JPH06207012A - 導電性プラスチック材およびその製造方法 - Google Patents

導電性プラスチック材およびその製造方法

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JPH06207012A
JPH06207012A JP5218086A JP21808693A JPH06207012A JP H06207012 A JPH06207012 A JP H06207012A JP 5218086 A JP5218086 A JP 5218086A JP 21808693 A JP21808693 A JP 21808693A JP H06207012 A JPH06207012 A JP H06207012A
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ルオホーネン ヘイッキ
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Abstract

(57)【要約】 【目的】プラスチックの通常の溶融温度において溶融加
工が容易であり、また優れた、むらのない機械的特性を
有する導電性プラスチックを提供する。 【構成】ポリアニリンまたはその誘導体とプロトン酸と
の接触間または接触後に、金属化合物をも混和させるド
ープ化ポリアニリンをベースとするプラスチック材の製
造プロセス。該金属化合物は、好ましくはまず最初に第
1の酸と反応させ、その後で得られた生成物を、ポリア
ニリンまたはその誘導体と第2のプロトン酸により形成
されるブレンドまたは反応生成物と混合される。該方法
において、金属化合物としては例えば酸化亜鉛が用いら
れ、第1の酸としては好ましくは第2のプロトン酸と同
じ酸、すなわちドデシルベンゼンスルホン酸が用いられ
る。このようにして調製されたプラスチック混合物は、
好ましくは、ポリオレフィン等の熱可塑性ポリマーと混
合され、そこにおいて低い浸出しきい値を有する中性で
可塑性で安定なプラスチック材が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリアニリンまたはそ
の誘導体とプロトン酸とを接触させることによる、導電
性ポリマーまたはプラスチック材の製造方法に関する。
また本発明は、プロトン酸でドープしたポリアニリンま
たはその誘導体を含有する、溶融加工可能な導電性ポリ
マーまたはプラスチック材に関する。さらに、本発明
は、新規な添加剤、およびプロトン酸でドープされてい
るポリアニリンまたはその誘導体の a)中和、 b)可塑化、 c)浸出しきい値の低下、および/または d)安定化 のためのその添加剤の使用に関する。
【0002】
【従来の技術】今日、導電性ポリマーに関する多くの研
究が世界的に行なわれている。アキュミュレーター、感
知要素、スイッチ、光要素、回路板、加熱要素、静電気
放電エリミネーション(ESD)および電磁相互作用保
護(EMI)などの多くの応用において、これらのポリ
マーは、金属導体および半導体を交換する機会を提供す
る。金属と比較した導電性ポリマーの有利点は、例えば
その軽量性、機械的特性、耐食性およびセーパー合成お
よび加工法である。
【0003】導電性プラスチックは大まかに二つの概念
に分けることができる。すなわち、熱硬化性または熱可
塑性樹脂に、カーボンブラックまたは煤、炭素繊維、金
属粉等の導電性充填剤を添加した充満導電性プラスチッ
ク、および酸化または還元(ドーピング)により導電す
るようになっているポリマーである固有導電性プラスチ
ックに分けられる。
【0004】充満導電性プラスチックの導電率は、導電
性充填剤粒子の相互接触に依存する。良好な導電性を有
する合成物を提供するためには、通常約10〜50wt
%の十分に分散した充填剤が必要である。しかし、いず
れにしても、この種の伝導体合成物には問題がある。す
なわち、充填剤含有量の増加およびポリマー含有量の低
下に伴ってその機械的およびいくつかの化学的特性が決
定的に損なわれ、その導電性が特に半導体範囲において
制御困難になり、マトリックスプラスチック中でのその
充填剤の安定かつ均一な分散が困難になる。
【0005】固有(または真性)導電性ポリマーは、長
い共役二重結合または二重結合により形成される連鎖、
芳香族環および/または複素環を含有する有機ポリマー
から製造することができる。二重結合およびヘテロ原子
中の安定なΠ−およびΠ−p−電子系は、ある電子受容
体または供与体であるドーピングまたはブレンド物質を
ポリマーに添加することに損なわれ得る。ホールおよび
/またはエクストラ電子は、このようにして電流が共役
鎖に沿って移動できるようにしているポリマー鎖中に形
成される。
【0006】固有導電性ポリマーの有利点は、ドーピン
グ状態の関数としてのそれらの導電性の変動が容易であ
ることであり、それは低導電性の場合に特に発現され
る。導電性プラスチックを充填することにより、低い導
電性を得ることが困難になる。固有導電性ポリマーの例
としては、ポリアセチレン、ポリ−p−フェニレン、ポ
リピロール、ポリチオフェンおよびポリアニリンが挙げ
られる。いずれにしても、ほとんどの固有導電性ポリマ
ーの加工性安定性特性は、依然として記載の応用にそれ
らを用いることを可能にしてはいない。
【0007】固有導電性ポリマー(導電体として作用す
るであろう)および熱可塑性ポリマー(主に、合成物に
必要な機械的等の特性を付与するであろう)からなる混
和材料を溶融加工することが可能ならば、上記の充満導
電性プラスチック合成物と比較してさらに優れた特性を
有する導電性プラスチック材を製造することが可能であ
ろうことが予期できる。
【0008】技術的かつ経済的に有望な固有導電性ポリ
マーの一つとして、ポリアニリンおよびその誘導体が挙
げられる。アニリンポリマーはアニリン単位をベースと
しており、その窒素原子は以下の単位のベンゼン環中の
パラ−炭素に結合している。置換ポリアニリンは、ロイ
コエメラルジン、プロトエメラルジン、エメラルジン、
ニグルアニリンおよびトルプロトエメラルジン形態を含
む異なる形態で存在し得る。
【0009】いわゆるエメラルジン塩基形態のポリアニ
リンは、通常、分子式
【化1】 (式中、xは約0.5 である。)で表わされる。いずれに
しても、ポリアニリンは、ほとんど全ての他の固有導電
性ポリマーのように、加工における低いコンプライアン
ス、すなわち、ポリマーから望ましい形態を有する物
体、フィルム、繊維などを形成することが困難である、
という問題がある。
【0010】ポリアニリンは当業界でよく知られてお
り、例えばポリアニリンをプロトン酸と接触させること
を基本とする、このポリマーの電気的伝導性形態の製造
が開示されている(Green, A.G., and Woodhead, A.E.,
"Aniline-black and Allied Compounds, Part 1" J. C
hem. Soc., Vol. 101, pp. 1117 (1912)、Kobayashi, e
t al., Electrochemical Reactions... of Polyaniline
Film-Coated Electrodes, "J. Electroanl. Chem., Vo
l. 177, pp. 281-91 (1984) 、米国特許第3,963,498
号、同4,025,463 号および同4,983,322 号、米国特許出
願整理番号第714,165 号)。そのような開示されている
プロトン酸の典型的な例としては、HCl、H2 SO
4 、R1 −SO3 Hタイプのスルホン酸、リン酸などが
挙げられる(Chiang, J.-C. and MacDiarmid, A.G., "Po
lyaniline: Protonic Acid Doping of the Emeraldine
Form to the Metallic Regime", Synthetic Metals, Vo
l. 13, p. 196 (1986)、Salaneck, W.R. et al., "A Tw
o-Dimensional-Surface "State"Diagram for Polyanili
ne", Synthetic Metals, Vol. 13, p. 297 (1986):こ
こにおいて引用文献とする。)。そのような酸はポリア
ニリンと複合体を形成し、一般的には電気伝導度が10
3 S/cm以上を示す。このように、電気的特性は、こ
れらのいわゆる「ドープ」されたポリアニリンおよびそ
れらのブレンドおよび通常の絶縁バルクポリマーを有す
る化合物を、現在のところは金属またはカーボンブラッ
ク充満系で間に合わせている様々な帯電防止およびシー
ルドの応用に好適にする。
【0011】ポリマーを加工するための二つの重要な加
工方法がある。すなわち、溶融加工と溶液加工である。
導電性ポリマーの加工上の困難点は、ポリマーを加熱す
ることにより熱的分解がポリマーの溶融または可塑の前
に始まることに原因している。導電性ポリマーの溶液加
工の問題は、固有導電性ポリマーの通常の工業的溶媒に
対する低い溶解性である。もう一つの問題は、溶液加工
により、溶媒を蒸発させることが可能であるフィルムお
よび繊維の形成が実に可能にはなるが、溶液加工は一般
的に用いられる成形片の製造には適していないことであ
る。
【0012】工業的活動における有用で実用的な溶液へ
の最良のアプローチは、米国特許第5,006,278 号、国際
出願第8901694 号、同9013601 号、同9010297 号、同90
01775 号および米国特許第5,002,700 号により示され
る。これらの特許明細書の中でも、米国特許第5,006,27
8 号は、溶媒、ドーピング剤およびポリアニリンを一緒
に混合することにより作られている導電性生成物を開示
しており、そこにおいて該溶媒は混合物から除去されて
いる。特許明細書国際出願第8901694 号は、スルホン酸
でドープされた加工可能なポリアニリンを示している。
その特許のポリアニリンは、導電性ポリマーを、例えば
以下のマトリックスプラスチック、すなわちPE(ポリ
エチレン)、PP(ポリプロピレン)、PA(ポリアミ
ド)で加工する場合に有用である。特許明細書国際出願
第9013601 号において、ポリマー混合物は、まず適当な
溶媒中でポリアニリンとドーピング剤の混合物を混合
し、その後で該溶媒を蒸発させることにより製造され
る。該ドーピング剤は芳香族マルチスルホン酸である。
この本明細書によれば、ドーピングは通常20〜25℃
の温度で行なわれる。ドーピングは不均一な反応として
行なうことができ、続いて適当な溶媒中での混合物の溶
解が行なわれる。加工は、溶媒が已然として存在してい
る間に行なわれる(第15頁23行目)。
【0013】ポリアニリンの導電形態は、例えばポリア
ニリンをプロトン酸に接触させることにより製造される
(例えば米国特許第3,963,498 号、同4,025,463 号およ
び同4,983,322 号)。プロトン酸は、ポリアニリン複合
体と共に、通常約10-3S/cm以上のオーダーの導電
率を形成する。典型的なプロトン酸は、例えばHCl、
2 SO4 、HNO3 、HClO4 、HBF4 、HPF
6 、HF、リン酸、スルホン酸、ピクリン酸、n−ニト
ロ安息香酸、ジクロロ酢酸および重合性酸である。
【0014】特許明細書国際出願第9010297 号、米国特
許第5,002,700 号および欧州特許第152 632 号からは、
ポリアニリンのドーピング剤としてドデシルベンゼンス
ルホン酸を用いることが知られている。特許明細書国際
出願第9001775 号は、ポリアニリンのドーピング剤とし
て、他のスルホン酸と比較して優れた熱的安定性を有利
点として有するマルチスルホン酸を示している。この国
際出願の特許明細書の実施例において、20〜25℃の
ドーピング温度および大気圧が用いられており、ドーピ
ングはポリアニリンとスルホン酸のギ酸水溶液への懸濁
として行なわれる。
【0015】当技術の先の刊行物において、様々なポリ
アニリン誘導体について、さらにポリアニリンの溶液お
よび溶融加工についても、どのような方法が適用可能で
あるかについて広く議論されている。しかし、そのよう
な刊行物の実施例においては、適当なドーピング剤で前
プロトン化されているポリアニリンについて、わずかに
数種類の溶液加工条件のみが見いだされたにすぎなかっ
たことが示されている。これらの刊行物の全ての実施例
において、ポリアニリンとドーピング剤との混合物を均
質化するために、該混合物は安定な溶媒に溶解されなけ
ればならない。これは、重合性生成物を十分に均質かつ
導電性にするためには、明らかに必要である。いずれに
しても、当技術分野において、溶融加工に特異的であ
り、実施例により実証されている適当な溶媒は全く提案
されていないことは明白である。
【0016】当技術分野において、ポリアニリンをベー
スとするポリマーブレンドを、通常のプラスチック加工
技術を用いて加工することが実に示唆されている(Plas
ticsTechnology 37 (1991): 9 p. 19-20, 22)。しかし
ながら、実際にそのポリアニリンは、非導電性ポリマー
のマトリックス中に分散する小さな固体粒子として現わ
れ、このプラスチック生成物の加工は、例えば特許明細
書欧州特許第168620号および同第168621号による特別な
分散加工技術を必要とする。さらに、浸出しきい値は非
常に高い。以下で用いられているように、浸出しきい値
は、絶縁マトリックスポリマーを有するブレンドに10
-6S/cm以上の導電率を付与するのに必要な、導電性
化合物の重量フラクションとして定義される。従って、
ポリ(ビニルクロライド)に分散している固体ポリアニ
リン粒子の前記ブレンドにおいて、浸透しきい値は約1
5重量%を上回っていた。そのような高い導電性ポリア
ニリン粒子の含有量は望ましくない。何故ならば、それ
は経済的ではなく、さらに、純粋なマトリックスポリマ
ーと比較して該ブレンドの機械的特性を実質的に改変す
るであろうからである。
【0017】この溶融加工にも、ドープ化ポリアニリン
またはポリアニリンとドーピング剤との混合物はたった
一度しか溶融加工できない、という問題がある。このこ
とにより、溶融加工できる均質な物質は、例えば顆粒状
の形態に製造することが不可能になる。このように、先
の溶融加工組成物の成分は、最終形態に溶融加工する前
に機械的に混合することしかできない。そのような方法
により得られるプローブは導電性がバラバラであり、不
均一な品質である。
【0018】当技術から明らかなように、エメラルジン
塩基形態のポリアニリンとドーピング剤(例えばドデシ
ルベンゼンスルホン酸)を一緒にさらに混合するだけで
は、均質なドープ化ポリアニリンの提供には不十分であ
る。いわゆる前プロトン化ポリアニリン/ドーピング剤
混合物は混合操作により形成される。この液体混合物ま
たは分散物は不確実で、汚染性で、強い腐食性があり、
かつ取り扱いが困難である。先行する刊行物において、
ポリアニリンのドーピングするための適当混合は、混合
物の成分を同じ溶媒に分散することにより実現されてい
る。
【0019】上記で議論されているドーピングに関連す
る一つの問題は、ドープ化ポリアニリンと熱可塑性ポリ
マーからの合成物質の製造にも反映される。したがっ
て、ポリアニリンと、例えばドーピング剤として作用す
るDBSAを熱可塑性ポリマーと一緒に混合しても、溶
融加工に適する均質な試料にはならないと思われる。こ
の方法でつくられたテストサンプルは、異なる流動痕
跡、気泡および割れなどの視覚的な欠点を有していた。
さらに、その表面は酸性であった。この問題は、ポリア
ニリン、ドーピング剤および/またはドープ化ポリアニ
リンと熱可塑性ポリマーとの溶融加工条件下における相
溶性の低さに関係する。
【0020】低い相溶性および加工性の結果、望ましい
導電率レベルのプラスチック混合物を得るために、比較
的高いポリアニリン含有量が必要となるか、あるいはい
わゆる浸出しきい値が高くなる。ここにおいて「浸出し
きい値」とは、任意の形態における導電性ポリマーの重
量フラクションを意味し、その重量フラクションによ
り、プラスチック材は少なくとも10-6S/cmの導電
率に到達する。通常の浸出しきい値、すなわち上記の導
電性に必要な含有量は約15〜20wt%である。
【0021】加工性および導電性に関する上記の問題
は、導電性ポリアニリン複合体およびその異なるポリマ
ーブレンドの製造プロセスに関するフィンランド特許出
願第915760号において部分的に解決されている。そのプ
ロセスによれば、ポリアニリンまたはその誘導体と有機
スルホン酸またはその誘導体とのブレンドまたは反応生
成物が形成され、続いて混合装置内で熱的に処理され
る。この方法で処理されている該ブレンドまたは反応生
成物から、視覚的な流動痕跡または他の表面の欠陥を生
じることなしに、それ自身あるいは熱可塑性ポリマーと
共に均質な部分を形成でき、かつ同時に比較的低い浸出
しきい値または異なる応用に十分な導電性を有する乾燥
物質が得られる。
【0022】問題となる、容易に溶融加工可能な導電性
プラスチック材は、ポリアニリンまたはその誘導体を有
機スルホン酸と混合し、そして得られた反応生成物また
はブレンドを約+40℃〜+250℃の温度で熱的に処
理するようにして製造される。ポリアニリンまたはその
誘導体およびスルホン酸の前プロトン化混合物は、不確
実で汚染性で腐食性の強く、かつ取り扱いが困難であ
る、未処理時には液体の混合物または懸濁物であるが、
熱的処理により、均質で、固体で、比較的安定で、かつ
取り扱いの容易な粉末または顆粒に変化する。
【0023】しかしながら、プロトン酸でドープされた
ポリアニリンは、過剰のプロトン酸を含有している場合
にのみ有用であることが示されている。これは、一方で
は、過剰のプロトン酸が効果的なドーピングを生成する
こと、また一方では、プロトン酸がドープ化ポリアニリ
ンを溶融加工可能にする可塑剤として作用することによ
るものである。いずれにしても、ドープ化ポリアニリン
が酸性であることは、その使用を多大に妨げるものであ
る。溶融加工装置は腐食され、得られる生成物は他のブ
レンド成分およびその周囲を腐食し汚染する。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来、
プロトン酸でド−プされているポリアニリンを用いる方
法にあっては、十分に加工可能であるものは加工装置を
損傷させたり、その最終生成物が周囲を損なう程に酸性
であり、如何にしてプラスチック材の溶融加工性及び中
和性を両立させるかが非常に困難であった。本発明の目
的は、ポリアニリンまたはその誘導体およびプロトン酸
から、プラスチックの通常の溶融温度、すなわち約30
0℃未満の温度で溶融加工が容易である導電性プラスチ
ック材を製造するためのプロセスを提供することであ
る。良好な加工可塑性に加えて、優れた、むらのない機
械的特性を有する導電性プラスチック材生成物も目的と
する。本発明は、中性または実質的に中性である、すな
わちpH値が約5〜8のオーダーである導電性プラスチ
ック材をも目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】本発明のもう一つの局面
によれば、プロトン酸でドープされたポリアニリン成
分、および前記ポリアニリン成分と相溶可能な溶融加工
可能な熱硬化性、熱可塑性または弾性重合性ポリマー成
分の二つからなる導電性プラスチック材、および記載の
プラスチック材の製造プロセスが提供される。導電性プ
ラスチックブレンドの場合、相溶性および溶融加工性の
測定は、例えば上記の浸出しきい値であり、ここにおけ
るその目標値は、プロトン酸でドープされているポリア
ニリンがその付加物を含めて約15wt%未満である。
最終目的は、加工中および最終生成物として安定な導電
性プラスチック材、およびそのような材の製造プロセス
である。
【0026】本質的に中性であり同時に導電性である本
発明の好ましい具体例は、プラスチック材に関するもの
であるが、本発明は決してこれに限定されるものではな
い。本発明は、可能であるか、または所望により、大き
なpH間隔においても適用可能である。このプラスチッ
ク材は、好ましくは、外界と接触している場合、例えば
EMIおよびESIシールド応用において中性またはほ
とんど中性である。バッテリーのような電気化学的応用
等の閉鎖系においては、そのpHは酸性から塩基性へと
大きく変動する。
【0027】上記の目的は、導電性プラスチック材の製
造のための新しいプロセスと共に今や達成され、そのプ
ロセスは主に特許請求項1の特徴部分において述べられ
ていることを特徴とする。したがって、プロトン酸でド
ープされたポリアニリンからなるプラスチック材は、ポ
リアニリンまたはその誘導体とプロトン酸を接触付近ま
たは接触後で金属化合物も添加した場合、可塑性で、中
性で、より導電性で、ブレンドとしてさらに安定であり
得ることが理解される。同様に、プロトン酸でドープさ
れているポリアニリンまたはその誘導体を金属化合物で
処理することにより、プロトン酸でドープされているポ
リアニリンまたはその誘導体からなる溶融加工可能な、
非酸性かつ導電性のプラスチック材が提供できる。本発
明はさらに、前記金属化合物またはその誘導体の、プロ
トン酸でドープされたポリアニリンの添加物としての使
用に関し、該添加物はプロトン酸でドープされた該ポリ
アニリンまたはその誘導体を中和、可塑化および安定化
し、かつプロトン酸でドープされた該ポリアニリンまた
はその誘導体と非導電性熱可塑性ポリマーにより形成さ
れるブレンドの浸出しきい値をかなり低下させる。
【0028】本発明により用いられるポリアニリンは、
非置換ロイコエメラルジン、プロトエメラルジン、エメ
ラルジン、ニグルアニリンまたはトルプトロエメラルジ
ン形態等のプロトン酸でのドーピングにより導電性ポリ
マーとして作られ得る任意のポリアニリン質のものが使
用可能である。いずれにしても、好ましいポリアニリン
はエメラルジン塩基形態であり、その構造は本発明の記
載に関連する上記で表わされる。置換アニリンから作ら
れるポリマー、または簡便なポリアニリン置換体、すな
わち化学的に修飾されたポリアニリンなどのポリアニリ
ン誘導体も議論され得る。
【0029】本発明によるプロトン酸は、ポリアニリン
またはその誘導体をドーピングする任意のタイプのプロ
トン酸が使用できる。典型的なプロトン酸は、HCl、
2SO4 、HNO3 、HClO4 、HBF4 、HPF6
、HF、リン酸、スルホン酸、ピクリン酸、m−ニト
ロ安息香酸、ジクロロ酢酸および重合性酸である。特に
好ましいプロトン酸は、芳香族スルホン酸などの有機ス
ルホン酸であり、特にドデシルベンゼンスルホン酸(D
BSA)が好ましい。
【0030】ポリアニリンまたはその誘導体とプロトン
酸の接触付近または接触後に、金属化合物を添加する
が、それは、ドープ化ポリアニリンをほとんど酸性でな
くし、より容易に溶融加工できるようにし、より良くブ
レンド可能な導電性プラスチックにし、さらにより安定
にする任意の金属化合物も使用可能である。金属化合物
はかなり変動させることができ、中和をより強調するか
どうかにより、マグネシウム、バリウムまたはカルシウ
ム等の金属化合物が議論され、また安定化作用を強調す
る場合には、むしろ亜鉛、銅、アルミニウム、チタン、
鉄またはジルコニウム等の金属化合物が議論される。カ
ドミウム、鉛およびスズの化合物でさえ議論することが
できる。金属化合物と数種の金属の化合物とのブレンド
も本発明には好適である。
【0031】化合物としては、酸化物、水酸化物、ハロ
ゲン化物などが挙げられる。ステアリン酸塩、炭酸塩、
リジノール酸塩、パルミチン酸塩、オクタン酸塩、ラウ
リン酸塩、フェノラート、マレイン酸塩およびオクチル
チオグリコラートも使用できる。重要な化合物は、金属
化合物と酸の縮合生成物であり、該縮合化合物は融点が
300℃未満である。
【0032】本発明のこの段階において、最も好ましい
金属化合物は、亜鉛、銅、カルシウムまたはマグネシウ
ムをベースとする化合物であると判明している。最も好
ましい金属化合物は、ステアリン酸亜鉛または酸化亜鉛
などの亜鉛をベースとする化合物である。前記化合物と
して最も好ましいのは酸化物および水酸化物であり、最
も好ましいのは酸化物である。中でも酸化亜鉛(Zn
O)が最も好ましい。
【0033】本発明の一つの具体例によれば、金属化合
物は、プロトン酸によりドープされているポリアニリン
に添加され、フィンランド特許出願第915,760 号に従っ
て、約40〜250℃の温度で、好ましくは約100〜
200℃の温度で熱的に処理されている(該文献はここ
において引例として加入する)。この方法において、ド
ープ化されたポリアニリンができるだけ溶融加工可能な
状態で混合されるような溶融混合装置を混合に用いこと
も好ましい。
【0034】プロトン酸でドープされたポリアニリンに
金属化合物を添加する場合、金属化合物のプロトン酸に
対するモル比は約1:0.1 〜1:1.1 の間、好ましくは
約1:0.5 〜1:0.7 の間である。この関係において、
金属化合物の一つの機能がプロトン酸でドープされたポ
リアニリンを中和することであることに注目すべきであ
る。なぜならば、該ポリアニリンは非常にしばしば化学
量論的量以上のプロトン酸を含有するからである。一つ
の具体例によれば、ポリアニリンまたはその誘導体のプ
ロトン酸に対するモル比は約1:0.1 〜1:1.1 の間、
好ましくは約1:0.5 〜1:0.7 の間である。ポリアニ
リンのモル量はアニリン単位の数として算出される。
【0035】本発明の好ましい具体例によれば、まず最
初に金属化合物を第1の酸と反応させ、その後得られた
生成物をポリアニリンまたはその誘導体と第2のプロト
ン酸により形成されるブレンドまたは反応生成物と接触
させる。本発明の最良の具体例によれば、すでにプロト
ン酸でドープされているポリアニリンに添加する前に、
まず金属化合物を酸と反応させる。
【0036】金属化合物が反応させられる第1の酸は、 a)ドープ化ポリアニリンを実質的に中和するブレンド
および/または反応生成物を金属化合物と共に形成し、
そこにおいて、典型的な反応生成物としては、強塩基と
弱酸の緩衝塩、中和金属塩基からなる塩、複合体および
縮合生成物が挙げられるような酸、 b)溶融加工可能で、好ましくはプラスチックの溶融加
工温度、すなわち約300℃未満で液体であるブレンド
または反応生成物を金属化合物と共に形成するような
酸、 c)プロトン酸でドープされているポリアニリンの可塑
剤を金属化合物と共に形成し、該可塑剤が該ドープ化ポ
リアニリンと相溶可能であり、その溶融加工中およびそ
の使用と同時に可塑化するような酸、および/または d)ドープ化ポリアニリンを安定化し、かつ該ポリアニ
リンからのプロトン酸(ドーピング剤として作用する)
の脱離を防ぎ、脱離したプロトン酸をドープ化ポリアニ
リンを含有するプラスチック生成物の表面に移動するの
を防ぐような添加物を金属化合物と共に形成する酸 の如何なるものでもよい。
【0037】金属化合物およびいわゆる第1の酸により
形成される生成物に要求される上記特性の結果、プロト
ン酸でドープ化されているポリアニリンまたはその誘導
体を含有するプラスチックブレンドの浸出きしい値、す
なわちプラスチックブレンドの導電性が10-6S/cm
を越えるドープ化ポリアニリンの重量フラクションは、
20wt%レベルまで低下する。本発明の一つの具体例
によれば、ポリマーまたはプラスチック材は、前記プロ
トン化ポリアニリンの重量フラクションが約0.05、好ま
しくは約0.02、さらに好ましくは約0.01未満で、少なく
とも約10-8S/cmの電気伝導率を有する。
【0038】この関係において、金属化合物と混合され
る酸は、ポリアニリンのドーピング剤として用いられる
プロトン酸と同じ酸である必要はないが、唯一の基準は
少なくとも一つの上記条件が満足されることである、と
いうことに注目することは重要である。「第1の酸」に
ついて述べる時、ドープ化ポリアニリンの添加物として
の金属化合物が反応する酸が問題となる。第1の酸と区
別するため、ポリアニリンのドーピング剤は「第2のプ
ロトン酸」と呼ばれる。
【0039】一つの具体例によれば、第1の酸も、構造
式IおよびII:
【化2】 または
【化3】 (式中、Aは、スルホン酸、セレン酸、リン酸、ホウ酸
またはカルボン酸であり、好ましくはスルホン酸または
カルボン酸であり、最も好ましくはスルホン酸であり;
nは、0〜5の整数であり、好ましくは1〜5、より好
ましくは1〜3、最も好ましくは1〜2の整数であり;
mは、0〜4の整数であり、但しn+mの合計が5であ
り;R1は、5〜20の炭素原子を含有するアルキル、
アルケニル、アルコキシ、アルカノイル、アルキルチ
オ、アルキルチオアルキル、または0〜20、好ましく
は3〜12のの炭素原子をアルキルまたはアルコキシ中
に含有するアルキルアリール、アリールアルキル、アル
キルスルフィニル、アルコキシアルキル、アルキルスル
ホニル、アルコキシカルボニル、カルボン酸;または3
〜20、好ましくは6〜20の炭素原子を含有し、かつ
スルホン酸、カルボン酸、ハロゲン化物、ニトロ、シア
ノ、ジアゾまたはエポキシで置換されているアルキルで
あり、R1は好ましくは6〜14の炭素原子を含有する
アルキル、アルケニル、アルコキシ、またはアルキルの
中に3〜12の炭素原子を含有するアリールアルキル、
または6〜12の炭素原子を含有し、かつカルボン酸、
ハロゲン化物、ジアゾまたはエポキシで置換されている
アルキルであり;Rは、アルキル、アルケニル、アルコ
キシ、シクロアルキル、シクロアルケニル、アルカノイ
ル、アルキルチオ、アリールオキシ、アルキルチオアル
キル、アルキルアリール、アリールアルキル、アルキル
スルフィニル、アルコキシアルキル、アルキルスルホニ
ル、アリール、アリールチオ、アリールスフィニル、ア
ルコキシカルボニル、アリールスルホニル、カルボン
酸、ハロゲン化物、シアノ、またはスルホン酸、カルボ
ン酸、ハロゲン化物、ニトロ、シアノ、ジアゾまたはエ
ポキシで置換されているアルキルであり、Rは好ましく
は4〜12の炭素原子を含有するアルキル、アルコキシ
またはアルキルスルホニル、またはハロゲン化物で置換
されているアルキルである。)で示される酸のようなプ
ロトン酸である。
【0040】構造式IおよびIIのあらゆるプロトン酸の
中で最も好ましいのは、該式において:Aがスルホン酸
であり;nが1または2であり;mが3または4の整数
であり、但しn+mの合計が5であり;R1が6〜14
の炭素原子を含有するアルキルまたはアルコキシ、また
は6〜12の炭素原子を含有し一つ以上のハロゲン化物
で置換されているアルキルであり;Rが4〜12の炭素
原子を含有するアルキルまたはアルコキシ、または一つ
以上のハロゲン化物で置換されているアルキルであるも
のである。好ましい第1のプロトン酸は、スルホン酸、
セレン酸、リン酸、ホウ酸、カルボン酸、水素硫酸塩、
水素セレン酸塩および水素リン酸塩であり、中でも特に
好ましいのはスルホン酸、リン酸およびカルボン酸であ
り、最も好ましいのはスルホン酸であり、中でも芳香族
スルホン酸である。金属化合物と反応すべき最も好まし
い第1の芳香族スルホン酸はドデシルベンゼンスルホン
酸である。
【0041】本発明により用いられる金属化合物は、第
1および第2のプロトン酸の両方としばしば反応し、そ
こにおいて酸の全量に対するそのモルフラクションは生
成物の品質に影響する。本発明の一つの具体例によれ
ば、金属化合物の酸の全量(第1の酸+第2のプロトン
酸)に対するモル比は約1:1〜1:4の間、好ましく
は約1:2.2 〜1:2.7 の間である。いずれにしても、
最も決定的な面は、その比率において金属化合物が第1
の酸と反応することである。なぜならば、それらにより
形成されるポリマー添加物は、ドープ化ポリアニリンを
含有するプラスチックブレンドに決定的な影響を有する
からである。金属化合物と第1の酸とのモル比は、本発
明の一つの具体例によれば、約1:0.5 〜1:2、好ま
しくは約1:1〜1:2である。
【0042】金属化合物および第1の酸は、原則的に、
非常に様々な反応条件下で互いに反応できるが、好まし
くは、その混合物を約50〜200℃の温度まで、好ま
しくは約130〜180℃まで加温することにより互い
に反応させる。金属化合物と第1の酸を、温めた溶融混
合装置内で互いに混合することも好ましく、その装置は
プラスチック用で、例えばニーダー、コンパウンダーま
たはスクリューミキサー等が用いうる。
【0043】次に、金属化合物と第1の酸の反応生成物
を、ポリアニリンまたはその誘導体と第2のプロトン酸
とのブレンドまたは反応生成物と混合する。一つの具体
例によれば、好ましくはエメラルジン塩基形態であるポ
リアニリンは、他のプロトン酸で前ドープされており、
それらの間のモル比は約1:0.1 〜1:1.1 、好ましく
は1:0.5 〜1:0.7 のオーダーである。最も好ましく
は、金属化合物をまず最初に第1の酸と反応させて金属
含有反応生成物とし、それからその生成物を第2のプロ
トン酸でドープされたポリアニリンと反応させて、最終
の導電性プラスチック材を得る。その時、ポリアニリン
またはその誘導体と第2のプロトン酸の混合物または反
応生成物を約40〜250℃の温度で、好ましくは約1
00〜200℃の温度で熱的に処理することにより、そ
れらのブレンドまたは反応生成物を製造することも好ま
しい。
【0044】用いられる第2のプロトン酸は、当分野で
通常公知であるポリアニリンの酸性のドーピング剤であ
り、本発明は、ポリアニリン(またはその誘導体の)ド
ーピング剤が、金属化合物と反応する前記第1の酸と同
一または異なるにかかわらず、ドーパントとして好適な
任意のプロトン酸が用いられるプラスチックブレンドお
よびその製造方法も指示する。しかし、第2のプロトン
酸の一つの具体例によれば、第1の酸、すなわち上記構
造式IまたはIIのプロトン酸と同一である。
【0045】本発明の観点から考えると、ポリアニリン
またはその誘導体と第2のプロトン酸とをニーダー、コ
ンパウンダーまたはスクリューミキサーのような温めた
プラスチック剤用溶融混合装置等内で互いに混合しする
ことにより、それらのブレンドまたは反応生成物を製造
することが好ましい。
【0046】金属化合物および第1の酸により形成され
る生成物と、ポリアニリンまたはその誘導体および第2
の酸により形成される生成物とを混合する場合、第1の
生成物、いわゆる添加生成物と、ドープ化ポリアニリン
またはその誘導体により形成される第2の生成物のモル
比が約1:0.1 〜1:4、好ましくは約1:0.5 〜1:
1であることが好ましい。この結合は、好ましくは約5
0〜200℃の温度、より好ましくは110〜150℃
の温度で、さらに好ましくはニーダー、コンパウンダー
またはスクリューミキサー等の溶融混合装置を用いて行
なわれる。金属化合物および第1の酸により形成される
生成物と、ポリアニリンまたはその誘導体および第2の
プロトン酸により形成される生成物とが混合される場
合、該金属化合物は好ましくは亜鉛化合物であり、さら
に好ましくは酸化亜鉛である。さらに、該第1の酸は好
ましくはプロトン酸であり、より好ましくは第2のプロ
トン酸と同一であり、さらに好ましくは有機スルホン酸
であり、全ての中で最も好ましいのはドデシルベンゼン
スルホン酸である(選択のための上記を参照)。
【0047】ポリアニリンのプロトン酸でのドーピング
は、溶液中または分散系中で行なうこともできる。その
時、ポリアニリンは、例えばN−メチルピロリドン、ジ
メチルホル厶アミドまたはジメチルスルホキシド等の極
性溶媒に溶解され、プロトン酸でドープ化されなければ
ならない。分散系におけるドーピングは、ドーピング剤
が媒質中に溶解され、ポリアニリンがその媒質中に分散
されるようにして行なわれる。
【0048】上記のプロセスは、他の成分がプラスチッ
クブレンドに含有されることによらず、金属化合物と第
1の酸により形成される添加物、およびプロトン酸によ
りドープ化されるポリアニリンからなるような導電性プ
ラスチック剤の製造のために開示されている。いずれに
しても、ポリアニリンまたはその誘導体、酸および金属
化合物により形成されるブレンドまたは反応生成物を、
熱可塑性で溶融加工可能な熱硬化性または溶融加工可能
な弾性重合性ポリマーと混合して、導電性プラスチック
混合物またはブレンドを調製することが好ましい。その
時、上記成分がポリマーと相溶可能であり、およそ同じ
温度で溶融加工可能であるように選択されることが重要
である。これは、上記成分を、どのポリマー成分が選ば
れるかにより限定される開示範囲内で様々に変えること
ができ、またその逆も可能であることを意味する。その
ポリマーとしては、熱硬化性または弾性重合性ポリマー
を挙げることができるが、好ましくは、例えば、ポリエ
チレンまたはポリプロピレンのようなオレフィンをベー
スとするホモまたはコポリマー、スチレンをベースとす
るホモまたはコポリマーまたはその誘導体またはそれら
の混合物、ビニルホモポリマーまたはコポリマーまたは
それらの混合物、アクリルホモポリマーまたはコポリマ
ーまたはそれらの混合物であり得る熱可塑性ポリマー、
またはポリエステルまたはポリアミドのような熱可塑性
縮合ポリマーである。
【0049】ドープ化ポリアニリンをその添加物および
熱可塑性ポリマーと混合してプラスチックブレンドを得
る場合、ポリアニリンまたはその誘導体、酸および金属
化合物により形成されるブレンドまたは反応生成物の導
電性プラスチック混合物全体に対する割合が1〜50w
t%の範囲である得るようにすることが好ましいが、好
ましくは約1〜25wt%、さらに好ましくは約5〜1
5wt%の範囲である。ポリアニリンの割合のみを算出
する場合、それは好ましくは0.1 〜10wt%であり、
最も好ましくは2〜4wt%である。熱可塑性ポリマー
との結合は、好ましくは約80〜300℃の温度、最も
好ましくは約130〜200℃の温度で行なわれる。そ
の時、混合がニーダーまたはスクリューミキサーなどの
溶融混合装置により行なわれることも好ましい。
【0050】本発明は、プロトン酸でドープされている
ポリアニリンまたはその誘導体からなり、かつプロトン
酸でドープされている該ポリアニリンまたはその誘導体
が金属化合物で処理されていることを特徴とする溶融加
工可能な導電性プラスチック材にも関連するものであ
る。記載の成分に、本発明による開示またはプロセスに
関連して提示されている同様の定義を適用する。同様の
定義をそれらの混合物および反応パラメーターおよび加
工方法に適用する。金属化合物および第1の酸により形
成される生成物、すなわち添加物は、最も好ましくは3
00℃未満で溶融加工可能である縮合生成物である、と
述べることができる。そのような好ましい縮合生成物
は、例えば、酸化亜鉛とドデシルベンゼンスルホン酸と
の反応生成物である。このようにして形成された複合体
は溶融加工可能であり、その融点は115℃である。
【0051】このようにして形成された本質的に中性で
ある複合体は、さらにフィンランド(FI)特許出願第
915760号による固化ポリアニリン複合体と溶融混合でき
る。試験において、ポリアニリン/ドーピング剤の比率
は、その加工性を損われるであろうことなしに、1:0.
5 の値にまで低下させることができることに注目され
る。何故ならば、中和剤により形成される複合体は可塑
剤として作用するからである。もしも導電性ポリアニリ
ン複合体が遊離のドーピング剤を含有すること(すなわ
ち、該複合体が酸性であること)を期待すべきであるな
らば、中和剤または金属化合物により形成される複合体
を調製する際に、過剰の未反応金属化合物を混合物に添
加することができ、その未反応金属化合物は、導電性ポ
リアニリンに混合する際に遊離のドーピング剤と反応す
る。
【0052】本発明はまた、記載の金属化合物および記
載の第1の酸から製造されているポリアニリンまたはド
ープ化ポリアニリンの新規な添加物、およびプロトン酸
でドープされているポリアニリンまたはその誘導体の a)中和、 b)可塑化、 c)浸出しきい値の低下、およびまたは d)安定化 のための金属化合物と酸との反応生成物の使用にも関連
するものである。該金属化合物が酸化亜鉛であり、該酸
がスルホン酸、特にドデシルベンゼンスルホン酸である
ことが好ましい。
【0053】好ましい具体例における本発明は、中性ま
たは実質的に中性であるプラスチック剤に関するもので
あるが、本発明はこれに限定されるものではない。本発
明は、その使用が許容され、かつ必要であれば、広いp
H範囲にも適用することができる。このプラスチック剤
は、例えばEMIまたはESI保護物体などにおいて外
界周囲と接触しなければならない場合には、好ましくは
中性またはほとんど中性である。アキュムレーターのよ
うな電気化学的応用などの閉鎖的な対象において用いら
れる場合、プラスチック剤のpH値は、酸性から塩基性
へと非常に広い範囲内で変動させることができる。
【0054】本発明の導電性プラスチック剤の製造によ
る、上記に提示された最も好ましい添加の順序は、決し
て可能な添加順序だけではない。一つの具体例によれ
ば、プロトン酸でドープされたポリアニリンは金属化合
物と一緒に混合装置に添加され、第1の酸は次の段階に
なってから添加する。別の具体例によれば、金属化合物
および第1の酸により形成されるブレンドまたは反応生
成物は、実質的に純粋なポリアニリンと一緒に混合装置
に添加され、他のプロトン酸は次の段階までは添加しな
い。第3の具体例によれば、ポリアニリンおよび第2の
プロトン酸の非固化混合物を最初の段階で添加し、その
後で金属化合物と第1の酸との非固化混合物をミキサー
に添加するが、そこにおいて全ての反応は同一のミキサ
ー中で行なわれる。添加の順序は勿論その逆にすること
もできる。さらに別の具体例によれば、固化されている
ポリアニリン、すなわちプロトン酸でドープされている
ポリアニリンは、固化した、すなわち反応した金属化合
物と一緒にミキサーに添加され、過剰量のプロトン酸は
次の段階になってから添加する。
【0055】固化または反応ドープ化アニリンを最初に
ミキサーに添加し、その後で金属化合物と第1の酸の未
反応混合物を添加することも可能であり、そこにおいて
金属化合物および第1の酸との反応は、ドープ化ポリア
ニリンが中和および/または可塑化されるのと同じよう
に行なわれる。同様に、固化または反応金属化合物およ
び第1の酸を最初にミキサーに添加し、その後で未反応
ポリアニリンおよび第2のプロトン酸との混合物を添加
することも可能であり、そこで該混合物はドープ化ポリ
アニリンと反応し、かつ該ミキサー内で金属化合物と第
1の酸との生成物と共に中和および/または可塑化され
る。
【0056】さらに別の方法によれば、ミキサーに、純
粋な乾燥金属化合物、および次の段階でポリアニリンお
よび第1および第2のプロトン酸の溶液または未反応混
合物を添加することが可能である。それと同時に、ポリ
アニリンの中和および最終的なドーピングが行なわれ
る。また、ミキサーに、ポリアニリン、金属化合物およ
び第1の酸の未反応溶液を添加し、第2のプロトン酸を
次の混合段階になってから添加することも可能である。
ポリアニリンが最初に混合装置に添加される時、乾燥酸
化亜鉛もそれと一緒に添加するか、あるいはその後で乾
燥酸化亜鉛を酸と一緒に未反応の状態で添加することが
できる。
【0057】
【実施例】以下に、本発明を行なうためのいくつかの実
施例を示すが、これらの実施例は単に本発明を説明する
ためのものにすぎない。 実施例1 0.2 gの粉末酸化亜鉛(ZnO)および0.6 gの液体ド
デシルベンゼンスルホン酸(ZnO:DBSA=1:3
w/w)を一緒に混合した。この混合は分散ミキサーを
用いて行なわれた。その後、得られた混合物をプラスチ
ック用加工装置内で混合により150℃で加熱して固化
した。ZnOとDBSAの生成物として、白色の反応生
成物を得た(融点115℃)。得られたZnO−DBS
A反応生成物をグラインダーまたはグラニュレーターを
用いて粉々にして粉末/顆粒を得た。
【0058】その後、記載の反応生成物を、酸性ポリア
ニリン(PANI)−DBSA生成物(複合体)および
熱可塑性マトリックス樹脂顆粒に混和した。その固体の
PANI−DBSA複合体は、PANIおよびDBSA
を重量比1:4で混合し、スクリューミキサーでその混
合物を加工することにより調製されている。類似の方法
がFI特許出願第915760号に提示されており、従ってこ
れを引例とする。加工温度は180℃であった。マトリ
ックスプラスチックとしてはポリスチレン(PS)を用
いた。
【0059】0.8 gのZnO−DBSA反応生成物、0.
8 gのPANI−DBSA複合体および10.4gのPS樹
脂を溶融加工装置(射出成形装置)内で一緒に混合し、
そのの温度は180℃であった。得られた射出成形生成
物の表面のpH値は7であり、その抵抗は500kΩで
あった。結果として、導電性ポリマーとして用いられた
PANIの量がプラスチック剤のわずか1.5 wt%で、
優れた導電性を示した。
【0060】実施例2 重量比が1:4(PANI:DBSA)で調製された酸
性で固体のPANI−DBSA複合体、および実施例1
で調製された亜鉛とDBSAの反応生成物を重量比1:
1で機械的に混合した。そのブレンドをPVCスクリュ
ーを用いて130℃の温度で溶融混合した。その結果、
中性の複合体が得られ、それは中性で、優れた可塑特性
を有し、かつ溶融加工に好適であり、100kΩの抵抗
を有していた。
【0061】実施例3 1105gの酸性PANI−DBSA複合体(重量比
1:2.5 )および1606gの液体非固化ZnO−DB
SI分散混合物(重量比1:2.7 )を機械的に一緒に混
合した。この混合物は、機械的混合が熱上昇を生じてい
る間に固化を始め、約30〜50分間で全体的に固化し
た。形成された固体で中性の複合体は暗緑色で、材の抵
抗は約500kΩであった。この材は非常に良く溶融さ
れ、良好な溶融加工特性を有していた。
【0062】実施例4 400gのZnOおよび2880gのDBSA(重量比
1:7.2 )をブレンダーを用いて互いに混合した。この
混合物に720gのブレンダーで分散されたPANI−
EB(エメラルジン塩基)粉末を添加した。そのように
して調製された暗灰色の液体混合物を、FI特許出願第
915760号によるプロセスにより約185℃で固化した。
その結果、500Ωの抵抗を有する中性で固体の、十分
に溶融した複合体が得られた。
【0063】実施例5 PANI−DBSA複合体をFI特許出願第915760号に
従い、重量比1:2.5で調製した。亜鉛(ZnO 27
wt%)とDBSA(73wt%)の生成物を調製し
た。反応生成物の調製には130℃の温度を用いた。ブ
レンドを以下の方法で調製した。すなわち、2.4 部のZ
nO反応生成物および3.5 部の上記PANI複合体を含
有する2.4 gの混合物を9.6 gのポリスチレン(Nes
te SB735)に混合し、この混合物を170℃の
温度で溶融加工した。その結果、優れた表面品質および
30MΩの抵抗を有する射出成形片が得られた。
【0064】実施例6 15gのドープ化PANI−DBSA複合体(PAN
I:DBSA重量比 約1:1.2 )を15gの実施例1
のZn−DBSA反応生成物と機械的に混合した。上記
混合物をFI特許出願第915760号に記載の混合装置を用
いて130℃の温度で溶融ブレンドした。その結果、良
好な可塑特性および30kΩの抵抗を有する中性の溶融
加工可能な複合体が得られた。
【0065】実施例7 5gのPANI EBおよび15gの実施例1によるZ
n−DBS反応生成物を実施例6に従って溶融混合し
た。その結果、5MΩの抵抗を有する中性で明緑色の複
合体が得られた。
【0066】実施例8 25wt%のZnO−DBSA(重量フラクション
1:3)および75wt%のPANI−DBSA(重量
フラクション 1:4)をブレンドした。T=150
℃。形成された試験片の抵抗 R=3kΩ。
【0067】実施例9 20wt%のZnO−DBSA(重量フラクション
1:3)および80wt%のPANI−DBSA(重量
フラクション 1:2.5 )をブレンドした。T=150
℃。形成された試験片の抵抗 R=200kΩ。
【0068】実施例10 20wt%の実施例9の生成物および80wt%のNe
steポリスチレンSB735をブレンドした。T=1
60℃。形成された試験片の抵抗 R=500kΩ。
【0069】実施例11 25wt%の実施例9の生成物および75wt%のNe
steポリエチレンNCPE2220をブレンドした。
T=160℃。形成された試験片の抵抗 R=200k
Ω。
【0070】実施例12 50wt%のZnO−DBSA(重量フラクション
1:4)および50wt%のPANI−DBSA(重量
フラクション 1:4)をブレンドした。T=150
℃。形成された試験片の抵抗 R=200kΩ。
【0071】実施例13 13wt%の実施例12の生成物および87wt%のN
esteスチレンSB735をブレンドした。T=15
0℃。形成された試験片の抵抗 R=2MΩ。
【0072】実施例14 20wt%の実施例12の生成物および80wt%のN
esteポリエチレンNCPE2220をブレンドし
た。T=150℃。形成された試験片の抵抗R=1M
Ω。
【0073】実施例15 50wt%のZnO−DBSA(重量フラクション
1:4)および50wt%のPANI−DBSA(モル
比 1:0.5 )をブレンドした。T=150℃。形成さ
れた試験片の抵抗 R=500Ω。
【0074】実施例16 25wt%のZnO−DBSA(重量フラクション
1:3)および75wt%のPANI−DBSA(重量
フラクション 1:2.5 )をブレンドした。T=150
℃。形成された試験片の抵抗 R=1kΩ。
【0075】実施例17 20wt%の実施例16の生成物および87wt%のN
esteスチレンSB735をブレンドした。T=15
0℃。形成された試験片の抵抗R=5MΩ。
【0076】実施例18 20wt%の実施例16の生成物および80wt%のN
esteポリエチレンNCPE2220をブレンドし
た。T=150℃。形成された試験片の抵抗 R=10
MΩ。
【0077】実施例7〜18によるブレンドから、射出
成形機械で試験片が製造された。これらの実験で調製さ
れたブレンドは、射出成形による良好な加工特性を有
し、作業痕跡は良好であり、生成物の機械的特性はマト
リックスプラスチックと非常に類似していた。実施例1
〜18のパラメーターおよび結果(pH値、抵抗)を添
付の表に示し、実施例1で調製されたZnO−DBSA
反応生成物の示差操作熱量計曲線(DSC曲線)を添付
の図に示す。
【0078】
【表1】
【0079】
【表2】
【0080】実施例19 PANI−DBSA前混合物を重量比1:4で調製し
た。そのPANI−DBSA前混合物および8〜10w
t%のZnOを混合することによりブレンドを調製し
た。混合後、そのブレンドは酸性であった。そのブレン
ドを溶融加工装置内で固化し、その温度は約170℃で
あった。形成された固体生成物は抵抗が約250Ω、p
Hが約5〜6であった。
【0081】実施例20 酸性の固体PANI−DBSA複合体をFI特許出願第
916760号に従って重量比1:4で調製した。その固体P
ANI−DBSA複合体と8〜10wt%のZnOを混
合することによりブレンドを調製した。そのブレンドを
溶融加工装置内で混合した。生成物の特性は実施例19
におけるものと同様であった。
【0082】実施例21 29.7〜29.9%の酸性の固体PANI−DBSA複合体
(重量比1:4)、70%の非導電性基質(PE)およ
び0.1 〜0.3 %のZnOを混合することによりブレンド
を調製した。その混合物を160〜170℃の温度で溶
融ブレンドした。形成された固体生成物は約100kΩ
の抵抗および約5〜6のpHを有していた。
【0083】実施例22 ZnOの代わりにCaOを用いた以外は実施例21と同
様にしてブレンドを調製した。
【0084】実施例23 ZnOの代わりにBa(OH)2 を用いた以外は実施例
19と同様にして混合物を調製した。この混合物は混合
中にすでに固化していた。形成された固体生成物は抵抗
が約170kΩであった。
【0085】比較例A〜C(本発明に従ったものではな
い) 比較例A 導電性塩形態で、ドデシルベンゼンスルホン酸を有し、
モル比がPANI(DBSA)0.5 である0.6 gのポリ
アニリン(PANI)(97%スルホン酸中、室温、0.
1 w/w溶液における固有粘度が1.2 dl/g)を、実
験室規模の二軸スクリュー押出機を用い、2.4 gのアイ
ソタクチックポリプロピレン(Neste VB80
12B,MFR=8g/10min @230℃)の微
粉砕粉末と170℃、100rpmで5分間混合した。
得られたポリプロピレンブレンドは20wt%のPAN
I(DBSA)0.5 複合体を含有し、通常の4プローブ
技術により測定した電気伝導率が10-8S/cmであっ
た。このブレンドの小さなサンプルを水に浸し、pHを
追跡した。24時間後、水のpHは5.6 であった。
【0086】この実験例は、導電性PANI(DBS
A)0.5 塩が熱可塑物で溶融ブレンドでき、水に24時
間浸した後でわずかに酸性であるだけの、電気的に伝導
性であるポリマーブレンドを製造できることを証明する
ものである。しかし、必要とするPANIの量は、望ま
しいレベルの導電性、すなわち浸出しきい値が20wt
%よりも高くなることを達成するには多い。
【0087】比較例B 2.4 gの低密度ポリエチレン(LDPE,Neste
NCE1804,MI1.8 )および0.6 gのPANI
(DBSA)1.1 、すなわち過剰量のDBSA(重量比
PANI/DBSA=1/4)を含有するPANI(D
BSA)複合体を含有する全量3gの混合物を、実験室
規模の二軸スクリュー押出機中で、180℃、100r
pmで3.5 間混合した。得られたLDPEのブレンドは
20wt%のPANI(DBSA)1.1 を含有し、かつ
導電率が2x10-4S/cmであった。該ブレンドの試
験片を水に浸し、pHを追跡した。24時間後、水のp
Hは〜1であった。
【0088】比較例C PANI(DBSA)1.1 を20wt%の代わりに10
wt%用いた以外は比較例Bに従って、ポリマーブレン
ドを製造した。得られたブレンドの導電率は3x10-7
S/cmであった。該ブレンドの試験片を水に浸し、p
Hを追跡した。24時間後、水のpHは〜1であった。
【0089】比較例BおよびCは、熱可塑剤およびPA
NI(DBSA)1.1 を用いて、通常の溶融加工技術に
より、電気的に伝導性であるポリマーブレンドが製造で
きることを証明する。しかし、これらの比較例はさら
に、導電性の浸出しきい値を低下させるためには、過剰
量のDBSAをPANI塩に添加することが必要である
ことを証明するものである。しかしながら、ブレンド中
の大量の遊離酸により、最終生成物の酸性度は許容でき
ない程高い。
【0090】実施例24 ZnO粉末および液体DBSAを、1:1〜1:8の範
囲の異なるモル比で、130〜180℃で混合した。反
応中、ZnOとDBSA間の複合体(Zn(DBS)2
で表わされる構造であると思われる)の形成下、水を放
出した。この固体複合体は融点がca.115℃であ
り、液晶で、繊維を形成する特徴があり、さらに非導電
性であることが観察された。簡略化のため、以下の実験
例において、この反応生成物をZn(DBS)2 する。
【0091】実施例25 2.7 gのLDPE、0.3 gのPANI(DBSA)0.5
および0.86gの実施例24の方法で調製したZn(DB
S)2 材(モル比 Zn(DBS)2 /PANI(DB
SA)0.5 =1.0 )を、二軸スクリュー押出機中で、1
80℃、100rpmで3.5 分間混合した。得られた7.
8 wt%のPANI(DBSA)を含有するポリマーブ
レンドの導電率は、8x10-2S/cmの4プローブ導
電率であった。このブレンドの試験片を水に浸し、pH
を追跡した。24時間後、水のpHは〜4であった。
【0092】実施例26〜30 異なる量のPANI(DBSA)0.5 を用いた以外は実
施例25に従って、ブレンドを製造した。Zn(DB
S)2 /PANI(DBSA)0.5 の割合は1.0に維持
した。得られたポリマーブレンドの導電率を測定し、下
記表2に記載する。
【0093】
【表3】
【0094】実施例31 2.7 gのアイソタクチックポリプロピレン(i−pp,
Neste,VP8012B)、0.3 gのPANI(D
BSA)0.5 および0.86gの実施例24の方法で調製し
たZn(DBS)2 を、二軸スクリュー押出機中で、1
70℃、100rpmで5分間混合した。その結果得ら
れた、ブレンドの全組成の7.8 wt%のPANI(DB
SA)0.5 を含有するポリマーブレンドの導電率は、2
x10-2S/cmの4プローブ導電性であった。このブ
レンドの試験片を水に浸し、pHを追跡した。24時間
後、水のpHは〜4であった。
【0095】実施例32〜36 異なる量のPANI(DBSA)0.5 を用いた以外は実
施例31に従って、ブレンドを製造した。Zn(DB
S)2 /PANI(DBSA)0.5 の割合は変えた。得
られたポリマーブレンドの導電率を測定し、下記表3に
記載した。
【0096】
【表4】
【0097】実施例37 2.7 gのポリスチレン(Neste,SB735)、0.
3 gのPANI(DBSA)0.5 および0.86gの実施例
1の方法で調製したZn(DBS)2 を、二軸スクリュ
ー押出機中で、190℃、100rpmで5分間混合し
た。その結果得られた、ブレンドの全組成の7.8 wt%
のPANI(DBSA)0.5 を含有するポリマーブレン
ドの導電率は、2x10-2S/cmの4プローブ導電性
であった。このブレンドの試験片を水に浸し、pHを追
跡した。24時間後、水のpHは〜5であった。
【0098】実施例38〜42 異なる量のPANI(DBSA)0.5 を用いた以外は実
施例14に従って、ブレンドを製造した。Zn(DB
S)2 /PANI(DBSA)0.5 の割合は1.0に維持
した。得られたポリマーブレンドの導電率を測定し、下
記表4に記載する。
【0099】
【表5】
【0100】実施例25〜42および表2〜4は、通常
の熱可塑性商品ポリマーとPANI(DBSA)0.5
混合物にZn(DBS)2 を添加することにより、一般
的な溶融加工技術を用いて、Zn(DBS)2 を添加し
ないで製造されるブレンドで観察されるよりも、電気的
伝導性において驚くほど低い浸出しきい値を示すポリマ
ーブレンド(1〜3wt%の導電性ポリアニリン複合
体)が製造できることを証明する。
【0101】実施例43 金属化合物としてZnOの代わりにCuO(Aldrich) を
用いた以外は実施例3に従って、ポリマーブレンドを製
造した。得られたブレンドは電気的に伝導性であり、そ
の4点導電率は10-5S/cmであった。実施例25
は、ZnO以外の他の金属化合物も、浸出しきい値低下
剤として作用するプロトン酸と共に、縮合生成物を形成
するのに用い得ることを証明する。
【0102】実施例44 プロトン酸としてDBSAの代わりにエチルスルホン酸
(ESA,Aldrich )を用いた以外は実施例2に従っ
て、ポリマーブレンドを製造した。得られたブレンドは
電気的に伝導性であり、その4点導電率を測定したとこ
ろ、10-4S/cmであった。
【0103】実施例45 7.17gのZn(DBS)2 を1.7 gの導電性ポリアニリ
ン化合物バーシコン(Versicon)TM(Allied Signal) 、
円錐形の二軸スクリュー押出機中で130℃で5分間混
合した。0.355 gの得られた混合物、0.717 gの添加Z
n(DBS)2および2.328 gのアクリロニトリル−ブ
タジエン−スチレン(ABS)を、同じ押出機中で、1
60℃で5分間混合した。上記ブレンドの180℃で圧
縮されたフィルムの導電率は、たった2wt%の導電性
成分バーシコンTMを含有するだけで8.3 x10-2S/
cmであった。
【0104】比較例D(本発明以外) DBSAの代わりにp−トルエンスルホン酸(TSA,
Aldrich )を用いて、実施例1を繰り返した。ZnOと
TSAの混合により、300℃未満の融点を示さない白
色の粉末が形成された。Zn(DBS)2 の代わりに上
記のZnOとTSAとの縮合生成物を用いた以外は実施
例2に従って、ポリマーブレンドを製造した。得られた
ブレンドは非導電性であり、光学顕微鏡により該ブレン
ドが分散した縮合生成物の粒子からなることがわかっ
た。
【0105】比較例E(本発明以外) Zn(DBS)2 の代わりに通常の市販の可塑剤である
ペンタデシルフェノールおよびドデシルフェノール(Ald
rich) を用いた以外は実施例25に従って、ポリマーブ
レンドを製造した。このブレンドは十分に可塑化された
が、非導電性であった。
【0106】この実験例は、上記の金属化合物(好まし
くはZnO)とプロトン酸との縮合生成物は、中和、可
塑化および浸出しきい値低下剤としての機能において、
実に非常に効果的であることを示し、それは実施例44
で用いられているような通常の可塑剤の使用においては
観察されなかった。
【発明の効果】以上説明したように、本発明による導電
性プラスチック材及びその製造方法によればプラスチッ
クの通常の溶融温度において溶融加工が容易であり、ま
た優れた、むらのない機械的特性を有する導電性プラス
チックを提供することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1図は、実施例1で調製されたZnO−DB
SA反応生成物の示差操作熱量計曲線(DSC曲線)で
ある。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01B 1/16 Z 7244−5G (72)発明者 ティモ ニエミ フィンランド国 エスエフ−40630 ジュ バースクユラー ミュリュトュバンティエ 2 (72)発明者 ヘイッキ ルオホーネン フィンランド国 エスエフ−00270 ヘル シンキ バルプリンティエ 6 エー 15 (72)発明者 エスコ サボライネン フィンランド国 エスエフ−15880 ホッ ロラ カルフーティエ 8 (72)発明者 ヘルヘ リンドストローム フィンランド国 エスエフ−06650 ハマ リ ブオレンペイコンティエ 3 (72)発明者 エサ ビルタネン フィンランド国 エスエフ−00610 ヘル シンキ ルンディンカツ 20 シー 25 (72)発明者 オッリ イッカラ フィンランド国 エスエフ−00160 ヘル シンキ メリカサルミンカツ 12 ジー 71 (72)発明者 アレヤンドロ アンドレアッタ アメリカ合衆国 カリフォルニア州 93105 サンタバルバラ ヘルモサ ロー ド 2924

Claims (57)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリアニリンまたはその誘導体とプロト
    ン酸を接触させることによる導電性ポリマーまたはプラ
    スチック材の製造において、その接触中または接触後に
    金属化合物を添加して、該ポリマーまたはプラスチック
    材を中和し、かつその浸出しきい値を低下させることを
    特徴とする、導電性ポリマーまたはプラスチック材の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 金属化合物が、亜鉛、銅、マグネシウ
    ム、バリウム、アルミニウム、カルシウム、チタン、
    鉄、ジルコニウム、カドミウム、鉛およびスズから選ば
    れる元素からなることを特徴とする、請求項1に記載の
    方法。
  3. 【請求項3】 金属化合物が、亜鉛、銅、カルシウムお
    よびマグネシウムから選ばれる元素からなることを特徴
    とする、請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 金属化合物が元素亜鉛からなることを特
    徴とする、請求項3に記載の方法。
  5. 【請求項5】 金属化合物が、酸化物、水酸化物および
    ハロゲン化物から選ばれることを特徴とする、請求項1
    または2に記載の方法。
  6. 【請求項6】 金属化合物が酸化物から選ばれることを
    特徴とする、請求項5に記載の方法。
  7. 【請求項7】 金属化合物が酸化亜鉛であることを特徴
    とする、請求項1または2に記載の方法。
  8. 【請求項8】 プロトン酸が、芳香族スルホン酸のよう
    な有機スルホン酸であり、好ましくはドデシルベンゼン
    スルホン酸であることを特徴とする、請求項1または2
    に記載の方法。
  9. 【請求項9】 ポリアニリンまたはその誘導体およびプ
    ロトン酸を含有する混合物が約100〜200℃の温度
    まで加熱され混合され、好ましくは溶融混合装置を用い
    て行なわれることを特徴とする、請求項1、2または3
    に記載の方法。
  10. 【請求項10】 非置換ポリアニリン、好ましくはエメ
    ラルジン塩基形態である非置換ポリアニリンをプロトン
    酸と接触させることを特徴とする、前記請求項のうちの
    一つに記載の方法。
  11. 【請求項11】 金属化合物とプロトン酸のモル比が約
    1:0.1 〜1:1.1、好ましくは約1:0.5 1:0.7 の
    間であることを特徴とする、前記請求項のいずれか一つ
    に記載の方法。
  12. 【請求項12】 ポリアニリンまたはその誘導体とプロ
    トン酸のモル比が約1:0.1 〜1:1.1 、好ましくは約
    1:0.5 〜1:0.7 の間であることを特徴とする、前記
    請求項のいずれか一つに記載の方法。
  13. 【請求項13】 金属化合物をまず第1の酸と反応さ
    せ、その後得られる生成物を、ポリアニリンまたはその
    誘導体と第2のプロトン酸により形成されるブレンドま
    たは反応生成物と混合することを特徴とする、前記請求
    項のいずれか一つに記載の方法。
  14. 【請求項14】 金属化合物と酸の全量(第1の酸+第
    2のプロトン酸)のモル比が約1:1〜1:4、好まし
    くは約1:2.2 〜1:2.7 の間であることを特徴とす
    る、請求項13に記載の方法。
  15. 【請求項15】 金属化合物と第1の酸のモル比が約
    1:0.5 〜1:2、好ましくは約1:1〜1:2の間で
    あることを特徴とする、請求項13または14に記載の
    方法。
  16. 【請求項16】 金属化合物と第1の酸とを、その混合
    物を約50〜200℃、好ましくは130〜180℃の
    温度まで加温することにより互いに反応させることを特
    徴とする、請求項13、14または15に記載の方法。
  17. 【請求項17】 金属化合物と第1の酸とを、加温した
    スクリューミキサーまたはコンパウンダー等の可塑剤用
    溶融混合装置等内で互いに混合することを特徴とする、
    請求項13〜16のいずれか一つに記載の方法。
  18. 【請求項18】 ポリアニリンまたはその誘導体と第2
    のプロトン酸のモル比が約1:0.1 〜1:1.1 、好まし
    くは約1:0.5 〜1:0.7 の間であることを特徴とす
    る、請求項13〜17のいずれか一つに記載の方法。
  19. 【請求項19】 ポリアニリンまたはその誘導体と第2
    のプロトン酸のブレンドまたは反応生成物が、それらの
    混合物を約+40〜+250℃、好ましくは100〜2
    00℃の温度で熱的処理することにより製造されること
    を特徴とする、請求項13〜18のいずれか一つに記載
    の方法。
  20. 【請求項20】 ポリアニリンまたはその誘導体と第2
    のプロトン酸のブレンドまたは反応生成物が、加温した
    スクリューミキサーのような可塑剤用溶融混合装置等で
    互いに混合することにより製造されることを特徴とす
    る、請求項19に記載の方法。
  21. 【請求項21】 金属化合物および第1の酸により形成
    される生成物とポリアニリンまたはその誘導体および第
    2のプロトン酸の生成物とのモル比が、約1:0.1 〜
    1:4、好ましくは約1:0.5 〜1:1の間であること
    を特徴とする、請求項16〜20のいずれか一つに記載
    の方法。
  22. 【請求項22】 金属化合物および第1の酸により形成
    される生成物を、ポリアニリンまたはその誘導体および
    第2のプロトン酸により形成されるブレンドまたは反応
    生成物と50〜200℃、好ましくは110〜150℃
    の温度で混合することを特徴とする、請求項13〜21
    のいずれか一つに記載の方法。
  23. 【請求項23】 前記の混合操作が、スクリューミキサ
    ーまたはコンパウンダー等の溶融混合装置を用いて行な
    われることを特徴とする、請求項22に記載の方法。
  24. 【請求項24】 第1の酸がプロトン酸であることを特
    徴とする、請求項13〜23のいずれか一つに記載の方
    法。
  25. 【請求項25】 第1のプロトン酸が、スルホン酸、セ
    レン酸、リン酸、ホウ酸およびカルボン酸、硫化水素、
    水素硫酸塩、水素セレン酸塩および水素リン酸塩から選
    ばれることを特徴とする、請求項24に記載の方法。
  26. 【請求項26】 第1のプロトン酸が、スルホン酸、リ
    ン酸またはカルボン酸から選ばれることを特徴とする、
    請求項25に記載の方法。
  27. 【請求項27】 第1のプロトン酸がスルホン酸から選
    ばれることを特徴とする請求項26に記載の方法。
  28. 【請求項28】 第1のプロトン酸がドデシルベンゼン
    スルホン酸であることを特徴とする、請求項27に記載
    の方法。
  29. 【請求項29】 金属化合物が酸化亜鉛であり、第1の
    プロトン酸がドデシルベンゼンスルホン酸であり、それ
    により得られる生成物が縮合生成物であることを特徴と
    する、請求項13および28に記載の方法。
  30. 【請求項30】 縮合生成物の軟化点または融点が約3
    00℃未満であり、混合および/または加工中は流体で
    あることを特徴とする、請求項29に記載の方法。
  31. 【請求項31】 ポリアニリンまたはその誘導体、酸お
    よび金属化合物により形成される混合物または反応生成
    物を、熱硬化性、熱可塑性または熱弾性ポリマー、好ま
    しくは熱可塑性ポリマーと混合し、導電性プラスチック
    ブレンドを形成することを特徴とする、前記請求項のい
    ずれか一つに記載の方法。
  32. 【請求項32】 全導電性プラスチックブレンドの、ポ
    リアニリンまたはその誘導体、酸および金属化合物のブ
    レンドまたは反応生成物のシェアが、約1〜25wt%
    の間、好ましくは5〜15wt%の間であることを特徴
    とする、請求項31に記載の方法。
  33. 【請求項33】 混合操作が約80〜300℃の温度、
    好ましくは約130〜200℃の温度で行なわれること
    を特徴とする、請求項31または32に記載の方法。
  34. 【請求項34】 前記混合操作がスクリューミキサーま
    たはコンパウンダーのような溶融混合装置を用いて行な
    われることを特徴とする、請求項31、32または33
    に記載の方法。
  35. 【請求項35】 熱可塑性ポリマーが、ポリエチレンま
    たはポリプロピレンなどのオレフィンをベースとするホ
    モまたはコポリマー、スチレンまたはその誘導体をベー
    スとするホモまたはコポリマー、ビニルホモポリマーま
    たはコポリマーまたはその混合物、アクリルホモポリマ
    ーまたはコポリマーまたはその混合物、または熱可塑性
    縮合ポリマーであることを特徴とする、請求項31〜3
    4のいずれか一つに記載の方法。
  36. 【請求項36】 プロトン酸でドープされているポリア
    ニリンまたはその誘導体を含有する溶融加工可能な導電
    性プラスチック材において、プロトン酸でドープされて
    いるポリアニリンまたはその誘導体が金属化合物で処理
    されていることを特徴とする導電性プラスチック材。
  37. 【請求項37】 プロトン酸が有機スルホン酸、好まし
    くは芳香族スルホン酸、さらに好ましくは芳香族スルホ
    ン酸、最も好ましくはドデシルベンゼンスルホン酸であ
    ることを特徴とする、請求項36に記載のポリマーまた
    はプラスチック材。
  38. 【請求項38】 金属化合物が亜鉛、銅またはマグネシ
    ウム化合物、好ましくは亜鉛化合物、好ましくは酸化亜
    鉛またはその誘導体であることを特徴とする、請求項3
    6または37に記載のポリマーまたはプラスチック材。
  39. 【請求項39】 ポリアニリンまたはその誘導体および
    プロトン酸が熱的に、好ましくは約100〜200℃で
    処理され、好ましくは溶融加工装置を用いて混合するこ
    とを特徴とする、請求項36、37または38に記載の
    ポリマーまたはプラスチック材。
  40. 【請求項40】 まず最初に金属化合物を第1の酸と反
    応させ、その結果得られる生成物をポリアニリンおよび
    第2のプロトン酸により形成されるブレンドまたは反応
    生成物と混合することを特徴とする、請求項36〜39
    のいずれか一つに記載のポリマーまたはプラスチック
    材。
  41. 【請求項41】 第1の酸もプロトン酸であり、好まし
    くは第2のプロトン酸と同じであることを特徴とする、
    請求項36〜40のいずれか一つに記載のポリマーまた
    はプラスチック材。
  42. 【請求項42】 金属化合物と第1の酸との生成物が3
    00℃未満で溶融加工可能な生成物であることを特徴と
    する、請求項40または41のいずれか一つに記載のポ
    リマーまたはプラスチック材。
  43. 【請求項43】 金属化合物が酸化亜鉛であり、第1の
    酸がドデシルベンゼンスルホン酸であることを特徴とす
    る、請求項42に記載のポリマーまたはプラスチック
    材。
  44. 【請求項44】 第2のプロトン酸がドデシルベンゼン
    スルホン酸であることを特徴とする、請求項36〜43
    のいずれか一つに記載のポリマーまたはプラスチック
    材。
  45. 【請求項45】 金属化合物と第1の酸のモル比が約
    1:0.5 〜1:2、好ましくは約1:1〜1:2の間で
    あることを特徴とする、請求項36〜44のいずれか一
    つに記載のポリマーまたはプラスチック材。
  46. 【請求項46】 金属化合物および第1の酸により形成
    される生成物と、ポリアニリンまたはその誘導体および
    第2のプロトン酸により形成される反応生成物のモル比
    が、約1:0.1 〜1:4の間、好ましくは約1:0.5 〜
    1:1の間であることを特徴とする、請求項36〜45
    のいずれか一つに記載のポリマーまたはプラスチック
    材。
  47. 【請求項47】 熱硬化性、熱可塑性または熱弾性ポリ
    マー、好ましくは熱可塑性ポリマーからなることを特徴
    とする、請求項36〜46のいずれか一つに記載のポリ
    マーまたはプラスチック材。
  48. 【請求項48】 熱可塑性ポリマーが、ポリエチレンま
    たはポリプロピレンなどのオレフィンをベースとするホ
    モまたはコポリマー、スチレンをベースとするホモまた
    はコポリマー、その誘導体またはその混合物、ビニルホ
    モポリマーまたはコポリマーまたはその混合物、アクリ
    ルホモポリマーまたはコポリマーまたはその混合物、ま
    たは熱可塑性縮合ポリマーであることを特徴とする、請
    求項47に記載のポリマーまたはプラスチック材。
  49. 【請求項49】 ポリアニリンまたはその誘導体、酸お
    よび金属化合物の、それらと熱可塑性ポリマーの全量に
    けるシェアが、約0.5 〜50wt%、好ましくは約5〜
    15wt%の間であることを特徴とする、請求項47ま
    たは48に記載のポリマーまたはプラスチック材。
  50. 【請求項50】 前記プロトン化ポリアニリンポリマー
    の重量フラクションが約0.05未満において、電気伝導率
    が少なくとも約10-8S/cmであることを特徴とす
    る、請求項36〜49のいずれか一つに記載のポリマー
    またはプラスチック材。
  51. 【請求項51】 前記プロトン化ポリアニリンポリマー
    の重量フラクションが約0.02未満において、電気伝導率
    が少なくとも約10-8S/cmであることを特徴とす
    る、請求項50に記載のポリマーまたはプラスチック
    材。
  52. 【請求項52】 前記プロトン化ポリアニリンポリマー
    の重量フラクションが約0.01未満において、電気伝導率
    が少なくとも約10-8S/cmであることを特徴とす
    る、請求項51に記載のポリマーまたはプラスチック
    材。
  53. 【請求項53】 プロトン酸でドープされているポリア
    ニリンまたはその誘導体を a)中和、 b)可塑化、 c)浸出しきい値の低下、および/または d)安定化 するための、金属化合物または金属化合物と酸との反応
    生成物の使用。
  54. 【請求項54】 金属化合物が酸化亜鉛であり、酸がス
    ルホン酸、好ましくはドデシルベンゼンスルホン酸であ
    ることを特徴とする、請求項53に記載の使用。
  55. 【請求項55】 ポリアニリンの酸性混合物を、金属化
    合物からなる中和剤と接触させることを特徴とする、酸
    性ポリアニリン化合物の中和方法。
  56. 【請求項56】 金属化合物が、亜鉛、銅、カルシウム
    およびマグネシウムから選ばれ、好ましくは亜鉛である
    ことを特徴とする、請求項55に記載の方法。
  57. 【請求項57】 金属化合物が酸化亜鉛であることを特
    徴とする、請求項56に記載の方法。
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