JPH06202150A - 薄膜トランジスタアレイ及びその製造方法 - Google Patents

薄膜トランジスタアレイ及びその製造方法

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JPH06202150A
JPH06202150A JP34760492A JP34760492A JPH06202150A JP H06202150 A JPH06202150 A JP H06202150A JP 34760492 A JP34760492 A JP 34760492A JP 34760492 A JP34760492 A JP 34760492A JP H06202150 A JPH06202150 A JP H06202150A
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thin film
film transistor
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electrode
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Mamoru Yoshida
守 吉田
Makoto Sasaki
誠 佐々木
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Casio Computer Co Ltd
Oki Electric Industry Co Ltd
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Casio Computer Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 静電気に対する保護能力を向上させ、静電気
による液晶表示装置の表示欠陥を防止し、しかも素子の
占める面積を低減することができる歩留まりのよい薄膜
トランジスタアレイ及びその製造方法を提供する。 【構成】 薄膜トランジスタのゲート電極にアドレス配
線12が、ソース電極とドレイン電極の他方にデータ配
線が夫々接続された薄膜トランジスタアレイを具備する
薄膜トランジスタ駆動型液晶表示装置において、表示電
極が配列された表示領域の外側に短絡用配線を有し、該
短絡用配線と前記複数のアドレス配線及び複数のデータ
配線がクロムシリサイド層63aを抵抗体とする高抵抗
2端子素子19で接続し、静電気が原因で起こるアドレ
ス線とデータ線の交差部の絶縁破壊やTFTの閾値電圧
の変動等による液晶表示装置の表示欠陥の発生を防止す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、薄膜トランジスタに接
続された表示電極がマトリックス状に複数配列された液
晶表示素子に用いられる薄膜トランジスタアレイとその
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、薄膜トランジスタ(以下、TFT
と記す)と表示電極とをマトリックス状に配列した薄膜
トランジスタアレイを用いたアクティブマトリックス型
液晶表示素子(以下、TFT−LCDと記す)が用いら
れている。このような従来のTFT−LCDとしては、
例えば、特開昭63−85586号公報に開示された液
晶表示素子が知られており、そのTFTアレイの等価回
路を図9に示した。
【0003】この図9に示すように、TFTアレイは、
透明絶縁性基板1上に行方向と列方向に夫々複数のアド
レス配線(ゲート配線)2とデータ配線(ドレイン配
線)3とが互いに直角に交差するように配列され、これ
らのアドレス配線2とデータ配線3との交差部に、夫々
ゲート電極がアドレス配線2と、ドレイン電極がデータ
配線3に接続されたTFT4が複数配列され、このTF
T4のソース電極に接続された液晶画素5がマトリック
ス状に複数配列形成されている。
【0004】透明絶縁性基板1の外周部には、その基板
1の外周を取り囲むように短絡用配線6が形成されてお
り、この短絡用配線6に前記複数のデータ配線2及び前
記複数のアドレス配線3が夫々接続されている。また、
ゲート配線2及びドレイン配線3と短絡用配線6を接続
する接続素子7が設けられており、アドレス配線2には
接続端子8、データ配線3には接続端子9がそれぞれ形
成されている。
【0005】上記した接続素子7がない場合、組み立て
工程中(例えばガラス基板切断工程や、駆動回路接続工
程)の静電気によって、絶縁破壊、断線、TFTの特性
変動などが発生し、液晶表示装置の表示欠陥となり、歩
留まりを低下させるという問題があったが、図9のよう
に構成することにより、すべてのアドレス配線及びデー
タ配線は、接続素子7を通して、透明絶縁性基板1の短
絡用配線6に接続されているために、同電位に保たれる
ことになり、静電気による不良発生を抑制することがで
きる。
【0006】ところが、接続素子7の抵抗が低すぎる場
合、静電気に対する保護能力は大きいが、接続端子間の
クロストークにより表示品質が劣化し、また、漏れ電流
のため消費電力が増大する。一方、接続素子7の抵抗が
大きすぎる場合、静電気のインパルスに対して流れる電
流が小さいために、静電気に対する保護能力が不十分と
なる。
【0007】このような状況に鑑みて、接続素子7の抵
抗値は、1M〜10MΩが適当である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、従来
の薄膜トランジスタアレイでは、接続素子の抵抗体材料
として、配線用の金属、半導体等が用いられていた。し
かし、接続素子の抵抗体として金属を用いた場合、例え
ば、クロムの抵抗率を50μΩ・cm、膜厚250Åと
して、シート抵抗は20Ω/□であり、適当な抵抗値を
得るためには、幅が極めて細く、全長の極めて長いパタ
ーン形状、例えば幅5μm、長さ250mmにする必要
があり、大きな面積を占めるため、このような寸法の素
子を各配線間に作り込むことは不可能であった。
【0009】一方、接続素子の抵抗体として半導体材料
を用いた場合、リンを添加したアモルファスシリコンの
抵抗率103 Ω・cm、膜厚250Åとしてシート抵抗
は400MΩ/□となり、適当な抵抗値を得るために
は、幅が極めて広く、ギャップ長の極めて短いパターン
形状、例えば幅0.4〜4mm、ギャップ長10μmに
する必要があり、接続素子がショートし、結果的に配線
間がショートする危険性が高く、かつ、素子の占める面
積が大きくなるという欠点があり、実際には、静電気に
対する保護能力の劣る接続素子しか得られなかった。
【0010】本発明は、上記のような静電気に対する保
護のための接続素子の問題点を除去し、静電気に対する
保護能力を向上させ、静電気による液晶表示装置の表示
欠陥を防止し、しかも素子の占める面積を低減すること
ができる歩留まりのよい薄膜トランジスタアレイ及びそ
の製造方法を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するため、互いに交差させて配置した複数のアドレス
配線と複数のデータ配線の各交差部に、薄膜トランジス
タと該薄膜トランジスタのソース電極とドレイン電極と
の何れか一方に接続された表示電極とがマトリックス状
に複数配列され、前記薄膜トランジスタのゲート電極に
前記アドレス配線が、ソース電極とドレイン電極の他方
にデータ配線が夫々接続された薄膜トランジスタアレイ
において、前記表示電極が配列された表示領域の外側に
短絡用配線を有し、該短絡用配線と前記複数のアドレス
配線及び複数のデータ配線がクロムシリサイドを抵抗体
とする高抵抗2端子素子で接続されていることを特徴と
する。
【0012】また、互いに交差させて配置した複数のア
ドレス配線と複数のデータ配線の各交差部に、薄膜トラ
ンジスタと該薄膜トランジスタのソース電極とドレイン
電極との何れか一方に接続された表示電極とがマトリッ
クス状に複数配列され、前記薄膜トランジスタのゲート
電極に前記アドレス配線が、ソース電極とドレイン電極
の他方にデータ配線が夫々接続された薄膜トランジスタ
アレイにおいて、前記隣接するアドレス配線間及び隣接
するデータ配線間がクロムシリサイドを抵抗体とする高
抵抗2端子素子で順次接続されていることを特徴とす
る。
【0013】更に、互いに交差させて配置した複数のア
ドレス配線と複数のデータ配線の各交差部に、薄膜トラ
ンジスタと該薄膜トランジスタのソース電極とドレイン
電極との何れか一方に接続された表示電極とがマトリッ
クス状に複数配列され、前記薄膜トランジスタのゲート
電極に前記アドレス配線が、ソース電極とドレイン電極
の他方にデータ配線が夫々接続された薄膜トランジスタ
アレイの製造方法において、絶縁性透明基板上に、アド
レス配線とデータ配線との交差部の夫々の近傍に配列さ
れ、Crからなるドレイン電極とソース電極の一方に表
示電極が接続された薄膜トランジスタと、該薄膜トラン
ジスタのゲート電極を接続するアドレス配線と、前記表
示電極が配列された領域の外側に配列された短絡用配線
のアドレス配線接続部とを形成する第1の工程と、前記
短絡用配線とアドレス配線及びデータ配線の交差部の近
傍にクロムシリサイドを抵抗体とする高抵抗2端子素子
を形成する第2の工程と、前記薄膜トランジスタのソー
ス電極とドレイン電極の他方の電極に接続させたデータ
配線と、前記第1の工程で形成したデータ配線接続部と
接続させて短絡用配線のアドレス配線接続部を形成する
と共に、前記第2端子素子の一方の端子を前記短絡用配
線に、他方の端子をアドレス配線又はデータ配線に夫々
接続する第3の工程とを備えたことを特徴とする。
【0014】また、互いに交差させて配置した複数のア
ドレス配線と複数のデータ配線の各交差部に、薄膜トラ
ンジスタと該薄膜トランジスタのソース電極とドレイン
電極との何れか一方に接続された表示電極とがマトリッ
クス状に複数配列され、前記薄膜トランジスタのゲート
電極に前記アドレス配線が、ソース電極とドレイン電極
の他方にデータ配線が夫々接続された薄膜トランジスタ
アレイの製造方法において、絶縁性透明基板上に、アド
レス配線とデータ配線との交差部の夫々の近傍に配列さ
れ、Crからなるドレイン電極とソース電極の一方に表
示電極が接続された薄膜トランジスタと、該薄膜トラン
ジスタのゲート電極を接続するアドレス配線と、前記表
示電極が配列された領域の外側に前記アドレス配線に接
続される接続端子とデータ配線に接続される接続端子と
を形成する第1の工程と、前記隣接するアドレス配線と
前記隣接するデータ配線の少なくとも一方の配線間に接
続されたクロムシリサイドを抵抗体とする高抵抗2端子
素子を形成する第2の工程とを備えたことを特徴とす
る。
【0015】上記薄膜トランジスタとクロムシリサイド
を抵抗体とする高抵抗2端子素子を形成する工程は、薄
膜トランジスタのゲート絶縁層を形成した後、該ゲート
絶縁層上に薄膜トランジスタ用の半導体膜の上にCr層
を形成して、該半導体膜と該Cr層との界面にクロムシ
リサイド層を形成する工程と、前記Cr層の両端部を残
し、前記クロムシリサイド層の表面のCr層をエッチン
グする工程とを備えていることを特徴とする。
【0016】
【作用】本発明によれば、上記したように、前記表示電
極が配列された表示領域の外側に短絡用配線を有し、こ
の短絡用配線と複数のアドレス配線及び複数のデータ配
線がクロムシリサイドを抵抗体とする高抵抗2端子素子
で接続されている。この高抵抗2端子素子のシート抵抗
は、約20kΩ/□であり、従来用いられている金属C
rの20Ω/□、n+ a−Siの400MΩ/□の中間
的な値である。よって高抵抗2端子素子を、液晶表示部
のTFTと同程度の大きさに形成することができる。
【0017】このような高抵抗2端子素子を用いた液晶
表示装置は、その組み立て工程中に発生した静電気で配
線の1本に高電圧が印加されたとしても、この接続素子
と短絡用配線を通して全てのアドレス配線、データ配線
に電流が流れ、全てのTFTのゲート電極、ソース・ド
レイン電極はただちに同電位に保たれる。したがって、
静電気が原因で起こるアドレス線とデータ線の交差部の
絶縁破壊やTFTの閾値電圧の変動等による液晶表示装
置の表示欠陥が発生することなく、歩留まりの向上を図
ることができる。
【0018】一方、液晶表示装置を駆動するにあたって
は、本発明の接続素子は十分高い抵抗を示すため、表示
画像に悪影響を与えることがない。また、上記短絡用配
線に代えて、隣接するアドレス配線間及び隣接するデー
タ配線間をクロムシリサイドを抵抗体とする高抵抗2端
子素子で順次接続し、表示電極が配列された表示領域の
外側を囲む構造にすることができる。
【0019】その場合は、マスクパターンを変更するだ
けですみ、製造工程としては前記した場合と同一であ
る。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
ながら詳細に説明する。図1は本発明の第1の実施例を
示すTFTアレイの概略構成を示す等価回路図である。
この図1において、TFTアレイは、ガラス基板などの
絶縁性透明基板11上に、行方向に延出された複数のア
ドレス配線12と、列方向に延出された複数のデータ配
線13とが互いに絶縁されて交差するように配置され、
これらの複数のアドレス配線12と複数のデータ配線1
3との各交差部に、これらの配線に接続されたTFT1
4と、このTFT14のそれぞれに接続された表示電極
15とが設けられ、これらの表示電極15が行及び列方
向に複数配列されて表示領域が形成されている。
【0021】前記表示領域の外側近傍には、その表示領
域を取り囲む短絡用配線18が、前記アドレス配線12
及びデータ配線13と絶縁されて交差するように形成さ
れ、この短絡用配線18の前記アドレス配線12にほぼ
平行に設けられるデータ配線接続部18aは、前記基板
11面上に形成され、前記短絡用配線18の前記データ
配線13とほぼ平行に設けられるアドレス配線接続部1
8bは、後述するゲート絶縁膜上に形成されている。そ
して、この短絡用配線18と前記アドレス配線12及び
データ配線13とは、クロムシリサイドを抵抗体とする
高抵抗2端子素子19でそれぞれ接続されている。な
お、16はアドレス配線の接続端子、17はデータ配線
の接続端子である。
【0022】このTFTアレイの前記アドレス配線12
とデータ配線13との交差部に配置されたTFT14と
表示電極15との構造を図2及び図3に示す。これらの
図に示されるように、アドレス配線12とデータ配線1
3とは、後述するゲート絶縁膜と交差部絶縁膜21を介
して互いに交差して形成され、この交差部には前記アド
レス配線12にゲート電極41が、前記データ配線13
にドレイン電極46がそれぞれ接続されたTFT14が
形成されており、そして、このTFT14のソース電極
48は表示電極15に接続されている。
【0023】前記TFT14は、以下のように構成され
ている。基板11上に前記アドレス配線12から突出し
た形状のゲート電極41と、このゲート電極41を覆う
ゲート絶縁膜42が形成されている。このゲート絶縁膜
42の前記ゲート電極41に対応する位置には、アモル
ファスシリコンからなる半導体膜43が形成され、素子
領域が形成されている。半導体膜43のチャンネル部に
は、窒化シリコンからなるブロッキング層44が形成さ
れ、前記半導体膜43の一方の側には不純物がドープさ
れた半導体からなるオーミック接合層45を介してドレ
イン電極46が形成され、このドレイン電極46はデー
タ配線13に接続している。前記半導体膜43の他方の
側には、不純物がドープされた半導体からなるオーミッ
ク接合層47を介してソース電極48が形成され、この
ソース電極48は透明導電膜からなる表示電極15に接
続されている。そして更に、前記TFT14の上には、
保護膜49が形成されている。なお、50は画素領域で
ある。
【0024】アドレス配線12とデータ配線13とにそ
れぞれ交差させて配置した短絡用配線18と、この短絡
用配線18と前記アドレス配線12及びデータ配線13
との間に接続されるクロムシリサイドを抵抗体とする高
抵抗2端子素子19は、図4及び図5に示すように構成
されている。すなわち、基板11上に形成されたアドレ
ス配線12を覆うゲート絶縁膜42の上に不純物がノン
ドープのアモルファスシリコン(a−Si)からなる島
状の半導体膜61、この半導体膜61上には不純物をド
ープ(リンを添加)した島状の半導体膜(n+ a−S
i)62が形成され、その上にはクロムシリサイド層6
3aが順次形成されている。
【0025】このクロムシリサイド層63aの両端のC
r層63には接続導体67,68が形成され、一方のC
r層63はゲート絶縁膜42に設けたコンタクト穴42
aを通して前記アドレス配線12に接続され、他方のC
r層63はゲート絶縁膜42に設けたコンタクト穴(図
示なし)を通して前記短絡用配線18に接続導体68で
接続され、これらのクロムシリサイドを抵抗体とする高
抵抗2端子素子領域は保護膜49で覆われている。
【0026】以下に、上述したTFTアレイの製造方法
について、図6及び図7を参照して説明する。図6はT
FT部分の製造工程を、図7はクロムシリサイドを抵抗
体とする高抵抗2端子素子部分の製造工程を夫々工程順
に示している。まず、ガラス等の絶縁性透明基板11の
上に、Cr,Al,Ta,Ti,W等の金属又は合金薄
膜をスパッタ法により堆積し、選択エッチングを行っ
て、図6(A)に示すゲート電極41、図7(A)に示
すアドレス配線12、このアドレス配線12と平行に配
設される下層のデータ配線接続部(以下、下層短絡用配
線という)とを形成する。
【0027】次に、前記ゲート電極41等が形成された
基板11上にプラズマCVD法により、ゲート絶縁膜4
2となるシリコン窒化膜と、半導体膜43となるアモル
ファスシリコン膜43aと、ブロッキング層44となる
シリコン窒化膜との3層の薄膜を連続的に堆積し、最上
層のシリコン窒化膜の図6(B)に示すTFT14のチ
ャンネル部に対応する部分と、アドレス配線12と後述
する上層短絡用配線18bとの交差部に対応する部分以
外の不要部分をエッチング除去し、夫々の部分にブロッ
キング層44、及び交差部絶縁膜21(図4参照)を夫
々形成する。
【0028】前記基板11上の前記ブロッキング層44
等が形成されたアモルファスシリコン膜の上方全面に、
プラズマCVD法によりオーミック接合層45,47,
62となる不純物を添加したアモルファスシリコン層を
形成すると共に、連続してスパッタ法により、Cr層を
順次堆積する。その後、TFT14の素子領域及び2端
子素子の素子領域以外の部分の前記Cr層、前記不純物
をドープしたアモルファスシリコン層、及び不純物をノ
ンドープのアモルファスシリコン膜を連続してエッチン
グ除去すると共に、前記TFT14のブロッキング層4
4上の前記金属薄膜と前記不純物がドープされたアモル
ファスシリコン層をエッチング除去して、図6(C)及
び図7(C)に示すように、TFT14のソース電極4
8とドレイン電極46、及び2端子素子領域92(図4
参照)がそれぞれ形成される。すなわち、Cr層63と
不純物をドープしたアモルファスシリコン層(n+ a−
Si)62の上にCr層63を成膜した時に、これらの
界面にクロムシリサイド層63aが形成される。
【0029】次いで、基板11上のTFT14、2端子
素子領域92及びゲート絶縁膜42上にITO等の透明
導電性薄膜を堆積し、この透明導電性薄膜をエッチング
して図6(D)に示すように前記TFT14のソース電
極48に接続された表示電極15を形成し、続けて前記
アドレス配線12を駆動回路に接続するための前記アド
レス配線12の接続端子16上のシリコン窒化膜、図7
(D)に示すようにアドレス配線12上のシリコン窒化
膜にコンタクト穴42aを形成する。
【0030】その後、TFT14の上方にスパッタ法に
より、Al,Ti,Mo,Cr等の金属又は合金薄膜、
或いはそれらの金属膜の複数膜からなる導電膜を堆積
し、エッチングして図6(E)に示すデータ配線13が
形成される。同時に図7(E)に示すように、2端子素
子領域92上のCr層63をエッチング除去することに
より、クロムシリサイドを用いた高抵抗2端子素子が形
成され、またアドレス配線12と2端子素子領域92と
を接続する接続導体67,68とが形成される。
【0031】この工程で、2端子接続素子の接続導体6
7と68との間に露出しているCr層63bのエッチン
グは、硝酸セリウムアンモニウム水溶液等のエッチャン
トを用いて行われ、このエッチャントにより、表面のC
r層63bだけが除去され、クロムシリサイド層63a
が残存し、クロムシリサイドを抵抗体とする高抵抗2端
子素子19を得ることができる。
【0032】この工程により、TFT14は、ドレイン
電極46がデータ配線13に接続され、そのデータ配線
13は、下層短絡用配線18aと交差する部分でクロム
シリサイドを抵抗体とする高抵抗2端子素子19の一方
の電極に接続され、他方の電極は下層短絡用配線18a
に接続される。また、アドレス配線12と上層短絡用配
線18bとの交差部に配置されたクロムシリサイドを抵
抗体とする高抵抗2端子素子19は、その一方の電極が
上層短絡用配線18bに接続される。更に、上層短絡用
配線18bは下層短絡用配線18a上のシリコン窒化膜
に形成されたコンタクト穴(図示なし)を通じてこの下
層短絡用配線18aに接続され、アドレス配線12とは
ゲート絶縁膜42を形成するためのシリコン窒化膜、ア
モルファスシリコン膜43a、及びTFT14のブロッ
キング層44を形成するためのシリコン窒化膜とにより
絶縁されている。
【0033】最後に、プラズマCVD法により保護膜4
9となるシリコン窒化膜を基板上の全面に堆積した後エ
ッチングすることにより、図3及び図5に示すように、
駆動回路に接続するためにアドレス配線12及びデータ
配線13の端部に形成された接続端子部、及び表示電極
15上の画素領域50に対応する部分の前記シリコン窒
化膜を除去して保護膜49が形成される。
【0034】上述したように、この実施例のTFTアレ
イは、基板上に形成されるTFT14とこのTFT14
を接続するアドレス配線12、データ配線13、及びこ
れらの配線間を接続するクロムシリサイドを抵抗体とす
る高抵抗2端子素子19とが、TFT14を形成する工
程中に何ら特別な膜を形成することなく、TFT14を
形成するための薄膜とそのエッチング工程により順次形
成される。
【0035】したがって、クロムシリサイドを抵抗体と
する高抵抗2端子素子19を形成するための工程が増加
することなく、クロムシリサイドを抵抗体とする高抵抗
2端子素子19を備えたTFTアレイを容易に製造する
ことができる。なお、上述した実施例では、ゲート電極
41及びアドレス配線12を、Cr,Al,Ta,T
i,W等の金属又は合金膜で形成した場合について述べ
たが、このゲート電極41及びアドレス配線12はこれ
に限ることなく、前記金属等の複数を順次堆積させて形
成した積層膜を用いてもよく、また、これらのゲート電
極41及びアドレス配線12の絶縁性を向上させるため
に、表面を部分的に、あるいは全面を陽極酸化、熱酸化
等によって酸化しても良い。
【0036】図8は本発明の第2の実施例を示すTFT
アレイの等価回路図である。この図に示すように、透明
絶縁性基板71上に行方向と列方向に夫々複数のアドレ
ス配線(ゲート配線)72と、データ配線(ドレイン配
線)73とが互いに直角に交差するように配列され、こ
れらのアドレス配線72とデータ配線73との交差部に
夫々ゲート電極がアドレス配線72と、ドレイン電極が
データ配線73に接続されたTFT74が複数配列さ
れ、このTFT74のソース電極に接続された液晶画素
75がマトリックス状に複数配列形成されている。
【0037】これらの液晶画素75の外周部を囲むよう
に、隣接するアドレス配線72間と隣接するデータ配線
73間をクロムシリサイドを抵抗体とする高抵抗2端子
素子77で順次接続している。つまり、アドレス配線7
2にはアドレス配線の形成と同時に形成される接続端子
78が形成され、データ配線73にはデータ配線の形成
と同時に形成される接続端子79が形成されており、そ
れらの接続端子78と79それぞれの間には前記した工
程で形成されるクロムシリサイドを抵抗体とする高抵抗
2端子素子77が配置され、これらの高抵抗2端子素子
77の両端は、それぞれ接続導体76により、互いに隣
接するそれぞれの接続端子78,79及び接続端子78
と79とに接続される。
【0038】このように、この実施例では、第1実施例
に形成した短絡用配線18に代えて、隣接するアドレス
配線72間と隣接するデータ配線73間をクロムシリサ
イドを抵抗体とする高抵抗2端子素子77で順次接続
し、表示電極が配列された表示領域の外側を囲む構造を
有する。この実施例における隣接するアドレス配線72
間、隣接するデータ配線73間をクロムシリサイドを抵
抗体とする高抵抗2端子素子77で接続した構造を得る
にはマスクパターンが変更されるだけで、製造工程とし
ては前記した第1の実施例と同一である。
【0039】ここで、高抵抗2端子素子77は不純物を
ドープした半導体膜(n+ a−Si膜)上にCr層を成
膜し、両者の界面にクロムシリサイドを形成した後、表
面のCr層だけをエッチング除去して、クロムシリサイ
ドからなる抵抗体を形成することにより得られる〔図7
(C)〜(E)参照〕。したがって、実施例としてあげ
たTFTと異なった構造のTFTであっても、n+ a−
Si膜上にCr層を成膜する工程を含む構造であれば、
当然接続素子をTFTアレイと同時に形成することがで
きる。
【0040】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形が可能で
あり、それらを本発明の範囲から排除するものではな
い。
【0041】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
よれば、以下に示すような効果を奏することができる。
表示電極が配列された表示領域の外側にこの表示領域を
囲むように短絡用配線18が形成され、この短絡用配線
18と前記複数のアドレス配線12及び前記複数のデー
タ配線13とが、クロムシリサイドを抵抗体とする高抵
抗2端子素子19でそれぞれ接続されているので、外部
ショートリングを切断除去した後のTFTアレイに、ア
ドレス配線12と前記データ配線13のいずれかに静電
気による高電圧が印加されたときには、大きな電流が流
れて実質的な短絡状態になって同一電位になり、両配線
間の絶縁破壊及びゲート電極41とドレイン電極46間
等の絶縁不良によるTFT特性の劣化等の欠陥の発生を
防止することができる。
【0042】しかも、通常の駆動電圧では前記高抵抗2
端子素子抵抗が充分高く、アドレス配線間、データ配線
間及びアドレス配線とデータ配線間に流れる漏れ電流は
微小電流であるので、各表示電極15に印加するデータ
信号には何ら影響を与えることがなく、鮮明な画像を表
示することができる。また、基板上にTFT14を形成
する工程中で、パターニング用のマスク及び工程を増や
すことなく、クロムシリサイドを抵抗体とする高抵抗2
端子素子19を形成することができる。
【0043】また、短絡用配線18に代えて、表示電極
が配列された表示領域の外側にその表示領域の外周部を
囲むように、隣接するアドレス配線72間と隣接するデ
ータ配線73間をクロムシリサイドを抵抗体とする高抵
抗2端子素子77で順次接続するように構成することに
より、上記と同様の作用効果を生じることができるとと
もに、高抵抗2端子素子の実装を容易にすることができ
る。
【0044】特に、本発明の高抵抗2端子素子として用
いられる不純物をドープした半導体膜(n+ a−Si
膜)とCr層の界面に形成されるクロムシリサイドのシ
ート抵抗は、n+ a−Si膜上にCrを堆積してからエ
ッチング除去するまでの熱履歴によって変化するが、約
20kΩ/□であり、従来から用いられている金属Cr
の20Ω/□と、n+ a−Siの400MΩ/□との中
間的な値である。よって、高抵抗2端子素子の適当な抵
抗値を得るために素子領域が大きくなることがなく、ま
た、微細なパターンを形成することもない。したがっ
て、上記高抵抗2端子素子は、基板上に同時に形成され
るTFTとほぼ同様の大きさで、かつTFTの製造工程
中で形成することができる。
【0045】したがって、液晶表示装置組み立て工程中
に発生した静電気で、配線の1本に高電圧が印加された
としても、接続素子と短絡用配線を通して全てのアドレ
ス配線、データ配線に電流が流れ、全てのTFTのゲー
ト電極、ドレイン電極はただちに同電位に保たれる。し
たがって、静電気が原因で起こるアドレス線とデータ線
の交差部の絶縁破壊やTFTの閾値電圧の変動等による
液晶表示装置の表示欠陥が発生することなく、歩留まり
の向上を図ることができる。
【0046】一方、液晶表示装置を駆動するにあたって
は、本発明のクロムシリサイドを抵抗体とする高抵抗2
端子素子は十分高い抵抗を示すため、表示画像に悪影響
を与える恐れはない。また、配線の断線及びショートを
電気的に一括して検査することができ、また、画面内部
のTFT特性を容易に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示すTFTアレイの等
価回路図である。
【図2】図1のTFTアレイにおける画素部分を拡大し
て示す平面図である。
【図3】図2のTFT構造をA−A線で切断して示す断
面図である。
【図4】図1のTFTアレイにおけるクロムシリサイド
を抵抗体とする高抵抗2端子素子部分を拡大して示す平
面図である。
【図5】図4のクロムシリサイドを抵抗体とする高抵抗
2端子素子構造をB−B線で切断して示す断面図であ
る。
【図6】図1に示した第1実施例のTFTアレイにおけ
るTFT部分の製造工程図で、(A)及至(E)はそれ
ぞれ各製造工程を示す断面図である。
【図7】図1に示した第1実施例のTFTアレイにおけ
るクロムシリサイドを抵抗体とする高抵抗2端子素子部
分の製造工程図で、(A)及至(E)はそれぞれ各製造
工程を示す断面図である。
【図8】本発明の第2の実施例を示すTFTアレイの等
価回路図である。
【図9】従来のTFTアレイを示す等価回路図である。
【符号の説明】
11,71 絶縁性透明基板 12,72 アドレス配線 13,73 データ配線 14,74 TFT 15 表示電極 18 短絡用配線 18a データ配線接続部 18b アドレス配線接続部 19,77 クロムシリサイドを抵抗体とする高抵抗
2端子素子 21 交差部絶縁膜 41 ゲート電極 42 ゲート絶縁膜 42a コンタクト穴 43,43a 半導体膜(アモルファスシリコン膜) 44 ブロッキング層 45,47 不純物がドープされた半導体からなるオ
ーミック接合層 46 ドレイン電極 48 ソース電極 49 保護膜 50 画素領域 61 島状の半導体膜(アモルファスシリコン) 62 不純物をドープ(リンを添加)した島状の半導
体膜(n+ a−Si) 63,63b Cr層 63a クロムシリサイド層 67,68 接続導体 75 液晶画素 78,79 接続端子

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに交差させて配置した複数のアドレ
    ス配線と複数のデータ配線の各交差部に、薄膜トランジ
    スタと該薄膜トランジスタのソース電極とドレイン電極
    との何れか一方に接続された表示電極とがマトリックス
    状に複数配列され、前記薄膜トランジスタのゲート電極
    に前記アドレス配線が、ソース電極とドレイン電極の他
    方にデータ配線が夫々接続された薄膜トランジスタアレ
    イにおいて、 前記表示電極が配列された表示領域の外側に短絡用配線
    を有し、該短絡用配線と前記複数のアドレス配線及び複
    数のデータ配線がクロムシリサイドを抵抗体とする高抵
    抗2端子素子で接続されていることを特徴とする薄膜ト
    ランジスタアレイ。
  2. 【請求項2】 互いに交差させて配置した複数のアドレ
    ス配線と複数のデータ配線の各交差部に、薄膜トランジ
    スタと該薄膜トランジスタのソース電極とドレイン電極
    との何れか一方に接続された表示電極とがマトリックス
    状に複数配列され、前記薄膜トランジスタのゲート電極
    に前記アドレス配線が、ソース電極とドレイン電極の他
    方にデータ配線が夫々接続された薄膜トランジスタアレ
    イにおいて、 前記隣接するアドレス配線間及び隣接するデータ配線間
    がクロムシリサイドを抵抗体とする高抵抗2端子素子で
    順次接続されていることを特徴とする薄膜トランジスタ
    アレイ。
  3. 【請求項3】 2端子素子は島状に形成された半導体膜
    及びその両端に形成されたオーミック接合層を有するク
    ロムシリサイド層と前記オーミック接合層に接続された
    接続導体とからなることを特徴とする請求項1又は2記
    載の薄膜トランジスタアレイ。
  4. 【請求項4】 互いに交差させて配置した複数のアドレ
    ス配線と複数のデータ配線の各交差部に、薄膜トランジ
    スタと該薄膜トランジスタのソース電極とドレイン電極
    との何れか一方に接続された表示電極とがマトリックス
    状に複数配列され、前記薄膜トランジスタのゲート電極
    に前記アドレス配線が、ソース電極とドレイン電極の他
    方にデータ配線が夫々接続された薄膜トランジスタアレ
    イの製造方法において、(a)絶縁性透明基板上に、ア
    ドレス配線とデータ配線との交差部の夫々の近傍に配列
    され、Crからなるドレイン電極とソース電極の一方に
    表示電極が接続された薄膜トランジスタと、該薄膜トラ
    ンジスタのゲート電極を接続するアドレス配線と、前記
    表示電極が配列された領域の外側に配列された短絡用配
    線のアドレス配線接続部とを形成する第1の工程と、
    (b)前記短絡用配線とアドレス配線及びデータ配線の
    交差部の近傍にクロムシリサイドを抵抗体とする高抵抗
    2端子素子を形成する第2の工程と、(c)前記薄膜ト
    ランジスタのソース電極とドレイン電極の他方の電極に
    接続させたデータ配線と、前記第1の工程で形成したア
    ドレス配線接続部と接続させて短絡用配線のデータ配線
    接続部を形成すると共に、前記第2端子素子の一方の端
    子を前記短絡用配線に、他方の端子をアドレス配線又は
    データ配線に夫々接続する第3の工程とを備えたことを
    特徴とする薄膜トランジスタアレイの製造方法。
  5. 【請求項5】 互いに交差させて配置した複数のアドレ
    ス配線と複数のデータ配線の各交差部に、薄膜トランジ
    スタと該薄膜トランジスタのソース電極とドレイン電極
    との何れか一方に接続された表示電極とがマトリックス
    状に複数配列され、前記薄膜トランジスタのゲート電極
    に前記アドレス配線が、ソース電極とドレイン電極の他
    方にデータ配線が夫々接続された薄膜トランジスタアレ
    イの製造方法において、(a)絶縁性透明基板上に、ア
    ドレス配線とデータ配線との交差部の夫々の近傍に配列
    され、Crからなるドレイン電極とソース電極の一方に
    表示電極が接続された薄膜トランジスタと、該薄膜トラ
    ンジスタのゲート電極を接続するアドレス配線と、前記
    表示電極が配列された領域の外側に前記アドレス配線に
    接続される接続端子とデータ配線に接続される接続端子
    とを形成する第1の工程と、(b)前記隣接するアドレ
    ス配線と前記隣接するデータ配線の少なくとも一方の配
    線間に接続されたクロムシリサイドを抵抗体とする高抵
    抗2端子素子を形成する第2の工程とを備えたことを特
    徴とする薄膜トランジスタアレイの製造方法。
  6. 【請求項6】 薄膜トランジスタとクロムシリサイドを
    抵抗体とする高抵抗2端子素子を形成する工程は、薄膜
    トランジスタのゲート絶縁層を形成した後、該ゲート絶
    縁層上に薄膜トランジスタ用の半導体膜の上にCr層を
    形成して、該半導体膜と該Cr層との界面にクロムシリ
    サイド層を形成する工程と、前記Cr層の両端部を残
    し、前記クロムシリサイド層の表面のCr層をエッチン
    グする工程とを備えていることを特徴とする請求項4記
    載の薄膜トランジスタアレイの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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