。
【0113】次に本発明に係る光電変換装置の一製法例
について説明する。図23〜図29に、選択エピタキシ
ャル成長(R.Endo et al,“Novel
device isolation technolo
gy with selected epitaxia
l growth”Tech.Dig.of 1982
IEDM,pp.241−244 参照)を用いたそ
の製法の一例を示す。
【0114】1〜10×1016cm-3程度の不純物濃度
のn形Si基板1の裏面側に、コンタクト用のn+ 領域
11を、AsあるいはPの拡散で設ける。n+ 領域から
のオートドーピングを防ぐために、図には示さないが酸
化膜及び窒化膜を裏面に通常は設けておく。
【0115】基板1は、不純物濃度及び酸素濃度が均一
に制御されたものを用いる。すなわち、キャリアライン
タイムがウエハで十分に長くかつ均一な結晶ウエハを用
いる。その様なものとしては例えばMCZ法による結晶
が適している。基板1の表面に略々1μm程度の酸化膜
をウエット酸化により形成する。すなわち、H2 O雰囲
気かあるいは(H2 +O2 )雰囲気で酸化する。積層欠
陥等を生じさせずに良好な酸化膜を得るには、900℃
程度の温度での高圧酸化が適している。
【0116】その上に、たとえば2〜4μm程度の厚さ
のSiO2 膜をCVDで堆積する。 (N2 +SiH4 +O2 )ガス系で300〜500℃程
度の温度で所望の厚さのSiO2 膜を堆積する。O2
SiH4 のモル比は温度にもよるが4〜40程度に設定
する。フォトリソグラフィ工程により、セル間の分離領
域となる部分の酸化膜を残して他の領域の酸化膜は、
(CF4 +H2 ),C26 ,CH22 等のガスを用
いたリアクティブイオンエッチングで除去する(図23
の工程)、 例えば、10×10μm2 に1画素を設ける
場合には、10μmピッチのメッシュ状にSiO2 膜を
残す。SiO2 膜の幅はたとえば2μm程度に選ばれ
る。リアクティブイオンエッチングによる表面のダメー
ジ層及び汚染層を、Ar/Cl2ガス系プラズマエッチ
ングかウエットエッチングによって除去した後、超高真
空中における蒸着かもしくは、ロードロック形式で十分
に雰囲気が清浄になされたスパッタ、あるいは、SiH
4 ガスにCO2 レーザ構成を照射する減圧光CVDで、
アモルファスシリコン301を堆積する(図24の工
)、CBrF3 、CCl22 、Cl2 等のガスを用
いたリアクティブイオンエッチングによる異方性エッチ
ングにより、SiO2 層側面に堆積している以外のアモ
ルファスシリコンを除去する(図25の工程)、前と同
様に、ダメージと汚染層を十分除去した後、シリコン基
板表面を十分清浄に洗浄し、(H2 +SiH2 ,Cl2
+HCl)ガス系によりシリコン層の選択成長を行な
う。数10Torrの減圧状態で成長は行ない、基板温
度は900〜1000℃、HClのモル比をある程度以
上高い値に設定する。HClの量が少なすぎると選択成
長は起こらない。シリコン基板上にはシリコン結晶層が
成長するが、SiO2 層上のシリコンはHClによって
エッチングされてしまうため、SiO2 層上にはシリコ
ンは堆積しない(図26の工程)。n- 層5の厚さは例
えば3〜5μm程度である。
【0117】不純物濃度は好ましくは1012〜1016
-3程度に設定する。もちろん、この範囲をずれてもよ
いが、pn- 接合の拡散電位で完全に空乏化するかもし
くはコレクタに動作電圧を印加した状態では、少なくと
もn- 領域が完全に空乏化するような不純物濃度および
厚さに選ぶのが望ましい。
【0118】通常入手できるHClガスには大量の水分
が含まれているため、シリコン基板表面で常に酸化膜が
形成されるというようなことになって、到底高品質のエ
ピタキシャル成長は望めない。水分の多いHClは、ボ
ンベに入っている状態でボンベの材料と反応し鉄分を中
心とする重金属を大量に含むことになって、重金属汚染
の多いエピタキシャル層になり易い。光センサセルに使
用するエピタキシャル層は、暗電流成分が少ない程望ま
しいわけであるから、重金属による汚染は極限まで抑え
る必要がある。SiH2 Cl2 に超高純度の材料を使用
することはもちろんであるが、HClには特に水分の少
ない、望ましくは少なくとも水分含有量が0.5ppm
以下のものを使用する。もちろん、水分含有量は少ない
程よい。エピタキシャル成長層をさらに高品質にするに
は、基板をまず1150〜1250℃程度の高温処理で
表面近傍から酸素を除去して、その後800℃程度の長
時間熱処理により基板内部にマイクロディフェクトを多
数発生させ、デヌーデットゾーンを有するイントリシッ
クゲッタリングの行える基板にしておくこともきわめて
有効である。分離領域としてのSiO2 層4が存在した
状態でのエピタキシャル成長を行なうわけであるから、
SiO2 からの酸素のとり込みを少なくするため、成長
温度は低いほど望ましい。通常よく使われる高周波加熱
法では、カーボンサセプタからの汚染が多くて、より一
層の低温化は難しい。反応室内にカーボンサセプタなど
持込まないランプ加熱によるウエハ直接加熱法が成長雰
囲気をもっともクリーンにできて、高品質エピタキシャ
ル層を低温で成長させられる。
【0119】反応室におけるウエハ支持具は、より蒸気
圧の低い超高純度溶融サファイアが適している。原材料
ガスの予熱が容易に行え、かつ大流量のガスが流れてい
る状態でもウエハ面内温度を均一化し易い、すなわちサ
ーマルストレスがほとんど発生しないランプ加熱による
ウエハ直接加熱法は、高品質エピタキシャル層を得るの
に適している。成長時にウエハ表面への紫外線照射は、
エピタキシャル層の品質をさらに向上させる。
【0120】分離領域4となるSiO2 層の側壁にはア
モルファスシリコンが堆積している(図25の工程)、
アモルファスシリコンは固相成長で単結晶化し易いた
め、SiO2 分離領域4との界面近傍の結晶が非常に優
れたものになる。高抵抗n- 層5を選択エピタキシャル
成長により形成した後(図26の工程)、表面濃度1〜
20×1016cm-3程度のP領域6を、ドープトオキサ
イドからの拡散か、あるいは低ドーズのイオン注入層を
ソースとした拡散により所定の深さまで形成する。p領
域6の深さはたとえば0.6〜1μm程度である。
【0121】p領域6の厚さと不純物濃度は以下のよう
な考えで決定する。感度を上げようとすれば、p領域6
の不純物濃度を下げてCbeを小さくすることが望まし
い。Cbeは略々次のように与えられる。 ただし、Vbiはエミッタ・ベース間拡散電位であり、 で与えられる。ここで、εはシリコン結晶の誘電率、N
D はエミッタの不純物濃度、NA はベースのエミッタに
隣接する部分の不純物密度、ni は真性キャリア濃度で
ある。NA を小さくするほどCbeは小さくなって、感
度は上昇するが、NA をあまり小さくしすぎるとベース
領域が動作状態で完全に空乏化してパンチングスルー状
態になってしまうため、あまり低くは出来ない。ベース
領域が完全に空乏化してパンチングスルー状態にならな
い程度に設定する。
【0122】その後、シリコン基板表面に(H2 +O
2 )ガス系スチーム酸化により数10Åから数100Å
程度の厚さの熱酸化膜3を、800〜900℃程度の温
度で形成する。その上に、(SiH4 +NH3 )系ガス
のCVDで窒化膜(Si34)302を500〜15
00Å程度の厚さで形成する。形成温度は700〜90
0℃程度である。NH3 ガスも、HClガスと並んで通
常入手できる製品は、大量に水分を含んでいる。水分の
多いNH3 ガスを原材料に使うと、酸素濃度の多い窒化
膜となり、再現性に乏しくなると同時に、その後のSi
2 膜との選択エッチングで選択比が取れないという結
果を招く。NH3 ガスも、少なくとも水分含有量が0.
5ppm以下のものにする。水分含有量は少ない程望ま
しいことはいうまでもない。窒化膜302の上にさらに
PSG膜300をCVDにより堆積する。ガス系は、た
とえば、(N2 +SiH4 +O2 +PH3 )を用いて、
300〜450℃程度の温度で2000〜3000Å程
度の厚さのPSG膜をCVDにより堆積する(図27の
工程)。2度のマスク合わせ工程を含むフォトリソグラ
フィ工程により、n+ 領域7上と、リフレッシュ及び読
出しパルス印加電極上に、Asドープのポリシリコン膜
304を堆積する。この場合pドープのポリシリコン膜
を使ってもよい。たとえば、2回のフォトリソグラフィ
工程により、エミッタ上は、PSG膜、Si34 膜、
SiO2 膜をすべて除去し、リフレッシュおよび読出し
パルス印加電極を設ける部分には下地のSiO2 膜を残
して、PSG膜とSI34 膜のみエッチングする。そ
の後、Asドープのポリシリコンを、(N2 +SiH4
+AsH3 )もしくは(H2 +SiH4 +AsH3 )ガ
スでCVD法により堆積する。堆積温度は550℃〜7
00℃程度、膜厚は1000〜2000Åである。ノン
ドープのポリシリコンをCVD法で堆積しておいて、そ
の後As又はPを拡散してももちろんよい。エミッタと
リフレッシュ及び読出しパルス印加電極上を除いた他の
部分のポリシリコン膜をマスク合わせフォトリソグラフ
ィ工程の後エッチングで除去する。さらに、PSG膜を
エッチングすると、リフトオフによりPSG膜に堆積し
ていたポリシリコンはセルフアライン的に除去されてし
まう(図28の工程)。ポリシリコン膜のエッチングは
2 Cl24 、(CBrF3 +Cl2 )等のガス系で
エッチングし、Si34 膜はCH22 等のガスでエ
ッチングする。
【0123】次に、PSG膜305を、すでに述べたよ
うなガス系のCVD法で堆積した後、マスク合わせ工程
とエッチング工程とにより、リフレッシュパルス及び読
出しパルス電極用ポリシリコン膜上にコンタクトホール
を開ける。こうした状態で、Al,Al−Si,Al−
Cu−Si等の金属を真空蒸着もしくはスパッタによっ
て堆積するか、あるいは(CH33 AlやAlCl3
を原材料ガスとするプラズマCVD法、あるいはまた上
記原材料ガスのAl−CボンドやAl−Clボンドを直
接光照射により切断する光照射CVD法によりAlを堆
積する。(CH33 AlやAlCl3 を原材料ガスと
して上記のようなCVD法を行なう場合には、大過剰に
水素を流しておく。細くてかつ急峻なコンタクトホール
にAlを堆積するには、水分や酸素混入のまったくない
クリーン雰囲気の中で300〜400℃膜厚に基板温度
を上げたCVD法が優れている。図1に示された金属配
線10のパターニングを終えた後、層間絶縁膜306を
CVD法で堆積する。306は、前述したPSG膜、あ
るいはCVD法SiO2 膜、あるいは耐水性等を考慮す
る必要がある場合には、(SiH4 +NH3 )ガス系の
プラズマCVD法によって形成したSi34 膜であ
る。Si34 膜中の水素の含有量を低く抑えるために
は、(SiH4 +N2 )ガス系でのプラズマCVD法を
使用する。
【0124】プラズマCVD法によるダメージを現象さ
せ形成されたSi34 膜の電気的耐圧を大きくし、か
つリーク電流を小さくするには光CVD法によるSi3
4膜がすぐれている。光CVD法には2通りの方法が
ある。(SiH4 +NH3 +Hg)ガス系で外部から水
銀ランプの2537Åの紫外線を照射する方法と、(S
iH4 +NH)3ガス系に水銀ランプの1849Åの紫外
線を照射する方法である。いずれも基板温度は150〜
350℃程度である。
【0125】マスク合わせ工程及びエッチング工程によ
り、エミッタ7上のポリシリコンに、絶縁膜305,3
06を貫通したコンタクトホールをリアクティブイオン
エッチングで開けた後、前述した方法でAl,Al−S
i,Al−Cu−Si等の金属を堆積する。この場合に
は、コンタクトホールのアスペクト比が大きいので、C
VD法による堆積の方がすぐれている。図1,図2にお
ける金属配線8のパターニングを終えた後、最終パッシ
ベーション膜としてのSi34 膜あるいはPSG膜2
をCVD法により堆積する(図29)。
【0126】この場合も、光CVD法による膜がすぐれ
ている。12は裏面のAl,Al−Si等による金属電
極である。
【0127】本発明の光電変換装置の製法には、実に多
彩な工程があり、図23〜図29はほんの一例を述べた
に過ぎない。
【0128】本発明の光電変換装置の重要な点は、p領
域6とn- 領域5の間及びp領域6とn+ 領域7の間の
リーク電流を如何に小さく抑えるかにある。n- 領域5
の品質を良好にして暗電流を少なくすることはもちろん
であるが、酸化膜などよりなる分離領域4とn- 領域5
の界面こそが問題である。図23〜図29では、そのた
めに、あらかじめ分離領域4の側壁にアモルファスSi
を堆積しておいてエピタキシャル成長を行なう方法を説
明した。この場合には、エピタキシャル成長中に基板S
iからの固相成長でアモルファスSiは単結晶化される
わけである。エピタキシャル成長は、850℃〜100
0℃程度と比較的高い温度で行なわれる。そのため、基
板Siからの固相成長によりアモルファスSiが単結晶
化される前に、アモルファスSi中に微結晶が成長し始
めてしまうことが多く、結晶性を悪くする原因になる。
温度が低い方が、固相成長する速度がアモルファスSi
中に微結晶が成長し始める速度より相対的にずっと大き
くなるから、選択エピタキシャル成長を行なう前に、5
50℃〜700℃程度の低温処理で、アモルファスSi
を単結晶しておくと、界面の特性は改善される。この
時、基板SiとアモルファスSiの間に酸化膜等の層が
あると固相成長の開始が遅れるため、両者の境界にはそ
うした層が含まれないような超高清浄プロセスが必要で
ある。
【0129】アモルファスSiの固相成長には上述した
ファーナス成長の他に、基板をある程度の温度に保って
おいて、フッシュランプ加熱あるいは赤外線ランプによ
る、たとえば数秒から数10秒程度のラピッドアニール
技術も有効である。こうした技術を使うときには、Si
2 層側壁に堆積するSiは、多結晶でもよい。ただ
し、非常にクリーンなプロセスで堆積し、多結晶体の結
晶粒界に酸素、炭素等の含まれない多結晶Siにしてお
く必要がある。
【0130】こうしたSiO2 側面のSiが単結晶化さ
れた後、Siの選択成長を行うことになる。
【0131】SiO2 分離領域4と高抵抗n- 領域5界
面のリーク電流がどうしても問題になる時は、高抵抗n
- 領域5のSiO2 分離領域4に隣接する部分だけ、n
形の不純物濃度を高くしておくとこのリーク電流の問題
はさけられる。たとえば、分離SiO2 領域4に接触す
るn- 領域5の0.3〜1μm程度の厚さの領域だけ、
たとえば1〜10×1016cm-3程度にn形の不純物濃
度を高くするのである。この構成は比較的容易に形成で
きる。基板1上に略々1μm程度熱酸化膜を形成した
後、その上にCVD法で堆積する。SiO2 膜をまず所
要の厚さだけ、所定の量のPを含んだSiO2 膜にして
おく。さらにその上にSiO2 をCVD法で堆積すると
いうことで分離領域4を作っておく。その後の高温プロ
セスで分離領域4中にサンドイッチ状に存在する燐を含
んだSiO2 膜から、燐が高抵抗n- 領域5中に拡散し
て、界面がもっとも不純物濃度が高いという良好な不純
物分布を作る。
【0132】すなわち、図30のような構造に構成する
わけである。分離領域4が、3層構造に構成されてい
て、308は熱酸化膜SiO2 、309は燐を含んだC
VD法SiO2 膜、301はCVD法SiO2 膜であ
る。分離領域4に隣接して、n-領域5中との間に、n
領域307が、燐を含んだSiO2 膜309からの拡散
で形成される。307はセル周辺全部に形成されてい
る。この構造にすると、ベース・コレクタ間容量Cbc
は大きくなるが、ベース・コレクタ間リーク電流は激減
する。
【0133】図23〜図29では、あらかじめ分離用絶
縁領域4を作っておいて、選択エピタキシャル成長を行
なう例について説明したが、基板上に必要な高抵抗n-
層のエピキタシャル成長をしておいてから、分離領域と
なるべき部分をリアクティブイオンエッチングによりメ
ッシュ状に切り込んで分離領域を形成する、Uグループ
分離技術(A.Hayasaka et al,“U−
groove isolation techniqu
e for high speed bipolar
VLSI′S″,Tech.Dig.of IEDM.
P.62,1982,参照)を使って行なうことも出来
る。
【0134】本発明に係る光電変換装置は、絶縁物より
構成される分離領域に取り囲まれた領域に、その大部分
の領域が半導体ウエハ表面に隣接するベース領域が浮遊
状態になされたバイポーラトランジスタを形成し、浮遊
状態になされたベース領域の電位を薄い絶縁層を介して
前記ベース領域の一部に設けた電極により制御すること
によって、光情報を光電変換する装置である。高不純物
濃度領域よりなるエミッタ領域が、ベース領域の一部に
設けられており、このエミッタは水平スキャンパルスに
より動作するMOSトランジスタに接続されている。前
述した、浮遊ベース領域の一部に薄い絶縁層を介して設
けられた電極は、水平ラインに接続されている。ウエハ
内部に、設けられるコレクタは、基板で構成されること
もあるし、目的によっては反対導電型高抵抗基板に、各
水平ラインごとに分離された高濃度不純物埋込み領域で
構成される場合もある。絶縁層を介して設けられた電極
で、浮遊ベース領域のリフレッシュを行なう時のパルス
電圧に対して、信号を読出す時の印加パルス電圧は実質
的に大きい。実際に、2種類の電圧を待つパルス列を用
いてもよいし、ダブルキャパシタ構造で説明したよう
に、リフレッシュ用MOSキャパシタ電極の容量Cox
くらべて読出し用MOSキャパシタ電極の容量Coxを大
きくしておいてもよい。リフレッシュパルス印加によ
り、逆バイアス状態になされた浮遊ベース領域に光励起
されたキヤリアを蓄積して光信号に基づいた信号を記憶
させ、該信号読出し時には、ベース・エミッタ間が順方
向に深くバイアスされるように読出し用パルス電圧を印
加して、高速度で信号を読出せるようにしたことが特徴
である。こうした特徴を備えていれば、本発明の光電変
換装置はいかなる構造で実現してもよく、前記の実施例
に述べられた構造に限定されないことはもちろんであ
る。
【0135】たとえば、前記の実施例で説明した構造と
導電型がまったく反転した構造でも、もちろん同様であ
る。ただし、この時には印加電圧の極性を完全に反転す
る必要がある。導電型がまったく反転した構造では、領
域はn型になる。すなわち、ベースを構成する不純物は
AsやPになる。AsやPを含む領域の表面を酸化する
と、AsやPはSi/SiO2 界面のSi側にパイルア
ップする。すなわち、ベース内部に表面から内部に向う
強いドリフト電界が生じて、光励起されたホールはただ
ちにベースからコレクタ側に抜け、ベースにはエレクト
ロンが効率よく蓄積される。
【0136】ベースがp型の場合には、通常使われる不
純物はボロンである。ボロンを含むp領域表面を熱酸化
すると、ボロンは酸化膜中に取り込まれるため、Si/
SiO2 界面近傍のSi中におけるボロン濃度はやや内
部のボロン濃度より低くなる。この深さは、酸化膜厚に
もよるが、通常数100Åである。この界面近傍には、
エレクトロンに対する逆ドリフト電界が生じ、この領域
に光励起されたエレクトロンは、表面に集められる傾向
にある。このままだと、この逆ドリフト電界を生じてい
る領域は不感領域になるが、表面に沿った一部にn+
域が、本発明の光電変換装置では存在しているため、p
領域のSi/SiO2 界面に集まったエレクトロンは、
このn+ 領域に再結合される前に流れ込む。そのため
に、たとえばボロンがSi/SiO2 界面近傍で減少し
ていて、逆ドリフト電界が生じるような領域が存在して
も、ほとんど不感領域にはならない。むしろ、こうした
領域がSi/SiO2 界面に存在すると、蓄積されたホ
ールをSi/SiO2 界面から引き離して内部に存在さ
せるようにするために、ホールが界面で消滅する効果が
無くなり、p層のベースにおけるホール蓄積効果が良好
となり、きわめて望ましい。
【0137】なお、本発明に係る光電変換装置は以上述
べた固体撮像装置の外に、たとえば、画像入力装置、フ
ァクシミリ、ワークステイション、デジタル複写機、ワ
ープロ等の画像入力装置、OCR、バーコード読取り装
置、カメラ、ビデオカメラ、8ミリカメラ等のオートフ
ォーカス用の光電変換被写体検出装置等にも応用でき
る。
【0138】以上説明してきたように、本発明の光電変
換装置は、浮遊状態になされた制御電極領域であるベー
ス領域に光により励起されたキャリアを蓄積するもので
ある。すなわち、Base Store Image
Sensorと呼ばれるべき装置であり、BASISと
略称する。
【0139】本発明の光電変換装置は、1個のトランジ
スタで1画素を構成できるため高密度化がきわめて容易
であり、同時にその構造からブルーミング、スミアが少
なく、かつ高感度である、そのダイナミックレンジは広
く取れ、内部増幅機能を有するため配線容量によらず大
きな信号電圧を発生するため低録音でかつ周辺回路が容
易になるという特徴を有している。例えば将来の高品質
固体撮像装置として、その工業的価値はきわめて高い。
図14に、過渡的リフレッシュ動作、蓄積動作、読出し
動作、そして過渡的リフレッシュ動作と巡回するとき
の、エミッタ、ベース、コレクタ各部における電位レベ
ルを表したものを示す。各部位の電圧レベルは外部的に
見た電位であり、内部のポテンシャルレベルとは一部一
致していない所もある。
【0140】説明を簡単にするためにエミッタ・ベース
間の拡散電位は除いてある。したがって、図14でエミ
ッタとベースが同一レベルで表される時には、実際には
エミッタ・ベース間に で与えられる拡散電位が存在するわけである。
【0141】図14において、状態、はリフレッシ
ュ動作を、状態は蓄積動作を、状態、は読出し動
作を、状態はエミッタを接地したときの動作状態をそ
れぞれ示す。また電位レベルは0ボルトを境にして上側
が負、下側が正電位をそれぞれ示す。状態になる前の
ベース電位はゼロボルトであったとし、またコレクタ電
位は状態からまで全て正電位にバイアスされている
ものとする。
【0142】上記の一連の動作を図13のタイミング図
と共に説明する。
【0143】図13の波形67のごとく、時刻t1 にお
いて、端子37に正電圧すなわちリフレッシュ電圧VRH
が印加されると、図14の状態に電位200のごとく
ベースには、すでに説明した様に なる分圧がかかる。この電位は時刻t1 からt2 の間に
次第にゼロ電位に向かって減少していき、時刻t2
は、図14の点線で示した電位201となる。この電位
は前に説明した様に、過渡的なリフレッシュモードにお
いて、ベースに残る電位VK である。時刻t2 におい
て、波形67のごとく、リフレッシュ電圧VRHがゼロ電
圧にもどる瞬間にベースに、ベースには なる電圧が前と同様、容量分割により発生するので、ベ
ースは残っていた電圧VK と新しく発生した電圧との加
算された電位となる。すなわち、状態において示され
るベース電位202であり、これは、 で与えられる。
【0144】この様なエミッタに対して逆バイアス状態
において光が入射してくると、この光により発生したホ
ールがベース領域に蓄積されるので、状態のごとく、
入射してくる光の強さに応じてベース電位202はベー
ス電位203、203′、203″のごとく次第に正電
位に向って変化する。この光により発生する電圧をVP
とする。
【0145】次いで波形69のごとく、水平ラインに垂
直シフトレジスタより電圧、すなわち、読出し電圧VR
が印加されると、ベースには なる電圧が加算されるので、光がまったく照射されない
ときのベース電位204は となる。このときの電位204は前に説明したごとく、
エミッタに対して0.5〜0.6V程度順方向にバイア
ス状態になる様に、設定される。また、ベース電位20
5、205′、205″はそれぞれ で与えられる。
【0146】ベース電位がこの様にエミッタに対して、
順方向バイアスされると、エミッタ側からエレクロンの
注入がおこり、エミッタ電位は次第に正電位方向に動い
ていくことになる。光が照射されなかったときのベース
電位204に対するエミッタ電位206は、順方向バイ
アスを0.5〜0.6Vに設定した時読出しパルス幅が
1〜2μs位のとき、約50〜100mV程度であり、
この電圧をVB とすると、エミッタ電位207、20
7′、207″は前の例の様に0.1μs以上のパルス
幅であれば直線性は十分確保されるので、それぞれVP
+VB 、VP ′+VB 、VP ″+VB となる。
【0147】ある一定の読出し時間の後、波形69のご
とく読出し電圧VR がゼロ電位になった時点で、ベース
には なる電圧が加算されるので、状態のごとくベース電位
は、読出しパルスが印加される前の状態、すなわち逆バ
イアス状態になり、エミッタの電位変化は停止する。す
なわち、このときのベース電位208は ベース電位209、209′、209″はそれぞれ、 で与えられる。これは読出しが始まる前の状態とまっ
たく同じである。
【0148】この状態において、エミッタ側の光情報
信号が外部へ読出されるわけである。この読出しが終っ
た後、各スイッチングMOSトランジスタ48、4
8′、48″が導通状態となり、エミッタが接地されて
状態のごとく、エミッタはゼロ電位となる。これで、
リフレッシュ動作、蓄積動作、読出し動作と一巡し、次
に状態にもどるわけであるが、この時、最初にリフレ
ッシュ動作に入る前は、ベース電位がゼロ電位からスタ
ートしたのに対して、一巡してきた後はベース電位が およびそれに、それぞれVP 、VP ′、VP ″が加算さ
れた電位に変化していることになる。したがって、この
状態で、リフレッシュ電圧VRHが印加されたとしてもベ
ース電位はそれぞれVK 、VK +VP 、VK +VP ′、
K +VP ″になるだけであり、これでは、ベースに十
分な順方向バイアスがかからず、光の強くあたった所は
順方向バイアス量が大きいので光情報は消えるものの、
光の弱い部分の情報は消えずに残るということが生ずる
ことは図9に示したリフレッシュ動作の計算例から見て
もあきらかである。
【0149】この様な現象は過渡的リフレッシュモード
独特のものであり、完全リフレッシュモードでは、ベー
ス電位が必ずゼロ電位になるまで長いリフレッシュ時間
をとるために、この様な問題は生じない。
【0150】以上述べたような不具合が生ぜず、かつ高
速リフレッシュが可能な他の実施例について以下に説明
する。今まで述べてきたリフレッシュの方法は、ベース
にMOSキャパシタを通してパルスを印加し、ベース電
位を正電位とすることにより行なっていた。すなわち、
ベースが正電位のとき、ベース・コレクタ間接合ダイオ
ードDbcが、導通状態になり、ホールがベースより流
れだすことにより、ベース電位が接地電位に向かって、
減少していくときの過渡的状態、すなわち過渡的リフレ
ッシュあるいは、ベース電位が完全に接地電位になる完
全リフレッシュを用いていたわけである。pベースの場
合には、所定の量のホールがベースから無くなっている
ので、リフレッシュパルスを除去した状態では、pベー
スは負に停電し、所定の負電圧になる。
【0151】これに対して以下に述べる実施例は、各光
センサセルにMOSトランジスタを負荷して、ベースか
ら光励起によって蓄積されたホールを取りのぞき所定の
負電圧にするという考え方によりリフレッシュを行なう
ことを可能にした光電変換装置に関するものである。
【0152】以下図31〜図33を用いて、くわしく説
明する。図31は基本光センサセルを二次元的にいくつ
か配列したときの一部を示す平面図であり、図32
31のAA´断面図、図33は、二次元的にいくつかの
基本光センサセルを配置したときの回路構成をそれぞれ
示す図である。
【0153】図31においてエミッタ領域7、読出し用
の垂直ライン8およびこの配線とエミッタ領域7とのコ
ンタクト19、p領域6、およびMOSキャパシタ9で
構成されている所は図1,図2に示したものとまったく
同じである。ただし、MOSキャパシタ9は、図1,図
に示した実施例では読出しおよびリフレッシュの各動
作において共通に使用されているが本実施例では後で述
べるように読出し動作として使用される。
【0154】図1〜図3に示した実施例と異なるのは、
各光センサセルにリフレッシュ用のpチャンネルMOS
トランジスタが付加されている点である。すなわち図3
の断面図を見ると明らかな様に光センサセルのp領域
6とこのp領域6と切り離された所に、拡散、イオン注
入等で形成されたp領域220、両者の間のn型チャン
ネルドープ領域、酸化膜領域3、およびゲート電極22
1より構成されるpチャンネルMOSトランジスタが付
加されている。この新しく形成されるp領域220は、
光センサセルのp領域6を形成するとき同時に作られ、
また、各領域間のチャンネルになるn型領域は、イオン
注入技術等を用いてソース・ドレイン間がパンチスルー
しない様に、n型の不純物濃度を増加させるチャンネル
ドープがなされる。少々プロセス数は増すが、pMOS
のソース・ドレイン間のパンチスルーを押えるためには
p領域220を表面近傍にごく薄く作ることも有効であ
る。
【0155】このpチャンネルMOSトランジスタのゲ
ート221は図31の平面図のごとく、MOSキャパシ
タ電極9と共通接続され、水平ライン10を通してパル
スが印加される様構成されている。またpチャンネルM
OSトランジスタのp領域すなわちドレイン領域220
は水平ライン223とコンタクト222を介して接続さ
れている。
【0156】従って、水平ライン10と水平ライン22
3および垂直ライン8は多層配線技術によって形成さ
れ、それぞれの間は、絶縁膜により絶縁されているわけ
である。
【0157】図33は以上で説明した構造をもつ光セン
サセルのベース領域と共通なソース領域、配線10と共
通接続されたゲート領域をもつpチャンネルMOSトラ
ンジスタが各光センサセルに付加されていることであ
る。
【0158】以下に本実施例の動作について説明する。
光励起によるホールのベースの蓄積動作の前は、図14
の状態の様にベース領域は負電圧にバイアスされてい
る。また電荷蓄積動作では状態の様に光によって発生
したホールがベース領域に蓄積され、光の強さに応じて
ベースの電位は正の方向に向かって変化していく。この
状態において配線10を介して、読出しパルス電圧VR
が印加されると状態のごとく、ベース電位が正電位に
なされ、ベースに蓄積された情報がエミッタ側に読出さ
れることになる。また読出しパルス電圧VR が接地電位
になされた時に状態となり、またエミッタ側から垂直
ラインを通して情報が外部へ出力された後、垂直ライン
の配線8を通してエミッタが接地され状態となるの
は、すでに前に説明した実施例と同じ動作をするわけで
ある。
【0159】読出しパルスが配線10に印加された時、
図31に示す様に、光センサセル224から読出しが行
なわれるが、この時、同時に光センサセル224′に接
続されたpチャンネルMOSトランジスタのゲートにも
同一の読出しパルスが印加される。しかし、この読出し
パルスは正のパルスであり、これによりpチャンネルM
OSトランジスタが導通状態になることはなく、何ら光
センサセル224′には影響をおよぼさない。
【0160】図14の状態のごとく、各光センサセル
のベース電位が光の強度に応じて変化している状態にお
いて、配線10に負のパルスに印加する。この負のパル
スによりpチャンネルMOSトランジスタは導通状態に
なされ、光センサセル224′のベース電位は、配線2
23に供給されている負の電源電圧を−VSRとすると、
−(VSR−VTH)になる。ただし、−VTHはpMOS
ランジスタのしきい値電圧である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る光センサセルの主要構
造を説明するための平面図である。
【図2】図1の光センサセルのAA′断面図である。
【図3】図1の光センサセルの等価回路図である。
【図4】図1〜図3の光センサセルの読出し動作時の等
価回路図である。
【図5】図1〜図3の光センサセルの読出し時間と読出
し電圧との関係を示すグラフである。
【図6】図1〜図3の光センサセルの蓄積電圧と読出し
時間との関係を示すグラフである。
【図7】図1〜図3の光センサセルのバイアス電圧と読
出し時間との関係を示すグラフである。
【図8】図1〜図3の光センサセルのリフレッシュ動作
時の等価回路図である。
【図9】図1〜図3の光センサセルのリフレッシュ時間
とベース電位との関係を示すグラフである。
【図10】図1〜図3の光センサセルのリフレッシュ時
間とベース電位との関係を示すグラフである。
【図11】図1〜図3の光センサセルのリフレッシュ時
間とベース電位との関係を示すグラフである。
【図12】図1〜図3に示す光センサセルを用いた光電
変換装置の回路図である。
【図13】図12の光電変換装置のパルスタイミング図
である。
【図14】図12の光電変換装置の各動作時の電位分布
を示すグラフである。
【図15】図12の光電変換装置の出力信号に関係する
等価回路図である。
【図16】図12の光電変換装置の導通した瞬間からの
出力電圧を時間との関係で示すグラフである。
【図17】他の光電変換装置を示す回路図である。
【図18】他の光電変換装置を示す回路図である。
【図19】他の光電変換装置を示す回路図である。
【図20】本発明の実施例に係る他の光センサセルの主
要構造を説明するための平面図である。
【図21】図20に示す光センサセルを用いた光電変換
装置の回路図である。
【図22】図20に示す光センサセルを用いた光電変換
装置の回路図である。
【図23】本発明の光電変換装置の一製造方法例を示す
ための断面図である。
【図24】本発明の光電変換装置の一製造方法例を示す
ための断面図である。
【図25】本発明の光電変換装置の一製造方法例を示す
ための断面図である。
【図26】本発明の光電変換装置の一製造方法例を示す
ための断面図である。
【図27】本発明の光電変換装置の一製造方法例を示す
ための断面図である。
【図28】本発明の光電変換装置の一製造方法例を示す
ための断面図である。
【図29】本発明の光電変換装置の一製造方法例を示す
ための断面図である。
【図30】本発明の光電変換装置の一製造方法例を示す
ための断面図である。
【図31】本発明の実施例に係る光センサセル断面図で
ある。
【図32】図31の光センサセルのAA′断面図であ
る。
【図33】図31の光センサセルの回路構成図である。
【符号の説明】 1 シリコン基板、 2 PSG膜、 3 絶縁酸化
膜、 4 素子分離領域、 5 n- 領域(コレクタ領
域)、 6 p領域(ベース領域)、 7,7′n+
域(エミッタ領域)、 8 配線、 9 電極、 10
配線、 11n + 領域、 12 電極、 13 コン
デンサ、 14 バイポーラトランジスタ、 15,1
7 接合容量、 16,18 ダイオード、 19,1
9′コンタクト部、 20 光、 28 垂直ライン、
30 光センサセル、 31 水平ライン、 32
垂直シフトレジスタ、 33,35 MOSトランジス
タ、 36,37 端子、 38 垂直ライン、 39
水平シフトレジスタ、 40 MOSトランジスタ、
41 出力ライン、 42 MOSトランジスタ、
43 端子、 44 トランジスタ、 44,45 負
荷抵抗、 46端子、 47 端子、 48 MOSト
ランジスタ、 49 端子、 61,62,63 区
間、 64 コレクタ電位、 67 波形、 80,8
1 容量、82,83 抵抗、 84 電流源、 10
0,101,102 水平シフトレジスタ、 111,
112 出力ライン、 138 垂直ライン、 140
MOSトランジスタ、 148 MOSトランジスタ、
150,150′MOSコンデンサ、 152,15
2′ 光センサセル、 202,203,205 ベー
ス電位、 220 p+ 領域、 222,225 配
線、 251p+ 領域、 252 n+ 領域、 253
配線、 300 アモルファスシリコン、 302
窒化膜、 303 PSG膜、 304 ポリシリコ
ン、 305 PSG膜、 306 層間絶縁膜。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同導電型領域よりなる2個の主電極領域
    と該主電極領域と反対導電型の制御電極領域よりなる半
    導体トランジスタの該制御電極領域を、リフレッシュ工
    程において該主電極領域の一方の領域に対して所定の逆
    バイアス動作にするべく、絶縁ゲート型トランジスタの
    主電極領域になるべく配置し、該絶縁ゲート型トランジ
    スタが遮断状態にある状態で、光励起により発生したキ
    ャリアを該制御電極領域に蓄積し、該蓄積されたキャリ
    アにより発生した該制御電極領域の蓄積電圧を読出す工
    程において、該制御電極上に薄い絶縁層を介して設けら
    れた電極に電圧を印加することにより、該制御電極領域
    が該一方の主電極領域に対して順方向にバイアスされる
    べく構成されたことを特徴とする光電変換装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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