JP4795551B2 - 光半導体装置用キャップとこれを用いた光半導体装置 - Google Patents

光半導体装置用キャップとこれを用いた光半導体装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、光半導体装置用キャップとこれを用いた光半導体装置に関するもので、特に情報通信に用いる光ファイバ接続用のキャップの構造とこれを用いた光半導体装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
社会の高度情報化、IT革命の進展に伴い、増大する通信需要を限られた空間でまかなうためには、光通信用機器の小型化・高集積化が必要となる。光通信においては、光の分岐・集合・増幅などの際には、光送受信素子と光ファイバとの接続が不可欠で、長距離通信においては数多くの箇所で、この接続箇所を設けることが必要となる。従って光ファイバとの接続を行う光送受信素子パッケージの小型化は限られた空間に多数の光送受信素子を配置するための重要な技術となってきている。
【0003】
図10は従来のパッケージの部分断面図である。
図10において、100はパッケージ、102はキャップ、104は金属製のホルダ、106はフェルール、108は光ファイバ、110はキャップ102の金属製のキャップ本体、110aは鏡筒部で肉厚tは2mm程度、長さhは3mm程度である。110bはキャップ取付部、112は球レンズ、114は低融点ガラス、116は組付基板、118はマウント、120はサブマウント、122は光素子、124は電極端子である。
【0004】
パッケージ100の製造方法について説明する。
まずキャップ本体110に球レンズ112を接着する。
図11及び図12はキャップ本体への球レンズの接着工程を示すキャップの断面図である。
図11において、114aは低融点ガラスの円環状のタブレットである。キャップ本体110の鏡筒部110aの内側に球レンズ112を置いて、この球レンズ112の周囲に低融点ガラスのタブレット114aを載置する(図11参照)。
【0005】
次に、低溶融点ガラスの融点以上に加熱し、タブレット114aを軟化・流動させて、低溶融点ガラス114により球レンズ112とキャップ本体110とを接着する(図12参照)。この様にしてキャップ102を形成する。
図10に戻り、次に組付基板116上にマウント118及びサブマウント120を介して取り付けられた光素子122をキャップ102の内部に納め、キャップ本体110の取付部110bを組付基板116に接着することにより、光素子122を封止する。これによりパッケージ100が完成する。
【0006】
この後、フェルール106を介して光ファイバ108が内装されたホルダ104を、パッケージ100のキャップ102上面に載置し、側面から矢印Aで示されたようにYAGレーザを照射することにより、ホルダ104とパッケージ100を溶接する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、溶接の際に鏡筒部110aの上端側面が加熱され、この加熱・放冷によるキャップ本体110の膨張・収縮による熱応力により低融点ガラス114が破断することを防止するために、鏡筒部110aに緩衝エリアとしての機能を持たせ、鏡筒部110aの長さhを3mm程度確保することにより、球レンズ112及び低融点ガラス114にYAGレーザによる溶接の影響が及ばないようにしていた。
【0008】
鏡筒部110aの緩衝エリアを無くすると、熱応力により低融点ガラス114にクラックが入り、このために気密性が劣化する。またクラックが入ることにより球レンズ112の位置が不安定になり、光学特性が劣化するという不具合が発生する場合があった。
このため鏡筒部110aの長さhを短くできず、キャップ102の小型化を図ることができず、延いてはパッケージ100の小型化が困難であった。
【0009】
この発明はこのような問題点を解消するためになされたもので、この発明の第1の目的は、低融点ガラスの破断強度を高めることにより鏡筒部を短くし、小型のキャップを構成することであり、第2の目的はこのキャップを用いることにより、小型で信頼性の高い光半導体装置を提供することである。
なお、光半導体装置に関して、特開平6−112341号公報がある。この発明では、キャップとホルダとの衝合面が平坦であるとこの衝合面の溶接の際に、レーザ光がキャップやホルダ内部に侵入して光学系に損傷を与えるので、これを防ぐために、この溶接部を嵌合構造にするもので、キャップに球レンズの保持部分を有する記載はあるが(公報の図3)、この保持部分は光半導体素子の収納室と光通路との間に設けられているが、この球レンズの保持部分の上下面は平坦な円筒端面で、ある長さをもって内径が徐々に変化する構成にはなっていない。
【0010】
また、光半導体装置用キャップについての特開昭59−48962号公報には、レンズを封止するガラスをレンズの周りに均一に塗布するために、リング状の枠部材をガラス上に載置するもので、球レンズの保持部分の上下面は平坦な円筒端面で、ある長さをもって内径が徐々に変化する構成とはなっていない。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る光半導体装置用キャップは、第1の内径部、この第1の内径部より小さい内径の第2の内径部、及び上記第1の内径部と第2の内径部との間に配設され所定の長さを有し第1の内径部から第2の内径部にその内径を徐々に変える接続部を含む貫通穴とこの貫通穴により穿孔され第1の内径部側にある第1の端部と貫通穴の第2の内径側にある第2の端部とを有するキャップ本体と、このキャップ本体の貫通穴の接続部に、この貫通穴の中心軸に近い位置から外周に向かって厚みが薄くなる接着材で接着された球形レンズと、光ファイバ用のフェルールが保持される保持部を有する第1の端部とこの第1の端部と互いに対向する第2の端部と第1の端部の保持部と第2の端部とを接続する貫通穴とを有し、この第2の端部においてキャップ本体の第2の端部と突き合わされて配設されると共にこの突き合わせ面の外周部においてキャップ本体と相互に溶接されたホルダと、を備えたもので、球形レンズを接着する接着材の球形レンズ近傍の厚みを厚くすることができ、破断強度を大きくすることができる。
【0012】
さらに、キャップ本体の貫通穴の接続部が第1の内径部から第2の内径部に接続するまで一様に内径が変化するもので、製造方法が簡単で、安価に構成することができる。
【0013】
またさらに、キャップ本体の貫通穴の接続部と第2の内径部との間にさらに球形レンズの半径に対応した球状曲面が配設されたもので、球形レンズとキャップ本体との接着面積を広くすることができ、接着強度を高めることができる。
【0014】
またさらに、第2の内径部に対応するキャップ本体の外周にさらに凹凸を設けたもので、キャップ本体の放冷を行いやすくし温度上昇を少なくでき、キャップ本体の熱変形を少なくすることができる。
【0015】
またさらに、第2の内径部に対応するキャップ本体に、貫通穴を廻る凹部を設けるとともにこの凹部に断熱材を配設したもので、球形レンズ近傍のキャップ本体の温度上昇を少なくし、この部分での熱変形を少なくすることができる。
【0016】
また、この発明に係る光半導体装置は、一主面を有する取付け基板と、この取付け基板の一主面上に台座を介して配設された光半導体素子と、この光半導体素子をキャップ本体の貫通穴の内部に封止し、キャップ本体の第1の端部を介して取付け基板上に配設された請求項1ないし5のいずれか1項に記載の光半導体装置用キャップと、を備えたもので、小形の光半導体装置を構成することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に記載する実施の形態においては、光半導体素子として、例えばレーザダイオード(以下LDという)を使用した場合について説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明に係るパッケージの部分断面図である。
図1において、10はパッケージ、12はキャップ本体で金属、例えばステンレスなどが用いられる。12aはキャップ本体12の鏡筒部で肉厚Tは1mm程度、長さHは1mm程度である。12bは胴体部、12cは取付部である。キャップ本体12の内部は貫通穴14になっている。この貫通穴14は胴体部12bの内部空間である第1の内径部としての光素子の収納室14aと鏡筒部12aの中央の光の通路で収納室14aより小さい内径の第2の内径部としての小径部14bとこれら二つの収納室14a及び小径部14bの間を内径を変化させながら接続する接続部としての傾斜部14cとからなっている。
【0018】
この貫通穴14の形状はこの実施の形態では収納室14a及び小径部14bは壁面が円筒形であり、傾斜部14cは壁面が円錐形であるが、形状はこれに限らない。傾斜部14cも、断面が直線的に一様に半径が変化する円錐であるが、曲線的に半径が変化しても良く、断面が階段状に変化してもかまわない。また複数の連続する円錐形状で変化してもかまわない。
16は球レンズで、18は球レンズ16を接着する低融点ガラスである。
球レンズ16の半径は、小径部14bの内径より大きい場合も、同等の場合も、小さな場合もある。低融点ガラス18は傾斜部14cに配設され、傾斜部14cの壁面を介して球レンズ16とキャップ本体12とを接着する。そして傾斜部14cの傾斜の程度に応じて球レンズ16と低融点ガラス18との接触面積が変化するが、球レンズ16の表面近傍、あるいは小径部14bの内径の投影面上での低融点ガラス18の厚みが最も厚くなっている。
【0019】
キャップ本体12と低融点ガラス18で接着された球レンズ16とでキャップ20を構成している。
22は取付基板、24は取付基板22に設けられた電極端子、26は取付基板22上に設けられたマウント、28はサブマウントでこのサブマウント28上にLD30が設けられ、サブマウント28を介してLD30がマウント26上に固定されている。LD30の電気配線は電極端子24と接続されている。受光装置の場合はLD30に変えてフォトダイオードなどが載置される。
【0020】
取付基板22上に配設されたLD30は、キャップ20の収納室14aに収納され、取付部12cが取付基板22に接着されることにより、LD30は収納室14aに封止される。
次にパッケージの製造方法の概略を説明する。
図2および図3はキャップの製造方法を示すキャップの断面図である。
図2において、キャップ本体12を天地返しにして、貫通穴14の傾斜部14cと小径部14bとの接続部分に球レンズ16を載置する。球レンズ16の位置決めをするために治具を使用する場合もあるが、球レンズ16の半径より小径部14bの半径を小さくすることにより、傾斜部14cと小径部14bとの接続部分に球レンズ16を載置して位置決めする場合もある。この球レンズ16の周囲に低融点ガラスの円環状のタブレット18aを載置する(図2参照)。
【0021】
次に、低溶融点ガラスの融点以上に加熱し、タブレット18aを軟化流動させて、低溶融点ガラス18により球レンズ16とキャップ本体12とを接着する(図3参照)。これでキャップ20が形成される。
次に、LD30が配設された取付基板22上に、キャップ20の収納室14aにLD30が収納されるようにしてキャップ20が配設され、キャップ20の取付部と取付基板22とが接着される。これでパッケージ10が完成する。
【0022】
さらに、このパッケージ10は、光ファイバと接続されて使用されるので、光ファイバとの接続方法について説明する。
図4は、パッケージ10と光ファイバとの接続方法を示す断面模式図である。
図4において、32は金属製のホルダ、34はフェルール、36はこのフェルール34に把持された光ファイバである。また光ファイバ36はフェルール34を介してホルダ32に装着される。
パッケージ10のキャップ20の上端面に、光ファイバ36を内装したホルダ32を載置し、この突き合わせ面の側面からYAGレーザを照射しパッケージ10とホルダ32とを溶接する。矢印AはYAGレーザの照射を示す。
【0023】
図5はパッケージ10と光ファイバとの接続状態を示す部分断面図である。
図4に示したホルダ32とパッケージ10との溶接の際に、パッケージ10を構成するキャップ20の上端面がYAGレーザによって加熱される。そして溶接後は自然放冷される。
この加熱・冷却の際に、キャップ本体12の鏡筒部12aが主に熱変形を受ける。この熱変形は加熱の際には鏡筒部12aの小径部14bの内径を拡げる変形であり、冷却時はこの小径部14bの内径を小さくする変形となる。球レンズ16と鏡筒部12aとは低融点ガラス18を介して接着されているので、この熱変形による応力は低融点ガラス18の特に小径部14bの内径の投影面近傍で最も大きくなる。
【0024】
この実施の形態1のキャップ20は、キャップ本体12の貫通穴14に傾斜部14cを設けているので、球レンズ16と鏡筒部12aとの接着の際に加熱して低融点ガラス18を軟化させると、低融点ガラス18はキャップ本体12の傾斜部14cに沿って球レンズ16の方に流れ、球レンズ16と小径部14bとで堰き止められて、小径部14bの内径の投影面もしくは球レンズ16の表面の近傍で最も厚みが厚くなる。つまり、最も強度が要求される低融点ガラス18の部位の厚みを積極的に厚くしている。このため溶接の際の加熱による熱応力が大きくなる部分の低融点ガラス18の破断強度を大きくすることができる。
【0025】
この低融点ガラス18の破断強度の改善に伴って、鏡筒部12aに許容される熱変形を大きくすることができるので、鏡筒部12aの長さHや肉厚Tを小さくすることができ、キャップ本体を小型化することができる。延いてはパッケージを小型化することが出来る。
従来のキャップ102では球レンズ112の周りの低融点ガラスの厚みは表面張力による厚みで決まり、熱応力が最も大きくなる箇所である鏡筒部110aの内壁部の低融点ガラス114の厚みを積極的には厚くしていない。従って低融点ガラス114の破断強度を必ずしも十分確保することができなかったので、溶接の際の加熱の程度によっては、鏡筒部110aの熱変形による熱応力が大きくなり過ぎ、低融点ガラス114にクラックが入って気密性が劣化したり、球レンズの位置の安定性が損なわれることがあるために、鏡筒部110aの長さを長くしまた鏡筒部110aの肉厚を厚くすることにより、緩衝エリアとしての機能を持たせていたので、キャップを小型にできなかったものである。
【0026】
以上のように、この実施の形態1では、キャップ本体12の貫通穴14に傾斜部14cを設け、球レンズ16を接着する低融点ガラス18の厚みを、小径部14bの内径の投影面もしくは球レンズ16の表面の近傍で最も厚みが厚くなるようにし、熱変形に耐えうる低融点ガラス18の破断強度を高めることにより、鏡筒部12aの長さや肉厚を小さくするものである。これによりキャップ本体を小型化することができ、延いてはパッケージの小型化を行うことができる。
【0027】
実施の形態2.
図6はこの実施の形態2に係るキャップの断面図である。
図6において、40はキャップである。42はキャップ本体12の鏡筒部12aの貫通穴14の小径部14bと傾斜部14cとの間に設けた球面座である。実施の形態1と同じ符号は、同じものかまたは相当のものである。このことは以下の実施の形態においても同じである。
低融点ガラス18は球面座42と球レンズ16との隙間にも配設されている。
キャップ40においては、球レンズ16とキャップ本体12とを接着する低融点ガラス18は実施の形態1と同様に傾斜部14cに沿って配設され、球レンズ16を接着しているので、実施の形態1と同様に鏡筒部12aの貫通穴14bに沿った熱変形による応力が最も高くなるところで、低融点ガラス18の厚みが最も厚くなるので、実施の形態1と同様の効果を有する。
【0028】
そしてこの実施の形態2においてはさらに、低融点ガラス18は球面座42と球レンズ16との隙間にも配設されているので、球レンズ16とキャップ本体12との接着面積が大きくなっているので、接着強度が高くなり、この分だけ許容される熱応力を大きくすることができて、鏡筒部の長さ、肉厚をさらに小さくすることができるので、キャップ本体12を一層小形にすることが出来る。延いてはパッケージをさらに小型化できる。
【0029】
実施の形態3.
図7はこの実施の形態3に係るパッケージの部分断面図である。
図7において、46はパッケージである。48はキャップ本体12の鏡筒部12aの外周に設けられた放熱用の凹凸である。この凹凸48は図7に示されたような鏡筒部12aの外周に設けられた溝形状でも良いし、突起状の放熱フィンでも良く、放熱面積を大きくするものであればよい。
このパッケージ46では、実施の形態1のパッケージ10に加えて、キャップ本体12の鏡筒部12aの外周に放熱用の凹凸48が設けられている。このためにパッケージ46の上端面にホルダ32を溶接するときにキャップ本体12に加えられた熱が鏡筒部12aの外周から放熱しやすくなる。従ってキャップ本体12の鏡筒部12aの熱変形量が低く抑えられて、低融点ガラス18に加えられる熱応力が小さくなり、低融点ガラス18が破断しにくくなる。
【0030】
このために低融点ガラス18の破壊に対する許容応力が同じでも、実施の形態1のパッケージ10に比べて低融点ガラス18に加えられる熱応力が小さくなる分だけ、キャップ本体12の鏡筒部12aの長さや肉厚を小さくすることができる。延いてはパッケージをより小型にすることが出来る。
【0031】
実施の形態4.
図8はこの実施の形態4に係るパッケージの部分断面図である。また図9はこの実施の形態4に係るキャップの形成方法を示す模式図である。
図8において、52はパッケージである。54はこのパッケージ52のキャップ本体12の鏡筒部12a上端面に設けられ、貫通穴14の周りを廻って配設された凹部としての溝で、56は溝54に挿入された断熱材、たとえばアルミナなどのセラミクスリングである。
【0032】
パッケージ52においては、実施の形態1のパッケージ10に加えて、キャップ本体12の鏡筒部12a上端面に、貫通穴14の周りに凹部例えば環状の溝54を設け、この溝54に断熱材、例えばセラミクスリング56を挿入したものである。この実施の形態では溝54にしているが、必ずしも溝54に限らず、内径側を全て除去した段差状の凹部でもよい。また必ずしも連続した溝でなくても良い。また必要に応じ複数本にしても良い。
【0033】
溝54に挿入する、断熱材としてセラミクスリング56を使用したが、場合によっては何も挿入せず、空気を断熱材としても良い。
図9に示すように、このキャップ本体12は鏡筒部12aの上端面に形成された溝54に、上端面の上方からセラミクスリング56を挿入する。
このパッケージ52とホルダ32を溶接するとき、YAGレーザを側面から照射する。このためパッケージ52のキャップ本体12はその鏡筒部12aの外周上端面で加熱される。
【0034】
球レンズ16を接着する低融点ガラス18は、キャップ本体12中央に設けられた貫通穴14の傾斜部14cに配設されている。溶接の際の熱変形による低融点ガラス18の熱応力に最も影響する鏡筒部12aの小径部14bにおける温度上昇を抑制することにより、この小径部14bでの熱変形を小さくし、低融点ガラス18の熱応力を小さくすることができる。
【0035】
そこで鏡筒部12aの上端面に溝54を設け、さらに断熱用のセラミクスリング56を挿入することにより、溶接の際の熱流を鏡筒部12aの外周に沿わせて移動させ、この外周面での放熱を促進するようにし、これにより鏡筒部12aの小径部14bの温度上昇を小さくし熱変形を少なくすることにより、低融点ガラス18の熱応力を小さくするものである。
この実施の形態4に係るパッケージ52に実施の形態3のパッケージ46に用いた放熱用の凹凸48を設けることにより鏡筒部12aの外周面での放熱を促進することができ、一層低融点ガラス18の熱応力を小さくすることができる。
【0036】
このパッケージ52においては、鏡筒部12aの小径部14bの温度上昇を小さくし熱変形を少なくすることにより、低融点ガラス18の熱応力を小さくすることができるから、低融点ガラス18の許容応力の限度まで鏡筒部12aの長さや肉厚を小さくすることができ、パッケージの小型化が可能となる。
以上の実施の形態の説明では、LDを用いたパッケージを例にして説明したが、受光素子など他の光半導体素子を用いたパッケージでも同様の効果がある。
【0037】
【発明の効果】
この発明に係る光半導体装置用キャップおよび光半導体装置は、以上に説明したような構成を備えているので、以下のような効果を有する。
この発明に係る光半導体装置用キャップによれば、第1の内径部、この第1の内径部より小さい内径の第2の内径部、および第1の内径部と第2の内径部との間に配設され所定の長さを有し第1の内径部から第2の内径部に徐々にその内径を変える接続部を含む貫通穴を有するキャップ本体と、このキャップ本体の貫通穴の接続部に接着材で接着された球形レンズと、を備えたもので、球形レンズを接着する接着材の球形レンズ近傍の厚みを厚くすることができ、破断強度を大きくすることができる。
このため、接着材の許容応力限度内の熱変形を大きくすることができ、キャップ本体の第2の内径部に対応する部分の長さや肉厚を小さくでき、光半導体装置用キャップを小型化できる。
【0038】
さらに、キャップ本体の貫通穴の接続部が第1の内径部から第2の内径部に接続するまで一様に内径が変化するもので、製造方法が簡単で、安価に構成することができる。延いては小型で安価な光半導体装置用キャップを構成することができる。
【0039】
またさらに、キャップ本体の貫通穴の接続部と第2の内径部との間にさらに球形レンズの半径に対応した球状曲面が配設されたもので、球形レンズとキャップ本体との接着面積を広くすることができ、接着強度を高めることができる。このため接着強度が高くなった分だけ許容される熱応力を大きくすることができて、キャップ本体の第2の内径部に対応する部分の長さや肉厚をさらに小さくできる。延いては、一層小型の光半導体装置用キャップを構成することができる。
【0040】
またさらに、第2の内径部に対応するキャップ本体の外周にさらに凹凸を設けたもので、キャップ本体の放冷を行いやすくし温度上昇を少なくでき、キャップ本体の熱変形を少なくすることができ、接着材にかかる熱応力を小さくすることができる。このため熱応力が小さくなる分だけキャップ本体の第2の内径部に対応する部分の長さや肉厚をさらに小さくできる。延いては、一層小型の光半導体装置用キャップを構成することができる。
【0041】
またさらに、第2の内径部に対応するキャップ本体に、貫通穴を廻る凹部を設けるとともにこの凹部に断熱材を配設したもので、球形レンズ近傍のキャップ本体の温度上昇を少なくし、この部分での熱変形を少なくすることができる。このため熱応力が小さくなる分だけキャップ本体の第2の内径部に対応する部分の長さや肉厚をさらに小さくできる。延いては、一層小型の光半導体装置用キャップを構成することができる。
【0042】
また、この発明に係る光半導体装置は、一主面を有する取付け基板と、この取付け基板の一主面上に台座を介して配設された光半導体素子と、この光半導体素子をキャップ本体の貫通穴の内部に封止し、取付け基板上に配設された請求項1ないし5のいずれか1項に記載の光半導体装置用キャップと、を備えたもので、小型の光半導体装置を構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施の形態に係るパッケージの部分断面図である。
【図2】 この発明の一実施の形態に係るキャップの製造方法を示すキャップの断面図である。
【図3】 この発明の一実施の形態に係るキャップの製造方法を示すキャップの断面図である。
【図4】 この発明の一実施の形態に係るパッケージと光ファイバとの接続方法を示す断面模式図である。
【図5】 この発明の一実施の形態に係るパッケージと光ファイバとの接続状態を示す部分断面図である。
【図6】 この発明の一実施の形態に係るキャップの断面図である。
【図7】 この発明の一実施の形態に係るパッケージの部分断面図である。
【図8】 この発明の一実施の形態に係るパッケージの部分断面図である。
【図9】 この発明の一実施の形態に係るキャップの形成方法を示す模式図である。
【図10】 従来のパッケージの部分断面図である。
【図11】 従来のキャップ本体への球レンズの接着工程を示すキャップの断面図である。
【図12】 従来のキャップ本体への球レンズの接着工程を示すキャップの断面図である。
【符号の説明】
14a 収納室、 14b 小径部、 14c 傾斜部、 14 貫通穴、 12 キャップ本体、 18 低融点ガラス、 16 球レンズ、42 球面座、 46 凹凸、 54 溝、 56 セラミクスリング、 22 取付基板、 28 サブマウント、 26 マウント、 30 レーザダイオード。

Claims (6)

  1. 第1の内径部、この第1の内径部より小さい内径の第2の内径部、及び上記第1の内径部と第2の内径部との間に配設され所定の長さを有し上記第1の内径部から第2の内径部にその内径を徐々に変える接続部を含む貫通穴とこの貫通穴により穿孔され上記第1の内径部側にある第1の端部と上記貫通穴の上記第2の内径側にある第2の端部とを有するキャップ本体と、
    このキャップ本体の上記貫通穴の接続部に、この貫通穴の中心軸に近い位置から外周に向かって厚みが薄くなる接着材で接着された球形レンズと、
    光ファイバ用のフェルールが保持される保持部を有する第1の端部とこの第1の端部と互いに対向する第2の端部と上記第1の端部の保持部と第2の端部とを接続する貫通穴とを有し、この第2の端部において上記キャップ本体の第2の端部と突き合わされて配設されると共にこの突き合わせ面の外周部において上記キャップ本体と相互に溶接されたホルダと、
    を備えた光半導体装置用キャップ。
  2. キャップ本体の貫通穴の接続部が第1の内径部から第2の内径部に接続するまで一様に内径が変化することを特徴とする請求項1記載の光半導体装置用キャップ。
  3. キャップ本体の貫通穴の接続部と第2の内径部との間にさらに球形レンズの半径に対応した球状曲面が配設されたことを特徴とする請求項1記載の光半導体装置用キャップ。
  4. 第2の内径部に対応するキャップ本体の外周にさらに凹凸を設けたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の光半導体装置用キャップ。
  5. 第2の内径部に対応するキャップ本体に、貫通穴を廻る凹部を設けるとともにこの凹部に断熱材を配設したことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の光半導体装置用キャップ
  6. 一主面を有する取付け基板と、
    この取付け基板の上記一主面上に台座を介して配設された光半導体素子と、
    この光半導体素子をキャップ本体の貫通穴の内部に封止し、キャップ本体の第1の端部を介して上記取付け基板上に配設された請求項1ないし5のいずれか1項に記載の光半導体装置用キャップと、
    を備えた光半導体装置。
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