JPH0620829Y2 - 外 壁 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は一側端に挿入部を、他側端に挿入凹部および固
定具で固定される固定片を有する複数個の外壁材を順次
挿入凹部に挿入部を挿入係合した状態でそれぞれの固定
片を建物の外側の壁面に固定具で固定してなる外壁に関
する。

「従来の技術」 従来、この種の建物の外壁の外壁材は所定幅寸法に金属
板等で断面コ字状に形成した外壁材本体の一側端に側方
向へ突出させた平板状の挿入部を形成し、他側端に他の
外壁材の平板状の挿入部が挿入係合させる側方に開口す
る細い溝状の挿入凹部を形成するとともに、該挿入凹部
の先端に固定具で固定される固定片を側方向へ突出形成
して構成されていた。このため、順次挿入凹部に他の外
壁材の挿入部を挿入係合した状態で、それぞれの固定片
を建物の外側の壁面に固定具で固定して外壁を形成した
場合、強風が吹いた場合、風圧で外壁材本体が外方へ引
張られて撓み挿入部が挿入凹部より外れることがあると
いう欠点があった。

また、このような欠点をなくすために外壁材の幅寸法を
小さくすることも考えられるが、この場合には外壁材の
使用個数が大幅に増えるだけでなく、設置作業の手間も
同様に増えるため、コストアップになるという欠点があ
った。

さらに、雨が降った場合等には挿入凹部に挿入部を挿入
係合した部位より雨水が内部に毛細管現象によって侵入
するため、該部にシール材を充填しなければならず、設
置コストがアップするとともに、美観を著しく損うとい
う欠点があった。

「本考案の目的」 本考案は以上のような従来の欠点に鑑み、強い風が吹い
た場合でも、外壁材の挿入部が他の外壁材の挿入凹部よ
り外れるのを確実に防ぐとともに、外壁材の幅寸法を大
きくして、設置作業の効率化を図り、かつシール剤を充
填することなるシールできるようにして、美観が損なわ
れるのを防止できるようにした外壁を得るにある。

「本考案の目的を達成するための手段」 本考案は金属板で断面コ字状に形成された外壁材本体、
この外壁材本体の一端部より外方に突出するように一体
成形された先端部に係止部を有する挿入部、前記外壁材
本体の他端部に一体成形された他の挿入部が挿入される
断面ほぼコ字状の挿入凹部、この挿入凹部の先端部に一
体成形されたクサビ係止部、このクサビ係止部の先端部
と一体成形された建物の壁面に固定される固定片とから
なる複数個の外壁材と、この外壁材の挿入凹部に挿入さ
れた挿入部の係止部とクサビ係止部との間に挿入され、
挿入凹部と係止部とを固定するクサビとからなることを
特徴としている。

「本考案の実施例」 以下、図面に示す実施例により、本考案を詳細に説明す
る。

第１図ないし第５図の実施例において、１は高層ビル等
の建物２の外側の壁面３に取付けられた外壁で、この外
壁１は前記建物２の外側の壁面３を覆うように横方向に
複数個、側端部を挿入係合した状態に並列に、かつ縦方
向に複数段に取付けられる外壁剤４、４……と、これら
の外壁剤４、４……を前記壁面３に固定する多数個の固
定具としてのビス５と、前記外壁剤４、４……の側端部
の係合が外れないように取付けられたクサビ６、６……
とから構成されている。

前記外壁剤４は所定幅寸法にステンレス材等の金属板で
断面コ字状に形成された外壁材本体７と、この外壁材本
体７の一側端部、本実施例では右側端部に右側方向へ突
出形成された先端に背面側へ略直角に屈曲した係止部８
を設けた挿入部９と、前記外壁材本体７の左側端部に形
成された他の外壁材４の前記係止部８を設けた挿入部９
が前記クサビ６を介して挿入できるように先端部にクサ
ビ係止部１０を設けたほぼコ字状の挿入凹部11と、この
挿入凹部11の先端部に左側方向に突出形成された前記建
物２の外側の壁面３の前記固定具としてのビス５によっ
て固定される固定片12とで構成され、前記挿入凹部11は
前記外壁材本体７の左側端部に左方に開口するように内
側へコ字状に先端を左方へ突出状態に形成するととも
に、該左方へ突出する先端部を正面側に内側面が垂直と
なる山型状に突出させて前記クサビ係止部10を形成して
いる。

なお、これらの外壁材４は下端側が他の外壁材４の上部
側を覆うように若干拡開したテーパー状に形成されてい
る。

前記クサビ６は一端が前記外壁材４の挿入凹部11のクサ
ビ係止部10に、他端が該挿入凹部11に挿入係合される他
の外壁材４の挿入部９の先端に設けた係止部８にそれぞ
れ係止状態に打込まれて取付けられている。

上記構成の外壁１にあっては、まず建物２の外側の壁面
３の下部側に外壁材４を該外壁材４の固定片12に複数個
のビス５を打込んで固定する。

次に固定済の外壁材４の挿入凹部11に他の外壁材４を該
外壁材４の挿入部９を若干の隙間13を持たせた状態に挿
入係合させるとともに、左側の固定片12に複数個のビス
５を打込んで建物２の外側の壁面２に固定する。

しかる後、始めに固定した外壁材４の挿入凹部11のクサ
ビ係止部10と、後から固定した外壁材４の挿入部９の係
止部８とに係止させた状態にクサビ６を打ち込む。

以下、同様に第３図に示すように、横方向に順次外壁材
４を挿入凹部11に挿入部９を挿入係合した状態で固定片
12に複数個のビス５を打込んで固定するとともに、それ
ぞれの外壁材４の挿入凹部11のクサビ係止部10と挿入部
９の係止部８とに係止させた状態にクサビ６を前述のよ
うに打込む。

次に横方向に連設されたそれぞれの外壁材４、４……の
上部に、第４図に示すように他の外壁材４の下端部で覆
った状態に嵌合して、前述の外壁材４と同様に固定片12
に複数個のビス５を打込んで固定する。

しかる後、次の外壁材４を前述したように挿入凹部11に
挿入部９を挿入係合して、固定片12に複数個のビス５を
打込んで固定し、挿入凹部11のクサビ係止部10と該挿入
凹部11に挿入係合された挿入部９の係止部８とに係止さ
れた状態にクサビ６を前述と同様に打込む。

以下、同様に順次外壁材４を挿入凹部11に挿入部９を挿
入係合した状態で固定片12に複数個のビス５をそれぞれ
打込んで固定するとともに、挿入部９が挿入凹部11より
外れないようにクサビ６を打込んで外壁材４、４……を
横方向に連設し、完了後、さらに３列、４列と縦方向へ
と外壁材４、４……をビス５とクサビ６で固定すること
により、外壁１ができる。

このように形成された外壁１は強風が吹いた場合でもそ
れぞれ外壁材４、４……の挿入部９はクサビ６によって
挿入凹部11より外れないように支持されているので、従
来のように外壁材本体７が外方へ風圧によって撓むこと
がない。

また、雨水等が挿入凹部11内に浸入した場合でも、クサ
ビ係止部10によって内部に浸入するのを防止することが
できる。

「本考案の異なる実施例」 次に第６図ないし第15図に示す本考案の異なる実施例に
つき説明する。なお、このれらの実施例の説明に当っ
て、前記本考案の実施例と同一構成部分には同一符号を
付して重複する説明を省略する。

第６図および第７図の実施例において、前記本考案の実
施例と主に異なる点は、外壁材４Ａの挿入凹部11に設け
られるクサビ係止部10Ａを、板を２つ折りした状態の突
起形状にした点で、このようにクサビ係止部10Ａを形成
した外壁材４Ａにしても前記本考案の実施例と同様の作
用効果が得られる。

第８図および第９図の実施例において、前記第６図およ
び第７図の実施例と主に異なる点は、クサビ係止部10Ｂ
を断面ハット形鋼形状に突出形成した点で、このように
クサビ係止部10Ｂを形成した外壁材４Ｂにしてもよい。

第10図および第11図の実施例において、前記本考案の実
施例と主に異なる点は、外壁材４Ｃの挿入凹部11に形成
されるクサビ係止部10Ｃを正面側に直角に屈曲して形成
し、該クサビ係止部10Ｃを固定片12Ａと兼用した点と、
建物２の外側の壁面３に縦方向に所定間隔で固定金具板
14を埋設して前記固定片12Ａを固定金具板14に複数個の
ビス５で固定できるようにした点で、このようにクサビ
係止部10Ｃを固定片12Ａと兼用して形成した外壁材４Ｃ
にして壁面３に埋設した固定金具板14に固定して外壁１
を形成しても良い。

第12図および第13図の実施例において、前記本考案の実
施例と主に異なる点は、外壁材４Ｄの挿入部９Ａに設け
た係止部８を略45度の角度に内方へ屈曲形成した点で、
このように挿入部９Ａの係止部８を内方に屈曲形成して
もよい。

なお、この場合にはクサビ６の側端部も傾斜しておくこ
とは言うまでもない。

第14図および第15図の実施例において、前記本考案の実
施例と主に異なる点は、外壁材４Ｅを上・下端部の幅寸
法を同一寸法に形成して上下方向の接続を建物２の外側
の壁面３に上下方向に所定間隔で固定した断面Ｚ字形の
接続金具15を介して接続した点で、このように外壁材４
Ｅを形成して上下方向を接続金具15を介して接続するよ
うにしても前記本考案の実施例と同様の作用効果が得ら
れる。

「本考案の効果」 以上の説明から明らかなように、本考案にあっては次に
列挙する効果がある。

（１）金属板で断面コ字状に形成された外壁材本体、こ
の外壁材本体の一端部より外方により突出するように一
体成形された先端部に係止部を有する挿入部、前記外壁
材本体の他端部に一体成形された他の挿入部が挿入され
る断面ほぼコ字状の挿入凹部、この挿入凹部の先端部に
一体成形されたクサビ係止部、このクサビ係止部の先端
部と一体成形された建物の壁面に固定される固定片とか
らなる複数個の外壁材と、この外壁材の挿入凹部に挿入
された挿入部の係止部とクサビ係止部との間に挿入さ
れ、挿入凹部と係止部とを固定するクサビとで構成した
ので、それぞれの外壁材を順次挿入凹部に挿入部をクサ
ビを介して挿入することによって、挿入部が挿入凹部よ
り外れるようにスライドするのを阻止することができ
る。したがって、従来のように風圧によって外壁材が外
方へ撓んで、挿入部が挿入凹部よう外れるのを確実に防
止できる。

（２）前記（１）によって、それぞれの外壁材の挿入凹
部に挿入された挿入部が外れるのを確実に防止できるの
で、従来のように外れる度に修理したりする必要がな
い。

（３）前記（１）によって、それぞれの外壁材の挿入凹
部に挿入係合した挿入部が外れるのを防止できるので、
外壁材の幅寸法を大きくすることができる。したがっ
て、設置作業の短縮を図ることができる。

（４）前記（１）によって、外壁材の挿入凹部を他の外
壁材の挿入部がクサビを介して挿入係合できるように形
成したので、他の外壁材の挿入部をクサビを介して挿入
係合することにより、嵌入凹部側のクサビを係止するク
サビ係止部によって雨等が内部に浸入するのを防止する
ことができる。したがって、従来のように該部にシール
剤を充填する必要がない。このため、美観を損うのを防
止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す設置状態の説明図、第
２図は外壁の一部分の正面図、第３図は第２図のＡ−Ａ
線に沿う断面図、第４図は第２図のＢ−Ｂ線に沿う断面
図、第５図は外壁材の一部分の斜視図、第６図および第
７図、第８図および第９図、第10図および第11図、第12
図および第13図、第14図および第15図はそれぞれ本考案
の異なる実施例を示す説明図である。 １：外壁、２：建物、 ３：壁面、 ４、４Ａ、４Ｂ、４Ｃ、４Ｄ、４Ｅ：外壁材、 ５：ビス、６：クサビ、 ７：外壁材本体、８：係止部、 ９、９Ａ：挿入部、 10、10A、10B、10C：クサビ係止部、 11：挿入凹部、12、12A：固定片、 13：隙間、14：固定金具板、 15：接続金具、

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】金属板で断面コ字状に形成された外壁材本
   体、この外壁材本体の一端部より外方により突出するよ
   うに一体成形された先端部に係止部を有する挿入部、前
   記外壁材本体の他端部に一体成形された他の挿入部が挿
   入される断面ほぼコ字状の挿入凹部、この挿入凹部の先
   端部に一体成形されたクサビ係止部、このクサビ係止部
   の先端部と一体成形された建物の壁面に固定される固定
   片とからなる複数個の外壁材と、この外壁材の挿入凹部
   に挿入された挿入部の係止部とクサビ係止部との間に挿
   入され、挿入凹部と係止部とを固定するクサビとからな
   ることを特徴とする外壁。