JPH06207008A - ポリアニリン誘導体およびその製造方法 - Google Patents

ポリアニリン誘導体およびその製造方法

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JPH06207008A
JPH06207008A JP19893992A JP19893992A JPH06207008A JP H06207008 A JPH06207008 A JP H06207008A JP 19893992 A JP19893992 A JP 19893992A JP 19893992 A JP19893992 A JP 19893992A JP H06207008 A JPH06207008 A JP H06207008A
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Osamu Oka
修 岡
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Tomoegawa Paper Co Ltd
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  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 有機溶剤に可溶またはゲル化可能で、可撓性
のある自立性のフィルムを形成することが可能なポリア
ニリン誘導体及びその製造方法を提供する。 【構成】 ポリアニリン誘導体は、式(I) 【化1】 (m,n=0以上の整数、m/n(n+m)=0 〜1 、m+n=
10〜5000)の構造単位よりなる数平均分子量2000〜5000
00のポリアニリンを主鎖とし、式(II)の架橋構造を有
し、その架橋構造に関与する窒素原子の数が、主鎖のポ
リアニリンの窒素原子の0.01〜40%である。 【化2】 (式中、Alk=両末端に酸素原子を有する平均分子量
100 〜100,000 のポリエーテル鎖、A1 およびA2 =連
結基)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有機溶剤に可能または
ゲル化可能であり、可撓性のある自立性のフィルム形成
することができるポリアニリン誘導体およびその製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ポリアニリンは、新しい電子材
料、導電材料として、電池の電極材料、帯電防止材料、
電磁波遮蔽材料、光電子変換素子、光メモリー、各種セ
ンサー等の機能素子、表示素子、各種ハイブリッド材
料、透明導電体、各種端末機器など、広い分野への応用
が検討されている。しかしながら、一般にポリアニリン
は、π共役系が高度に発達しているため、高分子主鎖が
剛直で、分子鎖間の相互作用が強く、また分子鎖間に強
固な水素結合が数多く存在するため、ほとんど有機溶剤
に不溶であり、また加熱によっても溶融しないので、成
形性に乏しく、フィルム化等の加工ができないという大
きな欠点を有している。
【0003】そのために、例えば、高分子材料の繊維、
多孔質体等の所望の形状の基材にモノマーを含浸させ、
このモノマーを適当な重合触媒との接触により、或い
は、電解酸化により重合させ、導電性複合材料にした
り、或いはまた、熱可塑性重合体粉末の存在下で、モノ
マーを重合させ、同様の複合材料を得ていた。これに対
して、重合触媒と反応温度の工夫により、N−メチル−
2−ピロリドンのみに可溶なポリアニリンが合成されて
いる(M.Abe et al.;J.0hem.So
c.,Chem.Commun.,1989,173
6)。しかしながら、このポリアニリンも、その他の汎
用有機溶剤に殆ど溶解せず、その適用範囲が限られてい
た。また、種々のアニリンの誘導体を利用して、有機溶
剤に可溶なポリアニリン誘導体も合成されているが、充
分に可撓性を有するフィルムを与えることはできなかっ
た。一方、高分子化合物は、もしもゲル化が可能であれ
ば、ゲル延伸やゲル紡糸、ゲル形成等の技術を用いて加
工することが可能であることが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の技術
における上記のような実情に鑑みてなされたものであ
る。すなわち、本発明の目的は、有機溶剤に可溶または
ゲル化可能であり、可撓性のある自立性のフィルムや繊
維を形成することができるポリアニリン誘導体およびそ
の製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記問題を
解決すべく鋭意検討した結果、還元型ポリアニリンと両
末端に芳香族第2アミンと反応する官能基を有するポリ
エーテル化合物とを反応させることにより、架橋構造を
有し、有機溶剤に可溶またはゲル化可能で、可撓性のあ
る自立性のフィルムを形成することができるポリアニリ
ン誘導体が得られることを見出し、本発明を完成するに
至った。
【0006】本発明のポリアニリン誘導体は、下記式
(I)
【化6】 (式中、mおよびnは0以上の整数を意味し、m/(n
+m)=0〜1、m+n=10〜5000である。)で
示される構造単位よりなる数平均分子量2000〜50
0000のポリアニリンを主鎖とし、該主鎖が下記式
(II)
【化7】
【0007】[式中、Alkは両末端に酸素原子を有す
る平均分子量100〜100,000のポリエーテル鎖
を表わし、A1 は下記式(1)〜(8)から選択された
連結基を表わし、
【化8】 (式中、Rは炭素数1〜30の2価の炭化水素基、また
はそのハロゲンまたは−COOM置換体(ただし、Mは
水素原子、Li、Na、K、Cs、RbまたはNH4
表わす。)を表わし、Xは酸素原子または硫黄原子を表
わし、Yは酸素原子、硫黄原子またはNHを表わし、B
は炭素数1〜30の炭化水素基または炭素数1〜30の
アルコキシ基を表わし、pは0〜2の整数を意味す
る。)、A2 は下記式(1′)〜(8′)から選択され
た連結基を表わし
【化9】 (式中、R、X、Y、Bおよびpは、上記したと同意義
を有する。)よりなる群から選択された基を表わす。]
で示される架橋構造を形成してなり、該架橋構造に関与
する窒素原子の数が、主鎖のポリアニリンの窒素原子の
0.01〜40%であることを特徴とする。
【0008】本発明のポリアニリン誘導体の製造方法
は、アニリン酸化重合体をアンモニアで処理して得た可
溶性アニリン重合体を、過剰のヒドラジンで処理して、
イミノ−1,4−フェニレンを構造単位とする数平均分
子量2000〜500000の還元型ポリアニリンを製
造し、次いで、下記式(III ) W1 −A3 −Alk−A4 −W2 (III )
【0009】[式中、W1 およびW2 は、それぞれ下記
式(a)〜(g)から選択された官能基を表わし、
【化10】 (式中、Halは、ハロゲン原子を表わし、X、Y、B
およびpは前記と同意義を有する。)、A3 は、直接結
合、炭素数1〜30の2価の炭化水素基またはそのハロ
ゲン置換体、−R−NH−C(=X)−、−R−SOp
−または−R−C(=X)−(ただし、R、Xおよびp
は前記と同意義を有する。)を表わし、A4 は、直接結
合、炭素数1〜30の2価の炭化水素基またはそのハロ
ゲン置換体、−C(=X)−NH−R−、−SOp −R
−または−C(=X)−R−(ただし、R、Xおよびp
は前記と同意義を有する。)を表わし、ただしWが式
(g)の分子内カルボン酸無水物基を表わす場合には、
3 およびA4 は、炭素数1〜30の3価の炭化水素基
を表わし、Alkは上記と同意義を有する。]で示され
る両末端に芳香族第2アミンと反応する官能基を有する
ポリエーテル化合物と反応させることを特徴とする。
【0010】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明のポリアニリン誘導体は、上記式(II)で示される
架橋構造を有することを特徴としているが、上記式(I
I)で示される架橋構造に関わる窒素原子の数は、ポリ
アニリンの窒素原子の0.01〜40%の範囲にあるこ
とが必要である。分岐構造に関わる窒素原子の数が40
%よりも高い比率になると、生成するポリアニリン誘導
体は導電性が低下するという問題が生じる。また、0.
01%よりも小さいと、溶解性はポリアニリンと大差な
いものになってしまう。
【0011】上記式(II)で示される架橋構造におい
て、連結基A1 は、式(1)〜(8)から選択されたも
のであり、連結基A2 は、式(1′)〜(8′)から選
択されたものであって、これらの連結基は、溶解性や製
膜性も含め、本発明のポリアニリン誘導体の物性に影響
を与えるものではない。連結基が、式(1)〜(6)お
よび(1′)〜(6′)を示す場合において、Rは炭素
数1〜30の2価の炭化水素基、またはそのハロゲンま
たは−COOM置換体を表わすが、さらに具体的には、
炭素数1〜30の2価の直鎖および分枝鎖脂肪族炭化水
素基、芳香脂肪族炭化水素基および芳香族炭化水素基、
およびそれらのハロゲンまたはカルボキシル基置換体を
あげることができる。
【0012】また、Alkは、両末端に酸素原子を有す
る平均分子量100〜100,000のポリエーテル鎖
を表わすが、具体的には、オキシメチレン、オキシエチ
レン、オキシプロピレン、オキシトリメチレン、オキシ
テトラメチレン、オキシペンタメチレン、オキシヘキサ
メチレン、オキシメチルメチレン、オキシメチルエチレ
ン、オキシメトキシメチルエチレン、オキシフェノキシ
メチルメチレン、オキシエチルエチレン、オキシC3
30アルキルエチレン、オキシ−2−メチル−トリメチ
レンおよびオキシ−2−メチル−テトラメチレンよりな
る群から選択された少なくとも1種を構造単位として構
成される平均分子量100〜100,000のポリエー
テル鎖をあげることができる。
【0013】本発明において、式(II)で示される架橋
構造の具体例として、下記式(II−1)ないし(II−
4)などを例示することができる。
【化11】
【0014】(式中、A5 は炭素数1〜4のアルキレン
基、炭素数4以下のアルケニレン基または1,2−フェ
ニレン基を表わし、A6 は炭素数1〜6のアルキレン基
またはフェニレン基を表わし、Alkは、前記と同意義
を有する。)
【0015】本発明のポリアニリン誘導体は、次のよう
にして製造される。すなわち、過硫酸アンモニウム等を
酸化剤として用いて、アニリンを低温、例えば−20〜
50℃の範囲の温度で酸化重合することによって得たア
ニリン酸化重合体を、まず、アンモニアで処理して、可
溶型ポリアニリンを得る。その後、可溶型ポリアニリン
を過剰のヒドラジンで処理して、イミノ−1,4−フェ
ニレン構造を構造単位とする数平均分子量2000〜5
00000[GPC(N−メチル−2−ピロリドン溶
媒)で測定、ポリスチレン換算の数平均分子量]の還元
型のポリアニリンを得る。ヒドラジン処理は、可溶型の
ポリアニリンを水またはメタノールに分散し、ポリアニ
リン中の窒素原子に対して当量以上、好ましくは3倍以
上のヒドラジンを窒素雰囲気下で加え、24時間以上、
0〜30℃で攪拌することにより行う。
【0016】得られた還元型ポリアニリンは、N−メチ
ル−2−ピロリドンおよびN,N−ジメチルアセトアミ
ドに可溶であるが、他の汎用有機溶剤、たとえばクロロ
ホルム或いはテトラヒドロフランには殆ど不溶である。
本発明において、上記ポリアニリン主鎖の数平均分子量
が2,000よりも低くなると、最終的に形成されるポ
リアニリン誘導体から可撓性のある自立性のフィルムや
ファイバーを得ることが困難になり、また500,00
0を越えると、溶剤に対する溶解性或いは膨潤性が十分
でなくなり、キャストやゲル延伸等の加工性の点で好ま
しくなくなる。
【0017】この還元型ポリアニリンに上記架橋構造を
導入するには、上記式(III )で示される両末端に芳香
族第2アミンと反応する官能基(W1 )(W2 )を有す
るポリエーテル化合物が用いられる。本発明の主眼とな
る点は、ポリアニリン主鎖を適当なポリエーテルよりな
る架橋鎖で架橋することにあり、架橋鎖とポリアニリン
主鎖の連結部分、すなわち、A1 およびA2 の構造は、
溶解性や製膜性も含め、本発明の誘導体の物性に大きな
影響を与えるものではない。したがって、架橋鎖の両末
端は、第2級の芳香族アミンと反応する官能基によって
連結されていればよい。
【0018】上記式(III )におけるポリエーテル化合
物の末端官能基Wとしては、具体的には、イソシアナー
ト基、イソチオシアナート基、スルフィニルハライド
基、スルフェニルハライド基、スルホニルハライド基、
オキシラン環、アジリジン環、チイラン環、ホスフィニ
ルハライド基、チオホスフィニルハライド基,カルボキ
シル基、ハロホルミル基および分子内環状カルボン酸無
水物基等をあげることができる。また、A3 、A4 で表
わされる基において、炭素数1〜30の炭化水素基とし
ては、直鎖および分枝鎖脂肪族炭化水素基、芳香脂肪族
炭化水素基および芳香族炭化水素基をあげることができ
る。なお、Alkについては、前記例示したものがあげ
られる。
【0019】両末端に芳香族第2アミンと反応する官能
基を有する上記式(III )で示されるポリエーテル化合
物としては、例えば、環状エーテルのカチオン重合、ア
ニオン重合、配位重合等により得られた末端に水酸基を
有するポリエーテルの末端水酸基を、芳香族第2アミン
と反応する官能基に変換することによって得られるポリ
エーテル系化合物があげられる。
【0020】例えば、ポリ(オキシエチレン)セチルエ
ーテル、ポリ(オキシエチレン)ウリルエーテル、ポリ
(オキシメチレン)メチルエーテル、ポリ(オキシエチ
レン)ウリル酸エステルおよびポリ(オキシエチレン)
ステアリン酸エステル等の片末端に水酸基を有するポリ
エーテルを出発物質とし、その末端水酸基を、トリメリ
ト酸無水物或いはハロゲン化トリメリト酸無水物と反応
させて、末端を環状の酸無水物構造にしたもの、過剰の
ジイソシアナートと反応させて、末端をイソシアナート
構造にしたもの、過剰のジイソチオシアナートと反応さ
せて、末端をイソチオシアナート構造にしたもの、ジス
ルフィニルハライド、ジスルフェニルハライドまたはジ
スルホニルハライドと反応させて、それぞれ末端をスル
フィニルハライド、スルフェニルハライドまたはスルホ
ニルハライド構造にしたもの、エピハロヒドリンの如き
エポキシ環を有するハロゲン化物と反応させて、末端を
エポキシ構造にしたもの、末端に二重結合を有するハロ
ゲン化炭化水素、例えば、ハロゲン化アリル、または末
端に二重結合を有するカルボン酸、例えば、アリル酢酸
と反応させて、末端に二重結合をもつ構造にした後、こ
れをINCOと、次いでKOHと反応させ、アジリジン
環を形成したり、二塩化硫黄と反応させた後還元して、
チイラン環に変換したもの等があげられる。
【0021】本発明において、上記式(III )で示され
るポリエーテル化合物の具体例としては、下記式(III
−1)〜(III −4)で示される化合物を例示すること
ができる。
【化12】 (式中、A6 およびAlkは、前記したと同意義を有す
る。)
【0022】還元型ポリアニリンと両末端に芳香族第2
アミンと反応する官能基を有する上記式(III )で示さ
れるポリエーテル化合物との反応は、上記還元型ポリア
ニリンのアミド系溶液に、両末端に芳香族第2アミンと
反応する官能基を有するポリエーテル化合物またはそれ
を有機溶剤に溶解した溶液を加え、窒素気流下で1〜4
8時間、−10〜80℃の温度の範囲で攪拌を続ける。
必要に応じて、ピリジンまたはトリエチルアミン、ジエ
チルアニリン等の第3級アミンを加えて反応を行っても
よい。反応混合物をアルコールまたは水中に注ぎ込み、
生成したポリマーを沈殿させる。得られたポリマーをさ
らにアンモニア水で処理することによって、本発明のポ
リアニリン誘導体を製造することができる。本発明で使
用されるアミド系溶剤としては、N−メチル−2−ピロ
リドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメ
チルホルムアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミ
ド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等があげ
られる。
【0023】本発明のポリアニリン誘導体は、その製造
中にポリアニリン主鎖の長さが変化することはない。さ
らに、m/(n+m)の値は、得られた本発明のポリア
ニリン誘導体を酸化或いは還元することにより制御する
ことができる。すなわち、酸化剤を用いて、或いは電気
化学的に本発明のポリアニリン誘導体を酸化すれば、m
の値が増加し、還元剤を用いて、或いは電気化学的に本
発明のポリアニリン誘導体を還元すれば、mの値が減少
する。しかしながら、溶剤に対する溶解性を重視すれ
ば、剛直なキノンジイミン構造の少ない状態、すなわち
m<nが好ましく、また、フィルムの自立性や可撓性を
重視すれば、m>nが好ましい。したがって、以上のよ
うな理由から、本発明のポリアニリン誘導体について
は、フィルム製系のために好適なm/(n+m)の値
は、通常0.10〜0.60の範囲である。なお、m/
(n+m)は、13C NMRスペクトルのキノイド構造
由来のピーク(ケミカルシフト138ppm/TMS)
とベンゼノイド由来のピーク(ケミカルシフト122p
pm/TMS)とのそれぞれの強度比から決定すること
ができる。
【0024】上記のようにして製造された本発明のポリ
アニリン誘導体は、N−メチル−2−ピロリドン或いは
N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド系溶剤、クロ
ロホルム、ジクロロエタン、ジクロロメタン等のハロゲ
ン化炭化水素溶剤、テトラヒドロフラン等のエーテル系
溶剤、ピリジン等のアミン系溶剤、ジメチルスルホキシ
ド等の極性溶剤で溶解またはゲル化可能である。この溶
液またはゲルから、自立性のフィルム或いはファイバー
を製造することが可能である。さらに、このフィルムや
ファイバー等の加工物は、アクセプター性のドーパント
でドープすることにより、10-3〜50S/cmの高い
導電率を示す。
【0025】ここで使用されるドーパントは、特に制限
されるものではなく、アニリン系導電性高分子のドープ
に際し、ドーパントとして使用されるものであれば、何
如なるものでも使用することができる。具体例をあげれ
ば、ヨウ素、臭素、塩素、三塩化よう素等のハロゲン化
合物、硫酸、塩酸、硝酸、過塩素酸塩、ホウフッ化水素
酸等のプロトン酸、前記プロトン酸の各種塩、三塩化ア
ルミニウム、三塩化鉄、塩化モリブデン、塩化アンチモ
ン、五フッ化砒素等のルイス酸、酢酸、トルフルオロ酢
酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の
有機酸、ポリエチレンスルホン酸、ポリエチレンカルボ
ン酸、ポリアクリル酸、ポリスチレンスルホン酸等の高
分子酸等、各種の化合物をあげることができる。これら
の化合物をドープさせる方法については、特に制限はな
く、公知のあらゆる方法が可能である。一般には、ポリ
アニリンの誘導体、そのゲルまたはその成形加工物とド
ーパント化合物とを接触させればよく、気相或いは液相
中で行うことができる。或いは、上記プロトン酸やその
塩の溶液中で電気化学的にドープする方法を用いること
もできる。
【0026】
【実施例】以下、本発明を実施例によって説明する。 実施例1 アニリン4.1gおよび濃塩酸21.9gを水に溶かし
て100mlとし、−5℃に冷却した。一方、濃塩酸2
1.9gおよび過硫酸アンモニウム6.28gを水に溶
かし100mlとした。この溶液を−10℃に冷却した
後、上記のアニリン溶液にゆっくりと滴下し、−10℃
で6時間撹拌を続けた。こうして得られた数平均分子量
12,000(GPC、N−メチル−2−ピロリドン溶
媒中で測定、ポリスチレン換算の数平均分子量)のアニ
リン酸化重合体を、水で充分に洗浄した後、アンモニア
水で脱ドープ処理を行なった。得られた可溶型ポリアニ
リンを200mlの水に分散し、窒素雰囲気下で50m
lのヒドラジンを加え、24時間室温で撹拌を続け、瀘
別、乾燥して灰白色の還元型ポリアニリン(数平均分子
量12,000、m+n=約130)を得た。こうして
得られた還元型ポリアニリン1gを窒素気流下でN−メ
チル−2−ピロリドン30mlに完全に溶解させた。
【0027】一方、両末端にアミノ基を有するポリエチ
レンオキサイド(PEOアミン)(川研ファインケミカ
ル(株)製、平均分子量400)のo−ジクロロベンゼ
ン溶液に、触媒としてN,N−ジメチルホルムアミドを
165℃で加え、さらに4倍モルのホスゲンを加えた
(速度1g/min)。十分に反応させた後、窒素を導
入して過剰のホスゲン等を除き、次いで溶媒を除去する
ことによって、両末端にイソシアナート基を有するポリ
エーテルが得られた(収率98%)。
【0028】上記還元型ポリアニリン1gのN−メチル
−2−ピロリドン溶液(30ml)に、窒素気流下で両
末端にイソシアナートを有するポリエーテル0.44g
を10mlのテトラヒドロフラン溶液として加え、室温
で6時間反応をつづけた。この溶液を1リットルの希塩
酸に攪拌しながら投入し、沈殿物を濾別し、さらにアン
モニア蒸気にさらし、水洗してハロゲン化水素を除去
し、乾燥して、本発明のポリアニリン誘導体1.41g
を得た。
【0029】赤外吸収スペクトルを測定したところ、前
述の式(II)の架橋構造に起因する1650cm-1(C
=O伸縮)、2850〜2950cm-1(脂肪族C−H
伸縮)の吸収が認められた。さらに、1600、150
0、1300、1170、820cm-1に一般式(I)
で示されるポリアニリンに特有の吸収パターンがみら
れ、主鎖がポリアニリン構造であることが確認された。
反応収率から、式(II)の架橋構造に関与する窒素原子
の数は、ポリアニリンの窒素原子の約19%であった。
また、13C NMRスペクトルよりm/(n+m)=
0.45であった。得られたポリアニリン誘導体1gを
N−メチル−2−ピロリドン5gに入れ、室温で攪拌す
るとゲル化し、紡糸や延伸によるフィルム化が可能であ
った。さらに、このフィルムを20%塩酸水溶液に24
時間つけてドープし乾燥したところ、導電率は0.2S
/cmであった。また、N−メチル−2−ピロリドンの
代わりに,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチ
ルホルムアミド、ピリジン、クロロホルム、ジクロロエ
タン、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン等の有機溶
剤を用いても同様のゲル化が可能であった。
【0030】実施例2 実施例1において、PEOアミン(平均分子量400)
の代わりに、両末端にアミノ基を有する平均分子量60
0のポリエチレンオキサイドを用い、得られた両末端に
イソシアナート基を有するポリエーテル1.65gを用
いた以外は、実施例1と同様にして本発明のポリアニリ
ン誘導体2.63gを得た。赤外吸収スペクトルを測定
したところ、前述の式(II)の架橋構造に起因する16
50cm-1(C=O伸縮)、2850〜2950cm-1
(脂肪族C−H伸縮)の吸収が認められた。さらに、1
600、1500、1300、1170、820cm-1
に一般式(I)で示されるポリアニリンに特有の吸収パ
ターンがみられ、主鎖がポリアニリン構造であることが
確認された。反応収率から、式(II)の架橋構造に関与
する窒素原子の数は、ポリアニリンの窒素原子の約4.
8%であった。また、13C NMRスペクトルよりm/
(n+m)=0.46であった。得られたポリアニリン
誘導体1gをN−メチル−2−ピロリドン5gに入れ、
室温で攪拌すると溶解し、紡糸や延伸によるフィルム化
が可能であった。さらに、このフィルムを20%塩酸水
溶液に24時間つけてドープし乾燥したところ、導電率
は1.2S/cmであった。また、N−メチル−2−ピ
ロリドンの代わりに,N−ジメチルアセトアミド、N,
N−ジメチルホルムアミド、ピリジン、クロロホルム、
ジクロロエタン、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン
等の有機溶剤を用いても同様の加工が可能であった。
【0031】実施例3 ジオール型のポリプロピレングリコール(平均分子量3
000)と塩化無水トリメリト酸を1:2(モル比)で
エーテル中で常温で反応して、両末端に環状の酸無水物
構造を有するポリプロピレンオキサイドを合成した。こ
れを1.84g用い、実施例1と同様に処理して、本発
明のポリアニリン誘導体2.80gを得た。赤外吸収ス
ペクトルを測定したところ、前述の式(II)の架橋構造
に起因する1650cm-1(C=O伸縮)、2850〜
2950cm-1(脂肪族C−H伸縮)の吸収が認められ
た。さらに、1600、1500、1300、117
0、820cm-1に一般式(I)で示されるポリアニリ
ンに特有の吸収パターンがみられ、主鎖がポリアニリン
構造であることが確認された。反応収率から、式(II)
の架橋構造に関与する窒素原子の数は、ポリアニリンの
窒素原子の約9.8%であった。また、13C NMRス
ペクトルよりm/(n+m)=0.46であった。得ら
れたポリアニリン誘導体1gをN−メチル−2−ピロリ
ドン5gに入れ、室温で攪拌すると溶解し、紡糸や延伸
によるフィルム化が可能であった。さらに、このフィル
ムを20%塩酸水溶液に24時間つけてドープし乾燥し
たところ、導電率は0.5S/cmであった。また、N
−メチル−2−ピロリドンの代わりに,N−ジメチルア
セトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ピリジ
ン、クロロホルム、ジクロロエタン、ジクロロメタン、
テトラヒドロフラン等の有機溶剤を用いても同様の加工
が可能であった。
【0032】実施例4 エチレンオキシド(80mol%)とメチルグリシジル
エーテル(20mol%)のコポリマーをアニオン重合
により合成した。このものの平均分子量は5000、両
末端は水酸基であった。これをN,N−ジメチルホルム
アミド中でエピクロルヒドリンと1:2(モル比)で反
応させ、両末端水酸基をグリシジル基に変換した。この
もの1.2gを用い、実施例1と同様に処理して、本発
明のポリアニリン誘導体12.0gを得た。赤外吸収ス
ペクトルを測定したところ、前述の式(II)の架橋構造
に起因する3300cm-1(O−H伸縮)、2850〜
2950cm-1(脂肪族C−H伸縮)の吸収が認められ
た。さらに、1600、1500、1300、117
0、820cm-1に一般式(I)で示されるポリアニリ
ンに特有の吸収パターンがみられ、主鎖がポリアニリン
構造であることが確認された。反応収率から、式(II)
の架橋構造に関与する窒素原子の数は、ポリアニリンの
窒素原子の約39.8%であった。また、13C NMR
スペクトルよりm/(n+m)=0.41であった。得
られたポリアニリン誘導体1gをN−メチル−2−ピロ
リドン5gに入れ、室温で攪拌すると溶解し、紡糸や延
伸によるフィルム化が可能であった。さらに、このフィ
ルムを20%塩酸水溶液に24時間つけてドープし乾燥
したところ、導電率は0.5S/cmであった。また、
N−メチル−2−ピロリドンの代わりに,N−ジメチル
アセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ピリジ
ン、クロロホルム、ジクロロエタン、ジクロロメタン、
テトラヒドロフラン等の有機溶剤を用いても同様の加工
が可能であった。
【0033】実施例5 3−メチルテトラヒドロフラン(10mol%)とエチ
レンオキシド(90mol%)のコポリマーをアニオン
重合により合成した。このものの平均分子量は300
0、両末端は水酸基であった。これをo−ベンゼンジス
ルホニルジクロリドのベンゼン溶液に加え、常温で反応
させて、両末端にスルホニルクロリド基を有するポリエ
ーテルを合成した。このもの1.84gを用い、実施例
1と同様に処理して、本発明のポリアニリン誘導体2.
75gを得た。赤外吸収スペクトルを測定したところ、
前述の式(II)の架橋構造に起因する1351cm-1
よび1176cm-1(S(=O)2 伸縮)、2850〜
2950cm-1(脂肪族C−H伸縮)の吸収が認められ
た。さらに、1600、1500、1300、117
0、820cm-1に一般式(I)で示されるポリアニリ
ンに特有の吸収パターンがみられ、主鎖がポリアニリン
構造であることが確認された。反応収率から、式(II)
の架橋構造に関与する窒素原子の数は、ポリアニリンの
窒素原子の約9.8%であった。また、13C NMRス
ペクトルよりm/(n+m)=0.46であった。得ら
れたポリアニリン誘導体1gをN−メチル−2−ピロリ
ドン5gに入れ、室温で攪拌すると溶解し、紡糸や延伸
によるフィルム化が可能であった。さらに、このフィル
ムを20%塩酸水溶液に24時間つけてドープし乾燥し
たところ、導電率は1.5S/cmであった。また、N
−メチル−2−ピロリドンの代わりに,N−ジメチルア
セトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ピリジ
ン、クロロホルム、ジクロロエタン、ジクロロメタン、
テトラヒドロフラン等の有機溶剤を用いても同様の加工
が可能であった。
【0034】実施例6 ポリエチレングリコール(平均分子量2000)とエピ
クロルヒドリンとを1:2(モル比)でN,N−ジメチ
ルホルムアミド中で反応させて、両末端水酸基をグリシ
ジルエーテル基に変換した。これを1.16g用い、実
施例1と同様に処理して、本発明のポリアニリン誘導体
1.94gを得た。赤外吸収スペクトルを測定したとこ
ろ、前述の式(II)の架橋構造に起因する3300cm
-1(O−H伸縮)、2850〜2950cm-1(脂肪族
C−H伸縮)の吸収が認められた。さらに、1600、
1500、1300、1170、820cm-1に一般式
(I)で示されるポリアニリンに特有の吸収パターンが
みられ、主鎖がポリアニリン構造であることが確認され
た。反応収率から、式(II)の架橋構造に関与する窒素
原子の数は、ポリアニリンの窒素原子の約9.1%であ
った。また、13C NMRスペクトルよりm/(n+
m)=0.46であった。得られたポリアニリン誘導体
1gをN−メチル−2−ピロリドン5gに入れ、室温で
攪拌すると溶解し、紡糸や延伸によるフィルム化が可能
であった。さらに、このフィルムを20%塩酸水溶液に
24時間つけてドープし乾燥したところ、導電率は0.
85S/cmであった。また、N−メチル−2−ピロリ
ドンの代わりに,N−ジメチルアセトアミド、N,N−
ジメチルホルムアミド、ピリジン、クロロホルム、ジク
ロロエタン、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン等の
有機溶剤を用いても同様の加工が可能であった。
【0035】実施例7 ポリエチレングリコール(平均分子量2000)をテト
ラヒドロフラン中で小過剰量の水素化ナトリウムを反応
させ、両末端をナトリウムアルコラートの形にした。次
いで、これに末端基数と当量のコハク酸無水物を加え、
数時間還流した後、両末端基がHOOC−CH2 CH2
−C(=O)−O−で表わされるエステルの形に変換さ
れたポリエーテルを得た。これを一旦単離した後、テト
ラヒドロフラン中で過剰のオキサリルクロリドと反応さ
せ、末端カルボキシル基をクロロホルミル基に変換し
た。これを1.23g用いて実施例1に従い、本発明の
ポリアニリン誘導体2.14gを得た。赤外吸収スペク
トルを測定したところ、前述の式(II)の架橋構造に起
因する2850〜2950cm-1(脂肪族C−H伸
縮)、1734cm-1(エステルC=O伸縮)、164
5cm-1(アミドC=O伸縮)の吸収が認められた。さ
らに、1600、1500、1300、1170、82
0cm-1に一般式(I)で示されるポリアニリンに特有
の吸収パターンがみられ、主鎖がポリアニリン構造であ
ることが確認された。反応収率から、式(II)の架橋構
造に関与する窒素原子の数は、ポリアニリンの窒素原子
の約9.6%であった。また、13C NMRスペクトル
よりm/(n+m)=0.46であった。得られたポリ
アニリン誘導体1gをN−メチル−2−ピロリドン5g
に入れ、室温で攪拌すると溶解し、紡糸や延伸によるフ
ィルム化が可能であった。さらに、このフィルムを20
%塩酸水溶液に24時間つけてドープし乾燥したとこ
ろ、導電率は0.75S/cmであった。また、N−メ
チル−2−ピロリドンの代わりに,N−ジメチルアセト
アミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ピリジン、ク
ロロホルム、ジクロロエタン、ジクロロメタン、テトラ
ヒドロフラン等の有機溶剤を用いても同様の加工が可能
であった。
【0036】実施例8 ポリエチレングリコール(平均分子量2000)をテト
ラヒドロフラン中で小過剰量の水素化ナトリウムを反応
させ、両末端をナトリウムアルコラートの形にした。次
いで、これに4−クロロブタンスルホン酸ナトリウムを
加え、両末端がスルホン酸ブチルエーテルに変換された
ポリエーテルを得た。これをPCl5 と反応させ、末端
スルホン基をスルホニルクロライド基に変換した。これ
を1.26g用いて実施例1に従い、本発明のポリアニ
リン誘導体2.14gを得た。赤外吸収スペクトルを測
定したところ、前述の式(II)の架橋構造に起因する2
850〜2950cm-1(脂肪族C−H伸縮)、135
1、1176cm-1(S=O伸縮)の吸収が認められ
た。さらに、1600、1500、1300、117
0、820cm-1に一般式(I)で示されるポリアニリ
ンに特有の吸収パターンがみられ、主鎖がポリアニリン
構造であることが確認された。反応収率から、式(II)
の架橋構造に関与する窒素原子の数は、ポリアニリンの
窒素原子の約9.6%であった。また、13C NMRス
ペクトルよりm/(n+m)=0.46であった。得ら
れたポリアニリン誘導体1gをN−メチル−2−ピロリ
ドン5gに入れ、室温で攪拌すると溶解し、紡糸や延伸
によるフィルム化が可能であった。さらに、このフィル
ムを20%塩酸水溶液に24時間つけてドープし乾燥し
たところ、導電率は0.65S/cmであった。また、
N−メチル−2−ピロリドンの代わりに,N−ジメチル
アセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ピリジ
ン、クロロホルム、ジクロロエタン、ジクロロメタン、
テトラヒドロフラン等の有機溶剤を用いても同様の加工
が可能であった。
【0037】
【発明の効果】本発明のポリアニリン誘導体は、種々の
有機溶剤に可溶またはゲル化可能であり、容易に加工す
ることが可能であり、可撓性のある自立性のフィルムや
ファイバー等の成形品を得ることができる。そして、こ
れら成形品は、ドーピングにより高い導電率を示すの
で、本発明のポリアニリン誘導体は、電子材料、導電材
料等、種々の用途に非常に有用である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年8月3日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項2
【補正方法】変更
【補正内容】
【化5】 (式中、Halは、ハロゲン原子を表わし、X、Y、B
およびpは前記と同意義を有する。)、A3 は、直接結
合、炭素数1〜30の2価の炭化水素基またはそのハロ
ゲン置換体、−R−NH−C(=X)−、−R−SOp
−または−R−C(=X)−(ただし、R、Xおよびp
は前記と同意義を有する。)を表わし、A4 は、直接結
合、炭素数1〜30の2価の炭化水素基またはそのハロ
ゲン置換体、−C(=X)−NH−R−,−SOp −R
−または−C(=X)−R−(ただし、R、Xおよびp
は前記と同意義を有する。)を表わし、ただしW1 およ
びW2 が式(g)の分子内カルボン酸無水物基を表わす
場合には、A3 およびA4 は、Alkと結合するCO基
を有する炭素数1〜30の3価の炭化水素基を表わし、
Alkは上記と同意義を有する。]で示される両末端に
芳香族第2アミンと反応する官能基を有するポリエーテ
ル化合物と反応させることを特徴とする請求項1に記載
のポリアニリン誘導体の製造方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】[式中、W1 およびW2 は、それぞれ下記
式(a)〜(g)から選択された官能基を表わし、
【化10】 (式中、Halは、ハロゲン原子を表わし、X、Y、B
およびpは前記と同意義を有する。)、A3 は、直接結
合、炭素数1〜30の2価の炭化水素基またはそのハロ
ゲン置換体、−R−NH−C(=X)−、−R−SOp
−または−R−C(=X)−(ただし、R、Xおよびp
は前記と同意義を有する。)を表わし、A4 は、直接結
合、炭素数1〜30の2価の炭化水素基またはそのハロ
ゲン置換体、−C(=X)−NH−R−、−SOp −R
−または−C(=X)−R−(ただし、R、Xおよびp
は前記と同意義を有する。)を表わし、ただしW1 およ
びW2 が式(g)の分子内カルボン酸無水物基を表わす
場合には、A3 およびA4 は、Alkと結合するCO基
を有する炭素数1〜30の3価の炭化水素基を表わし、
Alkは上記と同意義を有する。]で示される両末端に
芳香族第2アミンと反応する官能基を有するポリエーテ
ル化合物と反応させることを特徴とする。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(I) 【化1】 (式中、mおよびnは0以上の整数を意味し、m/(n
    +m)=0〜1、m+n=10〜5000である。)で
    示される構造単位よりなる数平均分子量2000〜50
    0000のポリアニリンを主鎖とし、該主鎖が下記式
    (II) 【化2】 [式中、Alkは両末端に酸素原子を有する平均分子量
    100〜100,000のポリエーテル鎖を表わし、A
    1 は下記式(1)〜(8)から選択された連結基を表わ
    し、 【化3】 (式中、Rは炭素数1〜30の2価の炭化水素基、また
    はそのハロゲンまたは−COOM置換体(ただし、Mは
    水素原子、Li、Na、K、Cs、RbまたはNH4
    表わす。)を表わし、Xは酸素原子または硫黄原子を表
    わし、Yは酸素原子、硫黄原子またはNHを表わし、B
    は炭素数1〜30の炭化水素基または炭素数1〜30の
    アルコキシ基を表わし、pは0〜2の整数を意味す
    る。)、A2 は下記式(1′)〜(8′)から選択され
    た連結基を表わし、 【化4】 (式中、R、X、Y、Bおよびpは、上記したと同意義
    を有する。)よりなる群から選択された基を表わす。]
    で示される架橋構造を形成してなり、該架橋構造に関与
    する窒素原子の数が、主鎖のポリアニリンの窒素原子の
    0.01〜40%であることを特徴とするポリアニリン
    誘導体。
  2. 【請求項2】 アニリン酸化重合体をアンモニアで処理
    して得た可溶性アニリン重合体を、過剰のヒドラジンで
    処理して、イミノ−1,4−フェニレンを構造単位とす
    る数平均分子量2000〜500000の還元型ポリア
    ニリンを製造し、次いで、下記式(III ) W1 −A3 −Alk−A4 −W2 (III ) [式中、W1 およびW2 は、それぞれ下記式(a)〜
    (g)から選択された官能基を表わし、 【化5】 (式中、Halは、ハロゲン原子を表わし、X、Y、B
    およびpは前記と同意義を有する。)、A3 は、直接結
    合、炭素数1〜30の2価の炭化水素基またはそのハロ
    ゲン置換体、−R−NH−C(=X)−、−R−SOp
    −または−R−C(=X)−(ただし、R、Xおよびp
    は前記と同意義を有する。)を表わし、A4 は、直接結
    合、炭素数1〜30の2価の炭化水素基またはそのハロ
    ゲン置換体、−C(=X)−NH−R−,−SOp −R
    −または−C(=X)−R−(ただし、R、Xおよびp
    は前記と同意義を有する。)を表わし、ただしWが式
    (g)の分子内カルボン酸無水物基を表わす場合には、
    3 およびA4 は、炭素数1〜30の3価の炭化水素基
    を表わし、Alkは上記と同意義を有する。]で示され
    る両末端に芳香族第2アミンと反応する官能基を有する
    ポリエーテル化合物と反応させることを特徴とする請求
    項1に記載のポリアニリン誘導体の製造方法。
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