JPH06201962A

JPH06201962A - 光学用レンズ部品

Info

Publication number: JPH06201962A
Application number: JP4348398A
Authority: JP
Inventors: Katsumi Inada; 勝美稲田; Masaaki Kadomi; 昌昭角見
Original assignee: Nippon Electric Glass Co Ltd
Current assignee: Nippon Electric Glass Co Ltd
Priority date: 1992-12-28
Filing date: 1992-12-28
Publication date: 1994-07-22

Abstract

(57)【要約】【目的】熱膨張率の差に起因する金属製ホルダーの圧
縮応力によるレンズの歪みを緩和し得る光学用レンズ部
品を提供すること。【構成】キャップ形状をなす金属製ホルダー（２）
と、金属製ホルダー（２）の頂部中央の孔（２ａ）に接
着剤（３）で接合固着されたレンズ（１）とからなり、
金属製ホルダー（２）のレンズ接合部（２ｂ）をレンズ
（１）の光軸（ｋ）に対して傾斜したテーパー状とし
た。さらに、金属製ホルダー（２）のレンズ接合部（２
ｂ）をナイフエッジ状もしくは薄肉状とした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、光通信用、光センサー
用等の光学用レンズ部品に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の光学用レンズ部品は、図３に示す
ように、レンズ（１）を金属製ホルダー（２）に低融点
ガラス等の接着剤（３）によって加熱固着されている。
この金属製ホルダー（２）は、板状素材をプレス絞り成
型してキャップ形状に成型され、頂部中央にレンズ
（１）よりも若干大径の孔を打ち抜き形成している。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来の金属製ホルダー
（２）の頂部は、レンズ（１）の光軸に直交して形成さ
れているため、レンズ（１）を低融点ガラス等の接着剤
（３）によって加熱固着すると、各材質間の熱膨張率の
違いにより、金属製ホルダー（２）の頂部を通してレン
ズ（１）にその周囲から圧縮応力（残留熱応力）がかか
る。この応力は、光軸に対し、垂直方向にあり、レンズ
（１）に複屈折を生じさせ、光学特性を劣化させる欠点
がある。そこで、従来では、金属製ホルダー（２）及び
接着剤（３）の熱膨張率を、レンズ（１）の熱膨張率に
近似した材料を選択して使用している。しかし、各材質
間の熱膨張率を完全に一致させることはできず、また、
金属製ホルダー（２）にはある程度の強度が要求される
ため、上記欠点は解消されない。

【０００４】本発明の目的は、従来技術の上記欠点を解
消し、熱膨張率の差に起因する金属製ホルダーの圧縮応
力によるレンズの歪みを緩和し得る光学用レンズ部品を
提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の１つは、キャップ形状をなす金属製ホルダ
ーと、金属製ホルダーの頂部中央の孔に接着剤で接合固
着されたレンズとからなり、金属製ホルダーのレンズ接
合部をレンズの光軸に対して傾斜したテーパー状として
あることを特徴としている。

【０００６】本発明の他の１つは、上記構成に加えて、
金属製ホルダーのレンズ接合部をレンズに向けてナイフ
エッジ状もしくは薄肉状としてあることを特徴としてい
る。

【０００７】

【作用】本発明の光学用レンズ部品は、上記構成として
あるため、金属製ホルダーの頂部のレンズ接合部を通し
てレンズにその周囲から作用する圧縮応力（残留熱応
力）を、レンズの光軸に対して傾斜したテーパー状とし
てあるレンズ接合部の撓み変形によって吸収緩和させる
ことができ、レンズの歪みを防止して、レンズに複屈折
が生じることを防止できる。

【０００８】さらに、上記テーパー状構成に加えて、金
属製ホルダーのレンズ接合部をレンズに向けてナイフエ
ッジ状もしくは薄肉状としてあることにより、上記圧縮
応力（残留熱応力）の吸収緩和作用を増大させることが
できる。

【０００９】

【実施例】図１は本発明に係る光学用レンズ部品の第１
実施例を示す縦断側面図、図２は第２実施例を示す縦断
側面図であって、これらの図において、（１）はレン
ズ、（２）は金属製ホルダー、（３）は接着剤を示して
いる。

【００１０】レンズ（１）は、実施例では、球レンズの
場合を例示しているが、他の形状のレンズであってもよ
い。

【００１１】金属製ホルダー（２）は、板状素材をプレ
ス絞り加工によってキャップ形状に成形し、頂部中央に
レンズ（１）の外径より僅かに大きい孔（２ａ）を打ち
抜き成形し、かつ、金属製ホルダー（２）の頂部中央の
孔（２ａ）の周囲のレンズ接合部（２ｂ）をレンズ
（１）の光軸（ｋ）に対して傾斜したテーパー状とし、
さらに、該レンズ接合部（２ｂ）をレンズ（１）に向け
てナイフエッジ状としてある。この金属製ホルダー
（２）の材質は、ステンレスその他各種の金属材料を自
由に使用することができる。また、テーパー角度は、20
°〜80°の範囲内で適宜設定することができる。

【００１２】図１と図２とは、レンズ接合部（２ｂ）の
テーパーの形成方向を逆としたものである。

【００１３】上記レンズ接合部（２ｂ）の孔（２ａ）内
にレンズ（１）を位置決め配置し、接着剤（３）で接合
固着して光学用レンズ部品（Ａ）を作成する。接着剤
（３）は低融点ガラス等を使用することができる。

【００１４】図１の実施例は、レンズ（１）の直径2.00
0mm、金属製ホルダー（２）の孔（２ａ）の内径2.1mm、
金属製ホルダー（２）の胴部内径3.3mm、胴部外径3.6m
m、胴部軸方向長さ3.0mm、下端フランジ外径4.2mm、胴
部板厚0.2mm、テーパー起点の曲率半径0.3mm、テーパ
ー角度30°とし、レンズ（１）の光軸と直交する中心
平面上で接合した場合を示している。

【００１５】本発明の実施例は、以上の構成からなり、
レンズ（１）を金属製ホルダー（２）のレンズ接合部
（２ｂ）に接着剤（３）で接合した際、金属製ホルダー
（２）とレンズ（１）及び接着剤（３）との熱膨張率の
相違により金属製ホルダー（２）のレンズ接合部（２
ｂ）を通してレンズ（１）の周囲に作用する圧縮応力
（残留熱応力）は、レンズ接合部（２ｂ）が、レンズ
（１）の光軸（ｋ）に対して傾斜したテーパー状として
あるため、図１では上向きに、図２では下向きに湾曲変
形して吸収緩和され、レンズ（１）に歪みや複屈折を生
じさせることがない。しかも、上記レンズ接合部（２
ｂ）は、ナイフエッジ状としてあることによって、上記
作用が増大する。

【００１６】上記実施例では、レンズ接合部（２ｂ）に
テーパー形状のみならず、ナイフエッジ状とした場合を
例示しているが、テーパー形状だけで実施してもよい。
また、ナイフエッジに代えて薄肉状としてもよい。

【００１７】本発明の光学用レンズ部品は、光通信用、
光センサー用その他、レーザー、フォトダイオード、Ｌ
ＥＤ等の発光素子側及び受光素子側のレンズ部品として
も利用できるものである。

【００１８】

【発明の効果】請求項１の発明によれば、金属製ホルダ
ーとレンズ及び接着剤との熱膨張率の相違により金属製
ホルダーのレンズ接合部を通してレンズの周囲に作用す
る圧縮応力（残留熱応力）を、レンズ接合部が湾曲変形
して吸収緩和し、レンズに歪みや複屈折を生じさせにく
く、光通信においては、雑音が入りにくく、光波を乱さ
ないため、伝送損失も改善される。また、熱膨張率の差
の大きなレンズと金属製ホルダーとの組合せも可能とな
り、光学設計の自由度が増大する。

【００１９】また、請求項２の発明によれば、上記効果
がさらに増大する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る光学用レンズ部品の第１実施例を
示す縦断側面図。

【図２】第２実施例を示す縦断側面図。

【図３】従来の光学用レンズ部品の縦断側面図。

【符号の説明】

１レンズ２金属製ホルダー２ａ頂部中央の孔２ｂレンズ接合部３接着剤

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】キャップ形状をなす金属製ホルダーと、
金属製ホルダーの頂部中央の孔に接着剤で接合固着され
たレンズとからなり、金属製ホルダーのレンズ接合部を
レンズの光軸に対して傾斜したテーパー状としてあるこ
とを特徴とする光学用レンズ部品。
【請求項２】キャップ形状をなす金属製ホルダーと、
金属製ホルダーの頂部中央の孔に接着剤で接合固着され
たレンズとからなり、金属製ホルダーのレンズ接合部を
レンズの光軸に対して傾斜したテーパー状とし、かつ、
該レンズ接合部をレンズに向けてナイフエッジ状もしく
は薄肉状としてあることを特徴とする光学用レンズ部
品。