JPH0620517U - 弾性ポスト - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 柱状部2 の変形を滑らかにして、柱状部2 の
破断を防止する。 【構成】 ゴム様弾性体からなる中空の柱状部2 を備
え、この柱状部2 の下方内部に該柱状部2 を地上に設置
固定するための剛性支持体3 を内嵌した弾性ポストにお
いて、前記支持体3 の上端面3aを略半球面に形成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、車道と歩道との境界標示用、或いは駐車場、公園、街路等の車止め 用として設置される道路ボラード又はストリートファニチャー等に採用される弾 性ポストに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

一般に、道路ボラードとしては、金属或いはコンクリート製のものが多用され ている。しかしながら、金属やコンクリート製のものでは、人や自動車が衝当し た場合、人がけがをしたり自動車が破損したりする。そこで、人や自動車が衝当 した際、屈曲して衝撃力を吸収緩和するべく、ゴム様弾性体からなる中空の柱状 部を備えた弾性ポストが採用されている。

【０００３】 この弾性ポストを地上に設置する場合、柱状部は変形性に富んでいるので自立 性を補強する必要があるため、図６に示すように、柱状部11の下方内部に内嵌し た柱状の剛性支持体12を介して柱状部11を地上に設置している。剛性支持体12が 入っている部分のポストは剛直で且つ垂直に自立しているため、全体として自立 性が高まり、弾性ポストとしての使用が可能となっている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、上記従来の弾性ポストにあっては、図６に２点鎖線で示すように、 柱状部11の上部に外力が作用して柱状部11が屈曲した際、支持体12上端部近傍の 柱状部11の屈曲部11a には無理な変形が生じて破断し易いという問題点を有して いた。

【０００５】 本考案は、上述の様な問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とすると ころは、柱状部の変形を滑らかにし、変形によって柱状部が破断しにくい弾性ポ ストを提供するにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上記目的を達成するため、次の様な技術的手段を講じた。 即ち、本考案は、ゴム様弾性体からなる中空の柱状部2 を備え、この柱状部2 の下方内部に該柱状部2 を地上に設置するための柱状の剛性支持体3 を内嵌した 弾性ポストにおいて、前記剛性支持体3 の上端面3aを略半球面に形成したことを 特徴としている。

【０００７】

【作用】

弾性ポスト11の柱状部2 に人や自動車が衝当した際、柱状部2 は、略半球面と された支持体3 の上端面3aに沿って屈曲するので、柱状部2 は滑らかに変形する 。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。図１乃至図４は本考案の第 １実施例を示し、図において、1 は歩道と車道との境界標示或いは駐車場、公園 等の車止め用として設置される弾性ポスト（道路ボラード）で、この弾性ポスト 1 は、柱状部2 を有し、この柱状部2 はゴム、ウレタン、その他軟質樹脂等の柔 軟な弾性材料から、円筒状に形成されると共に上端開口が閉塞されていて、中空 状に形成されている。また、本実施例では、特に、柱状部2 は、古タイヤやゴム ブロック等を２〜30mmの長さのひじき状（又は粒状）に破砕したゴムバフ粉をゴ ムチップとして用い、このゴムチップにウレタン系バインダ（一液湿気硬化性の もの或いは二液加熱硬化性のもの等）を混合（例えば、バインダ：ゴムチップ＝ 10:100〜20:100) し、これを所定の型に流し込むことで形成されている。なお、 この柱状部2 の着色に関しては、ゴムチップの状態で着色されたものを用いるか 、或いは、バインダとゴムチップとを混合する時に顔料を混合しても良い。

【０００９】 柱状部2 の下部には、該柱状部2 を地上に設置するための剛性支持体3 が設け られている。この支持体3 は金属、硬質樹脂、石、コンクリート、木材等の剛体 から成り、図２に示すように、円筒状に形成されると共に上端面3aが半球面とな るように上端開口が閉塞されており、上部は柱状部2 に下方から内嵌されて固着 され、下部は地盤、路盤等に埋設される。なお、図３に示すように、支持体3 が 必要以上に地盤、路盤等に埋没しないように、支持体3 の軸方向中途の外周面に フランジ部3bを周設してもよい。また図示実施例では支持体3 の上端面3aを球状 面としたが、略半球面（断面視長軸方向の半楕円となる曲面）としても良い。

【００１０】 上記のように構成された弾性ポスト1 において図４に示すように、弾性ポスト 1 に外部から衝撃が加わると、図中実線で示すように、該衝撃を吸収緩和すべく 柱状部2 が屈曲する。その際、半球面とされた支持体3 の上端面3aに沿うように 柱状部2 が屈曲するため、柱状部2 は滑らかに変形して破断の慮れが少ない。そ の後外力が除かれると、柱状部2 の弾性力によって元の形状に復元する。

【００１１】 図５は本考案の第２実施例を示しており、支持体3 は有底円筒状であり、支持 体3 の上端面3aは、前記第１実施例と同様に球状面としてある。 また、前記柱状部2 の内周側には復元材4 が設けられている。この復元材4 は 、ゴム等の柔軟な材料により円筒状に形成した筒体5 内部に多数の芯材6 を埋設 して成り、加流済みの復元材4 を柱状部2 の中空部内に、支持体3 を固着する前 に内嵌して柱状部2 内面に接着固定される。前記芯材6 は例えばタイヤのカーカ スコード材料として使用されるスチールコードによって構成されていて、筒体5 の軸心方向に指向されると共に、筒体5 の周方向に略等間隔をおいて配置されて いる。このように構成される弾性ポスト1 に外部から衝撃が加わると、該衝撃を 吸収緩和すべく復元材4 が柱状部2 と共に屈曲するが、球状面とされた支持体３ の上端面3aに沿って復元材4 が滑らかに屈曲するので、復元材4 の損傷を防止す ることができ、復元材4 の耐久性を高めることができる。外力が除かれると、復 元材4 の芯材6 の復元作用によって良好に元の形状に復元される。また、弾性ポ スト1 に局部的に衝撃が加わっても、柱状部2 及び復元材4 は内側に凹んで衝撃 を吸収緩和し、良好に復元する。

【００１２】 なお、略半球面とは、断面視が半円又は半楕円となる曲面をいい、さらに、上 端部が平面となっているもの、小孔があるものをも含むものとする。 本考案は上記実施例に限定されず、適宜設計変更することができる。

【００１３】

【考案の効果】

本考案によれば、支持体3 の上端面3aを略半球面に形成したので、柱状部2 に 外力が作用して屈曲する際、略半球面とされた支持体3 の上端面3aに沿って柱状 部2 が屈曲するので、柱状部2 の変形を滑らかにし、変形による柱状部2 の破断 を防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第１実施例を示す全体正面断面図であ
る。

【図２】支持体の斜視図である。

【図３】別の支持体の斜視図である。

【図４】作用状態説明図である。

【図５】本考案の第２実施例を示し、(a) はその全体正
面断面図、(b) はそのＡ−Ａ線断面図である。

【図６】従来例を示す全体正面断面図である。

【符号の説明】

２ 柱状部 ３ 支持体 3a 上端面

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ゴム様弾性体からなる中空の柱状部(2)
   を備え、この柱状部(2) の下方内部に該柱状部(2) を地
   上に設置するための柱状の剛性支持体(3) を内嵌した弾
   性ポストにおいて、前記剛性支持体(3) の上端面(3a)を
   略半球面に形成したことを特徴とする弾性ポスト。