JPH06207433A

JPH06207433A - 目地用ガスケット

Info

Publication number: JPH06207433A
Application number: JP169993A
Authority: JP
Inventors: Eiji Takada; 英次高田
Original assignee: Sekisui Chemical Co Ltd
Current assignee: Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date: 1993-01-08
Filing date: 1993-01-08
Publication date: 1994-07-26
Anticipated expiration: 2016-05-08
Also published as: JP3164677B2

Abstract

(57)【要約】【目的】壁材又は壁パネルと隣の壁材又は壁パネルと
の間の目地に、ガスケットを挿入する際、表面ひれの巻
き込みや蛇行が生じないように、ガスケットを改良す
る。【構成】開示される目地用ガスケットは、先端部から
目地に挿入される芯材２と、該芯材２の両側面から後斜
方向に延出して、前記目地の内部にて目地を塞ぐ左右対
称形の内部シール片３ａ，３ａ，３ｂ，３ｂと、芯材２
の後端部に設けられ、目地の表面側の位置にて目地を塞
ぐ表面シール片４ａと、該表面シール片４ａと前隣の記
内部シール片３ｂ，３ｂとを芯材２の両側にて連結する
一対のブリッジ片６，６とからなる。表面シール片４ａ
の表面は、凹状の湾曲面に形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、建物の壁部分を構成
する壁材又は壁パネルと隣の壁材又は壁パネルとの継ぎ
目に設けられる目地用ガスケットに関する。

【０００２】

【従来の技術】壁材又は壁パネルを複数枚並べて建物の
壁部分に取り付けると、壁材又は壁パネルと隣の壁材又
は壁パネルとの間に目地と称する隙間が生じる。このよ
うな目地をそのままに放置していると、外観が醜悪であ
るばかりでなく、この目地から雨水が浸入し、室内が濡
れたり、また、寒期においては、浸入した雨水が壁の中
で凍結膨張して、隙間を広げ、壁材又は壁パネルを破砕
する等のいわゆる凍害が発生する。

【０００３】そこで、従来、このような目地を塞いで防
水し、かつ壁部分を美麗に見せるために、目地が形成さ
れた後、外側から目地に嵌入装着できる目地用ガスケッ
ト（以下、単にガスケットともいう）が各種開発されて
いる（例えば、実開昭５９−１３２８１７号公報参
照）。

【０００４】図６は、上記従来の目地用ガスケット１の
一般的な構成例を示し、このガスケット１は、耐候性に
富む合成ゴムを押出成形することにより一体的かつ長尺
な物として得られ、同図に示すように、その先端から目
地に差し込まれる肉厚の芯材２と、該芯材２の両側面か
ら左右対称・後斜方向にひれ状に延出する前後２対の内
部シール片（以下、内部ひれと呼称する）３ａ，３ａ，
３ｂ，３ｂと、芯材２の後端に芯材２に直交して概略Ｔ
字状に連設された、化粧面を有する表面シール片（以
下、表面ひれと呼称する）４とから概略構成されてい
る。そして、互いに対をなす左側の内部ひれ３ａ，３ｂ
の端から右側の内部ひれ３ａ，３ｂの端までの距離、す
なわち、ひれ幅が、目地幅（１０〜２２ｍｍ）よりも広
幅になるように設定されている。

【０００５】上記構成のガスケット１を用いて、目地の
防水化粧施工をするには、芯材２の先端を目地底に向け
て、ガスケット１を目地内に押し込める。このとき、上
述したように、内部ひれ３ａ，３ａ，３ｂ，３ｂのひれ
幅の方が目地幅よりも広幅に設定されているけれでも、
内部シール片３ａ，３ａ，３ｂ，３ｂは、弾力性と柔軟
性に富む合成ゴムからなり、加えて、挿入方向に対して
後斜配置されているため、ひれ幅を縮めて、芯材２に伴
って目地内に押し込められる。狭い目地内に押し込めら
れた内部シール片３ａ，３ａ，３ｂ，３ｂは、ひれ幅を
広げる方向に弾力が働き、目地壁に密着するので、目地
内に隙間は生じず、防水が確実となる。

【０００６】ところで、上記防水化粧構造において、表
面ひれ４は、目地内に挿入される場合と、挿入されない
場合とが存在する。表面ひれ４を目地に挿入する場合に
は、壁材又は壁パネルと隣の壁材又は壁パネルとの間に
断面浅凹状の線型化粧面が形成され、一方、表面ひれ４
を目地に挿入しない場合には、表面ひれ４によって目地
表面を覆い隠す断面凸状の線型化粧面が形成されること
になるが、光の具合によってそこに影が生じる断面凸状
の線型化粧面よりも、影が生じにくい断面浅凹状の線型
化粧面を好む需要者の方が多いことから、最近では、ガ
スケット１は、表面ひれ４を含めて目地内に挿入される
ことが多い。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の一般的なガスケット１にあっては、同図に示すよう
に、表面ひれ４が平らに形成されている上、芯材２に直
交して設けられているので、挿入時のひれの反発が大き
く、このため、表面ひれ４の納まりが安定しない。すな
わち、表面ひれ４を冶具で叩いて無理に挿入すれば、図
７に示すように、ひれの巻き込みが生じたり、図８
（ａ）,（ｂ）に示すように、目地５の長手方向に沿っ
て、表面ひれ４が右に傾いたり左に傾いたりする等のい
わゆるひれの蛇行が生じ、壁の美観及び防水性能が著し
く損なわれてしまう。

【０００８】この発明は、上述の事情に鑑みてなされた
もので、壁材又は壁パネルと隣の壁材又は壁パネルとの
間の目地に、表面ひれまでを含めて容易にかつ美麗に挿
入することができる、目地用ガスケットを提供すること
を目的としている。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項１記載の目地用ガスケットは、先端部から目
地に挿入される芯材と、該芯材の両側面から後斜方向に
延出して、上記目地の内部にて目地を塞ぐ少なくとも一
対の内部シール片と、上記芯材の後端部に設けられ、上
記目地の表面側の位置にて目地を塞ぐ表面シール片と、
該表面シール片と前隣の一対の上記内部シール片とを上
記芯材の両側にて連結する一対のブリッジ片とからな
り、上記表面シール片の少なくとも表面は、凹状に湾曲
して形成されていることを特徴としている。

【００１０】

【作用】上記発明の構成によれば、表面シール片が凹状
に湾曲しているので、内部シール片を後斜方向に配置し
たと同様の効果、すなわち、挿入抵抗が著しく軽減され
るという効果が得られ、目地内に表面シール片を挿入す
るのが容易となる。それ故、表面シール片の端部の巻き
込みや、表面シール片が目地の長さ方向に沿って蛇行し
て装着される等の弊害が減少する。

【００１１】加えて、表面シール片の右側部分（右端
部）と前隣の内部シール片（の右端部）、及び表面シー
ル片の左側部分（左端部）と前隣の内部シール片（の左
端部）とを、それぞれブリッジ片によって連結するよう
にしたので、上述の巻き込みや蛇行の発生をさらに一段
と防止することができ、表面シール片の納まりが著しく
安定し良好なものとなる。したがって、目地部外観を均
質にかつ美麗に仕上げることができ、また、防水性能も
損なわれない。

【００１２】

【実施例】以下、図面を参照してこの発明の実施例につ
いて説明する。図１は、この発明の一実施例である目地
用ガスケットの構成を示す横断面図、図２は同じく斜視
図である。これらの図に示すように、この例のガスケッ
ト１ａが、上記従来のガスケット１（図６）と大きく異
なるところは、平な表面ひれ４に代えて、緩やかなかつ
凹状の湾曲面を有する表面ひれ４ａを設けるようにした
点、及び表面ひれ４ａと第２の内部ひれ３ｂ，３ｂとを
芯材２の両側にて一対のブリッジ片６，６によって連結
するようにした点である。ここで、図６と同一の構成部
分については、同一の符号を付してその説明を簡略にす
る。

【００１３】まず、芯材２の先端には、左右に僅かに延
出する前ひれ７が設けられている。この前ひれ７は、目
地底（例えば、スタッド）に当接してガスケット１ａの
位置規制をなすためのものである。前ひれ７の後方に
は、芯材２の両側に、順次、第１の内部ひれ３ａ，３
ａ、第２の内部ひれ３ｂ，３ｂが後斜方向に延出して、
かつ、互いに所定の間隔を有して設けられている。これ
ら第１及び第２の内部ひれ３ａ，３ａ，３ｂ，３ｂは、
目地の所定の深さの所で、目地壁に密着した状態で保持
されることになる。

【００１４】芯材２の後端には、上記表面ひれ４ａが設
けられている。この表面ひれ４ａは、目地の表面近傍
で、目地壁に密着した状態で保持され、表面に露出して
目地を化粧するもので、上記したように、その表面を緩
やかなかつ凹状の湾曲面としたのは、目地への挿入のし
やすさを考慮したため、及び表面ひれ４ａの最終的な納
まり形状を考慮したためである。すなわち、表面ひれ４
ａを、ガスケット１ａの製造段階から、最終的な納まり
形状に近い形状に予め成形しておくと、納まりが安定
し、ひれの巻き込みや蛇行を防止することができるから
である。表面ひれ４ａは、化粧面が形成されている表層
部４１と、該表層部４１を支える基部４２との積層構成
でなっている。

【００１５】また、上記ブリッジ片６，６の一端は、表
面ひれ４ａ（基部４２）の右端部、左端部にそれぞれ連
設され、他端は、左右一対の第２の内部ひれ３ｂ，３ｂ
の右端部、左端部にそれぞれ連設されている。各ブリッ
ジ片６，６は、二つ合わせれれば、くびれ部が形成され
るように、くの字形状に屈曲されている。

【００１６】上記芯材２、第１，第２の内部ひれ３ａ，
３ａ，３ｂ，３ｂ、ブリッジ片６，６、前ひれ７、及び
基部４２は、例えばＥＰＤＭ（エチレン−プロピレン−
ジエン−ターポリマ）と称する、耐候性とシール性とに
優れる合成ゴムから一体成形される。一方、表層部４１
は、着色塗料がのりやすいＣＳＭ（クロロスルホン化ポ
リエチレン）と称する灰色の合成ゴムから成形される。
なお、ＥＰＤＭとＣＳＭとは、成形機の金型から押出成
形される際に合流されて、接合され、結局、ガスケット
１ａを構成する全ての部分は、一体的に押出成形されて
得られる。

【００１７】上記構成のガスケット１ａを、例えば、図
３に示すような、壁パネル８と隣の壁パネル８との間の
目地５に装着するには、まず、前ひれ７を目地５に差し
込み、次いで、冶具により表面ひれ４ａを叩いて、前ひ
れ７がスタッド９に当接するまでガスケット１ａを挿入
する。このとき、図４に示すように、例えば、表面ひれ
４ａを図中右回りに回転させようとする外力Ｆあるいは
モーメントが作用しても、左右のブリッジ片６，６によ
って、それを阻止する坑力Ｎ，Ｒが働くので、図５に示
すように、いわゆる蛇行やひれの巻き込みのない状態
で、ガスケット１ａを装着することができる。また、表
面ひれ４ａが、後斜方向に湾曲しているので、挿入抵抗
も少なく、容易に挿入できる。それ故、上記構成のガス
ケット１ａによれば、目地部の外観を均質にかつ美麗に
仕上げることができ、また、防水性能も損なわれない。

【００１８】以上、この発明の実施例を図面により詳述
してきたが、具体的な構成はこの実施例に限られるもの
ではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変
更等があってもこの発明に含まれる。例えば、上述の実
施例においては、外壁パネルを想定して説明したが、内
壁パネルに用いても勿論良い。また、この発明のガスケ
ットが適用される目地は、単一の建物ユニットの同一壁
面内に生じる目地に限らず、建物ユニットと隣の建物ユ
ニットと間に生じるユニット目地、及び入隅部に生じる
入隅目地にも適用し得る。また、上述の実施例において
は、二対の内部ひれを設けた場合について述べたが、こ
れに限らず、例えば一対でも三対でも良い。

【００１９】

【発明の効果】以上説明したように、この発明の構成に
よれば、表面シール片が凹状に湾曲しているので、挿入
抵抗が著しく低くなり、目地に挿入するのが容易とな
る。加えて、表面シール片と前隣の内部シール片とをブ
リッジ片によって連結するようにしたので、ひれの巻き
込みや蛇行の発生を防止することができ、表面シール片
の納まりが著しく安定し良好なものとなる。したがっ
て、目地部外観を均質にかつ美麗に仕上げることがで
き、また、防水性能も損なわれない。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施例である目地用ガスケットの
構成を示す横断面図である。

【図２】同ガスケットの構成を示す斜視図である。

【図３】同実施例の動作を説明するための説明図であ
る。

【図４】同実施例の動作を説明するための説明図であ
る。

【図５】同ガスケットの取付施工例を示す断面図であ
る。

【図６】従来のガスケットの一般的な構成例を示す図で
ある。

【図７】同ガスケットの取付施工例を示す断面図であ
る。

【図８】同ガスケットの取付施工例を示す断面図であ
る。

【符号の説明】

１ガスケット（目地用ガスケット）２芯材３ａ，３ｂ内部ひれ（内部シール片）４ａ表面ひれ（表面シール片）６ブリッジ片８壁パネル（壁材又は壁パネル）５目地

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】壁材又は壁パネルと隣の壁材又は壁パネ
ルとの間の目地に設けられる目地用ガスケットであっ
て、先端部から目地に挿入される芯材と、該芯材の両側面から後斜方向に延出して、前記目地の内
部にて目地を塞ぐ少なくとも一対の内部シール片と、前記芯材の後端部に設けられ、前記目地の表面側の位置
にて目地を塞ぐ表面シール片と、該表面シール片と前隣の一対の前記内部シール片とを前
記芯材の両側にて連結する一対のブリッジ片とからな
り、前記表面シール片の少なくとも表面は、凹状に湾曲して
形成されていることを特徴とする目地用ガスケット。